JPH11503783A - シクロアルカンを主成分とする洗浄剤 - Google Patents

シクロアルカンを主成分とする洗浄剤

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JPH11503783A JP8531518A JP53151896A JPH11503783A JP H11503783 A JPH11503783 A JP H11503783A JP 8531518 A JP8531518 A JP 8531518A JP 53151896 A JP53151896 A JP 53151896A JP H11503783 A JPH11503783 A JP H11503783A
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Abstract

(57)【要約】 一般式:Cn2(n+1-a)(nは8〜12の整数、aは環の数を表す)で表されるシクロアルカンの混合物の固体表面の洗浄・脱脂剤としての使用。

Description

【発明の詳細な説明】 シクロアルカンを主成分とする洗浄剤 本発明は、油またはグリースで汚損されるか、一時的保護のために油またはグ リースが塗布された固体、例えば金属部品、セラミック、ガラスおよびプラスチ ック材料の表面を、機械内または水溶媒体中で、洗浄・脱脂する試薬として用い ることができるシクロアルカンに関するものである。 本発明のシクロアルカンはプリント回路のフラックス(融剤)の除去に用いる こともできる。フラックス除去操作とは溶接フラックスの除去作業である。 これらの操作には従来炭化水素溶媒、主として塩素化溶剤、例えばT111の名称 で当業者に周知の1,1,1-トリクロロエタンおよびクロロフルオロアルカン、例え ばF113の名称で当業者に周知の1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタンが 用いられてきた。 しかし、これら塩素化物およびフッ素化塩素化物は特定放射線に対する保護の 役目をする成層圏のオゾン層の減少の原因であると疑われている。 環境に関する最近の国際会議で出されたモントリオール草案では、これら塩素 化物およびフッ素化塩素化物は、成層圏オゾンの破壊作用がほとんど無いまたは 全く無い代用品で置き換える必要がある。 英国特許第2,175,004号には、脂肪族および/または脂環式化合物を含む非芳 香族炭化水素85〜97重量部と、炭素数8〜18のアルキル基を少なくとも1つ含む 芳香族化合物3〜15重量部とからなる金属またはプラスチック表面から油脂を除 去するための洗浄組成物が記載されている。 しかし、この組成物は無視できない量の芳香族化合物を含むという欠点を有し ている。特に、芳香族化合物はかなりの刺激性があるため、この化合物の低温で の脱脂への利用は徐々に制限され、禁止されつつある。 本発明者はASTM規格D56-70で測定した引火点が55℃以上で、蒸留温度が1 75〜235℃であるシクロアルカン混合物が固体表面の洗浄・脱脂剤として使用で きるということを発見した。 本明細書でシクロアルカン混合物という用語は一般式: Cn2(n+1-a) (I) (nは5〜26の整数で、aは環の数を表す) で表される飽和した単環式または多環式の炭化水素の混合物を表し、必要に応じ て1種または複数のアルキル基で置換されていてもよい。 nが8〜12、好ましくは9〜11の整数で、aが1〜5、好ましくは1〜3の整数であ る化学式(I)で表されるシクロアルカンの混合物を用いるのが好ましい。 本発明で使用可能な混合物の例としては芳香族化合物および/またはシクロジ エン化合物、例えばアルキルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエ ン、アルキルジシクロペンタジエン、ナフタレンおよびそのアルキル誘導体から なる石油留分の触媒水素化で得られる(アルキル)シクロアルカン混合物を挙げ ることができる。この方法で得られた(アルキル)シクロアルカン混合物は基本 的に1種または複数の炭素数1〜4のアルキル基を有する飽和した環式炭化水素で 構成される。 この混合物の例としては下記化合物:テトラヒドロジシクロペンタジエン、メ チルテトラヒドロジシクロペンタジエン、ジメチルテトラヒドロジシクロペンタ ジエン、エチルプロピルシクロヘキサン、アルキルデカヒドロナフタレンの2種 または2種以上の混合物を挙げることができる。 本発明では、少なくとも40重量%のエンド-テトラヒドロジシクロペンタジエ ンを含む混合物を用いるのが好ましい。 本発明では、シクロアルカンの混合物としてナフテン留分とよばれる石油留分 を用いることもできる。このナフテン留分は基本的に化学式(I)でa=1,2また は3で、nが一般に9〜12である化合物で構成される。このナフテン留分の例とし てはエクソンケミカル(Exxon Chemical)社から商品名ナッパー(Nappar)11で市販 のナフテン溶媒を挙げることができる。 実質的に純粋なシクロアルカンを用いても本発明の範囲を逸脱するものではな い。純粋なシクロアルカンとはASTM規格D56-70に準じて測定した引火点が5 5℃以上で、蒸留温度範囲が175℃〜235℃であるものを意味する。そうしたシク ロアルカンの例としてはシクロデカン、トリシクロ[6.2.10.2,6]デカンおよびビ シクロヘ キシルを挙げることができる。 本発明のシクロアルカンの混合物は引火点が55℃以上であり、いわゆるA3溶 媒すなわち引火点が55〜100℃である溶媒を用いた機械中で危険なしに使用可能 であるという利点を有している。 従って、本発明のシクロアルカン混合物は固体表面、例えば金属および/また はプラスチック部品の洗浄およびプリント回路のフラックス除去のために温度が 40度以上に達することがある実質的に密閉された系内で用いることができる。 本発明のシクロアルカン混合物を安定化してもよい。 使用可能な安定化剤としてはニトロ誘導体、例えばニトロメタン、ニトロエタ ン、ニトロプロパンおよびニトロトルエン;エーテルまたはアセタール類、例え ばジメトキシメタン、1,3-ジオキソランおよびジメトキシエタン;アミン類、例 えばトリエチルアミン、ジプロピルアミンおよびジメチルアミン;燐誘導体、例 えばトリイソデシルホスフィットおよびトリイソオクチルホスフィットを用いる ことができる。 本発明組成物はさらに一種以上の臭気遮断剤(マスク)を含有することができる 。この臭気遮断剤の例としてはバニリンとその誘導体、松エッセンス、リモネン およびその誘導体を挙げることができる。この化合物は非常に少量、一般には組 成物100重量部に対して0.01〜0.1重量部で効果を現す。 本発明組成物は脱脂操作後の除去が容易であるという利点がある。 以下、本発明の実施例を説明する。これら実施例では引火点はASTM規格D 56-70に従って測定した。 以下の化合物を使用した: (a) 「Nappar 11」ナフテン(以下、Nap 11) このシクロアルカン留分の蒸留温度は182〜200℃で、引火点は60℃である。 (b) 約40重量%のエンド-テトラヒドロジシクロペンタジエン(以下、THDC PD)を含むシクロアルカン混合物。蒸留温度180〜210℃、引火点58℃。実施例1 40×30mmのステンレス鋼グリルにCastrol,Shell,MobilまたはElfから供給 された油(whole oil)または水溶性油を塗布し、その後に秤量した。次いで、Na p 11を収容した槽内で機械的に攪拌しながら約40℃で脱脂した。 グリル上の油は30分以内にの痕跡も無くなった。実施例2 Nap 11をTHDCPDに代えて実施例1の操作を繰り返した。洗浄性能は同 じで、30秒以内にグリルの油は完全を除去された。実施例3 (フラックス除去試験) 超音波発生装置を備えた小さな実験用二槽機械の各タンクに125mlのTHDC PDを入れ、次いで各タンク内の液体を40℃に加熱した。 ロジンベースの溶接用フラックス(Alphametal社のフラックスR8F)をコー トし、230℃で30秒間アニールし、次いで、冷却した5つの標準化回路(IPC- B-25型)を40℃の液体中で、超音波下に3分間浸漬した。回路から水を1分間 脱水した後、第2タンク内で3分間洗浄し、さらに1分間脱水し、最後に55℃で 乾燥した。乾燥時間は75秒にした。 洗浄品質を規格の操作IPC-TM 650 No.2.3.25および2.3.26および規格M IL-STD-2000に従ってイオン残基比率で評価した。 得られた値は1.52μg当量NaCl/cm2で、限界値(2.5μg.当量NaCl/cm2) より大幅に低く、エレクトロニクスの分野では許容できる値である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年4月23日 【補正内容】 明細書 シクロアルカンを主成分とする洗浄剤 本発明は、油またはグリースで汚損されるか、一時的保護のために油またはグ リースが塗布された固体、例えば金属部品、セラミック、ガラスおよびプラスチ ック材料の表面を、機械内または水溶媒体中で、洗浄・脱脂する試薬として用い ることができるシクロアルカンに関するものである。 本発明のシクロアルカンはプリント回路のフラックス(融剤)の除去に用いる こともできる。フラックス除去操作とは溶接フラックスの除去作業である。これ らの操作には従来炭化水素溶媒、主として塩素化溶剤、例えばT111の名称で当 業者に周知の1,1,1-トリクロロエタンおよびクロロフルオロアルカン、例えばF 113の名称で当業者に周知の1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタンが用い られてきた。 しかし、これら塩素化物およびフッ素化塩素化物は特定放射線に対する保護の 役目をする成層圏のオゾン層の減少の原因であると疑われている。 環境に関する最近の国際会議で出されたモントリオール草案では、これら塩素 化物およびフッ素化塩素化物は、成層圏オゾンの破壊作用がほとんど無いまたは 全く無い代用品で置き換える必要がある。 英国特許第2,175,004号には、脂肪族および/または脂環式化合物を含む非芳 香族炭化水素85〜97重量部と、炭素数8〜18のアルキル基を少なくとも1つ含む 芳香族化合物3〜15重量部とからなる金属またはプラスチック表面から油脂を除 去するための洗浄組成物が記載されている。 しかし、この組成物は無視できない量の芳香族化合物を含むという欠点を有し ている。特に、芳香族化合物はかなりの刺激性があるため、この化合物の低温で の脱脂への利用は徐々に制限され、禁止されつつある。 国際特許第WO-91/19831号 にはシクロパラフィン、分岐パラフィンおよび少 なくとも1種の界面活性剤を含む組成物が記載されている。 欧州特許第EP-0,474,053号の実施例1には下記で構成される組成物が記載され て いる: 69重量%のシクロパラフィン 29重量%のイソパラフィン 2重量%のn- パラフィンおよび 芳香族化合物の痕跡量 国際特許第WO-93/06204号は基本的に下記で構成される組成物に関するもの である: 1) 30〜70%濃度のグリコールエーテル、 2) 30〜70%濃度の1種または複数の直鎖、分岐鎖または環鎖を有する炭素数12 〜18の脂肪族炭化水素、 3) 0〜10%濃度の少なくとも1種の界面活性剤および 4) 0〜5%濃度の少なくとも1種の抑止剤、香料または染料 国際特許第WO-93/13246号は基本的に下記からなる組成物に関するものであ る: i) 石油の蒸留で得られた75〜90容量部の蒸留留分、この留分は炭素数8〜15の ナフテン炭化水素およびパラフィン炭化水素から選択される炭化水素を92重量% 以下(留分の全重量に対して)の含む。 ii) 5〜25容量部の分岐鎖を有してもよい1種または複数の炭素数5〜15の飽和脂 肪族アルコール 特開平03-062896号に関するChemical Abstracts,第115巻、No.16,No.1616 50には少なくとも70重量%の炭素数9〜18の飽和環式炭化水素と、炭素数6〜18を 有する0.1〜30重量%の脂肪族アルコールおよび/または非イオン系界面活性剤 を含む洗浄組成物が記載されている。 本発明者はASTM規格D56-70で測定した引火点が55℃以上であり、蒸留温 度が175〜235℃である実際上純粋なシクロアルカンまたはシクロアルカンの混合 物が、固体表面の洗浄剤および脱脂剤として使用することができるということを 発見した。 本明細書中では、シクロアルカンの混合物という表記は、必要に応じてさらに 1種または複数のアルキル基で置換された、 本発明者はASTM規格D56-70で測定した引火点が55℃以上で、蒸留温度が1 75〜235℃であるシクロアルカン混合物が固体表面の洗浄・脱脂剤として使用で きるということを発見した。 本明細書でシクロアルカン混合物という用語は一般式: Cn2(n+1-a) (I) (nは5〜26の整数で、aは環の数を表す) で表される飽和した単環式または多環式の炭化水素の混合物を表し、必要に応じ て1種または複数のアルキル基で置換されていてもよい。 請求の範囲 1.必要に応じてさらに1種または複数のアルキル基で置換されていてもよい、 一般式: Cn2(n+1-a) (I) (ここで、nは8〜12の整数で、aは1〜5の整数) で表される飽和した単環式または多環式の炭化水素の混合物で構成され、AST M規格D56-70で測定した引火点が55℃以上で且つ蒸留温度が175〜235℃である 実質的に純粋なシクロアルカンの混合物の洗浄・脱脂剤としての使用。 2.化学式(I)中のnが9〜11の整数で、aが1〜3の整数である請求項1に記載の 使用。 3.シクロアルカン混合物が少なくとも40重量%のエンド-テトラヒドロジシク ロペンタジエンを含む混合物である請求項1に記載の使用。 4.シクロアルカンの混合物がナフテン留分である請求項1に記載の使用。 5.ナフテン留分が基本的に化学式(I)で、a=1,2または3であり、nが9〜 12である化合物で構成されている請求項4に記載の使用。 6.請求項1〜5のいずれか一項に記載のシクロアルカン混合物の固体表面の洗 浄での利用。 7.請求項6に記載のプリント回路のフラックス解除および金属および/または プラスチック部品の脱脂での利用。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ASTM規格D56-70で測定した引火点が55℃以上で且つ蒸留温度が175〜23 5℃であるシクロアルカン混合物の洗浄・脱脂剤としての使用。 2.シクロアルカン混合物が必要に応じて1種または複数のアルキル基で置換さ れていてもよい、一般式 Cn2(n+1-a) (I) (ここで、nは8〜12の整数であり、aは1〜5の整数である) で表される飽和した単環式または多環式の炭化水素の混合物である請求項1に記 載の使用。 3.化学式(I)のnが9〜11の整数で、aが1〜3の整数である請求項2に記載の使 用。 4.シクロアルカン混合物が少なくとも40重量%のエンド-テトラヒドロジシク ロペンタジエンを含む混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。 5.シクロアルカン混合物がナフテン留分である請求項1〜3のいずれか一項に 記載の使用。 6.ナフテン留分が基本的に化学式(I)でa=1,2または3で、nが9〜12である化合 物からなる請求項5に記載の使用。 7.請求項1〜6のいずれか一項に記載のシクロアルカン混合物の固体表面洗浄 での利用。 8.請求項7に記載のプリント回路のフラックス解除および金属および/または プラスチック部品の脱脂での利用。
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