JPH1150222A - If鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
If鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法Info
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- JPH1150222A JPH1150222A JP22202897A JP22202897A JPH1150222A JP H1150222 A JPH1150222 A JP H1150222A JP 22202897 A JP22202897 A JP 22202897A JP 22202897 A JP22202897 A JP 22202897A JP H1150222 A JPH1150222 A JP H1150222A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面外観が良好で、線状マークが生じず、高
強度でかつめっき皮膜の均一性に優れ、さらに密着性に
優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板、およびさらに合
金化ムラを生じず、耐パウダリング性に優れたIF鋼下
地合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造することが
できる製造方法を提供すること。 【解決手段】 C含有量を重量比で100ppm以下と
し、少なくともC、NをTiまたはNbで析出固定して
なるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行うに際し、鋼板表面
に、炭素化合物、窒素化合物およびホウ素化合物の中か
ら選択される1種または2種以上をC、B、N量として
0.1〜1000mg/m2付着させた後、非酸化性雰
囲気で焼鈍し、その後、少なくとも0.05〜0.30
%のAlを含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを行う。
強度でかつめっき皮膜の均一性に優れ、さらに密着性に
優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板、およびさらに合
金化ムラを生じず、耐パウダリング性に優れたIF鋼下
地合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造することが
できる製造方法を提供すること。 【解決手段】 C含有量を重量比で100ppm以下と
し、少なくともC、NをTiまたはNbで析出固定して
なるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行うに際し、鋼板表面
に、炭素化合物、窒素化合物およびホウ素化合物の中か
ら選択される1種または2種以上をC、B、N量として
0.1〜1000mg/m2付着させた後、非酸化性雰
囲気で焼鈍し、その後、少なくとも0.05〜0.30
%のAlを含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車内
外板として用いられる鋼板を下地鋼板とする溶融亜鉛め
っきおよび合金化溶融亜鉛めっき鋼板ならびにそれらの
製造方法に関し、特に、自動車内外板として、めっき皮
膜の均一性と密着性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき
鋼板およびめっき皮膜の均一性と耐パウダリング性に優
れたIF鋼下地合金化溶融亜鉛めっき鋼板、ならびに安
定した操業を行うことができる溶融亜鉛めっき鋼板およ
び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
外板として用いられる鋼板を下地鋼板とする溶融亜鉛め
っきおよび合金化溶融亜鉛めっき鋼板ならびにそれらの
製造方法に関し、特に、自動車内外板として、めっき皮
膜の均一性と密着性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき
鋼板およびめっき皮膜の均一性と耐パウダリング性に優
れたIF鋼下地合金化溶融亜鉛めっき鋼板、ならびに安
定した操業を行うことができる溶融亜鉛めっき鋼板およ
び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車体寿命延長の観点から、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板が車体用素材として使用され始めて久し
い。合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、電気めっき法に比べ
厚めっき化が容易な溶融亜鉛めっき法により製造される
ため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板には、耐食性に優れ製
造コストが低いこと、めっき層が鉄亜鉛合金となってい
るため、塗料密着性、スポット溶接性に優れること等の
材料的優位性がある。
鉛めっき鋼板が車体用素材として使用され始めて久し
い。合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、電気めっき法に比べ
厚めっき化が容易な溶融亜鉛めっき法により製造される
ため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板には、耐食性に優れ製
造コストが低いこと、めっき層が鉄亜鉛合金となってい
るため、塗料密着性、スポット溶接性に優れること等の
材料的優位性がある。
【0003】一方、硬質な鉄亜鉛合金が厚く被覆されて
いる合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき皮膜の拘束に
より縮み変形が抑制されるので、深絞り性に劣る。そこ
で、深絞り成形が必要な部品には、鋼板の深絞り性の指
標であるr値の高い材料が必要となる。このため、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の原板としては、C含有量を10
0ppm以下とした上でC、NなどをTiやNbで析出
固定し、侵入型固溶原子による深絞り性への悪影響をな
くしたIF鋼が多用されることとなった。ところが、I
F鋼においては、以下のような問題点がある。
いる合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき皮膜の拘束に
より縮み変形が抑制されるので、深絞り性に劣る。そこ
で、深絞り成形が必要な部品には、鋼板の深絞り性の指
標であるr値の高い材料が必要となる。このため、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の原板としては、C含有量を10
0ppm以下とした上でC、NなどをTiやNbで析出
固定し、侵入型固溶原子による深絞り性への悪影響をな
くしたIF鋼が多用されることとなった。ところが、I
F鋼においては、以下のような問題点がある。
【0004】(1)合金化速度・耐パウダリング性・め
っき密着性 IF鋼においては、アウトバースト反応と呼ばれる「著
しく速い鋼板粒界での鉄亜鉛反応」のために、合金化制
御が難しく、過合金化状態に陥りやすいので、耐パウダ
リング性の低下を招く。また、IF鋼を下地とした溶融
亜鉛めっき鋼板は、粒界での合金化速度が速いことか
ら、めっき皮膜の初期合金層が大きく発達し、密着性の
低下を招いている。
っき密着性 IF鋼においては、アウトバースト反応と呼ばれる「著
しく速い鋼板粒界での鉄亜鉛反応」のために、合金化制
御が難しく、過合金化状態に陥りやすいので、耐パウダ
リング性の低下を招く。また、IF鋼を下地とした溶融
亜鉛めっき鋼板は、粒界での合金化速度が速いことか
ら、めっき皮膜の初期合金層が大きく発達し、密着性の
低下を招いている。
【0005】(2)皮膜均一性 r値の高い鋼板を得るために、鋼中には多量のTiを添
加する場合がある。この際には、熱延時のスケール生成
によるスケールマークや合金化反応の局部的不均一によ
るスジ状マークが発生し、表面外観の低下を招いて、外
板用途へは使用することができない状態となる。また、
アウトバースト反応の影響から、合金化後あるいは合金
化前のめっき皮膜表面に凹凸を生じる問題もあり、皮膜
の均一性という点で劣っている。
加する場合がある。この際には、熱延時のスケール生成
によるスケールマークや合金化反応の局部的不均一によ
るスジ状マークが発生し、表面外観の低下を招いて、外
板用途へは使用することができない状態となる。また、
アウトバースト反応の影響から、合金化後あるいは合金
化前のめっき皮膜表面に凹凸を生じる問題もあり、皮膜
の均一性という点で劣っている。
【0006】従来、鋼板と溶融亜鉛との濡れ性を改善す
る方法あるいは合金化反応を促進させる方法としては、
溶融めっきに先立って鋼板表面にNi、Fe等の金属あ
るいは合金をプレめっきする方法(例えば、特開昭60
−110859号公報等。以下、従来技術1という。)
が提案されている。また、Si含有鋼表面に溶融めっき
に先立って鋼板を浸炭処理する方法(特開平5−106
001号公報。以下、従来技術2という。)が提案され
ている。さらに、Si含有鋼表面に溶融めっきに先立っ
て鋼板表面に炭素を付着する方法(特開平5−1713
90号公報。以下、従来技術3という。)が提案されて
いる。
る方法あるいは合金化反応を促進させる方法としては、
溶融めっきに先立って鋼板表面にNi、Fe等の金属あ
るいは合金をプレめっきする方法(例えば、特開昭60
−110859号公報等。以下、従来技術1という。)
が提案されている。また、Si含有鋼表面に溶融めっき
に先立って鋼板を浸炭処理する方法(特開平5−106
001号公報。以下、従来技術2という。)が提案され
ている。さらに、Si含有鋼表面に溶融めっきに先立っ
て鋼板表面に炭素を付着する方法(特開平5−1713
90号公報。以下、従来技術3という。)が提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1では、前処
理として電解処理によりプレめっきを行うため、プレめ
っきのための設備コストが増大する問題点がある。
理として電解処理によりプレめっきを行うため、プレめ
っきのための設備コストが増大する問題点がある。
【0008】従来技術2においては、プレめっきのよう
な新たな設備は必要としないものの、浸炭処理のための
設備コストが多少必要であり、やはり設備コストが増大
する問題点がある。
な新たな設備は必要としないものの、浸炭処理のための
設備コストが多少必要であり、やはり設備コストが増大
する問題点がある。
【0009】従来技術3においては、新たな設備は必要
としないので、コストの増大を抑えることができる。し
かしながら、この方法においては、黒炭を取り扱うた
め、ハンドリング上の問題や汚れの問題があり、塗布の
安定性に欠けるという欠点がある。
としないので、コストの増大を抑えることができる。し
かしながら、この方法においては、黒炭を取り扱うた
め、ハンドリング上の問題や汚れの問題があり、塗布の
安定性に欠けるという欠点がある。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、自動車内外板として用いた場合に、表面外
観が良好で、線状マークが生じず、高強度でかつめっき
皮膜の均一性に優れ、さらに密着性に優れたIF鋼下地
溶融亜鉛めっき鋼板、およびさらに合金化ムラを生じ
ず、耐パウダリング性に優れたIF鋼下地合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を提供することを目的とする。また、これ
らを安定して製造することができる製造方法を提供する
ことを目的とする。
のであって、自動車内外板として用いた場合に、表面外
観が良好で、線状マークが生じず、高強度でかつめっき
皮膜の均一性に優れ、さらに密着性に優れたIF鋼下地
溶融亜鉛めっき鋼板、およびさらに合金化ムラを生じ
ず、耐パウダリング性に優れたIF鋼下地合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を提供することを目的とする。また、これ
らを安定して製造することができる製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、C含有量を重量比で100ppm以下
とし、少なくともC、NをTiまたは/およびNbで析
出固定してなるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行うに際し、
鋼板表面に、炭素化合物、窒素化合物およびホウ素化合
物の中から選択される1種または2種以上をC、N、B
量として0.1〜1000mg/m2付着させた後、非
酸化性雰囲気で温度で焼鈍し、その後、少なくとも0.
05〜0.30%のAlを含む溶融亜鉛浴に浸漬してめ
っきを行うことを特徴とする、皮膜の均一性および密着
性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を
提供する。
に、第1発明は、C含有量を重量比で100ppm以下
とし、少なくともC、NをTiまたは/およびNbで析
出固定してなるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行うに際し、
鋼板表面に、炭素化合物、窒素化合物およびホウ素化合
物の中から選択される1種または2種以上をC、N、B
量として0.1〜1000mg/m2付着させた後、非
酸化性雰囲気で温度で焼鈍し、その後、少なくとも0.
05〜0.30%のAlを含む溶融亜鉛浴に浸漬してめ
っきを行うことを特徴とする、皮膜の均一性および密着
性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を
提供する。
【0012】第2発明は、第1発明の製造方法におい
て、溶融亜鉛めっきする際に、予熱工程を弱酸化性雰囲
気で行うことを特徴とする、皮膜の均一性および密着性
に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提
供する。
て、溶融亜鉛めっきする際に、予熱工程を弱酸化性雰囲
気で行うことを特徴とする、皮膜の均一性および密着性
に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提
供する。
【0013】第3発明は、第1発明または第2発明の製
造方法によって溶融亜鉛めっきした後、さらにめっき層
の合金化熱処理を行うことを特徴とする、皮膜の均一性
および耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法を提供する。
造方法によって溶融亜鉛めっきした後、さらにめっき層
の合金化熱処理を行うことを特徴とする、皮膜の均一性
および耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法を提供する。
【0014】第4発明は、第1発明または第2発明の製
造方法によって製造された、皮膜の均一性および密着性
に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
造方法によって製造された、皮膜の均一性および密着性
に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0015】第5発明は、第1発明または第2発明の製
造方法に従って溶融亜鉛めっきした後、めっき層の合金
化熱処理を行うことにより製造された、皮膜の均一性お
よび耐パウダリング性に優れたIF鋼下地合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を提供する。
造方法に従って溶融亜鉛めっきした後、めっき層の合金
化熱処理を行うことにより製造された、皮膜の均一性お
よび耐パウダリング性に優れたIF鋼下地合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明において、C含有量を重量比で100p
pm以下とし、少なくともC、NをTiまたは/および
Nbで析出固定してなるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行う
に際し、鋼板表面に、炭素化合物、窒素化合物およびホ
ウ素化合物の中から選択される1種または2種以上を
C、N、B量として0.1〜1000mg/m2付着さ
せた後、非酸化性雰囲気で焼鈍すると、付着させたC、
N、Bが焼鈍時にIF鋼の粒界部に偏析する。その後少
なくとも0.05〜0.30%のAlを含む溶融亜鉛浴
に浸漬してめっきを行うと、Fe−Zn結晶(ζ相)
が、微細かつ均一に生成し、皮膜均一性および密着性に
優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。さらにその後、
めっき層の合金化熱処理を行うと、微細かつ均一に生成
したFe−Zn結晶(ζ相)を起点として合金化反応が
進行し、皮膜の均一性および耐パウダリング性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板となる。
明する。本発明において、C含有量を重量比で100p
pm以下とし、少なくともC、NをTiまたは/および
Nbで析出固定してなるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行う
に際し、鋼板表面に、炭素化合物、窒素化合物およびホ
ウ素化合物の中から選択される1種または2種以上を
C、N、B量として0.1〜1000mg/m2付着さ
せた後、非酸化性雰囲気で焼鈍すると、付着させたC、
N、Bが焼鈍時にIF鋼の粒界部に偏析する。その後少
なくとも0.05〜0.30%のAlを含む溶融亜鉛浴
に浸漬してめっきを行うと、Fe−Zn結晶(ζ相)
が、微細かつ均一に生成し、皮膜均一性および密着性に
優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。さらにその後、
めっき層の合金化熱処理を行うと、微細かつ均一に生成
したFe−Zn結晶(ζ相)を起点として合金化反応が
進行し、皮膜の均一性および耐パウダリング性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板となる。
【0017】一般に、下地鋼板がIF鋼の場合には、通
常は鋼板の粒界において鋼中への亜鉛の拡散が非常に速
いため、粒界部でFe−Zn合金が生成し、その体積変
化から抑制層であるFe−Al合金層が破壊され、溶融
亜鉛と鋼板の直接固液反応を開始する、いわゆる「アウ
トバースト反応」が発生する。アウトバースト反応が発
生した場合には、微細かつ均一なFe−Zn結晶(ζ
相)の他に、鋼板粒界部にアウトバースト状のFe−Z
n合金が生成する。また、めっき直後にはアウトバース
ト反応が見られない場合でも、その後の合金化熱処理時
には、必ずアウトバースト反応が発生する。これは、I
F鋼の場合には、C、N、B等の侵入型固溶原子がT
i、Nbにより析出固定されているので、一般の鋼にお
いて粒界に存在するこれらの原子が全く存在しないた
め、これらが亜鉛の拡散の障害とならないことによる。
常は鋼板の粒界において鋼中への亜鉛の拡散が非常に速
いため、粒界部でFe−Zn合金が生成し、その体積変
化から抑制層であるFe−Al合金層が破壊され、溶融
亜鉛と鋼板の直接固液反応を開始する、いわゆる「アウ
トバースト反応」が発生する。アウトバースト反応が発
生した場合には、微細かつ均一なFe−Zn結晶(ζ
相)の他に、鋼板粒界部にアウトバースト状のFe−Z
n合金が生成する。また、めっき直後にはアウトバース
ト反応が見られない場合でも、その後の合金化熱処理時
には、必ずアウトバースト反応が発生する。これは、I
F鋼の場合には、C、N、B等の侵入型固溶原子がT
i、Nbにより析出固定されているので、一般の鋼にお
いて粒界に存在するこれらの原子が全く存在しないた
め、これらが亜鉛の拡散の障害とならないことによる。
【0018】ところが、本発明においては、上述したよ
うに鋼板表面に、炭素化合物、窒素化合物、およびホウ
素化合物の中から選択される1種または2種以上をC、
B、N量として0.1〜1000mg/m2付着させて
おり、付着させた化合物からC、N、Bが焼鈍時にIF
鋼の粒界部に偏析するため、亜鉛拡散の障害とすること
ができる。したがって、アウトバースト反応を抑え、鋼
板表面には、微細かつ均一なFe−Zn結晶(ζ相)だ
けが存在する。また、その後の合金化処理においても、
アウトバースト反応は発生せず、均一な合金化が行われ
る。
うに鋼板表面に、炭素化合物、窒素化合物、およびホウ
素化合物の中から選択される1種または2種以上をC、
B、N量として0.1〜1000mg/m2付着させて
おり、付着させた化合物からC、N、Bが焼鈍時にIF
鋼の粒界部に偏析するため、亜鉛拡散の障害とすること
ができる。したがって、アウトバースト反応を抑え、鋼
板表面には、微細かつ均一なFe−Zn結晶(ζ相)だ
けが存在する。また、その後の合金化処理においても、
アウトバースト反応は発生せず、均一な合金化が行われ
る。
【0019】ここで、炭素化合物、窒素化合物およびホ
ウ素化合物の中から選択される1種または2種以上の付
着量をC、N、B量として0.1〜1000mg/m2
付着させることとしたのは、IF鋼におけるアウトバー
スト反応を抑制するためであり、0.1mg/m2以下
では、アウトバースト反応抑制効果が少なく、1000
mg/m2を超えてもその効果が飽和するばかりでな
く、材質が劣化してしまうからである。すなわち、アウ
トバースト反応抑制のためには、C、N、Bを鋼板の極
表層の結晶粒に存在させるだけでよい。
ウ素化合物の中から選択される1種または2種以上の付
着量をC、N、B量として0.1〜1000mg/m2
付着させることとしたのは、IF鋼におけるアウトバー
スト反応を抑制するためであり、0.1mg/m2以下
では、アウトバースト反応抑制効果が少なく、1000
mg/m2を超えてもその効果が飽和するばかりでな
く、材質が劣化してしまうからである。すなわち、アウ
トバースト反応抑制のためには、C、N、Bを鋼板の極
表層の結晶粒に存在させるだけでよい。
【0020】溶融亜鉛浴中に含まれるAl量を0.05
〜0.30%と規定したのは、0.05%未満ではFe
−Al合金の生成量が少ないため、Fe−Zn反応抑制
効果が小さく、耐パウダリング性が劣化し、0.30%
を超えるとFe−Al合金の生成量が多すぎるため、F
e−Zn反応抑制効果が大きすぎ、合金化させることが
できなくなるからである。
〜0.30%と規定したのは、0.05%未満ではFe
−Al合金の生成量が少ないため、Fe−Zn反応抑制
効果が小さく、耐パウダリング性が劣化し、0.30%
を超えるとFe−Al合金の生成量が多すぎるため、F
e−Zn反応抑制効果が大きすぎ、合金化させることが
できなくなるからである。
【0021】次に、本発明における炭素化合物、窒素化
合物およびホウ素化合物から選択される1種または2種
の付着の効果について、図1を参照しながら説明する。
図1の(a)はIF鋼において通常に亜鉛めっきした場
合の状態、(b)はIF鋼において本発明に従って亜鉛
めっきした場合の状態を示すものである。
合物およびホウ素化合物から選択される1種または2種
の付着の効果について、図1を参照しながら説明する。
図1の(a)はIF鋼において通常に亜鉛めっきした場
合の状態、(b)はIF鋼において本発明に従って亜鉛
めっきした場合の状態を示すものである。
【0022】図1の(a)に示すように、IF鋼に通常
に亜鉛めっきした場合においては、めっき時に生成され
るFe−Al合金層は薄く、またアウトバースト反応も
発生する。これに対して図1の(b)に示すように、I
F鋼に対し本発明に従って亜鉛めっきした場合には、鋼
板粒界に析出させたC、N、Bの効果により、アウトバ
ースト反応は発生しない。また、鋼板表面にFe−Zn
結晶(ζ相)が、微細かつ均一に生成する。
に亜鉛めっきした場合においては、めっき時に生成され
るFe−Al合金層は薄く、またアウトバースト反応も
発生する。これに対して図1の(b)に示すように、I
F鋼に対し本発明に従って亜鉛めっきした場合には、鋼
板粒界に析出させたC、N、Bの効果により、アウトバ
ースト反応は発生しない。また、鋼板表面にFe−Zn
結晶(ζ相)が、微細かつ均一に生成する。
【0023】本発明において、Fe−Zn結晶(ζ相)
を微細かつ均一に生成させた後、さらにめっき層の合金
化熱処理を行うと、微細かつ均一に生成したFe−Zn
結晶(ζ相)を起点として合金化反応が進行するため、
合金化が促進されるとともに、皮膜の均一性が向上し、
さらには良好な耐パウダリング性を有する皮膜を形成す
ることができる。
を微細かつ均一に生成させた後、さらにめっき層の合金
化熱処理を行うと、微細かつ均一に生成したFe−Zn
結晶(ζ相)を起点として合金化反応が進行するため、
合金化が促進されるとともに、皮膜の均一性が向上し、
さらには良好な耐パウダリング性を有する皮膜を形成す
ることができる。
【0024】本発明によって皮膜の均一性や耐パウダリ
ング性が向上するのは以下の理由による。IF鋼の場
合、C、N、Bの鋼板粒界偏析により、アウトバースト
反応が抑えられることにより、耐パウダリング性を劣化
させるΓの成長を抑制することができるほか、凹凸の発
生も抑制され、皮膜の均一性が向上する。
ング性が向上するのは以下の理由による。IF鋼の場
合、C、N、Bの鋼板粒界偏析により、アウトバースト
反応が抑えられることにより、耐パウダリング性を劣化
させるΓの成長を抑制することができるほか、凹凸の発
生も抑制され、皮膜の均一性が向上する。
【0025】以上のような本発明の溶融亜鉛めっき鋼板
を製造する際には、焼鈍を非酸化性雰囲気で行わなけれ
ばならない。これは、鋼板材質を調整するとともに溶融
亜鉛との濡れ性を高めるために還元焼鈍する目的であ
る。
を製造する際には、焼鈍を非酸化性雰囲気で行わなけれ
ばならない。これは、鋼板材質を調整するとともに溶融
亜鉛との濡れ性を高めるために還元焼鈍する目的であ
る。
【0026】また、本発明の方法に従って溶融亜鉛めっ
きする際に、予熱工程を弱酸化性雰囲気で行うとさらに
効果的である。
きする際に、予熱工程を弱酸化性雰囲気で行うとさらに
効果的である。
【0027】図2に、本発明による皮膜均一性および密
着性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板および通常
の方法で製造した比較例のIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼
板鋼板の初期合金相の電子顕微鏡写真を示す。本発明で
は鋼板表面に微細なζ相が均一に生成しているのに対
し、比較例ではアウトバースト反応が発生し、均一性に
劣っていることがわかる。また、比較例の場合、めっき
密着性にも劣っている。
着性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板および通常
の方法で製造した比較例のIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼
板鋼板の初期合金相の電子顕微鏡写真を示す。本発明で
は鋼板表面に微細なζ相が均一に生成しているのに対
し、比較例ではアウトバースト反応が発生し、均一性に
劣っていることがわかる。また、比較例の場合、めっき
密着性にも劣っている。
【0028】なお、本発明が対象とする鋼板は、C含有
量を重量比で100ppm以下とし、少なくともC、N
をTiまたは/およびNbで析出固定してなるものであ
ればよく、その他の成分は特に制限されず、Feおよび
不可避的不純物の他に、Si,P,S,Mg,Cr,N
i,Cu,Ta,Al等の1種または2種以上を含有し
てもよい。また、耐2次加工性脆化を防ぐために、数p
pmのBを添加してもよい。
量を重量比で100ppm以下とし、少なくともC、N
をTiまたは/およびNbで析出固定してなるものであ
ればよく、その他の成分は特に制限されず、Feおよび
不可避的不純物の他に、Si,P,S,Mg,Cr,N
i,Cu,Ta,Al等の1種または2種以上を含有し
てもよい。また、耐2次加工性脆化を防ぐために、数p
pmのBを添加してもよい。
【0029】また、本発明に用いられる炭素化合物、窒
素化合物、ホウ素化合物は特に限定されるものではな
く、水または有機溶剤に溶解しまたはこれらと混合して
使用することができる。
素化合物、ホウ素化合物は特に限定されるものではな
く、水または有機溶剤に溶解しまたはこれらと混合して
使用することができる。
【0030】なお、冷間圧延時の潤滑油あるいは圧延後
の防錆油に炭素化合物、窒素化合物、ホウ素化合物から
選択される1種または2種以上を添加した後、脱脂をす
ることなく、直下加熱方式の予熱炉を有する焼鈍炉に鋼
板を装入することもできる。ただし、全ラジアントチュ
ーブ方式の焼鈍炉に対してこの方法を採用した場合に
は、油分が汚れとして残存し、めっき性や合金化処理後
の表面外観に影響を与えるので好ましくないが、本発明
によれば鋼板表面に微細なζ相が均一に生成しているこ
とにより、悪影響は軽減できる。また、炭素化合物、窒
素化合物、ホウ素化合物から選択される1種または2種
以上を付着させる前に、アルカリ電解脱脂等を行っても
本発明の効果は変わらない。
の防錆油に炭素化合物、窒素化合物、ホウ素化合物から
選択される1種または2種以上を添加した後、脱脂をす
ることなく、直下加熱方式の予熱炉を有する焼鈍炉に鋼
板を装入することもできる。ただし、全ラジアントチュ
ーブ方式の焼鈍炉に対してこの方法を採用した場合に
は、油分が汚れとして残存し、めっき性や合金化処理後
の表面外観に影響を与えるので好ましくないが、本発明
によれば鋼板表面に微細なζ相が均一に生成しているこ
とにより、悪影響は軽減できる。また、炭素化合物、窒
素化合物、ホウ素化合物から選択される1種または2種
以上を付着させる前に、アルカリ電解脱脂等を行っても
本発明の効果は変わらない。
【0031】鋼板表面への炭素化合物、窒素化合物、ホ
ウ素化合物から選択される1種または2種以上の付着
は、これらの溶液を鋼板上に噴霧あるいは塗布してから
乾燥させるか、予熱された鋼板に噴霧することにより行
うことができる。しかし、焼鈍中にC、N、Bを鋼板の
粒界に偏析させることが主目的であるから、焼鈍時に鋼
板表面にC、N、Bが付着していればよく、その付着方
法は上記溶液塗布法に限定されず、電気めっき法、無電
解めっき法、蒸着法等どのような手段で行ってもよい。
ただし、設備投資の点を考慮すると、比較的簡便な溶液
塗布法や無電解めっき法が好ましい。焼鈍炉内での化学
反応により、初期付着時のC、N、Bの分布の不均一は
ある程度緩和されるものの、初期付着時に均一にC、
N、Bを分布させておくことがよいことは言うまでもな
い。
ウ素化合物から選択される1種または2種以上の付着
は、これらの溶液を鋼板上に噴霧あるいは塗布してから
乾燥させるか、予熱された鋼板に噴霧することにより行
うことができる。しかし、焼鈍中にC、N、Bを鋼板の
粒界に偏析させることが主目的であるから、焼鈍時に鋼
板表面にC、N、Bが付着していればよく、その付着方
法は上記溶液塗布法に限定されず、電気めっき法、無電
解めっき法、蒸着法等どのような手段で行ってもよい。
ただし、設備投資の点を考慮すると、比較的簡便な溶液
塗布法や無電解めっき法が好ましい。焼鈍炉内での化学
反応により、初期付着時のC、N、Bの分布の不均一は
ある程度緩和されるものの、初期付着時に均一にC、
N、Bを分布させておくことがよいことは言うまでもな
い。
【0032】鋼板の焼鈍は、通常用いられているラジア
ントチューブ方式の焼鈍炉を用いることができる。ま
た、弱酸化雰囲気で予熱を行う場合には、例えば直火加
熱方式の焼鈍炉を用いればよい。硫黄分付着の効率や溶
融亜鉛めっき装置全体の効率を考えると、これらのうち
昇温速度を速くすることができる直火加熱方式のほうが
好ましい。
ントチューブ方式の焼鈍炉を用いることができる。ま
た、弱酸化雰囲気で予熱を行う場合には、例えば直火加
熱方式の焼鈍炉を用いればよい。硫黄分付着の効率や溶
融亜鉛めっき装置全体の効率を考えると、これらのうち
昇温速度を速くすることができる直火加熱方式のほうが
好ましい。
【0033】本発明のめっき鋼板の溶融亜鉛めっきある
いは合金化溶融亜鉛めっき層中には、耐食性向上などを
目的として、主元素であるZn,Fe,Alの他に、A
s,Bi,Cd,Ce,Co,Cr,In,La,L
i,Mg,Mn,Ni,O,P,Pb,S,Sb,S
n,Ti,Zr等のうち1種または2種以上を含有させ
てもよく、これらを含有していても本発明の効果は損な
われない。
いは合金化溶融亜鉛めっき層中には、耐食性向上などを
目的として、主元素であるZn,Fe,Alの他に、A
s,Bi,Cd,Ce,Co,Cr,In,La,L
i,Mg,Mn,Ni,O,P,Pb,S,Sb,S
n,Ti,Zr等のうち1種または2種以上を含有させ
てもよく、これらを含有していても本発明の効果は損な
われない。
【0034】合金化処理工程においては、ガス加熱方
式、誘導加熱方式、直接通電加熱方式などの方法を採用
することができるが、合金化炉加熱方式の相違によって
本発明の効果に変わりはない。
式、誘導加熱方式、直接通電加熱方式などの方法を採用
することができるが、合金化炉加熱方式の相違によって
本発明の効果に変わりはない。
【0035】本発明は、自動車用外板用途への適用を主
目的としているため、下地鋼板は冷延鋼板が主である
が、本発明は自動車の強度部材である骨組み構造部材や
足廻り部品のような熱延鋼板下地の場合にも本発明の効
果は得られる。また、本発明は、自動車部品に限らず、
建材、電機、家電などの用途にも適用することができ
る。
目的としているため、下地鋼板は冷延鋼板が主である
が、本発明は自動車の強度部材である骨組み構造部材や
足廻り部品のような熱延鋼板下地の場合にも本発明の効
果は得られる。また、本発明は、自動車部品に限らず、
建材、電機、家電などの用途にも適用することができ
る。
【0036】
【実施例】表1に示す7種類の冷延成分の鋼板を供試材
として、ポリビニルアルコールを添加した水溶液をバー
コーターにより一定量塗布後、誘導加熱方式の乾燥炉に
より150℃で瞬時に乾燥させた。また、チオ尿素(C
H4N2S)をそれぞれ2g/L、20g/L、200g
/L含有する水溶液を作成し、バーコーターにより塗布
後、誘導加熱方式の乾燥炉により150℃で瞬時に乾燥
させた。また、ブチルメルカプタン(C4H9SH)およ
びオクタデシルメルカプタン(C18H37SH)の5mM
エタノール溶液に鋼板を浸漬後乾燥させたものも作成し
た。さらに、ヘキサメチレンテトラミンをパラフィン系
鉱物油中に溶解したものを塗布したものも作成した。
として、ポリビニルアルコールを添加した水溶液をバー
コーターにより一定量塗布後、誘導加熱方式の乾燥炉に
より150℃で瞬時に乾燥させた。また、チオ尿素(C
H4N2S)をそれぞれ2g/L、20g/L、200g
/L含有する水溶液を作成し、バーコーターにより塗布
後、誘導加熱方式の乾燥炉により150℃で瞬時に乾燥
させた。また、ブチルメルカプタン(C4H9SH)およ
びオクタデシルメルカプタン(C18H37SH)の5mM
エタノール溶液に鋼板を浸漬後乾燥させたものも作成し
た。さらに、ヘキサメチレンテトラミンをパラフィン系
鉱物油中に溶解したものを塗布したものも作成した。
【0037】
【表1】
【0038】これらの鋼板を溶融亜鉛めっきシミュレー
ターを用いて焼鈍しめっきを行った。焼鈍条件は、85
0℃×30秒で、10%H2−N2(露点−40℃)中で
行った。焼鈍に際しては、一部について大気中で500
℃×30秒の弱酸化前処理を行う条件を付加した。
ターを用いて焼鈍しめっきを行った。焼鈍条件は、85
0℃×30秒で、10%H2−N2(露点−40℃)中で
行った。焼鈍に際しては、一部について大気中で500
℃×30秒の弱酸化前処理を行う条件を付加した。
【0039】溶融亜鉛めっきは、Alを0.12%含む
460℃亜鉛めっき浴を用いて、侵入板温460℃、浸
漬時間3秒にてめっきした。めっき後、N2ガスワイパ
ーにより亜鉛付着量を片面当たり60g/m2に調整し
た。
460℃亜鉛めっき浴を用いて、侵入板温460℃、浸
漬時間3秒にてめっきした。めっき後、N2ガスワイパ
ーにより亜鉛付着量を片面当たり60g/m2に調整し
た。
【0040】めっき後のサンプルは、不めっき発生状
況、初期合金相形態の観察、0T曲げ試験によるめっき
密着性の評価を行い、さらに、誘導加熱装置により、4
50,475,500℃で20秒の合金化処理を行っ
て、表層まで合金化できる温度により、合金化速度を比
較した。また、皮膜中の鉄含有率が10%±0.5%と
なるように合金化温度を調整し、20秒間の合金化処理
を行ったサンプルを用いて、合金化ムラの発生状況を観
察するとともに、90度曲げ試験を行って耐パウダリン
グ性を評価した。
況、初期合金相形態の観察、0T曲げ試験によるめっき
密着性の評価を行い、さらに、誘導加熱装置により、4
50,475,500℃で20秒の合金化処理を行っ
て、表層まで合金化できる温度により、合金化速度を比
較した。また、皮膜中の鉄含有率が10%±0.5%と
なるように合金化温度を調整し、20秒間の合金化処理
を行ったサンプルを用いて、合金化ムラの発生状況を観
察するとともに、90度曲げ試験を行って耐パウダリン
グ性を評価した。
【0041】以上のようにして製造した溶融亜鉛めっき
鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、めっき
品質を評価した結果を製造条件とともに表2〜4に示
す。なお、これらの表に示しためっき品質に関する評価
事項と評価基準は以下の通りである。
鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、めっき
品質を評価した結果を製造条件とともに表2〜4に示
す。なお、これらの表に示しためっき品質に関する評価
事項と評価基準は以下の通りである。
【0042】*1.不めっき(目視判定) ○:良好 ×:不めっきが認められる
【0043】*2.初期合金相(SEM観察) ○:微細なζ相が均一に生成 B:アウトバースト状組織
【0044】*3.密着性 ○:良好 ×:めっき剥離発生
【0045】*4.合金化速度 ●:速すぎる ○:良好
【0046】*5.合金ムラ(目視判定) ○:良好 △:微細なスジムラが認められる ×:明瞭なスジムラが認められる
【0047】*6.耐パウダリング性(90°曲げ) ○:良好 ×:不合格
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】表2〜4に示すように、本発明例では全て
のめっき品質評価事項について良好な結果が得られたの
に対し、鋼板の組成が本発明の範囲から外れるか、炭素
化合物、窒素化合物およびホウ素化合物から選択される
1種または2種以上の付着を行わないか、または焼鈍条
件が本発明の範囲から外れる比較例は、上記めっき品質
評価事項のいずれかが劣っていた。
のめっき品質評価事項について良好な結果が得られたの
に対し、鋼板の組成が本発明の範囲から外れるか、炭素
化合物、窒素化合物およびホウ素化合物から選択される
1種または2種以上の付着を行わないか、または焼鈍条
件が本発明の範囲から外れる比較例は、上記めっき品質
評価事項のいずれかが劣っていた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自動車内外板として用いた場合に、表面外観が良好で、
線状マークが生じず、高強度でかつめっき皮膜の均一性
に優れ、さらに密着性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっ
き鋼板、およびさらに合金化ムラを生じず、耐パウダリ
ング性に優れたIF鋼下地合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
得ることができる。また、これらを安定して製造するこ
とができる製造方法を得ることができる。
自動車内外板として用いた場合に、表面外観が良好で、
線状マークが生じず、高強度でかつめっき皮膜の均一性
に優れ、さらに密着性に優れたIF鋼下地溶融亜鉛めっ
き鋼板、およびさらに合金化ムラを生じず、耐パウダリ
ング性に優れたIF鋼下地合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
得ることができる。また、これらを安定して製造するこ
とができる製造方法を得ることができる。
【図1】IF鋼に通常に亜鉛めっきした場合および本発
明に従って亜鉛めっきした場合における焼鈍後の鋼板表
面の状態およびめっき後の初期合金層の状態を示す図。
明に従って亜鉛めっきした場合における焼鈍後の鋼板表
面の状態およびめっき後の初期合金層の状態を示す図。
【図2】本発明による皮膜均一性および密着性に優れた
IF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板および通常の方法で製造
した比較例のIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板鋼板の初期
合金相の電子顕微鏡写真。
IF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板および通常の方法で製造
した比較例のIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板鋼板の初期
合金相の電子顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 C含有量を重量比で100ppm以下と
し、少なくともC、NをTiまたは/およびNbで析出
固定してなるIF鋼に溶融亜鉛めっきを行うに際し、鋼
板表面に、炭素化合物、窒素化合物およびホウ素化合物
の中から選択される1種または2種以上をC、N、B量
として0.1〜1000mg/m2付着させた後、非酸
化性雰囲気で焼鈍し、その後、少なくとも0.05〜
0.30%のAlを含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを
行うことを特徴とする、皮膜の均一性および密着性に優
れたIF鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の製造方法において、溶融亜鉛
めっきする際に、予熱工程を弱酸化性雰囲気で行うこと
を特徴とする、皮膜の均一性および密着性に優れたIF
鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2の製造方法によ
って溶融亜鉛めっきした後、さらにめっき層の合金化熱
処理を行うことを特徴とする、皮膜の均一性および耐パ
ウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2の製造方法によ
って製造された、皮膜の均一性および密着性に優れたI
F鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板。 - 【請求項5】 請求項1または請求項2の溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法に従って溶融亜鉛めっきした後、めっ
き層の合金化熱処理を行うことにより製造された、皮膜
の均一性および耐パウダリング性に優れたIF鋼下地合
金化溶融亜鉛めっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22202897A JPH1150222A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | If鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22202897A JPH1150222A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | If鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150222A true JPH1150222A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16775967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22202897A Pending JPH1150222A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | If鋼下地溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1150222A (ja) |
-
1997
- 1997-08-05 JP JP22202897A patent/JPH1150222A/ja active Pending
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