JPH1150162A - 重油灰からの有価金属の回収方法 - Google Patents
重油灰からの有価金属の回収方法Info
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- JPH1150162A JPH1150162A JP21088397A JP21088397A JPH1150162A JP H1150162 A JPH1150162 A JP H1150162A JP 21088397 A JP21088397 A JP 21088397A JP 21088397 A JP21088397 A JP 21088397A JP H1150162 A JPH1150162 A JP H1150162A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乾式法において、Fe−Ni合金及びFe−
V合金の形態で回収でき、鉄鋼用の合金添加剤として使
用する際、再分離をする必要のない有価金属の回収方法
提供すること。 【解決手段】 重油灰を酸化培焼して炭素成分等を除去
した焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離させてFe合金
として回収する重油灰からの有価金属の回収方法。溶融
分離を、Fe−Ni合金を溶融分離するFe−Ni合金
回収工程と、該Fe−Ni合金回収工程で発生したスラ
グに鉄成分及び還元剤を加えて、Fe−V合金を溶融分
離するFe−V合金回収工程との二段で行う。
V合金の形態で回収でき、鉄鋼用の合金添加剤として使
用する際、再分離をする必要のない有価金属の回収方法
提供すること。 【解決手段】 重油灰を酸化培焼して炭素成分等を除去
した焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離させてFe合金
として回収する重油灰からの有価金属の回収方法。溶融
分離を、Fe−Ni合金を溶融分離するFe−Ni合金
回収工程と、該Fe−Ni合金回収工程で発生したスラ
グに鉄成分及び還元剤を加えて、Fe−V合金を溶融分
離するFe−V合金回収工程との二段で行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重油灰(主として
電気集塵灰)からの有価金属の回収方法に関する。
電気集塵灰)からの有価金属の回収方法に関する。
【0002】重油の燃焼によって発生し主として電気集
塵機(Electric Precipitator)で集塵された重油灰(以
下「EP灰」)からニッケル、バナジウム等の金属を分
離・回収して、それぞれ鉄・ニッケル合金、鉄・バナジ
ウム合金を製造できるとともに、さらに有価金属回収後
の重油灰残留物を耐火物用途などに利用できるマグネシ
ア原料として再生できる重油灰からの有価金属の回収方
法に関する。
塵機(Electric Precipitator)で集塵された重油灰(以
下「EP灰」)からニッケル、バナジウム等の金属を分
離・回収して、それぞれ鉄・ニッケル合金、鉄・バナジ
ウム合金を製造できるとともに、さらに有価金属回収後
の重油灰残留物を耐火物用途などに利用できるマグネシ
ア原料として再生できる重油灰からの有価金属の回収方
法に関する。
【0003】
【背景技術】重油灰からのバナジウムなど有価金属の回
収方法としては、湿式法と乾式法がある。
収方法としては、湿式法と乾式法がある。
【0004】(1) 湿式法は、例えば、下記のような方法
がある。(特開平8−176689号公報等参照)ま
ず、重油EP灰を焼却炉で焼却して硫酸アンモニウムを
除く。
がある。(特開平8−176689号公報等参照)ま
ず、重油EP灰を焼却炉で焼却して硫酸アンモニウムを
除く。
【0005】次に自燃キルンで未燃焼カーボンを燃焼さ
せ、灰中に金属化合物を濃縮する。
せ、灰中に金属化合物を濃縮する。
【0006】排ガスは、マグネシアスラリーで処理する
ことにより、二酸化硫黄を除去する。
ことにより、二酸化硫黄を除去する。
【0007】金属化合物を濃縮した灰は、バナジウム含
有量が高いボイラースラグとともにソーダ灰を加えて焙
焼して、バナジウムを水に可溶なバナジン酸ナトリウム
とする。
有量が高いボイラースラグとともにソーダ灰を加えて焙
焼して、バナジウムを水に可溶なバナジン酸ナトリウム
とする。
【0008】焙焼生成物の浸出で抽出したバナジウム塩
は、アンモニウムの添加によりメタバナジン酸アンモニ
ウムとして沈殿回収し、加熱分解により、最終的に五酸
化バナジウムとする。
は、アンモニウムの添加によりメタバナジン酸アンモニ
ウムとして沈殿回収し、加熱分解により、最終的に五酸
化バナジウムとする。
【0009】(2) 乾式法としては、例えば、図1のフロ
ーチャートで代表される下記のような方法がある。(特
公昭55−38415号公報等参照)EP灰を、800
〜1000℃の温度で酸化培焼して、未燃焼カーボンの
低減及び硫黄、窒素の除去により焼成灰とする。
ーチャートで代表される下記のような方法がある。(特
公昭55−38415号公報等参照)EP灰を、800
〜1000℃の温度で酸化培焼して、未燃焼カーボンの
低減及び硫黄、窒素の除去により焼成灰とする。
【0010】該焼成灰に鉄くず、還元剤を加えてアーク
炉に入れ、1400℃以上の高温還元性雰囲気とし、
V、Ni、Feその他の重金属を還元してFeとの混合
合金として回収する。
炉に入れ、1400℃以上の高温還元性雰囲気とし、
V、Ni、Feその他の重金属を還元してFeとの混合
合金として回収する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公知の湿
式法や乾式法では、下記のような問題点があった。
式法や乾式法では、下記のような問題点があった。
【0012】(1) 湿式法では、回収工程で塩化アンモニ
ウムなどの副資材を使う必要がある。このため、排水基
準がさらに厳しくなれば、特別な排水処理を行う必要が
生じ、そのためプロセス全体のコストも増大する。
ウムなどの副資材を使う必要がある。このため、排水基
準がさらに厳しくなれば、特別な排水処理を行う必要が
生じ、そのためプロセス全体のコストも増大する。
【0013】また、抽出に多くの時間を要するととも
に、原料処理工程で発生する水洗処理水や、晶析工程で
生じる廃液の処理のために大型の設備を設置する必要が
ある。このため、大量の処理には適していない。
に、原料処理工程で発生する水洗処理水や、晶析工程で
生じる廃液の処理のために大型の設備を設置する必要が
ある。このため、大量の処理には適していない。
【0014】(2) 上記乾式法では、回収できる形態が、
Fe−Ni−V合金である。このため、鉄鋼用の合金添
加剤として使用する際には、さらにニッケルとバナジウ
ムに分離する必要がある。
Fe−Ni−V合金である。このため、鉄鋼用の合金添
加剤として使用する際には、さらにニッケルとバナジウ
ムに分離する必要がある。
【0015】本発明は、上記にかんがみて、乾式法にお
いて、Fe−Ni合金及びFe−V合金の形態で回収で
き、鉄鋼用の合金添加剤として使用する際、再分離をす
る必要のない有価金属の回収方法を提供することを目的
とする。
いて、Fe−Ni合金及びFe−V合金の形態で回収で
き、鉄鋼用の合金添加剤として使用する際、再分離をす
る必要のない有価金属の回収方法を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の重油灰からの有
価金属の回収方法は、上記課題を下記構成により解決す
るものである。
価金属の回収方法は、上記課題を下記構成により解決す
るものである。
【0017】重油灰を酸化培焼して炭素成分等を除去し
た焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離することによりF
e合金として回収する重油灰からの有価金属の回収方法
において、前記溶融分離を、Fe−Ni合金を溶融分離
するFe−Ni合金回収工程と、該Fe−Ni合金回収
工程で発生したスラグを、Fe−V合金を溶融分離する
Fe−V合金回収工程との二段で行うことを特徴とす
る。
た焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離することによりF
e合金として回収する重油灰からの有価金属の回収方法
において、前記溶融分離を、Fe−Ni合金を溶融分離
するFe−Ni合金回収工程と、該Fe−Ni合金回収
工程で発生したスラグを、Fe−V合金を溶融分離する
Fe−V合金回収工程との二段で行うことを特徴とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の重油灰からの有価金属の
回収方法の、代表的フローチャートを図2に示す。以下
の説明で、配合部数及び組成を示す「部」及び「%」
は、特に断らない限り、重量単位である。
回収方法の、代表的フローチャートを図2に示す。以下
の説明で、配合部数及び組成を示す「部」及び「%」
は、特に断らない限り、重量単位である。
【0019】(1) 重油灰(主として重油燃焼炉から電気
集塵して得たEP灰)を、焼成炉で800〜1000
℃、望ましくは900℃前後で酸化焙焼(酸素雰囲気下
での加熱焼成変化処理)し、未燃カーボンの低減および
硫黄、窒素の除去により焼成灰とする。ここで、発生ダ
ストは、電気集塵機を介して循環して使用する。
集塵して得たEP灰)を、焼成炉で800〜1000
℃、望ましくは900℃前後で酸化焙焼(酸素雰囲気下
での加熱焼成変化処理)し、未燃カーボンの低減および
硫黄、窒素の除去により焼成灰とする。ここで、発生ダ
ストは、電気集塵機を介して循環して使用する。
【0020】このときの、酸化培焼条件時間は、例え
ば、200kgのEP灰を、外熱式電気炉を用いて90
0℃で処理する場合、約5時間とする。
ば、200kgのEP灰を、外熱式電気炉を用いて90
0℃で処理する場合、約5時間とする。
【0021】(2) 上記焼成灰に、鉄くず(鉄成分)及び
ボイラースラグとを混合して、電気炉やバーナー炉等を
用いて、1200〜1500℃、望ましくは、1300
〜1400℃の、Fe−Ni合金の融点付近で溶融させ
る。ここで、温度が低過ぎると、溶融化が困難であり、
温度が高すぎると、V成分もFe−Ni合金中に含まれ
てFe−Ni−V合金になりやすく、本発明の目的であ
るFe−Ni合金の分離が担保しがたくなる。
ボイラースラグとを混合して、電気炉やバーナー炉等を
用いて、1200〜1500℃、望ましくは、1300
〜1400℃の、Fe−Ni合金の融点付近で溶融させ
る。ここで、温度が低過ぎると、溶融化が困難であり、
温度が高すぎると、V成分もFe−Ni合金中に含まれ
てFe−Ni−V合金になりやすく、本発明の目的であ
るFe−Ni合金の分離が担保しがたくなる。
【0022】ここで、焼成灰中のカーボン(還元剤の作
用をする。)が少ない場合は、カーボンを微量添加す
る。添加量は、焼成灰100部に対して、通常、10部
以下、望ましくは5部以下とする。
用をする。)が少ない場合は、カーボンを微量添加す
る。添加量は、焼成灰100部に対して、通常、10部
以下、望ましくは5部以下とする。
【0023】鉄成分の焼成灰100部に対する混合量
は、通常、Fe−Ni合金とて回収したときNiが21
〜25%組成となるよう量に添加する。
は、通常、Fe−Ni合金とて回収したときNiが21
〜25%組成となるよう量に添加する。
【0024】ここでボイラースラグ(ボイラースケイ
ル)とは、重油ボイラーの燃焼を停止して掃除する際、
ボイラー内壁面及びボイラーから集塵機(通常電気集塵
機)までの煙道壁面から除去される重油灰をいい、通
常、EP灰に比して、ニッケル・バナジウム成分の含有
量が多い。
ル)とは、重油ボイラーの燃焼を停止して掃除する際、
ボイラー内壁面及びボイラーから集塵機(通常電気集塵
機)までの煙道壁面から除去される重油灰をいい、通
常、EP灰に比して、ニッケル・バナジウム成分の含有
量が多い。
【0025】(3) 上記(2) 溶融状態を保持し、炉を傾斜
させるなどして、スラグとメタル(Fe−Ni合金)に
溶融分離させる。ここで、スラグは冷却せずに、次工程
で鉄と炭素を加えて再度溶融する。メタルは、空冷また
は炉冷する。
させるなどして、スラグとメタル(Fe−Ni合金)に
溶融分離させる。ここで、スラグは冷却せずに、次工程
で鉄と炭素を加えて再度溶融する。メタルは、空冷また
は炉冷する。
【0026】(4) 上記(3) で溶融分離させたメタルはF
e−Ni合金(フェロニッケル)として回収後、破砕し
適宜粒度に調整して使用する。このときの粒度は、例え
ば、ステンレス鋼用添加剤として使用する場合、通常、
0.3〜20mmの範囲とする。
e−Ni合金(フェロニッケル)として回収後、破砕し
適宜粒度に調整して使用する。このときの粒度は、例え
ば、ステンレス鋼用添加剤として使用する場合、通常、
0.3〜20mmの範囲とする。
【0027】(5) 上記(4) の溶融分離により発生したス
ラグには再度、鉄成分(鉄くず)を添加し、還元剤とし
てEP灰あるいはコークス、更にはアルミニウムを混合
して、プラズマ炉やアーク炉等を用いて、1600〜2
000℃、望ましくは、1800〜2000℃の、Fe
−V合金の融点より高い温度で溶融させる。ここで、温
度が低過ぎると、溶融化が困難であり、温度が高すぎる
と、熱損失が大きくなり望ましくない。
ラグには再度、鉄成分(鉄くず)を添加し、還元剤とし
てEP灰あるいはコークス、更にはアルミニウムを混合
して、プラズマ炉やアーク炉等を用いて、1600〜2
000℃、望ましくは、1800〜2000℃の、Fe
−V合金の融点より高い温度で溶融させる。ここで、温
度が低過ぎると、溶融化が困難であり、温度が高すぎる
と、熱損失が大きくなり望ましくない。
【0028】なお、化学熱力学計算により、フェロニッ
ケル回収後のスラグにカーボンを0〜50%添加して鉄
と混合溶融させた場合のバナジウムのメタルへの回収率
は、図3のグラフで表される。図3において、カーボン
添加率30%で溶融温度を1800℃以上2500℃未
満としたときバナジウムの回収率は、ほぼ100%と推
定される。
ケル回収後のスラグにカーボンを0〜50%添加して鉄
と混合溶融させた場合のバナジウムのメタルへの回収率
は、図3のグラフで表される。図3において、カーボン
添加率30%で溶融温度を1800℃以上2500℃未
満としたときバナジウムの回収率は、ほぼ100%と推
定される。
【0029】従って、バナジウム回収の最適値は、18
00℃以上の溶融温度と推定される。また、1600℃
以上であれば、ばらつきはあるがバナジウムは多量に回
収され、回収され始める温度は、約1300℃である。
00℃以上の溶融温度と推定される。また、1600℃
以上であれば、ばらつきはあるがバナジウムは多量に回
収され、回収され始める温度は、約1300℃である。
【0030】ここで、還元剤としてEP灰を使用すれ
ば、EP灰中の未燃炭素を有効に利用できて望ましい。
また、還元剤として、アルミニウムを用いれば、溶融に
際してアルミニウムの反応熱を利用することができ、エ
ネルギーコストを低減化できる。
ば、EP灰中の未燃炭素を有効に利用できて望ましい。
また、還元剤として、アルミニウムを用いれば、溶融に
際してアルミニウムの反応熱を利用することができ、エ
ネルギーコストを低減化できる。
【0031】還元剤のスラグ100部に対する混合量
は、通常20〜40部、望ましくは、25〜35部とす
る。還元剤の量が過少であると、スラグからのVの回収
が困難となり、過多であると、回収Fe−V合金中にお
ける還元剤の量が増大して望ましくない。
は、通常20〜40部、望ましくは、25〜35部とす
る。還元剤の量が過少であると、スラグからのVの回収
が困難となり、過多であると、回収Fe−V合金中にお
ける還元剤の量が増大して望ましくない。
【0032】また、鉄成分(鉄くず)のスラグ100部
に対する混合量は、通常、回収Fe−V合金中のV含量
が45〜55%(望ましくは53%)または75〜85
%(望ましくは82%)となるような量とする。
に対する混合量は、通常、回収Fe−V合金中のV含量
が45〜55%(望ましくは53%)または75〜85
%(望ましくは82%)となるような量とする。
【0033】(6) 上記(5) の溶融状態上記(2) 溶融状態
を保持し、炉を傾斜させるなどして、スラグとメタル
(Fe−V合金)に溶融分離させる。
を保持し、炉を傾斜させるなどして、スラグとメタル
(Fe−V合金)に溶融分離させる。
【0034】(7) 上記(6) で溶融分離させたメタルは、
空冷また炉冷してFe−V合金(フェロニッケル)とし
て回収後、通常、破砕し適宜粒度に調製して使用する。
空冷また炉冷してFe−V合金(フェロニッケル)とし
て回収後、通常、破砕し適宜粒度に調製して使用する。
【0035】(8) 上記(7) で溶融分離で発生したスラグ
は、マグネシア成分が多量に含まれるため、粉砕してマ
グネシア原料とする。マグネシアは耐火性に優れている
ため、耐火物用途などに利用できる。
は、マグネシア成分が多量に含まれるため、粉砕してマ
グネシア原料とする。マグネシアは耐火性に優れている
ため、耐火物用途などに利用できる。
【0036】また、還元剤としてアルミニウムを使用し
た場合は、スラグ中にアルミナ成分を多量に含まれるこ
ととなるため、マグネシアスピネル(MgAl2 O4 )
としての利用が期待できる。マグネシアは耐火性に優れ
ているため、耐火物用途などに利用できる。
た場合は、スラグ中にアルミナ成分を多量に含まれるこ
ととなるため、マグネシアスピネル(MgAl2 O4 )
としての利用が期待できる。マグネシアは耐火性に優れ
ているため、耐火物用途などに利用できる。
【0037】
【発明の作用・効果】本発明の重油灰からの有価金属の
回収方法は、重油灰を酸化培焼して炭素成分等を除去し
た焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離させてFe合金と
して回収するに際して、溶融分離を、Fe−Ni合金を
溶融分離するFe−Ni合金回収工程と、該Fe−Ni
合金回収工程で発生したスラグに鉄成分及び還元剤を加
えて、Fe−V合金を溶融分離するFe−V合金回収工
程との二段で行うことにより、下記のような作用・効果
を奏する。有価金属であるバナジウム、ニッケルはとも
にフェロアロイ(鉄系合金)としての需要が最も大き
く、処理形態はそれぞれフェロバナジウム(Fe−V合
金)、フェロニッケル(Fe−Ni合金)として各々分
離回収できる。従って、従来の乾式技術でFe−Ni−
V合金としての回収される方法に比して、後分離が不要
で望ましい。
回収方法は、重油灰を酸化培焼して炭素成分等を除去し
た焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離させてFe合金と
して回収するに際して、溶融分離を、Fe−Ni合金を
溶融分離するFe−Ni合金回収工程と、該Fe−Ni
合金回収工程で発生したスラグに鉄成分及び還元剤を加
えて、Fe−V合金を溶融分離するFe−V合金回収工
程との二段で行うことにより、下記のような作用・効果
を奏する。有価金属であるバナジウム、ニッケルはとも
にフェロアロイ(鉄系合金)としての需要が最も大き
く、処理形態はそれぞれフェロバナジウム(Fe−V合
金)、フェロニッケル(Fe−Ni合金)として各々分
離回収できる。従って、従来の乾式技術でFe−Ni−
V合金としての回収される方法に比して、後分離が不要
で望ましい。
【0038】即ち、本発明の重油灰からの有価金属の回
収方法は、乾式法において、Fe−Ni合金及びFe−
V合金の形態で回収でき、鉄鋼用の合金添加剤として使
用する際、再分離をする必要がない効果を奏する。
収方法は、乾式法において、Fe−Ni合金及びFe−
V合金の形態で回収でき、鉄鋼用の合金添加剤として使
用する際、再分離をする必要がない効果を奏する。
【0039】また、フェロバナジウム(Fe−V合金)
の回収工程(乾式製錬工程)において、還元剤にEP灰
を利用することで、灰中に含まれる未燃カーボンを有効
にリサイクルできる。
の回収工程(乾式製錬工程)において、還元剤にEP灰
を利用することで、灰中に含まれる未燃カーボンを有効
にリサイクルできる。
【0040】また、還元剤としてアルミニウムを使用し
た場合は、Fe−V合金回収工程における溶融温度を低
くでき、熱効率が良好であるとともに、スラグ中にアル
ミナ成分も多量に含まれることになるため、マグネシア
スピネル(人工宝石の原料)としての利用が期待でき
る。
た場合は、Fe−V合金回収工程における溶融温度を低
くでき、熱効率が良好であるとともに、スラグ中にアル
ミナ成分も多量に含まれることになるため、マグネシア
スピネル(人工宝石の原料)としての利用が期待でき
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。
【0042】(1) 実験試料 火力発電所の電気集塵機で捕集され、搬送用に加湿した
重油灰および高酸素燃焼により生成させた焼成灰の組成
を表1に示す。
重油灰および高酸素燃焼により生成させた焼成灰の組成
を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】(2) フェロニッケル(Fe−Ni合金)の
回収 定格出力60kWのプラズマ炉で、直流移行型のアルゴ
ンプラズマを用いた。炉内に設置したるつぼ内に上記焼
成灰300g、鉄500gを入れ、大気雰囲気下で20
分間溶融した。投入電力5.5kWHで、放射温度計で
計測した処理温度は、約1300℃であった。
回収 定格出力60kWのプラズマ炉で、直流移行型のアルゴ
ンプラズマを用いた。炉内に設置したるつぼ内に上記焼
成灰300g、鉄500gを入れ、大気雰囲気下で20
分間溶融した。投入電力5.5kWHで、放射温度計で
計測した処理温度は、約1300℃であった。
【0045】処理後のメタル及びスラグの組成を表2に
示す。
示す。
【0046】
【表2】
【0047】焼成灰中のニッケルおよびバナジウムがメ
タル(フェロニッケル)中に回収された割合をそれぞれ
ニッケル回収率、バナジウム回収率とすると、ニッケル
回収率が59.8%、バナジウム回収率が0.3%であ
った。従って、このような低炭素、低温溶融条件下で
は、ニッケルが選択的にメタルに回収され、バナジウム
は、スラグ中に残留する。
タル(フェロニッケル)中に回収された割合をそれぞれ
ニッケル回収率、バナジウム回収率とすると、ニッケル
回収率が59.8%、バナジウム回収率が0.3%であ
った。従って、このような低炭素、低温溶融条件下で
は、ニッケルが選択的にメタルに回収され、バナジウム
は、スラグ中に残留する。
【0048】(3) フェロバナジウム(Fe−V合金)の
回収 上記試験で、焼成灰からメタルを溶融分離した後、残っ
たスラグを200g採取し、カーボンを60g(30w
t%)添加、さらに鉄を200g混合してプラズマ炉で
50分間溶融した。投入電力は、22.7kWH、処理
温度は、約1600℃であった。
回収 上記試験で、焼成灰からメタルを溶融分離した後、残っ
たスラグを200g採取し、カーボンを60g(30w
t%)添加、さらに鉄を200g混合してプラズマ炉で
50分間溶融した。投入電力は、22.7kWH、処理
温度は、約1600℃であった。
【0049】処理後のメタル及びスラグの組成を表3に
示す。
示す。
【0050】
【表3】
【0051】このときの、上記同様、焼成灰中のバナジ
ウムがメタル(フェロバナジウム)中に回収された割り
合いをバナジウム回収率とすると、該バナジウム回収率
は、49.5%であった。
ウムがメタル(フェロバナジウム)中に回収された割り
合いをバナジウム回収率とすると、該バナジウム回収率
は、49.5%であった。
【図1】従来のEP灰からの有価金属の回収方法の一例
を示すフローチャート図である。
を示すフローチャート図である。
【図2】本発明のEP灰からの有価金属の回収方法の一
例を示すフローチャート図である。
例を示すフローチャート図である。
【図3】各量の炭素を添加したスラグの処理温度とメタ
ルのV回収率の関係を示すグラフ図である。
ルのV回収率の関係を示すグラフ図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 重油灰を酸化培焼して炭素成分等を除去
した焼成灰に、鉄成分を加えて溶融分離させてFe合金
として回収する重油灰からの有価金属の回収方法におい
て、 前記溶融分離を、Fe−Ni合金を溶融分離するFe−
Ni合金回収工程と、該Fe−Ni合金回収工程で発生
したスラグに鉄成分及び還元剤を加えて、Fe−V合金
を溶融分離するFe−V合金回収工程との二段で行うこ
とを特徴とする重油灰からの有価金属の回収方法。 - 【請求項2】 前記焼成灰にFe成分に加えて更にボイ
ラースラグを加えることを特徴とする請求項1記載の重
油灰からの有価金属の回収方法。 - 【請求項3】 前記Fe−Ni合金回収工程の溶融温度
を、1200〜1500℃とし、前記Fe−V合金回収
工程の溶融温度を、1700〜2000℃とすることを
特徴とする請求項1又は2記載の重油灰からの有価金属
の回収方法。 - 【請求項4】 前記Fe−Ni合金回収工程の溶融温度
を、1300〜1400℃とし、前記Fe−V合金回収
工程の溶融温度を、1800〜2000℃とすることを
特徴とする請求項3記載の重油灰からの有価金属の回収
方法。 - 【請求項5】 前記Fe−V合金回収工程で、還元剤と
して電気集塵重油灰を使用することを特徴とする請求項
1又は2記載の重油灰からの有価金属の回収方法。 - 【請求項6】 前記Fe−V合金回収工程で、溶融時に
炭素を加えてFe−炭化V合金として回収することを特
徴とする請求項1又は2記載の重油灰からの有価金属の
回収方法。 - 【請求項7】 前記Fe−V合金回収工程で発生したス
ラグを粉砕してマグネシア原料として回収することを特
徴とする請求項1又は2記載の重油灰からの有価金属の
回収方法。
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