JP2006307267A - スラグフューミング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記スラグを一旦保持炉に移送し、該保持炉に銅源を添加して銅共存下でスラグを保持した後、下記(イ)〜(ハ)のいずれかのやり方でスラグのフューミングを行ない、その後、スラグをセトリング炉に移送してスラグ中に懸垂する銅合金を沈降分離させることを特徴とする。
(イ)前記保持炉で生成されたスラグと銅合金をフューミング炉に移送し、銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ロ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、新たな銅源を添加して銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ハ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、スラグのフューミングを行なう。
【選択図】なし
Description
また、スラグフューミング処理のばらつきにより、鉛又はヒ素といった有害元素がスラグ中に残留した場合には、上記清浄化されたスラグの溶出試験において、土壌環境基準を満足することができないという問題がおこるので、安定的に土壌環境基準を満足する方法が望まれていた。
前記スラグを一旦保持炉に移送し、該保持炉に銅源を添加して銅共存下でスラグを保持した後、下記(イ)〜(ハ)のいずれかのやり方で、スラグのフューミングを行ない、その後、スラグをセトリング炉に移送してスラグ中に懸垂する銅合金を沈降分離させることを特徴とするスラグフューミング方法が提供される。
(イ)前記保持炉で生成されたスラグと銅合金をフューミング炉に移送し、銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ロ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、新たな銅源を添加して銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ハ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、スラグのフューミングを行なう。
−8>logPo2>−11.5
(但し、式中、Po2はatm単位によるスラグ中の酸素分圧を表し、かつ1400℃の温度基準に換算したものである。)
本発明のスラグフューミング方法は、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出されるスラグから亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、前記スラグを一旦保持炉に移送し、該保持炉に銅源を添加して銅共存下でスラグを保持した後、下記(イ)〜(ハ)のいずれかのやり方で、スラグのフューミングを行ない、その後、スラグをセトリング炉に移送してスラグ中に懸垂する銅合金を沈降分離させることを特徴とする。
(イ)前記保持炉で生成されたスラグと銅合金をフューミング炉に移送し、銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ロ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、新たな銅源を添加して銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ハ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、スラグのフューミングを行なう。
本発明においては、まず、前記熔錬炉から産出されるスラグを一旦保持炉に移送し、該保持炉に銅源を添加して銅共存下でスラグを保持することにより、Cu−Fe−Pb−As系銅合金の均一融体を生成させる。
図1より、例えば、1350℃では、銅中に鉄が約15%まで熔融し、均一融体となることが分かる。すなわち、鉄スパイスが金属状の銅と共存した際には、鉄スパイスは銅中に熔融し、一部の鉛とともに銅主体のCu−Fe−Pb−As系銅合金均一融体を生成することになる。高銅品位領域では、均一融体を形成する銅に対する鉄の溶解量は温度によって変化し、温度が高いほど溶解量は増加する。したがって、高温度で行うほど、少ない銅量でも処理が可能であるというメリットを有する。
また、Cu−Fe−Pb−As系均一融体の形成において、銅スパイス相の生成が懸念されるが、上記鉄の溶解量に基づいて選ばれる過剰の銅量の添加条件では、銅スパイス相の生成はおきないので、事実上は上記鉄の溶解量に基づいて調製される。
本発明においては、次いで、フューミング炉で下記(イ)〜(ハ)いずれかのやり方で、スラグのフューミングを行なう。
(イ)前記保持炉で生成されたスラグと銅合金をフューミング炉に移送し、銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ロ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、新たな銅源を添加して銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ハ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、スラグのフューミングを行なう。
ガス吹き込み用のランスを備えたスラグフューミング炉を用いて、炉内に装入したスラグ融体にランスを浸漬してランス先端から重油、天然ガス、微粉炭等と酸素含有ガスを噴出するガス吹錬を行い、これらを混合撹拌するとともに、融体内を還元性雰囲気として、亜鉛、鉛、ヒ素、アンチモン等を金属状態へ還元する。ここで、金属化された亜鉛の大部分と鉛の一部を揮発させてダストとして回収する。
本発明においては、最後に、フューミング後のスラグをセトリング炉に移送して、所定時間セトリングを行ない、スラグ中に懸垂する銅合金を沈降分離させる。これによって、フューミング後のスラグをフューミング炉内でセトリングする際の問題点を解消することができる。また、連続式のフューミング炉の場合には、フューミング炉内が常時撹拌状態でスラグ中に銅合金が懸濁された状態にあるので、セトリング炉を用いる方法は非常に有効である。
上記方法においてセトリングの時間としては、特に限定されるものではなく、セトリング炉の形状及び内容積、処理スラグの量、組成及び銅合金混入量、懸垂される銅合金の粒子径等の要因に応じて適切な時間が選ばれるが、30〜90分程度で十分な分離性能を得ることができる。
[フューミング方法]
図3のスラグフューミング装置を用いた。スラグフューミング装置は、外熱式の電気炉9によって加熱され、温度制御用熱電対6と雰囲気担保用窒素吹き込み管1によって温度と電気炉内雰囲気が制御される。まず、反応に用いるアルミナるつぼ7に原料調合物を装入し、るつぼ保持用レンガ8の上に設置したセラミック外るつぼ5の中にアルミナるつぼ7を装入する。次に、加熱されて熔融状態の融体に撹拌窒素用吹き込み管3により窒素を吹きこみ、測温用熱電対4で反応温度を測定しながらフューミングを行う。なお、発生するダストは、ダスト回収用セラミック管2を通じて回収する。
上記スラグフューミング装置を用いて、保持炉、フューミング炉及びセトリング炉の操作を行なった。
(1)保持炉の操作
アルミナるつぼ内に、上記スラグ2000gと金属銅(銅品位99.99重量%)400gとともに炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素87.5重量%)40gを添加した原料調合物を入れた。まず、保持炉を想定して、窒素雰囲気下において1400℃で熔融し、スラグ熔融後2時間保持した。
次に、フューミング炉を想定して、上記フューミング方法にしたがって、窒素ガスで浴内を60分撹拌することでフューミングを行った。撹拌終了後、試料を冷却し、スラグ、銅合金及びダストを分離回収した。
(3)セトリング炉の操作
次いで、セトリング炉を想定して、得られたスラグをアルミナるつぼに入れ、窒素雰囲気下において1400℃で熔融しセトリングを行った。その後、冷却してスラグと銅合金を分離回収した。
表3より、操作は、本発明に基づいて行われたので、鉛とヒ素の溶出量が低減し、安定的に土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)を満足できることが分かる。
上記スラグフューミング装置を用いて、保持炉、フューミング炉及びセトリング炉の操作を行なった。
(1)保持炉の操作
アルミナるつぼ内に、上記スラグ2000gと金属銅(銅品位99.99重量%)400gとともに炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素87.5重量%)40gを添加した原料調合物を入れた。まず、保持炉を想定して、窒素雰囲気下において1400℃で熔融し、スラグ熔融後2時間保持した。次に、冷却して、スラグと合金を採取した。また、生成ダストの回収を行った。
次に、アルミナるつぼ内に、得られたスラグ1500gと、金属銅(銅品位99.99重量%)300gとともに炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素87.5重量%)35gを添加した原料調合物を入れた。まず、上記フューミング方法にしたがって、窒素雰囲気下において1400℃で熔融し、窒素ガスで浴内を60分撹拌することでフューミングを行った。
(3)セトリング炉の操作
次いで、撹拌終了後、セトリング炉を想定して、炉内にアルミナるつぼを保持したまま徐冷し、スラグ、銅合金及びダストを分離回収した。その後、得られたスラグ、銅合金及びダストの化学組成を分析した。なお、得られたスラグ及びメタルの重量は、それぞれ1340g、320gであった。また、スラグと銅合金の分離性は良好であった。
表5より、操作は、本発明に基づいて行われたので、鉛とヒ素の溶出量が低減し、安定的に土壌環境基準(Pb、As溶出量:各0.01mg/L以下)を満足できることが分かる。
上記スラグフューミング装置を用いて、保持炉及びフューミング炉の操作を行なった。
(1)保持炉の操作
アルミナるつぼ内に、上記スラグ2000gと金属銅(銅品位99.99重量%)400gとともに炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素87.5重量%)40gを添加した原料調合物を入れた。まず、保持炉を想定して、窒素雰囲気下において1400℃で熔融し、スラグ熔融後2時間保持した。
次に、フューミング炉を想定して、上記フューミング方法にしたがって、窒素ガスで浴内を60分撹拌することでフューミングを行った。撹拌終了後、アルミナるつぼを電気炉外に取り出して、鉄箱内にスラグの一部を注湯して急冷固化させた。これは、スラグのセトリングを行なわないことを意味する。
その後、フューミングから得られたスラグの化学組成を分析した。結果を表6に示す。
保持炉とセトリング炉の操作を行なわなかったこと、及びフューミング炉の操作において金属銅とコークスを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行なった。得られたスラグ及びダストの化学組成を分析した。結果を表7に示す。また、スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表8に示す。
2 ダスト回収用セラミック管
3 撹拌窒素用吹き込み管
4 測温用熱電対
5 セラミック外るつぼ
6 温度制御用熱電対
7 アルミナるつぼ
8 るつぼ保持用レンガ
9 電気炉
Claims (5)
- 亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出されるスラグから亜鉛と鉛を揮発分離するスラグフューミング方法において、
前記スラグを一旦保持炉に移送し、該保持炉に銅源を添加して銅共存下でスラグを保持した後、下記(イ)〜(ハ)のいずれかのやり方で、スラグのフューミングを行ない、その後、スラグをセトリング炉に移送してスラグ中に懸垂する銅合金を沈降分離させることを特徴とするスラグフューミング方法。
(イ)前記保持炉で生成されたスラグと銅合金をフューミング炉に移送し、銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ロ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、新たな銅源を添加して銅共存下でスラグのフューミングを行なう。
(ハ)前記保持炉で生成されたスラグのみをフューミング炉に移送し、スラグのフューミングを行なう。 - 保持炉において銅共存下でスラグを保持する際の融体温度は、1075〜1500℃であることを特徴とする請求項1に記載のスラグフューミング方法。
- 融体温度を1075〜1500℃に維持するとともに、スラグの酸素分圧を次式に示す範囲に制御しながら、フューミングを行なうことを特徴とする請求項1に記載のスラグフューミング方法。
−8>logPo2>−11.5
(但し、式中、Po2はatm単位によるスラグ中の酸素分圧を表し、かつ1400℃の温度基準に換算したものである。) - 融体温度を1075〜1500℃に維持しながら30〜90分間セトリングを行なうことを特徴とする請求項1に記載のスラグフューミング方法。
- 前記銅源として、保持炉、フューミング炉又はセトリング炉で生成される銅合金を繰り返し用いることを特徴とする請求項1に記載のスラグフューミング方法。
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