JPH11500712A - 疎水性タキサン誘導体 - Google Patents

疎水性タキサン誘導体

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JPH11500712A JP8521801A JP52180196A JPH11500712A JP H11500712 A JPH11500712 A JP H11500712A JP 8521801 A JP8521801 A JP 8521801A JP 52180196 A JP52180196 A JP 52180196A JP H11500712 A JPH11500712 A JP H11500712A
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メイヒュー,エリック
フランクリン,ジェイ.,クレイグ
バーティア,シュレシュ
ハーモン、ポール、エイ.
ジャノフ,アンドリュー,エス
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ザ リポソーム カンパニー、インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は式(I)のタキサン誘導体を提供するものであり、このものは疎水性有機基がタキサンに結合している。RおよびR′は各々独立してHまたは疎水性有機基であり、RおよびR′の少なくとも1つはHではない。該タキサンに疎水性有機基を結合させてタキサン誘導体とすることにより、一般に、リポソーム性脂質を含めた脂質、該誘導体−担体結合物が投与される動物の血漿中の担体と該誘導体との結合を安定化するものである。また本発明ではタキサン誘導体および薬理学的に許容し得る媒体を含有する組成物を提供するものであり、この媒体は脂質担体を含有することが好ましく、上記誘導体は担体と結合していることが好ましい。更に本発明では、例えば癌にかかっている動物へのタキサン誘導体を投与する方法をも提供している。

Description

【発明の詳細な説明】 疎水性タキサン誘導体 本発明はタキサン(taxane)に結合している疎水性有機基を含有するタ キサン誘導体、該化合物を含有する組成物、この組成物は脂質担体−含有組成物 をも包含するものであり、また癌におかされたものを含んだ動物へのこのような 組成物の投与方法を提供するものである。 タキサン類は抗癌剤として用いることができ、これは細胞分裂を阻止すること によって細胞増殖に影響を与えるものである。例えば、パクリタキセル(Pac ritaxel)(TAXOLR、Bristol−Myers Squibb) は微少管チューブリン(tubulin)に結合する抗核分裂剤であり、それに より微小管の分解を阻止しその結果、細胞分裂を抑止するものである(Schi ffら、Nature 277:665(1979))。微小管の重合および安 定化に対するpaclitaxelの最適な効果はチューブリン二量体を化学量 論的当量に近い濃度で観られる(Schiff and Horovcitz、P roc.Natl.Sci.USA 77(3):1561−1565(198 0))。Pacritaxelは悪性メラノーマ、結腸癌、白血病および肺癌の 他に卵巣および乳癌に対して活性を有することが判明している(例えばBorm an、Chemical&Engineering News、1991年9月 2日、11−18頁、The Pharmacological Basis o f Therapeutics…(Goodman Gilmanら編)…、Pe rgamon Press、New-York(1990)、1239頁;「Th e Alkaloids、Vol.XXV」Academic Press,In c.(1985)、第1章、6〜18頁におけるSuffiness、Amti tumor Alkaloids;Rizzoら、J.Pharm.&Biom ed.Anal.(2):159−164(1990);およびBiotec hnology :933−938(1991年10月)を参照されたい)。 Paclitaxelは天然の材料から単離されるか、または天然に存在する 前駆体、例えばbaccatinから合成的に調製することが できる。即ち、paclitaxelの水酸基と成る上記前駆体の水酸基へ保護 基を結合し、該前駆体を変換し、次いでこの水酸基から該保護基を外してpac litaxelを得るものである(例えばWO93/10076、国際公開日1 993年5月27日;K.V.Rao、米国特許第5,200,534号;R. A.Holton、米国特許第5,015,744号;PCT/US92/07 990;V.J.Stella and A.E.Mathew、米国特許第4, 960,790号;K.C.Nicolau,Nature 364(1993 ),pp.464−466;Nicolaou,K.C.らNature 36 (1994),pp.630−634;Holton,R.A.らJ.Am. Chem.Soc.116(1994)pp.1597−1600;WO93/ 16059,国際公開日1993年8月19日;EP528,729、1993 年2月24日公開;EP522,958、1993年1月13日公開;WO91 /13053、国際公開日1991年9月5日;EP414,610、国際公開 日1991年2月27日を参照されたい)。 これらの合成工程で使われる保護基は単鎖脂肪族アルキル基であるが、本発明 で使用されている疎水性有機基ではない。 Paclitaxelは水および水性溶媒に非常にとけ難く、ヒマシ油のポリ オキシエチル誘導体およびエタノールCremophorELR中のエマルジョ ンとして現在の所、供給されている。しかしながら、この製剤を投与するときに は、Cremophor担体の持っている毒性を緩和するために、他の薬剤の前 投薬や大容量のものの低速注入が一般的に必要である。そこで患者は病院に入院 して夜間も治療を受ける必要がある。脂質担体を結合させたタキサン誘導体を含 有する本発明の組成物は、投与されるときタキサン脂質担体に安定して保持され ている製剤を提供しているため上記のような問題を解決することができる。脂質 担体と安定して結合しているので現在用いられている搬送システムの抱える毒性 の問題および低速注入投与の必要性を回避することができるのである。 発明の要旨 本発明は次の式で表されるタキサンを提供するものである。 式中A1はHまたは式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する 基である。QはC65−、(CH3)3C-O−または(CH3)CH=C(CH3)−; A2はHまたはCH3C(O)−;A3はHまたはOHである。A1は好ましくは(C6 5)(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−である。好ましくはA2はCH3C (O)−、そしてA3はH、即ち、タキサン誘導体は好ましくはpaclitax elである。 R1はHであり、A1は式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有 する基であり、RはHではなく、式Y1、Z11またはZ11を有する基である 。A1がH、またはA1がQ−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有す る基であり、RがHであるとき、R1はHではなく、R1は式Y2、Z22または Z22を有する基である。したがって、少なくとも1個の疎水性有機基がタキサ ンに結合している。更にまた、2個の疎水性有機基がタキサンに結合しているこ とができ、そのときRは式Y1、Z11またはZ11を有する基であり、R1は式 Y2、Z22またはZ22を有する基である。 Y1およびY2は各々独立して式C(O)(CH2)a(CH=CH)b(CH2)c(CH= CH)d(CH2)e(CH=CH)f(CH2)g(CH=CH)h(CH2)iCH3を有する基 である。a+2b+c+2d+e+2f+g+2h+iの和は7から22の整数 であり(炭素原子数に相当する);aはゼロまたは1から22の整数;b、d、f およびhの各々は独立してゼロまたは1であり;cはゼロまたは1から20の整 数;eはゼロまたは1から17の整数;gはゼロまたは1から14の整数;iは ゼロまたは1から 11の整数:そしてaからiはその時々で同じでも異なってもよい。 Z1およびZ2は各々独立して式−C(O)(CH2)j(CH=CH)k(CH2)l(CH =CH)m(CH2)n(CH=CH)o(CH2)p(CH=CH)q(CH2)rC(O)を有する 基である。j+2k+l+2m+n+2o+p+2q+rの和は2から22の整 数、k、m、oおよびqの各々は独立してゼロまたは1:jはゼロまたは2から 22の整数;lはゼロまたは1から20の整数;nはゼロまたは1から17の整 数;pはゼロまたは1から14の整数;そしてrはゼロまたは1から11の整数 である。jからrの各々はその時々で同じでも異なってもよい。 X1およびX2の各々は独立して式 を有する基であり、G1は−OP(O)2OCH2CH2N(CH3)3(ホスホリルコリ ン)、−OP(O)2OCH2CH2NH2(ホスホリルエタノールアミン)、−OP(O )2OCH2CH(OH)CH2OH(ホスホリルグリセロール)、−OP(O)2OCH2 CH(NH2)CO2H(ホスホリルセリン)またはホスホイルイノシトールである。 D1およびD2の各々は独立して式 を有する基である。 RがHでないときは式Y1を有することが好ましい。Y1は好ましくは式−C( O)(CH2)aCH3を、より好ましくは−C(O)(CH2)10CH3または−C(O)( CH2)16CH3を有するものである。しかしながらRは式Z11を有する基であ ることもできる。G1は好ましくはホスホリルコリンであり、Z1は好ましくは− C(O)(CH2)8C(O)−であり、Rは好ましくは式 又は を有する基であり、式中Y1は式−C(O)(CH2)aCH3を有する基であることが 好ましい。 Rは更にZ11であることもできる。Z1は式−C(O)(CH2)jC(O)−を有 する基であることが好ましく、より好ましくは−C(O)(CH2)3C(O)−である 。 R1はHでないときは式Y2であることが好ましく、より好ましくは式−C(O) (CH2)aCH3を有する基であり、更に好ましくは−C(O)(CH2)10CH3また は−C(O)(CH2)16CH3である。しかしながらR1は式Z22を有する基であ ることもでき;G1はそのとき好ましくはホスホリルコリンであり、Z2は好まし くは−C(O)(CH2)8C(O)−である。R1は更に式Z22を有する基であるこ とができ;Z2はそのとき式−C(O)(CH2)jC(O)−を有する基、好ましくは −C(O)(CH2)3C(O)−を有する基である。 疎水性有機基は2’位および7位の両者で同じタキサンに結合することができ ;そのときRとR’もHではない。RおよびR’は−C(O)( CH2)10CH3または−C(O)(CH2)16CH3のような同一基であることもでき 、また異なる基であってもよいが同一の基であることが好ましい。 本発明のタキサン誘導体と薬理学的に許容し得る媒体を含有する組成物も本発 明では提供される。この媒体はタキサンと結合した脂質担体を含有することが好 ましく、例えば脂肪酸、脂質、ミセル、凝集物、リポプロテインまたはリポソー ムを含有することが好ましい。脂質担体として好ましいものはリポソームである 。この脂質担体は生物活性剤をタキサン誘導体の他に更に含有することができる 。脂質担体はまた頭部基修飾脂質を含有することもできる。 更に本発明では動物、特に人間にタキサン誘導体を投与する方法を提供する。 本発明の方法は、抗癌有効量の上記誘導体を癌にかかっている動物を治療するた めに使用することができる。“抗癌有効”量のタキサン誘導体は、通常、該誘導 体が投与される動物の体重1kg当り少なくとも約0.1mgの誘導体であり; 一般的には、体重1kg当り少なくとも約0.1mgから約1000mg/kg である。投与される抗癌性タキサン誘導体の好ましいものとしては、pacli taxel誘導体が挙げられる。 図面の簡単な説明 図1 paclitaxelとパルミトイルオイル(POPC)リポソームに結合 しているpaclitaxel疎水性有機基との結合を表わすhistogra mnである。X−軸:paclitaxel;2’−C12paclitaxe l(2’位でpaclitaxelに結合している−C(O)(CH2)12CH3);7 −C12paclitaxel(7位でpaclitaxelに結合している− C(O)(CH2)12CH3)および2X−C12paclitaxel(2’位および 7位でpaclitaxelに結合している−C(O)(CH2)12CH3)。Y−軸 :リポソームに結合しているpaclitaxelのパーセンテージ。 発明の詳細な説明 本発明は式 のタキサンに結合している疎水性有機基を有するタキサン誘導体を提供するもの である。A1はHまたは式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有 する基である。QはC65−、(CH3)3CO−または(CH3)CH=C(CH3)− であり、:A2はHまたはCH3CO−;A3はHまたはOHである。 A1は式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であるこ とが好ましく、Qは好ましくはC65、A2は好ましくはCH3C(O)−であり、 A3は好ましくはHである。したがって、paclitaxel([化合物I]; TAXOLR(C4751NO)、Bristol−Myers Squibb)がこ こでは好ましい。しかしながら、taxotere(II)、このものはC−13位 にベンゾイル基の代わりにtert−ブトキシカルボニル基を有し、C−10位 にアセチルオキシ基の代わりにヒドロキシ基を有する点でpaclitaxel と異なるが、このものも本願では有用である。即ち、taxotereに対して は、A1は式(CH3)3COC(O)NHCH(C65)CH(OR)(O)−、A2はH、 そしてA3はHである。Cephalomannine(III)はpaclitax elとC−13エステルの末端に存在するアミド基において異なる。A1は式(C H3)CH=C(CH3)C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−、A2はCH3 C(O)−、そしてA3はHである。本発明で有用な追加し得るタキサンとしては paclitaxel、taxotereおよびセファロマンニンの他、19− ヒドロキシbaccatin III〔IV〕、Baccatin V〔V〕、10− デアセチ ル セファロマンニン〔VI〕、10−デアセチル paclitaxel〔VII〕 、7−Epi−10−デアチル paclitaxel〔VIII〕、7−Epi− 10−デアセチル セファロマンニン〔IX〕、および10−デアセチル bacc atin III〔X〕が次の表に示すように挙げられる。 挙げられている化合物名は、非置換のタキサン、即ち疎水性有機基が結合して いないタキサンとして挙げられている。 RおよびR1は各々独立してH又は疎水性有機基であり、RおよびR1の少なく とも1つはHでない。「疎水性有機基」はタキサンに結合することのできる炭素 をベースとする分子基である。遊離のタキサンは、タキサン/脂質結合物が投与 されている動物の血漿中でそれらと結合している脂質から容易に解離する。遊離 のタキサンへ疎水性有機基を結合させてタキサン誘導体とすることにより該誘導 体と脂質との結合を安定させることができる。 疎水性有機基は飽和又は不飽和の脂肪族もしくは分枝の脂肪酸であることがで きるが、これらに限定されることはない。このような基としてはまた、極性基お よび1以上の脂肪酸を含んだ両親媒性脂質に基くグリセロールまたはマンニトー ルのようなポリオールをも含んでいる。更に、スフィンゴミエリンのようなスフ ィンゴ脂質を含んだ他の疎水性有機基は、動物の血漿中でのタキサン誘導体と脂 質の間の結合を安定にすることができ、本発明の方法にしたがってタキサンに結 合させることもできる。このような他の基については本発明の教示にしたがい当 業者が適宜選択することができる。 「結合」としては縮合、共役結合、結合(linking)またはタキサンと 疎水性有機基との間に化学結合を形成するようなものである。基の結合はタキサ ン上の1ヶもしくはそれ以上の反応基、通常は水酸基に為される。例えばPac litaxelは、疎水性有機基が結合し得る3個の水酸基を有している。これ らは2′、7および1位に位置し、その反応性の相対順位は2′>7≫1(最も 反応性のものから最小の反応性へ)であると考えられている。疎水性有機基はタ キサンの第一義的反応性基、例えばPaclitaxelの2′OH基に、化学 量論量の結合される基、例えば脂肪酸クロライドまたは無水物を使用して結合さ せることができる。反応は通常ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチル アミン等のような塩基の存在下で一般に使用される極性、中性有機溶媒中で行わ れる。室温における反応の進行は良く知られているクロマトグラフ的手段、例え ば3%メタノールのクロロホルム溶媒系を使用した薄層クロマトグラフィーによ ってモニターすることができる。化合物の同定はNMR分光分析のような分光分 析および他の分析手段によって確認できる。 特定の反応および精製条件は、それに限られるものではないが使用さ れる原料および作用物質を含む種々のファクターにより一般に変わってくるもの であり、当業者が本発明の教示にしたがい、適宜選択、調節できるものである。 例えばPaclitaxelへのラウリン酸(C12)の結合においては、9mg (0.074ミリモル)のジメチルアミノピリジン(DMAP)、50mg(0.0 59ミリモル)のPaclitaxelおよび15mg(0.068ミリモル)の ラウロイルクロライドを5mlのクロロホルムと反応させることができる。 タキサン上の反応性の低い基へ疎水性有機基を結合する場合、通常、化学量論 量を越える活性型基を使用することが必要となる。例えばPaclitaxel の7位における水酸基は、例えば2′および7位のOH基の両方に疎水性有機基 を結合させ、次いで2′の基を選択的に除去し、Paclitaxelに結合し ている7位の基を保持するものである。このような反応は上述のものと本質的に 同じ方法によって行うことができる。2′位の変更の選択的除去は化学量論量の 弱塩基、例えば重炭酸ソーダ(sodium bicarbonate)を用いて 行うことができる。 Paclitaxelの7−OH基は、疎水性有機基と薬剤を共有結合的に結 合させる前に2′OH基を保護することによって、改変することができる。この 2′OH基は、例えば、トリフェニルメチル、メトキシトリフェニルメチル、ト リフルオロアセチルおよびヘキサノイル基のような基を用いて、当業者に周知の 方法により保護することができる。保護された、Paclitaxelを該基の 活性型、例えば脂肪酸無水物またはクロライドとDMAPおよびピリジンのよう な塩基および無水有機溶媒中で反応させる。この保護基は弱酸性もしくは弱塩基 性条件下、周知の通常行われている方法で2′位から外すことができる。例えば 、ラウリン酸は、54mg(0.44ミリモル)のDMAP、50mg(0.05 9ミリモル)Paclitaxelおよび77mg(0.35ミリモル)のラウロ イルクロライドと5mlのクロロホルムを混合し、室温で反応を続けることによ ってPaclitaxelの70Hに結合させることができ、2′,7−ジラウ ロイル Paclitaxelを得ることができる。次いで、58mg(0.04 8ミリモル)の2′,7−ジラウロイル Paclitaxelを含有するクロロ ホルム/メタノール(1:1)溶液に3.0mgのNaCl含有水75マイクロリ ットルを加 えて2′−OH基に結合しているラウリン酸を除去することができる。この反応 は30℃でインキュベートすることによって行われ、直ちに薄層クロマトグラフ ィー(TLC)にかけられる。しかしながら、結合に当たって上記のような特定 の量を用いる必要はなく、当業者であれば本発明の教示に従ってその範囲内で量 等を変えることができる。 RはHまたは式Y1、Z11もしくはZ11で表される基であり;R1はHまた は式Y2、Z22もしくはZ22で表される基である。RおよびR1の少なくとも 1つはHではない。Y1、Z11、Z11、Y2、Z22およびZ22は疎水性有 機基である。 Y1およびY2は各々独立して式C(O)(CH2)a(CH=CH)b(CH2)c(CH= CH)d(CH2)e(CH=CH)f(CH2)g(CH=CH)h(CH2)iCH3を有する基 である。a+2b+c+2d+e+2f+g+2h+iの和は7〜22の整数で あり(炭素原子数に関し);aはゼロまたは1〜22の整数であり;b、d、fお よびhの各々は独立してゼロまたは1であり;cはゼロまたは1〜20の整数; eはゼロまたは1〜17の整数;gはゼロまたは1〜14の整数;iはゼロまた は1〜11の整数;そしてa〜iはそれが出てくるたびに同一であってもよいし 異なってもよい。Y1およびY2は各々独立して飽和であることが好ましく、即ち 隣り合う炭素間に二重結合を有さない。したがって、b、d、fおよびhは各々 ゼロであることが好ましく、c、e、gおよびiもまた各々ゼロであることが好 ましく、Y1およびY2は各々独立して式−C(O)(CH2aCH3(式中aは7〜 22の整数)を有する基であることが好ましい。より好ましくは、Y1およびY2 は各々独立して式−C(O)(CH2)10CH3または−C(O)(CH2)16CH3である 。さもなければY1およびY2は各々不飽和であることができ、即ち1またはそれ 以上のCH=CH基を有する。この場合、b、d、fおよびhの少なくとも1つ はゼロではない。例えば、この不飽和炭化水素が1つの二重結合を有するとき、 bは1であり、d、fおよびhはゼロであり;Y1およびY2は各々独立して式− C(O)(CH2)aCH=CH(CH2)cCH3であり、aはゼロまたは1〜18の整 数、cはゼロまたは1〜18の整数で、aまたはcの少なくとも1つはゼロでは なく、aおよびcの和は5〜20の整数である。 X1およびX2は各々式 を有する基であり、G1は好ましくはリン酸塩を基体とする極性基で、特にそれ らに限定されることはないが、−OP(O)2OCH2CH2N(CH3)3(ホスホリル コリン)、−OP(O)2OCH2CH2NH2(ホスホリルエタノールアミン)、−O P(O)2OCH2CH(OH)CH2OH(ホスホリルグリセロール)、−OP(O)2O CH2CH(NH2)CO2H(ホスホリルセリン)およびホスホイルイノシトールの ようなものを含む。より好ましくはG1はホスホリルコリンである。しかしなが ら窒素、硫黄および他の原子でリン(phosphorous)を置換することも できる。Y1は式−C(O)(CH2)aCH3を有する基であることが好ましい。 Z1およびZ2は各々独立して式−C(O)(CH2)j CH=CH)k(CH2)l(C H=CH)m(CH2)n(CH=CH)o(CH2)p(CH=CH)q(CH2)rC(O)のリン カーである。j+2k+l+2m+n+2o+p+2q+rの和は2〜22の整 数であり、、k、m、oおよびqの各々は独立してゼロまたは1であり、jはゼ ロまたは2〜22の整数であり、lはゼロまたは1〜20の整数であり、nはゼ ロまたは1〜17の整数であり、pはゼロまたは1〜14の整数であり、rはゼ ロまたは1〜11の整数である。j〜rの各々は、それらが出てくるたびに同一 または異なることができる。Z1およびZ2の各々は式−C(O)(CH2)jC(O)− を有する基であることが好ましく、より好ましくはZ1およびZ2の各々はC(C O)(CH2)8C(O)−である。 D1およびD2は各々独立して 又は である。Y1およびY2は各々独立して式−C(O)(CH2)aCH3である。例えば Y1およびY2の両者は各々−C(O)(CH2)14CH3であることができる。R1が Hであるとき、A1は式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有す る基であり、RはHではない。Rは式Y1、Z11またはZ11の式を有する基 であり、そしてこのタキサン誘導体はタキサンの2′位に結合している疎水性有 機基を含有する。A1がHであるか、またはA1が式Q−C(O)NHCH(C65) CH(OR)C(O)−を有する基でありRがHであるとき、R1はHではない。R1 はY2、Z22またはZ22であり、このタキサン誘導体は7位に結合している 疎水性有機基を有している。さもなければこのタキサン誘導体はタキサンの2′ および7位の両者に結合している疎水性有機基を有することができる。これらの 有機基はそれらが出てくる度毎に同一でも異なってもよいが、同一であることが 好ましい。R1がY2、Z22またはZ22を有する基であるときRは式Y1、Z1 1またはZ11の式を有する基である。 本発明のタキサン誘導体および薬理学的に許容し得る媒体を含有する組成物も また本発明で提供され、このような媒体としてはタキサン誘導体と結合している 脂質担体を含有しているものが好ましい。「薬理学的に許容し得る媒体」は、例 えば人間等の動物に活性成分を投与することに関連した用途を一般的に指向して おり、ピル、カプセルおよび錠剤のような固体、ゲル、賦形剤、水性もしくは非 水性溶液等を包含している。活性成分はこのような媒体に溶解、分散もしくは懸 濁により混合することができる。薬理学的に許容し得る媒体は、当業者にとって 考慮される範囲の多くのファクターにしたがって調剤され、このファクターとし て は使用される活性成分の種類、その濃度、安定性および指向される生物学的有用 性、病気、障害または該組成物を投与される病状、投与対象、その年齢、体格お よび全身症状、および該組成物の投与ルート、例えば経鼻、経口、眼の、局所的 、経皮、膣の、皮下の、乳房内、腹膜内、静脈内または筋肉内(例えばJ.G. Naim,Reminton’s Pharmaceutical Scienc e(A.Gennaro,ed.)、Mack Publishing Co.,E aston,PA,(1985)、1492〜1517頁を参照)であるか等が挙 げられるが、これらに限られることはない。非経口的な薬剤投与に用いられる通 常の薬理学的に許容し得る媒体としては、例えばD5W、即ちデキストロース5 %重量/容量および生理的食塩水を含有する水溶液である。薬理学的に許容し得 る媒体は、防腐剤および抗酸化剤を含めて、活性成分の安定性を高めるような追 加の成分を含有することができる。 「脂質担体」は疎水性物質または疎水性ドメインを有するamphipoat hic物質であり、この物質と本発明のタキサン誘導体は安定な結合を形成し、 このものが動物への治療用途に適しているのである。ここで用いられている「結 合」とは一般に、タキサンに結合している疎水性有機基と脂質担体の疎水性部分 との間の結合を意味する。疎水性有機基および疎水性脂質ドメインは一般的には 多くの力、Van der Waals力のような水性環境における疎水性分子間 を操作することがよく知られている力の作用を通じて結合する。このような結合 の安定性を測定する手段、例えば脂質担体がリン脂質を含有するときリンでre coverし得るタキサン誘導体のパーセンテージを測定するというよく知られ た方法により当業者が容易になし得るものである。本発明の教示により、当業者 は適当な脂質担体を選択することができる。これらとしては脂肪酸、両親媒性脂 質、リポソーム性または非リポソーム性リポプロテインその他があるが、これら に限定されることはない。本発明のタキサン誘導体が結合する脂質担体はリポソ ームが好ましい。 リポソームは脂質分子の1もしくはそれ以上のバイレイヤーを含有し、各バイ レイヤーは1つの水性区画を有している。ユニラメラリポソームは1つの脂質バ イレイヤーを有し、マルチラメラリポソームは1より多いバイレイヤーを有して いる(例えば、Chapman,“Physicochemical Prope rties of Phosphol ipids and Lipid−Water Systems,”in:Lip osome Technology,Volume 1:Preparation of Liposomes (G.Gregoriadis,ed.).CRC P ress,Boca Raton,FL (1984),pp.1−18、を参照さ れたい)脂質バイレイヤーを形成している両親媒性脂質分子は極性(親水性)頭部 基および1または2つのアシル鎖を有している。極性基としてはホスフェート、 スルフェートまたは窒素基体基であることができるが、ホスホリルコリン、ホス ホリルエタノールアミン、ホスホリルセリン、ホスホリルグリセロールまたはホ スホイルイノシトールのようなホスフェート基が好ましい。脂肪酸は一般的には 4〜24の炭素原子を含有し、飽和であってもよく(例えばミリスチン酸、ラウ リン酸、パルミチル酸、もしくはステアリン酸)または不飽和(例えばオレイン酸 、リノレイン酸(linoleic)、リネオレイン酸(lineoleic)およ びアラキドン酸)であることができる。更に、リポソームはまたコレステロール のようなステロール類およびその他の脂質を含有することができる。 リポソームは種々の方法で作ることができ、例えばマルチラメラリポソーム( MLV)をつくるBanghamの方法、実質的に均等なラメラ溶液分布を有す るMLV製造のLenk、FountainおよびCullisの方法;MLV を押出し、音波処理またはホモジナイズ処理してユニラメラリポソームを作る方 法;およびエーテルまたはエタノール注入処理法(例えば米国特許第4,522 ,803号、第4,588,578号、第5,030,453号、第5,169 ,637号および第4,975,282号、およびR.DeamerおよびP. Uster、“Liposome Preparation:Methods a nd Mechanisms,”in Liposomes(M.Ostro,e d.),Marcel Dekker,Inc.,New York(1983), pp.27−52を参照されたい)。 本発明のタキサン誘導体と結合している脂質担体、例えばリポソームは追加的 に生物活性剤を含有することができ、タキサン誘導体の他に生物活性剤を含有す ることができる。リポソームは、例えば該リポソームを製造するために使用され る脂質または水性相中に生物学的活性剤を溶解することにより該生物学的活性剤 を装填することができる。さもなけ れば、イオン化し得る生物学的活性剤を、まずリポソームを製造し、次いでPH 勾配等により、最外層のリポソームバイレイヤーをはさんで電気化学的ポテンシ ャルを形成し、次いでこのイオン化し得る剤をリポソームの外側にある水性媒体 中に添加することによって装填することができる(Ballら、米国特許第5, 077、056号および特許出願08/112,875号を参照されたい)。 脂質担体/生物活性剤製剤は、生物活性剤の治療指数を高めることができ、そ れは例えば該薬剤の毒性を緩衝し、この薬剤が動物の治療系から排出される速度 、割合を減少させ、それによって必要とされる治療効果を得るための薬剤量が少 なくて済むということになる。この点に関しては、脂質担体、例えばリポソーム は1もしくはそれ以上の頭部基修飾脂質を含有することができ、頭部基修飾脂質 はその極性頭部基が、ポリエチレングリコール、ポリアルキルエーテル、ガング リオシド、有機ジカルボン酸のような化学基を結合させることによって誘導体化 された両親媒性の脂質であり、このものは脂質担体に対する血清蛋白の結合を抑 制することができ、それによって動物の循環系における担体の薬理学的動態を変 えることができる(例えばBlume et al.,Biochim.Biop hys.Acta.1149:180(1993);Gabizon et al. ,Pharm.Res.10(5):703(1993);Park et al., Biochim.BioPhys.Acta.1108:257(1992);W oodle et al.,U.S.Patent No.5,013, 556 ;Allen et al.,U.S.Patent Nos.4,837,02 8 and 4,920,016;U.S.Serial No.142,691 ,filed October 25,1993を参照されたい)。脂質担体は一 般的にその網状内皮細胞系(RES)によって動物の循環系から排出される。RE S排出を抑制することにより該担体を循環系により長く留めることを可能にする ものであり、必要とされる血清中の水準(level)を得るのに結合薬剤が少量 で済むということである。 担体中に導入される頭部基修飾脂質の量は、当業者によく知られている種々の ファクターに応じて過度の実験を行うことなく決めることができる。これらのフ ァクターとしては脂質のタイプおよび頭部基改変のタイプ;担体のタイプおよび サイズ;および該製剤をどのような治療に用 いるか等があるが、これらに限定されることはない。担体における頭部基改変脂 質の濃度は一般的に動物における該担体の循環半減期を延長させるのに十分なも のであるが、動物における望ましくない副作用を生じる程多量ではないことが必 要で、通常は担体中に少なくとも約5%存在する。好ましい頭部基改変脂質はジ パルミトイルホスファチジルエタノールアミン−グルタール酸(DPPE−GA) であり、このものは通常約10モル%の濃度で使用されている。 本発明で用いられる「生物活性剤」は動物に投与して生物学的または診断的活 性を有する化合物、組成物であれば何でもよい。生物活性剤としてはacycl ovir、zidovadineおよびインターフェロンのような抗ウィルス剤 ;アミノグリコシド、セファロスポリンおよびテトラサイクリンのような抗菌剤 ;ポリエンアンチバイオティック、イミダゾールおよびトリアゾールのような抗 かび剤;葉酸、プリンおよびピリミジン誘導体のような代謝拮抗剤;アントラサ イクリン系抗生物質および植物アルカロイドのような抗腫瘍剤;コレステロール 、糖類、でん粉のような炭水化物;アミノ酸、ペプチド、細胞受容体蛋白質、免 疫グロブリン、酵素、ホルモン、神経伝達物質およびグリコプロテインのような 蛋白質;染料;放射性同位元素および放射性同位元素標識タキサンのような放射 性標識剤;X線不透明タキサン;蛍光性タキサン;散瞳性タキサン;気管支拡張 剤;局所麻酔剤等のようなものがあるが、これらに限定されることはない。追加 の生物活性剤としては抗微生物剤または抗腫瘍剤が好ましい。追加の生物活性剤 はセラミド(ceramide)のような治療脂質であってもよい。また追加の生 物活性剤は第2のタキサン誘導体であってもよい。 更に本発明では動物、例えば人間にタキサン誘導体を投与する方法をも提供す る。この方法は該タキサン誘導体および薬理学的媒体を含有する組成物を投与す ることを含有する。この媒体は、好ましくは脂質担体、より好ましくはリポソー ムをタキサン誘導体を結合した形で含有する。本発明の方法で使用されるタキサ ン誘導体はタキサンに結合した疎水性有機基を含有し、 式 を有し、式中A1はHまたは式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)− を有する基;QはC65−、(CH3)3CO−または(CH3)CH=C(CH3)−; A2はHまたはCH3C(O)−;A3はHまたはOH;RはHまたは式Y1、Z11 またはZ11を有する基であり;そしてR1はHまたは式Y2、Z22またはZ2 2を有する基である。R1がHであるとき、A1は式Q−C(O)NHCH(C65 )CH(OR)C(O)−を有する基でありRはHでない;A1がHであるときまたは A1は式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であるとき R1はHではない。R1がHであるとき、Rは式Y1を有する基であることが好ま しい。A1がHであるとき、またはRがHであるとき、R1は式Y1を有する基で あることが好ましい。Y1およびY2の各々は独立して式C(O)(CH2)a(CH= CH)b(CH2)c(CH=CH)d(CH2)e(CH=CH)f(CH2)g(CH=CH)h(C H2)iCH3を有する基である。a+2b+c+2d+e+2f+g+2h+iの 和は2〜22の整数であり;b、d、fおよびhは各々独立してゼロまたは1で あり;cはゼロまたは1〜20の整数であり;eはゼロまたは1〜17の整数で あり;gはゼロまたは1〜14の整数であり;iはゼロまたは1〜11の整数で あり;そしてaからiは各々それが出てくるたびに同じであってもよいし異なっ てもよい。Y1およびY2の各々は、好ましくは独立して式C(O)(CH2)aCH3 を有する基である。Rが式Y1を有する基であるとき、そしてR1が式Y2を有す る基であるとき、各々は独立してC(O)(CH2)10CH3 またはC(O)(CH2)16CH3であることが好ましい。 X1およびX2の各々は独立して式 を有する基であり、G1は−OP(O)2OCH2CH2N(CH3)3、−OP(O)2O CH2CH2NH2、−OP(O)2OCH2CH(OH)CH2OH、−OP(O)2OC H2CH(NH2)CO2H。 Z1およびZ2の各々は独立して式−C(O)(CH2)j(CH=CH)k(CH2)l(C H=CH)m(CH2)n(CH=CH)o(CH2)p(CH=CH)q(CH2)rC(O)−のリ ンカーである。j+2k+l+2m+n+2o+p+2q+rの和は2〜22の 整数であり;k、m、oおよびqの各々は独立してゼロまたは1であり;jはゼ ロまたは2〜22の整数であり;lはゼロまたは1〜20の整数であり;nはゼ ロまたは1〜17の整数であり;pはゼロまたは1〜14の整数であり;rはゼ ロまたは1〜11の整数であり、j〜rの各々はそれが出てくるたびに同じであ ってもよいし異なってもよい。Z1およびZ2の各々は独立して式−C(O)(CH2 )jC(O)−を有することが好ましく;より好ましくはZ1およびZ2の各々はC( CO)(CH2)8C(O)−である。 D1およびD2の各々は独立して を有する基である。Y1およびY2の各々は独立して式−C(O)(CH2)aCH3、 例えば−C(O)(CH2)14CH3を有する基である。 癌にかかっている動物は本発明の方法により、本発明で提供されるタキサン誘 導体を抗願有効量を投与することにより治療することができる。Paclita xel誘導体がここでは好ましく用いられる。一般的に言って本発明の方法によ り治療し得る癌としては、対応の遊離の、即ち、なんの基も結合していないタキ サンで治療し得る癌が挙げられ、例えば白血病またはリンパ腫の他、脳、乳、肺 、結腸、前立腺または卵巣のカルチノーマ、ミエローマ、ニューロブラストーマ またはザルコーマが挙げられるが、これに限られることはない。 タキサン誘導体の抗癌活性はin vitroで、例えば癌細胞培養液を本願 誘導体と共にインキュベートし、この培養液中での細胞増殖抑制を評価すること によって測定することができる。このような試験に適した細胞としてはネズミ( murine)P388白血病、B16メラノーマおよびLewis肺癌細胞、 ヒト乳房MCF7、卵巣OVCA−3およびA549肺癌細胞等がある。GI50 値、即ち培養液で50%の細胞増殖抑制を誘導するのに必要とされるタキサン誘 導体の濃度が測定され、比較することができる。タキサン誘導体のGI50が低い 程、癌細胞増殖を抑制するのに必要とされるタキサン誘導体の量が低くなる。し たがってより低いGI50をもつ化合物がよりよい治療指数をもつことになるので ある。 別法として、タキサン誘導体は抗癌活性はin vivoでテストすることが でき、例えば適当なテスト動物例えばヌードマウスにおいて腫瘍を確立(est ablish)することによって行う。腫瘍を確立するのに適した細胞は、上記 のin vitroテストの所で述べられたものが、腫瘍を確立する技法におい て一般的に用いられている他の細胞同様用いられる。続いて、タキサン誘導体を 該動物に投与する;ED50値、即ち動物における腫瘍の増殖を50%抑制するた めに必要とされる上記誘導体の量を、生存テストによって決定する。当業者であ れば本発明の教示にしたがい、GI50、ED50および生存値のようなファクター に基き、ある特定の癌に対してどのようなタキサン誘導体を用いればよいかを選 択することができる。 本発明の目的を達成するために、「抗癌有効量」のタキサン誘導体と しては、癌の成立、増殖、転移、侵攻または拡大を改善、減少、抑制または予防 するような量のいずれの量でもかまわない。本発明のタキサン誘導体の抗癌有効 量は相当する遊離のタキサンの治療投与量と同量であることができる。しかしな がら、タキサン誘導体を得るためにタキサンに疎水性有機基を結合させることに より、そしてこの誘導体を脂質、例えばリポソームと結合させることによりその 薬剤の治療指数を高めることができる。したがって遊離のタキサンに比べ少量の タキサン誘導体によって必要とされる治療効果を得ることができ、抗癌有効量も 遊離のタキサンに比ベタキサン誘導体は少量となるのである。 タキサン誘導体の抗癌有効量は多くのファクター、例えば年齢、体の大きさお よび投与対象の全体的な体調、治療される癌の種類および該誘導体を投与する経 路等により選択され、種々の手段、例えば投与量変更試験のような本発明の開示 を受けた当業者によって容易に為し得る、周知の方法によって決定される。一般 的に言って、本発明のタキサン誘導体の抗癌有効量は、この組成物を投与される 動物の体重1kg当り、少なくとも約0.1mgの誘導体を用いる。好ましくは 、タキサン誘導体の抗癌有効量は1kg当り約0.1mgから約1000mgで ある。 更に、本発明の方法は追加的な生物活性剤、通常は抗腫瘍剤を動物に投与する ことを包含することができる。追加の生物活性剤は、本発明のタキサン誘導体の 投与前、投与時また投与に続いて動物に投与される。この追加の剤はリポソーム 、例えば本発明のタキサン誘導体が結合できるものと同じリポソームに装填する ことができる。 本発明は次の実施例からよりよく理解されるであろう。しかしながら、これら の実施例は本発明の特許請求の範囲で定義されている本発明を単に説明するため のものである。 実施例 実施例1 Taxaneの合成 2′カプロイルpaclitaxel Paclitaxel(100mg、0.117ミリモル)、ジメチルアミノピ リジン(DMAP)(18mg、0.133ミリモル)および10mlのクロロホル ムを、乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコ中で 18mg(0.147ミリモル)のカプロイルクロライドと混合し、室温でインキ ュベートした。反応の進行状況を、3%のメタノール−クロロホルム溶媒系を用 いて、シリカ−基体薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターした。4時間で paclitaxelに相当するスポット(Rf=0.3)はもう既に見られなか った。最初の反応混合物を分析したときには存在しなかったスポット(Rf=0. 5)が存在した。 水(25ml)をこの反応物に加え、次いでクロロホルム中に抽出しDMAPの ほとんどを除去した。硫酸マグネシウムで乾燥後、クロロホルム相からの物質を 1%のメタノール−クロロホルム溶液中に溶解した。この溶解した物を次いで4 cm高×4cm径のシリカゲル60(Fluka Fine Chemicals) の充填体(plug)に添加し、次いで300mlの1%メタノール−クロロホル ム混合液をこの充填体に通過させた。 得られた混合物のNMR分光分析(後出参照)によりCH3(CH2)4C(O)−が paclitaxelの2′−OH基に結合した2′カプロイル−paclit axelであると同定した。7ラウロイル−Paclitaxel paclitaxel(50mg、0.059ミリモル)、DMAP(54mg 、0.44ミリモル)、ラウロイルクロライド(77mg、0.35ミリモル)お よび5mlのクロロホルムを50ml丸底フラスコ中で合わせ、室温でインキュ ベートした。反応の進行を上述のようにしてモニターした。4時間インキュベー トした時点で、paclitaxelに相当するスポットは存在せず、2′ラウ ロイル−paclitaxelに相当するスポット(Rf=0.5)が最大で、も う1つのスポット(Rf=0.7)が出始めた。24時間で2′ラウロイル−pa clitaxelに相当するスポットが消え、2′および7位の両方でアセチル 化された、paclitaxelに相当するスポット(Rf=0.7)のサイズが 大きくなっていた。 上述のようにして反応物を抽出し、シリカ充填体を通過させた。1.5%メタ ノール−n−クロロホルム含有溶媒を使用したフラッシュクロマトグラフィー( flash chromatography)を用いて、該溶媒と共に先端まで流 れていく物質からRf=0.7のスポット における物質を分離した。この化合物はNMR分光分析により2′,7ジカプロ イルpaclitaxelと同定した。 58mg(0.048ミリモル)のジアセチル化された物質を4.2mgの重炭 酸ソーダを75μlの水に溶解したものと、30mlのクロロホルム/メタノー ル(1:1)中で混合した。反応の進行を頻繁に分析し、2′位に存在する12炭 素残基を加水分解する間の、該分子上の他のエステル結合の加水分解を最小に抑 えた。8時間経過時に、1つの主要なピーク(Rf=0.5)および2つの微小な ピーク(Rf=0.55,0.45)が観察された。しかしながら、反応混合物に おけるほとんどの物質が出発原料であった。更にインキュベーションを続けても 主要なスポット(Rf=0.5)は実質的に増えなかった。したがって、25ml の水を該混合物に加え、次いでクロロホルム中に抽出した。Preparati ve TLC クロマトグラフィー(Whatman 20×20C,254nmで の蛍光、1000ミクロンプレート)を使用して化合物を精製した。この化合物 はNMR分光分析により7−カプロイル−paclitaxelと同定した。NMR分光分析 6、12および18炭素数の脂肪酸と反応したpaclitaxelの1Hお よび脱プロトン(proton−decoupled)13Cスペクトルを取った。 ヒドロキシル基に対してアルファプロトンと同定された共鳴におけるシフトは対 応ヒドロキシル基のアシル化を示しているものである(例えば、Kingsto n,Pharm.Ther.52(1991)1〜34頁参照)。2′OH基プロ トンとの反応は3.6ppmにおける共鳴の消去、およびヒドロキシ基に対する プロトンアルファの4.8ppmから5.6ppmへのシフトにより特徴づけら れる。同様の変化が2′OH基のアセチル化についてKingstonにより報 告された。 2′および7位における脂肪酸により誘導体化されたPaclitaxelは 2′における誘導体化と同様の変化が生じ、更に2.5ppmにおける共鳴(7 −OH基プロトン)がなくなり、また、4.5ppmから5.65ppmへの共 鳴シフトがある。7ヒドロキシプロトンとの反応は2.5ppmでの共鳴の喪失 およびOH基に対するプロトンアルフ ァの4.5から5.65ppmへのシフトにより特徴づけられる。同様の変化が 、7−OH基のアセチル化についてKingstonにより報告された。脂肪酸 に結合しているpaclitaxelのカーボンスペクトルは、カルボニル官能 基に関連した周波数(165〜200ppm)において、脂肪族炭素(10〜60 ppm)と関連した周波数における共鳴の他に、更なる共鳴を有する。実施例2 結合分析 以下の表に示された脂質濃度(DSPC=ジステアロイルホスファチジルコリ ン、EPC=卵ホスファチジルコリン、GA=ジパルミトイルホスファチジルエ タノールアミン−グルタール酸、Chol=コレステロール、薬剤=タキサン誘 導体)を用い、マルチラメラリポソームをつくる標準的方法によりリポソームを 製造し、製造物を100nmの孔を有するフィルターを10回通過させてユニラ メラリポソームを得た(Cullisら、米国特許第5,008,050号)。 Paclitaxelおよびpaclitaxelの疎水性誘導体を、POP Cから形成されるリポソーム中に調剤した。各々の薬剤のリポソーム製剤54. 6ナノメーターをBioGel A−15m、200−400メッシュBio− Radアガロースビーズを充填した55cm×3cmカラムに6cm/分で通過 させた。 結果を図1に示す。paclitaxelについては約20%の薬剤がカラム を通過させた後もリポソームと会合したままである。しかしながら、7カプロイ ルpaclitaxelについては約90%の薬剤がリポソームと会合したまま である。 以下の表1は、製剤のまとめに関するものであるが、7カプロイルpacli taxelおよび7ステアロイルpaclitaxelについてのリポソーム組 成物の効果のいくつかを示すものである。特に、飽和コレステロールおよびPE −GA封入の効果を試験した。第1欄は試験されるリポソーム製剤を記載し、第 2欄はゲル濾過カラムを通過させた(上述のようにして)後のリポソームと会合し ている薬剤の量、第3欄はリポソーム凝集(顕微鏡で観察)の質的インデックス、 そして第4欄はリポソーム調製および100nmフィルターを通じての押出し後 の脂質と 会合しているタキサンのモル%を示している。特に断らない限り、初めのpac litaxelの濃度は5モルパーセントであった。 実施例3 タキサン(Taxane)−含有POPCリポソームの特徴 paclitaxelそれ自身あるいはタキサン−疎水性有機基結合体を含有 するパルミトイルホスファチジルコリン(POPC)リポソームを上記の方法によ り95:5モル比の脂質:薬剤で調製した。この脂質、結合体およびpacli taxel濃度をサイズ排除カラム(200−400メッシュBio−Radア ガロースビーズ)を通過させる前後およびリポソーム調製後に測定した。pac litaxelまたはPOPCとの結合体における結合の減少はどのようなもの も全て計算し、リポソームとの結合度の測定に使用された。その結果を以下の表 2に示す。 実施例4 In Vivo研究 ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジステアロイルホスファチ ジルエタノールアミン−グルタール酸(DPPE−GA)および7−カプロイルp aclitaxel(7−C6)を用い、DSPC:DPPE−GA:7−C6の モル比8:1:0.6で上記の方法にしたがってリポソームが製造された。P−388研究 マウスの複数のグループに1×105P−388細胞を注射し、24時間経過 後、TaxolR(cremophor−基体paclitaxel懸濁液)また はタキサン−含有リポソームを注入した。“plain(無)”については、タ キサンを含有せず体重1kg当り512mgのリポソームを投与したが、これは タキサン含有リポソームを体重1kg当り50mg投与したことに相当するもの であった。リポソームまたはTaxolRについては、細胞投与後2、3、4お よび5日後に投与を 繰り返した。死ぬまでの日数を観察し、次いで平均生存時間を計算した。これら のデータは以下の表3に示している。 B−16研究 マウスの複数のグループに1×105B−16細胞を静脈注射し、1日経過後 、PBS、プレインリポソーム、TaxolRまたは7−C6リポソームを注入 した。細胞投与後3、5、7および9日でこの処理を繰り返した。21日目に処 理された動物を殺し、肺を摘出しホルマリン固定した。メラノーマ性肺結節数を 拡大鏡を使用して肉眼によらずにカウントした。データは以下の表4に示してい る。 実施例5 増殖抑制研究 細胞(A549、MCF7またはルイス肺)を種々の濃度のpaclitaxe lと共にインキュベートした。細胞増殖抑制を標準的手段で測定した。これらの 実験の結果を以下の表5および6に示す。これらの表におけるデータは遊離のp aclitaxelまたは遊離のpaclitaxel誘導体(表5)またはリポ ソーム性paclitaxelまたは誘導体(表6)の濃度(GI50)、マイクロモ ルを示し、これは即ち、示された細胞株の増殖を約50%抑制する濃度である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年1月17日 【補正内容】 できる。即ち、paclitaxelの水酸基と成る上記前駆体の水酸基へ保護 基を結合し、該前駆体を変換し、次いでこの水酸基から該保護基を外してpac litaxelを得るものである(例えばWO93/10076、国際公開日1 993年5月27日;K.V.Rao、米国特許第5,200,534号;R. A.Holton、米国特許第5,015,744号;PCT/US92/07 990;V.J.Stella and A.E.Mathew、米国特許第4, 960,790号;K.C.Nicolau,Nature 364(1993 ),pp.464−466;Nicolaou,K.C.らNature 36 (1994),pp.630−634:Holton,R.A.らJ.Am. Chem.Soc.116(1994)pp.1597−1600;WO93/ 16059,国際公開日1993年8月19日;EP528,729、1993 年2月24日公開;EP522,958、1993年1月13日公開;WO91 /13053、国際公開日1991年9月5日;EP414,610、国際公開 日1991年2月27日を参照されたい)。 これらの合成工程で使われる保護基は単鎖脂肪族アルキル基であるが、本発明 で使用されている疎水性有機基ではない。 Paclitaxelは水および水性溶媒に非常にとけ難く、ヒマシ油のボリ オキシエチル誘導体およびエタノールCremophorELR中のエマルジョ ンとして現在の所、供給されている。しかしながら、この製剤を投与するときに は、Cremophor担体の持っている毒性を緩和するために、他の薬剤の前 投薬や大容量のものの低速注入が一般的に必要である。そこで患者は病院に入院 して夜間も治療を受ける必要がある。脂質担体を結合させたタキサン誘導体を含 有する本発明の組成物は、投与されるときタキサン脂質担体に安定して保持され ている製剤を提供しているため上記のような問題を解決することができる。脂質 担体と安定して結合しているので現在用いられている搬送システムの抱える毒性 の問題および低速注入投与の必要性を回避することができるのである。 ヨーロッパ特許出願第558,959号はPaclitaxelの2’および7ヒドロキシル基 への親水性基の結合を記載している。この出願は疎水性基の結合については記載 しておらず、したがって、脂質担体との会合に好適なPaclitaxel誘導体について は記載していないのである。ヨーロッパ特許出願第558,959号はPaclitaxelのア シル化に関する技術を記載しているが、このアシル基はアセチルおよびエチル基 であり、これらの基はPaclitaxelと脂質担体とを安定に結合するための十分な長 さを持っておらず、本発明で記載している7〜22の炭素数のアシル基よりも、 有意に短いものである。 発明の要旨 本発明は次の式で表されるタキサンを提供するものである。 【手続補正書】 【提出日】1998年4月14日 【補正内容】 【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,KR (72)発明者 フランクリン,ジェイ.,クレイグ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08540 プリンストン シコピードライブ 28 イー (72)発明者 バーティア,シュレシュ インド国 ニューデリー 110019 アラカ ナダ タラアパートメント エフ13 (72)発明者 ハーモン、ポール、エイ. アメリカ合衆国 ペンシルヴァニア州 18940 ニュートン アマリリスレーン 40 (72)発明者 ジャノフ,アンドリュー,エス アメリカ合衆国 ペンシルヴァニア州 19067 ヤードレイ カウンテスドライヴ 560 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式 式中A1はHまたは式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する 基であり; QはC65−、(CH3)3C−O−または(CH3)CH=C(CH3)−; A2はHまたはCH3C(O)−; A3はHまたはOH; RはH、または式Y1、Z11またはZ11を有する基であり; R1はH、または式Y2、Z22またはZ22を有する基であり; 式中、X1およびX2の各々は独立して式 を有する基であり、式中、G1は−OP(O)2OCH2CH2N(CH3)3、−OP( O)2OCH2CH2NH2、−OP(O)2OCH2CH(OH)CH2OH、または−O P(O)2OCH2CH(NH2)CO2Hである。 式中、D1およびD2の各々は独立して式 を有する基であり、 式中、Y1およびY2は各々独立して式C(O)(CH2)a(CH=CH)b(CH2)c(C H=CH)d(CH2)e(CH=CH)f(CH2)g(CH=CH)h(CH2)iCH3を有す る基であり、 a+2b+c+2d+e+2f+g+2h+iの和は7から22の整数であり; aはゼロまたは1から22の整数; b、d、fおよびhの各々は独立してゼロまたは1であり; cはゼロまたは1から20の整数; eはゼロまたは1から17の整数; gはゼロまたは1から14の整数; iはゼロまたは1から11の整数; そしてaからiはその時々で同じでも異なってもよい。 式中、Z1およびZ2は各々独立して式−C(O)(CH2)j(CH=CH)k(CH2)l( CH=CH)m(CH2)n(CH=CH)o(CH2)p(CH=CH)q(CH2)rC(O)−を 有する基であり、 j+2k+l+2m+n+2o+p+2q+rの和は2から22の整数、k、m 、oおよびqの各々は独立してゼロまたは1; jはゼロまたは2から22の整数; lはゼロまたは1から20の整数; nはゼロまたは1から17の整数; pはゼロまたは1から14の整数; そしてrはゼロまたは1から11の整数であり、 jからrの各々はその時々で同じでも異なってもよく; 式中、R1がHであるとき、A1は式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C( O)−を有する基であり、かつRはHではない; A1がH、あるいはA1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有 する基であり、RがHであるとき、R1はHではない; そしてRおよびR1の少なくとも1つはHではない。 2.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基である 請求項1記載のタキサン誘導体。 3.QがC65−である請求項2記載のタキサン誘導体。 4.A2がCH3C(O)−であり、A3がHである請求項3記載のタキサン誘導体 。 5.Rが式Y1を有する基であり、R1がHである請求項2記載のタキサン誘導体 。 6.Y1が式−C(O)(CH2)aCH3を有する基である請求項5記載のタキサン誘 導体。 7.Y1が式−C(O)(CH2)10CH3または−C(O)(CH2)16CH3を有する基 である請求項6記載のタキサン誘導体。 8.Rが式Z11を有する基である請求項2記載のタキサン誘導体。 9.Z1が式−C(O)(CH2)jC(O)−を有する基である請求項8記載のタキサ ン誘導体。 10.Z11が式 又は を有する基である請求項8記載のタキサン誘導体。 11.RがZ11の式を有する基である請求項2記載のタキサン誘導体。 12.Z1が式−C(O)(CH2)jC(O)−を有する基である請求項11記載のタ キサン誘導体。 13.Z11が式 を有する基である請求項11記載のタキサン誘導体。 14.A1がHである請求項1記載のタキサン誘導体。 15.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であ り、式中RがHである請求項1記載のタキサン誘導体。 16.R1は式Y2である請求項14または15記載のタキサン誘導体。 17.Y2が式−C(O)(CH2)aCH3を有する基である請求項16記載のタキサ ン誘導体。 18.Y2が式−C(O)(CH2)10CH3または−C(O)(CH2)16CH3を有する 基である請求項17記載のタキサン誘導体。 19.R1が式Z22を有する基である請求項14または15記載のタキサン誘 導体。 20.R1が式Z22を有する基である請求項14または15記載のタキサン誘 導体。 21.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OH)−C(O)−を有する基で あり、式中RはHではなく、また式中R1はHでない請求項1記載のタキサン誘 導体。 22.Rが式Y1を有する基であり、式中、R1は式Y2を有する基である請求項 21記載のタキサン誘導体。 23.RおよびR1の各々が独立して式−C(O)(CH2)aCH3を有する基である 請求項21記載のタキサン誘導体。 24.請求項1記載のタキサン誘導体および薬理学的に許容し得る媒体を含有す る組成物。 25.薬理学的に許容し得る媒体が脂質担体を含有し、タキサンが脂質担体と会 合している請求項24記載の組成物。 26.脂質担体が脂肪酸、脂質、リポプロテイン、複合体、凝集体、ミセルまた はリポソームである請求項25記載の組成物。 27.脂質担体がリポソームである請求項26記載の組成物。 28.脂質担体が更に生物活性剤を含有する請求項25記載の組成物。 29.タキサン誘導体および薬理学的に許容し得る媒体を含有する組成物を動物 に投与する方法であり、該タキサン誘導体は式、 式中A1はHまたは式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する 基であり; QはC65−、(CH3)3CO−または(CH3)CH=C(CH3)−; A2はHまたはCH3CO−; A3はHまたはOH; RはH、または式Y1、Z11またはZ11を有する基であり; R1はH、または式Y2、Z22またはZ22を有する基であり; 式中、X1およびX2の各々は独立して式 を有する基であり、式中、G1は−OP(O)2OCH2CH2N(CH3)3、 −OP(O)2OCH2CH2NH2、−OP(O)2OCH2CH(OH)CH2OH、ま たは−OP(O)2OCH2CH(NH2)CO2Hである。 式中、D1およびD2の各々は独立して式 を有する基であり、 式中、Y1およびY2は各々独立して式C(O)(CH2)a(CH=CH)b(CH2)c(C H=CH)d(CH2)e(CH=CH)f(CH2)g(CH=CH)h(CH2)iCH3を有す る基であり、 a+2bfc+2d+e+2f+g+2h+iの和は7から22の整数であり; aはゼロまたは1から22の整数; b、d、fおよびhの各々は独立してゼロまたは1であり; cはゼロまたは1から20の整数; eはゼロまたは1から17の整数: gはゼロまたは1から14の整数; iはゼロまたは1から11の整数: そしてaからiはその時々で同じでも異なってもよい。 式中、Z1およびZ2は各々独立して式−C(O)(CH2)j(CH=CH)k(CH2)l( CH=CH)m(CH2)n(CH=CH)o(CH2)p(CH=CH)q(CH2)rC(O)−を 有する基であり、 j+2k+l+2m+n+2o+p+2q+rの和は2から22の整数、k、m 、oおよびqの各々は独立してゼロまたは1; jはゼロまたは2から22の整数; lはゼロまたは1から20の整数; nはゼロまたは1から17の整数; pはゼロまたは1から14の整数; そしてrはゼロまたは1から11の整数であり、 jからrの各々はその時々で同じでも異なってもよく; 式中、R1がHであるとき、A1は式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C( O)−を有する基であり、かつRはHではない; A1がH、あるいはA1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有 する基であり、RがHであるとき、R1はHではない; そしてRおよびR1の少なくとも1つはHではない。 で表わされるものである、動物へのタキサン誘導体の投与方法。 30.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であ る請求項29記載の方法。 31.Rが式Y1を有する基であり、R1がHである請求項30記載の方法。 32.Y1が式C(O)(CH2)aCH3を有する基である請求項31記載の方法。 33.Rが式−C(O)(CH2)10CH3または−C(O)(CH2)16CH3を有する基 である請求項32記載の方法。 34.A1がHである請求項29記載の方法。 35.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であ り、式中RがHである請求項29記載の方法。 36.R1は式Y2を有する基である請求項34または35記載の方法。 37.Y2が式−C(O)(CH2)aCH3を有する基である請求項36記載の方法。 38.Y2が式−C(O)(CH2)10CH3またはC(O)(CH2)16CH3を有する基 である請求項36記載の方法。 39.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OH)−C(O)−を有する基で あり、式中RはHではなく、また式中R1はHでない請求項29記載の方法。 40.式中、Rが式Y1を有する基であり、式中、R1は式Y2を有する基である 請求項39記載の方法。 41.RおよびR1の各々が独立して式−C(O)(CH2)aCH3を有する基である 請求項40記載の方法。 42.動物が人間である請求項29記載の方法。 43.媒体が脂質担体を含有する請求項29記載の方法。 44.脂質担体がリポソームである請求項43記載の方法。 45.動物に更に追加の生物活性剤を投与する請求項29記載の方法。 46.動物が癌に罹っており、抗癌有効量のタキサン誘導体を投与する請求項2 9記載の方法。 47.癌が脳、前立腺、結腸、乳、卵巣または肺癌である請求項46記載の方法 。 48.抗癌有効量のタキサン誘導体が動物の体重1kg当り約0.1mgから約 1000mg/kgである請求項46記載の方法。 49.A1が式Q−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であ り、QがC65−である請求項29記載の方法。 50.A2がCH3C(O)−であり、A3がHである請求項49記載の方法。
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