JP4192208B2 - 加水分解促進性のタキサン疎水性誘導体 - Google Patents

加水分解促進性のタキサン疎水性誘導体 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、アシル鎖の付いたタキサン化合物に関するものである。アシル鎖は加水分解促進基を結合することにより得られる。また脂質担体を含有する薬剤組成物を含む化合物により構成される組成物、および癌に冒されたヒトなどの動物に前記組成物を投与する方法に関するものである。
発明の背景
タキサンは天然の原料から分離することができ、また天然に存在する前駆物質から合成により調製することができる。たとえば、パクリタクセル(TAXOLR、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)はバカチンの水酸基に保護基を結合させることによってバカチンから調製することができ、バカチンの水酸基はパクリタクセルの水酸基となり、前駆物質バカチンをパクリタクセルへと変換し、水酸基から保護基を取除き、パクリタクセルを得ることができる。(たとえば、以下を参照: W093/10076、国際公開日1993年5月27日。K.V.Rao、米国特許5,200,534。R.A.Holton、米国特許5,015,744。PCT/US92/07990。V.J.StellaおよびA.E.Mathew、米国特許4,960,790。K.C.Nicolau、Nature364(1993)、pp.464−466。Nicolau,K.C.et al.、Nature367(1994)、pp.630−634。Holton,R.A.et al.、J.Am.Chem.Soc.116(1994)、pp.1597−1600。W093/16059、国際公開日1993年8月19日。EP528,729、公開1993年2月24日。EP522,958、公開1993年1月13日。W091/13053、国際公開日1991年9月5日。EP414,610、国際公開日1991年2月27日。これらの文書の内容は引照によりこの明細書に組入れられている。)
タキサンは各種の癌を治療するために効果的に用いることができる。たとえば、パクリタクセルは、卵巣癌や乳癌、また悪性黒色腫、大腸癌、白血病および肺癌に対して活性を有することが判っている。(たとえば、以下を参照:Borman、Chemical&Engineering News、1991年9月2日。pp.11−18。The Pharmacological Basis of Therapeutics(Goodman Gilman et al.編集),Pergamon Press、New York(1990)、p.1239。Suffness、抗腫瘍アルカロイド、「アルカロイド」、XXV巻、Academic Press,Inc.(1985)、第1章、pp.6−18。Rizzo et al.、J.Pharm.&Biomed.Anal.8(2):159−164(1990)。Biotechnology 9:933−938(1991年10月)。パクリタクセルは細胞核内のチューブリンに結合することによって癌細胞に作用し、微小管の分解を阻止し、その結果、細胞分裂を阻害する(Schiff et al.、Nature 277:665(1979)。
しかし、療法上有用な担体にタキサンを結合させて、動物にタキサンを投与できるようにすることは、水性または脂質性の担体に溶解しにくいというタキサン分子の性質により困難である。たとえば、パクリタクセルは、ヒマシ油とエタノールのポリオキシエチル化誘導体中のエマルジョンCremophorELRとして現在供給されているが、これは水溶性または脂溶性が欠けているためである。しかし、クレモフォル(cremophor)担体自体が動物に対して毒性があると考えられるので、クレモフォル系のパクリタクセル調剤の投与では一般に他の薬の前投与が必要であり、また大量の調剤成分をゆっくりと注入しなくてはならず、このため一晩入院しなくてはならず、付添人の費用も必要となる。
この明細書に述べる組成物は、アシル鎖を付けたタキサン化合物の形でタキサンを提供する。アシル鎖はタキサンの脂溶性を高め、その結果、タキサンは長時間にわたって脂質系担体、たとえばリポソームに対して安定したものとなる。アシル鎖それ自体は、親タキサンからの誘導アシル鎖の加水分解を促進する化学成分である加水分解促進基を結合することによって誘導され、タキサンが脂質系担体から解離すると親タキサンは治療に有用な形態となる。
この明細書に述べる化合物は、そのまま動物に投与することができ、あるいは投与の前に脂質系担体といっしょに調剤することができる。このような調剤成分は、動物の作用部位へのタキサンの送出を促進する。
発明の要旨
本発明は,下記の化学式を有するタキサンを提供する。
Figure 0004192208
ここで、A1はHであるか、または化学式Z−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であり、ZはC65−,C65CH2−O−,C(CH3)3−O−またはCH(CH3)=C(CH3)−、A2はHまたはCH3C(O)−、A3はHまたはOHであり、RおよびR1はそれぞれHまたは式Y12を有する基であり、ただし、RとR1のうちの少なくとも一方がHではなく、Y1は、化学式C(O)CHX1(CH2)n1(CH=CH)n2(CH2)n3(CH=CH)n4(CH2)n5(CH=CH)n6(CH2)n7(CH=CH)n8(CH2)n9−を有する基であり、ここでn1+2n2+n3+2n4+n5+2n6+n7+2n8+n9の和は1から21までの整数であり、n2、n4、n6およびn8はそれぞれ個別にゼロまたは1であり、n1はゼロまたは1から21までの整数、n3はゼロ、または1から18までの整数、n5はゼロまたは1から15までの整数、n7はゼロまたは1から12までの整数、n9はゼロまたは1から9までの整数であり、n1からn9まではそれぞれ同じか、または異なるものであり、Y2は−CH3、−CO2Hまたは−CH2OHである。
1は加水分解基(“HPG”)であり、下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、F、Cl、Br、I、−OC642または−C(O)X2。ここでX2はF、Cl、Br、I、NH3 +、NO2またはCNである。好ましくは、X1はF、Cl、BrまたはIである。好ましくは、A1はZ−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−である。Zは好ましくはC65であり、A1はより好ましくはC65C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−であり、さらに好ましくはA1はC65C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−であり、A2はCH3C(O)−であり、A3はHである。すなわち、タキサンはパクリタクセルである。R1が水素であるときは、Rは−Y12であり、Rが水素であるときはR1は−Y12である。−Y12は好ましくは化学式−Y1CH3を有し、より好ましくは化学式−C(O)CHX1(CH2)n1CH3を有し、さらに好ましくは、n1は3、5、9、11、13または15である。
またこの明細書に述べる組成物は、本発明のタキサンにより構成される。このような組成物はまた薬学的に受容可能な媒体を含むこともできる。また、この組成物は好ましくは脂質系担体を含み、これはたとえば、脂肪酸、リン脂質、リポタンパク質、ミセル、脂質複合体またはリポソームであり、タキサンはこれと結合して治療のため効果的となるような体内の部位へと送られる。
この明細書には、さらに、本発明のタキサン含有組成物を動物に投与することを含む、タキサンを動物に投与する方法が述べられている。動物は癌に冒されることがある。これはたとえば、脳、胃、肺、結腸、前立腺、乳房または卵巣の癌であり、また白血病、リンパ腫、癌腫または肉腫である。この方法による癌治療では、罹患した動物に抗癌有効量のタキサンを投与する。通常の場合、タキサンの抗癌有効量は動物の体重1kgあたり約0.1mgから約1000mgである。このような抗癌治療では、投与する組成物は脂質担体を含むことが好ましい。好ましい抗癌性タキサンはパクリタクセル、すなわち、A1がC65C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−であり、A2がCH3C(O)−であり、A3がHであるようなタキサンである。より好ましくは、RまたはR1が−C(O)CHX1(CH2)n1CH3であり、さらに好ましくはn1が3、5、9、11、13または15である。さらに、動物へのタキサンの投与の一部として、追加の生体活性成分を投与することができる。
【図面の簡単な説明】
図1 OVCAR3腫瘍を有するSCIDマウスの生存に対する、パクリタクセル含有および2′−(2−ブロモ)疎水性パクリタクセル誘導体(“HTD”)含有リポソームの効果を示す図である。黒い菱形はパクリタクセル・リポソームを示し、黒い四角形は2−ブロモ−C6 HTDを示す。(6炭素アシル鎖で置換されたパクリタクセルが、パクリタクセルの2′水酸基に結合し、臭素原子を有するアシル鎖が、そのアルファ炭素に結合している。)黒三角形は2−ブロモ−C8 HTDを示し、白い菱形は2−ブロモ−C12 HTDを示し、白三角形は2−ブロモ−C14 HTDを示し、白丸は2−ブロモ−C16 HTDを示している。*印は「空の」リポソーム(パクリタクセルまたは置換パクリタクセル誘導体を含まないリポソーム)を示す。
発明の詳細な説明
本発明は下記の化学式を有するタキサンを提供する。
Figure 0004192208
ここでA1はHであるか、または化学式Z−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であり、A2はHまたはCH3C(O)−であり、A3はHまたはOHである。ZはC65−,C65CH2−O−,C(CH3)3−O−またはCH(CH3)=C(CH3)−である。さらに好ましくはA1はC65C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−であり、A2はCH3C(O)−であり、A3はHである。したがって、最も好ましいタクサンはパクリタクセル([化合物I])、TAXOLR(C4751NO)(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)誘導体である。
しかし、タキソテレ(II)系誘導体も提供され、これはC−12の位置にベンゾイル基の代わりにテルトブトキシ・カルボニル基を有し、C−10の位置にアセチロキシ基の代わりに水酸基を有する点でパクリタクセルと異なっている。したがって、タキソテレについては、A1はC(CH3)3OC(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−であり、A2はHであり、A3はHである。
さらに、本発明の実施によって有用となるタクサンは、下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、次の表に示すように、セファロマニン(III)、19−ヒドロキシバカチンIII[IV]、バカチンV[V]、10−デアセチル・セファロマニン[VI]、10−デアセチル・パクリタクセル[VII]、7−エピ−10−デアセチル・パクリタクセル[VIII]、7−エピ−10−デアセチル・セファロマニン[IX]、および10−デアセチル・バカチンIII[X]である。
Figure 0004192208
RおよびR1はそれぞれHか、または化学式−Y12を有する基である。ただし、RとR1のうち少なくとも一つはHではない。Y1はC(O)CHX1(CH2)n1(CH=CH)n2(CH2)n3(CH=CH)n4(CH2)n5(CH=CH)n6(CH2)n7(CH=CH)n8(CH2)n9−である。ここでn1+2n2+n3+2n4+n5+2n6+n7+2n8+n9の和は1から21までの整数であり、n2、n4、n6およびn8はそれぞれ個別にゼロまたは1である。n1はゼロまたは1から21までの整数、n3はゼロ、または1から18までの整数、n5はゼロまたは1から15までの整数、n7はゼロまたは1から12までの整数、n9はゼロまたは1から9までの整数であり、n1からn9まではそれぞれ同じか、または異なるものである。Y1は飽和状態であることが好ましい。すなわち、隣接する炭素原子の間に二重結合はない。したがって、n2、n4、n6およびn8はそれぞれゼロであることが好ましく、n3、n5、n7およびn9もそれぞれゼロであり、Y1は−C(O)CHX1(CH2)n1−であることが好ましい。あるいは、Y1は不飽和状態であってもよい。すなわち、一つまたはそれ以上の二重結合、および一つまたはそれ以上のCH=CHユニットがあってもよい。したがって、n2、n4、n6およびn8のうちの少なくとも一つが1である。たとえば、不飽和アシル鎖が一つの二重結合を有するときは、n2は1であり、n4、n6およびn8はそれぞれゼロである。Y1は−C(O)CHX1(CH2)n1CH=CH(CH2)n3−であり、n1はゼロまたは1から18までの整数である。またn3もゼロまたは1から18までの整数であり、n1またはn3のうちの少なくとも一つがゼロではなく、n1とn3の和が1から19までの整数に等しい。
2は−CH3であることが好ましく、したがってアシル鎖はモノカルボン酸から誘導されるが、−CO2Hであってもよく、アシル鎖はオメガ・ジカルボン酸から誘導されるか、または−CH2OHであり、この場合、アシル鎖はオメガ・ヒドロキシ酸から誘導される。したがって、Y12の化学式は−C(O)CHX1(CH2)n1CH3であることが好ましく、ここでn1は3、5、9、11または13であることが好ましく、この基はR、R1に存在するか、またはRとR1の両方に位置することが好ましい。
基−Y12のタキサンへの「結合」は、この基とタキサンの間に化学的結合が形成されることを意味し、これはこのような結合を形成するための一般に技術上受け入れられている手段により行われる。結合は、タキサン上の一つまたはそれ以上の反応基、通常は水酸基に対して行われる。タキサンへのアシル鎖の結合は、タキサンと脂質担体の結びつきを安定させ、対応するアシル鎖のないタキサンよりも長時間にわたってタキサンと担体が動物の血漿内でいっしょに留まるようにする。結合の安定性が高まることによって、in vivoでの治療作用部位へのタキサンの到達が促進される。
パクリタクセルには、たとえばアシル鎖が結合することのできる二つの水酸基がある。これらは2′と7位置にあり、その相対的反応次数は一般に(最も反応性の高いものから最も低いものへ)2′>7であると考えられている。酸の活性形態(たとえば塩化物や無水物)の化学量論的量を用いて、タキサンの一次反応基、たとえばパクリタクセルの2′OH基に炭化水素を結合させることができる。パクリタクセルの7の位置にある水酸基は、2′および7のOH基にアシル鎖を結合させ、そのあと2′アシル鎖を除去することによって変えることができ、アシル鎖を7の位置でパクリタクセルに結合したままにすることができる。2′アシル鎖の選択的除去は、化学量論的量の弱塩基、たとえば重炭酸ソーダを用いて行うことができる。さらにパクリタクセルの7の位置にあるOH基は、パクリタクセルとアシル鎖が共有結合する前に、2′の位置にあるOH基を「保護」することによって変えることができる。また2′のOH基は、一般に当業者に知られているプロセスを用いて、たとえば、トリフェニルメチル、メトキシトリフェニルメチル、トリフルオロアセチル、およびTrOC(トリクロロメトキシ・クロロホルメート)の各基で保護することができる。保護されたパクリタクセルはアシル鎖の活性形態、たとえば無水有機溶媒中の無水物または塩化物、およびDMAPやピリジンなどの塩基と反応する。保護基は、弱い酸性または塩基性の条件下で、既知の手段および容易に実施される手段により、2′の位置から除去できる。たとえば、TrOC基は亜鉛還元反応によって除去できる。
反応は、ピリジン、ジメチルアミノピリジン(“DMAP”)、トリエチルアミン、その他のような塩基の存在下で、またジメチル・ホルムアミド、ジメチル・スルホキシドなどの通常の極性、非プロトン性有機溶媒中で行われる。反応の進行は多くの既知のクロマトグラフィ手段、たとえば3%メタノール・クロロホルム溶媒系を用いた薄層クロマトグラフィによりモニターすることができる。化合物の同一性は、NMR分光法などの方法によって確認することができる。
たとえば、2′−(±)−2−ブロモアシル・パクリタクセルを調製するために、下記の反応スキーム、および下記の情報を用いることができる。
Figure 0004192208
しかし、特異反応および精製条件は、一般に多くの要因によって異なると考えられる。これらの要因は下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、用いられる原料および反応物質で、当業者の理解の範囲内で本発明の開示内容に応じて決定し、また調節できるもの。
アルファ炭素上で、加水分解促進基で置換されたアシル鎖は、市販の供給源から購入することができ、また脂肪酸のアルファ炭素上で水素原子を置換するための、技術上で一般に受入れられている手段により合成することができる。
「加水分解促進基」(“HPG”)は、アシル鎖のアルファ炭素(Cα)での置換基であり、親タキサンとその結合アシル鎖の間の結合の加水分解を促進する。HPGは水素に対して電気的に陰性であり、これは水素原子が同一分子内で同一位置を占めるときには、HPGが電子を水素原子よりもHPGの方へ引きつけることを意味する。したがって、アルファ炭素上で水素原子を加水分解促進基に置換すると、アシル鎖の電子密度の再分配が起こりアシル鎖の誘起効果が発生する。また、アルファ炭素に結合した水素を芳香族成分を含むHPGで置換すると共鳴効果が起こり、この場合にも置換されたアシル鎖で電子密度の再分配が生じる。HPGにより引き起こされた誘起効果および共鳴効果によって酸に対応する塩基を安定させるが、酸自体を安定させるわけではなく、酸はアシル鎖でHPGの代わりにCH2基があるときよりも強い酸となる。したがってHPGで置換されたアシル鎖は、一般にその対応する元の形(つまり、アルファ位置にHPG置換基の代わりにCH2基がある形)よりもpKが低い。そこで、HPGで置換されたアシル鎖は置換されていないアシル鎖よりも、その親タキサンから加水分解され易い。したがって、加水分解促進基X1は、(1)水素よりも電気陰性の高い、また(2)アシル鎖のアルファ位置に結合できるような原子または原子グループである。たとえば、X1はF、Cl、Br、I、NH3 +、−OC642、または−C(O)X2のいずれでもよく、X2はたとえば、F、Cl、Br、I、NH3 +、NO2またはCNである。より好ましくは、X1はF、Cl、BrまたはIである。
また、この明細書により本発明のタキサンを含む組成物が提供される。タキサンを治療に用いるための組成物は、薬学的に受入可能な媒体を含み、これは一般に、動物に対する治療物質または診断物質のような活性成分の投与に関して一般に用いられる媒体である。これらは次のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、丸剤、カプセル剤、錠剤、ゲル、賦形剤、水性または非水性溶液である。薬学的に受入可能な媒体は、一般に当業者の理解の範囲内にある多くの要因に応じて調剤され、これらの要因は下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、使用される特定の活性成分、その濃度、安定性、目的とする生体内利用性、組成物で治療される疾患、障害または病状、患者、その年齢、体の大きさ、一般的条件、組成物の投与経路(たとえば、経鼻、経口、経眼、局所、経皮、経腟、皮下、乳房内、腹腔内、静脈内、または筋肉内)、である。(たとえば、以下を参照。J.G.Nairn:Remington’s Pharmaceutical Science(A.Gennaro編集)、Mack Publishing Co.,Easton,PA,(1985)、pp.1492−1517。この文書の内容は引照によりこの明細書に組入れられている。)非経口投薬に用いられる薬学的に受入可能な媒体は、たとえばD5W(5%ブドウ糖水溶液)、容量対重さで5%のデキシトロース(左旋糖)を含む水溶液、および生理的食塩水である。
この明細書に述べるタキサン含有組成物は、タキサンが結合した脂質担体を含むことが望ましい。「脂質担体」は動物への投与に適した疎水性または両親媒性の分子であり、下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、脂肪酸、リン脂質、ミセル、リポタンパク質、脂質複合体、つまり非リポソーム性、脂質系の構造体であって、一つまたはそれ以上の非脂質成分を含むが、必ずしも含む必要のないもの、およびリポソームである。できれば、脂質担体はリポソームであることが好ましい。
「リポソーム」は脂質分子の一つまたはそれ以上の二層膜を含んでいて、各二層膜は水性の小室を取囲んでいる。単(二分子)層リポソームには単一の脂質二層膜があり、多層リポソームには二つ以上の二層膜がある。脂質二層膜を形成している両親媒性の脂質分子は、極性(親水性)基と、一つまたはそれ以上のアシル鎖を含んでいる。極性基は、リン酸塩系、硫酸塩系、または窒素系基であるが、リン酸塩系基、たとえば、ホスホリルコリン、ホスホリルエタノールアミン、ホスホリルセリン、ホスホリルグリセロール、またはホスホリルイノシトール基であることが好ましい。アシル鎖は一般に12から24の炭素原子を含み、飽和状態(たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミシン酸またはステアリン酸)、また不飽和状態(たとえば、オレイン酸、リノール酸またはアラキドン酸)である。また、リポソーム性脂質にはステロール、たとえばコレステロールやその他の脂質を含めてもよい。
リポソームはさまざまな方法で製造することができる。たとえば脂質/有機溶媒を乾燥し、次に乾燥した脂質を水性溶液で再水和する多層リポソーム(MLV)を製造するためのBanghamの方法(Bangham et al.,1965を参照)。水性相と脂質含有有機相の二相混合物を形成し、脂質を水性相で乳化し、有機相を蒸発させることによる、本質的に同等の層間溶質分布(SPLV)を有するMLVを製造するLenkの方法(米国特許4,522,803、5,030,453および5,169,637を参照)。単相溶媒系を用いてSPLVを製造するFountainの方法(米国特許4,588,578)。凍結と解凍のサイクルをくり返すことによりSPLVを製造するCullisの方法(米国特許5,008,050)。油中水エマルジョンを形成してREVを調製し、これから有機相を蒸発させてゲルを取得し、次にゲルを攪拌してオリゴ層リポソームを得る方法(Papahadjopoulos et al.、米国特許4,235,871)。MLVの押出しにより単層リポソームを得る方法(たとえば、Cullis et al.、米国特許4,975,282を参照)。また大型リポソームの超音波処理または均質化、またはエーテルまたはエタノール注入法(たとえば、R.DeamerおよびP.Uster、「リポソームの調製:方法およびメカニズム」、Liposomes(M.Ostro編集)、Marcel Dekker, Inc., New York(1983)、pp.27−52を参照)。これらのリポソーム調製に関する文書の内容は、引照によりこの明細書に組入れられている。
この明細書で述べる「結合」(association)という用語は、タキサンに結合したアシル鎖と脂質担体の疎水性部分の間の結合を意味する。理論によって限定されることを意図するものではないが、このような結合は多くの影響力によって行われると考えられている。たとえば、水性環境で疎水性分子相互間に働くことが知られているファンデルワールスの力である。たとえば、脂質担体がリン脂質を含むときに、リンで回収されるタクサンの割合を決定することによって、このような結合の安定性を調べる手段は、本発明の開示内容にもとづいて当業者により容易に実施することができる。
本発明によるタキサンと結合する脂質担体は、追加の生体活性物質、つまり、タキサン以外の生体活性物質を含むことができる。脂質担体と生体活性物質を含めた調剤成分は、たとえば、生体活性物質の毒性を抑え、生体活性物質が動物の循環系から除去される速度を下げることによって、生体活性物質の治療係数を高めることができ、このことは、望みの治療効果を達成するのに投与する成分の量が少なくてすむことを意味する。「生体活性物質」とは、in vitroで、または動物へ投与されたときに、動物の細胞に対して生物学的活性を有する化合物または物質組成物である。生体活性物質は治療活性および/または診断活性を有することがある。このような物質は下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、抗菌性物質、抗炎症性物質、抗癌物質、ならびに放射性同位元素、酵素および色素。また追加的生体活性物質としては生体活性脂質、たとえばそれ自体に治療上有利な性質を有する一部のセラミドおよびエーテル脂質がある。追加的生体活性物質は抗癌物質であることが好ましい。
また、脂質担体は一つまたはそれ以上の「ヘッドグループ変更脂質」を含むことができる。このような脂質担体は、ヘッドグループ変更脂質を含有する脂質担体への血清タンパク質の結合を阻害することのできる成分を結合させることによって誘導できる極性基を含んでいる。これによって担体の薬物動態特性が変えられ、担体は循環系内に長く留まるようになる。(たとえば、以下を参照。Blume et al.,Biochim.Biophys.Acta.1149:180(1993)。Gabizon et al.,Pharm.Res,10(5):703(1993)。Park et al.Biochim.Biophys.Acta.1108:257(1992)。Woodle et al.、米国特許5,013,556。Allen et al.、米国特許4,837,028および4,920,016。これらの文書の内容は、引照によりこの明細書に組み入れられている。)
ヘッドグループ変更脂質は通常はホスファチジルエタノールアミン(PE)であり、これはたとえば、ジパルミトイル・ホスファチジルエタノールアミン(“DPPE”)、パルミトイルオレオイル・ホスファチジルエタノールアミン(“POPE”)、ジオレオイル・ホスファチジルエタノールアミン(“DOPE”)である。このような脂質は、コハク酸またはグルタル酸(“GA”)などの有機ジカルボン酸や、これらの対応する無水物で一般に誘導されるヘッドグループを有している。
脂質担体に組入れられるヘッドグループ変更脂質の量は、当業者に知られている多くの要因によって定まり、また実験を行わずに決定できるような当業者の理解の範囲内にある。これらの要因は下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、担体の種類とサイズ、調剤成分の治療上の用途、である。通常は、ヘッドグループ変更脂質を含有する脂質担体中で、脂質の約5モル%から約20モル%がヘッドグループ変更脂質である。
さらに、この明細書では、本発明の組成物を動物、とくに好ましくはヒトなどの哺乳類に投与するための、動物にタキサンを投与する方法を提供する。投与は、動物への治療物質の投与のため一般に受入れられている他のいかなる手段によってもよいが、静脈内または腹腔内投与が好ましい。癌に罹患した動物はタキサン含有組成物の治療投与によって治療することができ、この場合、この組成物は抗癌有効量のタキサンを含んでいる。
一般に、この方法によって治療することのできる癌は、対応する自由タキサン、すなわち、アシル鎖が結合していないタキサンによって治療され、または治療できる癌である。これらは下記のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、脳、乳房、結腸、肺、前立腺、膵臓、胃の癌、ならびに白血病、リンパ腫、肉腫および癌腫である。好ましくは、治療される癌は乳癌または卵巣癌である。治療される癌は、標準治療薬に対して耐性のある癌、すなわち薬剤耐性癌である。
タキサンの抗癌活性は、in vitroで、たとえば癌細胞培養物を誘導体といっしょにインキュベートし、次に培養物中での細胞増殖の阻害を調べ、細胞の増殖を阻害するタキサンの能力を検査することによって決定することができる。あるいは、まず適当な試験動物、たとえばSCIDマウスなどの免疫不全マウスに腫瘍を形成し、この動物にタキサンを投与し、次に腫瘍の成長阻害と生存率を測定することによって、抗腫瘍活性についてタキサンをin vivoで試験することができる。このようなin vitroまたはin vivo試験に適した細胞は以下のものを含むが、これらに限定されるものではない。すなわち、マウスP388白血病、B16黒色腫およびLewis肺癌の細胞、ヒト乳癌MCF7、ヒトMCF−7/ADR(アドリアマイシン耐性)、ヒト卵巣OVCAR−3、ヒトHT−29結腸癌、A549ヒト肺癌の細胞、このような試験のため技術上一般に受入れられているその他の細胞(薬剤耐性細胞を含む)、である。当業者は、本発明の開示内容によりGI50(50%成長阻止)、ED50(50%有効量)、生存率、その他通常のin vitroまたはin vivo実験から得られたデータにもとづいて、癌に対して用いるため特定のタキサンを選ぶことができる。
タキサンの「抗癌有効量」とは、癌の形成、成長、転移、湿潤または拡散を改善させ、低減させ、阻害し、または防止するのに有効なタキサンの量であり、対応する自由タキサンの治療用量と同じ量である。しかしHPG誘導によるアシル鎖がタキサンに結合し、このタキサンが脂質担体と結合することによって、タキサンの治療係数が高まる。したがって、この誘導されたアシル鎖・タキサンの抗癌有効量は、対応する自由タキサンの抗癌有効量よりも低いことがある。タキサンの抗癌有効量は多くの要因、たとえば患者の年齢、体の大きさ、一般的身体状況、治療される癌、および誘導体の投与経路によって選ぶことができ、さまざまな手段、たとえば、本発明の開示内容にもとづいて当業者に知られており、また当業者が容易に実施できるような用量決定試験によって決定することができる。一般に、タキサンの抗癌有効量は、タキサン含有組成物が投与される動物の体重1kgあたり少なくとも約0.1mgのタキサンの量である。通常はタキサンの抗癌有効量は動物の体重1kgあたり約0.1mgから約1000mgであり、好ましくは動物の体重1kgあたり約1mgから200mgである。
この明細書に述べられているタキサン含有組成物は、好ましくは脂質担体を含み、より好ましくはリポソームを含み、さらに好ましくは直径が約200nm未満の単層リポソームを含んでいる。好ましい抗癌性タキサンでは、A1がC65C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−であり、A2がCH3C(O)−であり、A3がHである。つまり、パクリタクセルである。RまたR1のうちの少なくとも一つが、好ましくは−C(O)CHX1(CH2)3CH3、−C(O)CHX1(CH2)5CH3、−C(O)CHX1(CH2)9CH3、−C(O)CHX1(CH2)11CH3または−C(O)CHX1(CH2)13CH3であり、ここでX1はF、Cl、BrまたはIであることが好ましい。
(下記の)表3および4は、マウスにおけるパクリタクセルまたはパクリタクセル誘導体の急性毒性を示している。すなわち、注射後最初の14日以内に死亡した各治療グループにおけるマウスの数を示している。この結果はパクリタクセル誘導体を含有するリポソームはいずれもパクリタクセル含有リポソームよりも毒性が低く、体重1kgあたり100mgのパクリタクセルを受けたグループでは5匹のマウス全部が最初の14日以内に死亡したことを示している。2−ブロモ−C16パクリタクセル(すなわち、16個の炭素原子を含むアシル鎖が2′の位置に結合しているパクリタクセルで、アシル鎖が、アルファ炭素水素原子を臭素原子で置換することにより誘導されているパクリタクセル)の誘導体を含有するリポソームは、2−ブロモ−C6パクリタクセルの誘導体を含むリポソームよりも毒性が低かった。(下記の)表3および4は、マウスにおけるパクリタクセルまたはパクリタクセル誘導体の急性毒性を示している。すなわち、注射後最初の14日以内に死亡した各治療グループにおけるマウスの数を示している。この結果はパクリタクセル誘導体を含有するリポソームはいずれもパクリタクセル含有リポソームよりも毒性が低く、体重1kgあたり100mgのパクリタクセルを受けたグループでは5匹のマウス全部が最初の14日以内に死亡したことを示している。2−ブロモ−C16パクリタクセル(アルファ炭素のところに臭素原子が結合した炭素原子16個を含むヘキサノイル鎖で誘導されたパクリタクセル)の誘導体を含有するリポソームは、2−ブロモ−C6パクリタクセルを含むリポソームよりも毒性が低かった。さらに、パクリタクセルか、または2′(2−ブロモ)疎水性パクリタクセル誘導体(2′の位置にC−6(炭素原子6個)、C−8、C−12、C−14またはC−16のアシル鎖を含む)を含有するリポソームを、ヒト卵巣癌(OVCAR3)を有しているSCID(重症複合免疫不全症の)マウスに、体重1kgあたりパクリタクセル12.5mg、またはパクリタクセル誘導体50mgの用量で5回、腹腔内投与した。治療の結果をパクリタクセルまたはパクリタクセル誘導体の投与後のマウスの生存日数により図1に示す。これらの結果は明らかに、パクリタクセルのみ、または「空の」リポソーム(つまり、パクリタクセルもパクリタクセル誘導体も含んでいないリポソーム)で治療した場合に比べて、パクリタクセル誘導体での治療ではマウスの寿命が延びたことを示している。さらに、アシル鎖を有するパクリタクセル誘導体でアシル鎖の長さが長くなるほど、寿命を延ばすのに有効であった。
また、追加的生体活性物質を、本発明の方法の一部として動物に投与することができる。追加的生体活性物質は、タキサン含有組成物の一成分であることが好ましいが、必ずしもその必要はなく、組成物が脂質担体を含むときには脂質担体と結合していることが好ましいが、必ずしもその必要はない。脂質担体はできればリポソームであることが好ましい。脂質中、またはリポソームの調製に用いる水相中で、生体活性物質を可溶化することによってリポソームに生体活性物質を組入れることができる。あるいはイオン性生体活性物質をリポソームに次のようにして組入れることができる。すなわち、まずリポソームを形成し、次に最も外側のリポソーム二重膜に、たとえばpH勾配によって、電気化学電位を確立し、そのあとリポソームの外側の水性媒体にイオン性物質を加える(Bally et al.、米国特許5,077,056を参照。これらの文章の内容は、引照によりこの明細書に組入れられている。)
本発明は下記の実施例によってよりよく理解できるであろう。しかし、当業者は、これらの実施例が、下記に述べる特許請求項に規定されている本発明の単なる例証にすぎないことを理解するはずである。
実施例
(実施例1)
2′−(±)−2−ブロモヘキサノイル・タキソールの調製
2′−(±)−2−ブロモ・オクタノイル、ドデカノイル、テトラデカノイルおよびヘキサデカノイル・パクリタクセルを、下記に述べる方法により調製し(収量80〜90%)、1H NMRおよび元素分析により確認した。乾燥した塩化メチレン中30mlで、(±)−2−ブロモヘキサノン酸(229mg、1.17mmol)および1,3−ジシクロヘキシル・カルボジイミド(241mg、1.17mmol)の溶液を10分間攪拌し、これにタキソール(500mg、0.586mmol)と塩基、4−ジメチルアミノピリジン(71.5mg、0.586mmol)を加えた。反応混合液を室温で5分間放置した。ジシクロヘキシル尿素の白い沈殿物をセライト・パッドを通して濾過した。濾過液を真空条件下で蒸発させ、このようにして得た残留物を、調製用薄層クロマトグラフィによりCHCl3:MeOH(95:5)中で精製し、望みの産生物を得た。メトリセル・フィルタ(0.1m)を通してCHCl3溶液からシリカゲルを除いたあと産生物をシクロヘキサンから凍結乾燥させ、507mgを白色粉末として得た(収量84%)。
δ(ppm)における一部の特性ピークの1H NMR(CDCl3、300MHz)の化学シフトは次の通りであった。すなわち、8.14(d、J=7.3Hz、2H、芳香族)、7.72(d、J=7.3Hz、2H、芳香族)、7.61(m、1H、芳香族)、7.54−7.48(m、3H、芳香族)、7.42−7.36(m、7H、芳香族)、6.87(dd、J=2.4Hz、3.4Hz、1H、NH)、6.29(m、2H、H−10およびH−13)、6.0(m、1H、H−3′)、5.68(d、J=6.9Hz、1H、H−2b)、5.50(dd、J=1.4Hz、1.0Hz、1H、H−2′)、4.97(d、J=7.8Hz、1H、H−5)、4.45(m、1H、H−7)、4.32(d、J=7.3Hz、1H、H−20a)、4.28(m、1H、CH(Br))、4.20(d、J=8.3Hz、1H、H−20b)、4.0(br、OH)、3.81(d、J=6.9Hz、1H、H−3)、0.86(app.t.3H、w−CH3)。FABMS:(MH+)、C5360NO15Brについて計算、1029.32。検出値1030。
スキーム1
2′−(+)−2−ブロモアシル・パクリタクセルの合成への経路(“DCC”=1.3−ジシクロヘキシルカルボジイミド。“DMAP”=4−ジメチルアミノピリジン)
Figure 0004192208
(実施例2)
in vitro研究
表1(下記参照)はGI50(μM)値(±標準偏差)を示している。すなわち、HTDといっしょに細胞を72時間インキュベートしたあとでの、各種の加水分解性タキサン誘導体(HTD)およびヒトMCF−7乳癌細胞の50%成長阻止のために必要な濃度を示している。
Figure 0004192208
表2(下記参照)は、細胞とHTDを72時間インキュベートしたあとでの、パクリタクセルおよび各種の2′−2−ブロモ・パクリタクセル誘導体、およびA−549ヒト肺癌、MCF−7ヒト乳癌、MCF−7/ADR(アドリアマイシン耐性)およびHT−29ヒト結腸癌細胞についての、2回の個別の実験(SRB標準細胞毒性検定)から平均したGI50(μM)値を示している。(C−6、C−8、C−12、C−14は、それぞれ6、8、12、14および16個の炭素原子を有するアシル鎖がパクリタクセルに結合していることを示す。)
Figure 0004192208
(実施例3)
in vivo研究
CDF1雌マウス(各グループにマウス5匹または10匹)に、マウスの体重1kgあたり12.5、25、50、100、200、300、400または500mgのパクリタクセルまたはパクリタクセル誘導体を単一用量または5回用量投与する形で、パクリタクセル、2′−C6−パクリタクセル誘導体、または2′−C16−パクリタクセル誘導体を含有するリポソームを腹腔内投与した。(下記の)表3および4は、マウスにおけるパクリタクセルまたはパクリタクセル誘導体の急性毒性を示している。すなわち、注射後最初の14日以内に死亡した各治療グループにおけるマウスの数を示している。この結果はパクリタクセル誘導体を含有するリポソームはいずれもパクリタクセル含有リポソームよりも毒性が低く、体重1kgあたり100mgのパクリタクセルを受けたグループでは5匹のマウス全部が最初の14日以内に死亡したことを示している。2−ブロモ−C16パクリタクセルの誘導体を含有するリポソームは、2−ブロモ−C6パクリタクセルを含むリポソームよりも毒性が低かった。
Figure 0004192208
パクリタクセルか、または2′(2−ブロモ)疎水性パクリタクセル誘導体(2′の位置にC−6(炭素原子6個)、C−8、C−12、C−14またはC−16のアシル鎖を含む)を含有するリポソームを、ヒト卵巣癌(OVCAR3)を有するSCID(重症複合免疫不全症の)マウスに、体重1kgあたりパクリタクセル12.5mg、またはパクリタクセル誘導体50mgの用量で5回、腹腔内投与した。治療の結果をパクリタクセルまたはパクリタクセル誘導体の投与後のマウスの生存日数により図1に示す。これらの結果は明らかに、パクリタクセルのみ、または「空の」リポソーム(つまり、パクリタクセルもパクリタクセル誘導体も含んでいないリポソーム)で治療した場合に比べて、パクリタクセル誘導体での治療ではマウスの寿命が延びたことを示している。さらに、アシル鎖を有するパクリタクセル誘導体でアシル鎖の長さが長くなるほど、寿命を延ばすのに有効であった。

Claims (23)

  1. 下記の化学式を有するタキサンであって、
    Figure 0004192208
    1がHであるか、または化学式Z−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であり、
    2がHまたはCH3C(O)−
    3がHまたはOHであり、
    ZがC65−,C65CH2−O−,C(CH33−O−またはCH(CH3)=C(CH3)−、
    RおよびR1がそれぞれHまたは式Y12を有する基であり、ただし、RとR1のうちの少なくとも一方がHではなく、又A 1 がHである場合R 1 がHでなく、1は、化学式C(O)CHX1(CH2n1(CH=CH)n2(CH2n3(CH=CH)n4(CH2n5(CH=CH)n6(CH2n7(CH=CH)n8(CH2n9−を有する基であり、ここでn1+2n2+n3+2n4+n5+2n6+n7+2n8+n9の和は1から21までの整数であり、n2、n4、n6およびn8はそれぞれ独立してゼロまたは1であり、n1はゼロまたは1から21までの整数、n3はゼロ、または1から18までの整数、n5はゼロまたは1から15までの整数、n7はゼロまたは1から12までの整数、n9はゼロまたは1から9までの整数であり、n1からn9まではその時々に応じて同じか、または異なることができるものであり、
    1水素よりも大きい電気陰性度を有する加水分解促進基であり、
    2が−CH3、−CO2Hまたは−CH2OHであることを特徴とするタキサン。
  2. 1が化学式Z−C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基である、請求項1に記載のタキサン。
  3. 1がHである、請求項2に記載のタキサン。
  4. Rが化学式Y1CH3を有する基である、請求項3に記載のタキサン。
  5. Rが−C(O)CHX1(CH23CH3、−C(O)CHX1(CH25CH3、−C(O)CHX1(CH29CH3、−C(O)CHX1(CH211CH3または−C(O)CHX1(CH213CH3である、請求項4に記載のタキサン。
  6. RがHである、請求項2に記載のタキサン。
  7. 1が化学式Y1CH3を有する基である、請求項6に記載のタキサン。
  8. 1が−C(O)CHX1(CH23CH3、−C(O)CHX1(CH25CH3、−C(O)CHX1(CH29CH3、または−C(O)CHX1(CH213CH3である、請求項7に記載のタキサン。
  9. 1がF、Cl、Br、I、−OC642または−C(O)CHX2であり、X2がF、Cl、Br、I、CN、NO2またはNH3 +である請求項1に記載のタキサン。
  10. ZがC65である、請求項2に記載のタキサン。
  11. 2がCH3C(O)−であり、A3がHである、請求項10に記載のタキサン。
  12. 1がHであり、Rが−C(O)CHX1(CH23CH3、−C(O)CHX1(CH25CH3、−C(O)CHX1(CH29CH3、−C(O)CHX1(CH211CH3または−C(O)CHX1(CH213CH3である、請求項11に記載のタキサン。
  13. 1がF、Cl、BrまたはIである、請求項12に記載のタキサン。
  14. 1がHであり、Rが−C(O)CHX1(CH23CH3、−C(O)CHX1(CH25CH3、−C(O)CHX1(CH29CH3、−C(O)CHX1(CH211CH3または−C(O)CHX1(CH213CH3である、請求項11に記載のタキサン。
  15. 1がF、Cl、BrまたはIである、請求項14に記載のタキサン。
  16. 請求項1記載のタキサンと、薬学的に受容し得る、媒体とにより構成される医薬組成物。
  17. 薬学的に受容し得る媒体が脂質担体を含み、タキサンが該脂質担体と結合されている、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 脂質担体が脂肪酸、リン脂質、リポタンパク質、ミセル、脂質複合体またはリポソームである、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 医薬組成物が、抗癌有効量のタキサンを含有する、請求項16、17または18記載の医薬組成物
  20. タキサンの抗癌有効量が、動物の体重1kgあたり約0.1mgから約1000mgである、請求項19記載の医薬組成物
  21. タキサンがリポソームと結合している、請求項19記載の医薬組成物
  22. 1が化学式C65C(O)NHCH(C65)CH(OR)C(O)−を有する基であり、A2がCH3C(O)−であり、A3がHであり、RまたはR1のうちの一つが−C(O)CHX1(CH23CH3、−C(O)CHX1(CH25CH3、−C(O)CHX1(CH29CH3、−C(O)CHX1(CH211CH3または−C(O)CHX1(CH213CH3である、請求項19記載の医薬組成物
  23. 癌が、肺、結腸、脳、乳房、卵巣、前立腺または胃の癌であり、または白血病、リンパ腫、肉腫、または癌腫である、請求項19記載の医薬組成物
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