JPH1149882A - 多孔質膜およびそれを用いた電池用セパレータ - Google Patents

多孔質膜およびそれを用いた電池用セパレータ

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JPH1149882A
JPH1149882A JP9210827A JP21082797A JPH1149882A JP H1149882 A JPH1149882 A JP H1149882A JP 9210827 A JP9210827 A JP 9210827A JP 21082797 A JP21082797 A JP 21082797A JP H1149882 A JPH1149882 A JP H1149882A
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temperature
film
stretching
porous
porous membrane
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JP9210827A
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Yoshinobu Watanabe
義宣 渡辺
Hiroyuki Higuchi
浩之 樋口
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正常通電時における低電気抵抗性および良好
なSD特性に加え、さらに優れた耐熱性を備える電池用
セパレータとして使用できる多孔質膜を提供する。 【解決手段】 MI0.6以下で結晶化温度120℃以
上であるPPフィルムを低温延伸し、さらに高温延伸し
て多孔質化する。前記低温延伸は、温度−20〜80℃
で倍率20〜400%の延伸であり、前記高温延伸は、
フィルムの結晶融点(℃)をTmとすると、(Tm−4
0)℃〜Tm℃の温度範囲で延伸倍率10〜500%で
ある。これにより、空孔率30〜55%の範囲で耐熱温
度が190℃以上の多孔質膜が得られる。前記PPの割
合は膜全体の重量%である。前記PPの結晶
化温度の好ましい範囲は123℃以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質膜およびそ
れを用いた電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電気機器の小型化等に対応するた
めの電池として、高エネルギー密度、高起電力、自己放
電の少ないリチウムイオン電池が注目されている。そし
て、前記電池には正負極の短絡防止のために、両極間に
多孔質膜からなる電池用セパレータが介在されることが
一般的である。
【0003】電池用セパレータは、正常通電時において
は、正極と負極の間に位置し、両極の短絡を防止すると
共に、その多孔構造から両極間の電気抵抗を低く抑えて
電池電圧を維持する。一方、異常電流により電池の内部
温度が上昇した場合には、電池用セパレータは、所定温
度で溶融することで多孔構造から無孔構造に変わって電
気抵抗を増大させ、これによって電池反応を遮断し、電
池内部温度の過度の上昇を防止する。
【0004】このように、電池の温度上昇に対し、電気
抵抗を増大させ電池反応を遮断し、電池の安全性を確保
する機能は、一般にシャットダウン特性(SD特性)と
呼ばれ、リチウムイオン電池用セパレータにおいて必須
の機能である。
【0005】現在、SD特性が開始する温度は、約12
0〜150℃が好ましいとされている。また、電池用セ
パレータの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンおよび前記両樹脂の組み合せからなるものが一般に用
いられている。
【0006】さらに、SD特性が開始したのち、増大し
た電気抵抗がさらなる高温時にも維持されることは安全
確保の上で望ましいとされる。この増大した電気抵抗が
維持される上限温度を「耐熱温度」といい、電池用セパ
レータの重要な特性として求められている。
【0007】この耐熱温度は、電池用セパレータのフィ
ルム形状維持機能とも見ることができる。セパレータが
溶融、無孔化した後、さらに温度上昇した場合、フィル
ム形状を維持できずに破れを生じてしまうと、正極と負
極が接触短絡して温度が急激に上昇する。その際、それ
を組み込んだ機器に熱的ダメージを与える他、様々な問
題が生じる。特に、自動車電池、電力貯蔵用電池等の大
型のものには、電池内部での温度上昇が不均一のため、
均一に電流遮断が生じるのは困難であるため、SD特性
開始温度よりさらなる高温時でも破膜しないというセパ
レータの耐熱性が非常に重要となる。
【0008】電池用セパレータとして用いる多孔質膜を
製造する方法として、溶融結晶化温度が106℃以上で
あるポリプロピレンを用い、膜の孔形状b/aを2以上
(厚さ方向の軸長a、長手方向の軸長b)で、空孔率5
0〜85%であり、圧縮ヤング率が0.2kg/cm2
の多孔質膜を得る方法が提案されている(特許第250
3034号)。しかし、この方法では圧縮強度の向上を
目的としており、耐熱性に関して十分な特性を有する電
池用セパレータ(多孔質膜)を得ることはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、正常通電時における低電気抵抗性および良好な
SD特性に加え、さらに優れた耐熱性を備える電池用セ
パレータとして使用できる多孔質膜を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の多孔質膜は、メルトインデックス(MI)
0.6以下で結晶化温度120℃以上からなるポリプロ
ピレンを含有する層を備え、空孔率30〜55%である
という構成を有する。
【0011】すなわち、本発明では、特定のMIおよび
結晶化温度を有するポリプロピレンを含有することによ
り、多孔質膜の耐熱性を向上させ、また空孔率を前記所
定の範囲に特定することにより正常時の低電気抵抗等の
特性を確保する。このような本発明の多孔質膜は、耐熱
温度が190℃以上となって優れた耐熱性を有し、電池
用セパレータとして最適である。なお、上記結晶化温度
は123℃以上であることが好ましい。前記ポリプロピ
レンの好ましい含有割合は、膜全体の10〜100重量
%、特に好ましくは50〜100重量%である。
【0012】本発明において、メルトインデックス(M
I)は、JIS K 7210に規定される方法で測定
される値である。
【0013】本発明において、空孔率は、下記の式(数
1)により求められる。
【0014】
【数1】空孔率(%)=(空孔体積/膜体積)×100 空孔体積=膜体積−(膜重量/膜密度)
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0016】上記ポリプロピレン(PP)は、MIが
0.6以下であることが必要である。MIが0.6を超
えると高温時に溶融しやすく、形状が維持できないた
め、電池用セパレータとして使用する場合に問題とな
る。またMIの下限については特に限定されないが、
0.1未満であると、一般の溶融押出しによるフィルム
成形が困難になるという問題が生じるおそれがある。
【0017】また、PPの結晶化温度は120℃以上で
あることが必要である。この温度が高いほど多孔質膜の
耐熱性は向上する。すなわち、結晶化温度がこれより低
いと多孔質膜となった際、耐熱温度が低くなり、電池用
セパレータとして使用した場合、低温で破膜するいわゆ
る耐熱温度の低いものとなり好ましくない。より好まし
い結晶化温度は、123℃以上である。
【0018】PPの種類としては、たとえば、アイソタ
クチックPP、アタクチックPP等があげられ、このな
かで機械的強度の優れるアイソタクチックPPが好まし
い。
【0019】また、空孔率は30〜55%の範囲であ
る。空孔率がこれより高いと機械的強度が低下する。一
方、空孔率がこれより低いと電解液の保持力が低下し、
電池の放電特性が低下する。なお、好ましい空孔率の範
囲は、40〜50%である。
【0020】本発明の多孔質膜の構造は、前記特定物性
PP含有層を備えれば特に制限されず単層構造でも多層
構造でもよい。例えば、(1)前記特定物性PPのみか
ら形成された層単独の単層構造の多孔質膜、(2)前記
特定物性PPとその他のポリマーを混合した層のみから
なる単層構造の多孔質膜、(3)その他のポリマーから
なる多孔質層と、前記特定物性PP含有層からなる多孔
質層との複層構造を持つ多孔質膜等が挙げられる。この
ような構造の多孔質膜において、全多孔質膜中に占める
上記特定物性PPの含有率の好ましい範囲は前述の通り
であるが、特に好ましくは10〜100重量%である。
【0021】つぎに、本発明の多孔質膜の製造例につい
て説明する。
【0022】まず、構成材料としてはMI0.6以下で
結晶化温度120℃以上のPPであるが、その他の成分
を含有することも可能である。なお、他の成分を使用す
る場合は、PPの割合が前記割合となるようにすること
が好ましい。
【0023】前記その他の成分としては、PPと同様に
結晶性ポリマーであることが望ましい。その例として、
ポリエチレン(PE)、ポリ4メチルペンテン、ポリブ
テンのようなポリオレフィン類、ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン等のポリフッ化オレフィン類、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル類、
ポリフェニレンスルフイド、ポリオキシメチレン、ポリ
アミド等があげられる。このなかで、製造において多孔
質化を効率よくできるという理由から、到達結晶化度の
高い樹脂が好ましく、ポリオレフィン類、ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化オレフィン類、ポリアミド類等が好ま
しい。特に、電池用セパレータに使用するという理由か
ら、耐薬品性、耐酸・アルカリ性に優れたポリオレフィ
ン類が好ましく、PEが特に好ましい。
【0024】そして、前記特定物性のPPを含有するフ
ィルムを、例えば、溶融押し出し法により成形する。な
お、複層構造を持つものを製造する場合は、各層を同時
に溶融押出しすればよい。
【0025】つぎに、このフィルムに対し、結晶性向上
のために、熱処理を行う。この熱処理の温度と時間は、
熱処理の方法等に応じて適宜設定する。通常、フィルム
の結晶融点をTmとすると熱処理温度は(Tm−40)
℃〜(Tm−5)℃の範囲となる。ただしフィルム構成
材料が2種以上のときは、結晶融点の最も高いものをT
ma(℃)、最も低いものをTmbとした場合、熱処理
温度は(Tmb−40)℃〜(Tma−5)℃の範囲と
なるのが一般的である。熱処理の方法としては、加熱し
たロールや金属板にフィルムを接触させる方法、気相中
で加熱する方法等がある。また、熱処理の時間は、通
常、約2秒〜60時間である。
【0026】このような熱処理を施すことにより、フィ
ルムの結晶化度が高められ、後に行われる延伸による微
細孔の形成(多孔質化)が容易になる。
【0027】つぎに、熱処理後のフィルムを、下記のよ
うに延伸することにより多孔質化する。
【0028】すなわち、まず、熱処理後のフィルムを−
20〜80℃、好ましくは0〜50℃の低温度領域で1
軸延伸する(以下、−20〜80℃での延伸を「低温延
伸」という)。延伸温度がこれより低いと作業中にフィ
ルムの破断が生じる場合があり、また、延伸温度が高い
と多孔質膜化が困難となる場合がある。延伸方法は、従
来技術であるロール延伸、テンター延伸などを採用でき
る。低温延伸時における延伸率は、特に限定されるもの
ではないが、通常、約20〜400%、好ましくは約4
0〜300%である。この延伸率は低温延伸前における
寸法(L)と低温延伸後における寸法(LB)を用い、
下記の式(数2)により求められる。
【0029】
【数2】延伸率(%)=(LB−L)/L×100
【0030】つぎに、この低温延伸されたフィルムは、
フィルムの結晶融点(℃)をTmとすると、(Tm−4
0)℃〜Tm℃の高温度域で延伸され、多孔質膜が得ら
れる。ただし、フィルム構成材料が2種以上のとき、結
晶融点が最も低い材料の結晶融点をTmb(℃)とした
場合、熱処理温度は(Tmb−40)℃〜Tmb℃の範
囲となる(以下、この温度領域での延伸を「高温延伸」
という)。この高温延伸は前記の低温延伸時における延
伸方向と同方向に行うのが一般的であるが、他の方向へ
行ってもよい。高温延伸温度を上記範囲に規定するの
は、低温延伸において規定したのと同様の理由であり、
延伸温度がこれより低いと作業中にフィルムの破断が生
じる場合があり、また、延伸温度が高いと多孔質膜化が
困難になる場合があるからである。なお延伸方法として
は低温延伸と同様に、従来から知られているロール延
伸、テンター延伸などを採用できる。
【0031】高温延伸の延伸率は、特に限定されるもの
ではないが、通常、約10〜500%、好ましくは約1
00〜300%である。この延伸率は、低温延伸前にお
ける寸法(L)、低温延伸後における寸法(LB:すな
わち高温延伸前の寸法)および高温延伸後の寸法(L
H)を用い、下記の式(数3)により求められる。
【0032】
【数3】延伸率(%)=(LH−LB)/L×100
【0033】このように、低温延伸および高温延伸の2
段階延伸により多孔質膜が得られる。この多孔質膜に
は、低温延伸および高温延伸の際に作用する応力が残留
しているため、延伸方向に収縮して寸法変化を生じやす
い。これを防止するために、延伸後、延伸方向の寸法を
収縮させて寸法安定性を高めることが好ましい。収縮の
度合いは任意で良いが、通常、延伸後の膜寸法の約10
〜40%程度が良い。
【0034】また、多孔質膜の延伸方向の寸法が変化し
ないように規制し、延伸温度またはそれ以上の温度で加
熱するいわゆる「ヒートセット」により、同様に寸法安
定性を向上させることができる。
【0035】以上の工程によって、本発明の多孔質膜が
得られる。この多孔質膜は、190℃以上の高い耐熱温
度を有する。
【0036】このようにして得られる本発明の多孔質膜
は、電池用セパレータとして最適であるが、その他の用
途として、例えば、耐薬品性が高いという特徴により、
ろ過フィルター、包装材、衣料用等がある。
【0037】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。なお、実施例および比較例においての耐熱性、M
I、結晶化温度および空孔率の測定は、以下に示す方法
により行った。
【0038】(MI)JIS K 7210に規定され
る方法により測定した。
【0039】(結晶化温度)示差走査熱量計(セイコー
電子工業社製 DSC200)を用い、PPを10℃/
分の速度で80℃からで200℃まで昇温して溶融させ
た後、10℃/分の速度で80℃まで冷却し、その際の
発熱ピーク温度を結晶化温度(℃)とした。
【0040】(空孔率)前記式(数1)により算出し
た。
【0041】(耐熱温度)図1に示すようなヒートプレ
ス機(テスター産業社製)を用いて耐熱温度を調べた。
図示のように、このヒートプレス機は、下面1a(30
0×500mm)が固定で、上面1bからプレスするも
のであり、下面1aは室温とし、上面1bを加熱した。
このヒートプレス機において、下面1aに多孔質膜サン
プル2を配置し、上面1bを下降させて圧力約8kg/
cm2 で1秒間プレスした。なお、前記サンプル2は、
上面1bが接近した際、収縮等を防ぐため40mm×4
0mmの台紙に固定した。そして、前記サンプル2が破
膜する温度を耐熱温度とした。
【0042】(実施例1)MI0.5で結晶化温度12
8℃のPPとMI1.3で密度0.966の高密度ポリ
エチレン(HDPE)を材料とした3層(構成:外層P
P(13μm)、中間層PP/HDPE=2/8(8μ
m))からなる総厚34μmのフィルムをTダイ式フィ
ルム成形機で作製した。なお前記中間層のPPとHDP
Eの比は重量比であり、以下も同様である。これを表面
温度148℃の金属ロールに80秒間接触させ熱処理
し、ついで125℃の気相中で48時間処理を行った。
【0043】そして、このフィルムに対し、低温延伸
(温度50℃、倍率70%)および高温延伸(温度12
0℃、倍率180%)を順次行い、さらに120℃で最
大延伸時のフィルム長さを基準に20%収縮させ、厚さ
25μmで3層構造の多孔質膜を得た。
【0044】(実施例2)MI0.3で結晶化温度12
5℃のPPを材料とした厚さ34μmの単層フィルムを
用いた以外は、実施例1と同様の操作で厚さ25μmの
多孔質膜を得た。
【0045】(実施例3)MI0.3で結晶化温度12
5℃のPP90重量%とMI1.3、密度0.966の
HDPE10重量%からなる厚さ34μmの単層フィル
ムを用いた以外は実施例1と同様の操作で厚さ25μm
の多孔質膜を得た。
【0046】(比較例1)MI2.3で結晶化温度12
5℃のPPとMI1.3、密度0.966のHDPEを
材料とした3層(構成:外層PP(13μm)、中間層
PP/HDPE=1/9(8μm))からなる総厚34
μmのフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の操作
で厚さ25μmの3層からなる多孔質膜を得た。
【0047】(比較例2)MI2.0で結晶化温度11
0℃のPPを材料とした厚さ34μmの単層フィルムを
用いた以外は、実施例1と同様の操作で厚さ25μmの
多孔質膜を得た。
【0048】(比較例3)MI1.0で結晶化温度10
8℃のPPとMI1.3、密度0.966のHDPEを
材料とした3層からなる(構成:外層PP(13μ
m)、中間層HDPE(8μm))総厚34μmフィル
ムを用いた以外は、実施例1と同様の操作で厚さ25μ
mの3層からなる多孔質膜を得た。
【0049】(比較例4)MI0.8で結晶化温度12
2℃のPPを材料とした厚さ34μmの単層フィルムを
用いた以外は、実施例1と同様の操作で厚さ25μmの
多孔質膜を得た。
【0050】(比較例5)MI0.5で結晶化温度11
5℃のPPを材料とした厚さ34μmの単層フィルムを
用いた以外は、実施例1と同様の操作で厚さ25μmの
多孔質膜を得た。
【0051】(比較例6)MI0.6で結晶化温度12
5℃のPPとMI1.3、密度0.966のHDPEを
材料とした3層(構成:外層PP(13μm)、中間層
PP/HDPE=2/8(8μm))からなる総厚34
μmのフィルムを作製した。これを表面温度150℃の
金属ロールに80秒間接触させ熱処理した。続いて12
5℃の気相中で48時間処理を行った。そしてこのフィ
ルムに対し低温延伸(温度50℃、倍率80%)および
高温延伸(温度120℃、倍率200%)を順次行い、
さらに120℃で最大延伸時のフィルム長さを基準に2
0%収縮させ、3層からなる厚さ25μmの多孔質膜を
得た。
【0052】このようにして得られた実施例1〜3の多
孔質膜および比較例1〜6の多孔質膜について、前記方
法により空孔率および耐熱性を測定した。その結果を下
記の表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】前記表1から、MIおよび結晶化温度が所
定の範囲のPPを含有する層を備える実施例の多孔質膜
は、190℃以上の高い耐熱温度を有し、耐熱性に優れ
ることが分かる。これに対し、MIおよび結晶化温度が
本発明の所定の範囲にないPPを含有する層を備える比
較例の多孔質膜は、耐熱温度が180℃以下となり、耐
熱性に劣っていた。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の多孔質膜は、空
孔率も適当な範囲にあり、しかも耐熱性に優れるもので
ある。したがって、この多孔質膜は、正常通電時におい
て低電気抵抗を有し、異常通電時では優れたSD特性を
発現するともに、電池内部温度が過度に上昇しても電池
反応を遮断し続けることが可能な高性能の電池用セパレ
ータとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐熱性を測定する際に使用するヒートプレス機
の概略図である。
【符号の簡単な説明】
1a 下面 1b 上面 2 多孔質膜サンプル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックス(MI)0.6以下
    で結晶化温度120℃以上であるポリプロピレンを含有
    する層を備え、空孔率30〜55%の範囲である多孔質
    膜。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレンの結晶化温度が123℃
    以上である請求項1記載の多孔質膜。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の多孔質膜製の電
    池用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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