JPH1148612A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JPH1148612A
JPH1148612A JP9219769A JP21976997A JPH1148612A JP H1148612 A JPH1148612 A JP H1148612A JP 9219769 A JP9219769 A JP 9219769A JP 21976997 A JP21976997 A JP 21976997A JP H1148612 A JPH1148612 A JP H1148612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
layer
recording
recording medium
optical recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9219769A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Umehara
英樹 梅原
Yoshiteru Taniguchi
義輝 谷口
Sumio Hirose
純夫 広瀬
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP9219769A priority Critical patent/JPH1148612A/ja
Publication of JPH1148612A publication Critical patent/JPH1148612A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 グルーブを有する透明な基板上に、(直
接または他の層を介して、少なくとも)色素を含有する
記録層と、反射層とを有し、620〜690nmのレー
ザー光で記録および再生が可能である光記録媒体におい
て、該記録層が少なくとも下記式(1)のアゾ化合物の
金属錯体(a)と、680〜850nmに吸収極大を有
する下記式(2)のフタロシアニン色素(b)を含有
し、aとbの混合割合はモル比で99:1〜75:25
であることを特徴とする光記録媒体。 【効果】 620〜690nmの赤色レーザーで良好な
記録特性を有した高密度記録が可能な追記型光記録媒体
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体、特に
波長620〜690nmの赤色レーザーにおける記録・
再生に対応可能な追記可能型光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし、且つ、反射率を大き
くするため記録層の上に金属の反射層を設けた記録可能
な光記録媒体は、例えば、Optical Data Storage 1989
Technical Digest Series Vol.1,45(1989)に開示されて
おり、記録層にシアニン系色素やフタロシアニン系色素
を用いた媒体は、CD−R媒体として市場に供されてい
る。これらの媒体は780nmの半導体レーザーで記録
することができ、且つ、780nmの半導体レーザーを
搭載している市販のCDプレーヤーやCD−ROMプレ
ーヤーで再生できるという特徴を有している。
【0003】しかしながら、これらの媒体は650MB
程度の容量しか持たず、デジタル動画等のように大容量
の情報を記録すると、記録時間が15分以下と短い。
又、機器の小型化が進む状況に対応するために、従来の
媒体を小型にすると容量が不足する。前記した従来のC
D−R媒体は780nm前後の波長を有する半導体レー
ザーを用いて記録及び再生を行っていたが、最近620
〜690nmの半導体レーザーが開発され、より高密度
の記録及び/又は再生が可能となった。現在では、直径
120mmの媒体に約2時間の高画質の動画を記録した
光記録媒体がDVDとして開発されている。しかしなが
ら、この媒体は4.7GB/面の記録容量を有するが、
ピットを基板に転写して作られる再生専用の媒体であ
る。そのため、上記したような再生専用のDVDの記録
容量に近い大容量を有する記録可能な光記録媒体が求め
られている。
【0004】一般的に、記録可能な媒体において、記録
容量を大きくするには記録レーザービームを小さくすれ
ばよい。用いるレーザーの波長が短い程、又対物レンズ
の開口数(NA)が大きい程、ビーム径は小さくなり高
密度記録に好ましいが、現在の半導体レーザー技術やレ
ンズのNAからは、ビーム径には限界があり、例えば前
記したDVDのビーム径は従来のCDの場合に比較して
記録密度の割には小さくない。従って、記録時にCD−
Rの場合と比較してビーム径に比してより小さなピット
を正確に形成しなければならない。しかしながら、ピッ
トの大きさが小さくなるほど、記録時のピット間の熱干
渉とクロストークが大きくなり、かつ、ジッターやエラ
ーレートが大きくなるという問題点が生じる。そこで、
細く小さなピットを正確に形成できる媒体が求められて
いる。
【0005】含窒素ヘテロ環を有するアゾ化合物の金属
錯体を記録層とする光記録媒体は、特公平 5-67438号公
報および特公平 7-71868号公報に開示されている。しか
し、従来の近赤外レーザー波長での記録について記述さ
れているのみで、記録密度を大きくするための種々の条
件に関して何ら開示されておらず、また、従来のCDの
記録密度より大きい記録を行った際の記録再生特性を良
好化することについても開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題を解決すること、即ち、透明基板上に、レーザー
光を吸収する記録層、反射層を少なくとも有する媒体に
おいて、従来の620〜690nmから選択される波長
の光を用いて、従来より小さなピットを形成した際に良
好な記録特性を有する高密度光記録媒体を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、記録層に特定の記
録色素種と特定の分解挙動を有する光吸収色素を添加す
ること、また、記録層の膜の光学定数である屈折率n及
び消衰係数kを特定の範囲とすることにより、620〜
690nmのレーザー波長で良好な記録再生可能な光記
録媒体を見出し、本発明を提案するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1) グルーブを有す
る透明な基板上に、少なくとも、色素を含有する記録層
と、反射層とを有し、波長620〜690nmのレーザ
ー光で記録および再生が可能な光記録媒体において、該
記録層が少なくとも下記式(1)(化3)で表されるア
ゾ化合物の金属錯体(a)と、下記式(2)(化4)で
表されるフタロシアニン色素(b)を含有し、aとbの
混合割合はモル比で99:1〜75:25であることを
特徴とする光記録媒体、
【0009】
【化3】 (式中、環Aは窒素原子及び炭素原子を含む複素環を表
し、環Bは2つの炭素原子を含む芳香環を表す。また、
Xは活性水素を有する基を表す。)
【0010】
【化4】 (式中、X1 〜X4 はハロゲン原子を、Y1 〜Y4 は酸
素原子又は硫黄原子を、Z1 〜Z4 は総炭素数3〜18
の無置換又は置換基を有する炭化水素基を表し、l1
4 は1または2、m1 〜m4 は0〜3の整数を表し、
Mは2個の水素原子、2価の金属、金属の酸化物または
ハロゲン化物を表す。) (2) 波長620〜690nmから選択されるレーザ
ー波長での記録層の屈折率nが1.9〜2.7、消衰係
数kが0.04〜0.25であることを特徴とする
(1)記載の光記録媒体、(3) 透明な基板上に記録
層、反射層、直接または他の層を介して接着層、直接ま
たは他の層を介して基板を順次積層してなる構造を有す
ることを特徴とする(1)または(2)記載の光記録媒
体、(4) 記録層側の基板を通して測定した波長62
0〜690nmから選択されるレーザー光に対する反射
率が30%以上であることを特徴とする(1)〜(3)
のいずれかに記載の光記録媒体である。
【0011】なお、本発明においては、媒体を作製する
際と同じ色素溶液をガラス基板上にスピンコートしたも
のから記録層の光学定数の測定を行った。また、光学定
数は、複素屈折率(n+ki)で表現される。ここで用
いている屈折率nは複素屈折率の実部、消衰係数kは複
素屈折率の虚部の絶対値に相当する係数である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的構成につ
いて詳細に説明する。本発明の光記録媒体は、予め情報
を記録されている再生専用の光再生専用媒体及び情報を
記録して再生することのできる光記録媒体の両方を示す
ものである。但し、ここでは適例として後者の情報を記
録して再生のできる光記録媒体、特に基本的に基板上に
少なくとも記録層及び反射層を有するもので、例えば基
板、記録層、反射層を及び保護層をこの順で形成した光
記録媒体及び反射層面に基板を貼りあわせた光記録媒体
に関して説明する。これらの光記録媒体は図1に示すよ
うに、基板1上に記録層2が形成されており、その上に
密着して反射層3が設けられており、さらにその上に保
護層4が反射層3を覆っている。また、図2に示すよう
に、基板1’上に記録層2’が形成されており、その上
に密着して反射層3’が設けられており、さらにその上
に接着層4’を介して基板5’が貼り合わさっている。
なお、基板1’と記録層2’の間、記録層2’と反射層
3’の間、反射層3’と接着層4’の間、貼り合わせ用
基板5’と接着層4’の間に他の層が存在していてもよ
い。
【0013】基板の材質としては、基本的には記録光及
び再生光の波長で透明であればよい。例えば、アクリル
樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、
エポキシ樹脂等の有機高分子材料やガラス等の無機材料
が利用される。これらの中で基板の機械強度、案内溝や
再生専用信号などの付与のしやすさ、経済性の点からア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹
脂の射出成形基板が好ましく、特にポリカーボネート樹
脂基板がより好ましい。
【0014】これらの透明基板の形状は板状でもフィル
ム状でもよく、また円形やカード状でもよい。これらの
基板表面には、記録位置を表す案内溝やピットを有して
いてもよい。このような案内溝やピットは、基板の成形
時に付与するのが好ましいが、基板の上に、熱硬化性樹
脂または紫外線硬化樹脂層を設けて付与することもでき
る。通常CDとして用いる場合は、厚さ1.2mm程
度、直径80ないし120mm程度の円盤状であり、中
央に直径15mm程度の穴が開いている。
【0015】記録層としては、主としてレーザー波長域
に適度な吸収を有し、光・熱変換を伴い一定以上のエネ
ルギーを持つレーザー光の照射で物理的/化学的変形・
変質・分解を伴うような物質であり、本発明では有機色
素、特に、アゾ色素とフタロシアニン系色素が混合され
ているものから成る。
【0016】本発明において記録層に含有させる主な有
機色素としては、λmax が580nm付近に存在し、6
20〜690nmでの屈折率が大きく、吸光度が小さい
ものである。具体的には、成膜の容易さや耐久性の点か
らアゾ色素が好ましい。さらに、記録特性の点から下記
一般式(1)で表されるアゾ色素の金属錯体が最も好ま
しい。なお、記録層は、複数の色素を含有していてもよ
い。
【0017】具体的には、前記式(1)で表されるアゾ
色素において、複素環Aの例としては、例えば、チアゾ
ール環、ベンゾチアゾール環、ピリドベンゾチアゾール
環、ベンゾピリドチアゾール環、ピリドチアゾール環、
ピリジン環、キノリン環、チアジアゾール環、イミダゾ
ール環等が挙げられる。好ましくは、ピリジン環又はチ
アジアゾール環である。
【0018】これらの複素環は、一つ以上の置換基を有
することが好ましく、置換基の具体例としては、アルキ
ル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ
基、ハロゲン化アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
キルチオ基、ハロゲン化アルキルチオ基、アリールチオ
基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、エステル基、カルバモイル基、アシル基、アシルア
ミノ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、アミノ
基、ヒドロキシル基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ
基、ビニル基等が挙げられ、これらの置換基は更に置換
基を有していても良い。複素環上の置換基の中で好まし
い置換基は、置換基を有していても良い炭素数1〜15
のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜1
5のフロロアルキル基、置換基を有していても良い炭素
数1〜25のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、
ニトロ基、置換基を有していても良い炭素数1〜15の
アルキルチオ基、置換基を有していても良い炭素数1〜
15のフロロアルキルチオ基、置換基を有していても良
い炭素数1〜15のアルキルスルファモイル基、置換基
を有していても良い炭素数6〜20のフェニルスルファ
モイル基、置換基を有していても良いフェニルアゾ基、
置換基を有していても良いピリジノアゾ基、炭素数2〜
16のエステル基、炭素数2〜16のカルバモイル基、
炭素数2〜16のアシル基、炭素数2〜15のアシルア
ミノ基、炭素数1〜15のスルホンアミド基、−NR5
6 (R5 及びR6 はそれぞれ独立に水素原子、置換基
を有していても良い炭素数1〜15のアルキル基、又は
置換基を有していても良いフェニル基を表し、R5 及び
6 は連結して5員環又は6員環を形成していても良
い)、ヒドロキシル基、−CR7 =C(CN)R8 (R
7 は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R
8 はシアノ基又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル
基を表す)等が挙げられる。なお、上記全てのアルキル
基部位はスルホン化、ニトロ化、シアノ化、ハロゲン
化、アセチル化、又はヒドロキシル化されていても良
い。
【0019】前記式(1)の2つの炭素原子を含む芳香
環Bの例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリド
ン環、ピリジン環、ピラゾール環等が挙げられる。好ま
しくはベンゼン環であり、少なくとも一つの電子供与性
基で置換されているものが特に好ましい。かかる置換基
としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリー
ル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン化アルキルチオ
基、アリールチオ基、アラルキル基、ハロゲン原子、シ
アノ基、ニトロ基、エステル基、カルバモイル基、アシ
ル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、スルホンア
ミド基、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニルアゾ基、
ピリジノアゾ基、ビニル基等が挙げられ、これらの置換
基は更に置換基を有していても良い。芳香環上の置換基
の中で好ましい置換基は、置換基を有していても良い炭
素数1〜15のアルキル基、置換基を有していても良い
炭素数1〜15のフロロアルキル基、置換基を有してい
ても良い炭素数1〜25のアルコキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していても良い炭
素数1〜15のアルキルチオ基、置換基を有していても
良い炭素数1〜15のフロロアルキルチオ基、置換基を
有していても良い炭素数1〜15のアルキルスルファモ
イル基、置換基を有していても良い炭素数6〜20のフ
ェニルスルファモイル基、置換基を有していても良いフ
ェニルアゾ基、置換基を有していても良いピリジノアゾ
基、炭素数2〜16のエステル基、炭素数2〜16のカ
ルバモイル基、炭素数2〜16のアシル基、炭素数1〜
15のアシルアミノ基、炭素数1〜15のスルホンアミ
ド基、−NR5 6 (R5 及びR6 は前記と同じ)、ヒ
ドロキシル基、−CR7 =C(CN)R8 (R7 及びR
8 は前記と同じ)等が挙げられる。特に好ましい電子供
与性基としては、置換基を有していても良い炭素数1〜
8のモノアルキルアミノ基、置換基を有していても良い
炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、置換基を有してい
ても良い炭素数1〜8のアルコキシ基、置換基を有して
いても良い炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有して
いても良い炭素数6〜12のアリールオキシ基、置換基
を有していても良い炭素数7〜12のアラルキル基、カ
ルバモイル基、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられ
る。なお、上記全てのアルキル基部位はスルホン化、ニ
トロ化、シアノ化、ハロゲン化、アセチル化、又はヒド
ロキシル化されていても良い。
【0020】前記式(1)のXとしては活性水素を有す
る基であれば特に制限はないが、好ましいものとして
は、−OH、−COOH、−B(OH)2 、−NHSO
2 9(R9 は水素原子、置換基を有していても良い炭
素数1〜25のアルキル基又は置換基を有していても良
いフェニル基を表す)、−CONH2 、−SO2
2、−NH2 等が挙げられ、特に好ましいものとして
は、−OH、−COOH、−NHSO2 9 (R9 は前
記と同じ)が挙げられる。なお、Xが−OH、−COO
H等のように陰イオンに解離しうる基である場合には、
アゾ金属錯体化合物の形成に際してはこのままの形で用
いてもよいが、陽イオンとの塩の形で用いても良い。か
かる陽イオンとしては、Na+ 、Li+ 、K+ 等の無機
系の陽イオンやP+ (C6 5 4 、N+ (C2 5
4 、N+ (C4 9 4 、C6 5 +(CH3 3
の有機系陽イオンが挙げられる。
【0021】本発明においては、前記アゾ色素は金属の
錯体として用いられる。アゾ色素と錯体を形成する能力
を有する金属としては、例えば、Ni、Co、Fe、R
u、Rh、Pd、Cu、Zn、Mn、Os、Ir、Pt
等の遷移金属が好ましく、特に、Ni、Co、Cu、P
d、Mn、Znが好ましい。これらは製造時に酢酸塩、
ハロゲン化物、BF4 - 塩等の形で用いられ、Ni2+
Co2+、Co3+、Cu2+、Pd2+、Mn2+、Zn2+等と
してアゾ色素に配位した錯体として得られる。このアゾ
金属錯体化合物は、単独でも複数の化合物を混合しても
良い。
【0022】本発明に用いられるアゾ色素の金属錯体
は、例えば古川;Analytica ChimicaActa 140(1982) 28
1-289に記載の方法に準じて合成することができる。本
発明に用いられるアゾ色素の金属錯体の好ましい具体例
としては、以下のアゾ化合物(化5)とNi2+、C
2+、Co3+、Cu2+、Pd2+、Mn2+、Zn2+等の錯
体が挙げられる。
【0023】
【化5】
【0024】本発明に用いる記録層に含有させるもう一
つの有機色素としては、λmax が680〜850nmに
吸収極大を有するものである。特に耐光性、耐久性の点
からフタロシアニン系色素が好ましい。さらに、変調度
や再生波形の歪、エラーレート、ジッター、デビエーシ
ョン等の記録特性の点からは前記式(2)で示されるフ
タロシアニン色素が最も好ましい。なお複数の色素を含
有していてもよい。
【0025】前記式(2)で表されるフタロシアニン色
素に於けるMの具体例としては、Cu、Pd、Ni、M
g、Zn、Pb、Cd等の2価の金属、VO等の金属酸
化物やAlCl等の金属のハロゲン化物等が挙げられ
る。一方、Z1 〜Z4 は、総炭素数が3〜18の直鎖、
分枝又は環状の無置換又は置換炭化水素基である。具体
的には、置換基を有していてもよい総炭素数3〜18の
直鎖、分枝又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基等が挙げられる。例えば、アルキル基としては、
置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ト
リデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル
基等が挙げられ、アルケニル基としては、ブテニル基、
ヘキセニル基、オクテニル基、ドデセニル基等が挙げら
れ、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル
基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基等が挙げら
れる。これらの炭化水素基はハロゲン、アミノ基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基等で置換されていても良い。ア
ミノ基、アルコキシ基で置換されている場合でも置換基
中の全ての炭素原子数は3〜18個である。さらに、Y
1 〜Y4 に結合していないアルキレン基は、酸素原子に
置き代わっていてもよい。又、X1 〜X4で表されるハ
ロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げら
れる。
【0026】フタロシアニンを構成するベンゼン環に結
合している前記したX1 〜X4 の置換基及びY1 1
4 4 の置換基の置換位置は特に限定するものではな
く、又置換基の種類及び数は一分子中の4つのベンゼン
環で異なっていても良い。
【0027】好ましいフタロシアニン色素の具体例とし
ては、例えば特開平 3-62878号公報、特開平3-141582号
公報、特開平3-215466号公報に記載されているが、特に
好ましいものは前記式(2)で表されるフタロシアニン
色素の中でも下記式(3)(化6)の構造を有するもの
であり、特に好ましい例を表1に示す。なお、色素は複
数混合していてもよい。
【0028】
【化6】 (式中、R1 、R2 は、総炭素数3〜18の直鎖、分枝
又は環状の置換又は未置換のアルコキシ基を表し、酸素
原子に結合していないアルキレン基は酸素原子に置き代
わっていてもよい。R3 、R4 は水素原子又はハロゲン
原子を表す。Mは2個の水素原子、2価の金属、金属の
酸化物またはハロゲン化物を表す。ただし、R1
2 、及びR3 とR4 は入れ替わってもよい。)
【0029】
【表1】
【0030】なお、上記アゾ色素に対するフタロシアニ
ン色素の混合割合はモル比で99:1〜75:25であ
り、この割合で特定のフタロシアニンを混合することに
より記録時の記録層の分解が適当な温度のしきい値をも
ってシャープになり、細かく小さなピットが正確に感度
良く形成可能となる。ただし、フタロシアニンの添加量
があまり少なすぎる場合にはその効果が現れないため、
好ましい混合割合はモル比で95:5〜75:25であ
る。アゾ色素に対するフタロシアニン色素の混合割合が
モル比で75:25より多くなると、620〜690n
mでの反射率が低下して好ましくない。
【0031】なお、記録層に必要に応じて、樹脂やレベ
リング剤、クエンチャー、色素熱分解促進剤、紫外線吸
収剤、接着剤等の添加剤を混合あるいは置換基として導
入することも可能である。樹脂、レベリング剤の例とし
ては、ニトロセルロース、エチルセルロース、アクリル
樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ
る。
【0032】クエンチャーとしては、アセチルアセトナ
ート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジ
チオール系などのビスジチオール系、チオカテコール
系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレ
ート系等の金属錯体が好ましい。またアミン系も好適で
ある。
【0033】クエンチャーの詳細については、特開昭59
-24692号公報、同59-55794号公報、同59-55795号公報、
同59-81194号公報、同59-83695号公報、同60-18387号公
報、同60-19586号公報、同60-19587号公報、同60-35054
号公報、同60-36190号公報、同60-36191号公報、同60-4
4554号公報、同60-44555号公報、同60-44389号公報、同
60-44390号公報、同60-47069号公報、同60-20991号公
報、同60-71294号公報、同60-54892号公報、同60-71295
号公報、同60-71296号公報、同60-73891号公報、同60-7
3892号公報、同60-73893号公報、同60-83892号公報、同
60-85449号公報、同60-92893号公報、同60-159087 号公
報、同60-162691 号公報、同60-203488 号公報、同60-2
01988 号公報、同60-234886 号公報、同60-234892 号公
報、同61-16894号公報、同61-11292号公報、同61-11294
号公報、同61-16891号公報、同61-8384 号公報、同61-1
4988号公報、同61-163243 号公報、同61-210539 号公
報、同62-30088号公報、同62-32132号公報、同62-31792
号公報、および「機能性色素の化学」(シーエムシー
刊、昭和56年,P74) 等に記載されている。
【0034】色素熱分解促進剤としては、色素熱分解の
促進が熱減量分析(TG 分析) により確認できるものであ
れば特に限定されず、例えば、金属系アンチノッキング
剤、メタロセン化合物、アセチルアセトナト系金属錯体
等の金属化合物が挙げられる。
【0035】上述した各種のクエンチャー及び色素熱分
解促進剤は、必要に応じて多種類の混合やバインダー等
の添加物質を加えてもよい。
【0036】この記録層中の色素の含有量は、30%以
上、好ましくは60%以上である。また、用いられる本
発明の有機色素は、前記式(1)および前記式(2)に
おいて、おのおの2種以上を混合してもよい。
【0037】一般に、有機色素は、波長λに対し、屈折
率nと消衰係数kとが大きく変化する特徴がある。この
特徴を利用して、異なる光学定数を持つ複数の有機色素
や添加剤を適当な割合で混合することにより、記録再生
特性に最適な屈折率nと消衰係数kとを設定できるので
ある。
【0038】本発明者らの検討によれば、本発明にかか
る記録層の最適な光学定数(屈折率n、消衰係数k)
は、記録再生レーザー光の波長において屈折率nが1.
9から2.7、消衰係数kが0.04から0.25であ
り、屈折率が1.9より小さければ、DVD規格を満足
する反射率と変調度が得られない。また、記録再生レー
ザー波長において、消衰係数が0.25を越えると反射
率が極端に低下し、信号の読みとりが困難になる。消衰
係数が0.04未満だとレーザー光に対する感度が低す
ぎるため記録することができない。
【0039】本発明の光記録媒体を620〜690nm
から選択されるレーザー光で再生する場合、基本的に
は、反射率は少なくとも30%以上であれば一応可能で
あるが、再生専用の媒体との互換性を考慮すれば、反射
率は45%以上が好ましい。
【0040】記録層の作製法には、スピンコート法やキ
ャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法および真
空蒸着法等があり特に限定はされない。しかしながら、
本発明では、色素選択、媒体設計、製造上の自由度や容
易さがより拡大する点で塗布法が好ましい。塗布法にお
ける溶媒は、色素を溶解または分散させやすいもので、
且つ基板にダメージを与えないものでなくてはならな
い。例えば、アルコール系溶媒(メタノール、エタノー
ル、プロパノール等)、ハロゲン化アルコール系溶媒
(2,2,3,3-テトラフルオロ-1- プロパノール、ヘキサフ
ルオロイソプロパノール等) 、炭化水素系溶媒(ヘキサ
ン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオ
クタン、ジメチルシクロヘキサン、オクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素系溶
媒(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭化水素、
テトラクロロエチレン、ジクロロジフルオロエタン
等)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ
オキサン等)、セロソルブ系溶媒(メチルセルソルブ、
エチルセルソルブ等)、ケトン系溶媒(アセトン,シク
ロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶
媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)などが1種あるいは複
数混合して用いられる。
【0041】本発明においては、記録層の平均膜厚は、
60〜170nmの範囲が好ましい。膜厚を60nmよ
り薄くすると、金属膜である反射層に熱拡散率が大きく
なり記録できないかまた記録信号に歪が発生する上、さ
らに信号振幅が小さくなる。また、膜厚が170nmを
越えると反射率が低下し再生信号特性が悪化する。
【0042】なお、記録層を中間層を介して2層に積層
することも可能であり、反射率のエンハンス効果を得る
ためおよび記録特性改良のために記録層と反射層の間に
中間層として無機誘電体層、色素層などを多層形成させ
ることもある。
【0043】反射層の材料としては、再生光の波長で反
射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、C
u、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を単
独あるいは合金にして用いることが可能である。このな
かでもAu、Ag、Alは反射率が高く反射層の材料と
して適している。これ以外でも下記のものを含んでいて
もよい。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、
W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、C
d、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属を挙げることができる。
ここで主成分というのは含有率が50%以上のものをい
う。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交
互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いるこ
とも可能である。
【0044】反射層の作製方法としては、例えば、スパ
ッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法等が挙げられ、通常30〜200nmの膜厚で成膜
する。好ましくは50〜150nmである。また、反射
率を高めるためや密着性をよくするために光吸収層と反
射層の間にそれぞれ反射増幅層や接着層を設けることも
できる。
【0045】本発明においては、反射層を保護するため
に反射層の上にさらに公知技術により定法たる保護層を
設けたり、2枚の媒体を貼り合わせてもよい。保護層の
材料としては反射層を外力から保護するものであれば特
に限定しない。有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができ、こ
のなかでも、紫外線硬化性樹脂が好ましい。また、無機
物質としては、SiO2 、SiO、SnO2 、Si3
4 、MgF2 、AlN等が挙げられる。熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂などを用いる場合は、適当な溶剤に溶解し
て塗布液を反射層上に塗布し、乾燥することによって保
護層を形成することができる。紫外線硬化性樹脂の場合
は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
製した後にこの塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化
させることによって保護層を形成することができる。紫
外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート
などのアクリレート樹脂またはエポキシ樹脂を用いるこ
とができる。またシリコーン系ハードコート樹脂を用い
てもよい。これらの材料は単独であるいは混合して用い
てもよいし、1層だけでなく多層膜にして用いてもいっ
こうに差し支えない。
【0046】保護層の形成の方法としては、記録層と同
様にスピンコート法やキャスト法などの塗布法、スパッ
タ法、化学蒸着法等が用いられるが、このなかでもスピ
ンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、一般には0.
1〜100μmの範囲にあるが、本発明においては3〜
30μmの膜厚が好ましい。
【0047】本発明の光記録媒体は保護層の上に更にレ
ーベル等の印刷などを行うこともできる。
【0048】また、基板鏡面側に、表面保護やゴミ等の
付着防止のために紫外線硬化樹脂、無機系薄膜を成膜し
てもよい。
【0049】本発明の光記録媒体は基板を通してレーザ
ー光を照射して信号の記録・再生を行うが、使用レーザ
ー光は通常620〜690nmに発振波長を有する半導
体レーザーが好ましい。
【0050】本発明の光記録媒体に情報を記録する方法
として、例えば光記録媒体を一定速度(好ましくは1〜
15m/s)において回転させながら、透明基板側から
該案内溝の低部にレーザー光を照射して案内溝上にある
光吸収層に再生用のピットを形成して信号を記録するこ
とにより行う。信号としては、例えば、EFM信号を記
録する方式が本発明の効果を得る上で好ましい。
【0051】本発明の光記録媒体は、例えば、例えば6
20〜690nmから選択される発振波長の赤色半導体
レーザーを用いて、線速と光吸収層の記録感度に合わせ
て適当なレーザーパワーで記録することができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものでは
ない。 (実施例1)厚さ1.2mm、直径120mmのスパイ
ラル状のグルーブ(深さ140nm、ピッチ0.74μ
m)を有する射出成形ポリカーボネート基板のグルーブ
を有する面に、前記したアゾ化合物(A1)のNi錯体
とフタロシアニン化合物(B1)をモル比92:8の割
合の配合物の2.0重量%の2,2,3,3-テトラフルオロ-1
- プロパノール溶液を滴下し、この樹脂基板を回転し、
基板上に実質的に色素のみからなる記録層を成膜した。
なお、波長639nmにおける記録層の屈折率は2.
4、消衰係数は0.10であった。
【0053】次に、この記録層の上にバルザース社製ス
パッタ装置(CDI−900)を用いてAuをスパッタ
し、厚さ80nmの反射層を形成した。スパッタガスに
は、アルゴンガスを用いた。スパッタ条件は、スパッタ
パワー2.5kW、スパッタガス圧1.0×10-2To
rrで行った。さらに反射層の上に紫外線硬化樹脂SD
−17(大日本インキ化学工業製)をスピンコートした
後、紫外線照射して厚さ6μmの保護層を形成した。
【0054】この光記録媒体をターンテーブルに乗せ、
3.7m/sの線速で回転させながら、639nmの発振
波長を有する半導体レーザーとNAが0.6の対物レン
ズからなる光ヘッドを搭載したパルステック工業製光デ
ィスク評価装置(DDU−1000)及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、レーザービームを基
板を通してグルーブ上の記録層に集束するように制御し
ながら、記録レーザーパワーを変化させながら最短ピッ
ト長が0.40μmのEFM変調信号を記録した後、同
じ装置を用いてレーザー出力を0.5mWにして記録し
た信号の読み出しを行った。尚、読み出す際はイコライ
ゼーション処理を施した。記録パワーが8.5mWのレ
ーザー出力の時が最もエラーレートが小さく(最適記録
パワー)、エラーレートは3×10-4、又その際のジッタ
ーは、チャネルビットクロックの8.2%であり、未記
録部の反射率は51%と良好な記録、再生ができた。
又、再生波形には殆ど歪は観測されなかった。
【0055】(実施例2)厚さ0.6mm、直径120
mmのスパイラル状のグルーブ(深さ140nm、ピッ
チ0.74μm)を有する射出成形ポリカーボネート基
板のグルーブを有する面に、前記したアゾ化合物(A
3)のNi錯体とフタロシアニン化合物(B2)をモル
比90:10の割合の配合物の2.0重量%の2,2,3,3-
テトラフルオロ-1- プロパノール溶液を滴下し、この樹
脂基板を回転し、基板上に実質的に色素のみからなる記
録層を成膜した。なお、波長639nmにおける記録層
の屈折率は2.3、消衰係数は0.11であった。
【0056】次に、この記録層の上に実施例1と同様に
Au反射層をスパッタにより成膜した後、この反射層の
上に紫外線硬化接着剤SD−301(大日本インキ化学
工業製)を塗布した。この接着剤の上に前記したのと同
じ0.6mmの基板を重ね合わせ、高速で回転し余分な
接着剤を除去した後、紫外線を照射して貼り合わせた光
記録媒体を製作した。
【0057】この光記録媒体を実施例1と同様に評価し
たところ、最適記録パワーは8.3mW、エラーレート
は4×10-4、ジッターは8.0%、未記録部の反射率は
51%と良好な記録、再生ができた。又、再生波形には
殆ど歪は観測されなかった。
【0058】(実施例3〜14)前記したアゾ化合物
(A2〜A13)の金属錯体とフタロシアニン化合物
(B3〜B15)を表2に示す組み合わせ、混合割合で
用いる以外は実施例2に準じて媒体を作製し、評価し
た。これらの媒体の639nmでの記録・再生評価結果
は表3にまとめた。
【0059】全ての媒体はいずれもエラーレート、ジッ
ター、再生波形歪みが小さく、十分な感度、反射率を有
する、極めて良好な記録、再生ができた。
【0060】
【表2】
【0061】(比較例1)実施例2におけるアゾ化合物
の金属錯体のみを使用する以外は実施例2と同様に媒体
を作製し、評価した。なお、記録層の639nmでの屈
折率は2.4、消衰係数は0.08であった。媒体の評
価結果は実施例2に比較して感度、ジッターは悪かっ
た。
【0062】(比較例2)実施例2におけるアゾ化合物
の金属錯体とフタロシアニン化合物をモル比で60:4
0の割合で混合して使用する以外は実施例2と同様に媒
体を作製し、評価した。なお、記録層の639nmでの
屈折率は1.7、消衰係数は0.25であった。媒体の
評価結果は反射率は低く、エラーレート、ジッターは高
く、再生信号は歪んでおり良好な記録特性が得られなか
った。
【0063】(比較例3)実施例2におけるフタロシア
ニン化合物に代わり、下記式に示すペンタメチンシアニ
ン色素(NK2929; 日本感光色素研究所製)(化7)を用
いたこと以外は実施例2と同様に媒体を作製し、評価し
た。なお、記録層の639nmでの屈折率は1.9、消
衰係数は0.40であった。媒体の評価結果は反射率は
低く、エラーレート、ジッターは高く、再生信号は歪ん
でおり良好な記録特性が得られなかった。
【0064】
【化7】
【0065】実施例3〜14及び比較例1〜3の再生信
号特性(最適記録パワー、反射率、ジッター、エラーレ
ート)を表3にまとめて記載する。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】基板上に、直接または他の層を介して設
けられる色素を含有する記録層と、反射層とから少なく
とも成る光記録媒体において、記録層に特定のアゾ化合
物の金属錯体と特定のフタロシアニン化合物を特定の割
合で混合したものを用いることにより、620〜690
nmの赤色レーザーで良好な記録特性を有した高密度記
録が可能な光記録媒体が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の層構成の一例を示す構造
断面図
【図2】本発明の光記録媒体の層構成の一例を示す構造
断面図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層 1’ 基板 2’ 記録層 3’ 反射層 4’ 接着層 5’ 基板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09B 47/04 C09B 56/02 56/02 C07D 285/12 E (72)発明者 三沢 伝美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルーブを有する透明な基板上に、少な
    くとも、色素を含有する記録層と、反射層とを有し、波
    長620〜690nmのレーザー光で記録および再生が
    可能な光記録媒体において、該記録層が少なくとも下記
    式(1)(化1)で表されるアゾ化合物の金属錯体
    (a)と、下記式(2)(化2)で表されるフタロシア
    ニン色素(b)を含有し、aとbの混合割合はモル比で
    99:1〜75:25であることを特徴とする光記録媒
    体。 【化1】 (式中、環Aは窒素原子及び炭素原子を含む複素環を表
    し、環Bは2つの炭素原子を含む芳香環を表す。また、
    Xは活性水素を有する基を表す。) 【化2】 (式中、X1 〜X4 はハロゲン原子を、Y1 〜Y4 は酸
    素原子又は硫黄原子を、Z1 〜Z4 は総炭素数3〜18
    の無置換又は置換基を有する炭化水素基を表し、l1
    4 は1または2、m1 〜m4 は0〜3の整数を表し、
    Mは2個の水素原子、2価の金属、金属の酸化物または
    ハロゲン化物を表す。)
  2. 【請求項2】 波長620〜690nmから選択される
    レーザー波長での記録層の屈折率nが1.9〜2.7、
    消衰係数kが0.04〜0.25であることを特徴とす
    る請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明な基板上に記録層、反射層、直接ま
    たは他の層を介して接着層、直接または他の層を介して
    基板を順次積層してなる構造を有することを特徴とする
    請求項1または2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層側の基板を通して測定した波長6
    20〜690nmから選択されるレーザー光に対する反
    射率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の光記録媒体。
JP9219769A 1997-08-01 1997-08-01 光記録媒体 Pending JPH1148612A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9219769A JPH1148612A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9219769A JPH1148612A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1148612A true JPH1148612A (ja) 1999-02-23

Family

ID=16740725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9219769A Pending JPH1148612A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1148612A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006015412A1 (en) * 2004-08-09 2006-02-16 Silverbrook Research Pty Ltd Cyanine dye having multifunctional peripheral groups
CN1304486C (zh) * 2002-02-15 2007-03-14 三井化学株式会社 酞菁化合物,制备该酞菁化合物的方法以及含有该酞菁化合物的光记录介质
US7449279B2 (en) 2001-10-25 2008-11-11 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium
US7504197B2 (en) * 2002-12-27 2009-03-17 Fujifilm Corporation Optical information recording medium
US8927082B2 (en) 2006-02-21 2015-01-06 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium and method for manufacturing the same
KR20210143831A (ko) 2019-04-26 2021-11-29 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 광학 재료, 광학 재료용 중합성 조성물, 플라스틱 렌즈, 아이웨어, 적외선 센서 및 적외선 카메라
KR20210144775A (ko) 2019-04-26 2021-11-30 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 광학 재료, 광학 재료용 중합성 조성물, 플라스틱 렌즈, 아이웨어, 적외선 센서 및 적외선 카메라

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7449279B2 (en) 2001-10-25 2008-11-11 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium
CN1304486C (zh) * 2002-02-15 2007-03-14 三井化学株式会社 酞菁化合物,制备该酞菁化合物的方法以及含有该酞菁化合物的光记录介质
US7504197B2 (en) * 2002-12-27 2009-03-17 Fujifilm Corporation Optical information recording medium
US7537881B2 (en) 2002-12-27 2009-05-26 Fujifilm Corporation Optical information recording medium
WO2006015412A1 (en) * 2004-08-09 2006-02-16 Silverbrook Research Pty Ltd Cyanine dye having multifunctional peripheral groups
US7153956B2 (en) 2004-08-09 2006-12-26 Silverbrook Research Pty Ltd Cyanine dye having multifunctional peripheral groups
US8927082B2 (en) 2006-02-21 2015-01-06 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium and method for manufacturing the same
KR20210143831A (ko) 2019-04-26 2021-11-29 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 광학 재료, 광학 재료용 중합성 조성물, 플라스틱 렌즈, 아이웨어, 적외선 센서 및 적외선 카메라
KR20210144775A (ko) 2019-04-26 2021-11-30 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 광학 재료, 광학 재료용 중합성 조성물, 플라스틱 렌즈, 아이웨어, 적외선 센서 및 적외선 카메라

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070122747A1 (en) Optical information recording method and optical information recording medium
JP3902523B2 (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2007030505A (ja) 光情報記録媒体
JPH1058828A (ja) 光記録媒体
JP3617802B2 (ja) 光情報記録媒体及び情報記録方法
JPH1148612A (ja) 光記録媒体
JP4284025B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2005007632A (ja) 光情報記録媒体
JP2004050612A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2004174838A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2009066893A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2007313882A (ja) 光情報記録媒体、情報記録方法及び化合物
JP4044251B2 (ja) 光情報記録媒体及び情報記録方法
US6800347B2 (en) Optical information recording medium
JP4284036B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2009066895A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2002298415A (ja) 光記録媒体およびその記録方法
JPH0954980A (ja) 光記録媒体
KR20080020984A (ko) 광정보 기록 매체 및 정보 기록 방법
JP2006181908A (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録方法
JP4160998B2 (ja) 光情報記録再生方法
JP2006123558A (ja) 情報記録方法および光情報記録媒体
JP2004090564A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2006147131A (ja) 光情報記録媒体
JP2003246141A (ja) 光情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051108