JPH1146684A - えのき茸を用いた乳酸菌飲料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有用なえのき茸を、飲み口の良い、栄養豊富
な乳酸飲料とする。 【解決手段】 えのき茸の微細物と乳類、甘味料の混合
物に対して乳酸菌を加えて発酵させてなるえのき茸を用
いた乳酸菌飲料である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、制がん作用、その
他薬理作用があるとされ、栄養上からもカリウム等を多
く含み、繊維質からなるえのき茸を用いた乳酸菌飲料に
関する。

【０００２】

【従来の技術】えのき茸を飲料に加工する試みが、従来
よりなされている。えのき茸を飲料に加工する方法とし
ては、菌糸体の状態のときに抽出してその抽出液を乳酸
菌飲料工程中又は製造工程終了後の製品へ添加する方法
(例えば特開昭51-57858号)、或いはコロイド粒子大に細
砕したえのき茸及びその有効成分を乳飲料の製造工程中
又は製品乳飲料に対して添加する方法(例えば特開昭62-
122554号)、茸類を煮た後に抽出した。抽出液を牛乳に
混合する方法(例えば特開平4-30745号)などがある。ま
た、本発明が対象とする飲料ではないが、日干しされた
菌糸体を抽出して得た抽出液に全脂豆乳、脱脂粉乳を加
え、乳酸菌を作用させて複合ヨーグルト食品とする例が
提案されている(例えば特開平8-51927号)。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】菌糸体に比べて子実体
であるえのき茸には、菌糸体にはない多くの栄養素が含
まれているといわれている。表１にえのき茸に含まれる
各種栄養成分の含有量を示す。蛋白質、糖質、繊維、カ
リウム、燐、その他ビタミンＢ₁,Ｂ₂などが豊富に含ま
れている。菌糸体に比べて栄養分の多い、この有用なえ
のき茸を、飲み口の良い、栄養豊富な乳酸飲料とするこ
とを検討した。また、えのき茸の生産現場では製品とし
て出荷できない不良品が生じることがあるが、この不良
品の有効利用についても同時に検討した。

【０００４】

【表１】

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、えのき茸の微
細物と乳類、甘味料の混合物に対して乳酸菌を加えて発
酵させてなるえのき茸を用いた乳酸菌飲料である。えの
き茸の微細物は、えのき茸をミキサーその他の装置によ
って、水の存在下に咽喉越しが良好な程度に微細にした
ものである。えのき茸の添加量の範囲は水１リットル当
り50〜200ｇ、好ましくは100〜150ｇである。50ｇより
少ないと飲料価値がなく、200ｇより多いとえのき茸の
後味と臭気が残り好ましくない。乳類には粉乳、生乳、
生クリーム等、乳酸菌による乳酸発酵が可能なものの中
から調製の容易さ、価格、美味さ等を勘案して用いるこ
とができる。甘味料としては蔗糖、乳糖、麦芽糖、ブド
ウ糖、蜂蜜など一般的に用いられている甘味料の他に、
最近用いられ始めている低カロリー甘味量などを用いる
ことができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下実施例に基づいて本発明を説
明する。表２に実施例１〜６を示すように、えのき茸50
〜200ｇに水1000ccを加えてミキサー中で30秒間回転
し、微細な状態とした。この液を濾過(ガーゼ一重によ
る濾過の後、ガーゼ二重による濾過の計２回)して、え
のき茸微細物含有液を作成した。この液に、乳類、甘味
量を加えて良く撹拌した後、加熱して２回沸騰させた。
これに香料を加え、次いで、ケフィア菌(乳酸菌、市販
品)を植菌し、12時間発酵させて、固まる直前に冷蔵庫
へ移して発酵を停止させた。同時に比較例として、えの
き茸の添加量が50g未満のものと、200ｇを越えるものに
ついて行った。

【０００７】実施例で得たえのき茸を用いた乳酸菌飲料
を試飲したところ、表２に示すように、美味で、飲み口
が良く、栄養価に富むものであることが明らかとなっ
た。

【０００８】比較例に示すものは、えのき茸の添加が50
ｇ／リットルに満たないものでは薄味であるし、栄養価
も低いものとなっている。また、200ｇをこえると、咽
喉越しが悪くなり、臭いが口に残る。それらの結果を表
２中に示す。

【０００９】

【表２】

【００１０】

【発明の効果】本発明によりえのき茸を用いた新規な乳
酸菌飲料を提供できることとなった。また、えのき茸製
品としては市場に出荷できない不良品の有効利用の道が
開かれることとなった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 えのき茸の微細物と乳類、甘味料の混合
   物に対して乳酸菌を加えて発酵させてなるえのき茸を用
   いた乳酸菌飲料。