JPH1146678A - 柑橘類の保存方法と保存用フィルム - Google Patents
柑橘類の保存方法と保存用フィルムInfo
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- JPH1146678A JPH1146678A JP21031897A JP21031897A JPH1146678A JP H1146678 A JPH1146678 A JP H1146678A JP 21031897 A JP21031897 A JP 21031897A JP 21031897 A JP21031897 A JP 21031897A JP H1146678 A JPH1146678 A JP H1146678A
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- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Abstract
し、その後常温に戻して保管しても、包装内の湿度を均
一的に維持でき、包装の水蒸気の透過性を保てるように
個包装することにより、浮皮もなく、乾燥による重量減
少も抑えて、高品質の柑橘類を供給できるようにした。 【解決手段】 ポリエチレン13wt%、パラフィンワ
ックス55wt%、ポリイソブチレン32wt%からな
る100μ厚のフィルムを用い、これを面積比6倍程度
に延伸しつつ、柑橘類に略々密着するように個別に巻回
して包装することにより、これを冷蔵保存した後、その
まま常温保管状態に戻して販売できるようにした。
Description
収穫される柑橘類を鮮度を落とさずに長期保存し、柑橘
類の端境期である初夏に高品質の柑橘類を供給する等に
好適な柑橘類の保存方法と保存用フィルムに関する。
在するために長期間の貯蔵が非常に難しい果物として認
識され、それを克服すべく様々な貯蔵法が試されてき
た。従来の柑橘類の保存方法としては、第一の方法とし
て風通しの良い倉庫に保管し外部の冷気を取り入れて保
管する方法、第二の方法として5℃〜15℃の温度で8
5〜95%の湿度を柑橘の種類に合わせてコントロール
した冷蔵保管庫に保管する方法、第三の方法として保管
する際にポリエチレンフィルムで個包装(個別に包装)
し、低温、高湿度の保管倉庫に貯蔵する等々の貯蔵方法
が取られていた。
方法では費用はかからないものの柑橘類が乾燥し果実の
重量減少を来たし、結果的に鮮度が著しく低下するた
め、温州ミカンでは1〜2カ月、晩柑類では3カ月以下
の短期保存にしか応用できなかった。しかも表皮が皺が
れて見栄えも悪く、味も落ちるため良い貯蔵法とは言え
なかった。第二の方法では冷蔵保管庫に入れる前に十分
な予惜(乾燥した雰囲気に一定期間置き、蜜柑の重量の
数%を減量させておき表皮部の活動を抑える処置)後に
蜜柑の種類に合わせて温度と湿度を設定し保管する方法
ではあるが、温度を一定にしても湿度が所定の範囲を越
えると表皮が活動を開始し、果実から養分を取って成長
しいわゆる浮皮が発生し、果実は糖分が減少して味が落
ちる結果となり、湿度が低くなると表皮が乾燥するため
皺がれるため湿度コントロールを厳密にする必要があっ
た。しかも低温であっても一定量の水分は蒸発するた
め、雰囲気湿度を一定にしても、コンテナ内部では湿度
が高くなり表皮が活動を始めるいう問題を解決するには
至っていなかった。
ンフィルムで個包装して低温倉庫で保管する方法が行な
われており、0.02mm厚以下のポリエチレンフィル
ムで個包装して低温倉庫で保管されている。ポリエチレ
ンフィルムで個包装する前に十分な予惜を実施したあ
と、個包装し低温倉庫で貯蔵することにより、個々の蜜
柑は独立した密閉空間を持つことになり外の雰囲気の影
響を受けにくい環境をつくり出し、特に表皮の乾燥を防
ぎ、貯蔵期間を延長して貯蔵することができる。この貯
蔵方法のもう一つの利点は蜜柑同士がフィルムで遮断さ
れ密着していないので、腐敗の伝播が予防できることで
ある。この貯蔵方法によって貯蔵中の表皮乾燥による皺
がれの問題は解決され、貯蔵期間の延長は可能となった
が、新たな問題点が発生している。
ムの個包装は袋を作ってその中に一個単位で挿入するた
め、蜜柑と密着する部分もあるが大部分は蜜柑の表皮と
フィルムとの間にエアーポケット状に空気層ができるこ
とである。これは包装フィルム内では湿度の不均一を招
き、エアポケット部の表皮は水分の蒸発が大きく、密着
部は蒸発が小さいという欠陥が生じる。また、コンテナ
で貯蔵する際、個包装同士の間隙を蜜柑に密着していな
い部分のフィルムが塞ぐため、風通しが悪くなり、結果
的にコンテナ内部の個包装蜜柑は高湿度となり、表皮の
活動が活発化して、表皮が成長するため果肉の部分から
栄養である糖分や酸味が吸い取られ、味ぼけを起こすこ
ととなり問題であった。第二の問題として、保存期間を
経て出荷する際に、保冷状態から常温状態になると蜜柑
からの水分蒸発が増え、個包装内が高湿度となるため生
命活動が活発になり、表皮の成長が起こりいわゆる味ぼ
けとなる問題があった。そこで保冷状態から常温に戻す
際に、袋から出すか、又は袋の一方を開封する等の対応
策が考えられるが、手間がかかり、保管、輸送又は店頭
において乾燥する弊害が避けられないなどの問題も派生
している。
温倉庫貯蔵に拘わらず表皮の乾燥が避けらず、低温倉庫
の場合は高湿度にすると浮果による味の低下がおこり、
また、腐乱果の伝播による歩留まりの低下が著しいなど
の問題があった。ポリエチレンフィルム等による個包装
をして低温倉庫内での貯蔵の場合、個包装内の湿度のば
らつき及び個包装した蜜柑相互の間の通風、特にコンテ
ナで貯蔵する場合(最も一般的な方法)には内部の湿度
上昇による表皮の生命活動を抑えることができなかっ
た。また、常温に戻したあとの高湿度での浮皮や、開封
した場合の乾燥減量などを防止できなかった。
を一挙に解決する保存方法と保存用フィルムを発明する
に到ったものである。すなわち、表皮乾燥を防ぎみずみ
ずしさを保つ為には個包装が必須であり、個包装の手段
に工夫を加えられないかに着目し、個包装の材料及び包
装方法について検討したところ、個包装手段としては、
個包装を蜜柑の表皮に密着させることにより個包装内の
湿度をできるだけ均一にし、個包装した蜜柑の間は十分
に空間をもたせることによって空気の流通をよくし、コ
ンテナの内部の湿度ができるだけ上がらないようにして
保存する方法が良いことを知得した。また、蜜柑の表皮
に密着させて包装するには、蜜柑が球状であるため困難
さを伴うが、縦横双方向に約3倍以上伸びるフィルム素
材であれば効率的な包装が可能であることを究明した。
この限りでは適宜軟質塩化ビニールフィルム、ポリエチ
レンフィルム等でも上記条件を満足するものであれば、
適用可能である。
特性が要求されることを究明した。この品質特性は水蒸
気の透過性である。低温保存時の水蒸気透過率も重要な
特性であるが、低温の場合は保冷倉庫の湿度の調整が可
能であり、素材の水蒸気透過率に合わせて保冷倉庫の湿
度の調整が可能である。最も大切な要件は、室温又は常
温における水蒸気透過率である。一般的に行なわれてい
るポリエチレンフィルムによる個包装では、所定の保存
期間を経て常温に戻した後、密閉個包装のものでは、蜜
柑からの水分蒸発が多くなり個包装内部の湿度が高くな
って蜜柑表皮の生命活動が活発化し、果実からの栄養分
(糖分、酸味、水分)を取って成長するため、いわゆる
浮皮果となって著しく品質を低下させる問題があった。
この現象を避けるため、水分の蒸発が大きく、果実が減
量し、外観上は光沢も無くなって表皮に皺がより、急速
に品質低下を来たす問題があった。この点を解決する水
蒸気の透過性が求められる。本発明者は上記諸問題を解
決する柑橘類の保存方法と保存用フィルムを提供する。
ィルムであって、環境が冷蔵温度状態から通常の外気温
度状態に温度変化した時に水蒸気透過率が向上する性質
を有するフィルムを用い、このフィルムを延伸しつつ柑
橘類に略々密着状態で巻回して個包装することを特徴と
する柑橘類の保存方法である。上記方法は、15wt%
以内のポリエチレン、70wt%以内のパラフィンワッ
クス、30〜70wt%の合成ゴムを含む組成からなる
0.05〜0.15mm厚のフィルムを用い、面積比約
4倍以上に伸ばしつつ柑橘類に巻回して個包装する方法
とするのが好適である。また、本発明は、15wt%以
内のポリエチレン、70wt%以内のパラフィンワック
ス、30〜70wt%の合成ゴムを含む組成からなる
0.05〜0.15mm厚の柑橘類保存用フィルムも対
象とする。
成ゴムを含む組成からなるフィルムを面積比で数倍、特
に約4倍以上に伸ばして蜜柑にフィルムを略々密着させ
て個包装し、低温貯蔵庫で柑橘の種類に応じた温度、湿
度の管理をし、好ましくは適正低温保管温度と、適正想
定湿度よりも−10〜−40%で管理し、所定期間貯蔵
した後、個包装したまま常温に戻して保管をしたが、浮
皮もなく、乾燥による重量減少も低く抑えることがで
き、非常に良好な結果が得られた。
0.96のものでその製法は問わないが、その比率は1
5%以下が好ましく、それ以上になるとフィルムが伸び
難く本発明の個包装には適さない。合成ゴムとしてはポ
リイソブチレンが好ましく、イソブチレンの単独重合体
ばかりでなく他の共重合性単量体(10wt%以下)と
の共重合体でもよい。パラフィンワックスは、例えば、
イソパラフィンの含有量などで若干性質が異なるが、ポ
リエチレン又はポリイソブチレンを選べばいずれでも使
用できる。合成ゴム、ポリエチレン及びパラフィンワッ
クスからなるフィルムは、縦横双方に均等に伸び、果物
のような球状のものを包み込むために最も適した素材で
あるが、本発明者は更に優れた機能を引き出すことに成
功した。つまり上記フィルムを面積比数倍以上、好まし
くは約4倍以上に伸ばして巻回すことにより、柑橘類の
前記温度、湿度保管を経て市場に出荷し、消費者先で食
される迄の期間、特に夏期において日持ちをよくし、水
蒸気透過率を低下させずに維持し得た。
ラフィンワックス55wt%、ポリイソブチレン(商品
名ネオプレンゴム)32wt%からなる100μ厚のフ
ィルム(本発明の実施品フィルム)での実施例を下記す
る。先ず、本実施品フィルムとポリエチレンフィルムと
を面積比6倍に延伸した状態で、その水蒸気透過係数を
比較すると、 〔実施例1〕 (温度5℃、湿度65%状態下) 本実施品フィルム: 0.05gmm/m2 (24時間) ポリエチレンフィルム: 0.05gmm/m2 (24時間) とほぼ同じ値であり、同一の厚さであれば同じ水蒸気透
過率である。ところが、 (温度23℃、湿度90%状態下) 本実施品フィルム: 3.83gmm/m2 (24時間) 参考(本実施品で未延伸) 0.22gmm/m2 (24時間) ポリエチレンフィルム: 0.5 gmm/m2 (24時間) であり、本実施品フィルムの水蒸気透過率はポリエチレ
ンフィルムに比べて飛躍的に大きいものであった。
貯蔵用包装材として、特に保管期間を経て市場に出荷し
た場合の品質保持に極めて効果的であることが判明し
た。リンゴでは年間保存の技術が確立されているが、柑
橘類については長くて3カ月間迄とされてきたが、本発
明により冷蔵保存の期間を大幅に延長することができ、
従来端境期と言われてきた6月〜8月の夏期について
も、美味な蜜柑類を供給することが可能となり、年間を
通して国産の柑橘類が賞味できる態勢に近づくことがで
き、その意義は非常に大きい。
1月15日に収穫し、冷暗倉庫で2.5カ月予惜を行な
った柑橘類である不知火を用いて貯蔵試験を行った。な
お、予惜による不知火の重量減少は3.5%であった。 ・実施例 : ポリエチレン13wt%、パラフィンワ
ックス55wt%、ポリイソブチレン32wt%組成で
100μ厚のフィルム(本実施品フィルム)を用い、平
均フィルム厚が20μ以下になるように縦横方向に伸ば
して不知火を個別に包装した。 ・比較例1: 20μ厚のポリエチレンフィルムを用い
て不知火を個別に包装した。 ・比較例2:不知火を裸のままで用いた。 なお、保存条件は、温度4〜6℃、湿度55〜65%、
貯蔵期間3カ月間とした。貯蔵3カ月目の状態を表1に
示す。
個包装群とポリエチレンフィルムの個包装群とでは、保
存後の良果率に有為差が認められる程の差はなかった。
又、比較例2の無包装のものは、全て皺萎縮が大きく不
良果であった。
戻して保管する試験例〕上記貯蔵試験例で用いた同じ不
知火について、冷蔵保管3カ月間を終了後、常温に戻し
て保管した環境下での日持ちの状況について試験を行っ
た。 ・実施例 : 上記貯蔵試験例において用いた実施例の
個包装品であって、保管3カ月目における良品のみを選
別し、その中から無作為に試験個数を選択した。 ・比較例1: 同じく上記貯蔵試験例において用いた比
較例1の個包装品であって、保管3カ月目における良品
のみを選別し、その中から無作為に試験個数を選択し
た。 ・比較例2: 上記貯蔵試験例において用いた実施例の
個包装品であって、保管3カ月目における良品のみを選
別し、その中から無作為に試験個数を選択し、この包装
フィルムを慎重に取り除き、無包装状態のものとした。 なお、常温保存環境は、温度15〜29℃、湿度46〜
70%であった。この試験結果を表2に示す。
温にもどして保管した場合、実施例の良果率は、1週間
後で100%、2週間後で80%であったが、比較例1
では1週間後で良果率60%、2週間後では0%であっ
た。比較例2では1週間後で既に良果率0%であり、実
施例(本実施品フィルム包装品)と比較例1(ポリエチ
レンフィルム包装品)との間の有為差は極めて顕著であ
った。一般的に流通に要する日数は5日〜1週間程度と
見られるが、本発明によれば、少なくとも1週間は全く
問題なく品質が保持されるので、良好な保存方法である
ことが明らかである。
Claims (3)
- 【請求項1】 延伸可能なフィルムであって、環境が冷
蔵温度状態から通常の外気温度状態に温度変化した時に
水蒸気透過率が向上する性質を有するフィルムを用い、
このフィルムを延伸しつつ柑橘類に略々密着状態で巻回
して個包装することを特徴とする柑橘類の保存方法。 - 【請求項2】 15wt%以内のポリエチレン、70w
t%以内のパラフィンワックス、30〜70wt%の合
成ゴムを含む組成からなる0.05〜0.15mm厚の
フィルムを用い、面積比約4倍以上に伸ばしつつ柑橘類
に巻回して個包装することを特徴とする柑橘類の保存方
法。 - 【請求項3】 15wt%以内のポリエチレン、70w
t%以内のパラフィンワックス、30〜70wt%の合
成ゴムを含む組成からなる0.05〜0.15mm厚の
柑橘類保存用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21031897A JP3872181B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 柑橘類の保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21031897A JP3872181B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 柑橘類の保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1146678A true JPH1146678A (ja) | 1999-02-23 |
JP3872181B2 JP3872181B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=16587449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21031897A Expired - Lifetime JP3872181B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 柑橘類の保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3872181B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009038976A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 柑橘類入り包装体及び柑橘類の保存方法 |
CN101779551A (zh) * | 2010-03-19 | 2010-07-21 | 李厚明 | 红苕双膜温床越冬保鲜贮藏方法 |
US9296114B2 (en) | 2012-03-02 | 2016-03-29 | Staubli Faverges | Articulated structure of a multiple-axis robot and robot comprising such a structure |
-
1997
- 1997-08-05 JP JP21031897A patent/JP3872181B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009038976A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 柑橘類入り包装体及び柑橘類の保存方法 |
CN101779551A (zh) * | 2010-03-19 | 2010-07-21 | 李厚明 | 红苕双膜温床越冬保鲜贮藏方法 |
US9296114B2 (en) | 2012-03-02 | 2016-03-29 | Staubli Faverges | Articulated structure of a multiple-axis robot and robot comprising such a structure |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3872181B2 (ja) | 2007-01-24 |
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