JPH1145617A - 導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサ - Google Patents
導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサInfo
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- JPH1145617A JPH1145617A JP20165097A JP20165097A JPH1145617A JP H1145617 A JPH1145617 A JP H1145617A JP 20165097 A JP20165097 A JP 20165097A JP 20165097 A JP20165097 A JP 20165097A JP H1145617 A JPH1145617 A JP H1145617A
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Abstract
けるクラックの発生を防止できるとともに、内部電極層
の酸化を防止し、積層セラミックコンデンサにおけるク
ラックやデラミネーションの発生を防止することができ
導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサを提供
する。 【解決手段】卑金属粒子を主成分とする導電性ペースト
であって、前記卑金属粒子の表面をマンガンまたは酸化
マンガンで被覆してなるものである。ここで、卑金属粒
子はNi粒子であることが望ましく、マンガンまたは酸
化マンガンを金属マンガン換算で全金属中0.1〜2.
5重量%含有することが望ましい。
Description
びこの導電性ペーストを用いた積層セラミックコンデン
サに関するものである。
体層と内部電極層とが交互に積層され、各誘電体層が内
部電極層によって各々挟持されるような構造になってい
る。
ーンシートを高温で焼成して焼結させたものからなり、
内部電極層は導電性ペーストを高温で焼成して導電性の
金属薄膜としたものからなる。
化の要求がより厳しくなり、その要求を満足するために
一層当たりのシート厚みを薄くしたり、さらに多層化を
進めたり、また積層セラミックコンデンサにあっては、
より小型、大容量化を実現するために比誘電率の高い誘
電体材料を用いて、更にシート厚みを薄くすること等が
行われている。
分とする内部電極用導電性ペーストによって形成する
と、積層数の増加にともなって電極形成コストが著しく
上昇してしまうため、Ni等の卑金属を主成分とする内
部電極用導電性ペーストが開発され、このペーストによ
って内部電極層が形成された積層セラミックコンデンサ
が実用化されている。
して使用する場合、卑金属類は一般に低い平衡酸素分圧
を有するため、高温にて焼成する際に酸化物が形成さ
れ、導電性が低下するという問題がある。したがって焼
成はNiが酸化されない非酸化性雰囲気で行わなければ
ならず、誘電体材料にも当然耐還元性が要求される。
ックコンデンサは、表面に内部電極層用の導電性ペース
トが塗布されたセラミックグリーンシートを複数枚積層
した未焼結積層体を、焼成コスト低減のため大気中40
0℃以上で脱バインダー処理(以下、脱バイという)
し、内部電極層が酸化されないようなきわめて酸素分圧
の低い窒素雰囲気下や非酸化性雰囲気で焼結一体化する
ことにより作製されていた。
電極層用の導電性ペーストや磁器材料は焼成工程におけ
る熱収縮特性の近いものを選択する必要があり、さもな
くばデラミネーションやクラックが発生しやすい。
れと近づけるため、卑金属表面をPdで被覆したり(特
開平6−96997号)、共材といわれるグリーンシー
トと同種あるいは類似の磁器材料粉末を導電性ペースト
に含有させる手段(特開昭54−140960号、特開
昭57−30308号)等が提案されている。
製造方法においては、焼成段階では内部電極層が酸化し
にくいものの、大気中400℃以上で脱バイしていたた
め、Niが部分的に酸化されて内部電極層が膨張し、脱
バイ時に積層体にデラミネーションやクラックが発生す
るという問題があった。この結果、得られたコンデンサ
にもデラミネーションやクラックが発生するという問題
があった。
め、400℃以下の温度で脱バイすると脱バイを完全に
行うことができないので、炭素として残留し、焼成時に
過焼結を引き起してNiが溶融する。その結果、端面の
Niが外部に吹き出し、容量抜けが発生し、容量が低下
するという問題があった。また、炭素として残留するこ
とにより焼結体中にボイドが生成し、焼結体中にクラッ
クが発生するという問題があった。
脱バイが行われているが、大気中で脱バイする場合に
は、グリーンシートに用いられる有機バインダーおよび
導電性ペーストに用いられる有機バインダーを完全に飛
散除去することが困難であるため、設計通りの容量が得
られなかったり、焼結体中にボイドが生成し、焼結体中
にクラックが発生したり、または内部電極層が酸化膨張
し、積層セラミックコンデンサにデラミネーションやク
ラックが発生するなどの問題が発生していた。
覆した場合では、大気中雰囲気にて400℃以上で脱バ
イする時にはPdが400℃付近から酸化パラジウムと
なり、粒子の核である卑金属粒子を酸化してしまい電気
抵抗が増大したり、積層セラミックコンデンサにデラミ
ネーションやクラックが発生するという問題があった。
一方400℃以下では、上記したように脱バイを完全に
行うことはできなかった。
電ペーストに含有させた場合には、熱収縮率を調整でき
るものの、上記と同様脱バイ温度が400℃以上では卑
金属が酸化されて内部電極層が膨張し、脱バイ時に積層
体にクラックが発生する虞があり、400℃以下では脱
バイを完全に行うことはできなかった。
び焼結体中におけるクラックの発生を防止できるととも
に、内部電極層の酸化を防止し、積層セラミックコンデ
ンサにおけるクラックやデラミネーションの発生を防止
することができる導電性ペーストおよび積層セラミック
コンデンサを提供することを目的とする。
は、卑金属粒子を主成分とする導電性ペーストであっ
て、前記卑金属粒子の表面をマンガンまたは酸化マンガ
ンで被覆してなるものである。ここで、卑金属粒子はN
i粒子であることが望ましい。また、導電ペーストは、
マンガンまたは酸化マンガンが金属マンガン換算で0.
1〜2.5重量%含有することが望ましい。
は、誘電体層と卑金属粒子を主成分とする内部電極層と
を交互に積層してなる積層セラミックコンデンサであっ
て、前記誘電体層と前記内部電極層との界面にMnが偏
析しているものである。
を完全に飛散除去することが困難な大気中400℃以下
の温度で脱バイした場合であっても、卑金属の表面がマ
ンガンあるいはその金属酸化物にて表面が被覆されてい
るため、Mnで被覆されている場合には、Mnが酸化さ
れるよりも有機バインダーの分解生成物である炭素が酸
化され易いため、炭素をCO2 として除去でき、一方、
酸化マンガンで被覆されている場合には、酸化マンガン
の酸素が有機バインダーの炭素に供給され易く、炭素を
CO2 として除去できる。
合でも、Mnおよび酸化マンガンは、上記したように強
い還元作用があるために核である卑金属粒子の酸化が防
止される。
び酸化マンガンが脱バイ後に酸化していたとしても、積
層体の非酸化性雰囲気での焼成において、酸化マンガン
がMnとなり、電気抵抗を小さくできる。
金属酸化物で被覆すると、大気中400℃以下で仮焼し
た場合でも残炭素量を減少させることができ、焼成時の
過焼結を抑制し、容量抜けを防止できるとともに、焼結
体中のボイドの生成を抑制し、クラックの発生を防止で
きる。一方、400℃よりも高温で仮焼した場合には、
卑金属粒子の酸化を抑制できるため、クラックやデラミ
ネーションの発生を防止できる。
トに比べて低い温度で焼結を開始すること、また、収縮
率が大きいこと、球状になる性格が強く、網目状となる
ことなどの問題があったが、卑金属粒子表面をMnある
いは酸化マンガンで被覆することにより、卑金属粒子同
士の接触が少なくなり、卑金属粒子の焼結を遅らせるこ
とができ、上記したような問題を解決できる。
層セラミックコンデンサでは、導電性ペースト中の卑金
属粒子を被覆しているMn及び酸化マンガンが、焼成後
に誘電体層と内部電極層との界面にMnとして偏析し、
上記したように、容量低下およびクラックやデラミネー
ションの発生を防止できる。尚、導電性ペースト中に、
Mnや酸化マンガンを単に添加しただけの場合には、焼
成後にMnが誘電体中に均一に分散しており、コーティ
ングしていないためにNiが仮焼結を引き起こし、上記
したような容量低下、クラックおよびデラミネーション
の発生が起こりやすい。
あるいは酸化マンガンで表面を被覆した卑金属粒子を主
成分とするものであり、例えば、卑金属粒子、有機性添
加物、溶媒等からなる。卑金属としては、Ni、Co、
Cuまたはこれらの合金があり、金属の焼成温度が一般
の誘電体層の焼成温度と一致する点、およびコストが安
いという点からNiが望ましい。このような卑金属粒子
の原料粉末には、Co、Fe、Cl等の不可避不純物が
存在する場合がある。また卑金属粒子の形状は球状、フ
レーク状、突起状あるいは不定形であり、特に限定する
ものでない。
金属酸化物の被覆厚みは10〜100nmが望ましく、
被覆厚みが100nm以上であると粒子同士の凝集が起
こり易く、粒子の分散性が低下したり、卑金属を分散す
るバインダー溶液の使用量が多くなるため、コンデンサ
を作製した後に誘電体層に残存する炭素量が多くなるか
らである。一方、被覆厚みが10nm以下であると、核
である卑金属粒子が酸化する恐れがある。卑金属表面を
Mnで被覆せしめるには、硫酸マンガン溶液、酸性溶液
等で撹拌混合すれば良く、また酸化マンガンで被覆する
には、Mnで被覆後、酸素雰囲気で熱処理すれば良い。
分とし、これに、例えば積層セラミックコンデンサを作
製する際のセラミックグリーンシートとの密着性を向上
させるために、共材として前記セラミックグリーンシー
トと同様の原料粉末を所定量添加しても良い。さらに、
粒子の凝集や分散不良による電極間の短絡の発生を防止
するため、用いる粉末は十分に分散されていることが望
ましい。そのため、有機性添加物として各種樹脂や分散
剤等が種々組み合わされて使用される。
ジン系樹脂、ポリビニール系樹脂、ブチラール系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキッ
ド系樹脂、マレイン酸系樹脂、ポリアマイド系樹脂、石
油系樹脂等があり、該樹脂を単独もしくは複数で用いる
ことができる。粒子の凝集を抑制し分散を向上する樹脂
としては、他の樹脂や溶媒との相溶性という理由から、
セルロース系樹脂が望ましい。
用いられる任意の界面活性剤を用いることができるが、
ペーストの安定化から高分子界面活性剤が望ましい。
るものであれば、特に限定するものでなく、例えば、エ
タノール、カルビトール、トルエン、酢酸エステル、キ
シレン等のアルコール類、炭化水素類、エステル類、エ
ーテルアルコール類、ケトン類、塩化炭化水素類等が使
用できる。
溶液を調製する際、必要に応じて助剤として界面活性
剤、可塑剤、静電気防止剤、消泡剤、酸化防止剤、滑
剤、硬化剤等を適宜用いることができる。
ミックコンデンサを作製する方法について記載する。先
ず、所定の組成からなるセラミックグリーンシートを、
引き上げ法、ドクターブレード法、リバースロールコー
タ法、グラビアコータ法、スクリーン印刷法、グラビア
印刷その他の方法で製造する。グリーンシートの厚み
は、小型、大容量化という理由から0.5〜50μmで
あることが望ましい。
法、押し出し法、グラビア印刷、オフセット印刷法その
他の方法でセラミックグリーンシートに形成され、その
厚みは、小型、高信頼性化という点から2μm以下、特
には1μm以下であることが望ましい。
ーンシートを複数積層し、この積層成形体を大気中30
0〜450℃で脱バイし、非酸化性雰囲気で1100〜
1350℃で2〜3時間焼成することにより得られる。
2μmのNi粉末を硫酸マンガンを含む強酸性溶液に入
れ、pHを3に維持しながら、マンガンイオン濃度をコ
ントロールし、MnでNi表面を被覆した。透過電子顕
微鏡および結晶構造分析により観察した結果、卑金属粒
子の表層部がMnで平均20nm被覆されていることを
確認した。また、MnO2 の被覆膜は、上記したMnを
被覆した後、酸素雰囲気で熱処理を行うことにより得
た。
チルセルロース5.5重量%とα−テルピネオール9
4.5重量%からなるビヒクル55重量%とを3本ロー
ルで混練して導電性ペーストを作製した。
aZrO3 2.0モル%とMnO0.5モル%とから
なる主成分100モル部に対して、Y2 O3 を0.5モ
ル部添加した組成のセラミックスラリーを、ポリエステ
ルより成る帯状のキャリアフィルム上に、ドクターブレ
ード法で成膜し、乾燥させることにより帯状のセラミッ
クグリーンシートを得た。次に、セラミックグリーンシ
ートをキャリアフィルムから剥離し、縦200mm、横
200mmのサイズに打ち抜いた。なお、セラミックグ
リーンシートの厚みを10μmとした。
主面に、スクリーン印刷装置を用いて、上記した導電性
ペーストを印刷した。この塗布膜が形成されたセラミッ
クグリーンシートを複数枚積層した後、所定寸法に切断
し、積層成形体を得た。
℃、400℃及び420℃の温度に加熱し、バインダー
を燃焼させた。このときバインダー除去後の100個の
積層成形体の外観を双眼顕微鏡にて観察しクラックやデ
ラミネーションの有無を調べた。この結果を表1に示
す。
時間焼成し、さらに、窒素雰囲気中にて900℃で再酸
化処理を行い、焼結体を得た。焼成後、得られたセラミ
ック焼結体の各端面にインジウム−ガリウムペーストを
塗布し、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成
した。
ンデンサの外形寸法は、幅1.6mm、長さ3.2m
m、厚さ1.0mmであり、内部電極間に介在する誘電
体層の厚みは8μmであった。また、誘電体層の有効積
層数は50層であり、一層当たりの対向内部電極の面積
は2.1mm2 であった。
を、各試料100個ずつ樹脂で固めて研磨し、倍率40
0倍の金属顕微鏡観察を行い、クラックやデラミネーシ
ョンの有無を検査した。この結果を表2に示す。
について、測定周波数1kHz、印加電圧1Vrmsを
印加し、温度25℃の条件にて静電容量を測定し、その
平均を求め、その結果を表2に記載した。
被覆したNi粉末、表面未処理のNi粉末、表面未処理
で共材を15重量%添加したNi粉末、表面未処理でN
i粉末にMn粉末を添加した粉末を用いて、導電性ペー
ストを作製し、同様な評価を行った。この結果を表1、
2に記載した。
性ペーストを用いると、Niが酸化されるためにクラッ
クやデラミネーションが発生している(No.5、6)。
また、Pd、Agで被覆したNi粉末を用いた導電性ペ
ーストも同様にNiの酸化及び被覆金属の酸化膨張によ
ってクラックやデラミネーションが発生している(No.
3、4)。さらに、Ni粉末にMn粉末を添加した粉末
を用いた導電ペーストもクラックやデラミネーションが
発生していることが判る(No.7)。
00℃前後で脱バイしても、クラックやデラミネーショ
ンは発生しないことが判る。
場合には、クラックやデラミネーションは、表1と同様
の結果が得られることが判る。大気中で400℃で脱バ
イ後に内部電極層のNiの粒径を算出した。その結果、
Mn及び酸化マンガンで被覆したNiが最も粒径が小さ
く、表面処理していないものほど粒成長が進んでいるこ
とから表面処理効果が見られる。
nの分布状態をX線マイクロアナライザー(EPMA)
分析にて求めた。この結果を、図1に記載する。図1に
おいて、符号1は誘電体層、符号2は内部電極層、符号
3はMnを示す。この図から、本発明の試料No.8で
は、Mnが誘電体層と内部電極層との界面に偏析してい
ることが判る。また、試料No.9についても同様であっ
た。さらに、試料No.14についてはMnが拡散してい
た。
量を変化させ、この場合のHALT(highly accelerat
ed life testing )試験(MTTF)を行った。試験条
件は、温度150℃、電圧40Vを印加し、故障が生じ
るまでの時間で評価した。この結果を表3に記載する。
含有していない場合(No.15)に比較して、Mnを含
有している本発明の試料の場合(No.16〜No.18)
には、MTTFは最大約3倍近く長くなった。一方、誘
電体層にMnを添加した場合、MTTFが短いことが判
る。この試料においてMnは、EPMAから誘電体層中
に均一に分布しており、Mnの偏析はみられなかった。
マンガンあるいは酸化マンガンに被覆されている卑金属
を主成分とする導電性ペースト及びそれを用いた積層セ
ラミックコンデンサによれば、脱バイを大気雰囲気中4
00℃で行っても脱バインダー後、焼成後いずれもクラ
ックが発生しない。またMnあるいはその金属酸化物で
卑金属粒子表面を被覆することにより、Niの焼結性を
遅らせることが可能である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】卑金属粒子を主成分とする導電性ペースト
であって、前記卑金属粒子の表面をマンガンまたは酸化
マンガンで被覆してなることを特徴とする導電性ペース
ト。 - 【請求項2】卑金属粒子はNi粒子であることを特徴と
する請求項1記載の導電性ペースト。 - 【請求項3】マンガンまたは酸化マンガンを金属マンガ
ン換算で全金属中0.1〜2.5重量%含有することを
特徴とする請求項1または2記載の導電性ペースト。 - 【請求項4】誘電体層と卑金属粒子を主成分とする内部
電極層とを交互に積層してなる積層セラミックコンデン
サであって、前記誘電体層と前記内部電極層との界面に
Mnが偏析していることを特徴とする積層セラミックコ
ンデンサ。
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JP20165097A JP3561115B2 (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサ |
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