JPH1145025A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH1145025A
JPH1145025A JP21705497A JP21705497A JPH1145025A JP H1145025 A JPH1145025 A JP H1145025A JP 21705497 A JP21705497 A JP 21705497A JP 21705497 A JP21705497 A JP 21705497A JP H1145025 A JPH1145025 A JP H1145025A
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康博 上原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録シート上の未定着トナーを加熱・加圧に
より定着する定着装置において、加熱定着ロールと圧接
されるベルトニップ内で空気や水蒸気の滞留によりトナ
ー像が乱れるのを防止し、透気性の低い記録シートを用
いる場合にも良好な定着画像を得る。 【解決手段】 エンドレスベルト15の内周面と当接す
る圧力ロール12の上流側に圧力付与部材11を配置
し、その圧接面によりエンドレスベルト15を加熱定着
ロール1の表面に沿って押圧する。圧力付与部材11は
曲率半径を定着領域の上流側から徐々に小さくなるよう
に設定し、圧力付与部材11の圧接面に作用する圧力
が、ニップ入口から下流側に行くにしたがって増大し、
圧力付与部材の後端部近傍で最大圧力となるように調整
する。これにより、透気性の低い記録シートを用いた場
合にニップ内に空気が発生しても、空気は圧力の小さい
ニップ入口側にスムーズに流れ、空気の滞留が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、プリン
ター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像
形成装置において未定着トナー像を加熱定着する定着装
置に係り、特にベルトニップ方式の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録シート上に担持された未
定着トナー像を加熱・溶融して定着する装置として、回
転可能に支持された加熱定着ロールと、無端移動が可能
に張架された加圧ベルトとを圧接し、これらの間に記録
シートを送り込んで定着するものが知られている。
【0003】図7は、本願の出願人が提案し、特開平5
−150679号公報に開示された定着装置を示す。こ
の定着装置で用いられている加熱定着ロール101は、
アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属で形成された円
筒状のコア112を有し、その表面に弾性体からなる被
覆層120を形成したものである。被覆層120は、コ
ア112の表面に直接被覆されたHVT(High Tempera
ture Vulcanization)シリコーンゴムからなる下地層1
13と、その外側に被覆されたRTV(Room Temperatu
re Vulcanization)シリコーンゴムからなるトップコー
ト層114とを積層したものである。
【0004】コア112の内部には、加熱源としてハロ
ゲンランプ107が配置されている。また、加熱定着ロ
ール101の表面には温度センサ111が配置され、被
覆層120の表面の温度を計測する。そして、温度セン
サ111の計測信号により、図示しない温度コントロー
ラが作動されてハロゲンランプ107の点滅が制御さ
れ、加熱定着ロール101の表面が所定の温度に調節さ
れるようになっている。また、加熱定着ロール101の
表面には、オイル供給装置109によって離型剤である
シリコーンオイルが供給されており、これによりシート
115に未定着のトナー116の像を定着するときに、
トナー116の一部が加熱定着ロール101にオフセッ
トするのを防止するようになっている。
【0005】さらにこの定着装置においては、圧力ロー
ル103が、圧縮コイルスプリング108によって加熱
定着ロール101に対して押圧されている。また、加熱
定着ロール101に向けて圧力補助ロール106が押圧
されている。そして、圧力ロール103および圧力補助
ロール106の付近にはロール104,105が配置さ
れており、ロール104,105、圧力ロール103、
圧力補助ロール106の周囲にはエンドレスベルト10
2が巻回されている。
【0006】圧力ロール103および圧力補助ロール1
06が加熱定着ロール101に対して圧接されているこ
とによって、エンドレスベルト102は加熱定着ロール
101に接触し、加熱定着ロール101とエンドレスベ
ルト102との間が、シート115を通過させるための
ニップ(ベルトニップ)となる。そして加熱定着ロール
101およびエンドレスベルト102が、矢印に示すよ
うに回転すると共に、シート115が回転する加熱定着
ロール101とエンドレスベルト102との間に搬送さ
れ、このシート115がベルトニップを通過する際に、
ベルトニップに作用する圧力とハロゲンランプ107か
ら加熱定着ロール101を通じて与えられる熱により未
定着のトナー116がシート115上に定着されるよう
になっている。
【0007】このようなベルトニップ方式の構成を採用
することにより、シート115がベルトニップの巾(図
示の例では圧力ロール103と圧力補助ロール106で
押さえられているベルトの長さ)に対応する時間加熱さ
れるようになるので、加熱定着ロールと圧力ロールのみ
を圧接させてエンドレスベルト102を使用しない場合
に比べると、シート115の搬送速度を大きくしても十
分な定着時間を確保することが可能になるという利点が
ある。また、同じ搬送速度であれば、ベルトニップ方式
の方が、エンドレスベルト102を使用しない方式より
も加熱時間が長くなり、トナーにより多量の熱を与える
ことができるため、ベルトニップ方式は特に多層のトナ
ーを所望の色に発色させるカラー複写機の定着に適して
いる。
【0008】また、この画像定着装置においては、加熱
定着ロール101の表面に弾性体であるシリコーンゴム
からなる被覆層120が形成されており、この被覆層1
20が圧力ロール103の圧接力を受けて圧接領域で局
所的に歪むようになっている。すなわち、被覆層120
の表面速度が局所的に大きくなるため、圧力ロール10
3の圧接領域においてシートと被覆層120との間に微
小なズレが生じる。また、高温状態のトナー116は被
覆層120へ付着しようとする傾向があるが、このとき
のズレによってトナー116と被覆層120との界面に
微小なスリップが生じ、その付着が防止されていると考
えられる。
【0009】これによって、シート115はトナー11
6と加熱定着ロール101との付着力に抗して加熱定着
ロール101から剥離される。溶融されたトナーと加熱
定着ロール101との表面の付着力は、両者の界面化学
的な材料物性値にも左右されるので、シート115が剥
離する挙動はトナーの種類や被覆層120の材質に応じ
て異なるが、この定着装置によると、剥離爪などの剥離
手段を使用しなくても、シート115を加熱定着ロール
101から剥離することができる(以下、これをセルフ
ストリッピングという)。このため、腰が弱くて剥離し
にくい薄紙や、多量のトナーが付着した用紙でも、セル
フストリッピングさせることができる。
【0010】その他、ベルトニップ方式を採用した画像
定着装置としては、特開昭52−69337号公報、特
開昭60−151677号公報、特開昭60−1516
81号公報、特開昭62−14675号公報、特開平2
−222982号公報、特開平2−308287号公
報、特開平4−50885号公報、特開平4−1152
79号公報、実開昭60−104852号公報、実開平
2−30961号公報、実開平3−86374号公報、
実開平3−92661号公報および実開平4−5086
4号公報に記載されたものがある。
【0011】しかしながら、前述のベルトニップ方式の
定着装置には、次のような問題がある。すなわち、現在
主流となっている熱融着式のトナー116を利用した場
合には、トナー116をシート115に融着させなけれ
ばならないが、この加熱の際に暖まったシート115の
繊維の間隙やトナー粒子の間隙から空気が熱膨張した
り、水蒸気が発生してくる。このような空気や水蒸気
は、シート115がベルトニップ内で加熱されることに
より発生し、シート115がベルトニップを通過するま
でベルトニップ内、具体的にはシート115と加熱定着
ロール101またはエンドレスベルト102との間に気
泡となって介在し、シート115がベルトニップを通過
し終えると同時に外部に排出される。
【0012】このベルトニップ内では、図8に示すよう
に、圧力ロール103による押圧部と圧力補助ロール1
06による押圧部との間に、圧接力の小さい領域が広く
存在しており、この領域に気泡が介在すると、加熱定着
ロール101とエンドレスベルト102との間にギャッ
プが生じることがある。このようなギャップが生じる
と、ベルトニップ内にあるシート115上のトナー11
6がまだすべて定着していない状態では、内部の気泡が
動き回ることによって未定着のトナー116が移動して
しまう。このため、画像のニジミやズレ、乱れなどが発
生するという問題点がある。したがって、圧力ロールお
よび圧力補助ロールは、この空気や水蒸気の熱膨張を押
さえてギャップが生じないだけの荷重を加えなければな
らない。
【0013】しかし、圧力ロール103と圧力補助ロー
ル106との中間の圧接力の小さい部分においては、加
熱定着ロール101とエンドレスベルト102との間に
ギャップが生じやすく、未定着のトナー116が移動す
るのを防止できる十分な圧力が与えられない。加熱定着
ロールおよび加圧定着ロールを使用し、エンドレスベル
トを使用しない従来方式では、圧力が大きいために、こ
のような不具合が少ないが、ベルトニップ方式では、圧
力を小さくしているだけに、気泡によりトナー116の
像が乱される可能性も大きく、実際に使用した場合に
も、気泡が原因と考えられる画像のニジミやズレ、乱れ
などが発生している。
【0014】上記問題点を解決する手法として、本発明
者らは特開平9−34291号公報において、図9に示
すような以下の内容の定着装置を提案している。この定
着装置は、表面付近に弾性体層140を有し、回転可能
に支持された加熱定着ロール121と、外周面が加熱定
着ロール121に押圧され、トナー像136を担持した
記録シート135が加熱定着ロール121との間に挟み
込まれるニップを形成するエンドレスベルト122と、
該エンドレスベルト122の内面側に当接され、加熱定
着ロール121の表面に沿ってエンドレスベルト122
を押圧する圧接面を備えた圧力付与部材126とを有し
ている。さらに、圧力付与部材126の下流側にはエン
ドレスベルト122を押圧する圧力ロール103を有し
ている。なお、他の部材の構成は図7と同じものであ
る。
【0015】また、上記圧力付与部材126の圧接面に
作用する圧力は、加熱定着ロール121とエンドレスベ
ルト122との間に取り込まれた気体の温度上昇による
体積膨張を抑止する圧力以上に設定されている。この圧
力付与部材126の圧接面に作用する圧力を、記録シー
ト135やトナー粒子間にある空気や水蒸気の熱膨張を
抑制することができる値以上にすることにより、ベルト
ニップ内での気泡の発生および成長を抑制でき、熱膨張
した気泡によって未定着のトナー136が攪乱されるの
を防止することができる。
【0016】このようにエンドレスベルト122と加熱
定着ロール121との間の空気によるギャップの発生を
防止するためには、圧力付与部材126によってベルト
122を加熱定着ロール121に押え付け、ベルトニッ
プ内の圧力を上昇させて、空気又は水蒸気の体積の増大
を抑止するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように図9に示
す圧力付与部材126を設けることによって、大部分の
画像の乱れを解決することが可能となった。しかし、そ
の後本発明者らの詳細な実験によれば、シート材料とし
てコート紙等の透気度の低い用紙を用いた場合、上記対
策だけでは完全に画像乱れを防止することができない事
が判明した。
【0018】この原因については現在のところ明確には
なっていないが、本発明者らは以下の様な仮説をたてて
いる。それは、コート紙等の透気度の低い用紙上の未定
着トナー像を定着する場合、未定着トナー層内に存在し
ている空気はニップ内の圧力の低い部分、つまり圧力付
与部材と加圧ロールとの境界領域に滞留する。この空気
が部分的にシートと定着ロールとに界面に空隙を生じさ
せるとともに、完全に定着が完了していないトナー像を
乱してしまうというものである。
【0019】普通紙の場合は透気度が大きいため、トナ
ー層内に存在している空気は容積の大きい多孔質体であ
る普通紙内部に保持されるか、または通過して逃げてし
まうので、画像乱れの発生は少ないと考えられる。普通
紙とコート紙の画像乱れの発生状況を、圧力付与部材の
荷重および過熱定着ロールの温度をほぼ一定として比較
すると、コート紙の方が画像乱れが起きやすく、またコ
ート紙の中でも透気度の小さい方が画像乱れが発生しや
すいことが判明した。
【0020】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、ベルトニップ内の空気の膨張や
水蒸気の発生による画質劣化を防止し、記録シートの種
類に左右されることなく安定してトナー像を定着するこ
とができる定着装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明に係る定着装置は、 表面付
近に弾性体層を有し、回転可能に支持された加熱定着ロ
ールと、 外周面が前記加熱定着ロールに押圧され、 ト
ナー像を担持した記録シートが前記加熱定着ロールとの
間に挟み込まれるニップを形成するエンドレスベルト
と、 前記エンドレスベルトの内面側に当接され、 前記
加熱定着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトを
押圧する圧接面を備えた圧力付与部材と、 前記圧力付
与部材の下流側で前記エンドレスベルトを押圧する加圧
ロールと有し、 前記圧力付与部材の圧接面に作用する
圧力が、ニップ入口から下流側に行くにしたがって増大
し、前記圧力付与部材の後端部近傍で最大圧力となるよ
うに設定されているものとする。
【0022】請求項2に記載の発明は、 請求項1に記
載の定着装置において、 前記圧力付与部材の圧接面に
作用する最大圧力領域では、前記加熱定着ロールにより
トナーの粘性がガラス状からゴム状流動を生じる状態へ
転移する温度に加熱されているものとする。
【0023】請求項3に記載の発明は、 請求項1又は
請求項2に記載の定着装置において、 前記圧力付与部
材は、ベースプレートの表面に形成された弾性体層と、
さらにその上の低摩擦層とを備えているものとする。
【0024】請求項4に記載の発明は、 請求項1から
請求項3までのいずれかに記載の定着装置において、
前記圧力付与部材の圧接面の形状は、前記エンドレスベ
ルトに圧接されない状態で、上流側から徐々に曲率半径
が減少するように設定されているものとする。
【0025】請求項5に記載の発明は、 請求項3又は
請求項4に記載の定着装置において、 前記圧力付与部
材の圧接面付近の弾性体硬度が上流側で低く、 下流後端
側で高く設定されているものとする。
【0026】請求項6に記載の発明は、 請求項3から
請求項5までのいずれかに記載の定着装置において、
前記圧力付与部材の弾性体層の後端表面近傍に、前記エ
ンドレスベルトを押圧する突出部を有しているものとす
る。
【0027】請求項7に記載の発明は、 請求項6に記
載の定着装置において、 前記突出部は、前記圧力付与
部材の弾性体層の表面付近に固定された棒状硬質部材で
あるものとする。
【0028】請求項8に記載の発明は、 請求項3から
請求項7までのいずれかに記載の定着装置において、
前記圧力付与部材の後端側面に、該圧力付与部材の圧接
面からの圧力によって生じる弾性体の変形を抑制するた
めの補強板を有しているものとする。
【0029】以上のように、本発明者らは、流体は圧力
の高い方から低い方へ移動するという基本的考えに基づ
き、圧力付与部材の圧力分布をニップ入口側では低く、
そして下流側に行くに従って圧力が上昇し、圧力付与部
材の下流側で最大圧力となるように設定することによっ
て、コート紙の画像乱れを防止しようとするものであ
る。さらに最大圧力領域では、トナーの粘性がガラス状
からゴム状流動を生ずる状態へ転移する温度に加熱され
ていれば、トナー粒子相互間の付着力が発生し、トナー
粒子の移動が容易には起こらなくなる。
【0030】このように圧力付与部材の最大圧力領域を
ニップ入口より極力遠ざけ、かつニップ入口側から下流
側に行くに従って圧力が増大することによって、トナー
層内部から脱気された空気は圧力の低い方、つまりニッ
プ入口側に向かって流れ、大気中に逃げていくことにな
る。従来例のように圧力付与部材の圧力分布の一部に周
囲より圧力の低い部分が存在する場合、すなわち、ニッ
プの下流側に行くに従って圧力が増加していない構成で
は、大きな圧力に挟まれた低圧部分に空気が流れ込み、
滞留した空気が動き回ることによって画像が乱れてしま
うのである。
【0031】一般に、普通紙の様な透気性のあるシート
に定着する場合は、圧力付与部材の圧力が全域で所定値
(略0.3kg/cm2 )以上であれば、空気がシートを通過し
て逃げたり、シート内に閉じ込められたりして、2つの
最大圧力に挟まれた領域に空気が滞留することがないの
で、画像乱れは生じにくい。しかし、コート紙の様に透
気度が低いシートの場合は、トナー層中で膨張した空気
が逃げられないので、圧力付与部材の圧力を高くしても
空気の滞留をなくすことが困難となる。特にカラー定着
の場合は、発色させるためにトナー層内の空気を逃しな
がらトナー粒子を溶融合体させなくてはならず、画像乱
れが生じやすい。
【0032】本願発明に係る定着装置では、圧力付与部
材との圧接領域で加熱され、膨張したトナー層内および
シート内の空気の大部分は圧力の低い方向、つまりニッ
プ入口側に向かって流れ出し、圧力ロールと圧力付与部
材に挟まれた低圧部に流入する空気量は少なくなる。こ
のため、たとえコート紙であっても画像のニジミやズ
レ、乱れを防止することが可能となる。
【0033】またトナーの温度を調整するため、圧力付
与部材の幅は、エンドレスベルトが加熱定着ロールと当
接されたニップ入口の位置から、トナーの粘性がガラス
状からゴム状流動を生ずる状態へ転移する温度に加熱さ
れる位置まで設定されていることが望ましい。トナーの
温度がゴム状流動が生ずるまで上昇すると、トナー粒子
相互間の付着力が発生して、容易にトナー粒子の移動が
起こらなくなる。したがって、圧力付与部材との接触域
と圧力ロールとの接触域に挟まれた低圧部が存在して
も、そこをトナーが通過するときは、すでにトナーはゴ
ム状流動が生ずるまでになっているため、画像のニジミ
やズレ、乱れの発生はなくなる。
【0034】なお、圧力付与部材との接触圧力が下流側
に行くに従って増大するような圧力分布を得るには、上
述の請求項4乃至請求項8に記載した発明のように、圧
力付与部材の構造上の工夫、または圧力付与部材の支持
構造によって達成される。以上のような構成により、透
気度の低い記録シートであっても画像乱れの発生を防止
することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0036】〈第1の実施形態〉図1は、請求項1、請
求項2、請求項3、又は請求項4に記載の発明の一実施
形態である定着装置を示す概略構成図である。この定着
装置は、図1(a)に示すように、加熱源を内蔵した加
熱定着ロール1と、圧力ロール12及び2つの支持ロー
ル13、14に張架され、上記加熱定着ロール1に圧接
されるエンドレスベルト15と、このエンドレスベルト
の内面側に当接され、加熱定着ロール1の表面に沿って
エンドレスベルト15を押圧する圧力付与部材11とで
主要部が構成されている。
【0037】上記加熱定着ロール1は、内部に円筒状の
コア2を有しており、モータ6によって周方向に回転駆
動されるものである。このコア2は、外径47mm、内
径42mm、長さ350mmのアルミニウムで形成され
ている。コア2の表面には、下地層3aとして硬度45
°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムが厚さ1.0
mmで直接被覆され、さらにその上にトップコート層3
bとしてRTVシリコーンゴムが厚さ50μmでディッ
プコートされている。これにより被覆層3が形成されて
おり、被覆層3は鏡面状態に近い表面に仕上げられてい
る。下地層3aのゴムの硬度は、Teclock社製の
スプリングタイプのA型硬度計により、JIS K63
01に準拠して、荷重1,000gfを付加して計測し
た結果である。なお、コア2としてはアルミニウムでな
くても熱伝導率の高い金属製のものを使用することがで
き、被覆層3としては耐熱性の高い弾性体であれば他の
材料を使用することができる。
【0038】コア2の内部には、加熱源として出力85
0wのハロゲンランプ5が配置されている。また、加熱
定着ロール1の表面と対向する位置には温度センサ10
が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度
センサ10の計測信号により、図示しない温度コントロ
ーラによってハロゲンランプ5がフィードバック制御さ
れて、加熱定着ロール1の表面が150℃に調節される
ようになっている。
【0039】また、加熱定着ロール1の近傍にはオイル
供給装置9が配設されている。オイル供給装置9は、離
型剤を貯蔵するタンク9aからスポンジ状の吸上げ部材
9b、ロール9c,9dを通じて加熱定着ロール1の表
面に離型剤を常に一定量供給する。これによりシート7
に未定着のトナー8の像を定着するときに、トナー8の
一部が加熱定着ロール1にオフセットするのが防止され
ている。オイル供給装置9によって供給される離型剤と
しては、粘度1000csのジメチルシリコンオイル
(商品名「KF−96」:信越化学株式会社製)が使用
される。
【0040】上記圧力付与部材11は、図1(b)に示
すように、ベースプレート11aの表面に弾性層11b
と低摩擦層11cとを積層して形成したものであり、ベ
ースプレート11a側に配置された圧縮コイルスプリン
グ16によって加熱定着ロール1に向けて押圧されてい
る。ベースプレート11aは、幅(ベルトの走行方向)
12mm、長さ(紙面の垂直方向)320mm、厚さ5
mmのステンレス鋼製の部材である。
【0041】弾性層11bは、ゴム硬度23°のシリコ
ーンスポンジ(シリコーンゴムの発泡体)からなり、幅
(ベルトの走行方向)がベースプレート11aよりも徐
々に拡大するように構成されている。なお、ここでゴム
硬度は、高分子科学社製のアスカーCタイプのスポンジ
用ゴム硬度計により、荷重300gfを付加して計測し
た結果である。この弾性層11bは、ベルトニップ域を
圧力ロール12のニップ域の近傍に近づけるために、圧
力付与部材11の圧力ロール12側の部分が三角形状に
なっている。このような形状をとすることによって、圧
力付与部材11はなるべく広くエンドレスベルト15と
接触し、また圧力付与部材11と圧力ロール12との間
の低圧部領域をできる限り狭くすることができる。
【0042】低摩擦層11cとしては、ポリテトラフル
オロエチレンを含浸させたガラス繊維シートである中興
化成製の「FGF−400−4」(商品名)を用いてい
る。ベルトニップにおける低摩擦層11cの接触面の幅
(ベルトの走行方向)は約15mmとなっている。
【0043】また上記圧力付与部材11は、接触幅5m
mごとの曲率半径を上流側から24mm、22mm、2
0mmと徐々に小さくなるように形成したものである。
このときの接触荷重は34Kgであり、最大圧力はニッ
プ入口側から10mmのところで約1.0Kg/cm2
となっている。
【0044】また、この圧力付与部材11の最大圧力領
域では、加熱定着ロール1の熱によりトナーの粘性がガ
ラス状からゴム状流動を生じる状態へ転移する温度まで
加熱されるように、最大圧力領域のニップ入口側からの
距離や記録シートの搬送速度が設定されている。これに
より、圧力付与部材11の最大圧力領域では、トナー粒
子相互間に付着力が発生し、トナー粒子の移動が起こり
にくくなる。
【0045】上記圧力付与部材11は、弾性層11bが
設けられていることにより、低摩擦層11cのエンドレ
スベルト15と接触する接触面が加熱定着ロール1の外
周面と整合可能になっている。すなわち、一定以上の荷
重によって圧力付与部材11を加熱定着ロール1に向け
て押圧すれば、弾性層11bが変形し、低摩擦層11c
の接触面が加熱定着ロール1の外周面に沿った形状に変
形するようになっている。したがって、圧力付与部材1
1が圧縮コイルスプリング16によってエンドレスベル
ト15を介して加熱定着ロール1に押圧されると、エン
ドレスベルト15は加熱定着ロール1に隙間なく圧接さ
れる。ここでエンドレスベルト15と加熱定着ロール1
との接触面の幅は約15mmであり、接触面の軸方向の
長さは300mmである。
【0046】上記エンドレスベルト15は、ポリイミド
フィルムにより厚さ75μm、幅300mm、周長18
8mmに形成されている。このエンドレスベルト15
は、加熱定着ロール1と離れた位置に配置された圧力ロ
ール12及び支持ロール13,14の周囲に巻回されて
いる。圧力ロール12及び支持ロール13,14はステ
ンレスによって形成されており、その直径は、それぞれ
23mm,18mm,18mmである。
【0047】上記圧力ロール12は、スプリング17に
よってエンドレスベルト15を介して加熱定着ロール1
に押圧されている。圧力ロール12で押圧されることに
よっって、加熱定着ロール1の被覆層3が局所的に弾性
変形するようになっている。
【0048】次に、上記定着装置の動作について説明す
る。上記定着装置では、図1中の右側において、図示し
ない転写装置によりシート7の上にトナー8の像が転写
され、ベルトニップに向けてこのシート7が搬送されて
くる。シート7は、ベルトニップの圧力付与部材11の
配置されている位置に侵入する。そして、ベルトニップ
に作用する圧力と、ハロゲンランプ5によって加熱定着
ロール1を通じて与えられる熱により、トナー8の像が
シート7上に定着される。
【0049】ここで、普通シートの場合には、ベルトニ
ップを通過中にシート7が加熱されることにより、シー
ト7の繊維間およびトナー8の粒子間に含まれていた空
気や水分が膨張又は蒸発して、シート7と加熱定着ロー
ル1との間に侵出し、この空気や水蒸気がベルトニップ
内で気泡となって未定着のトナー8を攪乱することが懸
念される。
【0050】しかし、本実施形態では、エンドレスベル
ト15を圧力付与部材11の接触面によって加熱定着ロ
ール1に向けて押し付けており、この接触面が加熱定着
ロール1の外周面とほぼ整合可能になっている。したが
って、図1(a)に示すように、エンドレスベルト15
を加熱定着ロール1に対して隙間なく圧接することがで
き、これによってシート7やトナー8から空気や水蒸気
が膨張してくるのを抑制することができる。このため、
ベルトニップ内での気泡の発生および成長を抑制でき、
成長した気泡によって未定着のトナー8が攪乱されるの
を防止することができる。
【0051】これと同時に、圧力付与部材11の接触面
で大きな面積にわたって、エンドレスベルト15と加熱
定着ロール1との間に作用する圧接力を与えることがで
きるので、ベルトニップ間を通過するシート7上のトナ
ー8をエンドレスベルト15と加熱定着ロール1とで確
実に押さえて定着させることが可能である。このように
して、トナー像の乱れを防止しながら、トナー像を定着
させることができる。すなわち、定着された画像にニジ
ミやズレなどの乱れが生じるのを防止することが可能で
ある。
【0052】ところで、コート紙などの透気性が低いシ
ートを通過させる場合には、トナー層中の空気をベルト
ニップ内の圧力によって抑制することは難しい。シート
の透気性が低いと、圧力を上げても空気をシート内部に
保持することができず、空気の体積は若干減少するもの
の、その分圧力が増大し、周囲より圧力が低い部分に空
気のよどみが生じることになる。この状態では画像乱れ
が生じてしまう。これを防止するため、本実施形態で
は、圧力付与部材の圧力分布をニップ入口側では低くし
て、後端に行くに従って増大し、圧力付与部材の下流側
で最大圧力となるような圧力分布に設定している。すな
わち、圧力付与部材の圧力分布を徐々に増加させて下流
側で最大圧力とすることにより、空気は圧力の低いニッ
プ入口側にスムーズに流れ、空気のよどみの発生が防止
される。また、後方の圧力ロール12との境に圧力の低
い部分が生じても、空気は最大圧力に打ち勝ってその低
圧部分に流れ込むことが少なくなる。このため、滞留し
た空気がトナー像を乱すことが防止され、良好な画質が
得られる。
【0053】〈第2の実施形態〉図2は、請求項1、請
求項2、請求項3、又は請求項5に記載の発明の一実施
形態である定着装置で用いられる圧力付与部材を示す概
略構成図である。この定着装置は、図1に示す定着装置
とほぼ同じ構成であるが、圧力付与部材31の構成が異
なる。この圧力付与部材31は、図1(b)と同様に、
ベースプレート31aの表面に弾性層31bと低摩擦層
31cとを積層したものであり、ベースプレート11a
側に配置された圧縮コイルスプリングによって加熱定着
ロールに向けて押圧されている。上記弾性層31bとし
ては、複数の硬度を有した材料を用い、ベルトニップの
上流側から低い硬度順に設定されている。固い弾性体で
押圧された部分の圧力は相対的に柔らかい弾性体より高
い圧力が得られるようになる。
【0054】本実施形態の弾性層31bは、ベルトニッ
プの上流側10mmまでの部分のゴム硬度は23°で、
下流側5mmの部分のゴム硬度は48°に設定されてい
る。このときの接触荷重は34Kgであり、最大圧力は
ニップ入口から10mmのところで1.0Kg/cm2
となっている。なお、上記圧力付与部材31の構成は図
1に示す圧力付与部材11と同じである。
【0055】このような定着装置では、圧力付与部材3
1のゴム硬度を変えることによって、圧力付与部材31
の圧接面に作用する圧力が、ニップ入口から下流側に行
くにしたがって増大し、圧力付与部材の後端部に近いと
ころで最大値となる。圧力付与部材31のエンドレスベ
ルトと接触する面は、加熱定着ロールの外周面と容易に
整合し、その下流側に圧力ロールが圧接されているの
で、トナー層内及びコート紙内の熱膨張した大部分の空
気は圧力の低いニップ入口側にスムースに流れ、空気の
滞留が防止される。また、圧力付与部材31の最大圧力
が大きいと、熱膨張した空気が圧力付与部材と圧力ロー
ルとの境に流れ込むことが少なくなり、画質劣化の発生
が防止される。
【0056】〈第3の実施形態〉図3は、請求項1、請
求項2、請求項3、請求項6又は請求項7に記載の発明
の一実施形態である定着装置で用いられる圧力付与部材
を示す概略構成図である。この定着装置で用いられる圧
力付与部材41は、ベースプレート41aの表面に弾性
層41bおよび低摩擦層41cを積層したものである
が、ベルトニップの下流側から1.2mmの位置に、直
径1.4mmの銅製中実棒を幅320mmに亘ってモー
ルドした突出部42を有している。突出部42の表面は
弾性体ゴム表面から約1mm突き出している。この圧力
付与部材41を接触荷重37Kgで押圧した場合、ニッ
プ巾は15mmであり、最大圧力はニップ入口から13
mmのところで1.2Kg/cm2 となっている。な
お、上記圧力付与部材41の他の構成は図1に示す圧力
付与部材11と同じである。
【0057】このような定着装置では、突出部42がエ
ンドレスベルトに押圧されることによって、ベルトニッ
プに作用する圧力が、ニップ入口から下流側に行くにし
たがって増大し、圧力付与部材41の後端部に近いとこ
ろで最大値となる。このため、トナー層内及びコート紙
内の熱膨張した大部分の空気は圧力の低いニップ入口側
にスムースに流れ、圧力付与部材と圧力ロールの境に空
気が流れ込むことがなくなり、画質劣化の発生が防止さ
れる。
【0058】〈第4の実施形態〉図4は、請求項1、請
求項2、請求項3又は請求項8に記載の発明の一実施形
態である定着装置で用いられる圧力付与部材を示す概略
構成図である。この定着装置で用いられる圧力付与部材
51は、ベースプレート51aの表面に弾性層51bお
よび低摩擦層51cを積層したものであるが、これらの
下流側に弾性層51bの変形を抑制する規制板(補強
板)51dを設けたものである。弾性層51bは、下流
側が三角形状の弾性部材からなり、加熱定着ロールに圧
接された時にたわみ易いため、規制板51dによって弾
性部材の変形を防止するものである。規制板51dは、
ステンレス製で厚さ0.2mm、幅320mmであり、
その下端を圧力付与部材のベースプレート51aにネジ
止めされている。
【0059】荷重をかけない状態では、規制板51dと
三角形状の弾性層51bとの間には0.5mmの隙間が
形成されている。これを接触荷重37Kgで押圧した場
合、三角形状の弾性層51bがたわんで規制板51dに
接触してそれ以上のたわみは規制される。その時のエン
ドレスベルトとのニップ巾は15mmであり、最大圧力
はベルトニップ入口から13mmのところで1.2Kg
/cm2 となっている。
【0060】このような定着装置では、規制板51dに
よってベルトニップでの圧力付与部材51の変形が抑制
されるので、ベルトニップで圧力分布が変動するのを防
止することができる。このため、熱膨張した空気や水蒸
気が圧力ロールとの間の低圧部分に流れ込むのを防止す
ることができ、空気の滞留による画質劣化の発生を回避
できる。
【0061】なお、上記第1の実施形態から第4の実施
形態の構成は単独であっても良いが、それぞれを組み合
わせても良い。組み合わせた場合には、相乗効果とし
て、より確実に画質劣化の発生を防止できる。
【0062】次に、上記定着装置の効果を確認するため
に、ベルトニップの圧力分布と画像乱れの有無をシート
の種類を変えて測定した実験の結果を説明する。上記第
1の実施形態から第4の実施形態までの圧力付与部材の
接触幅、荷重、最大圧力、及び最大圧力位置をまとめて
表1に示す。さらに、第5の実施形態として、第3の実
施形態で用いられた突出部と、第4の実施形態で用いら
れた規制板とを組み合わせた場合についても同様に実験
を行った。このとき、押圧荷重は40kgで、ニップ幅
は15mm、最大圧力はニップ入口側から13mmのと
ころで1.5Kg/cm2 とした。また、比較のため、
従来の図9に示す圧力付与部材についても同様に実験を
行った。このとき、弾性層はゴム硬度23°で、厚さ5
mm、圧力付与部材の表面の曲率半径は24mmとなる
ように設定した。
【0063】
【表1】
【0064】図5は、表1に示す6つの場合について、
ベルトニップの圧力分布を調べた結果を示したものであ
る。この図に示すように、従来タイプではベルトニップ
の圧力分布は圧力ロールの側で徐々に低下してしまい、
圧力付与部材の最大圧力作用域と圧力ロールの最大圧力
作用域に挟まれた領域が大きいことがわかる。このた
め、トナー層内に存在した空気が両方の最大圧力に阻ま
れて、この低圧領域に滞留してしまうことがわかる。
【0065】一方、第1の実施形態から第5の実施形態
に示す構成では、圧力付与部材の圧接面に作用する圧力
が、ニップ入口から下流側に行くにしたがって増大し、
圧力付与部材の後端部近傍で最大圧力となっている。こ
のため、ベルトニップのトナー層内及びコート紙内の熱
膨張した大部分の空気は圧力の低いニップ入口側にスム
ーズに流れ、圧力付与部材と圧力ロールの境の低圧部分
に空気が流れ込むのを防止できる。また、第3の実施形
態から第5の実施形態のように、圧力付与部材の後端部
近傍の最大圧力が大きいほど、熱膨張した空気がその最
大圧力に打ち勝って、圧力付与部材と圧力ロールとの低
圧部分に流れ込むことが少なくなる。特に、第5の実施
形態では、二つの実施形態の構成を組み合わせることに
よって、その相乗効果により圧力付与部材の後端部近傍
の最大圧力が大きくなる。このため、圧力付与部材と圧
力ロールとの境の低圧部分に空気が流れ込むのをより確
実に防止できる。
【0066】次に、上記6つの場合について、画像乱れ
の発生状況をシートの種類を変えて測定した結果を表2
に示す。さらに、比較例として、上記実施形態のような
ニップ入り口から後方に向かって圧力が徐々に増大する
構成ではなく、図6に示すように、圧力付与部材に突起
部を2個所設けて、その部分の圧力分布に凹凸を作成し
た場合についても同様に実験を行った。
【0067】
【表2】
【0068】表2の結果より、第3の実施形態と第4の
実施形態、及びこれらを組み合わせた第5の実施形態の
場合では、いずれの透気度のコート紙においても画像ず
れを防止できることが判明した。また、第1の実施形態
と第2の実施形態の場合でも、従来タイプと比較する
と、透気性が比較的高いコート紙において画像ずれを防
止できることが判明した。これらの結果を圧力分布との
相関で見ると、最大圧力がニップ入口より下流側へ遠
く、またその値が大きいほど画像乱れが発生しにくいこ
とがわかる。
【0069】最大圧力がニップ入り口より下流側へ遠い
場合は、トナー層内およびコート紙内の熱膨張した大部
分の空気は圧力の低いニップ入り口側にスムーズに流れ
るので、圧力附与部材と圧力ロールの境の低圧部分に空
気のよどみが発生するのを防止できる。これは、圧力付
与部材の最大圧力が大きいほど、熱膨張した空気がその
最大圧力に打ち勝って、圧力附与部材と圧力ロールとの
低圧部分に流れ込むことが少なくなるからであると考え
られる。
【0070】また、比較例として、圧力付与部材に突起
部を2個所設けた場合は、すべてのコート紙において圧
力分布の小さい部分で空気のよどみを生じてしまい、画
像乱れが発生することが判明した。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る定
着装置では、圧力付与部材の圧接面に作用する圧力が、
ニップ入口から後方に行くにしたがって増大し、その後
端部で最大圧力となる様な圧力分布に設定されているの
で、ニップ内の圧力付与部材と圧力ロールとの境の部分
に空気が流れ込むことがなく、画像乱れの最も発生しや
すいコート紙においても画像乱れを防止することが可能
となる。このため、定着装置の記録シートの適用範囲が
拡大し、その工業的価値はさらに拡大するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2、請求項3または請求項4
に記載の発明の一実施形態である定着装置およびこれに
用いられる圧力付与部材を示す概略構成図である。
【図2】請求項1、請求項2、請求項3または請求項5
に記載の発明の一実施形態である定着装置で用いられる
圧力付与部材を示す概略構成図である。
【図3】請求項1、請求項2、請求項3、請求項6また
は請求項7に記載の発明の一実施形態である定着装置で
用いられる圧力付与部材を示す概略構成図である。
【図4】請求項1、請求項2、請求項3または請求項8
に記載の発明の一実施形態である定着装置で用いられる
圧力付与部材を示す概略構成図である。
【図5】上記実施形態の定着装置におけるベルトニップ
の圧力分布を示す図である。
【図6】上記実施形態の比較例の定着装置におけるベル
トニップの圧力分布を示す図である。
【図7】従来の定着装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図8】図7に示す定着装置におけるベルトニップの圧
力分布を示す図である。
【図9】従来の定着装置の他の例を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 加熱定着ロール 2 コア 3 被覆層 5 ハロゲンランプ 6 モータ 7 シート 8 トナー像 9 オイル供給装置 10 温度センサ 11、31、41、51 圧力付与部材 12 圧力ロール 13、14 支持ロール 15 エンドレスベルト 16、17 圧縮コイルスプリング 42 突起部 51d 規制板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面付近に弾性体層を有し、回転可能
    に支持された加熱定着ロールと、 外周面が前記加熱定着ロールに押圧され、 トナー像を担
    持した記録シートが前記加熱定着ロールとの間に挟み込
    まれるニップを形成するエンドレスベルトと、 前記エンドレスベルトの内面側に当接され、 前記加熱定
    着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトを押圧す
    る圧接面を備えた圧力付与部材と、 前記圧力付与部材の下流側で前記エンドレスベルトを押
    圧する加圧ロールと有し、 前記圧力付与部材の圧接面に作用する圧力が、ニップ入
    口から下流側に行くにしたがって増大し、 前記圧力付与
    部材の後端部近傍で最大圧力となるように設定されてい
    ることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の定着装置において、 前記圧力付与部材の圧接面に作用する最大圧力領域で
    は、前記加熱定着ロールによりトナーの粘性がガラス状
    からゴム状流動を生じる状態へ転移する温度に加熱され
    ていることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の定着装
    置において、 前記圧力付与部材は、ベースプレートの表面に形成され
    た弾性体層と、さらにその上の低摩擦層とを備えている
    ことを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか
    に記載の定着装置において、 前記圧力付与部材の圧接面の形状は、前記エンドレスベ
    ルトに圧接されない状態で、上流側から徐々に曲率半径
    が減少するように形成されていることを特徴とする定着
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の定着装
    置において、 前記圧力付与部材の圧接面付近の弾性体硬度が上流側で
    低く、 下流後端側で高く設定されていることを特徴とす
    る定着装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5までのいずれか
    に記載の定着装置において、 前記圧力付与部材の弾性体層の後端表面近傍に、前記エ
    ンドレスベルトを押圧する突出部を有していることを特
    徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の定着装置において、 前記突出部は、前記圧力付与部材の弾性体層の表面付近
    に固定された棒状硬質部材であることを特徴とする定着
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項3から請求項7までのいずれか
    に記載の定着装置において、 前記圧力付与部材の後端側面に、該圧力付与部材の圧接
    面からの圧力によって生じる弾性体の変形を抑制するた
    めの補強板を有していることを特徴とする定着装置。
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