JP2009069349A - ベルト定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニップ部において所望の圧力分布が得られるようにしたベルト定着装置。
【解決手段】無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを定着部材に圧接させるべく加圧する加圧手段と、を有し、前記定着ベルトと前記定着部材との間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着するベルト定着装置において、前記加圧手段は、記録材の搬送方向に配列された複数の金属部材の集合体から構成されること。
【選択図】図2

Description

本発明は、無端状の定着ベルトと定着部材との間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着するベルト定着装置、及び該ベルト定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材上に転写し、この後、記録材上のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY,M,C,Kの潜像を4個の感光体ドラムに形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材上に二次転写して、記録材上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーが転写された記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、軸方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、シリコーンゴムから形成された弾性層を有し中央にハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内側から定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧パッドとを備え、定着ローラと定着ベルトとにより形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら加熱・加圧する、所謂FBNF(Free Belt Nip Fuser)方式の定着装置が特許公報に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この定着装置によれば、加圧パッドにより定着ローラに押圧された定着ベルトが弾性変形し、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成される。従って、高速化に対応でき、定着装置が大型化することもない。更に、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
ここで、加圧パッドは定着に必要な荷重と耐久性の観点からソリッドゴムが用いられ、スポンジは用いられない。
また、ニップ部においては加圧パッドによる圧力を全体として均一な圧力分布にする必要がある。圧力分布が均一でないと、定着した画像の光度や濃度が不均一になったり、画像ずれが発生したり、記録材としての記録紙に皺が寄ったりする。
一方、ニップ部を通過した記録材が溶融トナーの粘着力によって定着ローラに貼り付いてしまうことがある。これを防止するためには、ニップ部の終端においてのみ高い圧力にし、定着ローラを大きな曲率で弾性変形させることが望ましい。
このようにニップ部の圧力分布は、ニップ部の終端においてのみ高く、他は均一にする必要がある。このために、加圧パッドをこのような圧力分布になる形状に加工する必要がある。
加圧パッドを形成するソリッドゴムの加工方法としては、研磨加工と金型による成型とがある。
研磨加工の場合は、高硬度のゴムに限定され、加工による寸法段差があると、その部分に大きな圧力差が生じ、定着画像に影響する。また、高硬度のゴムからなる加圧パッドを用いて幅の狭い記録材を定着すると、その端部により加圧パッドに生じた段差が直ぐに消えずに残り、次に幅の広い記録材を定着したときに、その段差が画像に現れる虞がある。
金型による成型の場合は、ゴムの硬度の制約はなく、形状選定の自由度が増すが、成型時の温度分布、硬化速度及び注入圧力等によって、長手方向の一端と他端との間に寸法や硬度のバラツキが生じ易い。
特開2004−206105号公報
特許文献1の如き従来の定着装置においては、加圧パッドや弾性押圧部材を一体のゴムで形成するので、研磨加工であっても金型による成型であっても上述の如き問題が生ずる。この結果、ニップ部において所望の圧力分布になり難く、定着した画像の光度や濃度が不均一になったり、画像ずれが発生したり、記録材としての記録紙に皺が寄ったりする虞がある。また、加圧パッドの加工における歩留まりが悪く、検査や調整に時間が掛かるため、原価高になると共に、装置の信頼性を損ねていた。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、加圧パッドや弾性押圧部材としての加圧部材を複数の部材から形成することにより、ニップ部において所望の圧力分布が得られるようにしたベルト定着装置、及び該ベルト定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを定着部材に圧接させるべく加圧する加圧手段と、を有し、
前記定着ベルトと前記定着部材との間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着するベルト定着装置において、
前記加圧手段は、記録材の搬送方向に配列された複数の金属部材の集合体から構成されることを特徴とするベルト定着装置。
2.前記金属部材は金属板であることを特徴とする前記1に記載のベルト定着装置。
3.前記金属部材は金属線であり、ブラシ状に配列されていることを特徴とする前記1に記載のベルト定着装置。
4.前記金属部材の集合体における少なくとも前記定着部材と対向する部分は樹脂のシートで被覆されていることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載のベルト定着装置。
5.前記定着部材は、加熱手段を有して回転する定着ローラであることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載のベルト定着装置。
6.前記金属部材の長さをニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分においては他の部分より長くしたことを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載のベルト定着装置。
7.前記金属部材が金属板であり、該金属板の板厚をニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分においては他の部分より厚くしたことを特徴とする前記2,4,5に記載のベルト定着装置。
8.前記金属部材が金属線であり、該金属線の線径をニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分においては他の部分より太くしたことを特徴とする前記3〜5の何れか1項に記載のベルト定着装置。
9.ニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分と他の部分において前記金属部材を異なる材質で形成し、最下流近傍の部分を他の部分よりヤング率の高い材質で形成したことを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載のベルト定着装置。
10.前記1〜9の何れか1項に記載のベルト定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明のベルト定着装置及び画像形成装置によれば、予め所定の形状・寸法に加工された複数の金属部材の集合体によって定着ベルトを定着部材に圧接させるので、加工誤差が生ずることがなく、ニップ部において所望の圧力分布が得られる。従って、定着した画像の光度や濃度が不均一になったり、画像ずれが発生したり、記録材としての記録紙に皺が寄ったりする虞がない。また、ニップ部における搬送方向最下流近傍の押圧力を任意に高めることが可能であり、ニップ部で定着された記録材を分離爪等を用いずとも定着部材から確実に剥離して分離することができる。
以下に本発明の定着装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写体6、給紙搬送手段及び定着装置9等からなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段8Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段8Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段8Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段8Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
ベルト定着装置100は、加熱された定着ローラ101と定着ベルト102との間に形成されたニップ部で記録紙(記録材)P上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pはベルト定着装置100において加熱・加圧され、記録紙P上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写体を用いても用いなくてもよい。
次に、本発明を用いたFBNF方式のベルト定着装置の実施の形態を図2を参照して説明する。図2は定着ベルト102等の長手方向に対して直交する断面図である。
定着ローラ101(定着部材)は、中央にハロゲンランプ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムや鉄等から形成された円筒状芯金101Aと、円筒状芯金101Aを被覆し耐熱性の高いシリコーンゴムから成る弾性層101Bと、更に弾性層101Bを被覆しパーフルオロアルコキシ(以下、PFAと称す)若しくはポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称す)等のフッ素樹脂から成る離型層101Cと、により構成されている。
定着ベルト102は、ポリイミドにより形成された基体と、基体の外表面を被覆するPFA若しくはPTFEで形成された離型層とにより構成されていて、無端状に形成されている。なお、図においては、厚みが薄い定着ベルト102に基体と離型層を描くと不明瞭になるので、省略してある。
ここで、定着ベルト102を定着ローラ101に押圧し、記録材Pを定着するためのニップ部Nを形成するために、加圧によって撓むことが可能な複数の金属板103(金属部材)を配列した集合体が設けられている。そして、各金属板103は、端面(板の破断面)が定着ローラ101と対向し、記録材Pの搬送方向に配列されている。各金属板103は根本が耐熱樹脂から形成された保持部材104に保持されている。また、保持部材104の下方には圧縮バネ105が設けられ、圧縮バネ105の付勢力により複数の金属板103の端面を定着ベルト102を介して定着ローラ101に押圧している。更に、複数の金属板103と定着ベルト102との摺動性を向上させるため、例えば厚み50μmのPFAのフッ素樹脂で形成された低摩擦のシート106で、少なくとも金属板103の集合体における定着ローラ101に対向する部分を被覆する。これによって、金属板103が定着ベルト102に直接接触することはない。
なお、複数の金属板103、保持部材104、圧縮バネ105及びシート106が請求項における加圧手段に相当する。
そして、これらの部材は耐熱樹脂から形成されたホルダー108により保持されている。
オイルパッド112はスポンジ等から形成されてシリコーンオイル等からなる潤滑剤を含有し、ホルダー109に保持され、定着ベルト102の内周面に圧接している。そして、潤滑剤を定着ベルト102の内周面に供給するので、定着ベルト102の摺動抵抗は更に小さくなる。
ホルダー108,109は中央に配置された金属製のフレーム110によって保持されている。なお、定着ベルト102の回転時に、ホルダー108,109は定着ベルト102を案内する案内部材としての機能も有する。
このように構成されたベルト定着装置100において、ハロゲンランプHにより加熱され、不図示の駆動手段によって駆動された定着ローラ101が時計方向に回転する。また、複数の金属板103は圧縮バネ105により加圧され、シート106を介して定着ベルト102を内周面側から押圧して定着ローラ101に圧接させる。
従って、定着ベルト102は、定着ローラ101の回転によって反時計方向に回転し、定着ローラ101に圧接して凹状に弾性変形するので、定着ベルト102と定着ローラ101との間に幅広のニップ部Nが形成される。そして、搬送された記録紙Pはニップ部Nで狭着され、記録紙P上の未定着トナーは加熱・加圧されて定着される。
また、画像形成装置の出荷時や、記録紙のジャム処理時や、メインテナンスのときのために、定着ベルト102を複数の金属板103等と共に定着ローラ101より離間させ、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除させる圧着解除手段が設けられている。この圧着解除手段を図3を参照して説明する。図3(a)は定着装置の使用時の状態の図で、図3(b)は定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除した図である。
図3(a)において、回動部材117は支軸131に軸支されて回動可能である。そして、回動部材117の端部117Aが圧縮バネ105により押圧され、回動部材117は反時計方向に付勢されている。従って、前述のフレーム110を支持する支持部材116を介して定着ベルト102も回動し、定着ベルト102は定着ローラ101に圧着している。
一方、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除するときは、図3(b)に示す如く、カム133を回転させる。カム133が回転すると、回動部材117の底部117Bがカム133によって押圧され、回動部材117は圧縮バネ132の付勢力に抗して時計方向に回動する。従って、支持部材116を介して定着ベルト102も回動し、定着ベルト102は定着ローラ101より離間するので、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着が解除される。
このようにして、ニップ部Nへの押圧力は圧縮バネ105によるバネ圧と圧縮バネ132によるバネ圧とにより定まる。
ここで、図4の拡大図に示す如く、定着ローラ101と対向する複数の金属板103の端面が記録材Pの搬送方向最下流近傍の部分を除いて定着ローラ101の外形に沿った形状になるように各々の金属板103は形成されている。即ち、定着ローラ101の半径に定着ベルト102の肉厚とシート106の肉厚とを加えた値の円弧に略等しく凹状に形成されている。従って、予め所定の形状・寸法に加工された複数の金属板103を組み合わせて用いるので、ニップ部Nにおける圧力分布を確実に均一にすることが可能になる。依って、従来のゴムを用いて加工により不均一な圧力分布になる場合と異なり、画像ずれ等の画像不良が発生し難くなる。
但し、記録材Pの搬送方向最下流近傍の部分においては、複数の金属板103の長さをより長く形成し、押圧力を高めている。これにより、複数の金属板103がシート106を介して定着ベルト102を定着ローラ101を押圧し、定着ローラ101の弾性層101Bと離型層101Cとを曲率の大きい凹状に弾性変形させる。従って、ニップ部Nで定着された記録紙Pは分離爪等を用いずとも定着ローラ101から確実に剥離して分離する。
なお、図4においては複数の金属板103の長さを前述の条件に合うように各々変えているが、複数の金属板103の側面により形成される曲線になるように、保持部材104における金属板103側の部分を曲線に形成すれば、各々の金属板103の長さを同一に加工することができる。
このように金属板103の長さ、若しくは保持部材104における所定の面からの金属板103の高さを変えることにより、連続した圧力分布に形成することが可能になる。
また、記録材Pの搬送方向最下流近傍における複数の金属板103の板厚を他の金属板103より厚くして押圧力を高めてもよい。
このように板厚を変えることにより、金属板103を部分的に特に長くしなくてもよく、強度が増し、耐久性能が向上する。
以上の金属板103の一例として、長さを平均で10mm、記録材Pの搬送方向と直交する方向の奥行き長さを350mm、板厚を0.05mmとしたものを用いる。このとき、ニップ幅を10mmとすると、金属板103の総数は200枚になる。
金属板103はリン青銅(ヤング率1.13E+11)やニッケル(ヤング率2.19E+11)で形成することが好ましい。
従って、ニップ圧が弱くモノクロ画像や非塗工紙を定着する定着装置の場合にはリン青銅を用いることが好ましく、ニップ圧が強くカラー画像や塗工紙を定着する定着装置の場合にはニッケルを用いることが好ましい。
なお、ニップ部Nへ押圧する面圧を100〜1000kPaとすることが望ましい。
また、記録材Pの搬送方向最下流近傍に位置して分離の作用を行う金属板103に関しては、ヤング率がより高いニッケルを用い、他の金属板103に関してはヤング率がより低いリン青銅を用いるようにしてもよい。
これにより、金属板103を部分的に特に長くしなくてもよく、強度が増し、耐久性能が向上する。
また、各金属板103は互いに密着した状態で保持部材104に保持されていることが望ましい。
更に、金属板103は使用時にニップ部Nにて記録材Pの搬送方向下流側に撓んだ状態になるので、実際には金属板103のエッジがシート106を介して定着ベルト102を押圧する。従って、少なくとも記録材Pの搬送方向上流側のエッジを円弧状に丸めて加工することが望ましい。
なお、金属板103をプレス加工した際に端面にだれて形成される部分を記録材Pの搬送方向上流側に配置し、端面に形成されるバリの部分を記録材Pの搬送方向下流側に配置するようにしてもよい。
その他に、前述の金属板103に代えて複数本の金属線を金属部材として用いてもよい。この場合は、各金属線の端面(長手方向と直角に切断した破断面)が定着ローラ101と対向し、ブラシ状に配置される。
なお、記録材Pの搬送方向最下流近傍における複数の金属線の線径を他の金属線より太くして押圧力をより高めてもよい。
これにより、金属線を部分的に特に長くしなくてもよく、強度が増し、耐久性能が向上する。
金属線の長さは前述の金属板103と同様であり、材質も同様にリン青銅やニッケルが好ましい。例えば線径が0.3mmの金属線を用い、ニップ部Nの幅を10mmとし、奥行きを350mmとした場合には、金属線を幅方向に33本配置し、奥行き方向に1167本配置し、合計38511本用いることになる。
また、記録材Pの搬送方向最下流近傍に位置して分離の作用を行う金属線に関しては、ヤング率がより高いニッケルを用い、他の金属線に関してはヤング率がより低いリン青銅を用いるようにしてもよい。
これにより、金属線を部分的に特に長くしなくてもよく、強度が増し、耐久性能が向上する。
更に、ニップ部Nにおいては、記録材Pの搬送方向と直交する方向において、端部より中央部の押圧力を高めることによって、記録紙Pに皺が発生することを防止できる。このために、金属板103を中央部が高い山形に形成してもよい。また、金属線の場合は、中央部を長くしたり、太くしたり、ヤング率がより高い材料で形成したりすればよい。
その他に、金属板103や金属線を保持部材104が保持するための加工方法としてはアウトサート成型が望ましいが、接着であってもよい。
ところで、以上の如くニップ部を押圧するために金属部材である金属板や金属線を用いるベルト定着装置としては図2に示したFBNF方式のベルト定着装置に限定されるものではない。以下に他の方式のベルト定着装置を図5及び図6に基づいて説明する。
図5に示すベルト定着装置は、下加熱ローラ205と分離ローラ206とテンションローラ207に定着ベルト202が巻回されている。そして、保持部材204に保持された複数の金属板203(金属部材)が定着ベルト202を介して上加熱ローラ201(定着部材)を押圧している。これにより、定着ベルト202と上加熱ローラ201とにより形成されたニップ部Nの中央で定着ベルト202が緩んで圧力分布が不均一になることを防止している。
図6に示すベルト定着装置は、上方に位置する2本の上加熱ローラ301に定着ベルト302が巻回され、下方に位置する2本の下加熱ローラ305に定着ベルト306(定着部材)が巻回されている。そして、保持部材304に保持された複数の金属板303(金属部材)が定着ベルト302,306を介して固定部材307を押圧している。これにより、2本の定着ベルト302,306が当接するニップ部Nの中央で定着ベルト302、306の少なくとも何れか一方が緩んで圧力分布が不均一になることを防止している。
これらの金属板203,303は前述の金属板103と同様に形成されるが、前述の金属線であってもよい。
また、図5、6以外の構成の定着装置もあり得るが、金属板103や金属線を定着部材に押圧する方向は記録材におけるトナーが転写された面であっても、その裏面であってもどちらでもよい。
画像形成装置の構成図である。 ベルト定着装置の断面図である。 圧着解除手段の図である。 複数の金属板の拡大図である。 他の方式のベルト定着装置の断面図である。 他の方式のベルト定着装置の断面図である。
符号の説明
100 ベルト定着装置
101 定着ローラ
102 定着ベルト
103,203,303 金属板
104,204,304 保持部材
105,132 圧縮バネ
106 シート
P 記録材
N ニップ部

Claims (10)

  1. 無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを定着部材に圧接させるべく加圧する加圧手段と、を有し、
    前記定着ベルトと前記定着部材との間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着するベルト定着装置において、
    前記加圧手段は、記録材の搬送方向に配列された複数の金属部材の集合体から構成されることを特徴とするベルト定着装置。
  2. 前記金属部材は金属板であることを特徴とする請求項1に記載のベルト定着装置。
  3. 前記金属部材は金属線であり、ブラシ状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト定着装置。
  4. 前記金属部材の集合体における少なくとも前記定着部材と対向する部分は樹脂のシートで被覆されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のベルト定着装置。
  5. 前記定着部材は、加熱手段を有して回転する定着ローラであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のベルト定着装置。
  6. 前記金属部材の長さをニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分においては他の部分より長くしたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のベルト定着装置。
  7. 前記金属部材が金属板であり、該金属板の板厚をニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分においては他の部分より厚くしたことを特徴とする請求項2,4,5に記載のベルト定着装置。
  8. 前記金属部材が金属線であり、該金属線の線径をニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分においては他の部分より太くしたことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載のベルト定着装置。
  9. ニップ部における記録材の搬送方向最下流近傍の部分と他の部分において前記金属部材を異なる材質で形成し、最下流近傍の部分を他の部分よりヤング率の高い材質で形成したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のベルト定着装置。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のベルト定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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