JP2009122233A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でニップ部の長手方向における面圧分布が良好になる定着装置。
【解決手段】弾性層を有すると共に加熱手段を有して回転する定着ローラと、前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧部材と、前記加圧部材に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離部材と、前記分離部材における前記定着ベルト側の端面に対して逆側となる端面を支持する支持部材と、を備え、前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、前記分離部材は同じ材質で構成されると共に、前記支持部材側に複数の空間を有する。
【選択図】図4
【解決手段】弾性層を有すると共に加熱手段を有して回転する定着ローラと、前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧部材と、前記加圧部材に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離部材と、前記分離部材における前記定着ベルト側の端面に対して逆側となる端面を支持する支持部材と、を備え、前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、前記分離部材は同じ材質で構成されると共に、前記支持部材側に複数の空間を有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、定着ベルトを有するFBNF方式の定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材上に転写し、この後、記録材上のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY,M,C,Kの潜像を4個の感光体ドラムに形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材上に二次転写して、記録材上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーと記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、軸方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、外周面にシリコーンゴムから形成された弾性層を有し中央にハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内側から定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧パッドとを備え、定着ローラと定着ベルトとにより形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら加熱・加圧する、所謂FBNF(Free Belt Nip Fuser)方式の定着装置が特許公報に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この定着装置によれば、加圧パッドにより定着ローラに押圧された定着ベルトが弾性変形し、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成される。従って、高速化に対応でき、定着装置が大型化することもない。更に、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
特開2006−84655号公報
定着装置においては、ニップ部を通過した記録材が溶融トナーの粘着力によって定着ローラに張り付いてしまうことがある。これを防止するために、FBNF方式の定着装置においては、加圧パッドに対して記録材の搬送方向下流側に、定着ベルトを内周面側から定着ローラの方向に押圧して定着ベルトを定着ローラに圧着させ、定着ローラの弾性層を大きな曲率で凹状に弾性変形させる分離部材を配置したものがある。これにより、分離爪等の格別の分離部材を設けずに、記録材を定着ローラから分離させることが可能になる。
また、分離部材における定着ベルト側の端面に対して逆側の端面を支持する支持部材が設けられている。分離部材は定着ローラの弾性層の反力を受け、且つ、分離部材は比較的高い剛性を有しているので、支持部材は強い押圧力を受け、撓みが生じやすい。支持部材は長手方向(記録材の搬送方向と直交する方向)に高い平面度になるように加工されているが、加工誤差や組立誤差があり、ニップ部の長手方向において面圧分布のバラツキが生ずる。この面圧分布のバラツキが大きいと、記録材の分離が不充分になる場合があり、また、記録材に光沢ムラや皺が発生することがある。
この問題を解決するために、特許文献1においてはフッ素ゴムやシリコーンゴムで形成され分離部材を弾性支持する弾性支持部材を設け、この弾性支持部材の弾性変形により支持部材の撓みを吸収してニップ部の面圧分布を均一化している。
しかし、このような弾性支持部材を設けると、この部材は長手方向において均一な弾性が要求され、高価な部品となる。また、長期にわたって押圧されるので、ゴム固有の特性により耐久性に関しても充分でない。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で支持部材の撓みによる影響を吸収する部位を分離部材に設け、ニップ部の長手方向における面圧分布が良好になる定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.弾性層を有すると共に加熱手段を有して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧部材と、
前記加圧部材に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離部材と、
前記分離部材における前記定着ベルト側の端面に対して逆側となる端面を支持する支持部材と、
を備え、
前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記分離部材は同じ材質で構成されると共に、前記支持部材側に複数の空間を有することを特徴とする定着装置。
2.前記分離部材における空間は、長手方向に連設された複数の空孔であることを特徴とする1に記載の定着装置。
3.前記分離部材における空間は、長手方向に連設された複数の櫛歯状の空間であることを特徴とする1に記載の定着装置。
4.前記分離部材における変形する部位は、長手方向に他の部位より薄く形成された薄肉部であることを特徴とする1に記載の定着装置。
5.1〜4の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
1.弾性層を有すると共に加熱手段を有して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧部材と、
前記加圧部材に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離部材と、
前記分離部材における前記定着ベルト側の端面に対して逆側となる端面を支持する支持部材と、
を備え、
前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記分離部材は同じ材質で構成されると共に、前記支持部材側に複数の空間を有することを特徴とする定着装置。
2.前記分離部材における空間は、長手方向に連設された複数の空孔であることを特徴とする1に記載の定着装置。
3.前記分離部材における空間は、長手方向に連設された複数の櫛歯状の空間であることを特徴とする1に記載の定着装置。
4.前記分離部材における変形する部位は、長手方向に他の部位より薄く形成された薄肉部であることを特徴とする1に記載の定着装置。
5.1〜4の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明の定着装置及び画像形成装置によれば、簡単な構成で支持部材の撓みによる影響を吸収し、ニップ部の長手方向における面圧分布が良好になる。従って、記録材の分離が不充分になったり、記録材に光沢ムラや皺が発生したりすることがない。
以下に本発明の定着装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写体6、給紙搬送手段及び定着装置9等からなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段8Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段8Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段8Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段8Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置100は、加熱された定着ローラ101と定着ベルト102との間に形成されたニップ部で記録紙(記録材)P上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは定着装置100において加熱・加圧され、記録紙P上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写体を用いても用いなくてもよい。
次に、本発明の定着装置100の主要構成の実施の形態を図2を参照して説明する。図2は定着ベルト102等の幅方向に対して直交する断面図である。
定着ローラ101は、中央にハロゲンランプ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムや鉄等から形成された円筒状芯金101Aと、円筒状芯金101Aを被覆し耐熱性の高いシリコーンゴムから成る弾性層101Bと、更に弾性層101Bを被覆しPFA(パーフルオロアルコキシ)若しくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂から成る離型層101Cと、により構成されている。
定着ベルト102は、ポリイミドにより形成された基体と、基体の外表面を被覆するPFA若しくはPTFEで形成された離型層とにより構成されていて、無端状に形成されている。
加圧パッド103(加圧部材)は、例えば硬度JISA約10°のシリコーンゴムから形成され、ステンレスから形成されたベース板金104、及び耐熱樹脂から形成されたベース部材105と共に、耐熱樹脂から形成されたホルダー108に保持されている。また、ベース部材105の裏面には圧縮バネ106が配置されている。
分離部材107は定着された記録紙Pの分離性を向上させるために、加圧パッド103に対して記録紙Pの搬送方向下流側に配置されている。分離部材107はPPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱樹脂若しくはアルミニュウム等の金属を用い、先端部が曲率の大きい円弧に形成されている。また、ホルダー108,109を保持する金属製のフレーム110が中央に配置され、分離部材107における定着ベルト102側の端面に対して逆側の端面はフレーム110(支持部材)により支持されている。
摺動部材111は、ガラス繊維シートをフッ素樹脂(PTFE)やテフロン(登録商標)でコーティングして形成され、定着ベルト102の内周面と加圧パッド103との間、及び定着ベルト102の内周面と分離部材107との間に配置され、一端がフレーム110に固定されている。
オイルパッド112はスポンジ等から形成されてシリコーンオイル等からなる潤滑剤を含浸し、ホルダー109に保持され、定着ベルト102の内周面に圧着している。
なお、定着ベルト102の回転時に、ホルダー108は摺動部材111を介して定着ベルト102を案内し、ホルダー109は定着ベルト102を直接案内する案内部材としての機能も有する。
このように構成された定着装置100において、ハロゲンランプHにより加熱され、不図示の駆動手段によって駆動された定着ローラ101が時計方向に回転する。また、加圧パッド103が圧縮バネ106によりベース板金104及びベース部材105を介して押圧され、加圧パッド103は摺動部材111を介して定着ベルト102を定着ローラ101に押圧する。更に、分離部材107が摺動部材111を介して定着ベルト102を定着ローラ101を押圧する。
従って、定着ベルト102は、定着ローラ101の回転によって反時計方向に回転し、加圧パッド103により定着ローラ101に押圧されて弾性変形するので、定着ベルト102と定着ローラ101との間に幅広のニップ部Nが形成される。そして、搬送された記録紙P上の未定着トナーはニップ部Nで加熱・加圧されて定着される。
また、分離部材107が摺動シート111を介して定着ベルト102を定着ローラ101を押圧し、定着ローラ101の弾性層101Bと離型層101Cとを曲率の大きい凹状に弾性変形させる。従って、ニップ部Nで定着された記録紙Pは分離爪等を用いずとも定着ローラ101から確実に剥離して分離する。
また、定着ベルト102の内周面は回転時に摺動部材111に摺動するが、摺動部材111は摩擦係数が小さいので、両者の間の摺動抵抗は小さい。更に、オイルパッド112から潤滑剤としてのシリコーンオイルが定着ベルト102の内周面と摺動部材111の外表面に供給されるので、更に摺動抵抗は小さくなる。
次に、画像形成装置の出荷時や、記録紙のジャム処理時や、メインテナンスのときのために、定着ベルト102を加圧パッド103や分離部材107等と共に定着ローラ101より離間させ、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除させる圧着解除機構が設けられている。この圧着解除機構を図3を参照して説明する。図3(a)は定着装置の使用時の状態の図で、図3(b)は定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除した図である。
図3(a)において、回動部材117は支軸131に軸支されて回動可能である。そして、回動部材117の端部117Aが圧縮バネ132により押圧され、回動部材117は反時計方向に付勢されている。従って、前述のフレーム110を支持するフレーム支持部材116を介して定着ベルト102も回動し、定着ベルト102は定着ローラ101に圧着する。
一方、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除するときは、図3(b)に示す如く、カム133を回転させる。カム133が回転すると、回動部材117の底部117Bがカム133によって押圧され、回動部材117は圧縮バネ132の付勢力に抗して時計方向に回動する。従って、フレーム支持部材116を介して定着ベルト102も回動し、定着ベルト102は定着ローラ101より離間するので、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着が解除される。
このようにして、ニップ部Nへの押圧力は圧縮バネ105によるバネ圧と圧縮バネ132によるバネ圧により定まる。
以上の如き定着装置において、分離部材107は定着ローラ101の弾性層101Bの反力を受け、且つ、分離部材107は比較的剛性の高い材質で形成されているので、フレーム110は強い押圧力を受け、撓みが生じやすい。フレーム110は長手方向(記録材Pの搬送方向と直交する方向)に高い平面度になるように形成されているが、加工誤差や組立誤差があり、ニップ部Nの長手方向において面圧分布のバラツキが生ずる。この面圧分布のバラツキが大きいと、記録材Pの分離が不充分になる場合があり、また、記録材Pに光沢ムラや皺が発生することがある。
この問題を解決するために、分離部材107は同じ材質で構成されると共に、フレーム110側に複数の空間を有している。
即ち、分離部材107の側面図である図4に示す如く、分離部材107に複数の空孔107Aをフレーム110の近傍における長手方向に連設している。これによって、分離部材107が定着ベルト102を定着ローラ101に圧接させたとき、定着ローラ101の反力によりフレーム110が撓んでも、フレーム110が山状に撓んだ部所に対応する空孔107Aが押しつぶされ変形する。従って、フレーム110に撓みがあっても、ニップ部Nの長手方向における面圧分布は均一になる。
なお、分離部材107はフレーム110により定着ベルト102を介して定着ローラ101を押圧するが、フレーム110は必然的に両端支持になるので、定着ローラ101への押圧力は両端部より中央部の方が低くなる。この差を是正するために、分離部材107の定着ベルト102側の端面107Bを中央部が両端部より高い円弧状に形成している。
また、図4においては空孔107Aが長手方向に2列に連設されているが、1列であっても3列以上に連設されていてもよい。
更に、空孔107Aが1列の場合や、2列以上であっても隣り合う空孔107Aが離れている場合に、二つの空孔107Aの間にフレーム110の山状に撓んだ部分のピークが位置することもあり得る。しかし、狭い範囲で尖っていて直ちに発見されるような凸部が形成されたフレーム110は定着装置の組み立て前に排除される。従って、フレーム110の撓みによってピッチの大きい山部のピークが隣り合う二つの空孔107Aの間に位置しても、隣り合う二つの空孔107Aや、更にこれらに隣り合う空孔107Aが共に変形するので、ニップ部Nの長手方向における面圧分布の均一化に影響することはない。
次に、このような空孔107Aを有する分離部材107を設けた場合と、特許文献1に記載の如く分離部材を弾性支持する弾性支持部材を設けた場合との比較実験を行ったので実験結果を記す。
図5は二つの形状・寸法を示す図であり、図5(a)は空孔107Aを有する分離部材107の図、図5(b)は分離部材507と弾性支持部材508の図である。なお、寸法の数字の単位はmmである。また、分離部材107及び分離部材507は液晶ポリマーで、弾性支持部材508は硬度60°(JIS K6253)の耐熱フッ素ゴムから形成されている。
また、両者を組み込んだ定着装置におけるフレーム110の平面度は共に0.3mm以下である。
このような条件で両者を組み込んだ定着装置を図1の如き画像形成装置に各々組み込み、各々30万コピーを行った。
この結果、ニップ部Nの長手方向における面圧分布は、分離部材107の場合は0%で均一のままであったが、分離部材507の場合は10%のバラツキが生じた。これは、弾性支持部材508が劣化し硬度にバラツキが生じたものと思われる。
なお、以上の如く説明した分離部材107の空孔107Aは円形であったが、円形に限定されるものではなく、楕円であっても四角形であっても、どのような形状であってもよい。
また、分離部材207における複数の空間としては、前述の空孔107Aに限定されるものではなく、図6に示す如く、分離部材207におけるフレーム110側の端面に複数の櫛歯状の空間を連設してもよい。この場合は押圧力によって櫛歯207Aが撓むので、同様な効果が得られる。
更に、不図示であるが、分離部材におけるフレーム110側の部分を他の部分より薄い薄肉部を形成してもよい。この場合は押圧力によって薄肉部が厚み方向に撓むので、同様な効果が得られる。
100 定着装置
101 定着ローラ
101B 弾性層
102 定着ベルト
103 加圧パッド
107,207 分離部材
107 空孔
110 フレーム
207A 櫛歯
H ハロゲンランプ
N ニップ部
101 定着ローラ
101B 弾性層
102 定着ベルト
103 加圧パッド
107,207 分離部材
107 空孔
110 フレーム
207A 櫛歯
H ハロゲンランプ
N ニップ部
Claims (5)
- 弾性層を有すると共に加熱手段を有して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧部材と、
前記加圧部材に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離部材と、
前記分離部材における前記定着ベルト側の端面に対して逆側となる端面を支持する支持部材と、
を備え、
前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記分離部材は同じ材質で構成されると共に、前記支持部材側に複数の空間を有することを特徴とする定着装置。 - 前記分離部材における空間は、長手方向に連設された複数の空孔であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記分離部材における空間は、長手方向に連設された複数の櫛歯状の空間であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記分離部材における変形する部位は、長手方向に他の部位より薄く形成された薄肉部であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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2007
- 2007-11-13 JP JP2007294113A patent/JP2009122233A/ja active Pending
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