JP4752907B2 - 定着ベルト、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着ベルト、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑剤を保持し易く摺動抵抗を低減できる定着ベルト、該定着ベルトを備えた定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材上に転写し、この後、記録材上のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY、M、C、Kの潜像を4個の感光体ドラムに形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材上に二次転写して、記録材上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンヒータ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーと記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、軸方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、シリコーンゴムから形成された弾性層を有し中央にハロゲンヒータ等の加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内周面側に配置された押圧パッドと、を備え、押圧パッドにより定着ベルトを定着ローラの方向に押圧する定着装置が特許公報に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この定着装置によれば、押圧パッドにより定着ローラに押圧された定着ベルトが弾性変形し、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成される。従って、高速化に対応でき、定着装置が大型化することがない。更に、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
特開2006−91182号公報
特許文献1の定着装置においては、回転する定着ベルトの内周面を回転しない圧力パッドに対して摺動させると、摺動抵抗が大きくなり、定着ベルトのずれによる定着画像品質の低下、定着ベルトの駆動トルクの増大による定着ベルトを駆動するモータの消費電力の増大、減速歯車の破損、定着ベルトの内周面の摩耗等が発生する虞がある。そこで、定着ベルトと圧力パッドとの間の摺動抵抗を減少させるために、定着ベルトと圧力パッドの間に低摩擦の材料から形成された摺動シートを配置し、更に、定着ベルトの内周面に圧着して潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材が設けられている。
加えて、定着ベルトの内周面を粗面に形成している。この際に、定着ベルトの内周面の表面粗さ値を大きくすれば、摺動シートとの接触面積が小さくなって摺動シートとの摺動抵抗が減少するが、定着ベルトと摺動シートとの接触による摺擦音が大きくなる。これに対して、定着ベルトの内周面の表面粗さ値を小さくすれば、摺擦音が小さくなるが、摺動抵抗の低減効果は小さい。
そこで特許文献1の定着装置においては、定着ベルトの内周面の表面粗さ値に関して、最大山高さと最大谷深さとの比率を所定の条件式で規定すると共に、最大山高さに最大谷深さを加えた値である最大高さも所定の条件式で規定しており、これによって摺動抵抗と摺擦音を同時に低減することができると記載されている。
一方、本発明者は定着ベルトの内周面の表面粗さと定着ベルトの駆動トルク低減との関係について鋭意検討してきたが、特許文献1に規定する表面粗さの条件式では駆動トルク低減に不充分であることが分かった。即ち、測定値では特許文献1の条件式を満足しても、表面の凹凸の相違によって駆動トルクが低い場合と高い場合とがあり、定着ベルトの内周面をこのように規定しただけでは、確実な対策とはならないことを見出した。
即ち、この条件式は定着ベルトの表面の微細な山の高さ、言い換えれば凸部の高さと、谷の深さ、言い換えれば凹部の深さとに関してのみ規定したものであり、凸部と凹部の横方向への広がりに関しては全く考慮されていない。従って、微小な幅の凹部においては潤滑剤が表面張力によって凹部より溢れてしまい、潤滑剤を確実に保持することが困難になる。このために、定着ベルトの内周面の表面粗さの条件式が同じであっても微小な幅の凹部が多数ある場合は潤滑剤を確実に保持し難く、駆動トルクを低減することはできなかった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、定着ベルトの内周面の表面粗さを凸部の高さと凹部の深さだけでなく凸部や凹部の横方向への広がりをも考慮し、接触抵抗を小さくして摺動抵抗を低減すると共に潤滑剤を安定して保持できるようにし、この結果、定着ベルトの駆動トルクを低減できるように構成した定着ベルト、該定着ベルトを備えた定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置を提案することを発明の目的とする。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.加熱手段を有して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する定着ベルトと、
前記定着ベルトの内周面側に位置する摺動シートと、
前記摺動シートを介して前記定着ベルトを前記定着ローラの方向に押圧する押圧手段と、
前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、を備え、
前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着ベルトは、内周面の前記摺動シートに対応する部分に、前記定着ベルトの回転方向と同方向にピッチ4〜5mmで高さ3〜5μmのうねりが形成されていると共に、ピッチ0.1mmで高さ3〜4μmの凹凸が形成されていることを特徴とする定着装置。
2.前記定着ベルトは複数のローラに張架されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
3.請求項1または2の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、定着ベルトの内周面の表面粗さを凸部の高さと凹部の深さだけでなく凸部や凹部の横方向への広がりをも考慮したので、接触抵抗を小さくして摺動抵抗を低減すると共に潤滑剤を安定して保持することができ、この結果、定着ベルトの駆動トルクを確実に低減することができる。
本発明を以下の実施の形態に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
先ず、本発明に係わる画像形成装置の一例を、図1の構成図を参照して説明する。
本画像形成装置は画像読取装置YS、画像形成装置GH等で構成される。画像形成部GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、中間転写体6、2次転写手段7A、定着装置100、給紙手段20等で構成される。
画像形成部GHの上部には、自動原稿送り装置501と原稿画像走査露光装置502からなる画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置501の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置502の光学系により原稿の片面または両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された画像信号は、不図示の画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y、3M、3C、3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y、一次転写手段7Y及びクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M、一次転写手段7M及びクリーニング手段8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C、一次転写手段7C及びクリーニング手段8Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K、一次転写手段7K及びクリーニング手段8Kを有する。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C、及び帯電手段2Kと露光手段3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置100は、ハロゲンヒータを内蔵した定着ローラ101と定着ベルト102との間に形成されたニップ部で記録紙P(記録材)上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に1次転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次1次転写されて、カラー画像合成されたトナー像が形成される。
給紙トレイ21内に収容された記録紙Pは、給紙手段20の給紙ローラ22により1枚分離されて給紙され、複数の給紙ローラ23を経て、停止状態にあるレジストローラ24へ給紙される。そこで一旦停止されて、その先端と中間転写体6上のトナー像との位置関係が正確に一致するタイミングで、レジストローラ24が回転を開始することにより2次転写手段7Aに給紙され、記録紙P上にカラー画像が2次転写される。カラー画像が転写された記録紙Pは定着装置100において加熱・加圧され、記録紙P上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、中間転写体クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよく、また、二次転写を行わない画像形成装置であってもよい。
次に、本発明に係わる定着装置100の一例を図2の拡大断面図に基づいて説明する。この定着装置100は定着ベルトがローラに張架されていないFBN(Free Belt Nip)方式の定着装置である。
定着ローラ101は、中央にハロゲンヒータ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムや鉄等から成る円筒状芯金101Aと、円筒状芯金101Aを被覆し耐熱性の高いシリコーンゴムから成る弾性層101Bと、更に弾性層101Bを被覆しPFA(パーフルオロアルコキシ)若しくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂から成る離型層101Cと、により構成されている。
定着ベルト102は、ポリイミドから成る基体と、基体の外表面を被覆するPFA若しくはPTFEで成る離型層とにより構成されていて、無端状に形成されている。
加圧パッド103は、例えば硬度JISA約10°のシリコーンゴムから成り、ステンレスから成るベース板金104、及び耐熱樹脂から成るベース部材105と共に、耐熱樹脂から成るホルダー108に保持されている。また、ベース部材105の裏面には圧縮バネ106が配置されている。なお、加圧パッド103、ベース板金104、ベース部材105及び圧縮バネ106が押圧手段に相当する。
分離部材107は定着された記録紙Pの分離性を向上させるために、加圧パッド103に対して記録紙Pの搬送方向下流側に配置されている。分離部材107はPPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱樹脂若しくはアルミニュウム等の金属から成り、先端部が曲率の大きい円弧に形成されている。また、ホルダー108を保持する金属製のフレーム110が中央に配置されている。
摺動シート111は、ガラス繊維シートをフッ素樹脂(PTFE)やテフロン(登録商標)でコーティングして形成されて摩擦抵抗が小さく、定着ベルト102と加圧パッド103との間、及び定着ベルト102と分離部材107との間に配置され、一端がフレーム110に固定されている。
案内部材109は定着ベルト102の内周面側に位置してフレーム110に保持されていて、摺動シート111が配置されていない位置で定着ベルト102を案内する。
潤滑剤供給手段としてのオイルパッド112はスポンジ等から成り、シリコーンオイル等から成る潤滑剤を含浸し、案内部材109に保持され、定着ベルト102の内周面に圧着している。
このように構成された定着装置100において、ハロゲンヒータHにより加熱され、不図示の駆動手段によって駆動された定着ローラ101が時計方向に回転する。また、加圧パッド103が圧縮バネ106によりベース板金104及びベース部材105を介して押圧され、加圧パッド103は摺動シート111を介して定着ベルト102を定着ローラ101に押圧すると共に自らが弾性変形する。更に、分離部材107が摺動シート111を介して定着ベルト102を定着ローラ101に押圧し、定着ローラ101を弾性変形させる。
従って、ローラによって張架されていないでフリーな状態の定着ベルト102は、定着ローラ101の回転によって反時計方向に回転し、摺動シート111及び案内部材109の上を摺動する。また、定着ベルト102は加圧パッド103により定着ローラ101に押圧されて加圧パッド103と共に弾性変形するので、定着ベルト102と定着ローラ101との間に幅広のニップ部Nが形成される。そして、搬送された記録紙P上の未定着のトナー像はニップ部Nで加熱・加圧されて定着される。
分離部材107は、摺動シート111を介して定着ベルト102を定着ローラ101に押圧し、定着ローラ101の弾性層101Bと離型層101Cとを曲率の大きい凹状に弾性変形させる。従って、ニップ部Nで定着された記録紙Pは分離爪等を用いずとも定着ローラ101から確実に剥離して分離する。
なお、定着ベルト102の内周面は回転時に摺動シート111に摺動するが、摺動シート111は摩擦係数が小さいので、両者の間の摺動抵抗は小さい。更に、オイルパッド112から潤滑剤としてのシリコーンオイルが定着ベルト102の内周面に供給されるので、摺動抵抗は一層小さくなる。
しかし、実際の定着装置において定着ベルトが低トルクで回転するためには、上述の構成のみでは不充分であり、定着ベルトの内周面に微細な凹凸を形成し、摺動シート等への接触面積を小さくして摺動抵抗を低減することが望ましい。
更に、定着ベルトが長期間にわたって低トルクで回転するためには、潤滑剤が定着ベルト102の内周面に安定して保持されることが必要である。しかし、定着ベルトの内周面に微細な凹凸を形成するだけでは潤滑剤が表面張力によって凹部から溢れ出してしまうことがあり、潤滑剤は安定して保持され難い。
そこで、定着ベルトの内周面にうねりを設けると共に微細な凹凸を設けることにより、定着ベルトの接触面積が小さくなって摺動抵抗を低減することができると共に、うねりの凹部で潤滑剤を安定して保持することができるようになる。
なお、うねりのピッチと高さ及び小凹凸のピッチと高さは、図3に示す如く定義する。
但し、うねりや微細な凹凸(以下、小凹凸という)が大き過ぎても小さ過ぎても、潤滑剤の保持や摺動抵抗の低減に対して充分ではないことが予測される。これは下記の理由による。
小凹凸のピッチが小さ過ぎると、接触面積が小さくならず摺動抵抗が低減しない。
小凹凸のピッチが大き過ぎると、ニップ部で潰れてしまい、接触面積が小さくならず摺動抵抗が低減しない。また、凸部の幅が狭く、高さが高い方が顕著になる。
小凹凸の高さが小さ過ぎると、凹凸の効果が得難くなり、接触面積が小さくならず摺動抵抗が低減しない。特に、定着ベルトが摩耗すると摩耗粉等が凹部につまるので、耐久性に問題が生ずる。
小凹凸の高さが大き過ぎると、ニップ部で潰れてしまい、接触面積が小さくならず摺動抵抗が低減しない。また、凸部の幅が狭く、高さが高い方が顕著になる。
うねりのピッチが小さ過ぎると、潤滑材を確実に保持することが困難になる。
うねりのピッチが大き過ぎても、潤滑材を確実に保持することが困難になる。
うねりの高さが小さ過ぎると、潤滑材を確実に保持することが困難になる。
うねりの高さが大き過ぎると、潤滑剤が多量にないと潤滑効果を得難くなり、トルク低減にならない。即ち、一般的に潤滑剤の厚みが1〜10μmのときに最も潤滑に良い状態になり、これ以上厚くなると、油膜の中で剪断が生じながら潤滑が行われるため、トルク低減にならない。
そこで、定着ベルトに設けるうねりと小凹凸におけるピッチと高さの最適値を求めるために以下の実験を行った。
(1)実験条件
定着装置:図2の構成
定着ベルト:内径35mm
定着ローラ:外径40mm
定着温度:190℃
ニップ圧:490N
潤滑剤:ジメチルシリコーンオイル、粘度300cs
(2)実験内容
表1に示す如く、4種の要因に対して3水準でL9の直交実験を行った。
Figure 0004752907
実験結果を表2に示す。
Figure 0004752907
なお、トルクの大、中、小の意味は下記の通りである。
測定値
大:5kgcm以上
中:4kgcm以上、5kgcm未満
小:4kgcm未満
バラツキ幅
初期状態における測定値のバラツキ
大:25%以上
中:15%以上、25%未満
小:15%未満
推移の傾向
定着枚数150kc相当の回転時間におけるトルクの増加量
大:25%以上
中:15%以上、25%未満
小:15%未満
この結果、うねりのピッチが3mm及び7mmのときはトルクの測定値が大きく、うねりの高さが1μm及び7μmのときはトルクが経時的に増大し、小凹凸の高さが1μm及び7μmのときはトルクの測定値が大きかった。
このため、表3に示す如く、うねりのピッチ、うねりの高さ及び小凹凸の高さに関して水準を変えて、2回目の直交実験を1回目と同一条件で行った。
Figure 0004752907
実験結果を表4に示す。
Figure 0004752907
この結果、うねりの高さが2μm及び6μmのときはトルクが経時的に増大し、小凹凸の高さが2μm及び6μmのときはトルクの測定値が小さくならなかった。
このため、表5に示す如く、うねりの高さ及び小凹凸の高さに関して水準を変えて、3回目の直交実験を1回目と同一条件で行った。
Figure 0004752907
実験結果を表6に示す。
Figure 0004752907
この結果、うねりのピッチが4〜5mmで、うねりの高さが3〜5μmであって、小凹凸のピッチが0.1mmで、小凹凸の高さが3〜4μmのとき、トルクの測定値、バラツキ幅及び推移の傾向の全てにおいて、良好になることが分かった。
なお、これらは微小な値であるので、測定誤差が20%程度生ずる。
(3)考察
このように定着ベルトの内周面にうねりと小凹凸を設けて、この数値で規定すれば、定着ベルトの駆動トルクが長期間にわたって安定して低トルクになる。
なお、定着ベルトの内周面に潤滑剤を保持することは、定着ベルトの表面の形状のみによって定まるものであって、定着ベルトや摺動シートの材質、定着ベルトの幅(接触面積)、接触圧、回転速度等や定着装置の構成に影響されるものではない。従って、上記実験により求めたうねりのピッチと高さ、及び小凹凸のピッチと高さの値に関しては、どのような定着ベルトにおいても適用可能な普遍性のある値である。
また、潤滑剤に関しては、極端に高粘度のものや低粘度のものを用いるならば、ベルトによる保持能力に影響することは確かである。しかし、定着装置の定着ベルトの摺動のために用いられる潤滑剤の粘度は1000cs以下であって大きな差異はなく、このレベルの潤滑剤で種類によって粘度が多少変化しても、保持能力のデータに影響することはない。
なお、本発明の定着ベルトを用いる定着装置としては、図2に示した定着ベルトがローラに張架されていないFBN方式の定着装置に限定されるものではなく、定着ベルトがローラに張架されている定着装置であってもよい。
このような定着装置の一例を図4に基づいて説明する。
図4に示す定着装置200は主として、回転する定着ローラ201と、定着ローラ201に圧接して回転する無端状の定着ベルト202と、定着ベルト202を内周面側から定着ローラ201の方向に押圧する押圧手段206とから構成される。そして、定着ローラ201と定着ベルト202との間に形成されたニップ部Nで記録紙P上のトナー像を定着する。
定着ローラ201は、中央にハロゲンヒータ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムやステンレス等の金属から成る円筒状芯金201Aと、円筒状芯金201Aを被覆し、耐熱性のシリコーンゴムから成る弾性層201Bと、更に弾性層201Bを被覆し、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)チューブから成る表層201Cとから構成される。
定着ベルト202は、ポリイミドから成る基体と、該基体を被覆し、PFA等から成る表層から構成され、無端状に形成されている。そして、定着ベルト202は前述の如きうねりと小凹凸を内周面に有する。
また、定着ベルト202は、押圧ローラ203、入口ローラ204及びステアリングローラ205により張架されている。
押圧ローラ203は、ニップ部Nの出口側に配置され、定着ベルト202を押圧して定着ローラ201に圧接させる。
入口ローラ204は、ニップ部Nの入口側に配置され、定着ベルト202を定着ローラ201に直接圧接させてはいないが、押圧ローラ203との間に位置する定着ベルト202を定着ローラ201に圧接させ、記録紙Pの搬送方向に長いニップ部Nを形成する。
ステアリングローラ205は、押圧ローラ203や入口ローラ204に対して平行度やねじれを変化させ、定着ベルト202の幅方向への寄りを是正する不図示の機構を有する。
なお、押圧ローラ203、入口ローラ204及びステアリングローラ205はステンレス等の金属から成る。
押圧手段206は、ホルダー206A、シム206B、支持板206C、加圧パッド206D及び摺動シート207から構成される。
ホルダー206Aはステンレス等から成り、ホルダー206Aの上に順次、耐熱性樹脂から成るシム206B、ステンレス等から成る支持板206C、シリコーンゴムから成る加圧パッド206Dが積層される。なお、不図示の圧縮バネがシム206Bを押圧し、加圧パッド206Dを介して定着ベルト202を定着ローラ201に圧接している。
また、摺動シート207は、フッ素樹脂でコーティングしたガラス繊維シート等より形成され、ホルダー206Aから加圧パッド206Dに至る各部材の周囲を被覆している。摩擦係数の低い摺動シート207を設けることにより、摩擦係数の高い加圧パッド206Dが定着ベルト202に接触することがない。
潤滑剤供給手段208は、シリコーンオイル等を含浸したフェルトを多孔性の樹脂シートで被覆して構成され、定着ベルト202の内周面と摺接して該内周面に潤滑剤を塗布する。
以上の如き定着装置200において、ハロゲンヒータHにより加熱され、不図示の駆動装置によって駆動された定着ローラ201が時計方向に回転する。また、押圧ローラ203及び押圧手段206は前述の圧接状態になっており、押圧ローラ203及び加圧パッド206Dは定着ベルト202を定着ローラ201に圧接している。従って、定着ローラ201と定着ベルト202との間に幅広のニップ部Nが形成される。また、定着ローラ201の回転によって定着ベルト202は反時計方向に回転するので、トナー像が転写された記録紙Pが搬送されると、ニップ部Nで挟持され、加熱・加圧されて定着される。
また、押圧ローラ203は定着ベルト202が定着ローラ201に食い込む様に押圧し、弾性層201Bが弾性変形するので、定着された記録紙Pは部分的に大きな曲率になって排紙され、定着ローラ201から確実に分離する。
また、定着ベルト202が回転すると、潤滑剤供給手段208が定着ベルト202の内周面に潤滑剤を塗布するので、定着ベルト202は摺動シート95に対して円滑に摺動する。
ところで、定着ベルトに前述の如きうねりと小凹凸を形成するには、金型の中子にブラスト加工を施して定着ベルトの内周面に転写すればよい。中子のブラスト加工としては、鉄粒やガラス粒からなる大径の粒を吹き付けてうねりを形成し、次に小径の粒を吹き付けて小凹凸を形成すればよい。
本発明に係わる画像形成装置の一例の構成図である。 本発明に係わるFBN方式の定着装置の拡大断面図である。 うねりのピッチと高さ及び小凹凸のピッチと高さ定義した図である。 本発明に係わるベルトが張架された定着装置の拡大断面図である。
符号の説明
100,200 定着装置
101,201 定着ローラ
102,202 定着ベルト
103 加圧パッド
111,207 摺動シート
206 押圧手段
208 潤滑剤供給手段
H ハロゲンヒータ
N ニップ部
P 記録紙

Claims (3)

  1. 加熱手段を有して回転する定着ローラと、
    前記定着ローラによって駆動されて回転する定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面側に位置する摺動シートと、
    前記摺動シートを介して前記定着ベルトを前記定着ローラの方向に押圧する押圧手段と、
    前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、を備え、
    前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
    前記定着ベルトは、内周面の前記摺動シートに対応する部分に、前記定着ベルトの回転方向と同方向にピッチ4〜5mmで高さ3〜5μmのうねりが形成されていると共に、ピッチ0.1mmで高さ3〜4μmの凹凸が形成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ベルトは複数のローラに張架されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 請求項1または2の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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