JPH1143982A - 真空下水管の空気取入れ装置 - Google Patents

真空下水管の空気取入れ装置

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JPH1143982A
JPH1143982A JP9200162A JP20016297A JPH1143982A JP H1143982 A JPH1143982 A JP H1143982A JP 9200162 A JP9200162 A JP 9200162A JP 20016297 A JP20016297 A JP 20016297A JP H1143982 A JPH1143982 A JP H1143982A
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vacuum
valve
sewer pipe
pipe
pressure
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JP9200162A
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Tetsushi Otsuka
哲史 大塚
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空下水管の連続した多段リフトや高低差の
大きいリフト等で生ずるウォータブロックを解消し、真
空下水管における真空圧の伝搬を確実ならしめること。 【解決手段】 真空下水管11の中間部に空気取入れ管
21を接続し、この空気取入れ管21に真空開閉弁22
を設けてなり、真空開閉弁22が、真空下水管11の空
気取入れ管接続部より下流側の複数点における真空圧の
差圧が一定値をこえたときに、真空下水管11の真空圧
を用いた開き力により開動作するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空下水管の空気
取入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】真空式下水道は、特開平3-43527 号公報
に記載される如く、家庭や工場等から排出される汚水を
自然流下式の汚水流入管から真空弁ユニットの汚水タン
クに流入せしめ、汚水タンクに溜った汚水を真空下水管
によって真空ステーション内部の集水タンクに集め、そ
の後圧送ポンプによって下水処理場等に送る。
【0003】真空弁ユニットには真空弁が設置され、汚
水タンクの底部から立ちあげられている吸込管と、真空
源に連通している真空下水管との間の連絡部をこの真空
弁によって開閉可能としている。そして、汚水タンクの
水位が一定以上に上昇したときに、上記真空弁を開き、
真空下水管の真空圧を吸込み管に及ぼし、この真空下水
管に印加した真空圧により末端の汚水タンクで汚水と空
気とを順に吸い込み、汚水前方の真空圧と汚水後方の吸
引空気圧との圧力差を利用し、汚水を気液混相流として
搬送するものである。
【0004】このとき、真空弁のコントローラ部は、汚
水タンクの所定の液位に応答して作動する液位検知ダイ
ヤフラムと、真空弁の開閉を切替える3方弁を有し、液
位検知ダイヤフラムの動きでプランジャを介して検知弁
を作動させることにより真空下水管から圧力制御室に真
空力を導き、この真空力により3方弁を作動させるもの
としている。そして、この圧力制御室に導いた真空力は
ニードル弁により大気解放することとしている。
【0005】即ち、従来の真空弁開閉は、汚水タンクに
流入する汚水蓄積によって起こる液位変化を、タンク内
の液位検知管によって圧力変換し(吸込み管より吸引す
る水量が約40リットルとなるように液位検知管の位置を
調整)、その圧縮空気によって真空弁コントローラ部の
液位検知ダイヤフラムを起動させ、真空弁を作動させて
いた。また、真空弁の閉作動は吸込み管より汚水が吸引
され、液位が低下し始めると、一定液位まで下がった時
点で検知弁が閉じ、ニードル弁調整設定によるエアタイ
マーの後、真空弁が閉じる。従来はこのように真空弁の
開放時間をニードル弁で調整することによって、気液比
(吸込む空気と汚水の体積比)を例えば3:1にするこ
とを標準としていた。
【0006】また、特開平8-86010 号公報に記載の真空
弁ユニットでは、真空弁コントローラ部に空気吸入検知
機能を設け、吸込み管への吸込み空気量を調整するもの
を提案している。
【0007】然るに、真空式下水道システムの真空下水
管にはリフトと呼ばれる登り勾配の配管があり、真空式
下水道システムでは、真空弁ユニットで吸引した汚水を
真空下水管内に吸引し、続いて真空下水管に吸引される
空気が汚水と気液混相流となって高速で真空下水管内を
移動する。流速の速い空気は汚水を追い越し、汚水は真
空下水管の底部、即ちいずれかのリフトに滞留する。そ
して、その真空式下水道システムの真空下水管に連通し
ている別の真空弁ユニットの作動により真空下水管に新
たな空気が導入されると、この空気が汚水滞留部のリフ
トを通過するときに、新たな気液混相流を形成して、滞
留汚水を更に先へと移送する。こうした汚水の移送を繰
り返すことにより、最終的に真空ステーション内部の集
水タンクに集められた汚水は、圧送ポンプによって下水
処理場等に送られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】真空式下水道システム
では、真空弁ユニットの気液比が前述した標準の例えば
3:1に設定できている場合には、真空下水管において
良好な汚水の搬送を行なうことができるものとなる。と
ころが、連続した多段リフトや高低差の大きいリフトを
布設したり、真空弁ユニットで十分に空気を吸引できな
かった場合には、リフトに滞留する汚水を移送できず、
真空下水管にウォータブロック(水栓)を生ずる。真空
下水管に生じたウォータブロックは、真空下水管の上流
側への真空圧の伝搬を不能とし、真空式下水道システム
の正常な運転を阻害する。
【0009】本発明の課題は、真空下水管の連続した多
段リフトや高低差の大きいリフト等で生ずるウォータブ
ロックを解消し、真空下水管における真空圧の伝搬を確
実ならしめることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、真空下水管の中間部に空気を取入れ可能とする真空
下水管の空気取入れ装置において、真空下水管の中間部
に空気取入れ管を接続し、この空気取入れ管に真空開閉
弁を設けてなり、真空開閉弁は、真空下水管の複数点に
おける真空圧の差圧が一定値をこえたときに、真空下水
管の真空圧を用いた開き力により開動作するようにした
ものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記真空開閉弁が、空気取入
れ管を開閉する弁体と、弁体と連結されているプランジ
ャを収容する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に
閉じ力を付与する閉じ力付与手段と、真空下水管の真空
圧を弁作動室内のプランジャに印加して弁体に開き力を
付与可能とするコントローラ部とを有してなり、上記コ
ントローラ部は、真空下水管の複数点の真空圧を得て、
それらの差圧が一定値をこえたときに、真空下水管の真
空圧を用いた上記開き力により弁体を開くようにしたも
のである。
【0012】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の本発明において更に、前記真空下水管の複数点のそ
れぞれに真空連通管を接続するとともに、各真空連通管
を前記真空開閉弁のコントローラ部に接続するに際し、
各真空連通管の真空下水管への接続口に汚水逆流防止用
のオリフィス付き逆止弁を設けてなるようにしたもので
ある。
【0013】請求項4に記載の本発明は、請求項2又は
3に記載の本発明において更に、前記真空下水管から真
空開閉弁の弁作動室に真空圧を印加するための真空導入
管に、真空圧を保持するアキュームレータを設けてなる
ようにしたものである。
【0014】請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4
のいずれかに記載の本発明において更に、前記真空下水
管の差圧を検出するための複数点が、該真空下水管の空
気取入れ管接続部より下流側に設定されてなるようにし
たものである。
【0015】
【作用】請求項1、5に記載の本発明によれば下記、
の作用がある。 真空下水管にウォータブロックが発生せず、正常に稼
動している場合には、真空下水管の複数の真空圧検出点
の間でほとんど圧力差がなく、空気取入れ管に設けてあ
る真空開閉弁は閉じ状態を保つ。
【0016】真空下水管の複数の真空圧検出点の間に
ウォータブロックが発生すると、上流側の検出点の圧力
が下流側の検出点の圧力に比較して高くなり、この差圧
が予め定めてある一定値をこえると、空気取入れ管に設
けてある真空開閉弁が開動作する。これにより、空気取
入れ管が開いて、真空下水管のウォータブロック発生部
より上流側に空気を吸引し、ウォータブロックを生じて
いる真空下水管内の滞留汚水をエアブローし、ウォータ
ブロックを解消するものとなる。
【0017】請求項2に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 真空開閉弁は、そのコントローラ部が真空下水管の複
数点の真空圧の差圧が一定値をこえたことを条件に、弁
作動室内のプランジャに真空下水管の真空圧を印加して
弁体に開き力を付与するようにした。従って、コントロ
ーラ部による弁体の自動開き制御に基づく空気取入れ動
作により、ウォータブロックを自動的に解消できる。
【0018】請求項3に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 真空下水管の複数の真空圧検出点に接続した真空連通
管の接続口にオリフィス付き逆止弁を設けた。逆止弁に
より、真空下水管側の汚水が真空連通管に瞬間的に逆流
することを防止できる。コントローラ部側に侵入した真
空圧を、該コントローラ部による弁体の自動開き制御の
後、オリフィスから真空下水管側に遅延的に戻すことが
できる。
【0019】請求項4に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 真空開閉弁の弁体開き力として用いられる真空圧を、
真空下水管に連通しているアキュームレータの真空圧を
使用することにより、当該真空開閉弁の開動作中の真空
下水管への空気取入れによる真空下水管内の真空圧の変
動が、コントローラ部による真空開閉弁の弁体開き制御
に及ぼす悪影響を確実に排除できる。これにより、真空
開閉弁の空気取入れ動作の安定を確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態の真空下水管
に接続した空気取入れ装置を示す模式図、図2は真空開
閉弁を示す模式図、図3は真空開閉弁のコントローラ部
の要部を示す模式図、図4は真空下水管のリフトにおけ
る汚水貯留状態を示す模式図、図5は第2実施形態を示
す模式図、図6は第3実施形態を示す模式図である。
【0021】(第1実施形態)(図1〜図4) 真空式下水道システム10は、真空ステーション(真空
ポンプと圧送ポンプとを備えており、真空ポンプにより
末端に向けて真空圧を及ぼし汚水を集め、集めた汚水を
圧送ポンプにより処理場や公共下水管渠に送液する)に
真空下水管11を連通し、真空下水管11に印加した真
空圧により末端の汚水タンクで汚水と空気とを順に吸い
込み、汚水前方の真空圧と汚水後方の吸引空気圧との圧
力差を利用し、汚水を気液混相流として搬送可能として
いる(図1)。
【0022】然るに、真空下水管11は、中間部に図1
に示す如くの複数の登り勾配のリフト12A〜12Cか
らなる多段リフト12を有する。そして、真空式下水道
システム10は、真空下水管11の多段リフト下部13
Aに空気を取入れ可能とする空気取入れ装置20を有し
ている。
【0023】空気取入れ装置20は、真空下水管11の
多段リフト下部13Aに空気取入れ管21を接続し、こ
の空気取入れ管21に真空開閉弁22を設けている。空
気取入れ管21の空気取入れ口21Aと真空開閉弁22
は、マンホール23に格納され、マンホール23には大
気を取入れ可能とするための通気管24が設けられてい
る。
【0024】真空開閉弁22は、図2に示す如く、空気
取入れ管21を開閉する弁体22Aと、弁体22Aに連
結されているプランジャ22Bを収容する弁作動室22
Cと、弁作動室22Cに内蔵されて弁体22Aに閉じ力
を付与する閉じ力付与ばね(閉じ力付与手段)22Dと
を有する。また、真空開閉弁22は、真空下水管11の
真空圧を弁作動室22C内のプランジャ22Bに印加し
て、弁体22Aに開き力を付与可能とするコントローラ
部22Eを有する。
【0025】コントローラ部22Eは、真空下水管11
における空気取入れ管21の接続部21Bより下流側の
複数点、本実施形態では、多段リフト下部13Aと多段
リフト上部13Bの 2点の真空圧Pa 、Pb を得て、そ
れらの差圧が一定値をこえたときに、真空下水管11の
真空圧を上述の如くに弁作動室22C内のプランジャ2
2Bに印加し、この真空圧を用いた開き力により弁体2
2Aを開く。
【0026】コントローラ部22Eは、具体的には、図
3に示す如くの差圧検知ダイヤフラム31と、弁開き制
御スイッチ32とを有し、多段リフト下部13Aと多段
リフト上部13Bの 2点の真空圧Pa 、Pb の差圧が一
定値をこえたことを差圧検知ダイヤフラム31が検知し
たとき、弁開き制御スイッチ32のオンにより真空下水
管11の真空圧を弁作動室22C内のプランジャ22に
印加して、弁体22Aに開き力を付与可能としている。
差圧検知ダイヤフラム31は、ダイヤフラム31Cで隔
てた空気室31Aと空気室31Bを有し、空気室31B
にはダイヤフラム31に連動するプランジャ31Dとス
プリング31Eを備え、空気室31Aには多段リフト下
部13Aに接続された真空連通管33Aが連通して真空
圧Pa が印加され、空気室31Bには多段リフト上部1
3Bに接続された真空連通管33Bが連通して真空圧P
b が印加されている。
【0027】これにより、(a) 真空下水管11が正常に
稼動している場合(図4(A))、多段リフト下部13
Aと多段リフト上部13Bの 2点の高低差h1 において
発生する圧力差はほぼ0 となり、差圧検知ダイヤフラム
31の2つの空気室31A、31Bの間の圧力差もない
ため、弁開き制御スイッチ32はオフを保つ。
【0028】ところが、(b) 多段リフト下部13Aと多
段リフト上部13Bの間の多段リフト12にウォータブ
ロックを生じた場合(図4(B))、多段リフト下部1
3Aと多段リフト上部13Bの間に滞留汚水の水位の水
頭h2 (0 <h2 <h1 )分の圧力差を生じ、差圧検知
ダイヤフラム31の2つの空気室31A、31Bの間に
もこの水頭h2 の差圧を生ずるため、プランジャ31D
が移動するものとなる。このとき、予めウォータブロッ
クを解消するために決めておいた滞留汚水の高さh3
弁開き制御スイッチ32がオンするようにスプリング3
1Eのばね定数を定めておけば、ウォータブロック発生
時に弁開き制御スイッチ32がオンするコントローラ部
22Eを構成できる。弁開き制御スイッチ32がオンす
る水頭h 3 は上記水頭h2 のどの範囲に定めておくもの
であっても良いが、あまりに低めに定めると通常汚水の
浸入時に真空開閉弁22の誤作動を招く虞れもある。図
4のウォータブロック発生状態下で、弁開き制御スイッ
チ32の作動水位をh3 に定めてある場合、汚水の水位
2 がh2 >h3 にあるため、差圧検知ダイヤフラム3
1のプランジャ31Dが弁開き制御スイッチ32をオン
し、真空開閉弁22の弁体22Aが開動作せしめられる
結果、真空下水管11の多段リフト下部13Aに空気取
入れ管21からの空気が吸引されて多段リフト12に気
液混相流を形成し、真空下水管11内のウォータブロッ
クをエアブローし、下流側に搬送するものとなる。
【0029】尚、コントローラ部22Eとしては、例え
ば特開平8-120750号公報に記載される真空弁のコントロ
ーラ部と類似のものを採用できる。即ち、コントローラ
部22Eとして、弁作動室22Cに真空通路と大気通路
とを切換接続可能とする3方弁と、真空下水管11の多
段リフト下部13Aと多段リフト上部13Bの 2点の差
圧に応答して作動する上述の差圧検知ダイヤフラム31
と、3方弁が真空通路を弁作動室22Cに接続するよう
に3方弁に真空力を付与せしめる圧力制御室と、圧力制
御室内に配設されて該圧力制御室に真空力を導入可能と
する上述の弁開き制御スイッチ32と、差圧検知ダイヤ
フラム31により直接駆動されるとともに、圧力制御室
内に挿通されて弁開き制御スイッチ32をオン/オフす
る上述のプランジャ31Dと、圧力制御室に導入した真
空力を解除するように開作動する真空解除弁とを有して
なるものを採用できる。また、弁開き制御スイッチ32
として、特開平8-120750号公報に記載の反転動作弁を用
いることもできる。
【0030】また、空気取入れ装置20にあっては、真
空連通管33A、33Bの真空下水管11の多段リフト
下部13A、多段リフト上部13Bへの接続口に、汚水
逆流防止用のオリフィス付き逆止弁34A、34Bを設
けることができる。オリフィス付き逆止弁34A(34
Bも同じ)は、図1(B)に示す如く、真空下水管11
から真空連通管33A(コントローラ部22E)への汚
水の流れを阻止する逆止弁101と、真空連通管33A
から真空下水管11への真空圧の戻りを遅延化するオリ
フィス102とを、真空連通管33Aに対して並列に備
える。
【0031】また、空気取入れ装置20にあっては、真
空下水管11から真空開閉弁22の弁作動室22Cに真
空圧を印加するための真空導入管35を、多段リフト上
部13Bに接続してある真空連通管33Bに、マンホー
ル23内で接続することができる。このとき、真空導入
管35には、真空圧を保持するアキュームレータ36を
設けることができる。
【0032】また、空気取入れ装置20にあっては、マ
ンホール23内に位置する空気取入れ管21の中間部に
仕切り弁37を設け、仕切り弁37の閉じ状態下で真空
開閉弁22をメンテナンスすることができる。
【0033】また、空気取入れ装置20にあっては、マ
ンホール23内に位置する空気取入れ管21の中間部に
不明水吸引用仕切り弁38を設け、この仕切り弁38と
上述の仕切り弁37の開き状態下で、マンホール23内
に浸入した不明水を真空下水管11の真空圧により真空
下水管11側に吸引除去するものとしても良い。
【0034】従って、本実施形態の真空式下水道システ
ム10では、真空下水管11においてウォータブロック
が形成されることが予想される中間部、即ち多段リフト
12等で、そこに生ずる圧力差を利用して開閉せしめら
れる真空開閉弁22を用い、この真空開閉弁22により
導通せしめられる空気取入れ管21により、ウォータブ
ロックの上流側から空気を強制的に送り込み、ウォータ
ブロックをエアブローして解消し、ひいて真空下水管1
1における真空圧の伝搬を維持するものとなる。
【0035】これにより、本実施形態では以下の如くの
作用がある。 真空下水管11にウォータブロックが発生せず、正常
に稼動している場合には、真空下水管11の複数の真空
圧検出点13A、13Bの間でほとんど圧力差がなく、
空気取入れ管21に設けてある真空開閉弁22は閉じ状
態を保つ。
【0036】真空下水管11の複数の真空圧検出点1
3A、13Bの間にウォータブロックが発生すると、上
流側検出点13Aの圧力Pa が下流側検出点13Bの圧
力P b に比較して高くなり、この差圧が予め定めてある
一定値をこえると、差圧検知ダイヤフラム31が弁開き
制御スイッチ32をオンせしめ、空気取入れ管21に設
けてある真空開閉弁22が開動作する。これにより、真
空下水管11の複数の真空圧検出点13A、13Bより
上流側に接続されている空気取入れ管21が開いて、真
空下水管11のウォータブロック発生部より上流側に空
気を吸引し、ウォータブロックを生じている真空下水管
11内の滞留汚水をエアブローし、ウォータブロックを
解消するものとなる。
【0037】尚、ウォータブロックのエアブローが終了
すると、真空下水管11に発生していた差圧は消失する
ため、弁開き制御スイッチ32がオフし、真空開閉弁2
2は閉動作に移る。弁開き制御スイッチ32のオンによ
りウォータブロックが解消しない場合には、再度の弁開
き制御スイッチ32のオンにより真空開閉弁22は再び
開動作し、ウォータブロックをエアブローするものとな
る。
【0038】真空開閉弁22は、そのコントローラ部
22Eが真空下水管11の空気取入れ管21接続部より
下流側の複数点の真空圧の差圧が一定値をこえたことを
条件に、弁作動室22C内のプランジャ22Bに真空下
水管11の真空圧を印加して弁体22Aに開き力を付与
するようにした。従って、コントローラ部22Eによる
弁体22Aの自動開き制御に基づく空気取入れ動作によ
り、ウォータブロックを自動的に解消できる。
【0039】真空下水管11の複数の真空圧検出点1
3A、13Bに接続した真空連通管33A、33Bの接
続口にオリフィス付き逆止弁34A、34Bを設けた。
逆止弁34A、34Bにより、真空下水管11側の汚水
が真空連通管33A、33Bに瞬間的に逆流することを
防止できる。コントローラ部側に侵入した真空圧を、該
コントローラ部22Eによる弁体の自動開き制御の後、
オリフィスから真空下水管11側に遅延的に戻すことが
できる。
【0040】真空開閉弁22の弁体開き力として用い
られる真空圧を、真空下水管11に連通しているアキュ
ームレータ36の真空圧を使用することにより、当該真
空開閉弁の開動作中の真空下水管11への空気取入れに
よる真空下水管11内の真空圧の変動が、コントローラ
部22Eによる真空開閉弁22の弁体開き制御に及ぼす
悪影響を確実に排除できる。これにより、真空開閉弁2
2の空気取入れ動作の安定を確保できる。
【0041】本実施形態によれば、以下の如くのメリッ
トがある。 (a) ウォータブロックを形成した場合に即座に空気導入
によるウォータブロックの破壊作業が行なわれるため、
真空下水管11の管路全体の真空度を常に正常に保つこ
とに寄与することができる。通常ウォータブロックが発
生した場合には、それよりも上流の真空弁ユニットの吸
引空気によってそのウォータブロックの解除を待つこと
となるが、場合によっては低下した真空圧によって上流
側の真空弁ユニットに作動異常をきたし、真空下水管1
1の管路全体に悪影響を及ぼす場合も考えられるが、本
発明の空気取入れ装置20の作用により自動的にその危
険を回避することが可能となる。
【0042】(b) アメリカ等で従来技術にあるEAAC
(電気式空気導入制御装置)と異なり、その作動に全く
電気を必要としない。
【0043】(c) 本発明の如くのウォータブロック解除
機能を真空式下水道システム10に加えた場合、上流側
の真空弁ユニットによる吸引空気が設計値よりも少なか
った場合においてはそれを補助し、真空下水管11の管
路の気液比を保つ働きもある。然も、連続リフトや高低
差の大きなリフトを設けた場合でこのシステムを負荷し
た場合等においては、システムの気液比は一時的に上が
るものの、EAACのように、設定限界をこえた高低差
の汚水搬送が可能となる。即ち、高い高低差のリフトに
おいても、汚水の貯留がない場合には真空圧の伝達が可
能であるため、高リフトをこえるために追加空気を真空
弁から導入するものとすれば良い。
【0044】(d) 真空式のように不当沈下の多い布設地
区においては、将来大規模な地盤沈下等による管路圧力
損失の増大も考えられ、そのような場合にも当システム
を導入することにより、真空ステーションの能力アップ
や布設替え等の必要をなくすことができる。
【0045】(第2実施形態)(図5) 第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、真空連通管
33A、33Bの真空下水管11への接続口に第1実施
形態のオリフィス付き逆止弁34A、34Bを設けるこ
となく、真空下水管11から真空連通管33A、33B
への汚水の流れを阻止できるようにしたことにある。即
ち、真空連通管33A、33Bの各配管レベル(鉛直方
向位置)を多段リフト12の上部13Bよりも上位に取
り回し、真空連通管33Aの最高位の水頭H1 、真空連
通管33Bの最高位の水頭H2 を、多段リフト上部13
Bの水頭Hに対しH1 >H、H2 >Hとすることによ
り、多段リフト12が完全にウォータブロックした場合
にも、真空下水管11からコントローラ部22Eへの汚
水の流れを阻止できる。
【0046】(第3実施形態)(図6) 第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、真空連通管
33A、33Bを多段リフト12のうちの1つのリフト
12A内に設けたことにある。
【0047】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空下水
管の連続した多段リフトや高低差の大きいリフト等で生
ずるウォータブロックを解消し、真空下水管における真
空圧の伝搬を確実ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の真空下水管に接続した空
気取入れ装置を示す模式図である。
【図2】図2は真空開閉弁を示す模式図である。
【図3】図3は真空開閉弁のコントローラ部の要部を示
す模式図である。
【図4】図4は真空下水管のリフトにおける汚水貯留状
態を示す模式図である。
【図5】図5は第2実施形態を示す模式図である。
【図6】図6は第3実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
11 真空下水管 13A 多段リフト下部 13B 多段リフト上部 20 空気取入れ装置 21 空気取入れ管 22 真空開閉弁 22A 弁体 22B プランジャ 22C 弁作動室 22D 閉じ力付与ばね(閉じ力付与手段) 22E コントローラ部 31 差圧検知ダイヤフラム 32 弁開き制御スイッチ 33A、33B 真空連通管 34A、34B オリフィス付き逆止弁 35 真空導入管 36 アキュームレータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空下水管の中間部に空気を取入れ可能
    とする真空下水管の空気取入れ装置において、 真空下水管の中間部に空気取入れ管を接続し、この空気
    取入れ管に真空開閉弁を設けてなり、 真空開閉弁は、真空下水管の複数点における真空圧の差
    圧が一定値をこえたときに、真空下水管の真空圧を用い
    た開き力により開動作することを特徴とする真空下水管
    の空気取入れ装置。
  2. 【請求項2】 前記真空開閉弁が、空気取入れ管を開閉
    する弁体と、弁体と連結されているプランジャを収容す
    る弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に閉じ力を付
    与する閉じ力付与手段と、真空下水管の真空圧を弁作動
    室内のプランジャに印加して弁体に開き力を付与可能と
    するコントローラ部とを有してなり、 上記コントローラ部は、真空下水管の複数点の真空圧を
    得て、それらの差圧が一定値をこえたときに、真空下水
    管の真空圧を用いた上記開き力により弁体を開く請求項
    1記載の真空下水管の空気取入れ装置。
  3. 【請求項3】 前記真空下水管の複数点のそれぞれに真
    空連通管を接続するとともに、各真空連通管を前記真空
    開閉弁のコントローラ部に接続するに際し、各真空連通
    管の真空下水管への接続口に汚水逆流防止用のオリフィ
    ス付き逆止弁を設けてなる請求項2記載の真空下水管の
    空気取入れ装置。
  4. 【請求項4】 前記真空下水管から真空開閉弁の弁作動
    室に真空圧を印加するための真空導入管に、真空圧を保
    持するアキュームレータを設けてなる請求項2又は3に
    記載の真空下水管の空気取入れ装置。
  5. 【請求項5】 前記真空下水管の差圧を検出するための
    複数点が、該真空下水管の空気取入れ管接続部より下流
    側に設定されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の真
    空下水管の空気取入れ装置。
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