JP2001317118A - 多段式真空弁ユニット - Google Patents

多段式真空弁ユニット

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JP2001317118A
JP2001317118A JP2000137576A JP2000137576A JP2001317118A JP 2001317118 A JP2001317118 A JP 2001317118A JP 2000137576 A JP2000137576 A JP 2000137576A JP 2000137576 A JP2000137576 A JP 2000137576A JP 2001317118 A JP2001317118 A JP 2001317118A
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relay tank
vacuum
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valve
relay
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Hiroshi Ito
宏 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設コストが安くて済み、また必要とする動
力が小さく、メンテナンスも容易な多段式真空弁ユニッ
トを提供する。 【解決手段】 汚水枡10内に多量に水が溜まると、官
制弁11が開となり、真空弁21が開となり、汚水枡1
0から中継槽30へ水が吸い上げられ、その後真空弁2
1が閉に復帰する。中継槽30内の水位が規定水位まで
上昇すると、弁コントローラ36が開閉弁32を閉、真
空弁35を開とする。これにより、中継槽30内に大気
圧が導入され、中継槽40の負圧によって中継槽30内
の水が吸上管37から中継槽40へ吸い上げられる。以
下、同様にして、中継槽40から中継槽50へ、そし
て、中継槽50から真空本管60へ揚水される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水枡内の水を該
汚水枡よりも上位の真空本管に揚水するための多段式真
空弁ユニットに係り、特に、大きな揚程であっても該真
空本管の負圧によって揚水することができる多段式真空
弁ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】真空式下水道は、下水管内を真空(完全
な真空ではなく、減圧状態を指称する。)にし、大気と
の圧力差を利用して汚水を収集するシステムである。
【0003】この真空式下水道システムにおいては、家
庭や工場等の衛生設備から排出される汚水は真空弁ユニ
ット(中継ユニット)から真空下水管(真空本管)を経
て真空ステーションへ送られ、その後、下水処理施設へ
送られる。
【0004】図5は、この真空式下水道システムの一例
を示すものであり、家庭等の汚水発生源からの汚水を自
然流下により一旦真空弁ユニット100の槽(汚水枡)
内に貯溜した後、真空弁を開いて真空ステーション10
2で発生させた負圧を槽内に導入し、これにより汚水を
真空下水管104に導入し、真空ステーション102へ
搬送している。
【0005】この真空下水道システムの場合、ポンプ輸
送の場合のように下水管に圧力(正圧)がかからず、シ
ール部における漏水の恐れがない利点を有すると共に、
連続した下り勾配を必要としないため、特に平坦地輸送
において大きな効果を発揮する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この真空下水道システ
ムは揚程に限度があり、真空弁ユニット等の貯留槽と真
空下水管104との高低差が大きいと汚水を良好に搬送
・収集できないといった問題がある。そこで、真空弁ユ
ニット内に流入した汚水を上方の真空本管に対し水中ポ
ンプによって揚水することが提案されている(特許第2
666172号)。
【0007】しかしながら、このような水中ポンプを用
いると、イニシャルコスト及びランニングコストのいず
れもが高くなる。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は建設コストが安くて済み、また必要と
する動力が小さく、メンテナンスも容易な多段式真空弁
ユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の多段式真空弁ユ
ニットは、汚水枡内の水を該汚水枡よりも上位の真空本
管に揚水するためのリフトにおいて、該汚水枡と真空本
管との間に中継槽を設け、該真空本管からの負圧によっ
て汚水枡内の水を該中継槽に揚水し、該中継槽内の水を
該真空本管に揚水するようにしたことを特徴とするもの
である。
【0010】かかる多段式真空弁ユニットにあっては、
汚水枡内の水を真空本管の負圧によって中継槽に揚水
し、必要に応じこの中継槽から少なくとも1個のさらに
上位の中継槽に揚水し、その後、中継槽から真空本管に
揚水するため、1回の揚程が小さくなる。このため、汚
水枡と真空本管とのレベル差が著しく大きい場合であっ
ても、真空本管の負圧だけで揚水することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。図1は実施の形態に係る多段式真空
弁ユニットの縦断面図、図2,3は図1のII部分及びII
I部分の拡大図である。
【0012】重力流下式の下水管9によって汚水等の水
が汚水枡10に流入し、この汚水枡10から中継槽30
に揚水され、この中継槽30から中継槽40に揚水さ
れ、この中継槽40から中継槽50に揚水され、この中
継槽50から真空本管60に揚水される。
【0013】汚水枡10内には上方から吸上管20が差
し込まれ、この吸上管20の下端は汚水枡10の下端近
傍にまで達している。吸上管20の上部は、真空弁21
及び逆止弁22を介して汚水枡10の高さ方向の中間付
近に接続されている。
【0014】汚水枡10には水位応動式の官制弁11が
設けられている。この官制弁11は、負圧入口、負圧出
口及び該入口と出口との連通を断続する弁本体を有して
おり、汚水枡10内の水位が規定水位まで上昇するとこ
の弁本体が開となる。
【0015】官制弁11の負圧入口は導管13を介して
真空本管60に連通されており、負圧出口は真空弁21
に導管14を介して連通している。真空弁21に導管1
4から負圧が伝達されると、真空弁21が開となる。真
空弁21が開となることにより、中継槽30内の負圧に
よって汚水枡10内の水が吸上管20を介して中継槽3
0に吸い上げられる。この吸上管20には、大気に開放
した吸入管20aが設けられており、吸上管20内を水
が吸い上げられるときに併せて大気(エア)が該吸入管
20aから吸上管20内に吸い込まれ、吸上管20内が
エアリフト状態となる。
【0016】官制弁11は、汚水枡10内の水位が所定
の下限水位に下がるまで開弁状態を保持している。汚水
枡10内の水位が下限水位以下になると、官制弁11が
閉弁し、真空弁21への負圧伝達が断たれ、真空弁21
が閉弁する。これにより、吸上管20からの中継槽30
への水の吸い上げが停止する。
【0017】中継槽30は、負圧伝達管(均圧管)31
を介して真空本管60に接続されている。この負圧伝達
管31に設けられた電動弁よりなる開閉弁32が開とな
ることにより真空本管60から中継槽30に負圧が伝達
される。中継槽30には水位センサ33が設けられてい
る。中継槽30には、また、大気連通口34が設けら
れ、この大気連通口34に開閉弁35が設けられてい
る。水位センサ33の検出信号が弁コントローラ36に
入力され、この弁コントローラ36からの制御信号によ
り開閉弁32,35が制御される。
【0018】なお、開閉弁35は真空本管60からの負
圧によって駆動される真空弁であってもよく、電磁弁や
電動弁であってもよい。
【0019】開閉弁32を閉、開閉弁35を開とすると
中継槽30内が大気圧となり、該中継槽30から上位の
中継槽40へ吸上管37を介して水が吸い上げ可能とな
る。開閉弁32を開、開閉弁35を閉とすることによ
り、中継槽30内が負圧となる。
【0020】吸上管37は、中継槽30に対し上方から
差し込まれ、その下端は中継槽30の下端近傍にまで達
している。
【0021】吸上管37は逆止弁38を介して中継槽4
0の中途高さ部分に接続されている。
【0022】中継槽40には検圧管41が上方から差し
込まれ、この検圧管41の上端にコントローラと称され
る圧力応動型の開閉式の官制弁42が設けられている。
この官制弁42の一方のポートは負圧導管43を介して
真空本管60に接続され、他方のポートは負圧導管44
を介して真空弁46に接続されている。
【0023】中継槽40には大気連通口45が設けられ
ており、この大気連通口45に開閉式の該真空弁46が
設けられている。また、中継槽40には吸上管48が上
方から差し込まれており、この吸上管48の下端は中継
槽40の下部にまで達している。この吸上管48の下端
のレベルは検圧管41の下端と略同等である。この吸上
管48は逆止弁49を介して中継槽50の高さ方向の途
中部分に接続されている。
【0024】中継槽40内の水位が上昇すると、検圧管
41内の水位も上昇し、検圧管41内に閉じ込められた
空気の空気圧が増大する。この空気圧が所定圧以上にな
ると官制弁42が開弁し、負圧導管43,44を介して
真空弁46に負圧が伝達され、真空弁46が開となる。
これにより、中継槽40内に大気圧が導入され、中継槽
40内の水が中継槽50に吸い上げられる。
【0025】中継槽40内の水の水位が検圧管41の下
端よりも下がるまで官制弁42が開弁しており、真空弁
46が開弁している。中継槽40内の水位が検圧管41
の下端よりも低下すると、検圧管41内に大気圧が流入
し、官制弁42が閉弁し、真空弁46が閉弁する。これ
により、中継槽40内と大気との連通が遮断される。
【0026】なお、中継槽40内の水位が検圧管41の
下端よりも低くなったときに、吸上管48の下端が中継
槽40内の水面よりも上方に位置する。このため、吸上
管48を介して中継槽50から中継槽40内に負圧が伝
達され、中継槽40内が負圧となる。
【0027】中継槽50には検圧管51が上方から差し
込まれ、この検圧管51の上端にコントローラと称され
る圧力応動型の開閉式の官制弁52が設けられている。
この官制弁52の一方のポートは負圧導管53を介して
真空本管60に接続され、他方のポートは負圧導管54
を介して真空弁56に接続されている。
【0028】中継槽50には大気連通口55が設けられ
ており、この大気連通口55に開閉式の該真空弁56が
設けられている。また、中継槽50には吸上管58が上
方から差し込まれており、この吸上管58の下端は中継
槽50の下部にまで達している。この吸上管58の下端
のレベルは検圧管51の下端と略同等である。この吸上
管58は逆止弁59を介して真空本管60に接続されて
いる。
【0029】中継槽50内の水位が上昇すると、検圧管
51内の水位も上昇し、検圧管51内に閉じ込められた
空気の空気圧が増大する。この空気圧が所定圧以上にな
ると官制弁52が開弁し、負圧導管53,54を介して
真空弁56に負圧が伝達され、真空弁56が開となる。
これにより、中継槽50内に大気圧が導入され、中継槽
50内の水が真空本管60に吸い上げられる。
【0030】中継槽50内の水の上位が検圧管45の下
端よりも下がるまで官制弁52が開弁しており、真空弁
56が開弁している。中継槽50内の水位が検圧管51
の下端よりも低下すると、検圧管51内に大気圧が流入
し、官制弁52が閉弁し、真空弁56が閉弁する。これ
により、中継槽50内と大気との連通が遮断される。
【0031】なお、中継槽50内において、吸上管58
の上部に小孔57が設けられている。中継槽50内の水
が吸上管58から吸い出され、真空弁56が閉弁した
後、この小孔57を介して真空本管60から中継槽50
内に負圧が伝達され、中継槽50内が負圧となる。
【0032】このように構成された多段式真空弁ユニッ
トにおいては、揚水を行っていないときには真空弁2
1,35,46,56は閉、開閉弁32は開とされ、中
継槽30,40,50内は真空本管60と連通され、負
圧となっている。
【0033】この状態で、汚水枡10内に多量に水が溜
まると、官制弁11が開となり、真空弁21が開とな
り、汚水枡10から中継槽30へ水が吸い上げられ、そ
の後真空弁21が閉に復帰する。
【0034】中継槽30内の水位が規定水位まで上昇す
ると、弁コントローラ36が開閉弁32を閉、真空弁3
5を開とする。これにより、中継槽30内に大気圧が導
入され、中継槽40の負圧によって中継槽30内の水が
吸上管37から中継槽40へ吸い上げられる。中継槽3
0内の水位が下がると、開閉弁32が閉、真空弁35が
閉となる。
【0035】中継槽30からの吸い上げにより中継槽4
0内の水位が上昇すると、官制弁42によって真空弁4
6が開とされ、中継槽40内に大気圧が導入され、中継
槽40内の水が中継槽50の負圧によって該中継槽50
へ吸い上げられる。中継槽40内の水位が低下すると、
真空弁46が閉弁する。
【0036】中継槽40からの吸い上げにより中継槽5
0内の水位が上昇すると、官制弁52によって真空弁5
6が開とされ、中継槽50内に大気圧が導入され、中継
槽50内の水が真空本管66の負圧によって該真空本管
60へ吸い上げられる。中継槽50内の水位が低下する
と、真空弁56が閉弁する。
【0037】このように、汚水枡10内の水が順次に中
継槽30,40,50へ吸い上げられ、最上位の中継槽
50から真空本管60へ吸い上げられるので、汚水枡1
0と真空本管60とのレベル差が大きくても、汚水枡1
0と中継槽30とのレベル差、各中継槽30,40,5
0のレベル差及び中継槽50と真空本管60とのレベル
差を揚水可能な範囲に押えることにより、最下位の汚水
枡10から真空本管60まで確実に揚水することができ
る。
【0038】上記実施の形態では中継槽30,40,5
0が別体となっているが、本発明では図5のように各中
継槽を一体とし塔状の連結槽体70としてもよい。この
連結槽体70は、最下段が中継槽30Aであり、中段が
中継槽40Aであり、最上段が中継槽50Aである。こ
の多段式真空弁ユニットは、中継槽が一体である他は図
1の多段式真空弁ユニットと全く同一の構成であり、同
一符号に同一部分を付してその説明を省略する。
【0039】このように構成された図5の多段式真空弁
ユニットにおいても、揚水を行っていないときには真空
弁21,35,46,56は閉、開閉弁32は開とさ
れ、中継槽30A,40A,50A内は真空本管60と
連通され、負圧となっている。
【0040】この状態で、汚水枡10内に多量に水が溜
まると、官制弁11が開となり、真空弁21が開とな
り、汚水枡10から中継槽30Aへ水が吸い上げられ、
その後真空弁21が閉に復帰する。
【0041】中継槽30A内の水位が規定水位まで上昇
すると、弁コントローラ36が開閉便32を閉、真空弁
35を開とする。これにより、中継槽30A内に大気圧
が導入され、中継槽40Aの負圧によって中継槽30A
内の水が吸上管37から中継槽40Aへ吸い上げられ
る。中継槽30A内の水位が下がると、開閉弁32が
閉、真空弁35が閉となる。
【0042】中継槽30からの吸い上げにより中継槽4
0内の水位が上昇すると、官制弁42によって真空弁4
6が開とされ、中継槽40内に大気圧が導入され、中継
槽40内の水が中継槽50の負圧によって該中継槽50
へ吸い上げられる。中継槽40内の水位が低下すると、
真空弁46が閉弁する。
【0043】中継槽40Aからの吸い上げにより中継槽
50A内の水位が上昇すると、官制弁52によって真空
弁56が開とされ、中継槽50A内に大気圧が導入さ
れ、中継槽50A内の水が真空本管66の負圧によって
該真空本管60へ吸い上げられる。中継槽50A内の水
位が低下すると、真空弁56が閉弁する。
【0044】上記実施の形態では中継槽30,30Aの
弁35を水位センサ33の検出信号に基づいて弁コント
ローラ36によって制御しているが、中継槽40,40
A,50,50Aの真空弁と同様に水位応動型の弁とし
てもよい。
【0045】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、建設コス
トが安くて済み、また必要とする動力が小さく、メンテ
ナンスも容易な多段式真空弁ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る多段式真空弁ユニットの系統
図である。
【図2】図1のII部分の拡大図である。
【図3】図1のIII部分の拡大図である。
【図4】別の実施の形態に係る多段式真空弁ユニットの
系統図である。
【図5】真空下水道の構成図である。
【符号の説明】
10 汚水枡 30,30A,40,40A,50,50A 中継槽 60 真空本管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水枡内の水を該汚水枡よりも上位の真
    空本管に揚水するための多段式真空弁ユニットであっ
    て、 該汚水枡と真空本管との間に中継槽を設け、該真空本管
    からの負圧によって汚水枡内の水を該中継槽に揚水し、
    該中継槽内の水を該真空本管に揚水するようにしたこと
    を特徴とする多段式真空弁ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該中継槽が設定高さ
    を異ならせて複数個設置されており、汚水枡から真空本
    管に揚水される水が下位側の中継槽から上位側の中継槽
    へ真空本管からの負圧によって順次に揚水され、最下位
    の中継槽から真空本管へ揚水されるようにしたことを特
    徴とする多段式真空弁ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該中継槽内の
    水を揚水するための吸上管が該中継槽内に差し込まれる
    と共に、 該吸上管の下端が該中継槽内の貯留水に浸漬した状態に
    おいて該吸上管内と中継槽内とを連通するための小孔が
    該吸上管に設けられていることを特徴とする多段式真空
    弁ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項2において、複数個配置された中
    継槽のうち最上位以外の少なくとも1個の中継槽と前記
    真空本管とを連通する負圧伝達管が設けられると共に、
    この負圧伝達管に開閉弁が設けられていることを特徴と
    する多段式真空弁ユニット。
JP2000137576A 2000-05-10 2000-05-10 多段式真空弁ユニット Abandoned JP2001317118A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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