JP2639261B2 - 真空式下水道の伏越 - Google Patents

真空式下水道の伏越

Info

Publication number
JP2639261B2
JP2639261B2 JP32756891A JP32756891A JP2639261B2 JP 2639261 B2 JP2639261 B2 JP 2639261B2 JP 32756891 A JP32756891 A JP 32756891A JP 32756891 A JP32756891 A JP 32756891A JP 2639261 B2 JP2639261 B2 JP 2639261B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
vacuum
vacuum sewer
downstream
obstacle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP32756891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05156693A (ja
Inventor
潤一 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP32756891A priority Critical patent/JP2639261B2/ja
Application filed by Inax Corp filed Critical Inax Corp
Priority to US07/934,464 priority patent/US5297577A/en
Priority to AU12388/92A priority patent/AU653002B2/en
Priority to DE1992604402 priority patent/DE69204402T2/de
Priority to EP19920904404 priority patent/EP0529082B1/en
Priority to PCT/JP1992/000127 priority patent/WO1992014889A1/ja
Priority to TW81106335A priority patent/TW224149B/zh
Publication of JPH05156693A publication Critical patent/JPH05156693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2639261B2 publication Critical patent/JP2639261B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空式下水道の伏越に係
り、特に、汚水発生源から真空ステーションまでの真空
下水管路に障害物がある場合において、該障害物の揚程
による真空度の低下を防止し、汚水搬送可能範囲の拡大
を図ると共に、管路内を効率的に洗浄することにより、
異物の堆積を防止する真空式下水道の伏越に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】真空式汚水収集システム
は、下水管内を真空(完全な真空ではなく、減圧状態を
指称する。)にし、大気との圧力差を利用して汚水を収
集するシステムである。
【0003】第3図にこの真空式下水道システムの構成
例を示す。
【0004】家庭や工場等の衛生設備から排出される排
水は流入管31により真空弁ユニット(中継ユニット)
32に流入する。排水は、更に、この真空弁ユニット3
2から真空下水管33を経て真空ステーション34へ送
られ、その後、圧送ポンプ35から圧送管36を経て下
水処理施設へ送られる。
【0005】この真空ステーション34では汚水循環ポ
ンプ37により受槽38内の汚水をエジェクタ39に供
給し、これにより真空下水管33を真空引きし、汚水を
真空ステーション34に集めている。
【0006】真空弁ユニット32は、汚水源と真空ステ
ーション34とを中継するためのものであり、流入管3
1から汚水が流入する槽体40と、該槽体40内の汚水
を吸入して真空下水管33に送るための吸入管41と、
該吸入管41に設けられた真空弁42と、該真空弁42
を作動させるコントローラ43等を備えている。この真
空弁42は、真空下水管33内の負圧を駆動動力源とす
るものである。図中、44はエアパイプ、45は点検
口、46は通気管、50はリフトである。真空下水管は
通常複数個の真空弁ユニットが接続されている。
【0007】このような真空式汚水収集システムは、管
路の施工において自然流下式下水道のような連続した勾
配を必要としないものであり、次のような特徴を有す
る。
【0008】 管路の敷設深度が浅いことから、管き
ょ工事費が大幅に削減できる。
【0009】 地下水位が高い、岩盤があり掘削が困
難である、等の理由により下水道の敷設が困難であった
地域での下水道施工を可能にする。
【0010】 曲がりくねった路地等への施工も容易
である。
【0011】 また、真空による気液混相の強制的な
間欠高速収集であることにより、管路の閉塞の心配がな
く、小口径での配管が可能である。
【0012】ところで、真空式汚水収集システムにおい
て、その搬送可能範囲(下水収集流域)は、真空下水管
の末端での真空度が1000〜2500mmAqの負圧
に保たれる範囲である。従って、搬送可能範囲は、真空
下水管路内に、真空度を低下させる要因がない系であれ
ば、真空ステーションで発生された真空度H0 から、上
記末端の必要な負圧1000〜2500mmAqを差し
引いた値に比例する数値として求められる。
【0013】このような真空式汚水収集システムにおい
て、真空下水管路に登り勾配がある場合、その勾配にお
ける揚程は、真空ステーションで発生した真空度を消費
し、真空度の低下要因となり、搬送可能範囲を狭める原
因となる。例えば、第4,5図に示す如く、障害物(例
えば河川)のある地形において、この河川などの障害物
をくぐるように、又は跨ぐように真空下水管33を埋設
した場合、AB間の揚程はH1 又はH2 である。この揚
程H1又はH2 により、真空ステーションの真空度H0
はその分低減され(H0 −(H1 又はH2 ))、この場
合の搬送可能範囲は、H0 −(H1 又はH2 )から、前
記末端に必要な負圧1000〜2500mmAqを差し
引いた値に比例する値となる。このため、この場合の搬
送可能範囲は平坦な地形の場合の搬送可能範囲よりも大
幅に狭くなる。
【0014】このようなことから、汚水発生源から真空
ステーションまでの真空下水管路に障害物が形成される
場合において、該障害物の揚程による真空度の低下を防
止し、汚水搬送可能範囲の拡大を図る技術の開発が望ま
れている。
【0015】本出願人は、障害物の揚程による真空度の
低下を防止することができる真空式下水道の伏越とし
て、第2図に示す如く、障害物(図では河川)1の一側
に設けられた上流側真空下水管2と、障害物(河川)1
の他側に設けられた下流側真空下水管3とを接続する真
空式下水道の伏越であって、前記障害物1の下側をくぐ
り前記上流側真空下水管2と下流側真空下水管3とを接
続する通水管4と、前記障害物1の上側を跨ぎ前記上流
側真空下水管2と下流側真空下水管3とを接続する通気
管5とを備えてなる真空式下水道の伏越を提案した(特
願平3−20951号。以下「先願」という。)。
【0016】なお、第2図において、6は通気管5に設
けられた弁であり、10は上流側真空下水管2から立ち
上げられた大気連通管であり、この大気連通管10には
弁9が設けられている。
【0017】先願の真空式下水道の伏越であれば、障害
物1をくぐるに際し、上流側真空下水管2内の下水をそ
れよりも低位の下流側真空下水管3にサイホンの如く送
水すると共に、下流側真空下水管3と上流側真空下水管
2とを連通する通気管5により、真空ステーションで発
生した負圧を常時、真空下水管内に伝えている。このた
め、真空ステーションで発生した負圧が、この障害物を
くぐる際の真空下水管における揚水のためには消費され
ず、この負圧が他箇所での揚程に有効に利用される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記先願の真空式下水
道の伏越において、通水管4には、その構造上、汚物等
の異物が堆積し易い。
【0019】特に、通水管4は、上流側真空下水管2か
ら流下方向に向って下り勾配となる第1の管路4Aと、
第1の管路4Aから、下流に向ってゆるい下り勾配で延
設された第2の管路4Bと、第2の管路4Bから下流側
真空下水管3に向って立ち上げられた第3の管路4Cと
で構成される。このため、通水管4のうち最もレベルの
低い部分、即ち、図2においては第2の管路4Bと第3
の管路4Cとの境界付近4Dにおいて異物が堆積し易
い。
【0020】このような異物の堆積物は、弁6を閉じ、
弁9を開として上流側真空下水管2内にエアを吸入させ
ると共に、下流側真空下水管3内を真空ステーションに
より減圧して、通水管4内をエアブローすることによ
り、ある程度、下流側真空下水管3へ排出することは可
能である。
【0021】しかしながら、前述の如く、通水管4のう
ち最近レベル付近4Dでは、その構造上、異物が非常に
堆積し易く、また、堆積した異物は沈着固化することに
より、上記エアブローによって排出することが難しくな
る場合がある。
【0022】本発明は上記先願の問題点を解決し、通水
管内の異物をエアブローにより容易かつ効率的に排出し
得る真空式下水道の伏越を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の真空式下水道
の伏越は、障害物の一側に設けられた上流側真空下水管
と、障害物の他側に設けられた下流側真空下水管とを接
続する真空式下水道の伏越であって、前記障害物の下側
をくぐり前記上流側真空下水管と下流側真空下水管とを
接続する通水管と、前記障害物の上側を跨ぎ前記上流側
真空下水管と下流側真空下水管とを接続する通気管と、
前記通水管のうち、最低レベル部又はその近傍の部分を
大気に連通させるための管路と、該管路を大気に開放す
ると共に前記通気管からの前記下流側真空下水管への直
接の空気流入を阻止した第1の状態と、該管路を閉鎖す
ると共に該通気管からの該下流側真空下水管への直接の
空気流入を許容した第2の状態とを選択的にとらせる流
路選択手段と、を備えてなり、該上流側真空下水管と通
水管との接続部は該下流側真空下水管と通水管との接続
部よりも高位に位置していることを特徴とする。
【0024】請求項2の真空式下水道の伏越は、障害物
の一側に設けられた上流側真空下水管と、障害物の他側
に設けられた下流側真空下水管とを接続する真空式下水
道の伏越であって、前記障害物の下側をくぐり前記上流
側真空下水管と下流側真空下水管とを接続する通水管
と、前記障害物の上側を跨ぎ前記上流側真空下水管と下
流側真空下水管とを接続する通気管と、前記通水管のう
ち、最低レベル部又はその近傍の部分を大気に連通させ
るための第1の管路と、前記通水管のうち、流下方向に
向って上り勾配となる部分の途中部分を大気に連通させ
るための第2の管路と、前記第1の管路を大気に開放
し、前記第2の管路を閉鎖すると共に、前記通気管から
の前記下流側真空下水管への直接の空気流入を阻止した
第1の状態と、該第1の管路及び第2の管路を閉鎖する
と共に該通気管からの該下流側真空下水管への直接の空
気流入を許容した第2の状態と、該第1の管路を閉鎖
し、該第2の管路を大気に開放すると共に該通気管から
の前記下流側真空下水管への直接の空気流入を阻止した
第3の状態とを選択的にとらせる流路選択手段と、を備
えてなり、該上流側真空下水管と通水管との接続部は該
下流側真空下水管と通水管との接続部よりも高位に位置
していることを特徴とする。
【0025】
【作用】請求項1の真空式下水道の伏越においては、通
水管の最低レベル部又はその近傍の部分を大気に連通さ
せる管路を閉鎖し、また、通気管から下流側真空下水管
へ直接空気を流入させることにより、前記先願の真空式
下水道の伏越と同様、上流側真空下水管内の汚水を、サ
イホンの原理で下流側真空下水管に送り込むことがで
き、真空ステーションから下流側真空下水管へ伝達され
た真空度を殆ど低下させることなく、上流側真空下水管
へ伝達させることができる。
【0026】一方、該管路を大気に開放すると共に、通
気管からの下流側真空下水管への直接の空気流入を阻止
することにより、真空ステーションからの減圧で該管路
から、通水管のうち、最も異物が堆積し易い、最低レベ
ル部又はその近傍に空気が送り込まれる。この空気によ
り、当該部分に沈着、堆積した堆積物が直接的にエアブ
ローされ、効果的にほぐされて、下流側真空下水管側へ
容易に排出される。
【0027】以下に、このエアブロー効果について説明
する。
【0028】第2図に示す先願の真空式下水道の伏越に
おいて、通常の下水流通時は、第6図(a)に示す如
く、上流側真空下水管2、通水管4及び下流側真空下水
管3内を下水Wが流通している。このとき、弁6は開、
弁9は閉である。なお、図中、Gは通水管4の最低レベ
ル部に沈着、堆積した異物の堆積物である。このような
状態から、弁6を閉、弁9を開として、通水管4内をエ
アブローすることにより堆積物Gを下流側真空下水管3
側へ排出する場合、まず、第6図(b)に示す如く、大
気連通管10から空気が流入することにより、上流側真
空下水管2側の下水の水位WS が徐々に下がり、第6図
(c)に示す如く、下水Wの水位WS が通水管の最低レ
ベル部の管内壁4Eよりも下がった時に、初めて空気が
下水に混入して気泡Aが発生しエアブローが行なわれる
ようになる。このため、エアブロー時に気泡と共に堆積
物Gを押し流す下水量は、通水管4の管路4Bに残るわ
ずかな水量となり、エアブロー洗浄における十分な押し
流し効果が得られず、堆積物Gを効果的に下流側真空下
水管3側へ排出させることができない。
【0029】これに対して、請求項1の真空式下水道の
伏越であれば、空気は堆積物の存在する部分に直接送り
込まれ、通水管内に残る大量の水を気液混相化できる。
そして、堆積物を気泡でほぐしながらエアリフト作用に
よって堆積物を押し流すことができるため、堆積物を効
率良く下流側真空下水管側へ排出させることができる。
【0030】請求項2の真空式下水道の伏越において
は、通水管の最低レベル部又はその近傍の部分を大気に
連通させる第1の管路と、通水管の流下方向に向って上
り勾配となる部分の途中部分を大気に連通させる第2の
管路とを閉鎖し、また、通気管から下流側真空下水管へ
直接空気を流入させることにより、前記先願の真空式下
水道の伏越と同様、上流側真空下水管内の汚水を、サイ
ホンの如くして下流側真空下水管に送り込むことがで
き、真空ステーションから下流側真空下水管へ伝達され
た真空度を殆ど低下させることなく、上流側真空下水管
へ伝達させることができる。
【0031】この請求項2の伏越においても、第1の管
路を大気に開放し、第2の管路を閉鎖すると共に、通気
管からの下流側真空下水管への直接の空気流入を阻止す
ることにより、前記請求項1の真空式下水道の伏越と同
様、通水管内の堆積物を効果的にほぐし、下流側真空下
水管側へ容易に排出することが可能とされるが、このエ
アブローに先立って、第1の管路を閉鎖し、該第2の管
路を大気に開放すると共に通気管からの下流側真空下水
管への直接の空気流入を阻止した状態をとることによ
り、エアブロー時の立ち上りに必要な減圧度を小さくす
ることができる。
【0032】以下に、請求項2の伏越では、このエアブ
ロー開始時の必要減圧度が低くなる理由について第2、
6、7図を対比参照して説明する。なお、説明の便宜
上、下水の比重を1、空気の比重を0とし、エアブロー
により、下水と空気とが1:1の割合で混合され、比重
0.5の気液混相流体になるものとする。
【0033】第7図は、第2図に示した先願の真空式下
水道の伏越に、通水管4の最低レベル部と通気管5とを
連通する連通管12と、通水管4の流下方向に向って上
り勾配となる部分の途中部分と通気管5とを連通する連
通管14とを設けた真空式下水道の伏越である。なお、
連通管12、14には弁11、13が設けられている。
【0034】 先願の伏越の場合 第2図の先願の真空式下水道の伏越では、弁6を閉、弁
9を開としてエアブローを行なう場合のエアブロー開始
時に必要とされる減圧度(以下「初期減圧度」と称する
場合がある。)は通水管4と下流側真空下水管3とのレ
ベル差は、第7図のH0 に相当する。
【0035】 請求項1の伏越の場合 請求項1の真空式下水道の伏越においては、連通管12
を設け、連通管14を設けずに、弁6を閉、弁9,弁1
1を開としてエアブローを行なう場合の初期減圧度は、
連通管12の連結部と下流側真空下水管3とのレベル差
0 である。その後のエアブローの継続時においては、
下水と空気との1:1の混合流体を吸引することから、
必要とする減圧度(以下「継続減圧度」と称する場合が
ある。)は1/2H0 である。
【0036】 請求項2の伏越の場合 請求項2の真空式下水道の伏越においては、連通管1
2,14を設け、エアブロー開始にあたり、まず、弁6
を閉、弁9,13を開、弁11を閉として、大気連通管
10、通気管5、連通管14を経て、通水管4の、連通
管14の連結部分よりも上位レベルの部分4Mをエアブ
ローした場合(以下、このエアブローを「一次ブロー」
と称する場合がある。)、この一次ブロー開始に必要と
される初期減圧度はHA であり、継続減圧度は1/2H
A である。
【0037】次に、この一次ブローにより、通水管4の
うち連通管14の連結部分よりも上位レベルの部分4M
が気液混相流体となった状態で、弁6は閉、弁9は開の
まま、弁13を閉、弁11を開として、エアブローを行
なう場合(以下、このエアブローを「二次ブロー」と称
する場合がある。)、この二次ブローに必要とされる初
期減圧度は、この継続減圧度1/2HA と、通水管4の
連通管14の連結部より下位レベルの部分4Nにある下
水分に相当するHB との和(1/2HA +HB)であ
る。その後の継続減圧度は、前述の如く1/2H0 であ
る。
【0038】このように、エアブローにあたり、必要と
される初期減圧度が、先願の真空式下水道の伏越では初
期減圧度H0 であるのに対し、請求項2の真空式下水道
の伏越では、1/2HA +HB となり、先願に比べて1
/2HA 分だけ小さな圧で足りる。
【0039】なお、前記4M部分の水を一次ブローです
べて排出した後に二次ブローを行なうようにした場合に
は、二次ブローの初期減圧度はHB だけである。
【0040】このように、請求項2の真空式下水道の伏
越によれば、ブロー開始に必要とされる減圧度が大幅に
低減され、真空下水管内の真空度が十分でない場合で
も、効率的なエアブローを行なうことが可能とされる。
【0041】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例につい
てより具体的に説明する。なお、以下に挙げる図面にお
いて、第2図に示すものと同一機能を奏する部材には同
一符号を付してある。
【0042】第1図は請求項1の真空式下水道の伏越の
一実施例を示す断面図である。
【0043】第1図において、障害物(本実施例では河
川)1を横切るようにして真空式下水道が設けられてい
る。2は上流側真空下水管であり、3は下流側真空下水
管である。河川1の下側をくぐるように流下方向に向っ
て若干下り勾配の通水管4が設けられ、この通水管4に
よって真空下水管2,3が通水可能に接続されている。
なお、上流側真空下水管2は下流側真空下水管3よりも
Hなる高さだけ高位に配設されているが、このHは通水
管4内を下水が上流側真空下水管2から下流側真空下水
管3に向って流れるのに必要な小さな水頭に相当する。
下流側真空下水管3の下流側は真空ステーション(図示
略)に接続され、その管内を減圧可能としている。下流
側真空下水管3と上流側真空下水管2とは、河川1を跨
ぐ通気管5によって連通され、これによって上流側真空
下水管2内をも減圧しうるようになっている。本実施例
ではこの通気管5に弁6が設けられると共に、大気連通
管10が立ち上げられ、この大気連通管10には弁9が
設けられている。先願に係る第2図と同様に、この大気
連通管10及び弁9は、上流側真空下水管2に設けても
良い。
【0044】本実施例において、通水管4の最低レベル
部近傍と通気管5とを連通する連通管21が設けられて
おり、この連通管には弁22が設けられている。
【0045】このように構成された真空式下水道の伏越
において、通常時にあっては弁6は開弁され、弁9,弁
22は閉弁されている。そして上流側真空下水管2内を
流れてきた汚水は、通水管4を上流側真空下水管2と下
流側真空下水管3とのレベル差による自然流下によって
サイホンの如くしてくぐり抜け下流側真空下水管3に達
し、該下流側真空下水管3内をさらに下流に向って流れ
る。一方、下流側真空下水管3内の真空は通気管5を経
て上流側真空下水管2に伝達され、これによって上流側
真空下水管2に設けられている揚程(図示略)において
エアリフト作用が行なわれる。
【0046】このように、この真空式下水道の伏越にお
いては、河川1などの障害物があっても、汚水はこれを
サイホンの如くしてくぐり抜けるので、この障害物をく
ぐるのに揚程は不要となり、損失水頭はきわめて小さく
なる。従って、真空ステーションで発生された負圧が障
害物以外の箇所での揚程に有効に利用される。従って、
ひとつの真空ステーションで収集しうる流域面積を著し
く拡張できる。また、設計の自由度も大幅に高まる。
【0047】また、汚水の通水と共に通水管4に堆積物
がたまった場合には、この堆積物を次のようにして排出
する。即ち、流下水量の少ない夜間や休業日などにまず
弁6を閉じ、次いで弁9及び弁22を開けて通水管4の
最低レベル部にエアを吸入させると共に、下流側真空下
水管3内を真空ステーションにより減圧する。そうする
と、通水管4内の最低レベル部に堆積した堆積物が直接
エアブローされてほぐされ、かつ、堆積物は、通水管4
内の大量の下水で押し流されて下流側真空下水管3へ速
やかに排出される。なお、エアの吸入は、エアポンプな
どによる圧入でもよい。
【0048】請求項1の真空式下水道の伏越において、
通水管のうち、最低レベル部又はその近傍の部分を大気
に連通させるための管路は、第1図に示す如く、通気管
を経由するものに限らず、第8図に示す如く、大気に直
接に連通させる連通管23及び弁24であっても良い。
第8図の真空式下水道の伏越においても、通常時は弁6
を開、弁24を閉とし、エアブローに際しては弁6を
閉、弁24を開とすることにより、堆積物を効率良く排
出できる。
【0049】また、第9図に示す如く、連通管23、大
気連通管10及び通気管5を、四方弁25を介して連結
し、通常時(第9図(a))とエアブロー時(第9図
(b))とを四方弁25の切り換えで操作するようにす
ることもできる。
【0050】更に、第1図に示す真空式下水道の伏越に
おいて、第10図に示す如く、弁6,弁22の代りに、
連通管21と通気管5との連結部に三方弁26を設け、
通常時(第10図(a))とエアブロー時(第10図
(b))とを弁9と三方弁26の切り換えで操作するよ
うにすることもできる。
【0051】請求項2の真空式下水道の伏越は、このよ
うな請求項1の真空式下水道の伏越に、更に、通水管の
うち、流下方向に向って上り勾配となる部分の途中部分
を大気に連通させるための第2の管路を設けて構成され
る。
【0052】第11図に示す真空式下水道の伏越は、第
1図の真空式下水道の伏越に更に、通水管4の上り勾配
部分の中間位置と通気管5とを連通する連通管51を設
け、この連通管51に弁52を設けたものである。
【0053】この真空式下水道の伏越においては、通常
時は弁6を開、弁9,弁22,弁52を閉とし、エアブ
ローに際しては、まず弁9,弁52を開、弁6,弁22
を閉として、一次ブローを行なう。この場合、前述の作
用の項で述べた如く、小さい初期減圧度にて揚水が可能
である。一次ブロー終了後、弁6は閉、弁9は開のま
ま、弁52を閉、弁22を開として二次ブローを行な
う。二次ブローにおいても、小さい初期減圧度にて揚水
が可能である。これにより、系内の真空度の低い真空式
下水道の伏越であっても、容易にエアブローを行なうこ
とが可能とされる。
【0054】第12図に示す真空式下水道の伏越は、第
8図に示す真空式下水道の伏越に更に、弁54を有する
連通管53を設けたものである。
【0055】この真空式下水道の伏越においても、通常
時は弁6を開、弁9,弁24,弁54を閉とし、エアブ
ローに際しては、まず弁9,弁54を開、弁6,弁24
を閉として、一次ブローを行なう。一次ブロー終了後、
弁6は閉、弁9は開のまま、弁54を閉、弁24を開と
して二次ブローを行なう。
【0056】請求項2の真空式下水道の伏越において
も、第9、10と同様の四方弁や三方弁を用いてエアブ
ローの操作を行なうことができる。
【0057】第13図は、第9図に示す真空式下水道の
伏越に、更に、連通管24から分岐する連通管55を三
方弁56を介して接続したものであり、四方弁25,三
方弁56の切り換えにより、通常時(第13図
(a))、一次ブロー時(第13図(b))及び二次ブ
ロー時(第13図(c))を操作する。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の真空式下水
道の伏越は、河川などの障害物を横断するように真空式
下水道を設ける場合であっても、この障害物の横断部に
おける、真空ステーションで発生した真空度が消費され
ることによる真空度の低下を効果的に防止することがで
きる真空式下水道の伏越において、異物の堆積を効率的
に排除することが可能とされる。このため、真空式汚水
収集システムの適用地域の拡大、並びに、真空式汚水収
集システムによる汚水搬送可能範囲、即ち、汚水収集流
域の大幅な拡大が図れると共に、設計の自由度も大きく
なり、その工業的有用性は極めて大きい。
【0059】請求項2の真空式下水道の伏越によれば、
異物の堆積物をより一層容易に除去することが可能とさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の真空式下水道の伏越の一実施
例を示す断面図である。
【図2】第2図は先願に係る真空式下水道の伏越の実施
例を示す断面図である。
【図3】第3図は真空式汚水収集システムを示す断面図
である。
【図4】第4図は従来の真空式下水道の伏越を示す断面
図である。
【図5】第5図は従来の真空式下水道の伏越を示す断面
図である。
【図6】第6図は従来の真空式下水道の伏越のエアブロ
ー洗浄を説明する断面図である。
【図7】第7図は本発明の真空式下水道の伏越のエアブ
ロー時の初期減圧度の低減効果の説明図である。
【図8】第8図は本発明の真空式下水道の伏越の実施例
を示す断面図である。
【図9】第9図は本発明の真空式下水道の伏越の実施例
を示す断面図である。
【図10】第10図は本発明の真空式下水道の伏越の実
施例を示す断面図である。
【図11】第11図は本発明の真空式下水道の伏越の実
施例を示す断面図である。
【図12】第12図は本発明の真空式下水道の伏越の実
施例を示す断面図である。
【図13】第13図は本発明の真空式下水道の伏越の実
施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 河川 2 上流側真空下水管 3 下流側真空下水管 4 通水管 5 通気管 21,23,51,53,55 連通管 6,9,22,24,52,54 弁 25 四方弁 26,56 三方弁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 障害物の一側に設けられた上流側真空下
    水管と、障害物の他側に設けられた下流側真空下水管と
    を接続する真空式下水道の伏越であって、 前記障害物の下側をくぐり前記上流側真空下水管と下流
    側真空下水管とを接続する通水管と、 前記障害物の上側を跨ぎ前記上流側真空下水管と下流側
    真空下水管とを接続する通気管と、 前記通水管のうち、最低レベル部又はその近傍の部分を
    大気に連通させるための管路と、 該管路を大気に開放すると共に前記通気管からの前記下
    流側真空下水管への直接の空気流入を阻止した第1の状
    態と、該管路を閉鎖すると共に該通気管からの該下流側
    真空下水管への直接の空気流入を許容した第2の状態と
    を選択的にとらせる流路選択手段と、 を備えてなり、該上流側真空下水管と通水管との接続部
    は該下流側真空下水管と通水管との接続部よりも高位に
    位置している真空式下水道の伏越。
  2. 【請求項2】 障害物の一側に設けられた上流側真空下
    水管と、障害物の他側に設けられた下流側真空下水管と
    を接続する真空式下水道の伏越であって、 前記障害物の下側をくぐり前記上流側真空下水管と下流
    側真空下水管とを接続する通水管と、 前記障害物の上側を跨ぎ前記上流側真空下水管と下流側
    真空下水管とを接続する通気管と、 前記通水管のうち、最低レベル部又はその近傍の部分を
    大気に連通させるための第1の管路と、 前記通水管のうち、流下方向に向って上り勾配となる部
    分の途中部分を大気に連通させるための第2の管路と、 前記第1の管路を大気に開放し、前記第2の管路を閉鎖
    すると共に、前記通気管からの前記下流側真空下水管へ
    の直接の空気流入を阻止した第1の状態と、該第1の管
    路及び第2の管路を閉鎖すると共に該通気管からの該下
    流側真空下水管への直接の空気流入を許容した第2の状
    態と、該第1の管路を閉鎖し、該第2の管路を大気に開
    放すると共に該通気管からの前記下流側真空下水管への
    直接の空気流入を阻止した第3の状態とを選択的にとら
    せる流路選択手段と、 を備えてなり、該上流側真空下水管と通水管との接続部
    は該下流側真空下水管と通水管との接続部よりも高位に
    位置している真空式下水道の伏越。
JP32756891A 1991-02-14 1991-12-11 真空式下水道の伏越 Expired - Lifetime JP2639261B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32756891A JP2639261B2 (ja) 1991-12-11 1991-12-11 真空式下水道の伏越
AU12388/92A AU653002B2 (en) 1991-02-14 1992-02-10 Inverted siphon of vacuum type sewerage
DE1992604402 DE69204402T2 (de) 1991-02-14 1992-02-10 Umgekehrter heber eines kanalisationstyps vakuum.
EP19920904404 EP0529082B1 (en) 1991-02-14 1992-02-10 Inverted siphon of vacuum type sewerage
US07/934,464 US5297577A (en) 1991-02-14 1992-02-10 Culvert of vacuum sewerage
PCT/JP1992/000127 WO1992014889A1 (en) 1991-02-14 1992-02-10 Inverted siphon of vacuum type sewerage
TW81106335A TW224149B (ja) 1991-02-14 1992-08-11

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32756891A JP2639261B2 (ja) 1991-12-11 1991-12-11 真空式下水道の伏越

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05156693A JPH05156693A (ja) 1993-06-22
JP2639261B2 true JP2639261B2 (ja) 1997-08-06

Family

ID=18200522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32756891A Expired - Lifetime JP2639261B2 (ja) 1991-02-14 1991-12-11 真空式下水道の伏越

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2639261B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05156693A (ja) 1993-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20000011409A (ko) 하수시스템
JP2639261B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JP2639260B2 (ja) 真空式下水道の伏越
WO1992014889A1 (en) Inverted siphon of vacuum type sewerage
JP2639272B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JP2639262B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JP2768105B2 (ja) 真空式下水道の水路橋
JP2639263B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JP2526427B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JPH0978673A (ja) 真空式下水道のリフト損失防止装置
JP4412845B2 (ja) 真空式下水道システム
JP2715836B2 (ja) 真空式下水道の伏越
CN215278979U (zh) 一种跨越障碍物用真空污水输送系统
JP2715846B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JP2001081852A (ja) 真空式下水道システム
JP2715845B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JP4013400B2 (ja) 真空式下水道の伏越構造
CN113145579A (zh) 一种跨越障碍物用真空污水输送系统
JP3186402B2 (ja) 真空式下水道の伏越の通水管の洗浄方法
JP3385700B2 (ja) 真空式下水道の伏越
JPH0988171A (ja) 気液混相汚水管の閉塞防止装置
JPH06229001A (ja) 真空式下水道の真空下水管路
JP2005036593A (ja) 真空式下水道構造
JPH108533A (ja) 気液混相汚水管の閉塞防止装置
JPH07268933A (ja) 真空式下水道の伏越