JPH1143934A - 地中遮水壁およびその構築方法 - Google Patents

地中遮水壁およびその構築方法

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JPH1143934A
JPH1143934A JP20055397A JP20055397A JPH1143934A JP H1143934 A JPH1143934 A JP H1143934A JP 20055397 A JP20055397 A JP 20055397A JP 20055397 A JP20055397 A JP 20055397A JP H1143934 A JPH1143934 A JP H1143934A
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Takuro Odawara
卓郎 小田原
Sumio Horiuchi
澄夫 堀内
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Shimizu Construction Co Ltd
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒の浸透を抑えることができ、なおか
つ、従来に比較して施工性がより高く、また、施工品質
の確保がより容易であるような地中遮水壁およびその構
築方法を提供する。 【解決手段】 地中遮水壁1の構築対象の地盤4に対し
て、粒状ベントナイトを水により輸送し、これら粒状ベ
ントナイトおよび水を、地盤4を構成する地盤土Sに混
合攪拌することによって、粒状ベントナイト混合土7を
形成し、粒状ベントナイト混合土7により地中遮水壁1
を形成する。このとき、粒状ベントナイトとしては、粒
径2mm以上10mm以下のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤中に壁体をな
すように構築される地中遮水壁およびその構築方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、構造物を建設する際に
は、遮水を目的として遮水壁が地盤中に構築されること
がある。また、廃棄物の埋め立て処分や有害物質汚染土
壌の封じ込め処分を行うに際しては、汚水等が外部に流
失するのを防止するための遮水工として、同様の遮水壁
が地盤中に設けられることがある。
【0003】これらの遮水壁の一種として、地盤中の不
透水層にまで垂直に遮水壁を施工して遮水壁の内外の水
の移動を締め切る、鉛直遮水工と呼ばれる形式のものが
知られている。このような鉛直遮水工に用いられる工法
としては、以下のようなものが提案されている。 鋼矢板等を連続して打設し遮水壁とする鋼製矢板締
切工法。 地盤に連続した溝や孔を掘り、コンクリートを打設
充填する地中連続壁工法。 原地盤にセメントミルク等を添加し、原位置混合処
理工法によりソイルセメント硬化体からなる柱状体を原
地盤に形成するとともに、この柱状体を地盤中に連設す
るソイル柱列壁工法。 水ガラスなどを地盤中に注入する薬液注入工法。 トレンチ(掘削溝)の中にベントナイトスラリーを
充填するベントナイトスラリー壁工法。
【0004】しかしながら、上記の各工法は、それぞれ
以下のような問題点を有している。 に挙げた鋼管矢板締切工法においては、継手部におい
て漏水が懸念され、完全な止水を行うのは困難である。
さらに、この工法によって施工した遮水壁を廃棄物処分
場に設置する場合には、廃棄物の浸出水や廃棄物の保有
水等によって遮水壁に腐食が生じる心配がある。
【0005】に挙げた地中連続壁工法によって遮水壁
を形成した場合には、遮水壁が高い強度を発揮できる反
面、地盤の大きな水平変位や沈下等に対する追従性が小
さく、いったん遮水壁にクラック(ひび割れ)が発生す
ると修復が困難となる。さらに、この工法による遮水壁
の施工は、高額の費用を要するものとなってしまう。
【0006】に挙げたソイル柱列工法によって遮水壁
を形成した場合には、地盤の大きな水平変位や沈下等に
対する追従性が小さく、またいったんクラック(ひび割
れ)が発生すると修復が困難なものとなる。さらに、こ
の工法によれば、鋼管やH型鋼を芯材とすることによっ
て、遮水壁の剛性を高めることができるものの、施工の
方法によっては、遮水壁の連続性に問題が生じる可能性
もある。 に挙げた薬液注入工法においては、長期耐久性の確保
が難しく、また、連続止水壁としての連続性が低いとい
う問題点がある。 に挙げたトレンチ(掘削溝)の中にベントナイトスラ
リーを充填するベントナイトスラリー壁工法を用いて遮
水壁を形成した場合には、壁自体はスラリーそのもので
あり、強度が極めて弱いものとなる。また、周辺地盤の
沈下・変形・崩壊を発生させる恐れがあり、また、これ
にともなって遮水壁が変形・機能低下する心配がある。
【0007】以上のような問題点に鑑み、本出願人は、
先に、特開平4−182512号公報に開示された地中
構造体を提案した。この地中構造体は、粉体のベントナ
イトと地中構造体を構築する現地の地盤土とを現地地盤
中において混合攪拌することにより構築されるものであ
る。この地中構造体によれば、水の浸透によってベント
ナイトが膨潤し高い止水性を発揮することが可能であ
り、また、地盤と同程度の変形特性を持つために、地盤
の変形に追随することが可能である。さらに、いったん
クラックが発生したとしても、ベントナイト粒子が再配
列・構造化して止水性を維持することが可能であり、長
期間に渡る止水性を維持することができる。また、水の
浸透によってベントナイトを膨潤させる構成としたため
に、含水比の増加を最小限にすることができ、これによ
り自立が可能であるとともに、周辺地盤に悪影響を及ぼ
す心配がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように特開平4−
182512号公報に開示された地中構造体は、以上の
ような数々の利点を有するものであるが、しかしなが
ら、この地中構造体は、以下のような問題点を有してい
た。
【0009】まず、この地中構造体を廃棄物処分場にお
いて遮水壁として利用する際に、廃棄物処分場から滲出
した水溶性有機溶媒が浸透することによって、遮水性能
が低下する場合がある。
【0010】さらに、この地中構造体を形成する場合に
は、比較的少量(100kg/m3)のベントナイトを
地中構造体の設置対象の地盤中の地盤土と均質に混合す
る必要があるが、このように粉体ベントナイトを地盤土
に均質に混合することは、技術的に難しく、場合によっ
ては、地中構造体の壁体としての品質・連続性等に問題
が生じることが懸念される。
【0011】一方、粉体ベントナイトの地盤土への混合
を容易化するために、粉体ベントナイトをスラリー化し
て地盤土に混合しようとする場合には、極めて大量の水
(500kg/m3)を添加する必要があり、その結
果、ベントナイト混合土の密度が低下し、地中構造体の
止水性能が保てなくなってしまう。また、このように、
大量の水の添加した場合には、ベントナイト混合土の強
度が低下し、これにより地中構造体の自立が困難になる
とともに、地中構造体の長期耐久性の確保も難しくな
る。
【0012】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
もので、上述したような粉体ベントナイト混合土による
地中構造体と同様の利点を有しながら、さらに、有機溶
媒の浸透を抑えることができ、なおかつ、施工性がより
高く、また、施工品質の確保がより容易であるような地
中遮水壁を提供することをその目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の地中遮水壁は、地盤中に壁体をなす
ように構築された地中遮水壁であって、その少なくとも
一部が、粒状ベントナイトと水と前記地盤を構成する地
盤土とを混合した粒状ベントナイト混合土によって形成
されてなり、前記粒状ベントナイトとしては粒径2mm
以上10mm以下のものが用いられることを特徴とす
る。
【0014】上記のような構成とされるため、この地中
遮水壁を形成するにあたっては、ベントナイトに水を加
えて増量化したものを地盤土に混合することとなり、こ
のようにすることによって、ベントナイトの地盤土に対
する混合を容易に行うことができる。また、このように
最初から水が添加されるため、地盤土への混合と同時
に、遮水壁が止水機能を発揮することができる。また、
このとき、ベントナイトとして粒径2mm以上10mm
以下の粒状のものが用いられるため、粉体ベントナイト
と水を一緒に輸送する場合とは異なり、輸送途中でベン
トナイトが膨潤・ゲル化して固結する心配がなく、ま
た、地盤土に均一にベントナイトを混合することを良好
に行うことができる。粒径2mm以下のものが主体とな
った場合は、粉体ベントナイトと水を一緒に輸送するこ
とと同様に、輸送途中におけるベントナイトの膨潤・ゲ
ル化が問題となる。また、粒径10mm以上の粒状物が
使用される場合には、均質な混合物の形成が難しくな
る。なお、粒径については、2〜4mm程度であればよ
り望ましく、この場合、施工は通常の深層混合処理機を
使用して問題なく行うことができる。
【0015】請求項2記載の地中遮水壁は、請求項1記
載の地中遮水壁であって、前記粒状ベントナイト混合土
によって形成された第一の遮水壁と、深層混合処理工法
によって形成された第二の遮水壁とを備えた構成とされ
ていることを特徴とする。
【0016】上記のような構成とされるため、この地中
遮水壁においては、粒状ベントナイト混合土からなる地
中遮水壁が単独で配置される場合に比較して、壁体の強
度を向上させることが可能である。
【0017】請求項3記載の地中遮水壁は、前記第一お
よび第二の遮水壁は前記壁体の壁厚方向に積層状態に配
置されるとともに、遮水対象の地下水の流下方向に対し
て、前記第二の遮水壁が上手側に位置する構成とされて
いることを特徴とする。
【0018】上記のような構成が採用されるため、遮水
対象の地下水に有機溶媒等が含まれている場合において
も、これを第二の遮水壁において遮断することができ、
第一の遮水壁に悪影響が及ぼされることがない。
【0019】請求項4記載の地中遮水壁の構築方法は、
地盤中に壁体をなすように構築される地中遮水壁の構築
方法であって、該地中遮水壁の構築対象の地盤に対し
て、粒状ベントナイトを水により輸送し、これら粒状ベ
ントナイトおよび水を、前記地盤を構成する地盤土に混
合攪拌することによって、粒状ベントナイト混合土を形
成し、該粒状ベントナイト混合土により前記地中遮水壁
の少なくとも一部を形成してなり、前記粒状ベントナイ
トとしては、粒径2mm以上10mm以下のものを用い
ることを特徴とする。
【0020】上記のような構成とされるため、この地中
遮水壁の構築方法においては、地盤土に粒状ベントナイ
トを定量供給するとともに、これを均一に地盤土に混合
することが可能である。また、ベントナイトには、最初
から水が添加されるため、地盤土へのベントナイトを混
合すると同時に、遮水壁がその止水機能を発揮すること
が可能である。さらに、このとき、ベントナイトとして
は、粒径2mm以上10mm以下のものが用いられるた
め、輸送中にベントナイトが膨潤・ゲル化して固結する
心配がなく、また、地盤土に混合するに際して、適当な
程度に膨潤させることができる。
【0021】請求項5記載の地中遮水壁の構築方法は、
請求項4記載の地中遮水壁の構築方法であって、前記輸
送に際しては、粒状ベントナイトの沈降分離を防止させ
る目的で、前記水に、CMCや粉状ベントナイト膨潤さ
せたスラリー液を増粘性材料として添加することを特徴
とする。
【0022】上記のような構成とされるため、この地中
遮水壁の構築方法においては、粒状ベントナイトを水と
ともにポンプ圧送したとしても、輸送管等の内部におい
てベントナイトが沈降することが防がれる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
の形態である地中遮水壁1を、廃棄物処分場2において
滲出水を遮断するための鉛直遮水工として適用した場合
の状況を示す図である。図中に示すように、地中遮水壁
1は、廃棄物処分場2の周囲の地盤4中に対して、廃棄
物処分場2を囲むように設けられたものであり、その下
端1aが地盤4中の不透水層5にまで到達する構成とさ
れている。また、この地中遮水壁1は、粒径2mm以上
10mm以下とされたベントナイトと水とを、地盤4を
構成する地盤土Sに混合することによって形成された粒
状ベントナイト混合土7によって構成されたものであ
る。
【0024】以上が本実施の形態の地中遮水壁1の主要
な構成であるが、次に、地中遮水壁1の構築方法につい
て説明する。地中遮水壁1を構築するにあたっては、ま
ず、地中遮水壁1の設置対象の地盤4に対し、深層混合
処理機(図示せず)の攪拌翼を貫入し、攪拌翼の貫入が
完了したら、攪拌翼に設けられた噴射口より粒状ベント
ナイトおよび水を投入しつつ、攪拌翼を回転させなが
ら、地盤4より引き抜く。これにより、地盤4中に粒状
ベントナイト混合土7が、柱状に形成されることとな
る。
【0025】なお、この際、噴出口に粒状ベントナイト
および水を供給するにあたっては、外部より、パイプや
ホース等によって構成された輸送管を用いて、これら粒
状ベントナイトおよび水をポンプ圧送することとする。
また、このとき、ポンプ圧送に用いられる水には、例え
ば、泥水用CMC液、膨潤ベントナイトスラリーなどの
増粘性材料を添加しておく。
【0026】さらに、このような深層混合処理機による
作業を、廃棄物処分場2の周囲を囲むように連続的に行
うことによって、地盤4中に地中遮水壁1が形成される
こととなる。
【0027】上述の地中遮水壁1においては、ベントナ
イトに水を加えて増量化したものを地盤土Sに混合する
ことにより、ベントナイトを地盤土Sに対して均質に混
合することを容易に行うことができる。これにより、地
中遮水壁1の壁体としての品質および連続性を確保する
ことができる。また、このように、ベントナイトに対し
て最初から水が添加される構成とされるため、深層混合
処理機による作業を行うと同時に、地中遮水壁1がその
止水機能を発揮することができる。したがって、何らか
の原因により、廃棄物処分場2から有機溶媒等が流出し
てきたとしても、地中遮水壁1の遮水性が損なわれるこ
とがない。さらに、ベントナイトとして粒径2mm以上
10mm以下のものが用いられるため、粉末ベントナイ
トを水と混合した場合のように、ベントナイトが輸送中
に膨潤・ゲル化して固結する心配がなく、また、地盤土
Sへのベントナイトの混合を良好に行うことができる。
【0028】また、上述の地中遮水壁1の構築方法にお
いては、ベントナイトを地盤土S中に混合攪拌するに際
して、粒状ベントナイトを水により輸送するという構成
が採用されているため、地盤土Sに対して粒状ベントナ
イトを定量供給することが可能であり、地盤土Sに対す
るベントナイトの均一な添加を容易に行うことができ
る。さらに、ベントナイトに水を添加して増量すること
で、地盤土Sに対するベントナイトの混合の容易化が図
られる。
【0029】また、この構築方法においては、ベントナ
イトは、その輸送中に初期の膨潤がなされることとな
り、さらに、ベントナイトの輸送に用いた水を、そのま
ま地盤土に対して添加することによって、ベントナイト
と地盤土Sとを混合した後にも、ベントナイトの膨潤が
継続されることとなる。したがって、ベントナイトと地
盤土Sとの混合作業を行うと同時に、地中遮水壁1にお
いて止水機能を発揮させるようにすることが可能であ
り、これにより、地中遮水壁1の構築後に、廃棄物処分
場2から有機溶媒等が浸透してきたとしても、地中遮水
壁1に対しては有機溶媒等が浸透する懸念がない。した
がって、地中遮水壁1が良好に遮水工としての機能を発
揮することができる。
【0030】さらに、このとき、ベントナイトとして
は、粒径2mm以上10mm以下のものが用いられるた
め、輸送管中において、ベントナイトがゲル化する心配
がなく、これによりベントナイトを良好に定量供給する
ことができる。また、このような粒径のベントナイトが
用いられるため、ベントナイトをスラリー化して輸送す
る必要がなく、輸送に用いた水をそのまま地盤土中に添
加したとしても、地中遮水壁1の強度が低下することが
ない。したがって、自立可能な地中遮水壁1を容易に形
成することができる。また、この構築方法によれば、既
存の深層混合処理機械を用いて施工を行うことができ、
特別な装置および構成等を必要としない。
【0031】また、上述の地中遮水壁1の構築方法にお
いては、ベントナイトの輸送に用いられる水に対して増
粘性材料が添加されるため、輸送管の途中に大きな高低
差や急曲部があったり、あるいは、輸送距離を長くとら
ざるを得ない場合などにも、輸送管の中で粒状ベントナ
イトが沈降して管底部に滞留するなどの心配がなく、こ
れにより、ベントナイトの定量供給を確実に行うことが
可能であり、また、滞留したベントナイトが吸水・膨潤
することによって、輸送管に詰まり等が発生する懸念も
減少する。
【0032】以上において本発明の実施の形態の一例を
示したが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
なく、地中遮水壁1や廃棄物処分場2の各部の構造等の
詳細について、他の構成を採用することも可能である。
【0033】例えば、上記実施の形態において、地盤4
の強度が余り期待できず、掘削による沈下などの地盤変
形の可能性がある場合には、図2や図3に示すように地
中遮水壁1を形成するのが好適である。図2に示す地中
遮水壁10は、上記実施の形態の地中遮水壁1と同一の
構成とされた第一の遮水壁11に対して、廃棄物処分場
2から見て外側に、第一の遮水壁11の補強用として第
二の遮水壁12,12,…を併設することにより、これ
ら第一の遮水壁11および第二の遮水壁12,12,…
を一体的に形成したものである。
【0034】第二の遮水壁12,12,…は、深層混合
処理工法によって形成されたものであり、地盤4中に、
セメントミルクを混合攪拌し地盤4を固結させることに
より構築される。また、図中に示すように、第二の遮水
壁12,12,…は、第一の遮水壁11に直交するよう
に、なおかつ第一の遮水壁11の延在方向に間隔をおい
て設けられる。
【0035】このように、第二の遮水壁12,12,…
を第一の遮水壁11に併設した場合、地盤4を構成する
地盤土Sの第二の遮水壁12,12,…間の土砂のすり
抜けが抑制され、これにより第一の遮水壁11に対する
土圧が軽減されるとともに、地盤4の変形が抑制される
こととなる。これにより、地中遮水壁10が全体として
その強度を発揮することが可能となる。
【0036】一方、図3に示す地中遮水壁15は、図1
に示した上記実施の形態の地中遮水壁1と同一の構成と
された第一の遮水壁11に対して、廃棄物処分場2から
見て内側に、第二の遮水壁16を積層状態に配置し、こ
れら第一および第二の遮水壁11および16を一体的に
形成したものである。このような構成とすることによっ
て、地盤4の変形に対して地中遮水壁15を抵抗させる
ことができる。また、廃棄物処分場2から有機溶媒等が
流出してきたとしても、これを第二の遮水壁16におい
て遮断することができ、これにより第一の遮水壁11に
悪影響が及ぼされる懸念がなくなる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る地
中遮水壁は、粒状ベントナイトと水と地盤土とを混合し
た粒状ベントナイトによって形成されるため、ベントナ
イトに水を加えて増量化し、これらベントナイトおよび
地盤土を容易に均質に混合するができ、また、これによ
り、壁体としての施工品質および連続性を確保すること
が可能となる。また、このように、ベントナイトに対し
て最初から水が添加されるため、地中遮水壁が構築後か
ら直ちに止水機能を発揮することができる。したがっ
て、遮水対象の地下水に有機溶媒等が含まれていたとし
ても、その遮水性が損なわれることがない。さらに、ベ
ントナイトとして粒径2mm以上10mm以下のものが
用いられるため、粉末ベントナイトを水と混合した場合
のように、ベントナイトが膨潤・ゲル化して固結する心
配がなく、また、地盤土に対してベントナイトの混合を
良好に行うことができる。
【0038】請求項2に係る地中遮水壁は、粒状ベント
ナイト混合土によって形成された第一の遮水壁と、深層
混合処理工法によって形成された第二の遮水壁とを備え
た構成とされるため、地盤の変形に対して抵抗すること
が可能であり、軟弱地盤などにおいても、良好にその機
能を発揮することが可能である。
【0039】請求項3に係る地中遮水壁は、第一の遮水
壁と第二の遮水壁とが、壁厚方向に積層される構成とさ
れるために、粒状ベントナイト混合土によって形成され
た地中遮水壁が単独で地盤中に配置された場合に比較し
て、その強度が向上され、さらに、止水性においても優
れたものが実現できる。さらに、深層混合処理工法によ
って形成された第二の遮水壁が、遮水対象の地下水の流
下方向の上手側に配置されるために、地下水に有機溶媒
が含まれていたとしても、第二の遮水壁によって有機溶
媒の浸透を抑制することができるだけでなく、第一の遮
水壁に悪影響が生じることを防止することができる。こ
れにより、有機溶媒の滲出する場合にも遮水工としての
安全性を確保することが可能であり、例えば、廃棄物処
分場における遮水工として好適に用いることができる。
【0040】請求項4に係る地中遮水壁の構築方法にお
いては、ベントナイトを地盤土中に混合攪拌するに際し
て、粒状ベントナイトを水により輸送するという構成が
採用されているため、地盤土に対して粒状ベントナイト
を定量供給することが可能であり、混合土に対するベン
トナイトの均一な添加を容易に行うことができる。さら
に、ベントナイトに水を添加して増量することで、地盤
土に対するベントナイトの混合の容易化が図られる。ま
た、この構築方法においては、ベントナイトは、その輸
送中に初期の膨潤がなされることとなり、さらに、ベン
トナイトの輸送に用いた水を、そのまま地盤土に対して
添加することにより、ベントナイトと地盤土との混合作
業を行うと同時に、地中遮水壁がその止水機能を発揮す
ることができ、これにより、地中遮水壁の構築後に、有
機溶媒等を含んだ地下水が浸透してきたとしても、地中
遮水壁が良好に遮水工としての機能を発揮することがで
きる。さらに、このとき、ベントナイトとしては、粒径
2mm以上10mm以下のものが用いられるため、輸送
管中において、ベントナイトが膨潤・ゲル化する心配が
なく、これによりベントナイトを良好に定量供給するこ
とができる。また、このような粒径のベントナイトが用
いられるため、ベントナイトをスラリー化して輸送する
必要がなくなり、これら水およびベントナイトをそのま
ま地盤土中に添加したとしても、地中遮水壁の強度が低
下することがなく、地中遮水壁の自立性を確保すること
ができる。また、この構築方法によれば、既存の深層混
合処理機械を用いて施工を行うことができ、特別な装置
および構成等が必要とされない。
【0041】請求項5に係る地中遮水壁の構築方法によ
れば、ベントナイトの輸送に用いられる水に対して増粘
性材料が添加されるため、輸送管の中で粒状ベントナイ
トが沈降して管底部に滞留するなどの心配がなく、これ
により、ベントナイトの定量供給を確実に行うことが可
能であり、また、滞留したベントナイトが吸水・膨潤す
ることによって、輸送管に詰まり等が発生する懸念も減
少する。これにより、地中遮水壁の施工性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である地中遮水壁が適
用された廃棄物処分場を示す斜視断面図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態である地中遮水壁が
適用された廃棄物処分場を示す平面断面図である。
【図3】 同、他の実施の形態である地中遮水壁が適用
された廃棄物処分場を示す立断面図である。
【符号の説明】
1 地中遮水壁 2 廃棄物処分場 4 地盤 S 地盤土 7 粒状ベントナイト混合土 10 地中遮水壁 11 第一の遮水壁 12 第二の遮水壁(補強用) 15 地中遮水壁 16 第二の遮水壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に壁体をなすように構築されて地
    中遮水壁であって、 その少なくとも一部が、粒状ベントナイトと水と前記地
    盤を構成する地盤土とを混合した粒状ベントナイト混合
    土によって形成されてなり、 前記粒状ベントナイトとしては粒径2mm以上10mm
    以下のものが用いられることを特徴とする地中遮水壁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の地中遮水壁であって、前
    記粒状ベントナイト混合土によって形成された第一の遮
    水壁と、深層混合処理工法によって形成された第二の遮
    水壁とを備えてなる地中遮水壁。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の地中遮水壁であって、前
    記第一および第二の遮水壁は前記壁体の壁厚方向に積層
    状態に配置されるとともに、遮水対象の地下水の流下方
    向に対して、前記第二の遮水壁が上手側に位置する構成
    とされていることを特徴とする地中遮水壁。
  4. 【請求項4】 地盤中に壁体をなすように構築される地
    中遮水壁の構築方法であって、 該地中遮水壁の構築対象の地盤に対して、粒状ベントナ
    イトを水により輸送し、これら粒状ベントナイトおよび
    水を、前記地盤を構成する地盤土に混合攪拌することに
    よって、粒状ベントナイト混合土を形成し、該粒状ベン
    トナイト混合土により前記地中遮水壁の少なくとも一部
    を形成してなり、 前記粒状ベントナイトとしては、粒径2mm以上10m
    m以下のものを用いることを特徴とする地中遮水壁の構
    築方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の地中遮水壁の構築方法で
    あって、前記輸送に際しては、前記水に増粘性材料を添
    加することを特徴とする地中遮水壁の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001055720A (ja) * 1999-08-18 2001-02-27 Ohbayashi Corp 現地土の混合方法
JP2009068331A (ja) * 2008-11-25 2009-04-02 Raito Kogyo Co Ltd 連続壁の構築方法
JP2020090809A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 ライト工業株式会社 遮水壁の構築方法

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