JPH1060879A - 建造物の基礎およびその施工方法 - Google Patents

建造物の基礎およびその施工方法

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JPH1060879A
JPH1060879A JP8217650A JP21765096A JPH1060879A JP H1060879 A JPH1060879 A JP H1060879A JP 8217650 A JP8217650 A JP 8217650A JP 21765096 A JP21765096 A JP 21765096A JP H1060879 A JPH1060879 A JP H1060879A
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JP
Japan
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cement
ground
pile
foundation
building
Prior art date
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Application number
JP8217650A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Watanabe
修 渡辺
Sadao Hattori
貞夫 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Concrete Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Concrete Industries Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1060879A publication Critical patent/JPH1060879A/ja
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  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Foundations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工範囲が狭く大きな水平耐力が得られ施工
性が向上する建造物の基礎を提供する。 【解決手段】 地盤を所定の深さ掘削する。掘削手段に
て先端からスラリ化したセメント系固化材を適宜注出し
つつ掘進し、ソイルセメント柱2を形成する。所定長を
ラップして連続する4本のソイルセメント柱2を四角形
状に形成する。セメント系固化材の固化前に、各ソイル
セメント柱2,2に同軸上に杭5を打設し改良柱6を形
成する。改良柱6,6間をラップさせてセメント系固化
材を注出しつつ掘進して連続したソイルセメント柱2,
2を形成し、格子状の補強体3を形成する。改良柱6の
上部に突出する4本の杭を覆ってフーチング7を現場コ
ンクリート打ちにて形成し、建造物9の基礎8を形成す
る。施工範囲の狭い格子状の補強体と杭とを一体的に連
結でき、施工性を向上でき水平耐力を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭を有しセメント
系固化材にて地盤を補強するとともに杭が打設された建
造物を支持する建造物の基礎およびその施工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤に杭を打設した建造物の基礎
としては、例えば図8および図9に示す構造のものが知
られている。
【0003】この図8および図9に示す建造物21の基礎
22は、建造物21を建造する地盤23に、地震などの際に液
状化が生じる範囲の深さで複数略円筒状に掘削し、この
掘削部分に透水性を有するように砂や砂利、紙、織布な
どを充填した水抜用のサンドパイル24を埋設し、複数の
サンドパイル24が設けられた範囲内の所定の位置を所定
の深さ掘削し、この掘削部分にコンクリートパイルなど
の杭25を例えば4本打設し、この掘削部分から一部突出
する杭25,25を覆うように、建造物21を支持する基礎ブ
ロックとなるフーチング26をコンクリートなどにて現地
施工により形成し、この杭25,25を一体的に連結するフ
ーチング26を埋戻して形成されている。
【0004】しかしながら、この図8および図9に示す
構成によれば、杭25を打設するのに必要な機材とサンド
パイル24を設けるのに必要な機材とが異なり、建造物21
の基礎22の施工性が低減するとともに、埋設された複数
のサンドパイル24,24はそれぞれ独立であるため、例え
ば地震などの際の水平地盤反力の評価が難しい問題があ
り、安定した高強度で耐震性の優れた大型の建造物21の
建造が困難な場合がある。
【0005】そこで、図10および図11に示す構造の
ものが知られている。この図10および図11に示す建
造物31の基礎32は、略筒状の軸体の先端部周面に攪拌翼
や掘削翼を設けた掘削手段を用い、この掘削手段にてほ
とんど間隔をおくことなく密に地盤33を掘削しつつスラ
リ化したセメント系固化材を注入し、掘削により生じる
土壌とセメント系固化材とを回転する掘削手段にて攪拌
混合し、セメント系固化材の固化によりソイルセメント
柱が平板状に連続した補強体34を形成したり、全面的に
所定の深さ箱状に掘削し、掘削により生じた土壌とセメ
ント系固化材を混合して板状に全面的にソイルセメント
の補強体34を形成して地盤改良を行い、この補強体34の
ソイルセメントが固化する前に杭35を打設後、フーチン
グ36を形成して、液状化の防止とともに、水平耐力を向
上させている。
【0006】しかしながら、この図10および図11に
示す構造のものは、広範囲で掘削しなければならず、施
工作業が煩雑であるとともに、多量のセメント系固化材
を要し材料費および施工費が増大する。
【0007】一方、従来の建造物41の基礎42としては、
例えば図12および図13に示すものも知られている。
この図12および図13に示す建造物41の基礎42は、略
筒状の軸体の先端部周面に攪拌翼や掘削翼を設けた掘削
手段にて、格子状に地盤43を掘削しつつスラリ化したセ
メント系固化材を注入し、掘削により生じる土壌とセメ
ント系固化材とを回転する掘削手段にて攪拌混合し、セ
メント系固化材の固化によりソイルセメント柱44が格子
状に連続した補強体45を形成した後、格子内に杭46を例
えば4本ずつ地盤43に打設してフーチング47を形成した
り、先に杭46を所定の位置に例えば4本ずつ地盤43に打
設した後、掘削手段にて杭46の回りを連続して掘削しつ
つセメント系固化材を注入してソイルセメント柱44が格
子状に連続した補強体45を形成してフーチング47を形成
するものである。
【0008】しかしながら、この図12および図13に
示す構造のものは、図11および図12に示す構造のも
のよりソイルセメント柱44を形成する範囲が狭いが、ソ
イルセメント柱44による補強体45と杭46とが別体で、水
平耐力の大きな向上が得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図8
および図9に示すサンドパイル24やドレン材を用いる従
来の建造物21の基礎22では、杭25を打設するのに必要な
機材とサンドパイルやドレン材を設けるのに必要な機材
とが異なり、基礎工事が煩雑となるとともに、水平耐力
の向上が得られない。また、図10および図11に示す
板状にソイルセメントを形成する従来の建造物31の基礎
32では、施工範囲が広範囲で、基礎工事が煩雑となると
ともにコストが増大する。さらに、図12および図13
に示す杭46を囲むように格子状にソイルセメントを形成
する従来の建造物41の基礎42では、水平耐力の向上が得
られにくい問題がある。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、施工範囲が狭く大きな水平耐力が得られ施工性が向
上する建造物の基礎およびその施工方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の建造物の
基礎は、建造物が建造される地盤に格子状に形成されセ
メント系固化材が含有された補強体と、前記セメント系
固化材の固化前に打設され前記セメント系固化材が周囲
に固化されて前記補強体と一体的に形成された杭とを具
備したもので、地盤に対して格子状にセメント系固化材
を含有した補強体を形成し、この補強体にセメント系固
化材の固化前に杭を打設してセメント系固化材の固化に
より一体的に形成するため、施工範囲が狭く、固化前の
掘削した部分の補強体に杭を打設するので杭の打設が容
易となりコストが低減し施工性が向上するとともに、杭
と補強体とが一体的に形成されるので、大きな水平耐力
が得られる。
【0012】請求項2記載の建造物の基礎は、請求項1
記載の建造物の基礎において、補強体は、軸体に掘削翼
を有した掘削手段の前記軸体の回転により一連に格子状
に地盤が掘削され、この掘削された部分にセメント系固
化材が注入されて形成されたもので、軸体に掘削翼を有
した掘削手段を用い軸体の回転により一連に格子状に地
盤を掘削して、この掘削された部分にセメント系固化材
を注入して補強体を形成するため、杭の打設と掘削およ
びセメント系固化材の注入とを同一の機材で施工可能
で、施工性が向上する。
【0013】請求項3記載の建造物の基礎は、建造物が
建造される地盤に設けられ、軸体に掘削翼を有した掘削
手段の前記軸体の回転によりこの地盤の掘削された部分
に注入されたセメント系固化材、および、このセメント
系固化材の固化前に打設され前記セメント系固化材が周
囲に固化されて一体的に形成された杭とを備えた複数の
改良柱と、これら改良柱間に連続して設けられ前記掘削
手段により前記地盤の掘削された部分に注入されたセメ
ント系固化材とを具備したもので、軸体に掘削翼を有し
た掘削手段を用い軸体の回転により地盤を掘削し、この
掘削した部分にセメント系固化材を注入して固化前に杭
を打設して改良柱を複数形成し、これら改良柱間の地盤
を掘削手段にて連続して掘削し、掘削した部分にセメン
ト系固化材を注入して、セメント系固化材の固化により
格子状の補強体を形成して杭を一体的に連結形成するた
め、同一の機材で杭の打設と掘削およびセメント系固化
材の注入とが可能で、施工範囲が狭く、固化前の掘削し
た部分の補強体に杭を打設するので杭の打設が容易とな
りコストが低減し施工性が向上するとともに、杭と補強
体とが一体的に形成され、大きな水平耐力が得られる。
【0014】請求項4記載の建造物の基礎は、請求項3
記載の建造物の基礎において、改良柱は、複数連続して
掘削されたそれぞれの部分にセメント系固化材が注入さ
れ複数の杭が打設されて一体的に形成されたもので、複
数連続して掘削した部分にそれぞれセメント系固化材を
注入後複数の杭を打設して一体的に改良柱を形成するた
め、水平耐力がさらに向上する。
【0015】請求項5記載の建造物の基礎は、請求項1
ないし4いずれか記載の建造物の基礎において、補強体
は、軸体に掘削翼を有した掘削手段の前記軸体の回転に
より一連に格子状に地盤が掘削され、回転する前記掘削
手段により注入されたセメント系固化材が掘削にて生じ
た土壌と攪拌混合されて形成されたもので、軸体に掘削
翼を有した掘削手段を用い軸体の回転により一連に格子
状に地盤が掘削しつつ、セメント系固化材を注入して回
転する掘削手段により掘削にて生じた土壌とセメント系
固化材とを攪拌混合して補強体を形成するため、残土の
発生量が少なく、杭を一体化した地盤改良が一動作で行
え、施工性が向上する。
【0016】請求項6記載の建造物の基礎の施工方法
は、杭を地盤に打設するとともにこの杭の近傍の地盤を
セメント系固化材にて補強する建造物の基礎の施工方法
において、地盤を格子状に掘削し、この掘削した部分に
前記セメント系固化材を注入し、このセメント系固化材
が固化する前に前記杭を打設するもので、地盤の格子状
に掘削した部分にセメント系固化材を注入してセメント
系固化材が固化する前に杭を打設するため、施工範囲が
狭く、固化前の掘削した部分の補強体に杭を打設するの
で杭の打設が容易となりコストが低減し施工性が向上す
るとともに、杭と補強体とが一体的に形成されるので、
大きな水平耐力が得られる。
【0017】請求項7記載の建造物の基礎の施工方法
は、請求項6記載の建造物の基礎の施工方法において、
セメント系固化材の注入は、地盤の掘削とともに行い掘
削により生じた土壌と前記セメント系固化材とを混合さ
せるもので、残土の発生量が少なく、杭を一体化した地
盤改良が一動作で行え、施工性が向上する。
【0018】請求項8記載の建造物の基礎の施工方法
は、外径が略円形の棒状の杭を地盤に打設するとともに
この杭の近傍の地盤をセメント系固化材にて補強する建
造物の基礎の施工方法において、軸体に掘削翼を有した
掘削手段を用い、前記軸体を回転させて地盤を格子状に
掘削しつつ前記セメント系固化材を注入し、このセメン
ト系固化材が固化する前に前記杭を打設するもので、軸
体に掘削翼を有した掘削手段にて軸体を回転させて地盤
を格子状に掘削しつつセメント系固化材を注入して、掘
削により生じた土壌とセメント系固化材とを混合させ
て、セメント系固化材が固化する前に杭を打設するた
め、杭の打設が容易で、施工範囲が狭く、同一の機材で
施工可能で、施工性が向上しコストが低減するととも
に、杭と補強体とが一体的に形成されるので、大きな水
平耐力が得られる。
【0019】請求項9記載の建造物の基礎の施工方法
は、外径が略円形の棒状の杭を地盤に打設するとともに
この杭の近傍の地盤をセメント系固化材にて補強する建
造物の基礎の施工方法において、軸体に掘削翼を有した
掘削手段を用い、前記軸体を回転させて地盤を掘削しつ
つ前記セメント系固化材を注入し、このセメント系固化
材が固化する前に前記杭を打設して複数の改良柱を形成
し、これら改良柱間の地盤を前記掘削手段にて連続して
掘削しつつ前記セメント系固化材を注入して固化させ、
前記複数の杭を格子状に一体的に連結するもので、軸体
に掘削翼を有した掘削手段を用い軸体の回転により地盤
を掘削しつつセメント系固化材を注入して掘削により生
じた土壌とセメント系固化材とを混合させてセメント系
固化材の固化前に杭を打設して改良柱を複数形成し、こ
れら改良柱間の地盤を掘削手段にて連続して掘削しつつ
セメント系固化材を注入して掘削により生じた土壌とセ
メント系固化材とを混合して固化させて複数の杭を格子
状に一体的に連結するため、同一の機材で杭の打設と掘
削およびセメント系固化材の注入とが可能で、施工範囲
が狭く、固化前の掘削した部分の補強体に杭を打設する
ので杭の打設が容易となりコストが低減し施工性が向上
するとともに、杭と補強体とが一体的に形成され、大き
な水平耐力が得られる。
【0020】請求項10記載の建造物の基礎の施工方法
は、請求項9記載の建造物の基礎の施工方法において、
改良柱は、複数連続して掘削し、このそれぞれの掘削箇
所にセメント系固化材を注入し、このセメント系固化材
が固化する前に掘削箇所毎に杭をそれぞれ打設して一体
的に形成するもので、複数連続して掘削しこの掘削箇所
毎にセメント系固化材を注入して杭をそれぞれ打設して
一体的に改良柱を形成するため、水平耐力がさらに向上
する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の建造物の基礎の実
施の一形態の構成を図面を参照して説明する。
【0022】図1および図2において、1は地盤で、こ
の地盤1には、地表面1aから所定の深さ、例えば地震な
どの際に液状化が生じるおそれがあると思われる深さの
範囲hで、軸方向が略鉛直方向のソイルセメント柱2を
地盤平面に対して格子状に連続して形成した補強体3が
形成され、さらにこの補強体3の交差部分は4本のソイ
ルセメント柱2が四角形に位置するように連続して形成
されている。
【0023】さらに、補強体3の交差部分の4本のソイ
ルセメント柱2,2には、それぞれ略同軸上に略円柱形
や略円筒形などのコンクリートパイルなどの外径が略円
形の棒状の杭5が、上端部がソイルセメント柱2の上端
面から突出するとともに下端部はソイルセメント柱2を
突き抜けて地盤1に打設され、ソイルセメント柱2と杭
5とにて改良柱6が形成されている。
【0024】なお、図3に示すように、杭5と同軸上に
形成されるソイルセメント柱2の重なり寸法は、杭5の
外径の大きさと関係なく200mm程度であることが好ま
しく、また一般的に外径dの杭5の中心間隔は2d程度
に設定されることを考慮して、ソイルセメント柱2の直
径Dを2d+200に設定することが好ましい。すなわ
ち、表1に示すように、外径dの杭5を使用する場合、
杭5の中心間隔2dおよびソイルセメント柱2の重なり
寸法200からソイルセメント柱2の直径Dを決定すれ
ばよい。
【0025】
【表1】 また、改良柱6の上部には、ソイルセメント柱2の上端
面から突出する4本の杭5,5の上端部を覆うように、
フーチング7が現場コンクリート打ちなどにて形成され
て、連続するソイルセメント柱2、杭5およびフーチン
グ7にて基礎8が構成されている。
【0026】そして、フーチング7の上端部を土台とし
て建造物9が建造される。
【0027】次に、上記建造物の基礎の施工方法を図面
を参照して説明する。
【0028】まず、図2に示すように、建造物9を建造
する地盤1の所定の位置を所定の深さ、例えば建造物9
の土台となるフーチング7を形成するのに必要な深さで
掘削する。
【0029】一方、図4に示すように、ベース車両11に
立設する支持柱12に略筒状の軸体14を本体とする掘削手
段13をその軸方向が略鉛直となるように取り付ける。な
お、この掘削手段13は、その軸体14の先端に図4ないし
図6に示すように、スラリ化したセメント系固化材の注
出口と、周方向に突出する掘削翼15および攪拌翼16とが
設けられ、駆動手段17にて回転自在となっている。
【0030】そして、掘削手段13にて地盤1を所定の深
さまで掘削、すなわち例えば地震などの際に液状化が生
じるおそれがあると思われる深さの範囲で掘削しつつ、
軸体14の先端からスラリ化したセメント系固化材を注出
して掘進する、すなわち掘削しつつ掘削により生じた土
壌と掘削部分に注入したセメント系固化材とを攪拌混合
する。この後、軸体14を逆転させてさらに掘削により生
じた土壌とセメント系固化材とを攪拌混合しつつ掘削手
段13を引き抜き、ソイルセメント柱2を形成する。
【0031】さらに、このソイルセメント柱2に掘削位
置が約200mm重なるように連続して同様にセメント系
固化材を注入しつつ掘進し、少なくとも隣接するソイル
セメント柱2の中心が四角形を構成するように次々にソ
イルセメント柱2,2を連続して形成する。
【0032】次に、セメント系固化材が固化する前に、
掘削手段13を取り外して杭5を保持する図示しないチャ
ック手段を取り付け、このチャック手段に杭5の一端部
を保持して杭5を軸方向が略鉛直となるように支持す
る。そして、セメント系固化材が固化する前のソイルセ
メント柱2に、チャック手段にて保持された一端部がソ
イルセメント柱2の上面より所定長さ突出し他端部であ
る下端部がソイルセメント柱2を突き抜けて支持層に食
い込むように杭5を圧入打設して改良柱6を形成する。
【0033】なお、この改良柱6は、図1および図3に
示すように、四角形に位置する連続した4本のソイルセ
メント柱2,2の各中心に略同軸上に杭5,5がそれぞ
れ打設されて杭群となっている。
【0034】この後、再び掘削手段13を用いて改良柱
6,6間を連結するように、改良柱6の形成と同様に連
続して掘削しつつスラリ化したセメント系固化材を注出
して掘進してソイルセメント柱2を連続した壁状に形成
し、格子状の補強体3を形成する。
【0035】次に、改良柱6の上部に位置して、ソイル
セメント柱2の上端面から上端部が突出する4本の杭を
囲むように所定の形状に枠組みし、現場コンクリート打
ちにより、フーチング7を形成する。
【0036】そして、フーチング7のコンクリートが固
化した後、枠組みを解体し、フーチング7の回りを埋め
戻して杭5が連続した格子状の補強体3にて一体的に連
結された建造物9の基礎8を形成する。
【0037】その後、フーチング7を土台として建造物
9を建造する。
【0038】上記実施の形態によれば、地盤1に対して
格子状にセメント系固化材にて補強体3を地盤1に形成
して地盤改良を行い、この補強体3のセメント系固化材
の固化前に杭5を打設するため、杭5の打設が地盤1に
直接杭を打設する場合に比して容易にできるとともに、
杭5を一体的に連結でき簡単な構成で容易に水平耐力を
向上できる。
【0039】さらに、施工範囲を狭くでき、施工性を向
上できるとともにコストを低減できる。
【0040】また、掘進しつつセメント系固化材を注入
して、掘削により生じる土壌とセメント系固化材を混合
してソイルセメント柱2を形成するため、杭5の打設に
用いる機材と同一の機材にて掘削でき、掘削と地盤改良
となるソイルセメント柱2が連続した補強体3の形成と
が一動作ででき、施工性を向上できるとともに、残土の
発生量を少なくできる。
【0041】そして、改良柱6,6間に連続したソイル
セメント柱2,2を形成して格子状の補強体3を一体的
に連結形成したため、大きな水平耐力が得られる。
【0042】さらに、この改良柱6は、それぞれ杭5を
同軸上に設けた4本の連続したソイルセメント柱2,2
の杭群構造に形成したため、さらに水平耐力を向上でき
る。
【0043】なお、上記実施の形態において、補強体3
を連続するソイルセメント柱2,2にて形成して説明し
たが、所定の深さで地盤1に対して格子状に掘削して掘
削により生じた土壌を排出した後、掘削により開口する
部分にコンクリートなどのセメント系固化材をこの掘削
した部分に流し込み、コンクリートが固化する前に杭5
を打設して、コンクリートの固化により杭をコンクリー
ト製の補強体3にて一体的に連結形成するなど、いずれ
のセメント系固化材を用いてもよく、格子状の補強体3
に杭5の少なくとも一部が埋没するいずれの構造でもで
きる。
【0044】そして、ソイルセメント柱2を形成した
後、杭5を打設して説明したが、例えば図7に示すよう
に、略円筒形状の杭5を用い、この杭5内に挿入した掘
削翼15および攪拌翼16を径拡縮可能に軸体14に設けた掘
削手段13をベース車両11に鉛直に取り付け、掘削翼15お
よび攪拌翼16を拡径した状態で掘削しつつセメント系固
化材を注入して杭5を圧入し、所定の深さからはセメン
ト系固化材の注入を停止して支持層まで掘削し杭5を圧
入する。その後、掘削翼15および攪拌翼16を縮径させて
杭5内を引き抜いて、改良柱6を形成してもできる。こ
の施工方法によれば、ソイルセメント柱2の形成と杭5
の打設とが一動作ででき、施工性をさらに向上できる。
【0045】また、改良柱6,6間をソイルセメント柱
2,2にて連結して説明したが、補強体3を構成するソ
イルセメント柱2,2の全てに杭5を打設してもよく、
補強体3の交差する部分ではなく補強体3の各辺の部分
のソイルセメント柱2,2に杭5を打設してもできる。
【0046】さらに、地盤1をある程度掘削してソイル
セメント柱2を形成して説明したが、掘削せずに直接ソ
イルセメント柱2を形成するしてもよい。すなわち、掘
削手段13にて地盤1を所定の深さまで掘削した後、さら
に掘削しつつ軸体14の先端からスラリ化したセメント系
固化材を注出して掘進し、ソイルセメント柱2が所定の
長さ寸法となる範囲で掘削し、軸体14を逆転させてさら
に掘削により生じた土壌とセメント系固化材とを攪拌混
合しつつ掘削手段13を引き抜き、ソイルセメント柱2を
形成してもできる。
【0047】また、掘削手段13としては、スクリューオ
ーガなどいずれの構造のものでもでき、杭5の打設も圧
入に限らず打ち込み、沈設などいずれの方法でもでき、
杭5は施工方法や建造物9の基礎8の強度などにより適
宜所定の形状に設定されたいずれの構造のものを用いて
もよい。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の建造物の基礎によれば、
地盤に対して格子状にセメント系固化材を含有した補強
体を形成し、この補強体にセメント系固化材の固化前に
杭を打設するため、セメント系固化材の固化により地盤
改良である補強体と杭とを一体的に形成できるので、大
きな水平耐力が得られるとともに、固化前の掘削した部
分の補強体に杭を打設するので杭を容易に打設でき、狭
い範囲で施工でき、施工性を向上でき、コストを低減で
きる。
【0049】請求項2記載の建造物の基礎によれば、請
求項1記載の建造物の基礎に加え、軸体に掘削翼を有し
た掘削手段を用い軸体の回転により一連に格子状に地盤
を掘削し、この掘削した部分にセメント系固化材を注入
して補強体を形成するため、杭の打設と掘削およびセメ
ント系固化材の注入とを同一の機材で施工でき、施工性
を向上できる。
【0050】請求項3記載の建造物の基礎によれば、軸
体に掘削翼を有した掘削手段を用い軸体の回転により掘
削した地盤の掘削部分にセメント系固化材を注入して固
化前に杭を打設して改良柱を複数形成し、これら改良柱
間の地盤を掘削手段にて連続して掘削し、掘削した部分
にセメント系固化材を注入して、セメント系固化材の固
化により格子状の補強体を形成して杭を一体的に連結形
成するため、同一の機材で杭の打設と掘削およびセメン
ト系固化材の注入とができ、施工範囲が狭く、固化前の
掘削した部分の補強体に杭を打設するので杭を容易に打
設でき、コストを低減でき施工性を向上できるととも
に、杭と補強体とを一体的に形成でき、大きな水平耐力
が得られる。
【0051】請求項4記載の建造物の基礎によれば、請
求項3記載の建造物の基礎に加え、複数連続して掘削し
た部分にセメント系固化材を注入後複数の杭を打設して
一体的に改良柱を形成するため、水平耐力をさらに向上
できる。
【0052】請求項5記載の建造物の基礎によれば、請
求項1ないし4いずれか記載の建造物の基礎に加え、軸
体に掘削翼を有した掘削手段を用い軸体の回転により一
連に格子状に地盤を掘削しつつセメント系固化材を注入
して回転する掘削手段により掘削にて生じた土壌とセメ
ント系固化材とを攪拌混合して補強体を形成するため、
残土の発生量を低減でき、掘削および地盤改良の補強体
の形成を一動作ででき、施工性を向上できる。
【0053】請求項6記載の建造物の基礎の施工方法に
よれば、地盤の格子状に掘削した部分にセメント系固化
材を注入してセメント系固化材が固化する前に杭を打設
するため、セメント系固化材の固化により地盤改良であ
る補強体と杭とを一体的に形成できるので、大きな水平
耐力が得られるとともに、固化前の掘削した部分の補強
体に杭を打設するので杭を容易に打設でき、狭い範囲で
施工でき、施工性を向上でき、セメント系固化材の使用
量も低減してコストを低減できる。
【0054】請求項7記載の建造物の基礎の施工方法に
よれば、請求項6記載の建造物の基礎の施工方法に加
え、地盤の掘削とともにセメント系固化材を注入させ、
掘削により生じた土壌とセメント系固化材とを混合させ
るため、残土の発生量を低減でき、掘削および地盤改良
の補強体の形成を一動作ででき、施工性を向上できる。
【0055】請求項8記載の建造物の基礎の施工方法に
よれば、軸体に掘削翼を有した掘削手段にて軸体を回転
させて地盤を格子状に掘削しつつセメント系固化材を注
入して、掘削により生じた土壌とセメント系固化材とを
混合させて、セメント系固化材が固化する前に杭を打設
するため、セメント系固化材の固化により地盤改良であ
る補強体と杭とを一体的に形成できるので、大きな水平
耐力が得られるとともに、杭を容易に打設でき、施工範
囲が狭く同一の機材で施工でき、施工性を向上できコス
トも低減できる。
【0056】請求項9記載の建造物の基礎の施工方法に
よれば、軸体に掘削翼を有した掘削手段を用い軸体の回
転により地盤を掘削しつつセメント系固化材を注入して
掘削により生じた土壌とセメント系固化材とを混合させ
てセメント系固化材の固化前に杭を打設して改良柱を複
数形成し、これら改良柱間の地盤を掘削手段にて連続し
て掘削しつつセメント系固化材を注入して掘削により生
じた土壌とセメント系固化材とを混合して固化させて複
数の杭を格子状に一体的に連結するため、セメント系固
化材の固化により地盤改良である補強体と杭とを一体的
に形成できるので、大きな水平耐力が得られ、施工範囲
が狭く、同一の機材で杭の打設と掘削およびセメント系
固化材の注入とができ、固化前の掘削した部分の補強体
に杭を打設するので杭を容易に打設でき、施工性を向上
でき、コストも低減できる。
【0057】請求項10記載の建造物の基礎の施工方法
によれば、請求項9記載の建造物の基礎の施工方法に加
え、複数連続して掘削し掘削箇所毎にセメント系固化材
を注入し杭をそれぞれ打設して一体的に改良柱を形成す
るため、水平耐力をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建造物の基礎の実施の一形態の補強体
を示す平面図である。
【図2】同上建造物の基礎を示す断面図である。
【図3】同上補強体の改良柱近傍を示す平面図である。
【図4】同上掘削手段による掘削状況を示す説明図であ
る。
【図5】同上掘削状況を示す説明図である。
【図6】同上掘削状況を示す説明図である。
【図7】本発明の建造物の基礎の他の実施の形態の掘削
状況および杭の打設状況を示す断面図である。
【図8】従来例の建造物の基礎を示す平面図である。
【図9】同上断面図である。
【図10】他の従来例の建造物の基礎を示す平面図であ
る。
【図11】同上断面図である。
【図12】さらに他の従来例の建造物の基礎を示す平面
図である。
【図13】同上断面図である。
【符号の説明】
1 地盤 3 補強体 5 杭 6 改良柱 8 建造物の基礎 9 建造物 13 掘削手段 14 軸体 15 掘削翼

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物が建造される地盤に格子状に形成
    されセメント系固化材が含有された補強体と、 前記セメント系固化材の固化前に打設され前記セメント
    系固化材が周囲に固化されて前記補強体と一体的に形成
    された杭とを具備したことを特徴とする建造物の基礎。
  2. 【請求項2】 補強体は、軸体に掘削翼を有した掘削手
    段の前記軸体の回転により一連に格子状に地盤が掘削さ
    れ、この掘削された部分にセメント系固化材が注入され
    て形成されたことを特徴とする請求項1記載の建造物の
    基礎。
  3. 【請求項3】 建造物が建造される地盤に設けられ、軸
    体に掘削翼を有した掘削手段の前記軸体の回転によりこ
    の地盤の掘削された部分に注入されたセメント系固化
    材、および、このセメント系固化材の固化前に打設され
    前記セメント系固化材が周囲に固化されて一体的に形成
    された杭とを備えた複数の改良柱と、 これら改良柱間に連続して設けられ前記掘削手段により
    前記地盤の掘削された部分に注入されたセメント系固化
    材とを具備したことを特徴とする建造物の基礎。
  4. 【請求項4】 改良柱は、複数連続して掘削されたそれ
    ぞれの部分にセメント系固化材が注入され複数の杭が打
    設されて一体的に形成されたことを特徴とする請求項3
    記載の建造物の基礎。
  5. 【請求項5】 補強体は、軸体に掘削翼を有した掘削手
    段の前記軸体の回転により一連に格子状に地盤が掘削さ
    れ、回転する前記掘削手段により注入されたセメント系
    固化材が掘削にて生じた土壌と攪拌混合されて形成され
    たことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の建
    造物の基礎。
  6. 【請求項6】 杭を地盤に打設するとともにこの杭の近
    傍の地盤をセメント系固化材にて補強する建造物の基礎
    の施工方法において、 地盤を格子状に掘削し、この掘削した部分に前記セメン
    ト系固化材を注入し、このセメント系固化材が固化する
    前に前記杭を打設することを特徴とした建造物の基礎の
    施工方法。
  7. 【請求項7】 セメント系固化材の注入は、地盤の掘削
    とともに行い掘削により生じた土壌と前記セメント系固
    化材とを混合させることを特徴とした請求項6記載の建
    造物の基礎の施工方法。
  8. 【請求項8】 外径が略円形の棒状の杭を地盤に打設す
    るとともにこの杭の近傍の地盤をセメント系固化材にて
    補強する建造物の基礎の施工方法において、 軸体に掘削翼を有した掘削手段を用い、 前記軸体を回転させて地盤を格子状に掘削しつつ前記セ
    メント系固化材を注入し、このセメント系固化材が固化
    する前に前記杭を打設することを特徴とした建造物の基
    礎の施工方法。
  9. 【請求項9】 外径が略円形の棒状の杭を地盤に打設す
    るとともにこの杭の近傍の地盤をセメント系固化材にて
    補強する建造物の基礎の施工方法において、 軸体に掘削翼を有した掘削手段を用い、 前記軸体を回転させて地盤を掘削しつつ前記セメント系
    固化材を注入し、このセメント系固化材が固化する前に
    前記杭を打設して複数の改良柱を形成し、これら改良柱
    間の地盤を前記掘削手段にて連続して掘削しつつ前記セ
    メント系固化材を注入して固化させ、前記複数の杭を格
    子状に一体的に連結することを特徴とした建造物の基礎
    の施工方法。
  10. 【請求項10】 改良柱は、複数連続して掘削し、この
    それぞれの掘削箇所にセメント系固化材を注入し、この
    セメント系固化材が固化する前に掘削箇所毎に杭をそれ
    ぞれ打設して一体的に形成することを特徴とした請求項
    9記載の建造物の基礎の施工方法。
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