JPH1142099A - 検体希釈液 - Google Patents

検体希釈液

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JPH1142099A
JPH1142099A JP20198097A JP20198097A JPH1142099A JP H1142099 A JPH1142099 A JP H1142099A JP 20198097 A JP20198097 A JP 20198097A JP 20198097 A JP20198097 A JP 20198097A JP H1142099 A JPH1142099 A JP H1142099A
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JP
Japan
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aptt
measurement
sample
chelating agent
measuring
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JP20198097A
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English (en)
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Masayoshi Kikuchi
匡芳 菊池
Kazushi Nakamoto
一志 中本
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A & T kk
Tokuyama Corp
Original Assignee
A & T kk
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性化部分トロンボプラスチン時間(APT
T)測定用乾燥試薬を用いたAPTT測定方法におい
て、APTT試薬溶液を用いた従来のAPTT測定法と
の測定結果の相関性を更に向上させること、及び測定の
同時再現性をさらに向上させること。 【解決手段】 クエン酸、クエン酸ナトリウム等のキレ
ート化剤を含有する水溶液からなる検体希釈液で希釈し
た検体を試料としてAPTT測定用乾燥試薬を用いたA
PTT測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床検査に使用さ
れる活性化部分トロンボプラスチン時間を測定する際に
使用する検体用の希釈液に関する。
【0002】
【従来の技術】活性化部分トロンボプラスチン時間(以
下、APTTと略すこともある。)は、内因系の血液凝
固の異常・正常を調べる検査、或は患者に投与したヘパ
リン等の抗凝固剤のモニタリング検査として測定されて
いるものであり、血友病患者のスクリーニング検査及び
緊急検査として広く測定されている検査項目である。
【0003】従来、APTTの測定は、部分トロンボプ
ラスチン(セファリン)及び活性化剤とが任意の緩衝液
中に含有されているAPTT試薬溶液を用い、予備加温
しておいたAPTT試薬溶液と試料(主に血漿等の検
体)とを等量混合して該混合液を加温した後、さらに等
量の予備加温しておいた塩化カルシウム溶液を加えて、
その時点から検体が凝固するまでの時間を反応系の透過
光の減衰或いは粘度上昇を検知することにより行われて
いた(以下、このような測定方法を単に「従来法」とも
いう。)。
【0004】また、近年、上記従来法よりも簡便なAP
TT測定方法として、乾燥試薬を用いた測定方法が開発
されている(特表平3−504076号公報)。該測定
方法(以下、単に「改良法」ともいう。)では、上記従
来法で使用できる任意のAPTT試薬溶液に塩化カルシ
ウム水溶液を混合したものに磁性粒子及び凍結乾燥保護
剤としての牛血清アルブミンを添加した溶液を凍結乾燥
した乾燥試薬(以下、単に「APTT測定用乾燥試薬」
ともいう。)を使用し、該APTT測定用乾燥試薬に一
定量の試料(主に血漿等の検体)を加え、その直後に振
動磁場と静止永久磁場の組合せをかけて該APTT測定
用乾燥試薬中に含有される磁性粒子を運動させる。そし
て、試料の凝固に伴うAPTT測定用乾燥試薬内の粘度
上昇により磁性粒子の動きが鈍ることを利用して、磁性
粒子の運動シグナルを光学的にモニターすることにより
凝固時間を測定するものである。該改良法は、前記従来
法で必要であった血液凝固時間測定用試薬溶液の調製、
予備加温等が不要であるという長所を有している。
【0005】なお、該改良法においては、その測定原理
上凝固が完全に終了する時間を判別するのは一般に難し
く、また、測定時間を短縮するために、APTT反応の
終点は、上記磁性粒子の運動シグナルが最大値から一定
の割合だけ減衰した時点、あるいは磁性粒子の運動シグ
ナルの変化量が最大となる時点(変曲点)などとし、凝
固時間の決定は、試料を添加してから該終点までの時間
としている。そして、該凝固時間と従来法で得られるA
PTT測定値について予め作成した検量線に基づき該凝
固時間をAPTTに換算する方法が一般に採用されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な方法により
得られた改良法における測定結果(APTT)は、従来
法で得られた測定結果との間には一応の相関性があるた
め、改良法は既に実用化されている。しかしながら、そ
の相関性及び測定精度(具体的には、同時再現性)は必
ずしも十分とは言えなかった。
【0007】本発明は、上記改良法において、従来法と
の相関性を更に向上させること、及び測定の同時再現性
をさらに向上させることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、改良法の
従来法に対する相関性の低さおよび同時再現性の低さ
は、使用する試薬形態の違い(溶液であるか凍結乾燥品
であるかの違い)及び検体希釈操作の違いに由来する、
1)反応系における最終キレート化剤イオン濃度の相違、
或いは2)反応系における凝固因子濃度の相違に因るので
はないかと考え、種々検討を行った。
【0009】なお、最終キレート剤イオン濃度の相違に
着目したのは、以下の理由によるものである。即ち、通
常検体にはAPTT反応を行う前に凝固させないために
検体中のカルシウムイオンを除去する目的でキレート化
剤としてキレート化剤イオン(例えば、クエン酸イオ
ン)を発生させる物質(具体的にはクエン酸ナトリウ
ム)が添加されている(抗凝固処理)。そして、従来法
では、カルシウムイオンを発生させる物質(具体的には
塩化カルシウム)を適量加えることで、APTT反応を
生じさせている。ところが、改良法では反応系における
検体の濃度が高いため乾燥試薬由来のカルシウムイオン
量に対するクエン酸イオン量が高くなっていると考えら
れる。従って、試薬由来のカルシウムイオンは、従来法
と比してそれだけ多く除去されている可能性が高い。よ
って、抗凝固剤であるクエン酸イオンと凝固促進剤であ
るカルシウムイオンとのバランスが崩れていることが悪
影響を及ぼしている原因ではないかと考えたからであ
る。
【0010】具体的には、上記相違点1)を解消するため
に乾燥試薬中のカルシウム濃度を高めたり、上記相違点
2)を解消するために緩衝液で検体を希釈したりする方法
を試みた。しかしながら、その結果は、前者では相関性
が逆に低下し、後者では相関性は変わらず同時再現性が
低下するという結果であり、このような方法では上記課
題が解決できないことが判明した。
【0011】本発明者らは上記課題を解決するために更
に鋭意検討を行った結果、改良法において測定結果が従
来法と乖離したり同時再現性が低下する原因は、各個別
測定検体中のキレート化剤に由来するクエン酸イオン濃
度の(絶対量ではなく)バラツキが大きく関係している
ことをつきとめた。また、前記の単なる緩衝液で検体を
希釈した場合における同時再現性の低下の原因は、希釈
により反応系のカルシウムイオン濃度が過剰状態とな
り、それによってAPTT反応が阻害されていることも
つきとめた。そして、さらに検討を続けた結果、驚くべ
きことに、キレート化剤を含有する水溶液からなる検体
希釈液を用いて検体を希釈した試料を用いて、改良法に
よる測定を行うと、上記の問題を解決できることを見い
出し、本発明を完成するに到った。
【0012】即ち、本発明は、キレート化剤を含有する
水溶液からなる活性化部分トロンボプラスチン時間測定
用検体希釈液、より具体的には、キレート化剤を含有す
る緩衝液からなる活性化部分トロンボプラスチン時間測
定用検体希釈液である。
【0013】また、他の本発明は、磁性粒子を含有する
活性化部分トロンボプラスチン時間測定用乾燥試薬に試
料を添加した後、振動磁場と静止磁場の組合せからなる
磁場中で磁性粒子の運動シグナルを光学的に測定して、
該運動シグナルの変化から活性化部分トロンボプラスチ
ン時間を測定する方法において、試料として上記の検体
希釈液で希釈した検体を使用する活性化部分トロンボプ
ラスチン時間の測定方法である。
【0014】本発明の検体希釈液を用いて希釈した検体
を試料として改良法による測定を行う場合には、該希釈
により検体由来のキレート化剤イオン濃度がAPTT反
応に影響しないほどに低減されると同時に各個別検体中
のキレート化剤イオン濃度のバラツキが解消されること
により従来法との相関性や測定の同時再現性が向上する
ものと思われる。また、キレート化剤を含まない水溶液
で希釈した場合には希釈によるキレート化剤イオン濃度
の低下により乾燥試薬由来のカルシウムイオンがより多
く残ることで過剰となりAPTT反応が阻害され同時再
現性が低下するのに対し、本発明の検体希釈液はキレー
ト化剤を含んでいるため該希釈液で検体を希釈してもA
PTT反応系でのカルシウムイオンは過剰とならず、適
量に残るため同時再現性の低下が起こらないものと考え
られる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の活性化部分トロンボプラ
スチン時間測定用検体希釈液(以下、「本発明の検体希
釈液」と略すこともある。)に含有されるキレート化剤
は、カルシウムイオンをキレート化させ、反応系から除
外する効果を有するものであれば特に限定されず、公知
のキレート化剤が使用できる。このようなキレート剤と
しては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエ
ン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミ
ン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリ
ウム、エチレンジアミン四酢酸二リチウム、ジアミノプ
ロパノール四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレン
ジアミン二プロピオン酸二塩酸塩、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸等が具体的に挙げられる。
【0016】これらキレート化剤の中でも、水への溶解
性および本発明の効果の点で、クエン酸ナトリウムまた
はクエン酸カリウムを使用するのが特に好適である。
【0017】本発明の検体希釈液における上記キレート
化剤の濃度は特に限定されず、検体の希釈倍率及び使用
するAPTT測定用乾燥試薬中に含まれるカルシウム塩
の濃度に応じて適宜決定すればよいが、通常は1〜50
mMの範囲である。本発明の効果の高さの点からは、例
えばAPTT測定用乾燥試薬中のカルシウム塩濃度が1
2.5mMの時に反応系におけるキレート化剤の濃度が
5〜30mMの範囲となるような割合の濃度であるのが
好適である。
【0018】本発明の検体希釈液は、上記キレート化剤
を水溶液に含有せしめたものであり、このとき使用でき
る水溶液としては、蒸留水、イオン交換水等の水及びこ
れら水に緩衝剤等の他の成分が溶解した水溶液が挙げら
れる。
【0019】本発明の検体希釈液は、上記キレート化剤
を含有する水溶液であれば良いが、APTT反応の進行
を円滑に行わせるためには、本発明の検体希釈液は、上
記キレート化剤を含有する緩衝液であるのが好適であ
る。APTT反応を円滑に進行させるためには、検体を
希釈液したときのpHが6〜8の間にあることが望まし
く、そのためには上記キレート化剤を含有する水溶液に
緩衝剤を添加して緩衝液とすればよい。このとき使用で
きる緩衝剤としては、2−[4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、3−[4
−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロ
パンスルホン酸、2−モルフォリノエタンスルホン酸等
のGOOD緩衝液と呼ばれる一連の化合物、トリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン等が挙げられる。上記緩
衝剤の濃度は、検体希釈後にもpHを一定に保つことが
できる濃度で、かつAPTT反応を著しく阻害しない濃
度であれば特に限定されないが、一般的には、5mM〜
200mMの範囲で使用するのが好適である。
【0020】また、pHを所望の値にするために、本発
明の検体希釈液には上記緩衝剤に加えて水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物または塩酸、
硫酸、リン酸等の酸性化合物を添加することもできる。
この時使用するアルカリ性化合物あるいは酸性化合物の
添加量は緩衝剤の濃度、種類、所望するpH等に応じて
適宜決定すればよい。
【0021】更に、本発明の検体希釈液の保存時の安定
性を向上させるためにアジ化ナトリウム等の防腐剤を添
加することができる。添加する防腐剤の量は、例えばア
ジ化ナトリウムを用いた場合には、本発明の検体希釈液
中の濃度として約0.01〜0.1%程度の量である。
【0022】本発明の検体希釈液として、特に好適な態
様を具体的に例示すれば、緩衝剤として30mMの2−
[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]
エタンスルホン酸、キレート化剤として10.5mMク
エン酸ナトリウム、防腐剤として0.03%アジ化ナト
リウムを構成成分としたpH7.35の検体希釈液、緩
衝剤として30mMの2−[4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、キレ−ト
化剤として15.0mMクエン酸カリウム、防腐剤とし
て0.03%アジ化ナトリウムを構成成分としたpH
7.40の検体希釈液、緩衝剤として30mMの3−
[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]
プロパンスルホン酸、キレ−ト化剤として12.5mM
クエン酸ナトリウム、防腐剤として0.04%アジ化ナ
トリウムを構成成分としたpH7.50の検体希釈液等
が挙げられる。
【0023】本発明の検体希釈液を調製する方法は、特
に限定されないが、攪拌しながら蒸留水等の水あるいは
緩衝液中に所定量の上記各構成成分を溶解させる方法が
一般に用いられる。
【0024】本発明の検体希釈液を用いて希釈する検体
は、従来法で使用される検体が何等制限無く使用でき
る。この様な検体としては、通常の公知の方法で抗凝固
処理した全血検体、該全血検体を遠心分離することで得
られる血漿検体、あるいは凍結乾燥された市販のコント
ロ−ル血漿を蒸留水等で再生したもの等が挙げられる。
尚、抗凝固処理としては、3.2%クエン酸ナトリウム
1容に対して、採血後直ちに全血9容を遠心管に入れ、
数回転倒混和する処理方法が一般的に用いられている。
又、全血検体から血漿検体を取得する方法は、前出の抗
凝固処理した全血検体を3000rpm、10分間遠心
分離し、その上澄みを取得する方法が一般的である。
【0025】本発明の検体希釈液を用いて検体を希釈す
る方法は特に限定されることなく公知の方法が使用でき
る。一般的には一定量の検体および本発明の検体希釈液
を試験管に入れて振盪して混合する方法が好適に採用で
きる。このとき、本発明の検体希釈液を用いて検体を希
釈する際の希釈倍率は、使用する本発明の検体希釈液中
のキレート化剤濃度によりその好適な範囲は異なるので
一概に特定することはできないが、一般的には2〜6倍
の希釈倍率で希釈するのが好適である。
【0026】以下、本発明の検体希釈液で希釈した検体
を用いて改良法でAPTTを測定する方法について具体
的に説明する。
【0027】APTT測定用乾燥試薬は特表平3−50
4076号公報に示された方法にて製造することが可能
である。又、市販のドライヘマトAPTT[(株)エイ
アンドテイー販売]を使用することも可能である。
【0028】APTT測定用乾燥試薬を用いてのAPT
T測定は、粘度変化を検知あるいは濁度変化を検知する
こと等により行うことができる。好適にはAPTT測定
用乾燥試薬に、本発明の検体希釈液で希釈した検体から
なる試料を一定量滴下し、すぐに振動磁場と静止磁場の
組合せから成る磁場中において磁性粒子を運動させ、同
時に磁性粒子の運動シグナルを光学的にモニターし、そ
の経時変化を検知する方法で行うことができる。この様
な測定は、市販の血液凝固時間測定装置であるCG01
((株)エイアンドテイー販売]やCOAG1[和光純
薬工業(株)販売]等を使用して行うことができる。
【0029】上記の方法でAPTTを測定するとき、凝
固反応の終点はAPTT測定用乾燥試薬中の磁性粒子の
運動シグナルの大きさの変化を基に判断することができ
る。凝固反応の終点としては、運動シグナルの大きさの
減衰速度が最大になる点(変曲点)、あるいは運動シグ
ナルの大きさがその最大値に対して任意の割合まで減衰
した点等が採用される。そのうち、得られるAPTTの
再現性がより良好なことから運動シグナルの大きさの減
衰速度が最大になる点(変曲点)が好適に使用される。
運動シグナルの大きさの減衰速度が最大になる点を終点
とする場合の検出方法を具体的に例示すると、運動シグ
ナルの強さの経時変化グラフに対して、一次微分処理を
し、該一次微分グラフがピークとなる点を終点とする方
法がある。
【0030】上記の方法を用いてAPTTを測定すると
き、検体を添加してから上記終点までの時間がAPTT
測定用乾燥試薬を用いて測定した場合のAPTT測定値
となる。尚、従来法で得られるAPTT測定値と感度を
あわせる目的で、該APTT測定値を仮りのAPTT測
定値とし、それを以下の換算式に代入し、得られる値を
真のAPTT測定値としてもよい。換算式は、 (真のAPTT測定値)=A×(仮りのAPTT測定
値)+B で、A,Bは実験により求まる係数である。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は該実施例に限定されるものでは
ない。
【0032】実施例1:本発明の検体希釈液を用いて測
定した場合の同時再現性 活性化剤としてシリカ粒子を使用したAPTT試薬溶液
(パシフィック・ヘモスタシス社製)と25mM塩化カ
ルシウム,4%グリシンを含有した60mMHEPES
緩衝液(pH7.35)とを1:1に混合し、該混合液
に最終濃度3mg/mlになるように牛血清アルブミン
(シグマ社製)を添加混合した。さらに該混合液に最終
濃度13mg/mlになるように磁性粒子(レアメタリ
ック社製)を添加混合して、APTT乾燥試薬用最終溶
液とした。該APTT乾燥試薬用最終溶液を図1、図2
に示す形状の反応スライドに22μlづつ分注した。
【0033】分注した反応スライドを−40℃、16時
間凍結させ、凍結後、凍結乾燥することでAPTT測定
用乾燥試薬を得た。凍結乾燥は真空状態で−40℃から
40℃まで45時間で段階的に昇温させる方法で行っ
た。
【0034】次に、表1に示す組成にて本発明の検体希
釈液1、検体希釈液2を調製した。
【0035】
【表1】
【0036】それぞれの検体希釈液を用いて検体である
血液試料(ヒト血漿)を3倍に希釈した。尚、血液試料
には、「正常血漿」(ジョージ・キング社製)を用い
た。
【0037】APTT測定用乾燥試薬と各希釈した血液
試料(以下、希釈血漿と略す。)とを用いて血液凝固時
間測定装置CG01((株)エイアンドテイー社製)で
連続10回測定した。測定方法は、取扱説明書に従い、
APTT測定用乾燥試薬をCG01測定部にセットし、
希釈血漿をAPTT測定用乾燥試薬に25μl添加する
ことで行った。
【0038】APTTの算出は、希釈血漿をAPTT測
定用試薬に添加してから得られる磁性粒子の運動シグナ
ルの経時変化(以下、波形と略す。)を解析することで
行った。尚、終点の検知方法、APTTの算出方法は、
波形を一次微分し、該一次微分グラフのピークとなる点
を終点とし、希釈血漿を添加してから該終点までの時間
を仮りのAPTT測定値(APTT測定用乾燥試薬に希
釈血漿を添加してから図3で示すH点に到達するまでの
時間)とし、それを以下の換算式に代入することで真の
APTT測定値を得る方法で行った。
【0039】(真のAPTT測定値)=0.45×(仮
りのAPTT測定値)−8.0 表2にそれぞれの真のAPTT測定値の平均値とCV値
を示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示す通り、非常に良好な同時再現性
を示すことがわかった。
【0042】比較例1:本発明と異なる希釈液を用いて
測定した場合の同時再現性 実施例1と同様な方法でAPTT測定用乾燥試薬を作製
した。次に表3に示す組成で水溶液Aを調整した。
【0043】
【表3】
【0044】水溶液Aを用いて検体である血液試料(ヒ
ト血漿)を3倍希釈した。また、蒸留水を用いて血液試
料(ヒト血漿)を3倍希釈した。尚、血液試料には、
「正常血漿」(ジョージ・キング社製)を用いた。
【0045】それぞれの希釈した血液試料を用いて、実
施例1と同様の方法にて同時再現性を調べた。表4にそ
れぞれの測定で得られた真のAPTT測定値の平均値と
CV値を示す。
【0046】
【表4】
【0047】表4の結果と表2の結果との比較から、実
施例1の結果の方が良好な同時再現性を示していること
は明らかである。
【0048】比較例2:血漿検体を無希釈で測定した場
合の同時再現性 実施例1と同様の方法でAPTT測定用乾燥試薬を作成
した。尚、検体である血液試料には「正常血漿」(ジョ
ージ・キング社製)を用いた。
【0049】APTT測定用乾燥試薬と該血漿を用い
て、血液凝固時間測定装置CG01((株)エイアンド
テイー社製)で連続10回測定した。測定方法は、取扱
い説明書に従いAPTT測定用乾燥試薬をCG01測定
部にセットし、該血漿をAPTT測定用乾燥試薬に25
μl添加することで行った。その後、実施例1と同様の
方法で同時再現性を調べた。表5に測定で得られた真の
APTT測定値の平均値とCV値を示す。
【0050】
【表5】
【0051】表5に示す通り、実施例1の結果と比して
明かに劣る成績を示した。
【0052】実施例2及び比較例3:従来法との相関性 検体である血液試料としてヒト血漿39検体を用い、従
来法でAPTTを測定した結果と本発明の検体希釈液で
各々のヒト血漿を3倍希釈して実施例1のAPTT測定
用乾燥試薬で測定した結果との相関性を調べた(実施例
2)。尚、この検討に使用した本発明の検体希釈液は、
表1に示す検体希釈液2を用いた。
【0053】また、効果の確認を行うために、同一のヒ
ト血漿39検体を用い、従来法でAPTTを測定した結
果と実施例1のAPTT測定用乾燥試薬を用いて各々の
ヒト血漿を無希釈で測定した結果との相関性も調べた
(比較例3)。
【0054】尚、APTT測定用乾燥試薬を用いての測
定方法におけるAPTT算出方法は、実施例1と同様の
方法で行った。また、本実施例で採用した従来法は試薬
として、「アクチン・データファイAPTT」((株)
国際試薬社製)、測定装置としてKC−10A(アメル
ング社製)を使用し、それぞれの取扱説明書に従って測
定を行った。
【0055】図4に従来法でAPTTを測定した結果と
ヒト血漿を無希釈でAPTT測定用乾燥試薬にて測定し
た相関図(比較例3の結果)を、図5に従来法でAPT
Tを測定した結果と本発明の検体希釈液で3倍に希釈し
たヒト血漿でAPTT測定用乾燥試薬にて測定した結果
との相関図(実施例2の結果)を示した。
【0056】両者を比較すると明かに本発明の希釈液で
3倍希釈して測定した方が従来法との相関性が良好なこ
とがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明の検体希釈液を用いて希釈した検
体を試料としてAPTT測定用乾燥試薬によるAPTT
測定を行うことにより、測定値のばらつきが少なく、信
頼性の高い測定ができるようになった。
【0058】このことは臨床検査の信頼性の向上、コス
トダウンに大きな貢献をすることができ、本発明の工業
的意義はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本図は、本発明で使用する反応スライドの一例
を示す図である。
【図2】本図は、本発明で使用する反応スライドの構造
の一例を示す図である。
【図3】本図は、APTT測定用乾燥試薬を用いたAP
TT測定方法での終点の検出方法を示した図である。
【図4】本図は、従来法による測定値をX軸にとり、ヒ
ト血漿を無希釈でAPTT測定用乾燥試薬にて測定した
測定値をY軸にとり作成した相関図である。
【図5】本図は、従来法による測定値をX軸にとり、ヒ
ト血漿を本発明の検体希釈液で3倍希釈し、APTT測
定用乾燥試薬にて測定した測定値をY軸にとり作成した
相関図である。
【符号の説明】
1 血液試料添加口 2 試薬充填部 3 試薬添加口 4 透明樹脂板 5 スペーサ 6 白色基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キレート化剤を含有する水溶液からなる
    活性化部分トロンボプラスチン時間測定用検体希釈液。
  2. 【請求項2】 キレート化剤を含有する緩衝液からなる
    活性化部分トロンボプラスチン時間測定用検体希釈液。
  3. 【請求項3】 磁性粒子を含有する活性化部分トロンボ
    プラスチン時間測定用乾燥試薬に試料を添加した後、振
    動磁場と静止磁場の組み合わせからなる磁場中で磁性粒
    子の運動シグナルを光学的に測定して、該運動シグナル
    の変化から活性化部分トロンボプラスチン時間を測定す
    る方法において、試料として請求項1又は2の検体希釈
    液で希釈した検体を使用することを特徴とする活性化部
    分トロンボプラスチン時間の測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129703A1 (ja) * 2005-05-31 2006-12-07 Kurume University 活性化部分トロンボプラスチン時間の検査方法
JP2016503165A (ja) * 2012-12-20 2016-02-01 セプシス・リミテッド ポイントオブケア敗血症アッセイ装置および方法

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