JPH05180835A - ループスアンチコアグラントの測定方法 - Google Patents

ループスアンチコアグラントの測定方法

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JPH05180835A
JPH05180835A JP35800691A JP35800691A JPH05180835A JP H05180835 A JPH05180835 A JP H05180835A JP 35800691 A JP35800691 A JP 35800691A JP 35800691 A JP35800691 A JP 35800691A JP H05180835 A JPH05180835 A JP H05180835A
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coagulation
protein
plasma
activator
lac
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JP35800691A
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Masato Koyama
正人 小山
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Srl KK
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S R L KK
Srl KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 被検血漿にリン脂質、カルシウムイオンおよ
びプロテインC系活性化物質(活性化プロテインC自体
又はプロテインC活性化剤)を加えて前記血漿に凝固反
応を生じさせ、該血漿の凝固時間を測定して、該凝固時
間が正常血漿の凝固時間より短い血漿をループスアンチ
コアグラント陽性と判定する。 【効果】 リン脂質、Caイオン以外の凝固促進因子を
必須とせず、これに代えてプロテインC系を活性化する
プロテインC系活性化物質を組合わせることにより、血
管内に近い凝固促進/凝固抑制のバランスを試験管内
(in vitro)で実現でき、生体内に極めて近い条件(す
なわち、血液が容易には凝固しない条件)下で、血栓症
と同傾向の「凝固時間の短縮」でループスアンチコアグ
ラント陽性を判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血栓症・習慣性流産等
の原因の一つとされる抗リン脂質抗体、ループスアンチ
コアグラントの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ループスアンチコアグラント(lupus an
ticoagulant ,以下「LAC」という)は、全身性エリ
スマトーデス(SLE)の患者に最初に見出され、その
後、各種の病態(例えば、血栓症、習慣性流産等)にお
いて後天的に、しかも多くの場合病的に発生することが
知られているアンチコアグラント(抗凝血素)であり、
その検出ないし測定は、上記血栓症等の診断・予防に有
用である。
【0003】抗リン脂質抗体たる上記LACの本体は、
イムノグロブリンG(IgG)又はイムノグロブリンM
(IgM)であることが多いとされている。このLAC
は、血液凝固過程で、リン脂質と免疫学的に反応し、そ
の生物学的活性を抑制する。LACは、血液凝固過程に
関与するリン脂質を抑制するという凝固抑制因子的な機
能を有するにもかかわらず、該LACを有する患者が出
血傾向を示すことは稀であり、このような患者において
は、むしろ血栓症が高率に認められる(例えば、「最新
医学」第45巻、第7号、1882頁(1990年)を
参照)。
【0004】従来より、凝固時間法を用いたLAC測定
方法としては、 APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)法 TTI(トロンボプラスチン抑制試験)法 KCT(カオリン凝固時間)法 DRVVT(希釈ラッセル蛇毒時間)法 RBNP(兎脳リン脂質中和活性化部分トロンボプ
ラスチン時間)法 等が知られている。
【0005】一般に、凝固反応を生体外(in vitro)で
測定する際には、一たん被検血漿から凝固反応の必須成
分であるCaイオンをクエン酸ナトリウム等のキレート
剤で除き、測定時にCaイオンを加えて凝固時間を測定
している。上記した従来のLAC測定法においては、検
体(被検血漿)に、リン脂質、Caイオン(通常はCa
Cl2 水溶液)および内因系又は外因系の活性化剤(内
因系においては、エラジン酸、カオリン等の接触因子活
性化剤、外因系においては組織トロンボプラスチン等の
凝固系活性化剤)を必須成分として加えて、その凝固時
間を測定していた。
【0006】より具体的には、上記従来のLAC測定法
においては、(LACを効率よく検出するため)低濃度
のリン脂質を用い、検体中にLACが存在する場合に
は、該LACとリン脂質との結合に基づくリン脂質の活
性低下に起因する凝固時間延長と、高濃度リン脂質(検
体中のLACによるリン脂質の不活性化を補い得る程度
の濃度)存在下における凝固時間の正常化等を用いて、
検体中のLACの存在を証明していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のLAC測定法においては (1)LAC以外の他の因子により凝固時間が延長して
も「LAC陽性」となってしまい、LACに対する特異
性が不明である(従来の凝固時間測定法においては、凝
固因子の欠乏状態、抗凝固薬剤であるヘパリンの影響を
強く受け、凝固時間が延長するケースが多い); (2)「凝固時間の延長」で異常の有無を判断するた
め、時間がかかる; (3)生体内では血液が凝固せずに循環していることが
正常であり、血液凝固の亢進(血栓症等)が異常である
のに対し、従来のLAC測定法では、血液凝固を人為的
に亢進させた状態(一定時間内に凝固する状態)を正常
とし、凝固反応が抑制(凝固時間が延長)された状態を
異常とするという矛盾がある。すなわち、従来法におい
ては生体外(in vitro)の反応と、生体内(in vivo )
の反応の相関性が悪い(すなわち、in vitroにおいて生
体内と異なる反応を測定している可能性がある); という欠点があった。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究
の結果、プロテインCが関与する系による血液凝固抑制
反応を積極的に活性化させることが、生体内の血液凝固
状態に極めてよく似た状態を実現させ、生体内における
血栓症等の発現と同傾向の「凝固時間の短縮」によるL
AC測定を可能とすることを見出した。
【0009】本発明のループスアンチコアグラントの測
定方法は上記知見に基くものであり、より詳しくは、被
検血漿(検体)にリン脂質、カルシウムイオンおよびプ
ロテインC系活性化物質を加えて前記血漿に凝固反応を
生じさせ、該血漿の凝固時間を測定することを特徴とす
るものである。
【0010】上記した本発明のLAC測定法において
は、リン脂質およびCaイオンの添加により凝固反応を
活性化するとともに、検体中においてプロテインC(以
下「PC」という)系を活性化してin vitroにおける凝
固抑制反応を生じさせる作用を有するプロテインC系活
性化物質(例えば、プロテインC活性化剤又は活性化プ
ロテインC自体)を積極的に検体中に添加することが特
徴である。生体内において、活性化プロテインC(以下
「APC」という)は、リン脂質とCaイオン存在下、
血液凝固因子であるところの活性化凝固第V因子(V
a)および活性化凝固第VIII因子(VIIIa)を失活化さ
せ、凝固反応を抑制する機能を有する。したがって、本
発明のLAC測定法において、検体中にLACが存在し
ない場合には、上記したリン脂質およびCaイオンの添
加による凝固反応活性化と、検体中に積極的に共存させ
たAPC(すなわち、反応系に添加したAPC自体、お
よび/又はPC活性化物質の添加に基づき検体中に生成
したAPC)による凝固抑制反応の活性化との組合せに
より生体内に近い(リン脂質層以降の)凝固反応−凝固
抑制反応のバランスが実現でき、検体たる被検血漿は凝
固しない(もしくは凝固時間が極端に延長される)もの
と推定される。他方、検体中にLACが存在する場合に
は、該LACがリン脂質と反応してその活性を抑制する
ことにより、APCによる凝固因子(Va因子およびVI
IIa因子)の失活化が抑制され、結果として、失活化さ
れなかったVa因子およびVIIIa因子の作用により、血
漿の凝固が促進されるものと推定される。
【0011】更に、本発明の他の態様によれば、被検血
漿に少なくともリン脂質およびカルシウムイオンを加え
て前記血漿に凝固反応を生じさせ、該血漿の凝固時間を
測定して、該凝固時間が正常血漿の凝固時間より短い血
漿を陽性と判定することを特徴とするループスアンチコ
アグラントの測定方法が提供される。
【0012】以下、本発明のLAC測定法を詳細に説明
する。 (検体)血漿、すなわち、血液から赤血球その他の有形
成分を取り除いた部分を用いる。血液を採取した後、直
ちにクエン酸ナトリウム等の抗凝固剤(例えば3.8%
クエン酸ナトリウム)を適当量(例えば、血液9に対し
抗凝固剤1の割合)加えた後、常法(放置又は遠心操
作)によって赤血球等の有形成分を取り除いて、本発明
に使用する被検血漿(ないし検体)を得ることができ
る。必要に応じ、クエン酸ナトリウム以外の抗凝固剤を
加えてもよいが、ヘパリンを添加すると、本発明のLA
C測定では疑陰性(従来のLAC測定法では疑陽性)に
判定される傾向があるので、ヘパリンは加えないことが
望ましい。
【0013】このような被検血漿は、これに加えるべき
各種の試薬と同様に、反応開始前に、あらかじめ反応温
度(例えば37℃)に等しい温度に加温しておくこと
が、測定データの均一性および再現性を高める点から好
ましい。このような加温の時間の長さは特に制限されな
いが、操作の迅速性、血漿および各試薬の変質防止と、
温度分布の均一性とのバランスを考慮して0.5〜5分
程度(通常は1分程度)加温することが好ましい。
【0014】(リン脂質)リン脂質とはリンを含む脂質
をいう。このリン脂質には、レシチン(ホスファチジル
コリン)およびその他のホスファチジン酸類(ホスファ
チジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、イノ
シトールリン脂質、カルジオライピン等)、スフィンゴ
ミエリン、およびプラスマロゲン等が含まれる。より具
体的には、例えば、兎脳リン脂質、牛脳リン脂質、ヒト
胎盤リン脂質、大豆レシチンなどが好ましく用いられる
が、凝固系およびプロテインC系の双方を活性化するリ
ン脂質を用いることが特に好ましい。入手し易さの点か
らは、例えば、兎脳リン脂質(例えば、シグマ社製兎脳
リン脂質)を用いることが好ましい。
【0015】本発明においては、健常者血漿100μl
に対して、4〜0.1U(ユニット)/ml程度、更に
は2〜0.5U/ml程度の濃度のリン脂質を(例えば
50μl程度)用いることが好ましい。ここに、リン脂
質の量について1U/mlとは、APC存在下のCaイ
オン添加による凝固時間を(リン脂質を用いない場合
の)凝固時間の1.5倍に延長させるリン脂質の量をい
う。
【0016】より具体的には、本発明においては、リン
脂質量1U(ないし濃度1U/ml)は、以下のように
定義される。リン脂質の濃度測定方法 <材料> 健常者混合血漿:健常者10名以上の3.8%クエン酸
ナトリウム加血漿を混合したもの APC:精製品 塩化カルシウム:25mM塩化カルシウム水溶液(蒸留
水を用いて調製) 未知の量(未知濃度)のリン脂質溶液:(1%HSA
(ヒト血清アルブミン)含有バルビタール緩衝溶液を用
いて調製) <測定方法>予め加温した健常者混合血漿100μl
に、1U/mlのAPC50μl、および未知量(未知
濃度)のリン脂質溶液50μlを加え混合した後、予め
加温した25mMの塩化カルシウム水溶液100μlを
加え、凝固時間(A)を測定する。この凝固時間は、上
記塩化カルシウム水溶液添加後、被検試料中にフィブリ
ンが検出されるまでの時間に相当する。測定機器として
は、例えば自動凝固測定装置「コアスクリーナー」(ベ
ーリンガー・マンハイム山之内(BMY)社製)が好ま
しく用いられる。上記リン脂質を用いない以外は、まっ
たく同様にして上記操作をくり返し、凝固時間(B)を
測定する。上記測定において、A/B=1.5、すなわ
ちリン脂質を用いた系の凝固時間がリン脂質を用いない
系の凝固時間の1.5倍となるリン脂質濃度を1U/m
lとする。
【0017】(カルシウムイオン)カルシウムイオンの
供給源としては、通常、塩化カルシウム(CaCl2
が好ましく用いられる。本発明においては、被検血漿1
00μlに対して、濃度10〜100mM(より好まし
くは20〜50mM、特に好ましくは25mM程度)の
CaCl2 溶液として、10〜200μl程度、更には
25〜100μl程度を用いることが好ましい。
【0018】(プロテインC系活性化物質)本発明にお
いて、プロテインC系活性化物質とは、健常者血漿中に
添加することにより、該血漿にAPCを供給できる(す
なわち上記APTT(活性化トロンボプラスチン時間)
を延長できる)物質をいう。本発明において、このプロ
テインC系活性化物質としては、APC自体、又は/お
よび血漿中のPC(プロテインC)を活性化して血漿中
にAPCを生じさせるPC活性化剤を用いることが好ま
しい。ここに、PC(プロテインC)とは、リン脂質と
結合することが可能な血液凝固調節作用を有する糖タン
パク質である。PCが活性化された状態であるAPC
は、リン脂質およびCaイオン存在下に、プロテインS
を補酵素(cofactor) として前記した血液凝固Va因子
およびVIIIa因子を特異的に失活化する。
【0019】(活性化プロテインC)本発明においてA
PC(活性化プロテインC)の1U/mlとは、該AP
Cを用いたAPTTを、通常(APCを用いない場合)
のAPTTの2倍に延長させるAPCの量をいう。
【0020】より具体的には、本発明においてAPCの
1U/mlは以下のようにして定義される。活性化プロテインCの濃度測定方法 <材料> 健常者混合血漿:健常者10名以上の3.8%クエン酸
ナトリウム加血漿を混合したもの APTT測定試薬:アクチン(デイド社;Lot AS
007) 塩化カルシウム:25mM塩化カルシウム水溶液 未知濃度APC:精製品(1%HSA含有バルビタール
緩衝溶液を用いて調製) <測定方法>予め37℃に暖めたAPTT試薬100μ
l、健常者混合血漿100μl、未知濃度のAPC50
μlを混和し、37℃で3分間反応の後、塩化カルシウ
ム水溶液を100μlを加え、該塩化カルシウム添加後
の凝固時間(A)を測定する。上記APCに代えて同量
の緩衝液を用いる以外は、まったく同様にして上記操作
をくり返し、凝固時間(B)を測定する。上記測定にお
いて、A/B=2、すなわちAPCを用いた系のAPT
TがAPCを用いない系のAPTTの2倍となるAPC
濃度を1U/mlとする。本発明においては、被検血漿
100μlに対して、APCを0.5〜10U程度、更
には2〜5U程度用いることが好ましい。
【0021】(プロテインC活性化剤)本発明において
は、PC(プロテインC)活性化剤の1U/mlとは、
PC活性化剤を用いたAPTTを、通常(PC活性化剤
を用いない場合)のAPTTの2倍に延長させるPC活
性化剤の量をいう。本発明においては、リン脂質と塩化
カルシウムを用いた凝固時間を2倍に延長するプロテイ
ンC活性化剤の量を1U/mlとしてもよい。
【0022】PC活性化剤の濃度測定方法 <材料> 健常者混合血漿:健常者10名以上の3.8%クエン酸
ナトリウム加血漿を混合したもの APTT測定試薬:アクチン(デイド社;Lot AS
007) 塩化カルシウム:25mM塩化カルシウム水溶液 未知濃度のPC活性化剤 <測定方法>予め37℃に暖めた健常混合血漿100μ
l、APTT試薬100μl、未知濃度のプロテインC
活性化剤50μlを混和し、37℃で3分間インキュベ
ートした後、塩化カルシウム液を100μl加え凝固時
間(A)を測定する。上記PC活性化剤を用いない以外
は、まったく同様にして上記操作をくり返し、凝固時間
(B)を測定する。上記測定において、A/B=2、す
なわちPC活性化剤を用いた系の凝固時間が、PC活性
化剤を用いない系の凝固時間の2倍となるPC活性化剤
濃度を1U/mlとする。本発明においては、被検血漿
100μlに対して、PC活性化剤を0.5〜9U程
度、更には2〜6U程度用いることが好ましい。
【0023】本発明においてはPC活性化剤として、ト
ロンビンと複合体を形成しPCを活性化するトロンボモ
ジュリン(TM)、トロンビンとTMの複合体、または
蛇毒(例えば、プロタック)等が好ましく用いられる。
一般的に入手し易い点からは、蛇毒を用いることが好ま
しい。
【0024】(LAC測定用検体および試薬)上記した
3種の試薬、すなわちリン脂質、CaイオンおよびPC
系活性化物質は、それぞれ水溶液として用いることも可
能であるが、反応の均一性、再現性を向上させる点から
は、それぞれを緩衡液(例えば、バルビタール緩衡液)
として用いることが好ましい。更には試薬および反応の
安定性の点からは、上記試薬を血清アルブミン(例えば
ヒト血清アルブミン、HSA)含有緩衡液として用いる
ことが好ましい。 本発明のLAC測定方法において
は、上記リン脂質、CaイオンおよびPC系活性化物質
を被検血漿に添加する順序は特に制限されないが、リン
脂質およびCaイオンを被検血漿に添加すると、該血漿
中で凝固反応が開始される点を考慮すると、PC系活性
化物質の添加を上記三者の最後にしない方が好ましい。
通常は、Caイオンの添加を三種の試薬の最後とする
か、又は検体に上記三種の試薬を同時に添加することが
好ましい。
【0025】本発明においては、操作の便宜および反応
の均一性ないし再現性の点から、被検血漿、リン脂質、
Caイオン、およびPC活性化物質は、以下の濃度およ
び/又は使用量で使用することが好ましい。なお、
(b)、(c)および(d)の試薬量は、被検血漿を1
00μlとした場合の値で示す。 (a)被検血漿:25〜 200μl(更には50〜1
00μl) (b)リン脂質 濃度:0.1〜4U/ml(更には0.5〜2U/m
l) 使用量:(リン脂質濃度1.0U/mlを使用した場合
に換算) 10〜200μl(更には50〜100μl) (c)Caイオン(CaCl2 溶液に換算) 濃度:10〜100mM(更には20〜50mM) 使用量:(25mM CaCl2 溶液に換算) 10〜200μl(更には25〜100μl) (d)PC系活性化物質 (i)APC自体の場合 濃度:0.5〜10U/ml(更には2〜5U/ml) 使用量:(2.0U/mlの溶液に換算) 10〜200μl(更には50〜100μl) (ii)PC活性化剤の場合 濃度:0.5〜9U/ml(更には2〜6U/ml) 使用量:10〜200μl(更には50〜100μl)
【0026】(LAC測定方法)凝固の有無は、例え
ば、被検血漿中にフィブリンが析出したか否かで好まし
く判定される。このフィブリン析出の有無は、用手法
(肉眼でフィブリン析出を判定)で判定することも可能
であるが、操作の簡便さおよび測定結果の再現性の点か
らは、自動凝固測定装置(例えば、ベーリンガーマンハ
イム山之内(BMY)社製の「コアスクリーナー」)を
用い、フィブリン析出による凝固の有無を自動的に測定
することが好ましい。フィブリンの検出は、一般に「吸
光度」の変化を用いて行うことが可能であるが、他に、
透過度、電導度、電気抵抗、ないしボールの移動度の変
化等を用いて行ってもよい。測定に使用する機器の種類
により、検体、試薬等の使用量は異なる場合がある。
【0027】実際の測定においては、例えば、クエン酸
ナトリウムを加えた被検血漿(検体)の必要量(例えば
100μl)を、光吸収測定用の容器(例えば反応キュ
ベット)に入れ、必要に応じて予め37℃で1分間程度
加温した後、所定量のリン脂質、PC系活性化物質およ
びCaCl2 溶液を、(必要に応じてそれぞれ37℃に
加温した後)上記血漿に添加する。本発明においては、
例えば、上記CaCl2 溶液添加を加えると同時に、
(例えば秒時計を始動させて)時間測定を開始し、混合
試料を軽く混和した後37℃で反応させてフィブリン析
出までの時間(凝固時間)を、分光光度計等を用いて測
定すればよい。
【0028】本発明のLAC測定法においては、(従来
法と異なって)リン脂質、Caイオン以外の血液凝固促
進物質を加えることは必須でなく、またプロテインC系
をも活性化させて生体内により近い状態(血液が簡単に
は固まらない状態)で凝固時間を測定するため、ある一
定の時間内に「凝固する検体」がLAC陽性(異常)と
判定され、該凝固時間内に「凝固しない検体」がLAC
陰性(正常)と判断される。
【0029】凝固時間は、用いる検体の量および/又は
用いる試薬の濃度(ないし使用量)によって変化する
が、測定の迅速性および再現性のバランスの点からは、
上記の異常値判定のための「一定時間」は100〜30
00秒程度、更には300〜1000秒程度であること
が好ましい。
【0030】前述したように、従来のLAC測定方法に
おいては、所定の時間(カットオフ値)内に凝固しない
検体をLAC陽性と判定(すなわち、異常の有無を正常
検体に対する凝固時間の「延長」で判定)していたのに
対し、本発明のLAC測定方法においては、生体内にお
ける傾向に沿って、所定に時間内に「凝固する」検体を
LAC陽性と判定(すなわち、異常の有無を正常検体に
対する凝固時間の「短縮」で判定)することに特徴があ
る。
【0031】本発明においては、測定の再現性(測定精
度)と迅速性とのバランスの点から、上記所定の時間
(カットオフ値)は、1000秒以下が好ましい。この
カットオフ値は、例えば、LAC陰性と考えられる健常
者検体(好ましくは20検体以上)の測定値を統計的に
処理し(例えば、確率紙法を用い、その分布の95%に
対応する(健常者測定値の分布の平均)±2SD(標準
偏差)の値を求める)、得られた凝固時間(カットオフ
値)より短い凝固時間を示す検体をLAC陽性と判定す
ることが好ましい。以下、実施例により本発明のLAC
測定方法を更に具体的に説明する。
【0032】
【実施例】実施例1 (プロテインC活性化剤を用いる方法) 以下の測定においては、ベーリンガーマンハイム山之内
(BMY)社製の自動凝固測定装置(商品名:コアスク
リーナー)を用いて凝固時間の測定を行った。3.8%
(又は3.18%)クエン酸ナトリウムを加えた被検血
漿100μlを上記コアスクリーナー用の反応キュベッ
ト(内容積:約1ml、プラスチック製)に入れ、予め
37℃で約1分間加温した。この血漿に、それぞれ予め
37℃で約1分間加温しておいたリン脂質(シグマ社
製、兎脳ケファリン)の1%HSA(ヒト血清アルブミ
ン)含有バルビタール緩衡溶液50μl(濃度0.25
U/ml)、プロテインC活性化剤(ペンターファム社
製プロタック、3IU/バイアルのものを使用)のHS
A含有バルビタール緩衡液50μl(濃度3U/m
l)、および25mM塩化カルシウム溶液100μlの
3種の試薬を加えた。上記塩化カルシウム溶液の添加と
同時に秒時計による時間の計測を開始し、上記混合試料
を軽く混和して37℃で反応させた。凝固の有無の判定
においては、上記コアスクリーナーによる吸光度変化に
よりフィブリンの析出(すなわち凝固)を判定した。
【0033】従来法(TTI法およびKCT法)による
測定に基づき凝固因子およびプロテインC系がともに正
常範囲と考えられる健常検体(血漿)10例について、
上記した本実施例のLAC測定法により凝固時間を測定
したところ、これらの健常者検体はCaCl2 添加から
999秒経過しても凝固せず、本発明において、生体内
と類似の反応系が実現されていることが判明した。一
方、従来法によるトロンボプラスチン抑制試験(TTI
法)でLAC陽性と判定された10検体について、上記
した本実施例のLAC測定法で測定したところ、上記1
0検体のうち7検体がCaCl2 添加後999秒未満で
凝固し、その凝固時間は339.9秒から866.7秒
であった。
【0034】実施例2(活性化プロテインCを用いる方
法) クエン酸ナトリウム加血漿100μlをキュベットに入
れ、予め37℃で約1分間加温した。この血漿に、それ
ぞれ予め37℃で約1分間加温しておいたリン脂質(シ
グマ社製、兎脳リン脂質)の1%HSA含有バルビター
ル緩衡溶液50μl(濃度1.0U/ml)、活性化プ
ロテインC(精製品)の1%HSA含有バルビタール緩
衡液50μl(濃度1U/ml)、および25mM塩化
カルシウム溶液100μlの3種の試薬を加えた。上記
塩化カルシウム溶液の添加と同時に秒時計による時間の
計測を開始し、上記混合試料を軽く混和して37℃で反
応させた。凝固の有無の判定においては、上記コアスク
リーナーによる吸光度変化によりフィブリンの析出(す
なわち凝固)を判定した。
【0035】従来法(TTI法およびKCT法)による
測定に基づき凝固因子およびプロテインC系がともに正
常範囲と考えられる健常検体(血漿)10例について、
上記した本実施例のLAC測定法により凝固時間を測定
したところ、これらの健常者検体は25mM塩化カルシ
ウム添加から1000秒経過しても凝固しなかった。一
方、従来法によるトロンボプラスチン抑制試験(TTI
法)でLAC陽性と判定された10検体について、上記
した本実施例のLAC測定法で測定したところ、上記1
0検体のうち7検体がCaCl2 添加後1000秒未満
で凝固し、その凝固時間は227秒から976秒であっ
た。
【0036】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば(従来
のLAC測定方法と異なり)リン脂質、Caイオン以外
の凝固促進因子を必須とせず、「リン脂質、Caイオン
以外の凝固促進物質」に代えてプロテインC系を活性化
するプロテインC系活性化物質を組合わせることによ
り、血管内に近い凝固促進/凝固抑制のバランスを試験
管内(in vitro)で実現できる。したがって本発明によ
れば、生体内に極めて近い条件(すなわち、血液が容易
には凝固しない条件)下で測定を行うLAC測定方法が
提供される。
【0037】本発明のLAC測定方法によれば、生体内
と著しく異なる条件(すなわち血液が極めて凝固し易い
条件)下で、しかも血栓症の傾向とは逆の「凝固時間の
延長」でLAC陽性と判定していた従来のLAC測定方
法とはまったく異なり、上述したように生体内に極めて
近い条件で、しかも血栓症の傾向と同傾向の「凝固時間
の短縮」でLAC陽性を判定することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検血漿にリン脂質、カルシウムイオン
    およびプロテインC系活性化物質を加えて前記血漿に凝
    固反応を生じさせ、該血漿の凝固時間を測定することを
    特徴とするループスアンチコアグラントの測定方法。
  2. 【請求項2】 前記プロテインC系活性化物質が活性化
    プロテインCである請求項1記載のループスアンチコア
    グラントの測定方法。
  3. 【請求項3】 前記プロテインC系活性化物質がプロテ
    インC活性化剤である請求項1記載のループスアンチコ
    アグラントの測定方法。
  4. 【請求項4】 前記プロテインC活性化剤が蛇毒である
    請求項3記載のループスアンチコアグラントの測定方
    法。
  5. 【請求項5】 被検血漿に少なくともリン脂質およびカ
    ルシウムイオンを加えて前記血漿に凝固反応を生じさ
    せ、該血漿の凝固時間を測定して、該凝固時間が正常血
    漿の凝固時間より短い血漿を陽性と判定することを特徴
    とするループスアンチコアグラントの測定方法。
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