JP4417269B2 - ループスアンチコアグラント検出試薬キット - Google Patents

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Description

本発明は、臨床化学や医薬研究などの分野において抗リン脂質抗体症候群の診断に用いられる血液凝固試薬キットに関し、さらに詳しくはin vitroでの血液検査でループスアンチコアグラント陽性疾患を特異的に検出できる試薬キットに関する。
ループスアンチコアグラント(以下、LAと略称する)はSLE(Systemic Lupus Erythematosus)患者について初めて報告された抗凝血素である。SLE患者においてLAが検出される頻度は5%乃至10%である一方、他の自己免疫性疾患、腫瘍性疾患においても検出されることがある。LAは血栓症、流早産、血小板減少などの抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome;APS)において検出される頻度が高く、リン脂質依存性の凝固反応で凝固するまでの時間が延長されることから、リン脂質に対する自己抗体であると考えられている。
また、LAは不均一な抗体であり、陰性荷電リン脂質とβ2−グリコプロテインI(β2−GPI)またはプロトロンビンとの複合体に対する抗体であることが、近年明らかになった。LAの抗凝固作用は、LAがこの複合体と結合することによりプロトロンビンがトロンビンに変化することを阻害するために起こると考えられる。
このような特徴を有するLAの検出用試薬としては、従来より一定量のリン脂質を含有する凝固試薬、例えば、ウサギ脳由来セファリン、ウシ脳由来セファリン、大豆レシチン、蛇毒などが用いられている。検体血液中にLAが存在すると、LAが試薬中のリン脂質を中和してしまうため、検体を凝固するカスケード反応の開始に必要なリン脂質が不足することになることから、LAにより中和されたリン脂質の量に比例して、各検査の凝固時間が延長し、これをもってLA陽性と診断することができる。
また、凝固試薬中のリン脂質が少ないほど、LAの検出感度が高まるので、試薬を希釈したり、正確性を期するために異なった方法を2法以上組合わせることが行われている。例えば、リン脂質の濃度が異なる2つの試薬を組合わせた活性化部分トロンボプラスチン時間測定(以下、APTTと略称する)試薬を使用し、各試薬の凝固時間から、ロスナー インデックス(Rosner Index)やループス比(Lupus Ratio)(LR値)を算出し、LA陽性率を判定する手法が知られている。
市販の凝固測定試薬としては、グラディポアLA(Gradipore社;オーストラリア)というラッセル蛇毒法による検査試薬がある。これは、蛇毒含有の第1試薬と蛇毒及び過剰のダイズリン脂質含有の第2試薬を組合わせた試薬キットで、第1試薬を添加したときの凝固時間/第2試薬を添加したときの凝固時間で求められる比が1.3以上の場合に、LA陽性と判定している。
さらに、既存の研究報告によれば、ウサギ脳由来リン脂質などによるリン脂質濃度の差を利用して、算術的にLAの検出が行なわれている(非特許文献1)
またさらに、正常血漿と患者血漿を1:1の割合で混合した試料を用いて、リン脂質濃度が異なる2種類の試薬を組合わせたAPTT試薬または希釈ラッセル蛇毒測定(dRVVT)試薬を用いたときの凝固時間を測定し、患者血漿の凝固時間が正常血漿により補正される度合いを指標にしてLAを検出する方法も利用されている。
V.Chantarangkul,et al.,Thromb.Res.1992,67:355−365;E.Rosner,et al.,Thromb.Haemost.1987,57:144−147
従来行なわれていたリン脂質依存性凝固測定においては、いずれも天然由来リン脂質が用いられ、且つそのリン脂質組成が無調整であった。天然由来リン脂質は不均一なものであるためこれが凝固時間に影響を及ぼし、LAの検出感度がかなり異なるという問題があった。また、当該凝固試験は、LA以外の検体を正常血漿と混和することにより、欠損している凝固因子を補充して、凝固時間を正常化させることは可能であるが、ワーファリンやヘパリンなどの血液凝固阻害剤を含有した検体と、LA陽性患者血漿とを判別することが困難であり、これら凝固阻害剤を含有した検体についてもLA陽性と判定され得るという問題がある。
従って、LA疾患を正確に判別するためには、LA以外の凝固活性阻止因子や凝固因子欠損症による凝固時間の延長と、LAによる凝固時間の延長とを区別する必要がある。
本発明の課題は、ヘパリン投与患者血漿やワーファリン投与患者血漿とを区別するとともに、LAの検出感度を高め、LA弱陽性検体であても特異的に検出できる試薬キットを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者は、試薬に含まれるリン脂質に対するホスファチジルセリンの含有量が異なった試薬においてホスファチジルエタノールアミンの含有量を調整することにより、ヘパリン投与患者血漿やワーファリン投与患者血漿とを区別するとともに、LAの検出感度を高め、LA弱陽性検体であても特異的に検出できるLA検出用試薬キットを提供することにある。
本発明の第一の観点は、ホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有する第1凝固時間測定試薬とホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有する第2凝固時間測定試薬を備え、
第1凝固時間測定試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が40〜280μMであり、第2凝固時間測定試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が1〜30μMであることを特徴とするループスアンチコアグラント検出用試薬キットに関する。
本発明の第二の観点は、第1部分試薬及び第2部分試薬からなる第1凝固時間測定試薬と、第3部分試薬及び第4部分試薬からなる第2凝固時間測定試薬とを備え、
第1部分試薬がホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有し、第3部分試薬がホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有し、
第1部分試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が40〜280μMであり、第3部分試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が1〜30μMであることを特徴とするループスアンチコアグラント検出用試薬キットに関する。
本発明の試薬キットでは、ヘパリン投与患者血漿やワーファリン投与患者血漿とを区別するとともに、LAの検出感度を高め、LA弱陽性検体であても特異的に検出できる。
LA検出用試薬キットは、ホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有する第1凝固時間測定試薬とホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有する第2凝固時間測定試薬を備え、第1凝固時間測定試薬に含まれるホスファチジルエタノールアミンの濃度が40〜280μMであり、第2凝固時間測定試薬に含まれるホスファチジルエタノールアミンの濃度が1〜30μMである。
さらに、第1凝固時間測定試薬に含まれるホスファチジルセリン含有量の全リン脂質含有量に対する割合が、第2凝固時間測定試薬に含まれるホスファチジルセリン含有量の全リン脂質含有量に対する割合と異なっているのが好ましい。
上記第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬に含有されるホスファチジルエタノールアミン(以下、PEと略記することがある)およびホスファチジルセリン(以下、PSと略記することがある)は天然由来であってもよいが、天然由来リン脂質は不均一なものであるためこれが凝固時間に影響を及ぼし、LAの検出感度がかなり異なるという問題があり合成品であることが好ましい。また、天然由来のものを用いる場合には、上記の点から純度99%以上に精製されたものを用いることが好ましい。
上記第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬に含有されるPEおよびPS以外のリン脂質としては、血液凝固を促進するリン脂質として、ホスファチジルコリン(以下、PCと略記することがある)などが挙げられる。PCも同様に天然由来であってもよいが、合成品であることが好ましい。天然由来のものを用いる場合にも同様に純度99%以上に精製されたものを用いることが好ましい。
PE、PS、PCなどのリン脂質の脂肪酸側鎖は、さまざまなものが用いられるが、好ましくは、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などがあげられ、更に好ましくはオレイン酸を挙げることができる。
第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬には、さらに、in vitroで血液凝固を起こすために必要な他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、活性化剤、蛇毒、カルシウム、組織因子などが挙げられる。活性化剤としては、エラグ酸、カオリン、セライト及びコロイドシリカからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。蛇毒としては、ラッセル蛇毒、テキスタリン蛇毒及びエカリン蛇毒からなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。組織因子としては、ウサギ脳やヒト胎盤由来のもの、組換え体を用いることが好ましい。
これらの他の成分は、凝固時間測定試薬の種類に応じて適宜選択される。例えば、第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬がカルシウム及び活性化剤を含む場合には活性化部分トロンボプラスチン時間測定の測定原理に基づいて凝固時間を測定する。第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬がカルシウム及び蛇毒を含む場合には、ラッセル蛇毒測定の原理に基づいて凝固時間を測定する。また、第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬がカルシウム及び組織因子を含む場合には、プロトロンビン時間測定の原理に基づいて凝固時間を測定する。
尚、第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬には、さらに必要に応じて、ヘペスおよびトリスなどの緩衝剤を含んでもよい。緩衝液の濃度は、一般的に臨床化学の分野で用いられている濃度であればよく、簡単な繰り返し実験により決定することができる。
第1凝固時間測定試薬および第2凝固時間測定試薬のリン脂質の含有量は、検体と第1凝固時間測定試薬または第2凝固時間測定試薬を等量混合して(検体50μLと第1凝固時間測定試薬または第2凝固時間測定試薬を50μL混合する場合)、凝固時間測定する測定方法においては以下の通りである。第1凝固時間測定試薬中のPE濃度は40〜280μM、好ましくは65〜269μM、より好ましくは100〜200μMであり、PS濃度は30〜370μM、好ましくは37〜250μM、より好ましくは60〜250μMであり、PC濃度は10〜140μM、より好ましくは25〜64μMである。
また、第2凝固時間測定試薬中のPE濃度は1〜30μM、好ましくは1〜27μM、より好ましくは6〜21μMであり、PS濃度は1〜25μM、より好ましくは6〜19μMであり、PC濃度は10〜140μM、より好ましくは25〜64μMである。PE濃度が低いと凝固時間が延長するため好ましくない。
上記リン脂質の濃度は検体50μLと第1凝固時間測定試薬または第2凝固時間測定試薬を50μLを混合する場合の濃度を記載したが、検体と凝固時間測定試薬との混合割合が異なる場合、検体と第1凝固時間測定試薬または第2凝固時間測定試薬とを混合した後のリン脂質の終濃度が上記の場合と同様の範囲となるようにすればよい。
また、第1凝固時間測定試薬に含まれるPE濃度またはPS濃度が第2凝固時間測定試薬に含まれるPEまたはPS濃度の3〜15倍であることが好ましい。倍率が低いとLA陽性患者とヘパリン投与患者血漿やワーファリン投与患者血漿と区別が困難となるため好ましくない。また、倍率が高いと正常血漿の凝固時間の差が第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬で大きくなるため好ましくない。
また、第1凝固時間測定試薬及び第2凝固時間測定試薬は、それぞれリン脂質及び上記他の成分の混合物であってもよい。
また、第1凝固時間測定試薬が別々の容器に収容された第1部分試薬と第2部分試薬から構成され、第2凝固時間測定試薬が別々の容器に収容された第3部分試薬と第4部分試薬から構成されてもよい。第1部分試薬中のPE濃度は40〜280μM、好ましくは65〜269μM、より好ましくは100〜200μMであり、PS濃度は30〜370μM、好ましくは37〜250μM、より好ましくは60〜250μMであり、PC濃度は10〜140μM、より好ましくは25〜64μMである。
また、 第3部分試薬のPE濃度は1〜30μM、好ましくは1〜27μM、より好ましくは6〜21μMであり、PS濃度は1〜25μM、より好ましくは6〜19μMであり、PC濃度は10〜140μM、より好ましくは25〜64μMである。
活性化部分トロンボプラスチン時間測定の原理に基づく凝固時間測定試薬では、第1凝固時間測定試薬が第1部分試薬と第2部分試薬からなり、第2凝固時間測定試薬が第3部分試薬と第4部分試薬からなるとともに、第1部分試薬及び第3部分試薬ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン及び活性化剤を含有し、第2部分試薬及び第4部分試薬にカルシウムが含有するものが挙げられる。
ラッセル蛇毒測定の原理に基づく凝固時間測定試薬では、第1凝固時間測定試薬が第1部分試薬と第2部分試薬からなり、第2凝固時間測定試薬が第3部分試薬と第4部分試薬からなるとともに、第1部分試薬及び第3部分試薬ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン及び蛇毒を含有し、第2部分試薬及び第4部分試薬にカルシウムが含有するものが挙げられる。
プロトロンビン時間測定の原理に基づく凝固時間測定試薬では、第1凝固時間測定試薬が第1部分試薬と第2部分試薬からなり、第2凝固時間測定試薬が第3部分試薬と第4部分試薬からなるとともに、第1部分試薬及び第3部分試薬ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン及び組織因子を含有し、第2部分試薬及び第4部分試薬にカルシウムが含有するものが挙げられる。
本発明の試薬キットは、以上のような組成を有する第1部分測定試薬および第2部分測定試薬からなる第1凝固時間測定試薬及び、第3部分測定試薬および第4部分測定試薬からなる第2凝固時間測定試薬における凝固時間が異なる2種類の試薬の組合わせである。
次に、上記構成を有する本発明の試薬キットを用いて、LAを検出する方法について説明する。
まず検体試料を2つに分け、一方には第1凝固時間測定試薬を添加し、もう一方の検体試料には、第2凝固時間測定試薬を添加する。凝固時間測定試薬がそれぞれ第1部分試薬と第2部分試薬とに分かれている場合には、第1部分試薬と第2部分試薬とを混合してから、検体に添加してもよいし、まず第1部分試薬(又は第2部分試薬)を検体に添加した後、第2部分試薬(又は第1部分試薬)を添加してもよい。第1部分試薬又は第2部分試薬を別々に添加する場合、第1部分試薬(又は第2部分試薬)添加後、第2部分試薬(又は第1部分試薬)添加前に、必要に応じて検体と部分試薬の混合物を加熱してもよい。
検体に各試薬を添加した後、試料の凝固時間を測定する。凝固時間の測定は、公知の方法で行えばよく、例えば公知の自動測定装置を用いて測定すればよい。
ここで、検体に用いる試料としては、血液をそのまま用いるよりも血漿を用いることが好ましく、より好ましくは血小板除去血漿である。さらに好ましくは、患者の血漿に、正常血漿または血小板除去正常血漿を混合したものを試料とする。正常血漿を混合しておくことにより、凝固因子欠損に基づく凝固時間の延長を防止することができ、リン脂質依存性血液凝固検査の感度が高まるからである。患者血漿と正常血漿の混合比は、一般的に4:1乃至1:4であり、好ましくは1:1である。
本発明の試薬キットを用いた凝固検査では、LA陽性患者、血液凝固因子欠損患者、ワーファリン投与患者、ヘパリン投与患者などの抗凝血疾患由来の試料の凝固時間は、正常血漿の凝固時間よりも長くなる。さらに、LA陽性患者検体については、第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬による凝固時間の差異も認められる。すなわち、LA陽性患者由来の試料では、第1凝固時間測定試薬を用いたときの凝固時間よりも、第2凝固時間測定試薬を用いたときの凝固時間の方が長くなる。一方、血液凝固因子欠損患者、ワーファリン投与患者、ヘパリン投与患者由来の試料では、第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬との間で、凝固時間の顕著な差異は認められなかった。従って、第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬との凝固時間の差異に基づいて、LAを特異的に検出することができる。
LAの検出は、第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬により測定した凝固時間の差異によって判定することができるが、より高精度に判定するためには、正常血漿の凝固時間に対する患者由来の試料の凝固時間の比、例えばRosner Index(E.Rosner,et al.,Thromb.Haemast.1987,57:144−147)またはLupus Ratio(LR値)(R.Schjetlein,et al.,Thromb.Res.1993,69:239−250)により、判定を行うことが好ましい。
正常血漿の場合、第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬を用いて算出するLR値は1程度である。また、血液凝固因子欠損患者、ワーファリン投与患者、またはヘパリン投与患者由来の場合であっても、正常血漿と比べて凝固時間は延長されるものの、第1凝固時間試薬と第2凝固時間試薬の凝固時間の差はほとんど認められないため、LR値は1程度となる。これに対して、LA陽性の場合には、第1凝固時間測定試薬、第2凝固時間測定試薬の各濃度、組合わせにもよるが、第2凝固時間測定試薬の方が第1凝固時間測定試薬よりも凝固時間が延びるために、LR値を比較することによりLA陽性患者由来の検体を自動的に検出することができる。
















































(実施例1)
PEの濃度の検討
ヘペス、エラグ酸、トリス、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)及びホスファチジルコリン(PC)を混合し、第1部分試薬1〜6及び第3部分試薬を調製した。
第1部分試薬1の各成分の濃度はヘペスが50mM、エラグ酸が0.1mM、トリスが25mM、PSが123μM、PCが38μM、PEが13μMであった。また、PE濃度を67μM、101μM、134μM、202μM、269μMに変更する以外は第1部分試薬1と同様にして、第1部分試薬2〜6を調製した。第1部分試薬1〜6のpHは7.35であった。
第3部分試薬の各成分の濃度はヘペスが50mM、エラグ酸が0.1mM、トリスが25mM、PSが12μM、PEが13μM、PCが38μMであった。pHは7.35であった。なお、PE、PS、PCは脂肪酸側鎖がオレイン酸である合成リン脂質を使用した。
また、塩化カルシウム濃度が25mMになるように精製水で調製したものを、第2部分試薬、第4部分試薬とした。
9種類のLA強陽性患者血漿、9種類のLA弱陽性患者血漿及び5種類のワーファリン投与患者血漿を入手した。各患者血漿は、正常血漿と1:1で混合したものを測定試料とした。
正常血漿、上記で調製した測定試料をそれぞれ50μLづつ2セット準備し、一方のセットの各試料に、第1部分試薬1(又は第3部分試薬)50μLを添加し、37℃に3分間加温した後、各試料に第2部分試薬(又は第4部分試薬)を50μLづつ添加した。全自動血液凝固分析装置コアグレックス800(島津製作所株式会社)を用いて、凝固時間を測定した。また、第1部分試薬1に代えて第1部分試薬2〜6を用いる以外は同様にして凝固時間を測定した。
各試料について測定した凝固時間から、下式1で示すLupus Ratio(LR値)を算出した。LR値の計算は、文献(R.Schjetlein,et al.,Thromb.Res.1993,69:239−250)に基づいて行った。
[式1]
Lupus Ratio(LR)=(b/a)/(d/c)=bc/ad
ここで、式1中のa、b、c、およびdは、表1に示す組み合わせで得られた測定値を表す。
Figure 0004417269
測定結果を図1に示す。図1は9種類のLA強陽性患者血漿、9種類のLA弱陽性患者血漿及び5種類のワーファリン投与患者血漿を測定したときのLR値の平均を棒グラフで表し、各検体を測定したときのLR値の標準偏差(SD)をバーで示している。また、横軸は第1部分試薬1〜6中のPE濃度を示している。図1に示すように第1部分試薬1〜6を用いるとワーファリン投与患者血漿と、LA弱陽性患者血漿及びLA強陽性患者血漿とを区別可能であることが明らかになった。
(実施例2)
PSの濃度の検討
ヘペス、エラグ酸、トリス、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)及びホスファチジルコリン(PC)を混合し、第1部分試薬7〜12及び第3部分試薬を調製した。
第1部分試薬7の各成分の濃度はヘペスが50mM、エラグ酸が0.1mM、トリスが25mM、PEが67μM、PCが38μM、PSが37μMであった。また、PS濃度が62μM、93μM、123μM、185μM、247μMに変更する以外は第1部分試薬7と同様にして第1部分試薬8〜12を調製した。第1部分試薬7〜12のpHは7.35であった。
第3部分試薬の各成分の濃度はヘペスが50mM、エラグ酸が0.1mM、トリスが25mM、PSが12μM、PEが13μM、PCが38μMであった。pHは7.35であった。なお、PE、PS、PCは脂肪酸側鎖がオレイン酸である合成リン脂質を使用した。
また、塩化カルシウム濃度が25mMになるように精製水で調製したものを、第2部分試薬、第4部分試薬とした。ここで調製した各試薬を用いること以外は実施例1と同様にして凝固時間を測定した。
測定結果を図2に示す。図2は9種類のLA強陽性患者血漿、9種類のLA弱陽性患者血漿及び5種類のワーファリン投与患者血漿を測定したときのLR値の平均を棒グラフで表し、各検体を測定したときのLR値の標準偏差(SD)をバーで示している。また、横軸は第1部分試薬7〜12中のPE濃度を示している。図2に示すように第1部分試薬7〜12を用いるとワーファリン投与患者血漿と、LA弱陽性患者血漿及びLA強陽性患者血漿とを区別可能であることが明らかになった。また、第1部分試薬中のPS濃度が123μMまではワーファリン投与患者血漿とLA弱陽性患者血漿及びLA強陽性患者血漿のLR値の差が大きくなったが、それ以上の濃度ではLR値の差がほぼ一定となった。
(実施例3)
各種検体の反応性の検討
LA強陽性検体(表2に示す検体番号1〜9)、LA弱陽性検体(表2に示す検体番号10〜17)、ワーファリン投与患者検体(表2に示す検体番号18〜22)、VIII因子欠乏患者血漿検体(表2に示す検体番号23〜25)、ヘパリン投与患者血漿検体(表2に示す検体番号26、27)について、実施例1で用いた試薬(第1部分試薬1〜6、第2部分測定試薬、第3部分測定試薬及び第4部分測定試薬)と市販のLA測定試薬である希釈ラッセル蛇毒試薬(表2に示すdRVVT)を用いて測定した。
操作は実施例1と同様に行い、LRを測定した。また、希釈ラッセル蛇毒試薬を用いた各検体の測定は、用法用量に従い凝固時間を測定し「凝固時間の比率」を算出することにより行った。また、「LR値」、「凝固時間の比率」が1.2以上のものをLA陽性と判定した。
その結果を表2に示す。
Figure 0004417269
表2に示すように希釈ラッセル蛇毒試薬を用いた場合はLA弱陽性検体である検体番号15、16について陰性と判定され、ワーファリン投与患者検体である検体番号20、21及びヘパリン投与患者検体である検体番号27について陽性と判定された。
また、PE濃度が13μMの第1部分試薬1を用いた場合はLA弱陽性検体である検体番号15について陰性と判定された。
しかし、第1部分測定試薬2〜6を用いることにより、LA強陽性患者検体、LA弱陽性検体とも陽性と判定され、ワーファリン投与患者検体、VIII因子欠乏患者血漿検体、ヘパリン投与患者血漿検体については陰性と判定され、LA陽性患者検体をパリン投与患者血漿やワーファリン投与患者血漿とを区別するとともに、LAの検出感度を高め、LA弱陽性検体であても特異的に検出できるLA検出用試薬キットを提供できることが明らかとなった。
以上説明したように試薬に含まれるリン脂質に対するホスファチジルセリンの含有量が異なった試薬においてホスファチジルエタノールアミンの含有量を調整することによりヘパリン投与患者血漿やワーファリン投与患者血漿とを区別するとともに、LAの検出感度を高め、LA弱陽性検体であても特異的に検出できるLA検出用試薬キットの供給が可能となる。
第1部分試薬中のPE濃度とLR値との関係のグラフを示す図である。 第1部分試薬中のPS濃度とLR値との関係のグラフを示す図である。

Claims (16)

  1. ホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有する第1凝固時間測定試薬とホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有する第2凝固時間測定試薬を備え、
    第1凝固時間測定試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が40〜280μMであり、第2凝固時間測定試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が1〜30μMであることを特徴とするループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  2. 第1凝固時間測定試薬と第2凝固時間測定試薬とのホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルセリンの濃度比が3〜15である請求項1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  3. 前記第1凝固時間測定試薬および第2凝固時間測定試薬がホスファチジルコリンを含有する請求項1または2に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  4. 前記第1凝固時間測定試薬及び前記第2凝固時間測定試薬が活性化剤及びカルシウムイオンを含有する請求項1〜3にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  5. 前記活性化剤がエラグ酸、カオリン、セライト及びコロイドシリカからなる群より選択される請求項4に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  6. 前記第1凝固時間測定試薬及び前記第2凝固時間測定試薬が蛇毒及びカルシウムイオンを含有する請求項1〜3にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  7. 前記第1凝固時間測定試薬及び前記第2凝固時間測定試薬が組織因子及びカルシウムイオンを含有する請求項1〜3にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  8. 第1部分試薬及び第2部分試薬からなる第1凝固時間測定試薬と、第3部分試薬及び第4部分試薬からなる第2凝固時間測定試薬とを備え、
    第1部分試薬がホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有し、第3部分試薬がホスファチジルセリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質を含有し、
    第1部分試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が40〜280μMであり、第3部分試薬のホスファチジルエタノールアミンの濃度が1〜30μMであることを特徴とするループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  9. 第1部分試薬と第3部分試薬とのホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルセリンの濃度比が3〜15である請求項8に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  10. 前記第1部分試薬および第3部分試薬がホスファチジルコリンを含有する請求項8または9に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  11. 前記第1部分試薬及び前記第3部分試薬が活性化剤を含有する請求項8〜10にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  12. 前記活性化剤がエラグ酸、カオリン、セライト及びコロイドシリカからなる群より選択される請求項11に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  13. 前記第1部分試薬及び前記第3部分試薬が蛇毒を含有する請求項8〜10にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  14. 前記第1部分試薬及び前記第3部分試薬が組織因子を含有する請求項8〜10にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  15. 前記第2部分試薬及び前記第4部分試薬がカルシウムイオンを含有するからなる請求項8〜14にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
  16. 前記リン脂質が合成リン脂質または純度99%以上に精製された天然由来のリン脂質である請求項1〜15にいずれか1に記載のループスアンチコアグラント検出用試薬キット。
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