JPH1140660A - 被吸着体脱離方法、静電チャック、及びプラズマ処理装置 - Google Patents

被吸着体脱離方法、静電チャック、及びプラズマ処理装置

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JPH1140660A
JPH1140660A JP19565397A JP19565397A JPH1140660A JP H1140660 A JPH1140660 A JP H1140660A JP 19565397 A JP19565397 A JP 19565397A JP 19565397 A JP19565397 A JP 19565397A JP H1140660 A JPH1140660 A JP H1140660A
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adsorbed
electrostatic chuck
capacitor
substrate
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JP19565397A
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Shinji Yashima
伸二 八島
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Kokusai Electric Corp
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Kokusai Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電チャックの電荷を中和コンデンサで中和
することにより、静電チャックに吸着された被吸着体を
速やかに脱離させる。 【解決手段】 サセプタ15と同じ静電容量をもつ中和
コンデンサC2 を設ける。サセプタ15への被処理基板
14の吸着時、直流電源16により静電チャック22の
等価コンデンサC1 に充電するとともに、中和コンデン
サC2 にも充電する。被処理基板14の脱離時、直流電
源16を切り離すとともに、中和コンデンサC2 を逆極
性にしてサセプタ15に直列接続する。これにより直列
接続された両コンデンサC1 、C2 は両端をアースを介
してショートされて、サセプタ15及び被処理基板14
に蓄積した電荷が中和コンデンサC2 に蓄積した電荷で
急速に中和され、被処理基板14は短時間で脱離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被吸着体脱離方法、
静電チャック、及びプラズマ処理装置に係り、特にプラ
ズマCVD装置の静電チャックに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、対向電極1、2間に
高周波電力を供給してプラズマ3を発生させ、被処理基
板4を処理するプラズマCVD装置では、被処理基板4
の保持のために静電チャック8を使用している。静電チ
ャック8は、一方の対向電極2を構成するサセプタ5の
上に誘電層7を設け、この誘電層7を介してサセプタ5
と被処理基板4間に電荷を蓄積してサセプタ5に被処理
基板4を静電吸着させるものである。
【0003】このサセプタ5に直流電源6の+側を接続
し、直流電圧を印加した状態でプラズマ3を生成する
と、プラズマ3が導体となり被処理基板4をアースする
のでサセプタ5に+電荷が、被処理基板4に−電荷がそ
れぞれ帯電し、被処理基板4はクーロン力によりサセプ
タ5に吸引密着される。
【0004】気相成長によるCVD処理によって被処理
基板表面への成膜を行った後、サセプタ5に吸着した被
処理基板4をクーロン力から解放して脱離する必要があ
る。
【0005】従来、サセプタ5に吸着した被処理基板4
を脱離する場合、直流電源6をショートさせて被処理基
板4の−電荷をプラズマ3を介してサセプタ5の+電荷
と結合し、静電チャック8の電荷を放電させる方法や、
直流電源を用いて静電チャック8に逆電圧を印加して中
和する方法をとっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】静電チャックの等価回
路は、図7に示すように、被処理基板4とサセプタ5間
の静電容量C、静電チャック8の表面の接触抵抗やプラ
ズマの直流抵抗R、直流電源V、直流電源をオン、オフ
するスイッチSの直列回路と考えられる。スイッチSを
オン、オフしたときの等価回路の過渡特性は、図8に示
す次のようになる。
【0007】時刻t0 で直流電源を入れると、実線で示
すように時定数τ=CRで電荷が徐々にCに蓄積されて
いく。時刻t1 でスイッチSをオフして直流電源を切る
と、一点鎖線で示すように時定数τ=CRで電荷が徐々
に放電されていき、電圧がゼロになった時点t3 で電荷
がなくなりクーロン力がゼロとなって被処理基板は脱離
する。一方、時刻t1 で逆電圧を印加すると、二点鎖線
で示すように急速に放電され、時刻t3 よりはるか手前
の時刻t2 で放電が終了し、この時点で被処理基板は脱
離する。
【0008】しかしながら、上述した従来の2つの方法
には、次のような問題があった。
【0009】(1) 静電チャックの直流電源を切ってショ
ートする方法では、脱離時に単に電源を切って静電チャ
ックをショートさせるだけでよいため制御が容易である
が、被処理基板が脱離するまでの時間が長く、したがっ
て、プラズマCVD装置のスループットが悪いという欠
点があった。
【0010】(2) 逆電圧を直流電源により印加して脱離
する方法は、脱離するまでの時間が短い点で優れている
が、逆電圧を印加してから丁度電荷がゼロになる時間t
a 後に印加を止める制御が必要となる。時間ta を超え
ると、逆充電されて被処理基板が再び静電チャックに吸
着してしまうからである。この逆電圧の決定と印加時間
ta の制御は、設定が非常に困難であると考えられる。
被処理基板が容易に脱離できるのは静電チャックの電圧
がゼロをクロスする瞬間であり、また、脱離のための逆
電圧値は吸着のための直流電圧印加時間との相関がある
うえ、装置のバラツキや被処理基板に応じて実験により
個別に決める必要があるからである。
【0011】本発明の課題は、上述した従来技術の問題
点を解消して、簡単な制御で被吸着体の脱離を早めるこ
とが可能な被吸着体脱離方法、構造が簡単な静電チャッ
ク、及びスループットを向上することが可能なプラズマ
処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、サセ
プタに静電吸着された被吸着体を離脱する時に、逆極性
の中和コンデンサを介してサセプタと被吸着体間に蓄積
された電荷を中和するようにした被吸着体離脱法であ
る。
【0013】中和コンデンサを介してサセプタと被吸着
体間に蓄積された電荷を中和するようにしたので、中和
コンデンサを介さずに、サセプタと被吸着体とをショー
トして放電させた場合に比して放電時定数が小さくな
る。ここに、中和コンデンサを介して中和させるサセプ
タと被吸着体間の蓄積電荷は、中和コンデンサによって
は完全にゼロにならなくても、中和が促進されればよ
い。最終的にサセプタと被吸着体間をショートして蓄積
電荷が完全にゼロになれば、中和が促進された分、サセ
プタと被吸着体間を単にショートさせる場合よりも放電
時間を短くできるからである。
【0014】請求項2の発明は、サセプタと被吸着体間
に電荷を蓄積してサセプタに被吸着体を静電吸着させる
とともに、中和コンデンサにも電荷を蓄積し、被吸着体
を離脱する時に、中和コンデンサに蓄積した電荷でサセ
プタと被吸着体間に蓄積した電荷を中和させることを特
徴とする被吸着体脱離方法である。
【0015】中和コンデンサに蓄積された電荷でサセプ
タと被吸着体間に蓄積した電荷を中和させるようにした
ため、サセプタと被吸着体間に蓄積された電荷を短時間
で消滅させることができる。また、サセプタと被吸着体
間に電荷を蓄積するときに、同時に中和コンデンサにも
電荷を蓄積するようにしたので、中和コンデンサへの電
荷蓄積作業が容易となる。
【0016】請求項3の発明は、サセプタと被吸着体間
に電荷を蓄積してサセプタに被吸着体を吸着する静電チ
ャックにおいて、サセプタと被吸着体に蓄積された電荷
を上記被吸着体の脱離時に中和させる中和コンデンサを
備えたことを特徴とする静電チャックである。静電チャ
ックに中和コンデンサを設けるだけの簡単な構造で、静
電チャックに蓄積された電荷を短時間で消滅させること
ができる。
【0017】請求項4の発明は、請求項3に記載の静電
チャックにおいて、被吸着体の吸着時静電チャック及び
上記中和コンデンサに電荷供給源を接続し、被吸着体の
脱離時上記電荷供給源を切り離すと共に上記静電チャッ
クに上記中和コンデンサを逆極性で接続するスイッチを
さらに備えたことを特徴とする静電チャックである。ス
イッチを接続変更するだけで、静電チャックの電荷を中
和させることができるので、逆極性の直流電源電圧や、
その印加時間を制御するものに比べて制御が容易にな
る。
【0018】請求項5の発明は、請求項3または4に記
載の静電チャックを備えたプラズマ処理装置である。被
吸着体の脱離時間が短縮されるため、スループットが向
上する。
【0019】請求項6の発明は、請求項3または4に記
載の静電チャックを偶数個備え、同時に偶数個の被吸着
体を処理するプラズマ処理装置において、上記偶数個の
静電チャックを2個づつ対にして相互に中和コンデンサ
として作用させることを特徴とするプラズマ処理装置で
ある。これにより対の静電チャックを相互に中和コンデ
ンサとして作用させるので、中和コンデンサを特別に用
意する必要がなく、偶数個の被吸着体を同時に処理する
プラズマ処理装置であっても、構造の簡素化が図れる。
【0020】請求項7の発明は、請求項6に記載のプラ
ズマ処理装置において、被吸着体の吸着時、上記対の静
電チャックに逆極性の電荷供給源を接続し、被吸着体の
脱離時、上記電荷供給源を切り離すと共に上記逆極性に
充電された対の静電チャック同士を接続するスイッチを
さらに備えたことを特徴とする静電チャックである。ス
イッチを接続変更するだけで、対の静電チャックの電荷
を中和させることができるので、同時に偶数個の被吸着
体を処理する場合でも、中和制御が容易になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0022】図1は枚葉式の平行平板型プラズマCVD
装置内に設けた実施形態による静電チャックを示し、
(a) は被吸着体としての被処理基板14の吸着時の状
態、(b)は被処理基板14の離脱時の状態をそれぞれ示
す。
【0023】装置内に設けたサセプタ15はアノード電
極を兼ね、アルミニウムやカーボンなどの導電性部材で
構成され、その上にアルミナや窒化アルミニウムなどの
誘電層10が形成される。この誘電層10を介してサセ
プタ15の上に半導体基板またはガラス基板などの被処
理基板14が載置される。被処理基板14、誘電層1
0、サセプタ15で等価コンデンサC1 を構成し、この
コンデンサC1 に蓄積される電荷によるクーロン力によ
り被処理基板14がサセプタ15上に静電吸着される。
【0024】サセプタ15と対向したプラズマ室内の上
面にはアースに落としたアース電極11が配設され、こ
れもカーボンやアルミニウムなどの導電性部材から構成
される。サセプタ15に、負電極をアースに落とした電
荷供給源としての直流電源16の正電極が接続される。
【0025】本発明の静電チャック22は、サセプタ1
5、誘電層10、プラズマ13、アース電極11、直流
電源16により構成され、被処理基板14を静電吸着す
る。なお、サセプタ15に印加する直流電源電圧は10
00V程度である。
【0026】上記コンデンサC1 と同じ静電容量をもつ
中和コンデンサC2 を直流電源16に対してコンデンサ
C1 と並列に接続する。中和コンデンサC2 は通常の電
解コンデンサで構成することができる。図1(a) で示す
被処理基板14の吸着時には、中和コンデンサC2 の一
方の電極は、上記直流電源16の正電極が接続され、他
方の電極はアースに落とされる。中和コンデンサC2
は、サセプタ15及び被処理基板14間のコンデンサC
1 に蓄積した電荷を中和する機能を有する。
【0027】さて、サセプタ15に直流電源16の直流
電圧を印加した状態で、アース電極11とサセプタ15
間に高周波電力を印加してプラズマ13を生成すると、
プラズマ13が導体となって被処理基板14をプラズマ
13、アース電極11を介してアースすることで被処理
基板14が−に帯電し、+に帯電したサセプタ15に被
処理基板14は吸引密着される。この被処理基板14の
吸着時、中和コンデンサC2 にも直流電源16の直流電
圧が印加されるので、等価コンデンサC1 に蓄積された
電荷と同量の電荷が中和コンデンサC2 の電極間に蓄積
される。
【0028】被処理基板14をサセプタ15に吸着した
後、プラズマ室内に反応ガスを流して被処理基板14の
表面に成膜処理する。
【0029】成膜処理後、被処理基板14をサセプタ1
5から脱離するには、図1(b) に示すように、サセプタ
15及び中和コンデンサC2 に接続していた直流電源1
6を切り離すとともに、中和コンデンサC2 の極性を反
転して、その−電極をサセプタ15に接続し、+電極を
アースする。
【0030】すると、プラズマ13を介してアースされ
ている被処理基板14とサセプタ15とで構成される等
価コンデンサC1 に、中和コンデンサC2 がアースを介
して直列接続されてショートするため、中和コンデンサ
C2 の電荷がサセプタ15及び被処理基板14の電荷を
中和させ、クーロン力がゼロになって被処理基板14が
サセプタ15から脱離する。
【0031】サセプタ15の抵抗をR、静電容量をC1
とした場合、中和コンデンサC2 を介在させないで、サ
セプタ15と被処理基板14間を直接ショートさせたと
き、被処理基板14の脱離時間τは、 τ=C1 R(時定数) (1) となる。しかし、実施形態のように中和コンデンサC2
(C1 =C2 )を介在させると、サセプタ15と中和コ
ンデンサC2 は直列接続されていることにより、合成静
電容量CがC1 の半分に減じるため、被処理基板14の
脱離時間τ′は、 τ′=CR=(C1 /2)R (2) となり、直流電源16のみを単に切ってショートさせる
場合に比してサセプタ15の電荷の消滅を1/2に短縮
でき、倍の速さで脱離可能となる。
【0032】なお、上記中和コンデンサは、スイッチと
共に装置内であってプラズマ室外の静電チャック22の
近傍に設けることが好ましい。この場合、静電チャック
22と等価な中和コンデンサを設けるようにしても、ダ
ミー用の静電チャックを設けるようにしてもよい。また
中和コンデンサは1個で構成しても、直列接続した複数
の中和コンデンサで構成しても、さらには並列接続した
複数の中和コンデンサで構成してもよい。
【0033】ところで、被処理基板14の吸着時に中和
コンデンサC2 に電荷を蓄積し、被処理基板14の離脱
時に、極性を反転させて中和コンデンサC2 に蓄積した
電荷でサセプタ15に蓄積した電荷を中和させるには、
接続変更のためのスイッチ回路が必要となる。図2は、
そのような接続変更スイッチ回路の具体例を示した回路
図である。
【0034】スイッチS1 はサセプタ15と直流電源1
6との間に接続され、被処理基板14の吸着時、オンし
てサセプタ15に直流電源16の直流電圧を印加し、被
処理基板14の脱離時、オフして直流電源16を切り離
す。
【0035】切替スイッチS2 は、2回路4接点で構成
され、1回路目の共通端子aはサセプタ15に接続さ
れ、その可動接点bを一方に倒したとき、中和コンデン
サC2の一方の電極に、他方に倒したときは中和コンデ
ンサC2 の他方の電極にそれぞれ接続される。また、2
回路目の共通端子cはアースに接続され、可動接点bと
連動する可動接点dを一方に倒したとき、中和コンデン
サC2 の他方の電極に、他方に倒したときは中和コンデ
ンサC2 の一方の電極にそれぞれ接続される。そして、
切替スイッチS2 は、被処理基板14の吸着時、可動接
点b、dを一方に倒して中和コンデンサC2 に直流電源
16の直流電圧を印加して電荷を蓄積し、被処理基板1
4の脱離時、他方に倒してサセプタ15に逆極性で中和
コンデンサC2 を接続する。
【0036】このように吸着時はS1 をオン、S2 を一
方に倒し、脱離時はS1 をオフし、S2 を切替えるとい
うスイッチの接続変更を行うだけで、被処理基板14の
吸着時に中和コンデンサC2 に電荷を蓄積し、被処理基
板14の離脱時に、図2(b)に示すように等価コンデン
サC1 に対して中和コンデンサC2 を逆極性となるよう
に直列接続して、中和コンデンサC2 に蓄積した電荷で
サセプタ15に蓄積した電荷を中和させることができ
る。したがって、静電チャック22の直流電源16を切
ってショートする場合よりも放電時間が短縮でき、ま
た、静電チャック22に直流電源から逆電圧を印加する
場合と異なり、静電チャック22と電圧、容量の等しい
中和コンデンサで中和するため、逆電圧や逆電圧印加時
間の難しい制御を必要としない。
【0037】なお、上記したプラズマCVD処理装置に
おいては、両電極間にプラズマ生成用の高周波電源の他
に静電チャック用の直流電源を接続する必要があるが、
両者の回路関係を示したのが図3である。図3(a) は静
電チャックに水冷ジャケットがない場合、図3(b) は静
電チャックに水冷ジャケットを取り付けた場合をそれぞ
れ示している。両回路は基本的には同じであり、サセプ
タ15内に埋め込まれたアノード電極17または水冷ジ
ャケット21に、整合器19を介して高周波電源18が
接続されるとともに、アノード電極17にはコイルLお
よび抵抗Cからなるフィルタ20を介して上記直流電源
16が接続される。
【0038】ところで上述した実施形態では1枚の基板
を処理する枚葉式のプラズマCVD処理装置に適用した
場合について説明したが、本発明の静電チャックは同時
に複数枚の被処理基板を処理するプラズマCVD処理装
置にも適用できる。
【0039】図4は2枚の被処理基板を同時処理するプ
ラズマCVD処理装置の静電チャック22を示したもの
であり、(a) は被処理基板の吸着時の状態、(b) は被処
理基板の離脱時の状態をそれぞれ示す。
【0040】装置内に設けた第1サセプタ15、第2サ
セプタ25はアノード電極を兼ねて構成され、その上に
被処理基板14がそれぞれ誘電層10を介して載置され
る。被処理基板14の吸着時は、サセプタ15、25と
対向したプラズマ室内上面にはプラズマ13を介してア
ースに落とされた共通アース電極11が配設される。第
1サセプタ15には、負電極をアースに落とした第1直
流電源16の正電極が接続される。第2サセプタ25に
は、正電極をアースに落とした第2直流電源26の負電
極が接続され、第1サセプタ15と被処理基板14間
と、第2サセプタ25と被処理基板14間には互いに逆
極性で同量の電荷が蓄積されるようになっている。
【0041】被処理基板14を第1、第2サセプタ1
5、25に静電吸着させて成膜処理する。処理後、第
1、第2サセプタ15、25から被処理基板14を脱離
する時は、図4(b) のように、第1、第2サセプタ1
5、25から第1直流電源16、第2直流電源26を切
り離して、それまで分離されていた第1、第2サセプタ
15、25を直列接続に変更する。
【0042】すると、被処理基板14、第1サセプタ1
5、第2サセプタ25、被処理基板14がループ回路を
構成してショートされるため、第1サセプタ15及び被
処理基板14の電荷と第2サセプタ25及び被処理基板
14の電荷が相互に中和され、これにより被処理基板1
4の脱離時間を上記実施形態と同様に短縮することがで
きる。特に、この実施形態では、2つの静電チャック2
2の電荷を相互に中和するようにしたので、静電チャッ
ク22以外に別個に中和コンデンサを必要とすることが
ない。そのため装置内の構造の簡素化を図ることができ
る。
【0043】このように第1、第2サセプタ15、25
に蓄積した電荷を相互に中和させるには、接続変更のた
めのスイッチ回路が必要となる。図5は、そのような接
続変更スイッチの具体例を示した回路図である。
【0044】スイッチS3 は第1サセプタ15と第1直
流電源16との間に接続され、被処理基板14の吸着
時、オンして第1サセプタ15に第1直流電源16の直
流電圧を印加し、被処理基板14の脱離時、オフして直
流電源16を切り離す。スイッチS4 は第2サセプタ2
5と第1直流電源16との間に接続され、被処理基板1
4の吸着時、オンして第2サセプタ25に逆極性の第2
直流電源26の直流電圧を印加し、被処理基板14の脱
離時、オフして第2直流電源26を切り離す。
【0045】スイッチS5 は、第1、第2サセプタ1
5、25間に介設され、被処理基板14の吸着時、オフ
して第1、第2サセプタ15、25間を切り離し、これ
らに独立して電荷を蓄積させる。被処理基板14の脱離
時はオンして、図5(b) に示すように第1、第2サセプ
タ15、25同士を逆極性で接続して中和させる。
【0046】このように吸着時S3 、S4 をオンし、S
5 はオフする。脱離時はS3 、S4をオフし、S5 をオ
ンすることにより、第1サセプタ15及び被処理基板1
4間、第2サセプタ25及び被処理基板14間に蓄積し
た電荷を相互に中和させることができる。なお、このと
きスイッチS5 をアースに落としてもよい。
【0047】なお上記実施形態では、中和コンデンサの
静電容量は静電チャックの静電容量と等しくしたが、か
ならずしも等しくする必要はない。要するに静電チャッ
クの電荷の中和ないし電荷放電の時間が、従来よりも短
く、しかも逆充電されなければよいのであり、そのため
に静電チャックに接続される中和コンデンサによる直列
合成容量が静電チャックの単体の容量よりも小さくなれ
ばよい。したがって、1/2倍、1/3倍、2/3倍、
1/4倍、3/4倍、1/5倍、2/5倍、3/5倍、
4/5倍…としてもよい。
【0048】また中和コンデンサの充電電圧を静電チャ
ックのそれと同じとしたが、直流電源を別個に用意し
て、中和コンデンサの充電電圧を異ならせてもよい。
【0049】また複数枚同時処理プラズマ処理装置の場
合では、2枚同時処理について説明したが、偶数枚同時
処理できるプラズマ処理装置であれば、それ以上の4
枚、6枚、…いずれにも適用できる。
【0050】また、本発明はプラズマCVD装置の他に
プラズマエッチング装置、スパッタリング装置などの半
導体製造装置が具備するプラズマ装置の電極構造にも適
用でき、さらに被処理基板の保持及び温度制御のための
試料台、搬送系など広く一般の静電チャックにも適用で
きる。
【0051】
【発明の効果】本発明の被吸着体脱離方法によれば、中
和コンデンサを介して静電チャックを中和するという簡
単な制御で、被吸着体の脱離に要する時間を短縮するこ
とができる。また、本発明の静電チャックによれば、中
和コンデンサを設けて合成容量を減ずるだけの簡単な構
造で、吸着体の脱離時間の短縮化を実現できる。さら
に、本発明のプラズマ処理装置によれば、吸着体の脱離
時間を短縮できるので、スループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】枚葉式の平行平板型プラズマCVD装置内に設
けた実施形態による静電チャックの構成を示し、(a) は
被処理基板の吸着時の状態図、(b) は被処理基板の離脱
時の状態図である。
【図2】図1を具体的に実施するためのスイッチ構成図
であり、(a) は回路図、(b) は中和時の等価回路図であ
る。
【図3】静電チャックにプラズマ生成用の高周波電源と
静電チャック用の直流電源を接続した回路図であり、
(a) はサセプタに水冷ジャケットがない場合、(b) は水
冷ジャケットがある場合の図である。
【図4】2枚同時処理型のプラズマCVD装置内に設け
た実施形態による静電チャックの構成を示し、(a) は被
処理基板の吸着時の状態図、(b) は被処理基板の離脱時
の状態図である。
【図5】図4を具体的に実施するためのスイッチ構成図
であり、(a) は回路図、(b) は中和時の等価回路図であ
る。
【図6】プラズマCVD装置の概略図である。
【図7】一般的な静電チャックの等価回路図である。
【図8】従来例による静電チャックの充電と放電特性図
である。
【符号の説明】
13 プラズマ 14 被処理基板(被吸着体) 15 サセプタ 16 直流電源 22 静電チャック C1 等価コンデンサ C2 中和コンデンサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サセプタに静電吸着された被吸着体を離脱
    する時に、逆極性の中和コンデンサを介してサセプタと
    被吸着体間に蓄積された電荷を中和するようにした被吸
    着体離脱法。
  2. 【請求項2】サセプタと被吸着体間に電荷を蓄積してサ
    セプタに被吸着体を静電吸着させるとともに、中和コン
    デンサにも電荷を蓄積し、 被吸着体を離脱する時に、中和コンデンサに蓄積した電
    荷でサセプタと被吸着体間に蓄積した電荷を中和させる
    ことを特徴とする被吸着体脱離方法。
  3. 【請求項3】サセプタと被吸着体間に電荷を蓄積してサ
    セプタに被吸着体を吸着する静電チャックにおいて、 サセプタと被吸着体に蓄積された電荷を上記被吸着体の
    脱離時に中和させる中和コンデンサを備えたことを特徴
    とする静電チャック。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の静電チャックにおいて、 被吸着体の吸着時静電チャック及び上記中和コンデンサ
    に電荷供給源を接続し、被吸着体の脱離時上記電荷供給
    源を切り離すと共に上記静電チャックに上記中和コンデ
    ンサを逆極性で接続するスイッチをさらに備えたことを
    特徴とする静電チャック。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の静電チャックを
    備えたプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】請求項3または4に記載の静電チャックを
    偶数個備え、同時に偶数個の被吸着体を処理するプラズ
    マ処理装置において、 上記偶数個の静電チャックを2個づつ対にして相互に中
    和コンデンサとして作用させることを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のプラズマ処理装置におい
    て、 被吸着体の吸着時、上記対の静電チャックに逆極性の電
    荷供給源を接続し、被吸着体の脱離時、上記電荷供給源
    を切り離すと共に上記逆極性に充電された対の静電チャ
    ック同士を接続するスイッチをさらに備えたことを特徴
    とする静電チャック。
JP19565397A 1997-07-22 1997-07-22 被吸着体脱離方法、静電チャック、及びプラズマ処理装置 Pending JPH1140660A (ja)

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