JP4008077B2 - プラズマ処理装置及び静電吸着機構 - Google Patents

プラズマ処理装置及び静電吸着機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、プラズマを形成しながら基板に所定の処理を行う装置、例えば、スパッタリング装置、プラズマ化学蒸着(CVD)装置、プラズマエッチング装置等に関するものである。より具体的には、このようなプラズマ処理装置における基板の静電吸着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマを形成しながら基板に所定の処理を行う装置は、スパッタリング装置、プラズマ化学蒸着(CVD)装置、プラズマエッチング装置等として知られている(以下、プラズマ処理装置と総称する)。図2は、従来のプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。図2に示すプラズマ処理装置は、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内に所定のガスを導入するガス導入手段2と、処理チャンバー1内にプラズマPを形成するプラズマ形成手段3と、形成されたプラズマPによって処理される位置に基板Sを配置するための基板ホルダー4と、基板ホルダー4の表面に基板Sを静電吸着する静電吸着機構とを有している。
【0003】
静電吸着機構は、表面に基板Sが載置される基板ホルダー4の誘電体ブロック41内に設けられた吸着電極51と、吸着電極51に所定の電圧を与える吸着電源52とから主に構成されている。図2に示す従来例では、吸着電極51は一つであり、円盤状の部材になっている。そして、吸着電源52は、正の直流電圧を吸着電極に与えるようになっている。
【0004】
基板ホルダー4には、高周波電源からなるバイアス用電源6が接続されている。基板ホルダー4に高周波電圧が印加されると、プラズマPと高周波との相互作用により、負の自己バイアス電圧が基板Sの表面に与えられる。吸着電源52が吸着電極51に負の直流電圧を与えると、誘電体ブロック41の表面は正の電位に誘電分極し、負に自己バイアスされている基板Sを静電吸着することが可能となる。
【0005】
また、バイアス用電源6が接続されておらず基板ホルダー4が接地電位である場合でも、静電吸着は可能である。即ち、基板Sの表面は誘電体ブロック41を介して接地電位から浮いており、基板Sの表面はプラズマPに対して浮遊電位となる。浮遊電位は、電子の高い移動度のため、数ボルト程度の負の電位となる。従って、同様に吸着電極5に正の電圧を与えて誘電体ブロック4の表面を正電位に誘電分極させることで基板Sを吸着することが可能である。
【0006】
図2に示す以外の従来例として、一対の吸着電極の間に電界を設定して静電吸着する例がある。図3は、この例の構成を示すものであり、従来のプラズマ処理装置の別の例の概略構成を示す図である。
図3に示すプラズマ処理装置では、基板ホルダー4を構成する誘電体ブロック41内には、一対の吸着電極53,54が埋設されている。そして、一方の吸着電極53には第一の吸着電源55によって正の直流電圧が与えられ、他方の吸着電極54には第二の吸着電源56によって負の直流電圧が与えられるようになっている。このため、一対の吸着電極53,54の間に直流電界が設定され、この電界によって誘電体ブロック41が誘電分極する。この結果、誘電体ブロック41の表面に電荷が現れ、基板Sが静電吸着される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したプラズマ処理装置のうち、図2に示す従来例では、次のような問題があった。
即ち、処理の終了後に基板Sを基板ホルダー4から取り去る際、吸着電源52による電圧印加を停止し、不図示の搬送機構のアーム等によって基板Sを基板ホルダー4から持ち上げるようにする。しかしながら、電圧印加を停止しても誘電体ブロック41の表面の電荷が直ぐに消滅せず、電圧印加停止後も誘電体ブロック41の表面には電荷が多く残留している。このため、処理停止した後も直ぐに基板Sを持ち上げようとすると、基板ホルダー41に吸着されている基板Sを無理矢理引き離すことになるため、基板Sが破損したり、引き離した反動で基板Sがずれてアームから落下して搬送エラーになったりする問題がある。
また、電荷が多く残留している状態で基板Sを基板ホルダー4から引き離すと、基板Sの裏面が剥離帯電してしまう。この結果、基板Sの裏面が塵埃を多く吸い寄せてしまい、その塵埃が表面側に回り込むことによって基板Sを汚損する原因となる。
このため、図2に示す従来例では、電圧印加停止後に誘電体ブロック41の表面の電荷が自然に消滅するのを待つ必要があり、この時間に数十秒程度を要していた。この時間のため、装置のスループットが低下し、生産性の低下の要因となっていた。
【0008】
一方、図3に示す装置において、処理の終了後、基板Sを基板ホルダー4から取り去る際、一対の吸着電極53,54の間に、処理の際とは逆方向の直流電界を設定する方法が考えられる。即ち、制御スイッチを使用して、一方の吸着電極53に負の直流電圧を与え、他方の吸着電極54に正の直流電圧を与える。この結果、誘電体ブロック41内に誘起されていた電荷は急速に消滅し、誘電体ブロックの表面にも電荷が存在しなくなる。このため、この動作の後に直ちに基板Sの取り去りを行っても、基板Sを破損したり搬送エラーになったり、さらには基板Sの裏面が塵埃を吸い寄せたりする問題は生じない。従って、図3の装置においてこの方法を用いると、スループットの点では、図2の装置より向上する
【0009】
しかしながら、上記方法では、基板ホルダー4に対する基板Sの静電吸着力の面内分布が不均一になる問題がある。即ち、この図3に示す装置でも、プラズマP中のイオンを引き出して基板Sに入射させる等の目的から、基板Sに自己バイアス電圧を与える場合がある。この場合、例えば上述したような負の自己バイアス電圧が基板Sに与えられると、正の直流電圧が印加されている一方の吸着電極53の部分の誘電体ブロック41の表面では、静電吸着力は、一対の吸着電極53,54の間の直流電界によるもののみならず、基板Sと誘電体ブロック41との間の電界によって生じ、静電吸着力は強くなる。しかし、負の直流電圧が印加される他方の吸着電極54の部分の誘電体ブロック41の表面では、基板Sと誘電体ブロック41の間の電界は弱くて静電吸着力は殆ど生じず、もっぱら一対の吸着電極53,54の間の電界によるもののみとなる。このため、この部分では静電吸着力は弱くなってしまう。従って、上記方法は、処理後の基板の取り去りの際には都合の良い構成であるが、処理の際の均一な静電吸着という点では問題がある
【0010】
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。即ち、本願の発明は、処理中には均一な静電吸着力によって安定して基板を静電吸着することができ、処理後には、短時間のうちに基板を基板ホルダーから取り去ることができる構成を備えたプラズマ処理装置を提供することを目的する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えた処理チャンバーと、処理チャンバー内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、形成されたプラズマによって処理される位置に基板を配置するための基板ホルダーと、基板ホルダーの表面に基板を静電吸着する静電吸着機構とを有するプラズマ処理装置であって、静電吸着機構は、基板ホルダー内に設けられた一対又は複数対の吸着電極と、電極に静電吸着用の直流電圧を印加する吸着電源と、吸着電極への電圧印加を制御する制御部とを備えており、この制御部は、プラズマを形成しながら基板に対して処理を行う際には吸着電極に同一の直流電圧を与え、処理終了後に基板ホルダーから基板を取り去る際には対を構成する吸着電極の間に交互に逆の向きの電界が設定されるよう電圧を与えるものであり、
制御部は、基板を取り去る際、対を構成する一方の吸着電極に正の直流電圧を与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第一の状態と、一方の吸着電極に負の直流電圧に与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第二の状態とを交互に切り替えるものであり、
制御部は、スイッチを備えており、このスイッチは、基板を取り去る際、所定の周期が経過した時に第一の状態から第二の状態に切り替え、さらに同じ周期が経過した時に第二の状態から第一の状態に切り替えるものであり、第一第二の状態の間でのみ切り替えを行うものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成において、前記基板ホルダーには、基板に所定のバイアス電圧を与えるためのバイアス用電源が接続されているという構成を有する。
上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は 上記請求項1又は2の構成において、前記制御部は、プラズマを形成する前に対を構成する吸着電極に異なる極性の直流電圧を与えて基板を基板ホルダーに吸着させるものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は 上記請求項1、2又は3の構成において、前記吸着電源は、基板を取り去る際、基板を処理していた際と絶対値が等しい電圧を各吸着電極に与えるものであり、
前記制御部は、この処理時と絶対値が等しい正の直流電圧を一方の吸着電極に与えるとともに処理時と絶対値が等しい負の直流電圧を他方の吸着電極に与えて前記第一の状態とし、処理時と絶対値の等しい負の直流電圧を与えるとともに処理時と絶対値の等しい正の直流電圧を他方の吸着電極に与えることで前記第二の状態とするものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、プラズマ処理装置においてプラズマによって処理される基板を基板ホルダーの表面に静電吸着する静電吸着機構であって、
基板ホルダー内に設けられた一対又は複数対の吸着電極と、電極に静電吸着用の直流電圧を印加する吸着電源と、吸着電極への電圧印加を制御する制御部とを備えており、この制御部は、プラズマを形成しながら基板に対して処理を行う際には吸着電極に同一の直流電圧を与え、処理終了後に基板ホルダーから基板を取り去る際には対を構成する吸着電極の間に交互に逆の向きの電界が設定されるよう電圧を与えるものであり、
制御部は、基板を取り去る際、対を構成する一方の吸着電極に正の直流電圧を与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第一の状態と、一方の吸着電極に負の直流電圧に与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第二の状態とを交互に切り替えるものであり、
制御部は、スイッチを備えており、このスイッチは、基板を取り去る際、所定の周期が経過した時に第一の状態から第二の状態に切り替え、さらに同じ周期が経過した時に第二の状態から第一の状態に切り替えるものであり、第一第二の状態の間でのみ切り替えを行うものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は 上記請求項5の構成において、前記制御部は、プラズマを形成する前に対を構成する吸着電極に異なる極性の直流電圧を与え て基板を基板ホルダーに吸着させるものであることを特徴とする請求項5記載の静電吸着機構。
上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は 上記請求項5又は6の構成において、前記吸着電源は、基板を取り去る際、基板を処理していた際と絶対値が等しい電圧を各吸着電極に与えるものであり、
前記制御部は、この処理時と絶対値が等しい正の直流電圧を一方の吸着電極に与えるとともに処理時と絶対値が等しい負の直流電圧を他方の吸着電極に与えて前記第一の状態とし、処理時と絶対値の等しい負の直流電圧を与えるとともに処理時と絶対値の等しい正の直流電圧を他方の吸着電極に与えることで前記第二の状態とするものであるという構成を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1は、本願発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す正面図である。図1に示すプラズマ処理装置は、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内に所定のガスを導入するガス導入手段2と、処理チャンバー1内にプラズマPを形成するプラズマ形成手段3と、形成されたプラズマPによって処理される位置に基板Sを配置するための基板ホルダー4と、基板ホルダー4の表面に基板Sを静電吸着する静電吸着機構とを有している。
【0013】
図1には、プラズマ処理装置の一例として、スパッタリング装置の構成が示されている。即ち、プラズマ形成手段3は、処理チャンバー1内に被スパッタ面を露出させるようにして配置されたターゲット311を有するカソード31と、カソード31に所定の電圧を与えてターゲット311をスパッタするスパッタ電源32とから主に構成されている。
【0014】
ガス導入手段2によってアルゴン等のスパッタ率の高いガスを導入しながら、スパッタ電源32によって例えば負の直流電圧をカソード31に与えると、導入されたガスがスパッタ放電してターゲット311がスパッタされる。スパッタ放電が持続されるとガスはプラズマ化し、プラズマPが形成される。また、スパッタされたターゲット311の材料は処理チャンバー1内の空間を飛行して基板Sに達し、ターゲット311の材料よりなる薄膜を基板Sの表面に堆積する。例えば、アルミニウム製のターゲット311を使用することで、集積回路の配線用のアルミニウム薄膜を基板S上に作成することができる。
【0015】
尚、基板ホルダー4には、高周波電源よりなるバイアス用電源6が接続されており、前述したのと同様に、基板Sには、自己バイアス電圧が与えられるようになっている。また、基板ホルダー4内には、不図示のヒータが設けられている。このヒータは、基板Sを所定温度に加熱してプラズマPによる処理の効率化をはかるよう構成されている。
【0016】
さて、本実施形態の静電吸着機構は、基板ホルダー4を構成する誘電体ブロック41内に埋設された一対の吸着電極53,54と、正の直流電源よりなる第一の吸着電源55と、負の直流電源よりなる第二の吸着電源56と、第一第二の吸着電源55,56による電圧印加を制御する制御部5とから主に構成されている。制御部5は、処理中に第一の吸着電源55に対して第一第二の吸着電極53、54を並列につなげる第一にスイッチ571と、処理後に第一第二の吸着電極53、54に第一第二の吸着電源55、56を交互に切り替えて接続する第二のスイッチ572と、第一第二のスイッチ571、572を駆動するスイッチ駆動回路57とを有している。
【0017】
図1に示すように、第一のスイッチ571の入力側には四つの端子ある。そして、第一の吸着電源55からは並列に二つの給電ラインが延び、第一のスイッチ571の入力側のうちの二つの端子(以下、吸着用端子Tc)にそれぞれ接続されている。また、第一のスイッチ571の入力側の残りの端子は、脱着用端子Trである。この二つの脱着用端子Trは、第二のスイッチ572の出力側の二つの端子にそれぞれ接続されている。そして、第一のスイッチ571の出力側は二つの端子があり、一方が第一の吸着電極53に接続され、他方が第二の吸着電極54に接続されている。第一のスイッチ571は、二つの出力側の端子を吸着用端子Tcに短絡させるか、脱着用端子Trに短絡させるかが切り替えられるようになっている。
【0018】
また、第二のスイッチ572の入力側にも同様に四つの端子がある。このうち、二つの端子は、第一の吸着電源55に並列に接続された正電圧用端子Tpであり、残りの二つ端子は第二の吸着電源56に接続された負電圧用端子Tnである。そして、図1に示すように、第二のスイッチ572は、出力側の二つの端子に対して、一方に正電圧用端子Tpを短絡して他方に負電圧端子Tnを短絡する第一の状態(以下、順方向状態)と、一方に負電圧端子Tnを短絡して他方に正電圧端子Tpを短絡する第二の状態(以下、逆方向状態)との間でスイッチの切り替えを行うよう構成されている。
尚、スイッチ駆動回路57は、OPアンプIC又はリレ−などを使用して第一第二のスイッチ571、572を駆動するように構成されている。
【0019】
上記構成に係る本実施形態のプラズマ処理装置の動作について説明する。
まず、不図示のゲートバルブを通して基板Sを処理チャンバー1内に搬入し、基板ホルダー4上に載置する。そして、上記静電吸着機構を動作させ、基板ホルダー4への基板Sの静電吸着の準備をする。この際、上記第一のスイッチ571は出力端子を吸着用端子Tcに短絡する状態とされる。このため、一対の吸着電極53,54には、第一の吸着電源55の電圧が並列に与えられ、従って、一対の吸着電極には同一の正の直流電圧が与えられる。
また、バイアス用電源6も動作して基板ホルダー4に所定の高周波電圧を与える。尚、基板ホルダー4内のヒータが動作して基板ホルダー4を所定温度に加熱しており、基板ホルダー4に載置された基板Sはこの基板ホルダー4の温度まで加熱されてこの温度が維持される。
【0020】
そして、ゲートバルブを閉じた後にガス導入手段2が動作して所定のガスが導入され、プラズマ形成手段3が動作してプラズマPが形成される。この結果、プラズマPと高周波との相互作用により基板Sに負の自己バイアス電圧が生じ、一対の吸着電極53,54に与えられた正の直流電圧によって基板Sが基板ホルダー4に静電吸着される。そして、プラズマPを形成するスパッタ放電の過程でスパッタされたターゲット311の材料により、基板Sに所定の薄膜が作成される。
【0021】
所定時間処理を行った後、プラズマ形成手段3、ガス導入手段2及びバイアス用電源6の動作を停止させる。この際、静電吸着機構では、スイッチ駆動回路57の第一スイッチ571が出力側端子を脱着用端子Trに短絡するよう切り替えられる。そして、第二のスイッチ572は、順方向状態と逆方向状態とが交互に周期的に切り替わるように動作する。この結果、一方の吸着電極53に正の直流電圧が印加されるとともに他方の吸着電極54に負の直流電圧が印加される第一の状態と、一方の吸着電極53に負の直流電圧が印加されるとともに他方の吸着電極に正の直流電圧が印加される第二の状態とが交互に周期的に切り替わるような状態となる。
【0022】
つまり、一対の吸着電極53,54の間の電界の向きが交互に逆になる。このため、処理終了時に残留していた誘電体ブロック41の表面の電荷は、この交互に逆になる電界によって急速に消滅し、短時間のうちに基板ホルダー4からの基板Sの取り去り動作が可能となる。尚、このようなスイッチ動作を行うスイッチ駆動回路57は、タイマーやリレーを内蔵してシーケンス制御を行う機械的なものであってもよいし、制御プログラムを記憶させたROM等を内蔵した電子回路により行う電子的なものであってもよい。
【0023】
具体的なスイッチ動作について説明すると、処理時に一対の吸着電極53,54に与えていた正の直流電圧が500V、処理時間(電圧印加時間)が1分、誘電体ブロック41の材質がアルミナ、基板Sがシリコンウェーハである場合、第一の状態と第二の状態とが例えば2秒ごとに切り替わるような動作でよい。また、この交互に切り替える際の電圧は、+500V、−500程度でよい。
【0024】
上記説明から分かるように、本実施形態の装置によれば、処理の際には一対の吸着電極53,54に同一の電圧が与えられるので静電吸着力が不均一になる問題はなく、また、処理の後の基板Sの取り去りの際には、一対の電極53,54に互いの極性が逆の電圧が交互に切り替わるように与えられるので、電荷の消滅が迅速に行える。このため、基板Sの破損や搬送エラーさらには基板Sの裏面への塵埃の付着を効果的に防止できるとともに高いスループットが得られる。
【0025】
また、上記実施形態の構成において、プラズマPを形成した処理の開始前においては、一対の吸着電極53,54に異なる極性の直流電圧を印加すると、処理の開始前においても基板Sが基板ホルダー4に吸着されるのでさらに好適である。この場合は、一対の吸着電極53,54に異なる極性の直流電圧を印加して基板Sを基板ホルダー4に吸着するとともに、プラズマ形成手段3を動作させてプラズマPを形成する直前に吸着電極53,54に同一の正の直流電圧を印加するように切り替えるようにする。
上記のように、不図示のヒータによって加熱された基板ホルダー4に基板Sを載置することで基板Sを所定温度に加熱維持した後に処理を開始する構成では、処理前に基板Sを静電吸着できるようにしておくと、この処理前の温度制御の精度が向上するので、極めて好適である。
【0026】
尚、上記説明では、吸着電極53,54は一対であったが、二対、三対又はそれ以上でもよい。いずれの場合も、処理の際にはすべての吸着電極に同一の電圧を印加し、基板の取り去りの際には、対を構成する吸着電極に対し互いに極性の異なる電圧を交互に切り替えて与えるようにする。
【0027】
また、上記説明では、バイアス用電源6は高周波電源であったが、直流電源の場合もある。さらに、対を構成する吸着電極53,54の間に電界を設定する構成として、互いに極性の異なる直流電圧を与える例を示したが、一方が接地電位であり、他方が正又は負の直流電圧を与えるような構成でも良い。
【0028】
尚、吸着電極53、54に同一の電圧を処理中に与える場合、負の電圧であっても基板Sの静電吸着が可能な場合がある。即ち、例えば基板Sが浮遊電位である場合、この浮遊電位を打ち消し、プラズマ電位との間で相当程度の電位差が得られるような負の直流電圧を吸着電極53,54に与えることで基板Sの静電吸着が可能な場合もある。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の請求項1記載の発明によれば、処理の際には対を構成する吸着電極に同一の電圧が与えられるので静電吸着力が不均一になる問題はなく、また、処理の後の基板の取り去りの際には、対を構成する吸着電極に互いの極性が逆の電圧が交互に切り替わるように与えられるので、電荷の消滅が迅速に行える。このため、基板の破損や搬送エラーさらには基板の裏面への塵埃の付着を効果的に防止できるとともに高いスループットが得られる。
また、請求項2記載の発明によれば、プラズマ中からイオンを引き出して利用することが可能になるとともに、この際にも静電吸着力が不均一になる問題が生じない。
また、請求項3記載の発明によれば、プラズマを形成する前に対を構成する吸着電極の間に交互に逆の向きの電界が設定されて基板が基板ホルダーに吸着される。このため、処理の開始前にも基板の位置ずれ等が生じず、また、基板ホルダー内に設けたヒータによって処理前に予め基板の温度制御を行う場合に特に好適な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】従来のプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【図3】従来のプラズマ処理装置の別の例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 処理チャンバー
11 排気系
2 ガス導入手段
3 プラズマ形成手段
4 基板ホルダー
41 誘電体ブロック
5 制御部
53 吸着電極
54 吸着電極
55 吸着電源
56 吸着電源
57 スイッチ駆動回路
571 第一のスイッチ
572 第二のスイッチ
6 バイアス用電源

Claims (7)

  1. 排気系を備えた処理チャンバーと、処理チャンバー内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、形成されたプラズマによって処理される位置に基板を配置するための基板ホルダーと、基板ホルダーの表面に基板を静電吸着する静電吸着機構とを有するプラズマ処理装置であって、
    静電吸着機構は、基板ホルダー内に設けられた一対又は複数対の吸着電極と、電極に静電吸着用の直流電圧を印加する吸着電源と、吸着電極への電圧印加を制御する制御部とを備えており、この制御部は、プラズマを形成しながら基板に対して処理を行う際には吸着電極に同一の直流電圧を与え、処理終了後に基板ホルダーから基板を取り去る際には対を構成する吸着電極の間に交互に逆の向きの電界が設定されるよう電圧を与えるものであり、
    制御部は、基板を取り去る際、対を構成する一方の吸着電極に正の直流電圧を与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第一の状態と、一方の吸着電極に負の直流電圧に与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第二の状態とを交互に切り替えるものであり、
    制御部は、スイッチを備えており、このスイッチは、基板を取り去る際、所定の周期が経過した時に第一の状態から第二の状態に切り替え、さらに同じ周期が経過した時に第二の状態から第一の状態に切り替えるものであり、第一第二の状態の間でのみ切り替えを行うものであることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記基板ホルダーには、基板に所定のバイアス電圧を与えるためのバイアス用電源が接続されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記制御部は、プラズマを形成する前に対を構成する吸着電極に異なる極性の直流電圧を与えて基板を基板ホルダーに吸着させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記吸着電源は、基板を取り去る際、基板を処理していた際と絶対値が等しい電圧を各吸着電極に与えるものであり、
    前記制御部は、この処理時と絶対値が等しい正の直流電圧を一方の吸着電極に与えるとともに処理時と絶対値が等しい負の直流電圧を他方の吸着電極に与えて前記第一の状態とし、処理時と絶対値の等しい負の直流電圧を与えるとともに処理時と絶対値の等しい正の直流電圧を他方の吸着電極に与えることで前記第二の状態とするものであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のプラズマ処理装置。
  5. プラズマ処理装置においてプラズマによって処理される基板を基板ホルダーの表面に静電吸着する静電吸着機構であって、
    基板ホルダー内に設けられた一対又は複数対の吸着電極と、電極に静電吸着用の直流電圧を印加する吸着電源と、吸着電極への電圧印加を制御する制御部とを備えており、この制御部は、プラズマを形成しながら基板に対して処理を行う際には吸着電極に同一の直流電圧を与え、処理終了後に基板ホルダーから基板を取り去る際には対を構成する吸着電極の間に交互に逆の向きの電界が設定されるよう電圧を与えるものであり、
    制御部は、基板を取り去る際、対を構成する一方の吸着電極に正の直流電圧を与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第一の状態と、一方の吸着電極に負の直流電圧に与えるとともに他方の吸着電極に負の直流電圧を与える第二の状態とを交互に切り替えるものであり、
    制御部は、スイッチを備えており、このスイッチは、基板を取り去る際、所定の周期が経過した時に第一の状態から第二の状態に切り替え、さらに同じ周期が経過した時に第二の状態から第一の状態に切り替えるものであり、第一第二の状態の間でのみ切り替えを行うものであることを特徴とする静電吸着機構。
  6. 前記制御部は、プラズマを形成する前に対を構成する吸着電極に異なる極性の直流電圧を与えて基板を基板ホルダーに吸着させるものであることを特徴とする請求項5記載の静電吸着機構。
  7. 前記吸着電源は、基板を取り去る際、基板を処理していた際と絶対値が等 しい電圧を各吸着電極に与えるものであり、
    前記制御部は、この処理時と絶対値が等しい正の直流電圧を一方の吸着電極に与えるとともに処理時と絶対値が等しい負の直流電圧を他方の吸着電極に与えて前記第一の状態とし、処理時と絶対値の等しい負の直流電圧を与えるとともに処理時と絶対値の等しい正の直流電圧を他方の吸着電極に与えることで前記第二の状態とするものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の静電吸着機構。
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