JPH1137279A - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

自動変速機のロックアップ制御装置

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JPH1137279A
JPH1137279A JP19693097A JP19693097A JPH1137279A JP H1137279 A JPH1137279 A JP H1137279A JP 19693097 A JP19693097 A JP 19693097A JP 19693097 A JP19693097 A JP 19693097A JP H1137279 A JPH1137279 A JP H1137279A
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Kenichiro Murakami
賢一郎 村上
Akira Hino
顕 日野
Shinya Toyoda
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  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックアップを徐々に進行させる途中でアク
セルペダルが釈放された時、ロックアップ容量過大で一
気にロックアップされるのを防止する。 【解決手段】 コンバータ領域からロックアップ領域へ
の移行時t1 にロックアップソレノイドデューティD
を、ロックアップクラッチが締結を開始する初期デュー
ティD1 まで上昇させ、その後Dを、ロックアップショ
ックが生じない速度で漸増させてロックアップを進行さ
せる。ロックアップが完了前のt2 にスロットル開度T
VOが急減されると、Dを一気に0%にし、直ちにコン
バータ状態にする。よって、ロックアップ進行過程でT
VOが急減されても、ロックアップ容量がエンジン要求
負荷に対して過大になることがなく、ロックアップが一
気に進行して車体に不快なガクガク振動が発生するとい
う問題を解消なし得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機のトル
クコンバータをロックアップするに際し、これを制御下
で徐々に行うようにしたものにおいて、アクセルペダル
の戻し操作により原動機の要求負荷を急減させた時の好
適なロックアップ制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機や、トロイダル型
無段変速機に代表される無段変速機を含めて自動変速機
は、前段におけるエンジン等の原動機との間に、トルク
の伝達を滑らかにしたり、トルクを増大する必要から、
トルクコンバータを介装することが多い。
【0003】ところで、トルクコンバータは入力要素
(通常、ポンプインペラ)および出力要素(通常、ター
ビンランナ)間の相対回転(スリップ)を避けられず、
伝動効率が悪い。従って、一般的にトルクコンバータ
は、これによるトルク変動吸収機能や、トルク増大機能
が必要でない運転領域(高車速域)において、入出力要
素間が直結されたロックアップ状態にし得るロックアッ
プ式のトルクコンバータが多用される。
【0004】かかるトルクコンバータのロックアップ領
域は無段変速機の場合、例えば特開平3−292462
号公報に記載されているごとく、車速により、若しく
は、これとエンジンスロットル開度とにより規定され、
運転性能に悪影響が及ばない範囲内でロックアップ領域
を最大限に広くするのが常套である。
【0005】そして、どのようにロックアップ領域を規
定しようとも、トルクコンバータの入出力要素間を直結
すべきでないコンバータ領域からロックアップ領域への
運転状態の変更により、トルクコンバータをロックアッ
プする時に当該ロックアップを一気に行うと、つまり、
ロックアップクラッチの締結力を急峻に増大してロック
アップ容量を急増させると、ロックアップクラッチの締
結ショック(ロックアップショック)が発生して自動変
速機の商品価値を低下させる。
【0006】この問題解決のために従来、例えば特開平
6−279241号公報に記載されているように、トル
クコンバータをロックアップするに際しロックアップク
ラッチの締結力を徐々に増大させてロックアップ容量を
漸増させ、これによりロックアップクラッチの締結ショ
ック(ロックアップショック)が発生するのを防止する
ようにした技術が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる対策
をしたロックアップ制御装置にあっては、ロックアップ
容量を漸増させている最中のロックアップ進行過程でア
クセルペダルを釈放すると、エンジン要求負荷(エンジ
ントルク)が急減して相対的にロックアップ容量が過大
となり、図10を参照して説明する以下の問題を生ず
る。
【0008】即ち、図10の瞬時t1 にコンバータ領域
からロックアップ領域への移行でロックアップ指令が出
力されると、ロックアップ容量が図示のごとくに漸増さ
れてトルクコンバータのロックアップを徐々に進行させ
る。かかるロックアップの進行はエンジン回転数Ne
トルクコンバータ出力回転数(タービン回転数)である
変速機入力回転数Nt に徐々に近づけるよう低下させ
る。しかし、ロックアップ容量を漸増させてトルクコン
バータのロックアップを進行させている最中の、例えば
図10の瞬時t2 にアクセルペダルを釈放したスロット
ル開度TVOを0/8にすると、これに伴うエンジン要
求負荷(エンジントルク)の急減で相対的にロックアッ
プ容量が過大になる。
【0009】これがため瞬時t2 の直後に、ロックアッ
プ容量を増大しなくてもトルクコンバータのロックアッ
プが急速に進行し、エンジン回転数Ne を一気に変速機
入力回転数Nt に一致させることとなり、図10に示す
瞬時t2 直後における変速機出力トルクTo の時系列変
化から明らかなように車体に不快なガクガク振動が発生
し、車両の運転性が損なわれるといった問題を生ずる。
【0010】請求項1に記載の第1発明は、ロックアッ
プの進行中において上記アクセルペダルの釈放操作があ
っても、車体に不快なガクガク振動が発生することのな
いようなロックアップ制御技術を提案して、上記の問題
を解決することを目的とする。
【0011】請求項2に記載の第2発明は、最も簡単に
第1発明の目的を達成し得るロックアップ制御技術を提
案することを目的とする。
【0012】請求項3に記載の第3発明は、上記アクセ
ルペダルの釈放操作に伴うフューエルカットが中断され
てフューエルリカバーされることのないようにし、該フ
ューエルリカバーによる問題をも回避し得るようにした
ロックアップ制御技術を提案することを目的とする。
【0013】請求項4に記載の第4発明は、第2発明に
よるロックアップ制御技術と、第3発明によるロックア
ップ制御技術とを、必要に応じて使い分けるようにロッ
クアップ制御装置を提案することを目的とする。
【0014】請求項5に記載の第5発明は、制御のハン
チングを生ずることのないようにしたロックアップ制御
装置を提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による自動変速機のロックアップ制御装置
は、制御された速度で徐々に入出力要素間をロックアッ
プされるトルクコンバータを介し原動機の回転を入力さ
れる自動変速機において、前記制御された速度でのロッ
クアップ進行中に原動機の要求負荷が急減した時、前記
ロックアップを解除するよう構成したことを特徴とする
ものである。
【0016】第2発明による自動変速機のロックアップ
制御装置は、上記第1発明において、前記要求負荷急減
時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が即座に0
になるような態様で行わせるよう構成したことを特徴と
するものである。
【0017】第3発明による自動変速機のロックアップ
制御装置は、上記第1発明において、前記要求負荷急減
時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が所定の時
間勾配をもって徐々に0になるような態様で行わせるよ
う構成したことを特徴とするものである。
【0018】第4発明による自動変速機のロックアップ
制御装置は、上記第1発明において、前記原動機の回転
数が設定回転数以上の高回転域である場合、前記要求負
荷急減時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が即
座に0になるような態様で行わせ、原動機回転数が前記
設定回転数未満の低回転域である場合、前記要求負荷急
減時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が所定の
時間勾配をもって徐々に0になるような態様で行わせる
よう構成したことを特徴とするものである。
【0019】第5発明による自動変速機のロックアップ
制御装置は、上記第1発明〜第4発明のいずれかにおい
て、前記要求負荷急減時のロックアップ解除が開始され
てから設定時間中は前記トルクコンバータの再ロックア
ップを禁止するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0020】
【発明の効果】第1発明において、自動変速機はトルク
コンバータを介して原動機の回転を入力され、一方でト
ルクコンバータは、入出力要素間をロックアップされ得
て伝動効率を向上することができるとともに、当該トル
クコンバータのロックアップを、制御された速度で徐々
に行わせるためにロックアップショックを発生すること
もない。
【0021】ところで第1発明においては、上記制御さ
れた速度でのロックアップ進行中に原動機の要求負荷が
急減した時、当該進行中のロックアップを解除する。よ
って、上記制御された速度でロックアップが進行されて
いる最中に原動機要求負荷の急減操作があっても、ロッ
クアップ容量が原動機出力トルクに対して過大になるこ
とがなく、ロックアップ容量の過大によりロックアップ
が一気に進行して車体にガクガク振動が発生するという
従来装置の問題を解消することができる。
【0022】第2発明においては、上記要求負荷急減時
のロックアップ解除を、ロックアップ容量が即座に0に
なるような態様で行わせることから、要求負荷急減時に
ロックアップ解除指令を発するだけの最も簡単な制御で
上記第1発明の作用効果を達成することができる。
【0023】第3発明においては、上記要求負荷急減時
のロックアップ解除を、ロックアップ容量が所定の時間
勾配をもって徐々に0になるような態様で行わせること
から、前記要求負荷の急減によっても原動機の回転数が
急低下することがなく、要求負荷の急減に伴って開始さ
れた原動機のフューエルカットが、原動機回転数の急低
下により中断されてフューエルリカバーされることがな
くなり、当該フューエルリカバーに伴うショックの問題
をも回避することができる。
【0024】第4発明においては、原動機の回転数が設
定回転数以上の高回転域である場合、前記要求負荷急減
時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が即座に0
になるような態様で行わせ、原動機回転数が前記設定回
転数未満の低回転域である場合、前記要求負荷急減時の
ロックアップ解除を、ロックアップ容量が所定の時間勾
配をもって徐々に0になるような態様で行わせる。よっ
て、フューエルリカバーによるショックの問題を生ずる
ことのない原動機の高回転域では、第2発明によると同
様な最も簡単なロックアップ制御により所期の作用効果
を達成することができ、また、フューエルリカバーによ
るショックの問題を生ずる原動機の低回転域では、第3
発明によると同様なロックアップ制御により当該フュー
エルリカバーショックの問題をも解消することができ
る。
【0025】第5発明においては、前記要求負荷急減時
のロックアップ解除が開始されてから設定時間中はトル
クコンバータの再ロックアップを禁止することから、要
求負荷の再増時によってもロックアップ制御のハンチン
グを生ずることがなく、制御の安定を図ることができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるロックアップ制御装置を具えた無段変速機の制
御システムを示す。1は、原動機としてのエンジン、2
は、Vベルト式無段変速機で、これら両者間に、エンジ
ン1の回転を無段変速機2に伝えるトルクコンバータ3
を介在させる。
【0027】トルクコンバータ3は、図示しなかった
が、コントロールバルブ4内におけるロックアップソレ
ノイド5のON(駆動デューティD=100%)によ
り、入出力要素間が直結されたロックアップ(L/U)
状態となり、ロックアップソレノイド5のOFF(駆動
デューティD=0%)により、当該直結が解かれたコン
バータ(C/V)状態にされて、エンジン1の回転をト
ルク増大下におよびトルク変動吸収機能下に無段変速機
2へ伝達する、極く一般的なものとする。
【0028】また無段変速機2は、コントロールバルブ
4内におけるステップモータ6の回転位置に応じた変速
比へ無段階に変速される、周知のものとする。
【0029】ロックアップソレノイド5の駆動デューテ
ィDおよびステップモータ6の回転位置はそれぞれ、コ
ントローラ7により制御し、このコントローラ7には、
エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロット
ル開度センサ8からの信号、車速VSPを検出する車速
センサ9からの信号、エンジン回転数Ne を検出するエ
ンジン回転センサ10からの信号、変速機出力回転数N
o を検出する出力回転センサ11からの信号、およびア
クセルペダルの釈放時にONされてアイドル信号Si
出力するアイドルスイッチ12からの信号をそれぞれ入
力する。
【0030】コントローラ7はこれら入力情報をもと
に、図2の制御プログラムを実行して無段変速機2の変
速制御を以下のごとくに行うとともに、図3の制御プロ
グラムを実行してトルクコンバータ3のロックアップ制
御を以下のごとくに行うものとする。
【0031】先ず変速制御を説明するに、ステップ21
においてスロットル開度TVO、車速VSP、および変
速機出力回転数No を読み込み、次いでステップ22に
おいて、スロットル開度TVOおよび車速VSPから、
図4に対応した変速マップをもとに、変速機の目標入力
回転数Nt * を検索により求め、ステップ23で、この
目標入力回転数Nt * を変速機出力回転数No で除算す
ることにより、目標入力回転数Nt * に対応した目標変
速比RTOを演算する。そして、ステップ24において
は、当該目標変速比RTOを達成するための、ステップ
モータ6の回転位置をモータステップ数STPとして検
索し、これをステップモータ6に出力する。
【0032】無段変速機2は、ステップモータ6がモー
タステップ数STPに応じた位置に回転されることで、
目標変速比RTOとなるよう無段変速され、結果として
図4の変速パターンに基づいて変速制御される。
【0033】次いで、トルクコンバータ3のロックアッ
プ制御を説明するに、先ず図3のステップ31において
スロットル開度TVO、車速VSP、およびアイドルス
イッチ信号Si を読み込む。そしてステップ32で、図
5に例示した線図に対応する予定のロックアップ領域マ
ップをもとに、スロットル開度TVOおよび車速VSP
から、トルクコンバータ3をロックアップ(L/U)す
べき領域での運転中か、コンバータ(C/V)状態にす
べき領域での運転中かを判定する。なお、図5における
実線はトルクコンバータ3をコンバータ(C/V)状態
からロックアップ(L/U)すべき境界を、また、破線
はトルクコンバータ3をロックアップ(L/U)状態か
らコンバータ(C/V)状態にすべき境界をそれぞれ示
し、両者間にヒステリシスを設定してハンチングを防止
する。
【0034】コンバータ(C/V)領域なら、制御をス
テップ39に進め、ここで、ロックアップソレノイド5
の駆動デューティDを0%にして、トルクコンバータ3
を要求通りコンバータ状態にする。
【0035】ステップ32でロックアップ(L/U)領
域と判別する場合、ステップ33で当該ロックアップが
完了しているか否かを、ロックアップソレノイド駆動デ
ューティDから判断する。ロックアップが完了していな
ければ、ステップ34において、アイドルスイッチ信号
i をもとにアクセルペダルを釈放したエンジン要求負
荷急減か否かを判定し、このエンジン要求負荷急減状態
でなければステップ35において、トルクコンバータ3
のロックアップを以下のように徐々に進行させる。
【0036】つまり図8に示すように、コンバータ領域
からロックアップ領域への運転状態の変化があった瞬時
1 にロックアップソレノイド駆動デューティD(ロッ
クアップ容量)を、ロックアップクラッチが締結を開始
する初期デューティD1 まで上昇させる。その後、同じ
く図8に示すようにロックアップソレノイド駆動デュー
ティD(ロックアップ容量)を、ロックアップクラッチ
の締結ショックが生じない程度の時間変化割合で漸増さ
せ、対応した速度でトルクコンバータのロックアップを
進行させる。この間、エンジン回転数(トルクコンバー
タ入力回転数)Ne は同じく図8に示すように変速機入
力回転数(トルクコンバータ出力回転数)Nt に向け徐
々に接近する(図8には車速VSPを参考までに併記し
た)。
【0037】かかるロックアップの進行でロックアップ
が完了した時、ステップ33は制御をステップ36に進
め、ここでロックアップソレノイド駆動デューティDを
100%にすることにより、トルクコンバータ3をロッ
クアップ状態に保持する。
【0038】ところで、ロックアップが完了しないうち
に、例えば図8の瞬時t2 にアクセルペダルの釈放でス
ロットル開度TVO(エンジン要求負荷)が急減される
と、制御はステップ33,34からステップ37,38
に進み、ステップ37でロックアップソレノイド駆動デ
ューティDを一気に0%にし、ステップ38で設定時間
中トルクコンバータの再ロックアップを禁止してD=0
%を保持する。ステップ37でロックアップソレノイド
駆動デューティDを一気に0%にすることにより、トル
クコンバータ3は直ちにコンバータ状態にされ、ロック
アップ容量も0になることから、以下の作用効果が達成
される。
【0039】つまり、上記制御された速度でロックアッ
プ容量を漸増させている最中のロックアップ進行過程
で、アクセルペダルを釈放すると、エンジン要求負荷
(エンジントルク)が急減して相対的にロックアップ容
量が過大となり、図10につき先に説明した通り本来な
ら、アクセルペダルを釈放直後にトルクコンバータが一
気にロックアップされて車体に不快なガクガク振動が発
生し、車両の運転性が損なわれるといった問題を生ず
る。しかし本実施の形態においては、制御された速度で
のロックアップ進行過程で、図8の瞬時t2 におけるよ
うにアクセルペダルの釈放によりエンジン要求負荷の急
減があった時、トルクコンバータ3のロックアップ容量
を一気に0にしてトルクコンバータ3を直ちにコンバー
タ状態にすることから、ロックアップ容量がエンジン要
求負荷に対して過大になることがなく、ロックアップ容
量の過大によりロックアップが一気に進行して車体に不
快なガクガク振動が発生し、車両の運転性が損なわれる
といった問題を、図8に示す瞬時t2 直後における変速
機出力トルクTo の時系列変化から明らかなように解消
することができる。
【0040】また、ステップ38で設定時間中トルクコ
ンバータの再ロックアップを禁止することから、当該設
定時間中にアクセルペダルの再踏み込みがあっても、こ
れに伴う再ロックアップが行われることはなく、制御の
ハンチングを防止することができる。
【0041】ところで通常は、図8の瞬時t2 における
アクセルペダルの釈放に呼応してエンジン1は燃料噴射
を中断(フューエルカット)されるのが普通であり、か
かるフューエルカット装置付きエンジンは、エンジン回
転数が設定値まで低下する時、エンジンストール防止の
ために燃料噴射を再開(フューエルリカバー)される。
従って、図8の瞬時t2 にフューエルカットが開始され
ることになるが、当該瞬時にエンジンはアクセルペダル
の釈放とも相俟って回転を急低下され、このエンジン回
転数の急低下に伴って例えば図8の瞬時t3 にフューエ
ルリカバーが行われる。この際、エンジン1はトルクコ
ンバータ3がコンバータ状態にされていることもあっ
て、一瞬エンジン回転数Ne の1点鎖線αで示す変化か
ら明らかなように空吹け気味となり、これが原因で、1
点鎖線βで示す変速機出力トルクTo の変化から明らか
なようにフューエルリカバーショックを生ずることがあ
る。
【0042】図6は、この問題をも解決することを狙っ
たロックアップ制御装置の他の実施の形態で、本実施の
形態においては、図3のステップ37に代わるステップ
41において、図9の瞬時t2 以後に見られるように、
ロックアップソレノイド駆動デューティDを一気に0に
せず、漸減させて徐々にロックアップ容量を低下させる
ことにより、ロックアップのスムーズ解除を行う。付言
すれば、図9のアクセルペダル釈放瞬時t2 において、
ロックアップソレノイド駆動デューティDを、アクセル
ペダルの釈放によっても一気にロックアップされること
のないところを狙って定めたデューティ設定値D2 にス
テップ的に低下させ、その後、ロックアップソレノイド
駆動デューティDを所定の時間勾配で設定値D3 まで徐
々に低下させ、この設定値D3 からは0まで一気に低下
させることにより、ロックアップ容量を対応する時系列
変化をもって漸減させる。
【0043】かくして本実施の形態においては、ロック
アップ容量がアクセルペダル釈放瞬時t2 に一気に0に
ならず、所定時間中トルクコンバータ3をスリップ状態
にしていることから、この間エンジンが車輪により逆駆
動されることとなり、アクセルペダルの釈放によっても
エンジン回転数Ne がフューエルリカバー回転数まで急
に大きく低下することがなく、従って燃料噴射が再開さ
れるのを防止することができて前記フューエルリカバー
ショックの問題も生じなくさせることができる。
【0044】ところで当該フューエルリカバーショック
の問題は、エンジン回転数Ne が比較的低い時にのみ発
生するものであり、この意味合いにおいて図7のロック
アップ制御形態が好ましい。この実施の形態において
は、ステップ51においてエンジン回転数Ne が、フュ
ーエルリカバーショックの問題を生ずる、例えば250
0rpm 未満であると判定する時にのみ、ステップ52
で、図6のステップ41におけると同様のスムーズロッ
クアップ解除制御を行い、ステップ51においてNe
2500rpm であると判定する時は、ステップ37にお
いて、図3におけると同様にロックアップソレノイド駆
動デューティDを一気に0にして即座にロックアップを
解除することにする。
【0045】これがため、フューエルリカバーショック
の問題を生じない高エンジン回転数域Ne ≧2500rp
m であるにもかかわらず、ステップ52における面倒な
デューティ制御が行われる弊害を回避することができ、
当該高エンジン回転数域ではステップ37において、ロ
ックアップ解除指令(D=0%)を発するだけの最も簡
単な制御で所期の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるロックアップ制御
装置を具えた無段変速機の制御システム図である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが実行する
変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図3】同コントローラが実行するロックアップ制御プ
ログラムのフローチャートである。
【図4】無段変速機の変速パターンを例示する線図であ
る。
【図5】無段変速機のロックアップ領域を例示する領域
線図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すロックアップ制
御プログラムのフローチャートである。
【図7】本発明の更に他の実施の形態を示すロックアッ
プ制御プログラムのフローチャートである。
【図8】図3のロックアップ制御による動作タイムチャ
ートである。
【図9】図6のロックアップ制御による動作タイムチャ
ートである。
【図10】従来装置によるロックアップ制御の動作タイ
ムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(原動機) 2 無段変速機(自動変速機) 3 トルクコンバータ 4 コントロールバルブ 5 ロックアップソレノイド 6 変速制御用ステップモータ 7 コントローラ 8 スロットル開度センサ 9 車速センサ 10 エンジン回転センサ 11 出力回転センサ 12 アイドルスイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御された速度で徐々に入出力要素間を
    ロックアップされるトルクコンバータを介し原動機の回
    転を入力される自動変速機において、 前記制御された速度でのロックアップ進行中に原動機の
    要求負荷が急減した時、前記ロックアップを解除するよ
    う構成したことを特徴とする自動変速機のロックアップ
    制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記要求負荷急減時
    のロックアップ解除を、ロックアップ容量が即座に0に
    なるような態様で行わせるよう構成したことを特徴とす
    る自動変速機のロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記要求負荷急減時
    のロックアップ解除を、ロックアップ容量が所定の時間
    勾配をもって徐々に0になるような態様で行わせるよう
    構成したことを特徴とする自動変速機のロックアップ制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記原動機の回転数
    が設定回転数以上の高回転域である場合、前記要求負荷
    急減時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が即座
    に0になるような態様で行わせ、原動機回転数が前記設
    定回転数未満の低回転域である場合、前記要求負荷急減
    時のロックアップ解除を、ロックアップ容量が所定の時
    間勾配をもって徐々に0になるような態様で行わせるよ
    う構成したことを特徴とする自動変速機のロックアップ
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記要求負荷急減時のロックアップ解除が開始され
    てから設定時間中は前記トルクコンバータの再ロックア
    ップを禁止するよう構成したことを特徴とする自動変速
    機のロックアップ制御装置。
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JP2009030775A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Fuji Heavy Ind Ltd 車両用制御装置
JP2010249290A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Jatco Ltd 自動変速機のロックアップ制御装置及びロックアップ制御方法
JP2012007738A (ja) * 2011-10-04 2012-01-12 Jatco Ltd 自動変速機の制御装置

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