JPH1136136A - 抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊維と製造方法及び構造物 - Google Patents

抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊維と製造方法及び構造物

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JPH1136136A
JPH1136136A JP9186298A JP18629897A JPH1136136A JP H1136136 A JPH1136136 A JP H1136136A JP 9186298 A JP9186298 A JP 9186298A JP 18629897 A JP18629897 A JP 18629897A JP H1136136 A JPH1136136 A JP H1136136A
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pva
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Akira Yamamoto
亮 山本
Yoichi Yamamoto
洋一 山本
Junichi Hikasa
純一 日笠
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い抗菌性能を長期的に奏し、かつ繊維性能
及び美観に優れた抗菌性PVA系繊維及びその効率的か
つ安価な製造方法を提供する。 【解決方法】 ハロゲン化銀を含有するポリビニルアル
コ−ル系繊維であって、銀含有量が0.001〜5重量
%であり、変色性3級以上、洗濯耐久性50%以上であ
ることを特徴とする抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性ポリビニルアル
コ−ル(PVA)系繊維およびその製造方法と、該繊維
を用いてなる構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PVA系繊維等の合成繊維に抗菌
性を付与する方法として、得られた繊維に後処理を施し
て抗菌剤を付与する方法があるが、徐放性及び耐久性に
優れている点から予め紡糸時に抗菌剤を練り込んで製造
する方法(練込法)が検討されている。抗菌剤として
は、銀ゼオライト、リン酸ジルコニウム銀担持体、脂肪
族アミノ酸系銀化合物等の無機系抗菌剤が広く使用され
ているが、かかる抗菌剤を練り込む方法では、繊維製造
工程中に銀イオンが脱落するため抗菌性に優れたPVA
系繊維を得ることは困難であった。
【0003】たとえば銀ゼオライトを用いた場合、PV
A凝固浴(Na2 SO4 水溶液等)のナトリウムイオン
が銀ゼオライトにおける銀イオンとイオン交換反応を行
い、その結果、銀イオンが流出して抗菌性能が低下して
しまう。また一般にPVA系繊維に耐熱水性を付与する
ためにアセタ−ル化が施されるが、使用薬剤として希硫
酸、アルカリを使用することから、銀イオンの溶解、錯
塩形成、銀担持化合物の分解などが生じ、その結果、銀
イオンが脱落する問題が生じる。以上のことから、本願
発明者等は紡糸過程における流出を抑制するために難溶
性銀塩、特に塩化銀を含有させることが好ましく、具体
的には易溶性銀塩と、銀イオンと反応して難溶性銀塩を
生成する化合物を紡糸原液に添加混合して紡糸すること
を見いだした(特開平6−341013号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる方法によれば抗
菌性に優れた繊維が得られるものの、塩化銀が直径10
-3μm程度以下の微細な塩化銀粒子となるため容易に脱
落して耐久性が不十分となる問題があった。しかしなが
ら、一般に市販されている粒子径20μm〜30μm程
度以上の塩化銀を用いると、濾過用フィルタ−等の詰ま
りを発生するため工業的に繊維を製造することは不可能
であり、また繊維性能も極めて低いものとなる。本発明
の目的は、高い抗菌性能を持続的に保持し得る抗菌性P
VA系繊維及びその製造方法と、該繊維からなる構造物
を効率的かつ安価に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化銀
を含有するポリビニルアルコ−ル系繊維であって、銀含
有量が0.001〜5重量%であり、変色性3級以上、
洗濯耐久性50%以上であることを特徴とする抗菌性ポ
リビニルアルコ−ル系繊維、および銀イオン濃度0.0
1〜10重量%の銀イオン溶液と、該銀イオン溶液の銀
イオン濃度の0.8〜1.5倍のハロゲンイオン濃度
(重量%)を有するハロゲン溶液を混合して得られたハ
ロゲン化銀をあらかじめ分散用ポリビニルアルコ−ル溶
液中に分散し、得られた該分散液とポリビニルアルコ−
ル溶液を混合し、得られる混合液を紡糸原液として用い
て紡糸する抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊維の製造方
法に関し、さらにハロゲン化合物を含有するポリビニル
アルコ−ル系繊維であって、銀含有量が0.001〜5
重量%であり、変色性3級以上、洗濯耐久性50%以上
である抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊維からなる構造
物に関する。
【0006】
【発明の具体的な形態】本発明は、ハロゲン化銀を含有
しかつ変色性の級数の大きい繊維は、本来の繊維性能
(機械的性能等)を損なうことなく優れた抗菌性能を発
揮し得ることを見いだしたものである。変色性3級以上
の繊維(好ましくは4級以上の繊維)は、ハロゲン化銀
粒子の表面積が大きい(銀イオン溶出しやすい)ために
抗菌性能が向上するとともに、微細なハロゲン化銀微粒
子が均一に分散しているため繊維性能(紡糸性の低下、
機械的性能の劣化等)が損なわれにくく諸性能に優れた
繊維となる。また抗菌性に優れているためハロゲン化銀
の配合量を大きく減じることができ、従って粒子を配合
することによる繊維への悪影響を一層抑制でき、抗菌
性、機械的性能、美観等の諸性能に優れた繊維が得られ
る。
【0007】一般にハロゲン化銀はそれ自身が光により
感光したり、金属銀、酸化銀への変化等が生じるため、
ハロゲン化銀を練り込んだ繊維は長期保管の結果、変色
が生じ、変色性の級値は低いものとなる。しかしなが
ら、微細なハロゲン化銀微粒子が均一に分散している場
合には、繊維全体として極僅かに着色しているように認
識されるため実質的に美観は損なわれず、変色性の級値
の高いものとなる。これを具体的に説明すると、1辺1
μmの立方体1個と1辺0.02μmの立方体105
をそれぞれ繊維に練り込む場合、かかる微粒子の総重量
は同じであるが、肉眼でみると微粒子の直径が大きけれ
ば繊維の一部が濃く着色して「斑」として認識されるた
め美観が損なわれるが、微細な微粒子が均一に分散して
いる場合にはかかる問題は生じない。このように微細な
ハロゲン化銀微粒子が均一に分散している繊維(変色性
の級値の高い繊維)は、先に述べたように優れた抗菌性
能及び繊維性能を呈することができる。
【0008】一方、変色性3級未満の繊維は、美観が損
なわれているのみでなく、粒子径の大きいハロゲン化銀
が配合されていたり、または繊維表面の一部にハロゲン
化粒子が偏在しているため、繊維の機械的性能が低くさ
らにハロゲン化銀粒子の表面積が小さいために銀イオン
の溶出による抗菌効果が得られにくく、本発明のような
効果が得られない。またハロゲン化銀の粒子径が小さす
ぎるとハロゲン化銀が容易に脱落し、結果的に時間の経
過に伴って変色が生じることとなる。
【0009】また本発明者等は、抗菌性能を長期的に保
持するためには、洗濯耐久性50%以上、好ましくは6
5%以上、さらに好ましくは70%以上を呈することが
必要であることを見いだした。一般に抗菌性能の評価法
として、シャイクフラスコ法や菌数測定法等が採用され
ているが、銀系抗菌剤の抗菌性能を評価するとシェイク
時に銀イオン濃度が10〜15ppb程度存在すればほ
とんどの菌は死滅する。しかしながら、特開平6−34
1013号公報に記載の方法を採用すると、得られる塩
化銀微粒子の粒子径が小さすぎるために抗菌剤が容易に
脱落する。従って、ハロゲン化銀微粒子の粒子径が小さ
すぎると容易に流出し、多量に抗菌剤を配合しなければ
抗菌性能を長期的に保持することが困難となる。以上の
ことから、PVA系繊維に配合して変色性3級以上、か
つ洗濯耐久性50%以上を示すハロゲン化銀を配合する
必要があり、かかるハロゲン化銀を用いることにより長
期的に高い抗菌性能を有し、かつ機械的性能及び美観に
優れたPVA系繊維が得られる。
【0010】配合するハロゲン化銀の好ましい平均粒子
径は0.01〜18μm、さらに好ましくは0.1〜1
5μm、特に好ましくは1〜10μmである。かかるハ
ロゲン化銀を用いた場合には、少量を配合するのみで高
い抗菌性能を長期的に呈することができ、しかも分散性
に優れかつ紡糸性、繊維性能に悪影響を実質的に与えな
いため諸性能に優れた繊維が得られる。なお、本発明に
いう塩化銀の平均粒子径とはレ−ザ−型粒子測定装置に
て測定される粒子径分布により求められる粒子の直径で
ある。本実施例により測定される100回洗濯後の滅菌
率が40%以上、特に70%以上のものがより好まし
い。
【0011】ハロゲン化銀の配合量は、銀配合量(金属
銀換算)0.001〜5重量%、好ましくは0.02〜
1重量%とするのが好ましい。本発明においてはわずか
な銀配合量で高い抗菌性能を長期的に得ることができ
る。配合量が少なすぎると抗菌性能が不十分となり、逆
に配合量をそれ以上高めても抗菌性能は実質的に高まら
ないため経済的でなく、繊維の機械的性能、変色性等の
点からも好ましくない。
【0012】本発明で使用できるハロゲン化銀の種類は
特に限定されないが、抗菌性能、取扱性、分散性等の点
から塩化銀を用いるのがより好ましい。十分な抗菌性能
を発揮するためには、10-6g/100g水程度の銀イ
オン濃度が必要であるが、塩化銀は25℃において10
-4g/100g程度の溶解度を有しており、十分な抗菌
性能が得られる。
【0013】本発明で用い得るハロゲン化銀は、特定の
粒子径を有するハロゲン化銀を用いる必要があり、好適
な方法としては銀イオン濃度0.01〜10重量%の銀
イオン溶液と、該銀イオン溶液の銀イオン濃度(重量
%)の0.8〜1.5倍のハロゲンイオン濃度(重量
%)を有するハロゲン溶液を混合して得られたハロゲン
化銀をあらかじめ分散用ポリビニルアルコ−ル溶液中に
分散し、得られた該分散液とポリビニルアルコ−ル溶液
を混合し、得られる混合液を紡糸原液として用いて紡糸
する方法が挙げられる。ハロゲンイオン濃度(重量%)
は銀イオン溶液の銀イオン濃度(重量%)の0.8〜
1.5倍、特に1〜1.1倍とするのが好ましい。ハロ
ゲンイオン濃度が高過ぎると生成した塩化銀と過剰のハ
ロゲンイオンが反応して易溶性の錯イオンを生成する可
能性があり、またハロゲンイオン濃度に対して銀イオン
濃度が高過ぎると余剰の銀イオンが多くなりコスト的に
効率的でない。
【0014】銀イオン溶液の銀イオン濃度及び/又はハ
ロゲン溶液のハロゲン濃度が高すぎると、銀イオンとハ
ロゲンイオンが瞬時に反応が進み、生成したハロゲン化
銀の第1次核の周囲の銀イオンとハロゲンイオンが順次
反応するため、得られるハロゲン化銀粒子の直径は大き
くなりすぎ、逆に銀イオン濃度及び/又はハロゲン濃度
が低すぎるとハロゲン化銀の粒子径が小さくなりすぎて
所望のハロゲン化銀が得られない。ハロゲンイオン溶液
としては、塩素イオン、特に塩化カリウム等の水溶液が
好ましく、銀イオン溶液としては硝酸銀等の水溶液が好
ましい。銀イオン溶液とハロゲン溶液は重量比で80:
20〜20:80、特に60:40〜40:60とする
のが、生成するハロゲン化銀の粒子径を調整する上で好
ましい。分散用ポリビニルアルコ−ル溶液に用いるPV
A系ポリマ−としては、ハロゲン化銀凝集抑制、分散安
定性等の点からケン化度75〜92モル%のPVAが好
ましく、平均重合度300〜3000程度のものが好ま
しい。PVA系ポリマ−のケン化度が高過ぎるとハロゲ
ン化銀の分散性が不十分になって所望の繊維が得られに
くい。
【0015】また分散用PVA水溶液中のPVA濃度が
大きすぎると銀イオンとPVAの水溶性錯塩が生成され
ることから、PVA濃度を15重量%以下とするのが好
ましく、またハロゲン化銀凝集抑制、分散安定性の点か
らPVA濃度0.5重量%以上とするのが好ましい。難
溶性の銀化合物は極めて凝集しやすい性質を有している
ため、紡糸原液へ銀化合物を均一に分散させることが困
難であるが、ハロゲン化銀をあらかじめ分散用PVA水
溶液に分散させ該分散液とPVA溶液を混合することに
よって、ハロゲン化銀が均一に分散した紡糸原液を得る
ことができる。分散用PVA溶液中のハロゲン化銀の配
合量は、溶液中のPVAに対して銀換算含有量0.00
1〜5重量%、特に1〜4重量%とするのが好ましい。
【0016】一般に、銀イオンを連続的に送ると同時に
ハロゲンイオンを供給してハロゲン化銀を製造するとハ
ロゲン化銀が凝集して粒子径が過大になってしまうこと
から、ホモジナイザ−のような強烈に撹拌できる装置を
設置し、該ホモジナイザ−により放出されたハロゲン化
銀微粒子分散水を連続的に送液量を調整しつつ系外に供
給してハロゲン化銀を製造する方法が採用されている
が、かかる方法の場合、大掛かりな装置が必要であるの
みでなく、撹拌条件、供給量等の諸条件を厳密にする必
要がある。しかしながら上記の方法によれば、所望の繊
維を容易かつ効率的に製造することができる。また分散
液としてPVA溶液を用いているため、紡糸工程性、繊
維性能に与える影響が小さく、優れた効果が得られる。
【0017】本発明に使用できる紡糸原液用PVA(分
散液用PVA以外のPVA)としては特に限定されない
がケン化度95モル%程度以上、平均重合度600〜4
000のものが好ましく、水溶液濃度は5〜40重量%
程度とするのが好ましい。また他の難燃性高分子物質、
着色用顔料、界面活性剤、分散性改善油剤等の各種安定
剤を配合してもかまわない。
【0018】分散用PVA溶液(A)とPVA溶液(紡
糸原液用PVA溶液:B)を混合して紡糸原液を製造す
るが、A/B(重量比)を1/10000〜1/10、
特に1/2000〜1/20程度とするのが好ましい。
紡糸原液中のPVA系ポリマ−の濃度は10〜30重量
%程度とするのが好ましい。
【0019】分散用PVA溶液及び紡糸原液用PVA溶
液としては、工程性等の点から水溶液を用いるのが好ま
しいが、場合によってはジメチルスルホキシド、アルコ
−ル等の水以外の溶媒を用いてもかまわない。かかる紡
糸原液を紡糸することによって所望の繊維が得られる
が、その紡糸方法は特に限定されず、湿式方法、乾湿式
方法、乾式方法を採用できる。なかでも湿式方法または
乾湿式方法を採用するのが好ましい。具体的には紡糸原
液を凝固浴中に吐出して脱水凝固を行った後、2〜3倍
のロ−ラ−延伸後、芒硝温浴中で1.5倍程度の湿熱延
伸後、乾燥する方法が挙げられる。凝固浴としては、芒
硝、食塩、炭酸ソ−ダなどのPVAに対して凝固能を有
する無機塩類の水溶液(飽和芒硝水溶液等)が好適に使
用できる。得られた繊維を220〜240℃程度の温度
で全延伸倍率5〜30倍になるように熱延伸を行えばよ
い。所望によりさらに220〜240℃程度の温度条件
下で0〜15%の熱収縮処理を施してもよい。繊維強度
の点からは0〜5%の熱収縮処理を施すのが好ましい。
耐熱水性を高めるためにさらにホルムアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、グリオキザ−ルなどのアルデヒド類によ
るアセタ−ル化処理を行っても良い。
【0020】本発明によれば高い抗菌性能を長時間呈
し、かつ諸性能に優れたPVA系繊維を効率的かつ低コ
ストで製造することができる。本発明の繊維はあらゆる
形態で使用することができ、カットファイバ−、フィラ
メントヤ−ン、紡績糸、原綿、織物、編物、不織布等の
構造物として使用できる。本発明の繊維及び構造物はあ
らゆる用途に使用できるが、たとえばナプキン、ワイパ
−、フィルタ−、衛生用品等として好適に使用できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を以て本発明を説明する。
【0022】[塩化銀平均粒子径 μm]紡糸原液添加
前のハロゲン化銀分散液を1cc採取して15倍に希釈
し、堀場遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−500
形を使用して粒度分布を測定し、平均粒子径を求めた。
【0023】[ハロゲン化銀含有割合 重量%]ハロゲ
ン化銀添加繊維またはそれに準じるもの(構造物)を炭
化し、これにフッ化水素と硝酸を処理して硝酸銀水溶液
とし、原子吸光度測定により硝酸銀の銀濃度を求め、P
VA重量に対する銀の重量割合で示した。 [変色性 級]サンシャインウエザ−メ−タ−20時間
照射前後の変色度合をグレイスケ−ルにて評価した。 [洗濯耐久性 %]JIS L 0217 103法
(家庭用電器洗濯機法)に準じて行い、(洗濯耐久試験
後の塩化銀重量)/(洗濯耐久試験前の塩化銀重量)×
100により、塩化銀の残存割合で評価した。
【0024】[抗菌性]試料としてPVA系繊維原綿及
びJIS L 0217 103法(家庭用電器洗濯機
法)に準じて100回洗濯を行ったPVA系繊維原綿を
使用し、繊維製品衛生加工協議会で定めたシェイクフラ
スコ法に準じて1時間シェイク後の菌数(菌種:大腸菌
IF03301)を測定し、未洗濯及び100回洗濯後
の抗菌性を評価した。なお抗菌性は、下記式から算出さ
れる菌減少率が70%以上のものを非常に高い(◎)、
40%以上70%未満のものを高い(○)、20%以上
40%未満のものを低い(△)、20%未満のものを極
めて低い(×)として評価した。 菌減少率={1−(シェイク後の1cc当たりの残存菌
数)/(シェイクの1cc当たりの菌数)}×100
【0025】[実施例1]1重量%の硝酸銀水溶液と1
重量%の塩化ナトリウム水溶液を等量混合して塩化銀分
散液を作成し、塩化銀微粒子のみを取り出した。次いで
該塩化銀微粒子とPVA(ケン化度80モル%、重合度
2000)を用いて、PVA3重量%、該PVAに対し
て3.5重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用
PVA水溶液を製造した。塩化銀の平均粒子径は0.0
5μmであった。該分散用PVA水溶液8重量部と、P
VA水溶液(PVAのケン化度99.9%、重合度17
00、PVA濃度18重量%)92重量部を混合・撹拌
してPVA濃度17重量%のPVA紡糸原液を調製し
た.なお紡糸原液中の塩化銀割合は、紡糸原液中のPV
Aに対して銀換算濃度0.05重量%である。えられた
紡糸原液をホ−ル数6000、孔径0.08mm、ノズ
ル径74mmのタンタル製のノズルを用いて飽和芒硝水
溶液からなる凝固浴に湿式紡糸し、得られた糸を湿熱延
伸(約4倍)、乾燥、乾熱延伸(破断延伸倍率の80
%:約2.5倍)し、全延伸倍率10倍となるように延
伸して1.5デニ−ルのPVA繊維を製造した。結果を
表1に示す。
【0026】[実施例2]10重量%の硝酸銀水溶液と
10重量%の塩化ナトリウム水溶液を等量混合して塩化
銀分散液を作成し、塩化銀微粒子のみを取り出した。次
いで該塩化銀微粒子とPVA(ケン化度80モル%、重
合度2000)を用いて、PVA10重量%、該PVA
に対して16重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分
散用PVA水溶液を製造した。塩化銀の平均粒子径は8
μmであった。該分散用PVA水溶液5.5重量部と、
PVA水溶液(PVAのケン化度99.9%、重合度1
700、PVA濃度18重量%)94.5重量部を混合
・撹拌してPVA濃度17重量%のPVA紡糸原液を調
製した.なお紡糸原液中の塩化銀割合は、紡糸原液中の
PVAに対して銀換算濃度0.5重量%である。えられ
た紡糸原液を実施例1と同様の方法で1.5デニ−ルの
PVA繊維を製造した。結果を表1に示す。
【0027】[実施例3]実施例1で得られた塩化銀微
粒子とPVA(ケン化度80モル%、重合度500)を
用いて、PVA3重量%、該PVAに対して3.5重量
%(銀換算濃度)の塩化銀を含有する分散用PVA水溶
液を製造した。塩化銀の平均粒子径は0.05μmであ
った。該分散用PVA水溶液8重量部と、PVA水溶液
(PVAのケン化度99.9%、重合度1700、PV
A濃度18重量%)92重量部を混合・撹拌してPVA
濃度17重量%のPVA紡糸原液を調製した.なお紡糸
原液中の塩化銀割合は、紡糸原液中のPVAに対して銀
換算濃度0.05重量%である。えられた紡糸原液を実
施例1と同様の方法で1.5デニ−ルのPVA繊維を製
造した。結果を表1に示す。
【0028】[実施例4]実施例2で得られた塩化銀微
粒子とPVA(ケン化度80モル%、重合度2000)
を用いて、PVA3重量%、該PVAに対して3.5重
量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用PVA水溶
液を製造した。塩化銀の平均粒子径は8μmであった。
該分散用PVA水溶液8重量部と、PVA水溶液(PV
Aのケン化度99.9%、重合度1700、PVA濃度
18重量%)92重量部を混合・撹拌してPVA濃度1
7重量%のPVA紡糸原液を調製した.なお紡糸原液中
の塩化銀割合は、紡糸原液中のPVAに対して銀換算濃
度0.05重量%である。えられた紡糸原液を実施例1
と同様の方法で1.5デニ−ルのPVA繊維を製造し
た。結果を表1に示す。
【0029】[実施例5]実施例1で得られた塩化銀微
粒子とPVA(ケン化度80モル%、重合度2000)
を用いて、PVA10重量%、該PVAに対して100
重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用PVA水
溶液を製造した。塩化銀の平均粒子径は0.05μmで
あった。該分散用PVA水溶液6重量部と、PVA水溶
液(PVAのケン化度99.9%、重合度1700、P
VA濃度20重量%)94重量部を混合・撹拌してPV
A濃度20重量%のPVA紡糸原液を調製した.なお紡
糸原液中の塩化銀割合は、紡糸原液中のPVAに対して
銀換算濃度3重量%である。えられた紡糸原液を実施例
1と同様の方法で1.5デニ−ルのPVA繊維を製造し
た。結果を表1に示す。
【0030】[比較例1]実施例1で得られた塩化銀微
粒子とPVA(ケン化度80モル%、重合度2000)
を用いて、PVA3重量%、該PVAに対して0.03
5重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用PVA
水溶液を製造した。塩化銀の平均粒子径は0.05μm
であった。該分散用PVA水溶液8重量部と、PVA水
溶液(PVAのケン化度99.9%、重合度1700、
PVA濃度18重量%)92重量部を混合・撹拌してP
VA濃度17重量%のPVA紡糸原液を調製した.なお
紡糸原液中の塩化銀割合は、紡糸原液中のPVAに対し
て銀換算濃度0.0005重量%である。えられた紡糸
原液を実施例1と同様の方法で1.5デニ−ルのPVA
繊維を製造した。結果を表1に示す。
【0031】[比較例2]実施例4で得られた塩化銀微
粒子とPVA(ケン化度80モル%、重合度2000)
を用いて、PVA10重量%、該PVAに対して117
重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用PVA水
溶液を製造した。塩化銀の平均粒子径は8μmであっ
た。該分散用PVA水溶液12重量部と、PVA水溶液
(PVAのケン化度99.9%、重合度1700、PV
A濃度20重量%)88重量部を混合・撹拌してPVA
濃度18.8重量%のPVA紡糸原液を調製した.なお
紡糸原液中の塩化銀割合は、紡糸原液中のPVAに対し
て銀換算濃度7重量%である。えられた紡糸原液を実施
例1と同様の方法で1.5デニ−ルのPVA繊維を製造
した。結果を表1に示す。
【0032】[比較例3]実施例1で得られた塩化銀微
粒子とPVA(ケン化度95モル%、重合度2000)
を用いて、PVA3重量%、該PVAに対して3.5重
量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用PVA水溶
液を製造した。塩化銀の平均粒子径は0.05μmであ
った。該分散用PVA水溶液を用いた以外は実施例1と
同様の行って、1.5デニ−ルのPVA繊維を製造した
が、分散性PVAのケン化度が高いために塩化銀の分散
性が低下し、変色性等の性能が劣化した。結果を表1に
示す。
【0033】[比較例4]0.1重量%の硝酸銀水溶液
と0.1重量%の塩化ナトリウム水溶液を混合して塩化
銀分散液を作成し、塩化銀微粒子のみを取り出した。次
いで該塩化銀微粒子とPVA(ケン化度95モル%、重
合度2000)を用いて、PVA3重量%、該PVAに
対して3.5重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分
散用PVA水溶液を製造した。塩化銀の平均粒子径は
0.001μmであった。該分散用PVA水溶液を用い
た以外は実施例1と同様の行って、1.5デニ−ルのP
VA繊維を製造した。しかしながら塩化銀の粒子径が小
さすぎるために容易に繊維から脱落し、変色性及び洗濯
耐久性の低いものとなった。結果を表1に示す。
【0034】[比較例5]25重量%の硝酸銀水溶液と
25重量%の塩化ナトリウム水溶液を混合して塩化銀分
散液を作成し、塩化銀微粒子のみを取り出した。次いで
該塩化銀微粒子とPVA(ケン化度95モル%、重合度
2000)を用いて、PVA3重量%、該PVAに対し
て3.5重量%相当の銀を含む塩化銀を含有する分散用
PVA水溶液を製造した。塩化銀の粒子径は肉眼でも確
認できる程度に増大していた。該分散用PVA水溶液を
用いた以外は実施例1と同様の行ったが、断糸が生じて
紡糸不能であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、高い抗菌性能を長期的
に奏し、かつ繊維性能及び美観に優れた抗菌性PVA系
繊維を効率的かつ安価に製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀を含有するポリビニルアル
    コ−ル系繊維であって、銀含有量が0.001〜5重量
    %であり、変色性3級以上、洗濯耐久性50%以上であ
    ることを特徴とする抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊
    維。
  2. 【請求項2】 銀イオン濃度0.01〜10重量%の銀
    イオン溶液と、該銀イオン溶液の銀イオン濃度の0.8
    〜1.5倍のハロゲンイオン濃度(重量%)を有するハ
    ロゲン溶液を混合して得られたハロゲン化銀をあらかじ
    め分散用ポリビニルアルコ−ル溶液中に分散し、得られ
    た該分散液とポリビニルアルコ−ル溶液を混合し、得ら
    れる混合液を紡糸原液として用いて紡糸する抗菌性ポリ
    ビニルアルコ−ル系繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化合物を含有するポリビニルア
    ルコ−ル系繊維であって、銀含有量が0.001〜5重
    量%であり、変色性3級以上、洗濯耐久性50%以上で
    ある抗菌性ポリビニルアルコ−ル系繊維からなる構造
    物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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