JPH10237716A - 抗菌・防かび性モノフィラメント - Google Patents
抗菌・防かび性モノフィラメントInfo
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- JPH10237716A JPH10237716A JP3624097A JP3624097A JPH10237716A JP H10237716 A JPH10237716 A JP H10237716A JP 3624097 A JP3624097 A JP 3624097A JP 3624097 A JP3624097 A JP 3624097A JP H10237716 A JPH10237716 A JP H10237716A
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Abstract
ない、優れた抗菌・防かび性モノフィラメントを提供す
る。 【解決手段】ポリオレフィン樹脂を主成分とし、抗菌性
ゼオライトと、チアゾリン系有機抗菌剤とを含有するポ
リオレフィン系樹脂からなるモノフィラメントである。
Description
優れた製品を形成することのできる抗菌・防かび性モノ
フィラメントに関するものである。
アのような微生物に対し優れた抵抗性を有する材料とし
て考えられてきたが、最近、熱可塑性樹脂成形品が微生
物によって被害を受けた事例がいくつか報告されてい
る。
て、熱可塑性樹脂に対し抗菌性または防かび性を付与す
る方法が各種提案されている。例えば、特公昭63−5
4013号公報には、熱可塑性樹脂中に抗菌性ゼオライ
トを添加する方法が開示されており、特開平6−212
019号公報には、熱可塑性樹脂中に抗菌性リン酸ジル
コニウムを添加する方法が開示されている。また、特開
平6−65011号公報には、Mg,Ca,Cu等の元
素を組み合わせた複合金属化合物を添加する方法が開示
されている。さらに、熱可塑性樹脂樹脂中にチアゾリン
系防かび剤を添加して防かび性を付与する方法も知られ
ている。
オライトと防かび剤とを併用することにより、抗菌・防
かび性樹脂成形品を得ることが提案され、実用化が検討
されている。しかしながら、これらを単に併用したので
は、作業中に防かび剤に由来する臭気が発生したり、樹
脂成形品の物性や表面特性が悪くなる等の問題があり、
好ましいものを得ることが容易でない。特に、空気調整
用のエアフィルタや各種ろ過フィルタ、漁網や包装用紐
といった産業資材として用いられる熱可塑性樹脂モノフ
ィラメントを得る場合、紡糸操業性や耐光性等の点にお
いても問題が多く、実用化が困難となっている。
もので、紡糸操業性や耐光性に優れ、物性的にも問題の
ない、優れた抗菌・防かび性モノフィラメントの提供を
その目的とする。
め、本発明の抗菌・防かび性モノフィラメントは、ポリ
オレフィン樹脂を主成分とし、抗菌性ゼオライトと、チ
アゾリン系有機抗菌剤とを含有するポリオレフィン系樹
脂からなるという構成をとる。
いて説明する。
メントに用いられるポリオレフィン系樹脂は、ポリオレ
フィン樹脂を主成分とするもので、ポリオレフィン樹脂
のみを用いても、ポリオレフィン樹脂と他の樹脂とを併
用してもよい。ただし、モノフィラメントとして紡糸で
きるものでなければならない。上記ポリオレフィン樹脂
としては、例えば低密度ポリエチレン,高密度ポリエチ
レン,ポリプロピレン,ポリ1−ブテン,ポリ4−メチ
ル−1−ペンテンや、エチレン,プロピレン,1−ブテ
ン,4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士
のランダムあるいはブロック共重合体等があげられる。
なかでも、ポリエチレン,ポリプロピレンが好適であ
る。
せて用いることのできる樹脂としては、例えばポリ塩化
ビニル(PVC)樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)樹脂等があげられる。ただし、その配合割合
は、上記ポリオレフィン樹脂100重量部(以下「部」
と略す)に対し10部以下に設定することが好適であ
る。
イトは、殺菌作用を有する金属イオンが保持されたゼオ
ライトである。
ン,亜鉛イオン,銅イオン,ニッケルイオン,コバルト
イオン等があげられ、単独もしくは2種以上併用して用
いられる。なかでも、銀イオン,銅イオン,亜鉛イオン
が好適である。
ゼオライトとは、一般に、三次元的な骨格構造で構成さ
れたアルミノシリケートであり、通常、下記の式で表さ
れる。
属イオンを表し、通常、1価または2価の金属である。
nはこの金属の原子価である。また、x,yはそれぞれ
金属酸化物とシリカの係数で、酸化アルミニウム1モル
に対する割合である。zは結晶水の数であり、酸化アル
ミニウム1モルに対する割合を表している。
ている1価または2価の金属およびその酸化物の組成
比、細孔径、比表面積等の相違により多くの変態が知ら
れているが、本発明で用いられるゼオライトは、結晶水
を除いた無水ゼオライト分の重量を基準にして、比表面
積が150m2 /g以上であり、酸化アルミニウムに対
する酸化珪素のモル比(SiO2 /Al2 O3 )が14
以下のものが好適である。
たは合成品のいずれも使用可能である。例えば、天然の
ゼオライトとしては、アナルシン,チャバサイト,クリ
ノブチロライト,エリオナイト,フォジャサイト,モル
デナイト,フィリップサイト等が好適であり、合成ゼオ
ライトとしては、A−型ゼオライト,X−型ゼオライ
ト,Y−型ゼオライト、合成モルデナイト等が好適であ
る。特に好ましいのは、合成ゼオライトであるA−型ゼ
オライト,X−型ゼオライト,Y−型ゼオライト,さら
に合成または天然モルデナイトである。
ましく、その粒子径は、平均粒径が50μm以下、特に
0.5〜20μmに設定することが好適である。すなわ
ち、平均粒径が50μmを超えると、樹脂添加時に分散
不良となったり、紡糸時に糸切れしやすくなるからであ
る。
イオンを保持させる方法としては、例えばイオン交換に
より行う方法等、特開昭59−133235号公報に記
載されているような従来公知の方法を採用することがで
きる。ただし、イオン交換によってゼオライトに保持さ
せる抗菌性金属イオンの割合は、結晶水を除いた無水ゼ
オライトに換算して、ゼオライトの全重量に対し35重
量%(以下「%」と略す)以下に設定することが好適で
ある。例えば、銀イオンを保持させる場合の割合は、3
0%以下、なかでも0.5〜5%に設定することが特に
好適である。また、銅イオンまたは亜鉛イオンを用いる
場合の割合は、それぞれ35%以下、なかでも5〜15
%に設定することが好適である。さらに、複数の抗菌性
金属イオンを組み合わせて用いる場合には、組み合わせ
る抗菌性金属イオンの合計割合が35%以下に設定する
ことが好適である。
機抗菌剤としては、2−n−オクチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン(以下「OIT」と略す)、2−(4′
−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(以下「TBZ」
と略す)があげられるが、熱安定性、防かび性の効果等
から、特にOITが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂にそのまま添加して溶融混合
すると、臭気が発生するため、担持体に担持させた状態
で用いることが好適である。
する吸水性無機物質が好適であり、これらの例として、
ゼオライト(天然,合成のいずれであってもよい),ア
ルミノシリケート,酸性白土,活性アルミナ,珪藻土,
ヒドロキシアパタイト,ハイドロタルサイト(天然,合
成のいずれであってもよい),ベントナイト,活性炭等
があげられる。これらは単独で用いても2種以上を併用
してもよい。なかでも比表面積が10〜20m2 /g以
上、好ましくは50m2 /g以上の、吸着性に優れた粒
子が好ましい。そして、ゼオライトを用いる場合は、前
記抗菌性ゼオライトを用いてもよいし、抗菌性を付与し
ない、すなわち抗菌性金属イオンを保持させていない、
通常のゼオライトを用いてもよい。
mに設定することが好ましく、特に0.5〜5μmが好
適である。すなわち、平均粒径が0.1μm未満では、
チアゾリン系有機抗菌剤を充分に担持することができに
くく、逆に20μmを超えると、モノフィラメントを紡
出する際の操業性が低下するからである。
持させる方法としては、例えば、上記担持体を水性溶液
または水性酸液で洗浄したのち水分を乾燥除去し、この
担持体と液体状のチアゾリン系有機抗菌剤とを接触さ
せ、担持体内にチアゾリン系有機抗菌剤を吸尽させる方
法が好適である。
を含有するものが用いられ、水性酸液としては、酸を含
有する水性液が用いられる。
ては、公知のどのようなものであっても差し支えはな
い。例えば、カルボン酸塩,スルフォン酸塩,硫酸エス
テル塩,リン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、
四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、カルボ
ン酸エステル,カルボン酸アミド等の非イオン性界面活
性剤およびイミダゾリニウム誘導体等の両性界面活性剤
があげられる。これらは単独で用いても2種以上を併用
してもよい。また、エタノール,アセトン等の有機溶媒
を併用することもできる。また、つぎに述べる酸と併用
することもできる。さらに、必要に応じて、脱硫化剤,
脱ハロゲン化剤等を併用することもできる。過酸化水素
水等の酸化剤の併用も可能である。
種の無機酸,有機酸があげられる。例えば、塩酸,硫
酸,硝酸,リン酸,ホウ酸等の無機酸や、蟻酸,酢酸,
シュウ酸,酒石酸,乳酸,アジピン酸等の有機酸であ
る。これらの酸は単独で用いても併用してもよく、また
無機酸と有機酸とを混合使用してもよい。なかでも、弱
酸、例えば酢酸,蟻酸,酒石酸,乳酸,アジピン酸,ホ
ウ酸等が好適である。また、強酸であっても、水で充分
に希釈した希酸として用いれば好適である。すなわち、
強酸に比べて弱酸は担持体に対し緩慢に作用するので洗
浄処理時に不都合となる危険性がより小さく、それゆえ
担持体の骨格を損なうこともなく、不必要な成分除去を
行うことがない。したがって、担持体の本質的な変質を
より緩和した条件で、効果的な洗浄を行うことができ
る。
を併用してもよい。また、緩衝剤を添加することもでき
る。緩衝剤の使用により、pH調節が容易となり、液の
pH変動も小さくなるため、担持体への影響をより小さ
くすることができる。特に、担持体として合成ゼオライ
トを用いる場合、上記緩衝剤を併用することが有利であ
る。すなわち、合成ゼオライトは不純物として多量のア
ルカリ成分を含んでいるため、洗浄時に充分な量の酸を
使用することが望ましいが、酸濃度が高くなり液のpH
が低下すると合成ゼオライトの骨格侵食が生じやすい。
しかし緩衝剤を添加しておくと、液pHが低下すること
がないため、酸による骨格侵食を防止することができ
る。
の試薬であって、例えば酢酸と酢酸ナトリウム,酢酸カ
リウムもしくは酢酸アンモニウム、酒石酸と酒石酸ナト
リウム,酒石酸カリウムもしくは酒石酸アンモニウム、
リン酸とリン酸ナトリウム,リン酸カリウムもしくはリ
ン酸アンモニウム等の組み合わせがあげられるが、これ
ら以外にも、強酸と弱塩基の塩との組み合わせ(例えば
塩酸と酢酸ナトリウムとの組み合わせ)や、強酸と強酸
の塩との組み合わせ(例えば塩酸と塩化ナトリウムとの
組み合わせ)等があげられる。なかでも、弱酸とその塩
との組み合わせを緩衝剤として使用することが好適であ
る。ただし、緩衝剤の種類は、これらに限るものではな
く、公知の各種緩衝剤を用いることができる。
持体の洗浄は、担持体の種類に応じて適宜の条件で行わ
れる。そして、洗浄操作の回数も、1回行えば充分な場
合と、洗液を取り替えて複数回行う場合がある。なお、
洗浄操作を複数回行う場合、各回ごとの洗浄液の種類は
同一にする必要はない。ただし、少なくともそのうちの
1回に、上記水性溶液もしくは水性酸液を用いることが
好ましい。さらに、脱塩素化剤,脱硫化剤等を使用した
場合や、洗液に含有させた化合物と、担持体に保持させ
るチアゾリン系有機抗菌剤とが反応して付着物を生じる
おそれがある場合等には、洗浄処理の最終工程として、
水洗・湯洗を行うことが好ましい。
は、例えば洗浄当初のpHが約3以上8未満、特に約4
〜7となるように洗液を調整し、固液比1:1〜1:1
00、より好ましくは1:2〜1:20、特に1:3〜
1:10程度の割合で、10分間〜24時間、好ましく
は30分間〜5時間程度攪拌して洗浄することが好適で
ある。そして、洗液のpHは、洗浄処理の終了時まで上
記範囲内、特にpH4〜5に保たれることが好ましい。
また、必要に応じて加熱してもよい。
燥処理も、担持体の種類やこれに担持させるチアゾリン
系有機抗菌剤の種類や量に応じて適宜の条件が設定され
る。なかでも、洗浄処理された担持体を、105℃以
上、より好ましくは120℃以上、特に好ましくは20
0〜550℃で1〜24時間通風乾燥する方法が好適で
ある。あるいは減圧乾燥してもよい。また、この際、乾
燥空気や乾燥窒素ガス等を通じてもよい。すなわち、乾
燥温度が105℃未満では、担持体の粒子表面に存在す
る付着水を100%除去することはできても、粒子内部
に存在する吸着水や予め包含された結晶水を除去するこ
とが不充分となるからである。
の、本来結晶水が保持されていた空隙から水が除去さ
れ、空隙率が上がる。この状態で、担持体を前記チアゾ
リン系有機抗菌剤と接触させると、チアゾリン系有機抗
菌剤が一挙に吸尽され、その吸着担持が、円滑に進行す
る。
ち、105℃以下の温度で液体状態を示すものはそのま
ま担持体に吸尽させることができるが、105℃以下の
温度で非液体状態を示すものは、非水系の低沸点溶媒に
溶解させることにより液体状態にしてから吸尽させる。
ただし、その使用は最小限度に止めることが好ましい。
すなわち、熱可塑性樹脂に低沸点溶媒を添加すると、成
形加工の不具合や、機械的物性の低下を生じるおそれが
あるからである。
ン系有機抗菌剤の種類に応じて適宜選択されるが、なか
でもメタノール,エタノール,プロパノール等のアルコ
ール系溶媒を用いることが好ましい。そして、2種類以
上の、溶媒によって溶解度の異なるチアゾリン系有機抗
菌剤を用いる場合には、2種以上の非水系低沸点溶媒を
任意の割合で混合使用しても差し支えはない。
いは上記非水系低沸点溶媒に溶解した状態で、前記担持
体と接触させ吸尽させる方法としては、特に限定するも
のではないが、例えばチアゾリン系有機抗菌剤液を、ス
プレー,シャワー等によって担持体に散布する方法や、
マット状に広げた担持体に、チアゾリン系有機抗菌剤液
を吸収保持させた吸収体(スポンジ,繊維等)を接触さ
せる方法、チアゾリン系有機抗菌剤を吸収保持させた吸
収体で担持体を包接する方法、担持体をカラムに詰めて
そこにチアゾリン系有機抗菌剤液を通す方法等が好適で
ある。そして、上記吸収体を用いる方法を採用する場合
は、回分操作の他に、ローラー状やベルト状の吸収体を
用いて、ベルトコンベア上で連続操作を行うことがで
き、処理効率がよい。
せた担持体は、そのままの状態で15秒〜2時間、特に
20秒〜1時間放置しておくことが好ましい。すなわ
ち、上記放置によって、担持体表面に付着する低沸点溶
媒を揮発させることができるからである。
担持体に対し、必要な場合(溶媒除去等の必要がある場
合)には、引き続き、乾燥処理を行うことが好ましい。
上記乾燥処理の条件は、常温,常圧から常圧高温(20
0℃程度まで)、あるいは減圧常温から減圧高温(20
0℃程度まで)の範囲で適宜に設定される。なかでも常
圧下で50℃〜200℃の温度範囲で乾燥処理すること
が好適である。
吸尽量は、担持体100部に対し、5〜50部、好まし
くは3〜35部の範囲に設定することが望ましい。すな
わち、吸尽量が5部未満の場合には、必要な防かび性を
与えるために担持体を配合する割合が多くなり、そのた
めに得られるモノフィラメントの物性が損なわれるおそ
れがあるからである。逆に、吸尽量が50部を超える場
合には、前記ポリオレフィン樹脂等と混合し加熱溶融す
る際に、臭気が多く発生して作業環境上問題となるおそ
れがあるからである。
は、上記チアゾリン系有機抗菌剤が担持された担持体
と、前記ポリオレフィン系樹脂と、抗菌性ゼオライトと
を用い、例えばつぎのようにして得ることができる。す
なわち、まず、ポリオレフィン系樹脂の原料となる樹脂
チップと、上記チアゾリン系有機抗菌剤が担持された担
持体と、抗菌性ゼオライトと、必要に応じて適宜の添加
剤(酸化安定剤,紫外線安定剤等)とを混合する。そし
て、これを押出機で混練し溶融して紡糸成形することに
より、目的とするモノフィラメントを得ることができ
る。
オライトに担持させた場合は、ポリオレフィン系樹脂の
樹脂チップと、上記チアゾリン系有機抗菌剤担持抗菌性
ゼオライトを混合し、上記と同様にして、目的とするモ
ノフィラメントを得ることができる。
トの配合割合は、ポリオレフィン系樹脂100部に対し
0.3〜2.0部に設定することが好適である。すなわ
ち、0.3部未満では抗菌性の効果が低く、逆に2.0
部を超えるとモノフィラメントを紡糸する際の操業性や
得られるモノフィラメントの物性が悪くなる傾向がみら
れるからである。
は、担持体の重量を別にして、ポリオレフィン系樹脂1
00部に対し0.01〜4.0部に設定することが好適
である。すなわち、0.01部未満では防かび性の効果
が低く、逆に4.0部を超えるとモノフィラメントを紡
糸する際の操業性や得られるモノフィラメントの物性が
悪くなる傾向がみられるからである。
ラメントは、通常、断面形状が円形であるが、目的に応
じて、その断面を偏平にしたり、三角形,長方形,中空
その他いろいろな形状にすることができる。また、通常
は紡糸後に延伸される。
ラメントは、通常、50〜3000デニールの太さに設
定することが好適である。すなわち、50デニールより
も細いと、紡糸時に糸切れが多発して生産操業性が低下
するおそれがあり、逆に3000デニールよりも太い
と、フィルタ等の用途に用いる際、製織しにくいからで
ある。
は、その内部に抗菌性ゼオライトと、防かび性のチアゾ
リン系有機抗菌剤とを含有するものであるため、抗菌性
および防かび性に優れている。しかも、その抗菌性成分
と防かび性成分が、ともにそのままモノフィラメント表
面に塗布したり練り込んだりしただけのものではなく、
ゼオライト等の担持体に保持されているため、その効果
が長期にわたって持続し、良好な抗菌性,防かび性を維
持することができる。しかも、これらの物質の配合によ
っても、モノフィラメントとしての物性が阻害されてお
らず、抗菌・防かびの必要な各種分野に利用することが
できる。そして、本発明の抗菌・防かび性モノフィラメ
ントを紡糸する際、糸切れ等が生じず、円滑に紡糸する
ことができる。したがって、上記抗菌・防かび性モノフ
ィラメントは、抗菌・防かび性が要求される、空調用フ
ィルタや抗菌性布帛等に用いるのに最適である。
併せて説明する。
0.01mm)に、特開昭59−133235号公報に
記載されている方法で、銀イオンを保持させることによ
り、抗菌性ゼオライトaを得た。銀イオンの保持量は、
ゼオライト100部に対し10部である。
mm)1kgを、2N−酢酸2.0リットル中に酢酸ナ
トリウム300gを溶解してなる酸緩衝水性溶液中に分
散させ、攪拌しながら5時間浸漬したのち、ブッフナー
ろ過装置でろ過した(濾液のpHは5.5)。ついで、
装置上部から20リットルのイオン交換水を少量ずつ添
加して充分水洗したのち、120℃×16時間乾燥し粉
砕機にかけて適度に粉砕して担持体とした。この担持体
を攪拌しながら、OITを少量ずつ添加することによ
り、OITを吸着担持したゼオライトを得た。
ゼオライトと、ポリプロピレン樹脂を用い、後記の表
1,表2に示す組成のモノフィラメント紡糸用の原料組
成物を調製した。そして、公知の溶融紡糸法により、紡
糸し延伸することにより300デニールの抗菌・防かび
性モノフィラメントを得た。そして、これを用い、はち
の巣織り(経糸の打ち込み本数=44本/1インチ、緯
糸の打ち込み本数=38本/1インチ)によって網状の
空調装置用のフィルタを作製した。このフィルタの網か
ら、直径20mmの円を切り抜き、試料片とした。
その抗菌性,防かび性,耐光性,引っ張り強度を評価し
た。また、モノフィラメントを紡糸する際の操業性につ
いても評価した。これらの結果を後記の表1,表2に併
せて示す。
クテリアの菌数減少の程度を測定し、下記のとおり評価
した。 99.9%以上減少 ……◎ 90.0以上99.9%未満……○ 90.0%未満 ……△ 減少せず ……×
出現の有無を観察し、下記のとおり評価した。 生育阻止帯の発生有 ……○ 生育阻止帯の発生無 ……×
ン ウエザーメーターW.O.M、スガ試験機社製)を
用い、照射時63℃、湿潤時40℃の条件で試験した。
そして、試験前後における試料の色を目視によって観察
し、下記のとおり評価した。 明らかな変色有 ……++ わずかに変色有 ……+ 殆ど変色無 ……± 変色無 ……−
学繊維フィラメント糸試験方法に基づき、糸の引っ張り
強度を測定した。 6.0g/dを超え7.0g/d以下……A 4.0g/dを超え6.0g/d以下……B 4.0g/d以下 ……C
ノフィラメントを紡糸する際の操業性について、下記の
とおり評価した。 糸切れ等のトラブルによる装置の停止皆無 ……A 装置停止1〜 8回/100時間 ……B 装置停止9〜20回/100時間 ……C
する抗菌性ゼオライトの配合割合が少なすぎると、抗菌
性がやや劣るようになり、逆に抗菌性ゼオライトの配合
割合が多くなると、耐光性および引っ張り強度がやや劣
るようになることがわかる。また、OITの配合割合が
少なすぎると、防かび性が得られにくく、逆にOITの
配合割合が多すぎると、引っ張り強度が劣り、また紡糸
性も低下することがわかる。
樹脂の種類を変えた。それ以外は前記実施例1と同様に
して抗菌・防かび性モノフィラメントを得た。これらに
ついても、前記実施例1〜10と同様にして抗菌性等を
評価した。その結果を下記の表3に併せて示す。
性の点において、ポリプロピレン樹脂または高密度ポリ
エチレンを用いることが好適であることがわかる。
用いる抗菌性ゼオライトの種類を変えた。それ以外は前
記実施例1と同様にして抗菌・防かび性モノフィラメン
トを得た。これらについても、前記実施例1〜10と同
様にして抗菌性等を評価した。その結果を下記の表4,
表5に併せて示す。
は、適宜に選択しうることがわかる。ただし、その平均
粒径や金属イオンの割合によっては、得られるモノフィ
ラメントの耐光性,引っ張り強度、あるいは紡糸性が損
なわれることがわかる。
チアゾリン系有機抗菌剤担持体の種類を変えた。それ以
外は前記実施例1と同様にして抗菌・防かび性モノフィ
ラメントを得た。これらについても、前記実施例1〜1
0と同様にして抗菌性等を評価した。その結果を下記の
表6に併せて示す。
て、担持体の種類や平均粒径は、適宜に選択しうること
がわかる。
ィラメントの太さを変えた。それ以外は前記実施例1と
同様にして抗菌・防かび性モノフィラメントを得た。こ
れらについても、前記実施例1〜10と同様にして抗菌
性等を評価した。その結果を下記の表7に併せて示す。
は、50〜3000デニールの範囲内でどのように設定
しても、特性が損なわれることはないことがわかる。
用いた。それ以外は前記実施例1と同様にしてモノフィ
ラメントを得た。これらについても、前記実施例1〜1
0と同様にして抗菌性等を評価した。その結果を下記の
表8に併せて示す。
れも抗菌性および防かび性のいずれか一方の特性しか備
えておらず、両特性が同時に要求されるような用途に用
いることができないことがわかる。
モノフィラメントは、その内部に、抗菌性ゼオライト
と、防かび性のチアゾリン系有機抗菌剤とが含有されて
おり、抗菌性成分と防かび性成分とが、ともにゼオライ
ト等の担持体に保持された状態で含有されているため、
その効果が長期にわたって持続し、良好な抗菌性,防か
び性を維持することができる。しかも、これらの物質の
配合によっても、モノフィラメントとしての物性が阻害
されておらず、抗菌・防かびの必要な各種分野に利用す
ることができる。そして、本発明の抗菌・防かび性モノ
フィラメントは、紡糸する際、糸切れ等が生じず、円滑
に紡糸することができる。したがって、上記抗菌・防か
び性モノフィラメントは、抗菌・防かび性が要求され
る、空調用フィルタや抗菌性布帛等に用いるのに最適で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂を主成分とし、抗菌
性ゼオライトと、チアゾリン系有機抗菌剤とを含有する
ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする抗菌・
防かび性モノフィラメント。 - 【請求項2】 樹脂成分100重量部に対し、抗菌性ゼ
オライトが0.3〜2.0重量部、チアゾリン系有機抗
菌剤が0.01〜4.0重量部含有されている請求項1
記載の抗菌・防かび性モノフィラメント。 - 【請求項3】 抗菌性ゼオライトの平均粒径が0.1〜
10μmに設定され、モノフィラメントの太さが50〜
3000デニールに設定されている請求項1または2記
載の抗菌・防かび性モノフィラメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03624097A JP3778226B2 (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | 抗菌・防かび性モノフィラメント及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03624097A JP3778226B2 (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | 抗菌・防かび性モノフィラメント及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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