JPH1135822A - 結晶性樹脂組成物 - Google Patents

結晶性樹脂組成物

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JPH1135822A
JPH1135822A JP19235397A JP19235397A JPH1135822A JP H1135822 A JPH1135822 A JP H1135822A JP 19235397 A JP19235397 A JP 19235397A JP 19235397 A JP19235397 A JP 19235397A JP H1135822 A JPH1135822 A JP H1135822A
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育紀 吉田
Kayako Yanagihara
香弥子 柳原
Masaji Yoshimura
正司 吉村
Tomohito Koba
友人 木場
Hideaki Oikawa
英明 及川
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 3、3’、4、4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸と1、3−(ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼンからなるポリイミド反復単位を主成分とするポ
リイミド樹脂100重量部に対して、ポリイミド樹脂A
URUM(登録商標)10重量部以上100重量部未満
の範囲からなる樹脂組成物を用いる。 【効果】 荷重たわみ温度と引張強度のバランスが改良
された樹脂組成物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械特性、疲労特
性、耐熱性に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、
ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルイミド等の高耐熱性樹脂は耐熱性、機械特性、耐
薬品性などの点で汎用エンジニアリングプラスチックよ
り大幅に優れていることにより、スーパーエンジニアリ
ングプラスチックと称されており、電気・電子機器、機
械・自動車用部品、航空・宇宙用部品等の用途に使用さ
れている。これらのなかでもポリイミド樹脂は、耐熱
性、耐薬品性等の特性が最も高く、非常に優れた樹脂と
して位置付けられている。
【0003】これまで多くのポリイミド樹脂が開発され
てきたが、ポリイミド樹脂でも使用目的によってはこれ
らの特性が不十分な場合があり、耐熱性に優れていても
成形加工性が悪く、溶融成形が困難であるとか、成形加
工性に優れていても結晶化速度が遅いために射出成形の
金型内で結晶化ができず、ポリイミド樹脂本来の耐熱性
を十分に発揮できないとか、結晶化速度が速くてもガラ
ス転移温度が低いため、弾性率の低下が低い温度から開
始するとかの問題点が有り、いずれのポリイミド樹脂に
も一長一短があった。
【0004】特開昭63−172735号公報には結晶
化速度の非常に速いポリイミド樹脂が記載されている
が、該ポリイミド樹脂は結晶化速度が非常に速いが、ガ
ラス転移温度が200℃付近と低く、単体では該温度を
超えた温度範囲では弾性率が低下し、荷重たわみ温度が
低い等、ポリイミド樹脂特有の優れた耐熱性を十分に発
揮できない場合があり、まだ十分なものとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、荷重
たわみ温度が上昇し、荷重たわみ温度と引張強度のバラ
ンスが改良された、機械特性、耐熱性、耐薬品性等に優
れた樹脂組成物およびその成形物を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を達成するため鋭意検討した結果、所望の性能を有す
る新規な樹脂組成物を見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、 (1) 下記式(A)(化3)のくり返し構造単位を有
し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gで
ある結晶性ポリイミド樹脂A
【0007】
【化3】 100重量部に対し、下記式(B)(化4)のくり返し
構造単位を有し、対数粘度(ηinh)で0.1〜3.
0dl/gである結晶性ポリイミド樹脂B
【0008】
【化4】 10重量部以上100重量部未満を含有することを特徴
とする結晶性樹脂組成物。 (2)請求項1の樹脂組成物100重量部に対し、繊維
状補強材5〜100重量部を含む結晶性樹脂組成物であ
る。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の結晶性樹脂組成物に用いら
れる結晶性ポリイミド樹脂Aは前記式(A)で表され
る。
【0010】該ポリイミド樹脂は結晶化速度が非常に速
いが、ガラス転移温度が200℃付近と低く、単体では
ポリイミド樹脂特有の優れた耐熱性を十分に発揮できな
い場合がある。該ポリイミド樹脂は下記式(C)(化
5)で表されるジアミン
【0011】
【化5】 と下記式(D) (化6)で表されるテトラカルボン酸
二無水物
【0012】
【化6】 とを脱水共縮合して得られる。
【0013】該ポリイミド樹脂の分子量は対数粘度(η
inh)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ま
しくは0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは
0.3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4
〜1.0dl/gの範囲である。0.1l/g未満では
分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮できな
い。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出成
形等の溶融成形が困難になる。なお、本発明における対
数粘度(ηinh)は、p−クロロフェノール/フェノ
ール(重量比9/1)混合溶媒100mlにポリイミド
粉0.50gを加熱溶解した後、35℃において測定し
た値である。
【0014】結晶性ポリイミド樹脂Aの製造方法は、公
知のイミド化反応を適用できる。
【0015】原料化合物の使用量は、通常ジアミン1当
量に対してテトラカルボン酸二無水物を0.90当量〜
0.99当量の範囲である。好ましくは0.93〜0.
985、より好ましくは0.95〜0.98の範囲であ
る。0.90当量未満では分子量が十分に高くないた
め、得られるポリマーの機械物性が十分でない場合があ
る。0.99を超えると分子量が高くなりすぎて流動性
が損なわれるという問題が生じる。
【0016】該ポリイミド樹脂の合成においては、分子
の反応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。
反応末端を封止することによって、熱安定性が格段に向
上する。反応は、有機溶媒中で行うのが特に好ましい。
ここで使用できる溶媒としては、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジ
メトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル
カプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2
−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メト
キシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエト
キシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p
−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独でも
2種類以上混合して用いても良い。
【0017】反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好
ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は
特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶
媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24
時間である。更にイミド化の方法としては、前駆体であ
るポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化
するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イ
ミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られ
る。
【0018】本発明の結晶性樹脂組成物に用いられる結
晶性ポリイミド樹脂Bは前記式(B)のくり返し構造単
位を有するポリイミド樹脂であり、AURUM(登録商
標、三井東圧化学社製、ガラス転移温度250℃、融点
388℃)が挙げられる。該ポリイミドは上記の市販品
を用いてもよいが、下記の方法で合成することもでき、
下記式(E)(化7)で表されるジアミン
【0019】
【化7】 と下記式(F) (化8)で表されるテトラカルボン酸
二無水物
【0020】
【化8】 とを脱水共縮合して得られる。
【0021】該ポリイミド樹脂の分子量は対数粘度(η
inh)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ま
しくは0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは
0.3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4
〜1.0dl/gの範囲である。0.1dl/g未満で
は分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮でき
ない。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出
成形等の溶融成形が困難になる。
【0022】結晶性ポリイミド樹脂Bの製造方法は、公
知のイミド化反応を適用できる。原料化合物の使用量
は、通常ジアミン1当量に対してテトラカルボン酸二無
水物を0.90当量〜0.99当量の範囲である。好ま
しくは0.93〜0.985、より好ましくは0.95
〜0.98の範囲である。0.90当量未満では分子量
が十分に高くないため、得られるポリマーの機械物性が
十分でない場合がある。0.99を超えると分子量が高
くなりすぎて流動性が損なわれるという問題が生じる。
【0023】該ポリイミドの合成においては、分子の反
応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。反応
末端を封止することによって、熱安定性が格段に向上す
る。
【0024】反応は、有機溶媒中で行うのが特に好まし
い。ここで使用できる溶媒としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メ
チルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス
(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−
メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシ
エトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、
ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、
テトラメチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノ
ール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、p−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独
でも2種類以上混合して用いても良い。
【0025】反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好
ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は
特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶
媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24
時間である。更にイミド化の方法としては、前駆体であ
るポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化
するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イ
ミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られ
る。なお、本発明における対数粘度(ηinh)は、p
−クロロフェノール/フェノール(重量比9/1)混合
溶媒100mlにポリイミド粉0.50gを加熱溶解し
た後、35℃において測定した値である。
【0026】該ポリイミド樹脂は耐熱性、成形加工性に
優れた樹脂であるが、結晶化速度が遅く、単体では射出
成形の金型内で結晶化させることが困難である。該ポリ
イミド樹脂の分子量は対数粘度(ηinh)で0.1〜
3.0dl/gの範囲である。好ましくは0.2〜2.
0dl/gの範囲、より好ましくは0.3〜1.5dl
/gの範囲、最も好ましくは0.4〜1.0dl/gの
範囲である。0.1l/g未満では分子量が低く、成形
品としての強度を十分に発揮できない。3.0dl/g
を超えると分子量が高すぎ、射出成形等の溶融成形が困
難になる。
【0027】本発明の結晶性樹脂組成物において、結晶
性ポリイミド樹脂A100重量部に対する、結晶性ポリ
イミド樹脂Bの量は10重量部以上100重量部未満で
ある。好ましくは20〜90重量部、より好ましくは3
0〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量部、
最も好ましくは50〜60重量部である。10重量部未
満では耐熱性向上の効果が少なく、十分でない。また、
100重量部以上では結晶性ポリイミド樹脂Bの強度が
十分でないため、強度が低下する場合がある。また、結
晶性ポリイミド樹脂Bの結晶化速度が遅いため、成形品
の大きさや形状によっては射出成形の金型内で樹脂を完
全に結晶化させるのに金型温度を高くしたり、冷却時間
を長くしたりする必要が生じる場合がある。
【0028】本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱
可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能で
ある。配合することのできる熱可塑性樹脂としては、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケ
トンケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセ
タール、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、
ポリスルホン、その他の熱可塑性ポリイミドなどがあげ
られる。
【0029】また、熱硬化性樹脂、充填材を発明の目的
を損なわない程度で配合することも可能である。熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シ
リコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色
料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。
【0030】本発明の結晶性樹脂組成物は、通常公知の
方法により製造できるが特に次に示す方法が好ましい。 (1)結晶性ポリイミド樹脂A粉末、結晶性ポリイミド
樹脂B粉末、及び必要に応じて他の樹脂、炭素繊維等の
繊維状補強材、その他添加剤を乳鉢、ヘンシャルミキサ
ー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダー、ボール
ミル、リボンブレンダーなどを利用して予備混合し、つ
いで通常公知の溶融押出機、溶融混合機、熱ロールなど
で混練した後、ペレットまたは粉状にする。
【0031】(2)結晶性ポリイミド樹脂A粉末、結晶
性ポリイミド樹脂B粉末、及び必要に応じて他の樹脂、
炭素繊維等の繊維状補強材、その他添加剤を予め有機溶
媒に溶解または懸濁させ、この溶液あるいは懸濁液に炭
素繊維等の繊維状補強材を浸漬し、然る後、溶媒を熱風
オーブン中で除去した後、ペレット状または粉状にす
る。
【0032】この場合、使用される溶媒としては例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタ
ン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビ
ス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−
メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリ
ジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド
等があげられる。またこれらの有機溶媒は、単独でもあ
るいは2種以上混合しても差し支えない。
【0033】本発明の結晶性樹脂組成物は、射出成形
法、押出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法な
どの公知の成形法により成形され実用に供される。結晶
性ポリイミド樹脂Bを添加して型内結晶したものは添加
する前と比べて荷重たわみ温度が上昇する。また、繊維
状補強材で補強することにより約60〜100℃上昇す
る利点もある。このようにして成形された本発明の結晶
性樹脂組成物は、耐熱性、機械物性が優れており、高温
下で使用される成形品、複雑な形状の成形品、寸法精度
の要求される成形品への使用に適している。ICキャリ
ア、ICトレー、HDDキャリア、LCDキャリア、水
晶発振製造用トレー等の電気電子部品製造用治具、コネ
クター、ソケット、ボビン等の電気部品、アイロン、オ
ーブン等の熱器具部品、事務機器用品、耐熱ブッシュ等
のOA機器等に使用でき、たいへん有用である。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明の結
晶性樹脂組成物の製造例及び得られた樹脂組成物の物性
を詳細に説明する。
【0035】ポリイミド樹脂Aの合成例 撹拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた容器に
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン20
4.4g(0.7モル)と3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物199.6g(0.67
9モル)、無水フタル酸6.22g(0.06モル)、
m−クレゾール1480gを装入し、窒素雰囲気下で撹
拌しながら200℃まで加熱昇温した。その後200℃
で4時間反応させたところ、その間に約9mlの水の留
出が確認された。反応終了後室温まで冷却し、約200
0mlのトルエンを装入後、ポリイミド粉を濾別した。
このポリイミド粉をトルエンで洗浄した後、窒素中で2
50℃/5時間乾燥してポリイミド粉Bを得た。得られ
たポリイミド粉Aのηinhは0.9dl/gであっ
た。
【0036】実施例1〜4 合成例で得られたポリイミド樹脂A、ポリイミド樹脂B
(商品名AURUMPL450(三井東圧化学製))、
及び炭素繊維(HTA−C6−TX)を表1に示した割
合で配合し混合した後、40mm径の押出機により41
0℃で溶融混練し、ペレットを得た。得られたペレット
を通常の射出成形機を用いて種々の条件で測定し、各種
試験片を得、これらを用いて結晶化度(DSC測定の結
晶化ピークの強度による)を測定した。また、各種試験
片を用いて引張強度(ASTM−D638による)及び
荷重たわみ温度(ASTM−D648による)を測定し
た。実験結果は表1にまとめた。
【0037】比較例1〜3 合成例で得られたポリイミド樹脂A、ポリイミド樹脂B
(商品名AURUMPL450(三井東圧化学製)、η
inh:0.52)、及び炭素繊維(HTA−C6−T
X)を表2に示した割合で実施例と同様に実験を行っ
た。実験結果は表2にまとめた。
【0038】表1及び表2から、本発明の樹脂組成物は
ポリイミド樹脂Aの単独、本願発明の範囲外の樹脂組成
物に比較し、荷重たわみ温度が上昇し、荷重たわみ温度
と引張強度のバランスが改良されていることが明かであ
る。
【0039】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例 組成比(重量部) 荷重たわみ 引張強度 ポリ ポリ 炭素 温度(℃) kg/mm イミドA イミドB 繊維 ──────────────────────────────────── 1 100 50 0 238 12.5 2 100 10 0 220 13 3 100 100 0 240 12 4 100 50 60 260以上 28 ────────────────────────────────────
【0040】
【表2】 ──────────────────────────────────── 比較例 組成比(重量部) 荷重たわみ 引張強度 ポリ ポリ 温度(℃) kg/cm イミドA イミドB ──────────────────────────────────── 1 100 5 212 13 2 100 120 244 10.5 3 100 0 210 13 ────────────────────────────────────
【0041】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、熱処理すること
なく射出成形の金型内で結晶化し、荷重たわみ温度と引
張強度のバランスが優れ、機械特性、耐熱性、耐薬品性
等に優れた樹脂組成物である。このため、これらの特性
を必要とする構造部材、機械部品、自動車部品、さらに
は宇宙航空機用基材等に用いられる極めて有用な材料で
あり、産業上の利用効果は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木場 友人 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(A)(化1)のくり返し構造単
    位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl
    /gである結晶性ポリイミド樹脂A 【化1】 100重量部に対し、下記式(B)(化2)のくり返し
    構造単位を有し、対数粘度(ηinh)で0.1〜3.
    0dl/gである結晶性ポリイミド樹脂B 【化2】 10重量部以上100重量部未満を含有することを特徴
    とする結晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の樹脂組成物100重量部に対
    し、繊維状補強材5〜100重量部を含む結晶性樹脂組
    成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004026944A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性ポリイミド樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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