JPH113577A

JPH113577A - ディスクカートリッジ

Info

Publication number: JPH113577A
Application number: JP14908997A
Authority: JP
Inventors: Koji Kishida; 広史岸田
Original assignee: Pioneer Video Corp; Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Pioneer Video Corp; Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1996-10-30
Filing date: 1997-06-06
Publication date: 1999-01-06
Anticipated expiration: 2017-06-06
Also published as: JP3384437B2

Abstract

(57)【要約】【課題】シャッター３０が中立位置から左右両方向へ
スライド可能に構成されたディスクカートリッジにおい
て、シャッター機構の部品点数を少なくすることによっ
てコストアップを防止し、さらに、カートリッジの組み
立て作業が複雑になるのも防止する。【解決手段】カートリッジケースの上壁及び底壁の一
方にシャッター開閉方向沿いにガイド溝６０を形成し、
ヘッドアクセス用開口を閉じる中立位置への付勢力を左
右両側から与えたシャッター３０に、このガイド溝６０
にスライド可能に係合する突片３４を形成する。そし
て、シャッター３０を、上壁シャッタープレート３１と
底壁側シャッタープレート３２との連接部において分割
し、かつ両シャッタープレート３１，３２をカートリッ
ジケースへの組み付け後に一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクや磁気
ディスクなどのディスク状記録媒体を回転可能に収納し
たディスクカートリッジに関し、詳しくは、シャッター
を、ヘッドアクセス用開口を閉じる中立位置から左右両
方向へスライドさせることができるタイプのディスクカ
ートリッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンパクトディスク等の記録媒体
を収納したディスクカートリッジのカートリッジケース
にはヘッドアクセス用の開口が形成されており、その開
口は、カートリッジケースの表面にスライド可能に装着
されたシャッターで開閉できるように構成されている。
そして、カートリッジをディスクドライブ装置に装填し
たときに、ディスクドライブ装置のシャッター駆動ピン
でカートリッジのシャッターをスライドさせることによ
りヘッドアクセス用開口を開いて、ディスクへの読み書
きを行うようになっている。

【０００３】一方、両面に読み書きできるタイプのディ
スクを収納し、ディスクドライブ装置に表面と裏面のど
ちらを上にしても装填できるディスクカートリッジの場
合、ディスクドライブ装置側のシャッター駆動メカニズ
ムが複雑化するのを防止するため、ディスクカートリッ
ジのシャッターを、ヘッドアクセス用開口を閉じた中立
位置から左右二方向へスライド可能に構成して、ディス
クドライブ装置のシャッター駆動ピンの駆動方向を一方
向にするようにしている。

【０００４】このタイプのシャッター機構として、例え
ば、特公平５−６７５８号公報には、中立位置にあるシ
ャッターの左右両側にねじりコイルバネを配置し、シャ
ッターを、カートリッジケースに対してスライド可能な
摺動ブロックを介して左右両側から中立位置へ付勢した
ものが記載されている。カートリッジケースには、シャ
ッターが中立位置にあるときに各摺動ブロックに内側か
ら当接するストッパー壁が形成されていて、シャッター
には、各摺動ブロックに対して、摺動ブロックとストッ
パー壁との接触面に接する操作爪が形成されている。し
たがって、シャッターを中立位置から右へスライドさせ
る場合は左側の摺動ブロックが位置固定されたままシャ
ッターが右の摺動ブロックとともに移動して右のねじり
コイルバネがたわみ、左へスライドさせる場合はその逆
の動作となる。

【０００５】また、他のシャッター機構として、シャッ
ターのスライド方向に沿って配置した金属製のガイド軸
に対して軸方向へスライド可能な２個のスライダーを設
けて両スライダーを引っ張りコイルバネで連結するとと
もに、両スライダーにそれぞれ内側から接するストッパ
を引っ張りコイルバネの自由長よりも広い間隔でカート
リッジケースの中央部に形成し、さらに、シャッター
に、両スライダーに内側から接する突片を設けた機構が
提案されている（第２５０８４４９号特許公報参照）。
この構成においても、シャッターは通常はヘッドアクセ
ス用開口を閉じる中立位置で保持され、シャッターをス
ライドさせる場合には、スライダーの一方が位置固定さ
れたままでシャッターと他方のスライダーとが一緒に移
動する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのシャ
ッター機構は、ねじりコイルバネを２つ用いたり（特公
平５−６７５８号公報）、金属製のガイド軸を設けたり
（第２５０８４４９号特許公報）しているため、部品点
数が多く、コスト高であるという点が問題であった。ま
た、特に後者は、スライダーとシャッターをあらかじめ
ガイド軸に取り付けてサブアセンブリにしてからカート
リッジケースに組み付けなければならないので、組み立
て作業が困難であるという問題もあった。

【０００７】したがって、本発明の解決すべき技術的課
題は、シャッターが中立位置から左右両方向へスライド
可能に構成されたディスクカートリッジにおいて、シャ
ッター機構の部品点数を少なくすることによってコスト
アップを防止し、さらに、カートリッジの組み立て作業
が複雑になるのも防止することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明に
係るディスクカートリッジは、ディスク状記録媒体を回
転可能に収納するとともに上壁側ハーフシェルと底壁側
ハーフシェルとから構成されたカートリッジケースと、
カートリッジケースに形成されたヘッドアクセス用開口
を閉じる位置を中立位置として左右両方向へスライド可
能に構成されたシャッターとを備えたディスクカートリ
ッジであって、上述の技術的課題を解決するために以下
のように構成されたことを特徴としている。

【０００９】すなわち、このディスクカートリッジは、
カートリッジケースの上壁及び底壁の一方にシャッター
開閉方向沿いに形成されたガイド溝と、ガイド溝にスラ
イド可能に嵌合するようにシャッターに形成された突片
と、突片の左右両側でガイド溝にスライド可能に係合す
る一対のスライダーと、両スライダー間に連結され、両
スライダーを互いに引き付けるバネ手段と、スライダー
に内面から当接するようにカートリッジケースに突設さ
れたストッパーとを備え、シャッターが、上壁側シャッ
タープレートと底壁側シャッタープレートの連接部にお
いて分割されるとともに、両シャッタープレートがカー
トリッジケースへの組み付け後に一体化されるように構
成されたことを特徴としている。なお、シャッターの突
片は、シャッターの両側縁部に別々に形成した第１、第
２突片から構成することができる。また、ストッパー
は、シャッターが中立位置にある状態において、両スラ
イダーが左右両側から当接するように形成するのが好ま
しい。

【００１０】上記構成においては、通常は、シャッター
に形成された突片にスライダーが外側から接触し、かつ
スライダーがカートリッジケースに形成されたストッパ
ーで位置決めされて、そのときにシャッターはヘッドア
クセス用開口を閉じる（中立位置）。一方、シャッター
をこの中立位置から左右どちらかの方向へスライドさせ
ると、突片が一方のスライダーを押しながら移動し、他
方のスライダーはストッパーに位置保持される。バネ手
段は両スライダーを引き付け合うので、シャッターを開
いた位置に位置保持する力を解除すれば、シャッターは
中立位置に復帰する。

【００１１】上記構成においては、ガイド軸の代わりに
ガイド溝を形成し、しかも、バネ手段を、スライダーを
外側から別々に付勢するのではなく、内側から引き付け
合う一つの部品としたので、シャッターを中立位置から
両方向へスライドできるタイプのディスクカートリッジ
において部品点数を削減できる。したがって、従来構造
よりもコストダウンできる。また、シャッター機構を予
めサブアセンブリにする必要がなく、各部品をカートリ
ッジケースに組み付けた後に両シャッター部材を固定す
ればディスクカートリッジが完成するので、組み立て作
業を比較的容易に行うことできる。

【００１２】上記構成においては、ガイド溝が形成され
た上壁または底壁の対向面に、ガイド溝と平行に延在す
る突条を形成し、スライダーに、この突条と接する摺動
面を設けることが好ましい。このように構成してスライ
ダーがガイド溝だけでなく突条とも係合するようにすれ
ば、スライダーの摺動を安定してガイドできる。また、
スライダーの摺動面をカートリッジケースの突条に接触
させた状態でディスクカートリッジを組み立てることが
できるので、組み立て時の作業性を高めることも可能で
ある。

【００１３】上記スライダーとストッパーとの当接部は
次の構成が好ましい。すなわち、スライダーは、上記ス
トッパーに当接する方向に突出する楔型突起を有する。
一方、ストッパーはそのスライダー当接面に、スライダ
ーの楔型突起が嵌合する切欠を有する。楔型突起と切欠
は、それぞれ、相互に接触する傾斜摩擦面を有する。そ
して、スライダーがストッパーに当接した状態におい
て、各摩擦面は上記バネ手段の引き付け力により圧接す
る構成としている。したがって、組み付け時に、一対の
スライダーをいずれか一方のハーフシェルに組み付けか
つそれらにバネ手段を設けたとき、スライダーとストッ
パーとの両傾斜摩擦面が圧接するので、スライダーはハ
ーフシェルやストッパーに安定して組み付き、スライダ
ーが容易にそれらから外れるおそれがなく、組み付け作
業の能率が向上する。

【００１４】他の実施形態によれば、上記実施形態と同
様に、スライダーは楔型突起を有し、一方、ストッパー
はそのスライダー当接面に、スライダーの楔型突起が嵌
合する切欠を有する。そしてさらに、ストッパーは、上
記スライダーの上記楔型突起と係合する突起を有する。
そして、バネ手段の引き付け力によりスライダーの上記
楔型突起とストッパーの突起が係止する構成にしてい
る。この実施形態によれば、スライダーのストッパーに
対する組み付けが一層確実である。

【００１５】さらに、他の形態によれば、上記シャッタ
ーの上記突片がスライドするところの上記ガイド溝は板
状上端壁の上面に沿って形成される。そして、該上端壁
はカートリッジ内面に向けて突出し、上端壁の上面の反
突出側には、突片のスライド方向に延在する第２ガイド
溝が形成される。一方、上記各スライダーには、上端壁
の突出縁が内嵌するところの溝を形成し、かつ、その上
端壁の上面をスライドする上壁を有する。そして、該上
壁は、上端壁の第２ガイド溝に係合しながらスライドす
る係止爪を有する。この構成によれば、各スライダー
は、ガイド溝を構成する板状上端壁に対してそれを抱き
抱えるように取り付くので、容易なことでは板状上端壁
から外れることはない。

【００１６】なお、シャッターの両側にねじりコイルバ
ネ等のスプリングを配置して、両スプリングによりシャ
ッターを中立位置へ向かって付勢するように構成すれ
ば、スライダーを使用しなくてもよい。このように構成
しても、シャッターを操作していないときにはスプリン
グによって中立位置に保持することができ、かつ、部品
点数の削減と組み立て作業の容易化を実現できる。

【００１７】その場合、例えばシャッターとカートリッ
ジケースに小さな突起と凹部からなる位置決め用のクリ
ック手段を設け、このクリック手段によるシャッターの
位置保持力を、ディスクカートリッジをディスクドライ
ブ装置に装填したときのシャッター駆動ピンの駆動力よ
りも弱い力に設定して、通常はシャッターを弱い力で中
立位置に保持できるように構成しておけば、シャッター
が不必要に開いてしまうことを防止できる。

【００１８】また、上記構成においては、カートリッジ
ケースの上壁及び底壁のうち、ガイド溝を形成していな
い方に該ガイド溝と平行に延在する第２ガイド溝を形成
し、突片が形成されたシャッタープレートと相対するシ
ャッタープレートに、第２ガイド溝とスライド可能に嵌
合する第２突片を形成することが好ましい。このように
構成すれば、シャッターのスライド動作をディスクカー
トリッジの両面でガイドできるので、その動作をより安
定させることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図１〜図１２を参照して詳細に説明する。

【００２０】先ず、第１実施形態を図１〜６，８，１２
に従って説明する。図示のディスクカートリッジは、方
形薄板状で中空のカートリッジケースにディスク状記録
媒体としてデジタルビデオディスク（ＤＶＤ）を回転可
能に収納したものであり、カートリッジケースは、それ
ぞれプラスチック成形された互いに同じ厚さの上壁（Ａ
面）側ハーフシェルと底壁（Ｂ面）側ハーフシェルとを
重ねた構成になっている。

【００２１】図１はこのディスクカートリッジの部分分
解斜視図、図２（ａ）及び（ｂ）は上壁側ハーフシェル
の部分内面図及び部分表面図、図３（ａ）及び（ｂ）は
底壁側ハーフシェルの部分内面図及び部分表面図、図４
は両シェルとシャッター機構を組み付けた状態での図３
のIV−IV線断面図、図５はV−V線断面図である。

【００２２】図において、１０は上壁側ハーフシェル、
２０は底壁側ハーフシェル、３０はプラスチック製のシ
ャッター、４０はスライダー、５０はスプリングであ
る。上壁側ハーフシェル１０と底壁側ハーフシェル２０
は、以下に説明するシャッタースライド用のガイド溝を
構成する部分を除いて基本的にほぼ同じ形状であり、上
壁１１及び底壁２１に、それぞれ、ディスクの収納空間
を区画する周壁１２，２２と、上壁１１及び底壁２１の
側縁部に沿って延在する側壁１３，２３とが一体に形成
されている。また、両シェル１０，２０は、上壁１１及
び底壁２１の中央から上方へ向かってディスクドライブ
（図示せず）へのカートリッジの装填方向に延在するヘ
ッドアクセス用開口１４，２４を備えている。この開口
１４，２４はシャッター３０で覆われ、シャッター３０
は開口１４，２４を覆う位置を中立位置としてその左右
両側へスライドするように構成されている。

【００２３】両シェル１０，２０は、上端壁１５，２５
の位置が異なっており、両シェル１０，２０を組み合わ
せたとき、両上端壁１５，２５の間で、シャッター開閉
方向沿いに延在するガイド溝６０が底壁２１側に形成さ
れるようになっている（図４,５参照）。両上端壁１
５，２５の中央部分１５ａ，２５ａ、すなわちはヘッド
アクセス用開口の幅の部分だけは、カートリッジケース
の厚さ方向寸法が他の部分１５ｂ，２５ｂに比較して小
さく、ディスク状記録媒体の厚みと同じかそれよりも小
さくて、ディスクドライブ装置にカートリッジを装填し
てヘッドがディスクに接近するときに、ヘッドの走行の
邪魔にならないようになっている。また、これに伴っ
て、上壁１１と底壁２１の表面は、上端部中央部分１１
ａ，２１ａがその左右両側の部分１１ｂ，２１ｂよりも
くぼんだ形状になっている。カートリッジケースの内部
には、両シェル１０，２０を組み合わせたときにガイド
溝６０と連通するスライダー及びスプリング案内スペー
ス６１が形成されるようになっている。

【００２４】シャッター３０は、上壁側シャッタープレ
ート３１と底壁側シャッタープレート３２とを連接板３
３で接続した構成で断面略コの字形であり、カートリッ
ジケースの上壁１１と底壁２１を挟むように装着されて
いる。シャッター３０は、図１に示しているように正面
から見たときに凸形状を呈しており、左右の両肩部に凹
部３７が形成されている。この凹部３７は、ディスクカ
ートリッジをディスクドライブ装置に装填したときに、
シャッター駆動ピンで引掛けてシャッター３０を開くた
めに用いられる。

【００２５】底壁側シャッタープレート３２と連接板３
３はＬ字形の部材として一体成形されており、上壁側シ
ャッタープレート３１が連接板３３の先端面に固定され
るようになっている。底壁側シャッタープレート３２
は、カートリッジケースのガイド溝６０にスライド可能
に嵌合する突片３４を有している。なお、図１中仮装線
で示すように、シャッター３０の突片３４として、シャ
ッター３０の両側縁部に、それぞれ幅狭の独立した第
１、第２突片３４ａ，３４ｂを形成してもよい。

【００２６】一方、上壁側シャッタープレート３１と連
接板３３をカートリッジケースへの組み付け後に一体化
するため、連接板３３の先端面に位置決め用突起３５が
形成され、上壁側シャッタープレート３１に位置決め用
凹部３６が形成されている。上壁側シャッタープレート
３１と連接板３３は、位置決め用凹部３６に位置決め用
突起３５を挿入した後、例えば超音波溶着によって固定
することができる。

【００２７】上壁側ハーフシェル１０と底壁側ハーフシ
ェル２０との間にはスライダー４０及びスプリング５０
を案内する案内スペース（溝）６１が形成されている。
この案内スペース６１内に収納された両スライダー４０
は、図１に示した状態での上端部に、ガイド溝６０にス
ライド可能に係合する係合部４１を備え、両係合部４１
がシャッターの突片３４をはさむようにシャッターの左
右両側に配置される（図８参照）。また、各スライダー
４０（図６（ａ）に示す左側スライダーと図６（ｂ）に
示す右側スライダーは左右対称である）は、それぞれ、
下端部に、スプリング係止用のピン４２を備えた位置決
め部４３を有している。スプリング係止ピン４２には、
引っ張りコイルバネ５０が連結され、両スライダー４０
が互いに引き付けられる方向へ付勢されている。尚、ス
ライダーの係合部４１は上壁４１ａと側壁４１ｂとで構
成している。これらの上壁１ａ，側壁４１ｂと位置決め
部４３との間には、底壁側ハーフシェル２０の上端壁２
５が嵌合する溝２５ｃが形成されている。ピン４２は、
スプリング５０の端部が外れないようにするため、図１
２の変形例に示すようにＬ字状にすることが好ましい。

【００２８】両スライダー４０の位置決め部４３には、
スプリング係止ピン４２と反対方向へ突出する凸部４４
が形成されている。そして、カートリッジケースの底壁
側ハーフシェル２０には、両スライダー４０の凸部４４
に内側から当接するストッパー２６が形成され、両スラ
イダー４０の凸部４４がカートリッジケースのストッパ
ー２６と当接することによってスライダー４０が位置決
めされたときに、シャッター３０が中立位置になってヘ
ッドアクセス用開口１４，２４が塞がれるようになって
いる。なお、ストッパー２６は、スライダー４０の走行
を規制する突起であり、スライダー４０の係合部４１の
一部と当接するように上壁側ハーフシェル１０に形成し
てもよい。また、カートリッジケースの上壁側ハーフシ
ェル１０には、ガイド溝６０と平行に延在する突条１６
が形成されており、その下面は、引っ張りコイルバネ５
０の邪魔にならないように円弧状に形成されている。ス
ライダー４０は、突条１６の上面と接する摺動面４５を
有している。

【００２９】上記構成においては、底壁側ハーフシェル
２０の表面にシャッター１０の底壁側シャッタープレー
ト３２側の部材を配置して突片３４がガイド溝６０と係
合するようにし、このシェル２０の内面側にスライダー
４０を配置して両スライダー４０のピン４２にスプリン
グ５０を連結した後、シェル１０，２０同士を固定し、
さらに上壁側シャッタープレート３１を連接板３３に固
定することによって、ディスクカートリッジを組み立て
ることができる。このようにして組み立てたとき、図８
に示されるように、シャッター３０の突片３４にスライ
ダー４０が左右両側から接触するとともに（図８ａ）、
スライダー４０がカートリッジケースに形成されたスト
ッパー２６で位置決めされて、突片３４がガイド溝６０
の中央に位置するので、シャッター３０が中立位置にな
ってヘッドアクセス用開口１４，２４が塞がれることに
なる。なお、ストッパー２６は各スライダー４０の凸部
４４の内面に当接している。

【００３０】一方、シャッター３０を中立位置から左右
どちらかの方向へスライドさせるときは（図８ｂでは左
方向にスライドさせている）、シャッター３０の突片３
４が一方のスライダー４０を押しながら移動する。この
とき、他方のスライダー４０はストッパー２６に位置保
持されるので、引っ張りコイルバネ５０が伸びることに
なる。したがって、両スライダー４０が引っ張りコイル
バネ５０で互いに引き付けられるので、シャッター３０
を開いた位置に位置保持する力を解除すれば、シャッタ
ー３０は中立位置に復帰する。

【００３１】上記構成においては、シャッター機構をサ
ブアセンブリにする必要がなく、各部品をシェルに簡単
に取り付けることができるので、組み立てを容易に行う
ことができる。また、バネをひとつだけしか用いず、他
に金属部品も使用しないので、ディスクカートリッジの
コストダウンや軽量化が可能である。

【００３２】次に、図７に示した変形例について説明す
る。図７は、上記実施形態における図５に対応する図で
ある。この例は、上壁１１の表面に、ガイド溝６０と平
行な第２ガイド溝６２を形成し、上壁側シャッタープレ
ート３１の内面に、この第２ガイド溝６２にスライド可
能に嵌合する第２突片３８を形成したものである。上述
したように上壁１１の中央部１１ａが左右両側部分１１
ｂよりもくぼんでいるので、第２ガイド溝６２は、図２
に仮想線で示すように左右両側部分１１ｂにのみ形成さ
れているが、可能であれば中央部分１１ａにも形成し
て、全体につながった形状にしてもよい。このように第
２ガイド溝６２を設ければ、シャッター３０のスライド
動作をディスクカートリッジの両面でガイドできるの
で、スライド動作をより安定させることができる。

【００３３】次に、スライダー４０がストッパー２６に
当接する当接構造の点に関する３つの変形例を図９，図
１０および図１３，１４に従って説明する。図９（ａ）
に示すように、このスライダー４０の基本形態は前記第
１実施例のものと同一である。すなわち、スプリング係
止ピン４２を備えた位置決め部４３と、係合部４１と、
凸部４４とから構成している。本変形例では、凸部４４
の内面に摩擦突起４４ａを形成したことを特徴としてい
る。この摩擦突起４４ａは傾斜摩擦面４４ｂを有してい
る。一方、このスライダー４０と係合するストッパー２
６の対応端部には、図９（ｃ）に示すように、スライダ
ー４０の上記摩擦突起４４ａを受け入れる形状の切欠２
６ａを形成している。そして、この切欠２６ａの部分
に、上記傾斜摩擦面４４ｂに対応する傾斜摩擦面２６ｂ
を形成している。これらの摩擦面４４ｂ，２６ｂは、ハ
ーフシェル１０，２０の面に対して直交する直交面に沿
っているとともに、その直交面は、スライド移動方向に
対して傾斜している。従って、図９（ｃ）に示されるよ
うに、スライダー４０は、シャッター３０が中立位置に
あるとき、コイルバネ５０により、図中左方向に付勢さ
れ、スライダー４０の摩擦突起４４ａはストッパー２６
の切欠２６ａに嵌入する。このとき摩擦突起４４ａおよ
び切欠２６ａの摩擦面４４ｂ，２６ｂはともに傾斜して
いるので、摩擦突起４４ａは切欠２６ａ内に楔のように
食い込み、それらの摩擦面同士はぴったりと密着する。

【００３４】ところで、図９（ｂ）において、各スライ
ダー４０にはコイルバネ５０の付勢力が働いている関係
で、矢印Ｙ方向の回転が生じ勝ちである。その結果、第
１実施形態のスライダーおよびストッパーの構造では、
組み込み工程中に、スライダーがガイド溝６０および上
端壁２５から外れるという事態が生じ、組み付けの能率
が悪いという不具合がある。

【００３５】ところが、図９の変形例によれば、スライ
ダーに矢印Ｙの回転力が発生しても、両摩擦面の摩擦力
が回転抵抗となり、スライダーの位置/姿勢が安定して
いるので、スライダーの組み付け作業が能率的となる利
点がある。

【００３６】上記変形例よりさらにスライダーの安定を
図るための変形例を図１０に示している。この変形例の
基本は、図９の変形例と同一であるが、それに加えて、
摩擦突起４４ａの位置決め部４３側に切欠４４ｃを形成
している。そして、この切欠４４ｃに対応して、ストッ
パー２５の端部に突起２６ｃを形成している。従って、
本変形例においても、図１０（ｃ）に示すように、両摩
擦面２６ｂ，４４ｂの摩擦力により回転抵抗が生じる。
そしてさらに、図１０（ｂ）に示すように、スライダー
の切欠４４ｃ内にストッパーの突起２６ｃが食い込む。
従って、スライダーにかかる矢印Ｙ方向の回転力に対し
ては、突起４４ａと突起２６ｃとが直に係止することに
より確実に回転阻止する。従って、この変形例では、ス
ライダーの外れはほぼ１００％防止することができる。

【００３７】図１３，１４は、スライダー４０の安定を
図る他の解決手段を示している。このスライダーは、上
壁４１ａの一部を延長した上壁延長部４１ｄを形成し、
この上壁延長部に係止爪４１ｅを形成したことを特徴と
している。この係止爪４１ｅに対応して、底壁側ハーフ
シェル２０の上端壁２５の上面には溝２５ｃを形成して
いる。図１４に明らかなように、スライダー４０を底壁
側ハーフシェル２０に組み付けた状態においては上壁延
長部４１ｄが上壁端２５上に延在して、係止爪４１ｅが
溝２５ｃにはまり込み、溝の側壁２５ｄに係止してい
る。したがって、この構成のスライダーは、一旦上端壁
２５にはめ込むと、簡単には外れない。スライダーの上
端壁に対するはめ込みは、図１４において左方向から強
制的に行う。このとき、スライダーの上壁４１ａおよび
延長部４１ｄは上方に撓むので、問題なくスライダーを
上端部にはめ込むことができる。

【００３８】上記上壁延長部４１ｄは上壁４１ａの一部
の身を延長したものであるが、図１３に、仮想線で示す
ように、上壁４１ａ全体を延長する構成とすることもで
きる。

【００３９】図１３，１４に示した変形例は、図９，１
０の変形例と組み合わせて実施してもよい。

【００４０】次に、両シャッタープレート３１，３２の
相互位置決めと相互溶着との構造の具体例を図１１に従
って説明する。図１の具体例では、底壁側シャッタープ
レート３２の両凹部３７間の凸部３７ａの中央に、内面
側に開口する細長い位置決め用凹部３７ｃを形成すると
ともに、その位置決め凹部の周囲および上端壁２５の内
面に多数の大小溶着用突起３７ｃをバランスよく形成し
ている。一方、上壁側シャッタープレート３１は、底壁
側シャッタープレート３２の凸部３７ａに対応する凸部
３７ｂを有しており、該凸部３７ｂの中央部に位置決め
用突起３５を突設している。また、該突起３５の周囲
に、前記溶着用突起３７ｃに対応する大小の凹部３７ｄ
を形成している。両シャッタープレート３１，３２を組
み合わせるとき、位置決め用突起３５を位置決め用凹部
３６内に挿入するとともに、各溶着用突起３７ｃを各溶
着用凹部３７ｄ内に挿入する。これにより、両シャッタ
ープレートの組み合わせ位置が安定する。次いで、溶着
用突起と凹部の嵌合部は、超音波溶着等の方法で一体化
される。尤も、位置決め用突起と凹部の嵌合部も同時に
溶着してもよい。

【００４１】なお、本発明は、上記実施形態や変形例に
限定されるものではなく、その他種々の態様で実施する
ことができる。例えば、シャッター３０の突片３４の幅
をストッパー２６の幅よりも少し（例えば１〜２ｍｍ程
度）広く形成して、中立位置において、スライダー４０
の一方のみがストッパー２６と当接するようにしてもよ
い。その場合、中立位置においてシャッター３０が左右
へ少し振れることになるが、１〜２ｍｍ程度の振れであ
れば、実質的に問題となることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るディスクカートリッジの第１実
施形態の部分分解斜視図である。

【図２】（ａ）及び（ｂ）は上壁側ハーフシェルの部
分内面図及び部分表面図である。

【図３】（ａ）及び（ｂ）は底壁側ハーフシェルの部
分内面図及び部分表面図である。

【図４】両シェルとシャッター機構を組み付けた状態
での図３のIV−IV線断面図である。

【図５】両シェルとシャッター機構を組み付けた状態
での図３のV−V線断面図である。

【図６】（ａ）は左側のスライダーの斜視図、（ｂ）
は右側のスライダーの斜視図である。

【図７】図５の変形例を示す断面図である。

【図８】第１実施形態におけるスライダーの動きを説
明するための説明図である。（ａ）はシャッターが中立
位置にある状態を示し、（ｂ）はシャッターを左方向に
移動させている状態を示している。

【図９】（ａ）は変形例に係るスライダーの斜視図で
ある。（ｂ），（ｃ）は該スライダーを底壁側ハーフシ
ェルに組み込んだ状態の要部平面図および要部正面図で
ある。

【図１０】（ａ）はさらなる変形例に係るスライダー
の斜視図である。（ｂ），（ｃ）は該スライダーを底壁
側ハーフシェルに組み込んだ状態の要部平面図および要
部正面図である。

【図１１】上壁側および底壁側の各シャッタープレー
トの要部斜視図である。

【図１２】スライダーの係止ピンの変形例を示す斜視
図である。

【図１３】さらなる変形例に係るスライダーの斜視図
である。

【図１４】図１３のスライダーを用いた変形例の、図
５と同様の断面図である。

【符号の説明】

１０上壁側ハーフシェル１１上壁１１ａ上端部中央部分１１ｂ左右両側部分１２周壁１３側壁１４ヘッドアクセス用開口１５上端壁１５ａ中央部分１５ｂ他の部分１６突条２０底壁側ハーフシェル２１底壁２１ａ上端部中央部分２１ｂ左右両側部分２２周壁２３側壁２４ヘッドアクセス用開口２５上端壁２５ａ中央部分２５ｂ他の部分２５ｃ溝２５ｄ溝の側壁２６ストッパー２６ａ切欠２６ｂ摩擦面２６ｃ突起３０シャッター３１上壁側シャッタープレート３２底壁側シャッタープレート３３連接板３４突片３４ａ，３４ｂ第１および第２突片３５位置決め用突起３６位置決め用凹部３７凹部３７ａ，３７ｂ凸部３７ｃ溶着突起３７ｄ溶着凹部３８第２突片４０スライダー４１係合部４１ａ上壁４１ｂ側壁４１ｃ溝４１ｄ上壁延長部４１ｅ係止爪４２スプリング係止ピン４３位置決め部４４凸部４４ａ摩擦突起４４ｂ摩擦面４４ｃ切欠５０引っ張りコイルバネ（バネ手段）６０ガイド溝６１スライダー及びスプリング案内スペース６２第２ガイド溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ディスク状記録媒体を回転可能に収納す
るとともに上壁側ハーフシェル(10)と底壁側ハーフシェ
ル(20)とから構成されたカートリッジケース(10,20)
と、該カートリッジケース(10,20)に形成されたヘッド
アクセス用開口(14,24)を閉じる位置を中立位置として
左右両方向へスライド可能に構成されたシャッター(30)
とを備えたディスクカートリッジにおいて、上記カートリッジケース(10,20)の上壁(11)及び底壁(2
1)の一方にシャッター開閉方向沿いに形成されたガイド
溝(60)と、該ガイド溝(60)にスライド可能に嵌合するよ
うに上記シャッター(30)に形成された突片(34)と、該突
片(34)の左右両側で該ガイド溝(60)にスライド可能に係
合する一対のスライダー(40)と、両スライダー(40)間に
連結され、該両スライダー(40)を互いに引き付けるバネ
手段(50)と、該スライダー(40)に内面から当接するよう
に上記カートリッジケース(10,20)に突設されたストッ
パー(26)とを備え、上記シャッター(30)が、上壁側シャッタープレート(31)
と底壁側シャッタープレート(32)との連接部(33)におい
て分割されるとともに、両シャッタープレート(31,32)
がカートリッジケース(10,20)への組み付け後に一体化
されるように構成されたことを特徴とするディスクカー
トリッジ。
【請求項２】上記シャッター(30)の突片(34)が、該シ
ャッター(30)の両側縁部に分離して形成された第１、第
２突片(34a,34b)からなることを特徴とする請求項１記
載のディスクカートリッジ。
【請求項３】上記ガイド溝(60)が形成された上壁(11)
または底壁(21)の対向面に、該ガイド溝(60)と平行に延
在する突条(16)が形成され、上記スライダー(40)が該突
条(16)と接する摺動面(45)を備えたことを特徴とする請
求項１記載のディスクカートリッジ。
【請求項４】上記各スライダー(40)は、上記ストッパ
ー(26)に当接する方向に突出する楔型突起(44a)を有
し、一方、ストッパー(26)は、そのスライダー当接面
に、スライダー(40)の楔型突起(44a)が嵌合する切欠(26
a)を有し、楔型突起(44a)と切欠(26a)は、それぞれ、相
互に接触する傾斜摩擦面(44b,26b)を有し、スライダー
(40)がストッパー(26)に当接した状態において、各傾斜
摩擦面(44b,26b)が上記バネ手段(50)の引き付け力によ
り圧接することを特徴とする請求項１記載のディスクカ
ートリッジ。
【請求項５】上記各スライダー(40)は、上記ストッパ
ー(26)に当接する方向に突出する楔型突起(44a)を有
し、一方、ストッパー(26)は、そのスライダー当接面
に、スライダー(40)の楔型突起(44a)が嵌合する切欠(26
a)を有するとともに、上記スライダー(40)の上記楔型突
起(44a)と係合する突起(26c)を有し、上記バネ手段(50)
の引き付け力によりスライダー(40)の上記楔型突起(44
a)とストッパー(26)の突起(26c)が係止することを特徴
とする請求項１記載のディスクカートリッジ。
【請求項６】上記シャッター(30)の上記突片(34)がス
ライドするところの上記ガイド溝(60)は板状上端壁(25)
の上面に沿って形成され、該上端壁(25)はカートリッジ
内面に向けて突出し、上端壁(25)の上面の反突出側に
は、突片(34)のスライド方向に延在する第２ガイド溝(2
5c)が形成され、上記各スライダー(40)は、上端壁(25)の突出縁が内嵌す
るところの溝(41c)を有するとともに、上端壁(40)の上
面をスライドする上壁(41a)を有し、該上壁(41a)は、上
端壁(25)の第２ガイド溝(25c)に係合しながらスライド
する係止爪(41e)を有することを特徴とする請求項１記
載のディスクカートリッジ。
【請求項７】ディスク状記録媒体を回転可能に収納す
るとともに上壁側ハーフシェル(10)と底壁側ハーフシェ
ル(20)とから構成されたカートリッジケース(10,20)
と、該カートリッジケース(10,20)に形成されたヘッド
アクセス用開口(14,24)を閉じる位置を中立位置として
左右両方向へスライド可能に構成されたシャッター(30)
とを備えたディスクカートリッジにおいて、上記カートリッジケース(10,20)の上壁(11)及び底壁(2
1)の一方にシャッター開閉方向沿いに形成されたガイド
溝(60)と、該ガイド溝(60)にスライド可能に嵌合するよ
うに上記シャッター(30)に形成された突片(34)とを備
え、上記シャッター(30)が、上壁側シャッタープレート(31)
と底壁側シャッタープレート(32)との連接部(33)におい
て分割されるとともに、両シャッタープレート(31,32)
がカートリッジケース(10,20)への組み付け後に一体化
されるように構成され、該シャッター(30)が中立位置か
ら左右へ変位したときに中立位置へ復帰させる付勢力を
発生する付勢手段(50)を備えたことを特徴とするディス
クカートリッジ。
【請求項８】上記カートリッジケース(10,20)の上壁
(11)及び底壁(21)の他方(11)に上記ガイド溝(60)と平行
に延在する第２ガイド溝(62)が形成され、上記突片(34)
が形成されたシャッタープレート(32)と相対するシャッ
タープレート(31)に、該第２ガイド溝(62)とスライド可
能に嵌合する第２突片(38)が形成されたことを特徴とす
る請求項１又は６のいずれかに記載のディスクカートリ
ッジ。