JPH11353968A - 開閉器 - Google Patents

開閉器

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JPH11353968A
JPH11353968A JP16076998A JP16076998A JPH11353968A JP H11353968 A JPH11353968 A JP H11353968A JP 16076998 A JP16076998 A JP 16076998A JP 16076998 A JP16076998 A JP 16076998A JP H11353968 A JPH11353968 A JP H11353968A
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JP
Japan
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arc
contact
movable contact
fixed contact
extinguishing plate
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Application number
JP16076998A
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English (en)
Inventor
Sadajiro Mori
貞次郎 森
Tatsuya Hayashi
龍也 林
Takeshi Sekiguchi
剛 関口
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開閉寿命が長い開閉器を得ることを目的とす
る。 【解決手段】 固定接触子に接合された固定接点、前記
固定接点に接離する可動接点が接合された可動接触子、
前記可動接点開離方向に立設された磁性体製の金属消弧
板を備え、前記金属消弧板にはその固定接触子側端に複
数の山部が設けられた開閉器において、可動接点全開時
に可動接触子と金属消弧板が対向するように構成され、
中央部の2つの山部の高さが大きく設定され、2つの山
部の中心間距離W1が可動接触子の幅W2にほぼ等しく
なるように構成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電流を開閉する
開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は例えば特公平1−38325号
公報に示された従来の開閉器の部分断面図である。図1
4において、1は樹脂で形成された取り付け台、2はこ
の取り付け台1に設置されケイ素鋼板が積層された固定
鉄心、3は固定鉄心2に対向配置され、ケイ素鋼板が積
層された可動鉄心、4は可動鉄心3と固定鉄心2とを引
き外しばね(図示せず)に抗して吸着させる駆動力を付
与する操作コイル、5は樹脂で成形され、角窓を有する
クロスバーで、その下端では可動鉄心3を保持してい
る。6は上記クロスバー5の角窓に挿入されてばね7に
より保持され可動接点6Aが接合された可動接触子、8
は上記可動接点6Aと接離する固定接点8Aが接合され
た固定接触子、8Cはこの固定接触子8の端子部を示
す。9は開閉器本体を外部回路と接続するための端子ね
じ、10は固定接触子8を取り付けるベ−ス、11はア
−クカバー、11Bはアークカバー11内の消弧空間を
各極毎に仕切るための仕切板、12は接点間に発生する
ア−ク、13はア−ク12を消弧するための例えば鉄の
ような磁性体で構成された金属消弧板、13Aは金属消
弧板13の固定接触子8側の端縁に設けられた突起部で
ある山部(図16参照)、14は例えば鉄のような磁性
体で構成された転流電極である。図15に転流電極14
の斜視図を示すが、転流電極14には切り欠き14Aと
足部14Bが設けられ、可動接触子6の少なくとも一部
分が切り欠き14Aに入るように構成されている。な
お、金属消弧板13は図16に示すように例えば接着剤
により側縁部でアークカバー11の仕切板11Bに取付
けられている。
【0003】次に動作について説明する。操作コイル4
に流れる電流を遮断すると図示されていない操作機構の
引き外しばねにより可動鉄心3が固定鉄心2より引き離
され、可動接点6Aが固定接点8Aから離れ、可動接点
6Aと固定接点8Aの間にア−ク12が発生する。
【0004】このア−ク12は図14に示されているよ
うに磁性体製の金属消弧板13と転流電極14に吸引さ
れ、12Aのようになり、次いで12Bのようになっ
て、金属消弧板13により冷却され遮断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の開閉器では、図
16に示すようにアーク12Bの脚は、金属消弧板13
のアークカバー11の仕切板11Bから離れた位置にあ
る山部13Aに形成されたり、金属消弧板13のアーク
カバー11の仕切板11Bに近い位置にある山部13B
の先端に形成されたりする。アーク12Bがアークカバ
ー11の仕切板11Aに近い山部13Bの先端に発生す
ると、アークカバー11の仕切板11Bはアークによっ
て消耗したり変質したりする。従って、電流を多数回開
閉するとアークカバー11の特に仕切板11Bに穴が開
いて相間短絡を発生するという問題点があった。また、
アーク熱によってアークカバー11の特に仕切板内面の
炭化が顕著になりアークカバー11の表面絶縁抵抗が顕
著に低下するので遮断不能になるという問題点があっ
た。
【0006】上記のような問題点を抑制するために、特
公平1−38325号公報に示すよな開閉器が提案され
ている。この開閉器の部分断面図は図14と同一である
が、この開閉器では図17に示すように、金属消弧板1
3のアークカバー11の仕切板11Bに近い位置にある
突部の長さが短く(すなわち山部13Aの高さが低く)
設定されている。なお、金属消弧板13は、図17に示
すように樹脂製のアークカバー11に埋め込み成形され
ているが、図18に示すように、アークカバー11に溝
11Bを設け、金属消弧板13をこの溝に差し込んで例
えば接着剤で固定してもよい。図17に示す金属消弧板
13の採用により、金属消弧板13のアークカバー11
に近い山部13Bと固定接触子8との間の距離が大きく
なるので、その間でアーク12Bが形成されにくくな
る。従って、アークカバー11の仕切板のアーク熱によ
る損傷・劣化を抑制できる。しかし、接点間に発生した
アーク12は図19に示すように、転流電極14の足部
14Bに転移され、この転移されたアーク12Aによっ
て、アークカバー11が損傷・劣化する。
【0007】この発明はかかる問題点を解決するために
なされたもので、遮断性能の低下を抑制しつつ、開閉寿
命が長い開閉器を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
開閉器は、固定接触子に接合された固定接点、前記固定
接点に接離する可動接点が接合された可動接触子、前記
可動接点開離方向に立設された磁性体製の金属消弧板を
備え、前記金属消弧板にはその固定接触子側端に複数の
山部が設けられた開閉器において、可動接点全開時に可
動接触子と金属消弧板が対向するように構成され、中央
部の2つの山部の高さが大きく設定され、2つの山部の
中心間距離W1が可動接触子の幅W2にほぼ等しくなる
ように構成されたものである。
【0009】請求項2の発明にかかる開閉器は、固定接
触子に接合された固定接点、前記固定接点に接離する可
動接点が接合された可動接触子、前記可動接点開離方向
に立設された磁性体製の金属消弧板を備え、前記金属消
弧板にはその固定接触子側端に複数の山部が設けられた
開閉器において、反固定接触子側に延在し金属消弧板に
対向するアークホーンが可動接触子の先端に形成され、
可動接点全開時に金属消弧板とアークホーンが対向する
ように構成され、中央部の2つの山部の高さが大きく設
定され、2つの山部の中心間距離W1がアークホーンの
幅W2にほぼ等しくなるように構成されたものである。
【0010】請求項3の発明にかかる開閉器は、固定接
触子に接合された固定接点、前記固定接点に接離する可
動接点が接合された可動接触子、前記可動接点開離方向
に立設された磁性体製の金属消弧板を備え、前記金属消
弧板にはその固定接触子側端に複数の山部が設けられた
開閉器において、磁性体製のアーク誘導板が可動接触子
の背面に設けられ、このアーク誘導板の両端にはアーク
ホーンが形成され、アークホーンの少なくとも一部は可
動接触子から突出しており、可動接点全開時に金属消弧
板とアークホーンが対向するように構成され、中央部の
2つの山部の高さが大きく設定され、2つの山部の中心
間距離W1がアークホーンの幅W2にほぼ等しくなるよ
うに構成されたものである。
【0011】請求項4の発明にかかる開閉器は、請求項
1乃至3記載の開閉器において、固定接触子と可動接触
子の間に設けられ、その一端が固定接触子に電気的に接
続され、アーク駆動方向に先細りとなる溝を有するアー
クランナが設けられたものである。
【0012】請求項5の発明にかかる開閉器は、請求項
2乃至4の開閉器において、アークホーンの折り曲げ部
が滑らかに構成されたものである。
【0013】請求項6の発明にかかる開閉器は、固定接
点を有する固定接触子と、前記固定接点に接離する可動
接点を有する可動接触子と、前記可動接触子を開位置と
閉位置との間で開離動作させる操作機構と、前記可動接
点の開離動作方向に配設され、その固定接触子側端から
前記固定接触子に向かって延びた複数の突部を有する磁
性体の金属消弧板と、前記金属消弧板をその側縁で支持
するアークカバーとを備えた開閉器において、前記可動
接触子と前記金属消弧板とは前記可動接点が前記開位置
にあるときに互いに対向するように配置され、前記消弧
板の前記突部のうちの2つの突部の先端部は、前記消弧
板の側縁から離れかつ前記固定接触子のそれぞれの側縁
に近接して対応した位置にあることを特徴とする開閉器
である。
【0014】請求項1の発明にかかる開閉器は、可動接
点全開時に可動接触子と金属消弧板が対向するように構
成され、中央部の2つの山部の高さが大きく設定され、
2つの山部の中心間距離W1が可動接触子の幅W2にほ
ぼ等しくなるように構成されたことにより、可動接点に
発生したアークが速やかに金属消弧板に吸引され、また
アークがアークカバーから離れた位置に形成される。
【0015】請求項2の発明にかかる開閉器は、固定接
触子に接合された固定接点、前記固定接点に接離する可
動接点が接合された可動接触子、前記可動接点開離方向
に立設された磁性体製の金属消弧板を備え、前記金属消
弧板にはその固定接触子側端に複数の山部が設けられた
開閉器において、可動接点全開時に金属消弧板とアーク
ホーンが対向するように構成され、中央部の2つの山部
の高さが大きく設定され、2つの山部の中心間距離W1
がアークホーンの幅W2にほぼ等しくなるように構成さ
れたことにより、可動接点に発生したアークが速やかに
金属消弧板に吸引され、またアークがアークカバーから
離れた位置に形成される。
【0016】請求項3の発明にかかる開閉器は、固定接
触子に接合された固定接点、前記固定接点に接離する可
動接点が接合された可動接触子、前記可動接点開離方向
に立設された磁性体製の金属消弧板を備え、前記金属消
弧板にはその固定接触子側端に複数の山部が設けられた
開閉器において、磁性体製のアーク誘導板が可動接触子
の背面に設けられ、このアーク誘導板の両端にはアーク
ホーンが形成され、アークホーンの少なくとも一部は可
動接触子から突出しており、可動接点全開時に金属消弧
板とアークホーンが対向するように構成され、中央部の
2つの山部の高さが大きく設定され、2つの山部の中心
間距離W1がアークホーンの幅W2にほぼ等しくなるよ
うに構成されたことにより、可動接点に発生したアーク
が速やかに金属消弧板に吸引され、またアークがアーク
カバーから離れた位置に形成される。
【0017】請求項4の発明にかかる開閉器は、可動接
点に発生したアークがいっそう速やかに金属消弧板に吸
引される。
【0018】請求項5の発明にかかる開閉器は、可動接
点に発生したアークが速やかに金属消弧板に吸引され
る。請求項6の発明にかかる開閉器においては、可動接
点が開位置にあるときに可動接触子と金属消弧板とが互
いに対向するように配置され、消弧板の突部のうちの2
つの突部の先端部は、消弧板の側縁から離れかつ固定接
触子のそれぞれの側縁に近接して対応した位置にあるの
で、可動接点に発生したアークが速やかに金属消弧板に
吸引され、またアークがアークカバーから離れた位置に
形成される。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の第1の
実施の形態の構成を図1に示す。図1において、1は樹
脂で形成された取り付け台、2はこの取り付け台1に設
置されケイ素鋼板が積層された固定鉄心、3は固定鉄心
2に対向配置され、ケイ素鋼板が積層された可動鉄心、
4は可動鉄心3と固定鉄心2とを引き外しばね(図示せ
ず)に抗して吸着させる駆動力を付与する操作コイル、
5は樹脂で成形され、角窓を有するクロスバーで、その
下端では可動鉄心3を保持している。6は上記クロスバ
ー5の角窓に挿入されてばね7により保持され可動接点
6Aが接合された可動接触子で、その斜視図を図2に示
す。
【0020】図2において、W1は可動接触子6の幅を
示す。8は上記可動接点6Dと接離する固定接点8Aが
接合された固定接触子、8Cはこの固定接触子8の端子
部を示す。9は開閉器本体を外部回路と接続するための
端子ねじ、10は固定接触子8を取り付けるベ−ス、1
1はア−クカバー、11Bはアークカバー11内の空間
を各極あるいは相毎に区画するための仕切板,12は接
点間に発生するア−ク、13はア−ク12を消弧するた
めの例えば鉄のような磁性体製で構成された金属消弧板
で、その正面図を図3に、アークカバー11への取付け
状態を図4に示す。図3において、金属消弧板13はそ
の側縁13Cでアークカバー11の仕切板11Bに支持
された全体としてほぼ長方形の板であって、アークカバ
ー11に取付けられた状態で固定接触子8に近い側の端
縁には2つの突部すなわち山部13Dが設けられてい
る。図3及び図5に示す如く、山部13Dの先端部13
Eの位置は、金属消弧板13の側縁13Cから離れて内
側に寄った位置であり、また可動接触子6の両角隅部6
Eにそれぞれ近接してほぼ対応した位置にある。これら
の図においてW2は金属消弧板13の中央部に設けられ
た2つの山部13Dの先端部13E間の距離である。ま
た、W1は可動接触子6の角隅部6E間の距離である。
なお、金属消弧板13のアークカバー11に近い山部の
高さは零であってもよい。本発明では、従来例で用いら
れていた図14に示す転流電極14は使用されていな
い。
【0021】このように、この実施の形態では、可動接
点全開位置にあるときに可動接触子6と金属消弧板13
が互いに対向するように構成配置され、金属消弧板13
にはその固定接触子側端に複数の山部13Aが設けら
れ、この中央部の2つの山部13Aの高さが大きく設定
され、図5に示すように、2つの山部13Aの中心間距
離W2が可動接触子6の幅W1にほぼ等しくなるように
構成されている。
【0022】次に動作について説明する。操作コイル4
に流れる電流を遮断すると図示されていない引き外しば
ねにより可動鉄心3が固定鉄心2より引き離され、可動
接点6Aが固定接点8Aから離れ、可動接点6Aと固定
接点8Aの間にア−ク12が発生する。
【0023】このア−ク12は図1に示されているよう
に磁性体製の金属消弧板13に吸引され、12Aのよう
になり、次いで12Bのようになって、金属消弧板13
により冷却され遮断される。
【0024】遮断時に可動接触子および可動接触子6の
中心線上の接点表面で発弧することはまれであるが、こ
の場合、図6に示すように可動接点6Aの中心線上に生
じたアーク12は、磁性体製の金属消弧板に吸引・駆動
され、図6の12Aで示すように可動接触子6の先端の
中央部に転移する。遮断時、ほとんどの場合、図7に示
すように可動接触子6の中心線上からずれた接点表面位
置で発弧する。そのアーク12は磁性体製の金属消弧板
に吸引・駆動されるが、図7の可動接触子6の破線で示
す電流が作る磁場によって駆動され、図7の12Aで示
すように可動接触子6の先端の角隅部6Eに駆動され
る。
【0025】本発明の開閉器では、可動接点全開時に可
動接触子6と金属消弧板13が対向するように構成さ
れ、金属消弧板13にはその固定接触子側端の中央部に
2つの山部13Aが設けられ、この中央部の2つの山部
13Aの高さが大きく設定され、2つの山部13Aの中
心間距離W2が可動接触子6の幅W1にほぼ等しくなる
ように構成されている。その結果、図5に示すように可
動接触子6の角部6Eと金属消弧板13の中央部の山部
13Aの間の距離Dが小さくなるので、アーク12が金
属消弧板13の山部13Aに強く吸引される。これによ
り、アーク12はアークカバー11から離れた位置に形
成されるので、アークカバー11の損傷・劣化を抑制で
きる。従って、金属消弧板13のアークカバー11に近
い山部13Bの下端に発生したアーク12Bによるアー
クカバー11の消耗を抑制できる。その結果、電流を多
数回開閉するとアークカバー11に穴が開いて相間短絡
を発生する現象を抑制できる。さらに、アーク熱によっ
てアークカバー11の表面の炭化が顕著になりアークカ
バー11の表面絶縁抵抗が顕著に低下し遮断不能になる
という現象を抑制できる。なお、本発明では転流電極1
4が用いられていないが、先述のようにアーク12が金
属消弧板13の山部13Aに強く吸引されるので、遮断
性能の低下は抑制される。
【0026】実施の形態2.本発明の第2の実施の形態
の可動接触子6の構造を図8に示す。図8において、6
Bは1対の可動接点6Aが接続された第1の片、6Cは
第1の片6Bの長辺から反可動接点側に延在する1対の
第2の片、6Dは第1の片の短辺から反可動接点側に延
在する1対の第3の片で、アークホーンと呼ばれる。な
お第2の片はなくてもよいが、第2の片が設けられたこ
とにより、繰り返し開閉動作を行っても可動接触子が変
形しにくいという効果が得られる。
【0027】可動接点6Aに発生したアーク12は可動
接触子6のアークホーン(第3の片)6Dに転移する
が、先述のようにアークホーン(第3の片)6Dの角部
6Eに確率的に高く転移する。この実施の形態では、反
固定接触子側に延在し金属消弧板13に対向するアーク
ホーン6Dが可動接触子6の先端に設けられ、可動接点
全開時に金属消弧板13とアークホーン6Dが対向する
ように構成され、金属消弧板13の中央部の2つの山部
13Aの高さが大きく設定され、2つの山部13Aの中
心間距離W1がアークホーン6Dの幅W2にほぼ等しく
なるように構成されたことにより、アーク12が金属消
弧板13の山部13Aに強く吸引される。その結果、ア
ーク12がアークカバー11から離れた位置に形成され
るので、アークカバー11の損傷・劣化を抑制できる。
これによって、金属消弧板13のアークカバー11に近
い山部13Bの下端に形成されたアーク12Bによるア
ークカバー11が消耗を抑制できる。従って、電流を多
数回開閉するとアークカバー11に穴が開いて相間短絡
を発生する現象を抑制できる。さらに、アーク熱によっ
てアークカバー11の表面の炭化が顕著になりアークカ
バー11の表面絶縁抵抗が顕著に低下し遮断不能になる
という現象を抑制できる。
【0028】なお、本発明では、転流電極が用いられて
いないが、先述のようにアーク12が金属消弧板13の
山部13Aに強く吸引されるので、遮断性能の低下は抑
制される。
【0029】実施の形態3.実施の形態3の発明にかか
る可動接触子の斜視図を図9に示す。この実施の形態で
は、第1の片15Aと第2の片15Bからなる例えば鉄
のような磁性体で構成されたアーク誘導板15が可動接
触子6の背面に設けられている。この実施の形態では、
第2の片15Bがアークホーンの役割を果たす。アーク
ホーン(第2の片)15Bの一部が可動接触子の先端か
ら突出し、アークホーン15Bの幅W1が、金属消弧板
13の固定接触子側端の中央部に設けられた2つの山部
13Aの中心間距離W2とほぼ同一となるように構成さ
れている。
【0030】可動接点6Aに発生したアーク12はアー
クホーン15Bに転移するが、先述のようにアークホー
ン15Bの角部15Cに確率的に高く転移する。この実
施の形態では、反固定接触子側に延在し金属消弧板13
に対向するアークホーン15Bが可動接触子6の背面に
設けられ、可動接点全開時に金属消弧板13とアークホ
ーン15Bが対向するように構成され、中央部の2つの
山部13Aの高さが大きく設定され、2つの山部13A
の中心間距離W1がアークホーン15Bの幅W2にほぼ
等しくなるように構成されたことにより、アーク12が
金属消弧板13の山部13Aに強く吸引される。その結
果、アーク12がアークカバー11から離れた位置に形
成されるので、アークカバー11の損傷・劣化を抑制で
きる。これによって、金属消弧板13のアークカバー1
1に近い山部13Bの下端に形成されたアーク12Bに
よるアークカバー11が消耗を抑制できる。従って、電
流を多数回開閉するとアークカバー11に穴が開いて相
間短絡を発生する現象を抑制できる。さらに、アーク熱
によってアークカバー11の表面の炭化が顕著になりア
ークカバー11の表面絶縁抵抗が顕著に低下し遮断不能
になるという現象を抑制できる。本発明では、転流電極
が用いられていないが、先述のようにアーク12が金属
消弧板13の山部13Aに強く吸引されるので、遮断性
能の低下は抑制される。
【0031】実施の形態4.実施の形態4における固定
接触子8の上面図を図10に、断面図を図11に示す。
図11に示すように、実施の形態4では固定接触子の断
面がコの字状であるが、平板状であってもよい。固定接
触子8と隔てて例えば鉄のような磁性体で構成された磁
性体製のアークランナ16が設けられている。このアー
クランナ16は3つの片16A、16B、16Cで構成
されている。アークランナ16は図12のように構成さ
れてもよい。このアークランナ16の一端は固定接触子
8に電気的に接続されており、V字状の溝16Dが設け
られている。固定接点8Aの上に形成されたアーク12
は、磁性体製のアークランナ16および金属消弧板13
によって駆動され、アーク12の足はアークランナ16
に転移する。転移後、アーク12は、アークランナ16
に流れる電流が作る磁場により駆動され、アークランナ
16の表面を走行する。その結果、アークが金属消弧板
13に吸引されるまでの時間が短くなり、アークエネル
ギーが低減されるので、遮断性能が顕著に改善される。
実施の形態4によれば、実施の形態1〜3の効果に加
え、上記のように遮断性能が改善されるという効果も得
られる。
【0032】実施の形態5.この実施の形態において
は、図8に示す実施の形態において可動接触子6の第1
の片6Bと第3の片6Dの境界部6Fは図13に示すよ
うに滑らかに構成されている。その結果、アークの足が
可動接触子6の第1の片6Bと第3の片6Dの境界部6
Fで停滞することなく走行するので、アークが速やかに
第3の片の先端まで駆動されやすくなる。従って、アー
ク時間が短くなり、それに伴いアークエネルギーが低減
し、遮断性能が向上すると共に、接点接合部のロー材が
溶融しにくくなる。ところでアーク12が可動接点表面
に形成されると、接点表面が強く加熱される。多頻度開
閉を行うと、接点表面の加熱と冷却が繰り返し行われ、
接点に強い熱応力が発生する。この状態で接点ロー付け
部がアーク熱によって溶融すると、熱応力によって接点
剥離が発生する。接点剥離が発生すると、アーク12か
ら可動接点6Aに流入する熱が可動接触子6に放散され
にくくなるので、遮断時の接点消耗が顕著に増大すると
いう問題点があったが、この実施の形態では、アークの
足が可動接触子6の第1の片6Bと第3の片6Dの境界
部6Fで膠着する現象を抑制できるので、接点接合部の
ロー材が溶融しにくくなる。従って、接点消耗を顕著に
低減できる。このように、この実施の形態によれば、遮
断性能が優れ、接点消耗が少ない開閉器を得ることがで
きる。実施の形態4によれば、実施の形態1〜3の効果
に加え、遮断性能が優れ、繰り返し遮断時における接点
消耗が少ないという効果も得られる。
【0033】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
固定接触子に接合された固定接点、前記固定接点に接離
する可動接点が接合された可動接触子、前記可動接点開
離方向に立設された磁性体製の金属消弧板を備え、前記
金属消弧板にはその固定接触子側端に複数の山部が設け
られた開閉器において、可動接点全開時に可動接触子と
金属消弧板が対向するように構成され、中央部の2つの
山部の高さが大きく設定され、2つの山部の中心間距離
W1が可動接触子の幅W2にほぼ等しくなるように構成
されたことにより、開閉寿命が長い開閉器を得ることが
できる。
【0034】請求項2の発明によれば、固定接触子に接
合された固定接点、前記固定接点に接離する可動接点が
接合された可動接触子、前記可動接点開離方向に立設さ
れた磁性体製の金属消弧板を備え、前記金属消弧板には
その固定接触子側端に複数の山部が設けられた開閉器に
おいて、反固定接触子側に延在し金属消弧板に対向する
アークホーンが可動接触子の先端に形成され、可動接点
全開時に金属消弧板とアークホーンが対向するように構
成され、中央部の2つの山部の高さが大きく設定され、
2つの山部の中心間距離W1がアークホーンの幅W2に
ほぼ等しくなるように構成されたことにより、開閉寿命
が長い開閉器を得ることができる。
【0035】請求項3の発明によれば、固定接触子に接
合された固定接点、前記固定接点に接離する可動接点が
接合された可動接触子、前記可動接点開離方向に立設さ
れた磁性体製の金属消弧板を備え、前記金属消弧板には
その固定接触子側端に複数の山部が設けられた開閉器に
おいて、磁性体製のアーク誘導板が可動接触子の背面に
設けられ、このアーク誘導板の両端にはアークホーンが
形成され、アークホーンの少なくとも一部は可動接触子
から突出しており、可動接点全開時に金属消弧板とアー
クホーンが対向するように構成され、中央部の2つの山
部の高さが大きく設定され、2つの山部の中心間距離W
1がアークホーンの幅W2にほぼ等しくなるように構成
されたことにより、開閉寿命が長い開閉器を得ることが
できる。
【0036】請求項4の発明によれば、特許請求項第1
〜3項の開閉器において、固定接触子と可動接触子の間
に設けられ、その一端が固定接触子に電気的に接続さ
れ、アーク駆動方向に先細りとなる溝を有するアークラ
ンナが設けられたことにより、開閉寿命が長く、また遮
断性能が優れた開閉器が得られる。
【0037】請求項5の発明にかかる開閉器は、特許請
求項第2〜4項の開閉器において、アークホーンの折り
曲げ部は滑らかに構成されたことにより、開閉寿命が長
く、また接点消耗が少ない開閉器が得られる。
【0038】請求項6の発明によっても開閉寿命が長い
開閉器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による開閉器の部分
断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による開閉器の要部
斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による開閉器の要部
正面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による開閉器の要部
断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による開閉器の要部
斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による開閉器の動作
説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による開閉器の動作
説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による開閉器の要部
斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による開閉器の要部
斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による開閉器の要
部上面図である。
【図11】 この発明の実施の形態4による開閉器の要
部断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態4の変形例の開閉器
の要部断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態5による開閉器の要
部断面図である。
【図14】 従来の開閉器の部分断面図である。
【図15】 従来の開閉器の要部斜視図である。
【図16】 従来の開閉器の要部断面図である。
【図17】 従来の他の開閉器の断面図である。
【図18】 従来の他の開閉器の変形例の断面図であ
る。
【図19】 従来の開閉器の動作説明図である。
【符号の説明】
6 可動接触子、6A 可動接点、6D アークホー
ン、8 固定接触子、8A 固定接点、13 金属消弧
板、13A 金属消弧板13中央部の山部、15アーク
誘導板、15B アークホーン、16 アークランナ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定接触子に接合された固定接点、前記
    固定接点に接離する可動接点が接合された可動接触子、
    前記可動接点開離方向に立設された磁性体製の金属消弧
    板を備え、前記金属消弧板にはその固定接触子側端に複
    数の山部が設けられた開閉器において、可動接点全開時
    に可動接触子と金属消弧板が対向するように構成され、
    中央部の2つの山部の高さが大きく設定され、2つの山
    部の中心間距離W1が可動接触子の幅W2にほぼ等しく
    なるように構成されたことを特徴とする開閉器。
  2. 【請求項2】 固定接触子に接合された固定接点、前記
    固定接点に接離する可動接点が接合された可動接触子、
    前記可動接点開離方向に立設された磁性体製の金属消弧
    板を備え、前記金属消弧板にはその固定接触子側端に複
    数の山部が設けられた開閉器において、反固定接触子側
    に延在し金属消弧板に対向するアークホーンが可動接触
    子の先端に形成され、可動接点全開時に金属消弧板とア
    ークホーンが対向するように構成され、中央部の2つの
    山部の高さが大きく設定され、2つの山部の中心間距離
    W1がアークホーンの幅W2にほぼ等しくなるように構
    成されたことを特徴とする開閉器。
  3. 【請求項3】 固定接触子に接合された固定接点、前記
    固定接点に接離する可動接点が接合された可動接触子、
    前記可動接点開離方向に立設された磁性体製の金属消弧
    板を備え、前記金属消弧板にはその固定接触子側端に複
    数の山部が設けられた開閉器において、磁性体製のアー
    ク誘導板が可動接触子の背面に設けられ、このアーク誘
    導板の両端にはアークホーンが形成され、アークホーン
    の少なくとも一部は可動接触子から突出しており、可動
    接点全開時に金属消弧板とアークホーンが対向するよう
    に構成され、中央部の2つの山部の高さが大きく設定さ
    れ、2つの山部の中心間距離W1がアークホーンの幅W
    2にほぼ等しくなるように構成されたことを特徴とする
    開閉器。
  4. 【請求項4】 固定接触子と可動接触子の間に設けら
    れ、その一端が固定接触子に電気的に接続され、アーク
    駆動方向に先細りとなる溝を有するアークランナが設け
    られたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載
    の開閉器。
  5. 【請求項5】 アークホーンの折り曲げ部は滑らかに構
    成されたことを特徴とする特許請求項2乃至4記載の開
    閉器。
  6. 【請求項6】 固定接点を有する固定接触子と、前記固
    定接点に接離する可動接点を有する可動接触子と、前記
    可動接触子を開位置と閉位置との間で開離動作させる操
    作機構と、前記可動接点の開離動作方向に配設され、そ
    の固定接触子側端から前記固定接触子に向かって延びた
    複数の突部を有する磁性体の金属消弧板と、前記金属消
    弧板をその側縁で支持するアークカバーとを備えた開閉
    器において、前記可動接触子と前記金属消弧板とは前記
    可動接点が前記開位置にあるときに互いに対向するよう
    に配置され、前記消弧板の前記突部のうちの2つの突部
    の先端部は、前記消弧板の側縁から離れかつ前記固定接
    触子のそれぞれの側縁に近接して対応した位置にあるこ
    とを特徴とする開閉器。
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