JPH11353942A - 電力ケーブル - Google Patents

電力ケーブル

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JPH11353942A
JPH11353942A JP16358098A JP16358098A JPH11353942A JP H11353942 A JPH11353942 A JP H11353942A JP 16358098 A JP16358098 A JP 16358098A JP 16358098 A JP16358098 A JP 16358098A JP H11353942 A JPH11353942 A JP H11353942A
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JP
Japan
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power cable
less
weight
carbon black
semiconductive
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Withdrawn
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JP16358098A
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English (en)
Inventor
Makoto Masuda
誠 増田
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性や加工特性が優れ、しかも電力ケ
ーブルの温度が常温から130℃付近までの間で、体積
抵抗率の値が105 Ω-cm 付近にあり、且つ体積抵抗率
の変化幅が小さい半導電層を備えた電力ケーブルを提供
する。 【解決手段】 本発明の電力ケーブルは、シングルサイ
ト触媒を用いて得られた融点100℃以下のエチレン系
樹脂100重量部に対して、ジブチルフタレート吸油量
が100ml/100g乃至160ml/100gの範囲に
あり、且つ比表面積が50m2 /g以下である導電性カ
ーボンブラック50重量部以上100重量部未満を配合
した組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチレン絶縁
層の内側又は外側の少なくとも一方に設けたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力ケーブルに関
し、特に架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルにおいて、
電界集中や部分放電による絶縁破壊を防止するために設
けられる半導電層の性能を改良した電力ケーブルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブル、特に1kV級以上のケー
ブルは絶縁体として架橋ポリエチレン被覆を設けた線心
が用いられており、この線心の外側に金属テープなどの
外部遮蔽層を設けたのち、更に必要に応じて所望の数の
線心を収束して保護被覆などを設けるか、或いは保護被
覆などを設けた線心を更に収束して構成されるのが、そ
の一般的な構造である。このような電力ケーブルにおい
ては、導体表面上での電界集中の緩和や、導体と絶縁層
の間及び絶縁層と外部遮蔽層の間の部分放電の防止のた
めに、絶縁層の内側と外側の少なくとも一方に半導電層
が設けられている。
【0003】こうした半導電層は、体積抵抗率が概ね1
5 Ω-cm 以下であることが要求されるので、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などのポリ
オレフィン系樹脂に、導電性カーボンブラックを配合し
て得た半導電性樹脂組成物を用いて、押出成形により形
成されることが多かった。しかしその一方で、電力ケー
ブルは通電により導体が発熱するために、環境温度より
も高温になるのが普通であり、更に通電量の変化に伴う
導体温度の変化により、半導電層の体積抵抗率が変化す
ることが避けられず、半導電層としての必要な導電性が
得られなくなる場合があった。
【0004】これに対して、半導電層の体積抵抗率の変
化幅を小さくするために、半導電層用組成物中のカーボ
ンブラックの使用量を多くする方法があるが、機械的特
性が低下するばかりでなく押出加工性も低下する欠点が
ある。また温度の上昇に伴う体積抵抗率の上昇を抑制す
るための添加剤として、亜リン酸アルキルエステルなど
を配合する方法が提案されている(特開平4−2557
36号)が、これも押出加工性の低下は免れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような事情におい
て、本発明は機械的特性や加工特性が優れていて、しか
も電力ケーブルの使用時の温度が130℃付近まで上昇
しても、体積抵抗率の値が105 Ω-cm 付近にあって、
且つ体積抵抗率の変化幅が小さい半導電層を備えた電力
ケーブルを提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とができる本発明の電力ケーブルは、シングルサイト触
媒を用いて得られた融点100℃以下のエチレン系樹脂
100重量部に対して、導電性カーボンブラック50重
量部以上100重量部未満を配合した組成物からなる半
導電層を、架橋ポリエチレン絶縁層の内側又は外側の少
なくとも一方に設けたことを特徴とする。
【0007】更に、かかる本発明の電力ケーブルの半導
電層に用いられる導電性カーボンブラックは、ジブチル
フタレート(DBP)吸油量が100ml/100g乃至
160ml/100gの範囲にあり、且つ比表面積が50
2 /g以下であることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の電力ケーブルは、まず図
1に示すような線心を製造し、線心上に遮蔽用金属テー
プや押え巻きテープ等を巻き付けたうえ、所望に応じて
単線で又は複数本を収束して保護被覆を施すか、或いは
保護被覆を施した線心を収束することにより、製造され
る。かかる線心1は、例えば金属導体2の周りに半導電
性樹脂組成物からなる内部半導電層3、次いでその上に
架橋性樹脂組成物からなる絶縁層4、更に必要な場合に
はその上に半導電性樹脂組成物からなる外部半導電層5
を、2層或いは3層の同時押出成形により形成したの
ち、線心の被覆全体を架橋処理することにより得られ
る。
【0009】本発明の電力ケーブルにおいて、内部半導
電層3又は外部半導電層5の少なくも一方、望ましくは
そのいずれもが、シングルサイト触媒を用いて得られた
融点100℃以下のエチレン系樹脂に対して、導電性カ
ーボンブラックを配合した組成物によって形成される。
そして組成物の基材として用いられるエチレン系樹脂
は、一般的にメタロセン触媒に代表されるシングルサイ
ト触媒を用いて、エチレンを主体としたモノマーを重合
することによって得られる直鎖状低密度エチレン系樹脂
である。かかるエチレン系樹脂として、例えばダウ・ケ
ミカル社から“ENGAGE”の商品名で発売されてい
るオレフィン系樹脂や、三井石油化学工業社から“スー
パーポリエチレン”の商品名で発売されている直鎖低密
度ポリエチレン樹脂などが使用できるが、その中でも、
融点が100℃以下のものを選択して使用することが必
要である。融点が100℃を超えるものであるときは、
本発明の目的は達成されない。
【0010】また、上記のようなエチレン系樹脂基材に
配合される導電性カーボンブラックは、例えばアセチレ
ンブラック、ファーネスブラック等の導電性カーボンブ
ラックなどが使用できるが、その中でもDBP吸油量が
100ml/100g乃至160ml/100gの範囲にあ
り、且つ比表面積が50m2 /g以下のものであること
が好適である。DBP吸油量が100ml/100g未満
であると半導電層として必要な導電性が不十分となり、
また160ml/100gを超えると押出加工性が低下
し、押出温度が上昇してスコーチ発生の不安があるの
で、いずれも望ましくない。
【0011】本発明において、半導電性樹脂組成物中の
上記のような導電性カーボンブラックの配合量は、エチ
レン系樹脂基材100重量部に対して、50重量部以上
100重量部未満の範囲であることが必要で、導電性カ
ーボンブラックの配合量がこの範囲より少ないときは、
体積固有抵抗値を105 Ω-cm 以下に保つことが難しく
なり、またこの範囲より多くなると、機械的特性が損な
われるほか、加工性、特に押出加工性が低下するので望
ましくない。また、かかる半導電性樹脂組成物には、必
要に応じて架橋剤、酸化防止剤、加工助剤などを添加す
ることができる。
【0012】また、絶縁層として用いられる樹脂組成物
は、ポリエチレン樹脂基材100重量部に対して、例え
ばジクミルパーオキシド等の有機過酸化物などの熱活性
化架橋剤を、0.1〜5重量部の範囲で添加したものな
どを用いることができる。かかる樹脂組成物には、電気
的特性や機械的特性を損なわない限り、必要に応じて、
酸化防止剤、加工助剤、架橋促進剤などを添加すること
ができるが、絶縁層として被覆された後に架橋すること
により、優れた耐熱性や機械的特性が得られるものであ
る。
【0013】更に、絶縁層の外側に設けられる外部半導
電層も、前記の半導電樹脂組成物を用いて形成すること
ができる。しかし外部半導電層の温度変化が内部半導電
層ほど著しくはない場合には、必ずしも前記の半導電樹
脂組成物を用いて外部半導電層の形成を行う必要はな
く、適宜の半導電樹脂組成物を用いて外部半導電層を形
成することもできる。
【0014】
【実施例】半導電樹脂組成物のための基材樹脂及び導電
性カーボンブラックとして表1に示すものを用意し、ま
た酸化防止剤(AO)として4,4′−チオビス−(t
−ブチル−m−クレゾール)を、架橋剤としてジクミル
パーオキシド(DCP)を用いて、表2に示すような配
合組成を有するペレット状の半導電樹脂組成物a〜lを
それぞれ調製した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】また断面積60mm2 の銅線を導体とし、こ
れに上記の半導電樹脂組成物a〜l、及びポリエチレン
樹脂基材100重量部に対し、架橋剤としてジクミルパ
ーオキシド2重量部を配合した絶縁層用樹脂組成物を用
いて、それぞれ内部半導電層、絶縁層、及び外部半導電
層を押出被覆して、図1の構造を有する電力ケーブルの
線心を得た。そして押出加工の際に、押出温度の上昇に
よるスコーチ現象発生の兆候が、全く認められなかった
ものを○、スコーチの兆候が認められたものを×とし
た。更に、JIS−C3005に記載された試験法に従
い、シェーリングブリッジ法により線心について誘電正
接の値を求め、その値が0.01%以下であるものを誘
電損失が○、それを超えるものを×とした。
【0018】一方、これとは別に上記の半導電樹脂組成
物から厚さ1mmの架橋シートを作成し、ASTM−D9
91の試験法に従って体積抵抗率を測定した。そして室
温での値が105 Ω-cm 以下であるものを○、それを超
えるものを×とした。また、室温から130℃まで温度
を変化させて、温度と体積抵抗率との関係を調べ、体積
抵抗率の最大値と最小値との比率が10倍以下であるも
のを○、10倍を超えるものを×とした。
【0019】更に、JIS−C3005の試験法に従っ
て、3号ダンベル試験片についての引張試験を行い、引
張伸びが200%以上であるものを○、それ未満である
ものを×とした。そしてこれらの評価結果を、表2に併
せて示した。
【0020】表2の結果から、シングルサイト触媒を用
いて得られた融点100℃以下のエチレン系樹脂と、導
電性カーボンブラック、特にDBP吸油量が100ml/
100g乃至160ml/100gの範囲にあり、且つ比
表面積が50m2 /g以下のカーボンブラックとを用
い、導電材料としてのカーボンブラックを、樹脂100
重量部に対して、50重量部以上100重量部未満の範
囲となるよう配合した樹脂組成物で、半導電層を形成し
てなる本発明の電力ケーブルは、機械的特性及び加工特
性が良好であり、且つ大幅に温度が変化しても電気的特
性が安定していることがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明の電力ケーブルは、シングルサイ
ト触媒を用いて得られた融点100℃以下のエチレン系
樹脂と、DBP吸油量と比表面積が特定の範囲内にある
導電性カーボンブラックとを、特定の配合割合で含む樹
脂組成物で半導電層を形成したので、半導電層をスコー
チの恐れがなく容易に押出被覆ができ、また機械的特性
が良好であるうえ、低温から高温までの間で体積抵抗率
の値の変化が少ないほか、誘電損失も小さいという優れ
た電気的特性を持つという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力ケーブルの絶縁線心の構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 線心 2 金属導体 3 内部半導電層 4 絶縁層 5 外部半導電層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルサイト触媒を用いて得られた融
    点100℃以下のエチレン系樹脂100重量部に対し
    て、導電性カーボンブラック50重量部以上100重量
    部未満を配合した組成物からなる半導電層を、架橋ポリ
    エチレン絶縁層の内側又は外側の少なくとも一方に設け
    たことを特徴とする電力ケーブル。
  2. 【請求項2】 導電性カーボンブラックは、ジブチルフ
    タレート吸油量が100ml/100g乃至160ml/1
    00gの範囲にあり、且つ比表面積が50m 2 /g以下
    である、請求項1に記載の電力ケーブル。
JP16358098A 1998-06-11 1998-06-11 電力ケーブル Withdrawn JPH11353942A (ja)

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Effective date: 20050906