JP2000040419A - 高圧電力ケーブル - Google Patents
高圧電力ケーブルInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電力ケーブルとしての機械的特性を損なうこと
なく、押出成形する際の加工性が良好で、絶縁層の架橋
時に高温熱処理を行っても絶縁層との剥離性が優れた半
導電層を備えた高圧電力ケーブルを提供する。 【解決手段】本発明の高圧電力ケーブルは、アクリル酸
エステル単位の共重合量が３０重量％以上であるエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合樹脂１００重量部に対し
て、単位粒子径が４０nm以上、比表面積が６０ｍ2 ／ｇ
以下、ジブチルフタレート吸油量が１４０ml／１００ｇ
以上である導電性カーボンブラックを５０〜１００重量
部含有する組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチレ
ン絶縁層の外側又は内側に設けたことを特徴とする。
なく、押出成形する際の加工性が良好で、絶縁層の架橋
時に高温熱処理を行っても絶縁層との剥離性が優れた半
導電層を備えた高圧電力ケーブルを提供する。 【解決手段】本発明の高圧電力ケーブルは、アクリル酸
エステル単位の共重合量が３０重量％以上であるエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合樹脂１００重量部に対し
て、単位粒子径が４０nm以上、比表面積が６０ｍ2 ／ｇ
以下、ジブチルフタレート吸油量が１４０ml／１００ｇ
以上である導電性カーボンブラックを５０〜１００重量
部含有する組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチレ
ン絶縁層の外側又は内側に設けたことを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は高圧電力ケーブルに
関し、特に架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルにおい
て、電界集中による絶縁破壊を防止するために設けられ
る半導電層とポリエチレン絶縁層との剥離性能を改良し
た高圧電力ケーブルに関する。
関し、特に架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルにおい
て、電界集中による絶縁破壊を防止するために設けられ
る半導電層とポリエチレン絶縁層との剥離性能を改良し
た高圧電力ケーブルに関する。
【０００２】
【従来の技術】電力ケーブル、特に６ｋＶ級以上の高圧
ケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレン被覆を設け
た線心が用いられている。この線心は、例えば図１に示
すような構造、即ち金属導体１の周りに半導電性樹脂組
成物を押出被覆して内部半導電層２を形成し、次いでそ
の上に架橋性ポリエチレン樹脂組成物を押出被覆して絶
縁層３を形成し、更にその上に半導電性樹脂組成物を押
出被覆して外部半導電層４を形成したのち、高温に加熱
処理して絶縁層３の樹脂組成物を架橋した構造を有して
いる。そしてこの線心上に金属テープ等を巻き付けて遮
蔽層５を形成し、所望に応じて単線で又は複数本を収束
してシース６を被覆して、高圧電力ケーブルとするのが
普通である。
ケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレン被覆を設け
た線心が用いられている。この線心は、例えば図１に示
すような構造、即ち金属導体１の周りに半導電性樹脂組
成物を押出被覆して内部半導電層２を形成し、次いでそ
の上に架橋性ポリエチレン樹脂組成物を押出被覆して絶
縁層３を形成し、更にその上に半導電性樹脂組成物を押
出被覆して外部半導電層４を形成したのち、高温に加熱
処理して絶縁層３の樹脂組成物を架橋した構造を有して
いる。そしてこの線心上に金属テープ等を巻き付けて遮
蔽層５を形成し、所望に応じて単線で又は複数本を収束
してシース６を被覆して、高圧電力ケーブルとするのが
普通である。
【０００３】このような電力ケーブルにおける半導電層
は、導体表面上での電界集中の緩和や、導体と絶縁層の
間及び絶縁層と外部遮蔽層の間の部分放電の防止のため
に、絶縁層の内側と外側とに設けられているものである
が、半導電層の体積抵抗率は概ね１０5 Ω-cm 以下であ
ることが要求されるので、ポリオレフィン系樹脂に導電
性カーボンブラックを配合して得た半導電性樹脂組成物
を用いて、押出成形により形成されることが多い。
は、導体表面上での電界集中の緩和や、導体と絶縁層の
間及び絶縁層と外部遮蔽層の間の部分放電の防止のため
に、絶縁層の内側と外側とに設けられているものである
が、半導電層の体積抵抗率は概ね１０5 Ω-cm 以下であ
ることが要求されるので、ポリオレフィン系樹脂に導電
性カーボンブラックを配合して得た半導電性樹脂組成物
を用いて、押出成形により形成されることが多い。
【０００４】また電力ケーブルは、電力設備等と接続す
るに際して端末の外部半導電層を絶縁層から剥離する作
業が必要であるため、半導電層と絶縁層との接着強度が
大き過ぎると、半導電層を剥離する際に絶縁層を傷つけ
たり、端末処理作業の能率を低下させたりする恐れがあ
るので、好ましくない。そこで半導電層を形成するため
の樹脂組成物は、基材としてポリエチレン絶縁層と相溶
性が大きくないポリオレフィン系樹脂、例えばエチレン
−酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）などの樹脂が用いられ
ている。
るに際して端末の外部半導電層を絶縁層から剥離する作
業が必要であるため、半導電層と絶縁層との接着強度が
大き過ぎると、半導電層を剥離する際に絶縁層を傷つけ
たり、端末処理作業の能率を低下させたりする恐れがあ
るので、好ましくない。そこで半導電層を形成するため
の樹脂組成物は、基材としてポリエチレン絶縁層と相溶
性が大きくないポリオレフィン系樹脂、例えばエチレン
−酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）などの樹脂が用いられ
ている。
【０００５】ところでポリエチレン絶縁層は、押出成形
により形成されたのち、例えば３００℃以上の高温条件
下で架橋させるので、その際に半導電層も高温に曝され
る結果、ＥＶＡをベース樹脂として用いた半導電層は熱
分解を起こし易く、外部遮蔽層を構成する金属テープを
変色させるなどの欠点がある。そこでポリオレフィン系
樹脂の中でもより熱分解を起こし難い、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体を半導電層のベース樹脂として
用いようとすると、絶縁層との剥離性が不十分となる問
題がある。
により形成されたのち、例えば３００℃以上の高温条件
下で架橋させるので、その際に半導電層も高温に曝され
る結果、ＥＶＡをベース樹脂として用いた半導電層は熱
分解を起こし易く、外部遮蔽層を構成する金属テープを
変色させるなどの欠点がある。そこでポリオレフィン系
樹脂の中でもより熱分解を起こし難い、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体を半導電層のベース樹脂として
用いようとすると、絶縁層との剥離性が不十分となる問
題がある。
【０００６】そこで、絶縁層と半導電層との剥離性を高
めるために、ポリエチレン絶縁層の架橋度を低く抑える
などの手段を取ると、絶縁層の機械的特性が低下する問
題があり、又半導電層用の樹脂組成物中に剥離性を付与
するための添加剤を加える、多量の粉末充填剤を添加す
る、或いは半導電性を損なわない程度にカーボンブラッ
クの添加量を増加するなどの手段を取ると、何れも押出
成形加工性や機械的特性が低下し、電力ケーブルの品質
を維持することが困難となる問題があった。
めるために、ポリエチレン絶縁層の架橋度を低く抑える
などの手段を取ると、絶縁層の機械的特性が低下する問
題があり、又半導電層用の樹脂組成物中に剥離性を付与
するための添加剤を加える、多量の粉末充填剤を添加す
る、或いは半導電性を損なわない程度にカーボンブラッ
クの添加量を増加するなどの手段を取ると、何れも押出
成形加工性や機械的特性が低下し、電力ケーブルの品質
を維持することが困難となる問題があった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】このような事情におい
て、本発明は、電力ケーブルとしての機械的特性を損な
うことなく、押出成形する際の加工性が良好で、絶縁層
の架橋時に高温熱処理を行っても絶縁層との剥離性が優
れた半導電層を備えた高圧電力ケーブルを提供すること
を目的とした。
て、本発明は、電力ケーブルとしての機械的特性を損な
うことなく、押出成形する際の加工性が良好で、絶縁層
の架橋時に高温熱処理を行っても絶縁層との剥離性が優
れた半導電層を備えた高圧電力ケーブルを提供すること
を目的とした。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とができる本発明の高圧電力ケーブルは、アクリル酸エ
ステル単位の共重合量が３０重量％以上であるエチレン
−アクリル酸エステル共重合樹脂１００重量部に対し
て、単位粒子径が４０nm以上、比表面積が６０ｍ 2 ／ｇ
以下、ジブチルフタレート吸油量が１４０ml／１００ｇ
以上である導電性カーボンブラックを５０〜１００重量
部含有する組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチレ
ン絶縁層の外側又は内側に設けたことを特徴とする。
とができる本発明の高圧電力ケーブルは、アクリル酸エ
ステル単位の共重合量が３０重量％以上であるエチレン
−アクリル酸エステル共重合樹脂１００重量部に対し
て、単位粒子径が４０nm以上、比表面積が６０ｍ 2 ／ｇ
以下、ジブチルフタレート吸油量が１４０ml／１００ｇ
以上である導電性カーボンブラックを５０〜１００重量
部含有する組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチレ
ン絶縁層の外側又は内側に設けたことを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明の高圧電力ケーブルにおい
て、外部又は内部半導電層の少なくも一方、望ましくは
そのいずれもが、特定のポリオレフィン系樹脂、即ちア
クリル酸エステル単位の共重合量が３０重量％以上であ
るエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂をベース樹
脂とし、その１００重量部に対して、特定の性状を有す
る導電性カーボンブラックを、１０〜１００重量部配合
した組成物によって形成される。かかるポリオレフィン
系樹脂としては、例えば三井・デュポン化学社から“Ｅ
ＶＡＦＬＥＸ−ＥＥＡ”の商品名で販売されているエチ
レン−アクリル酸エチル共重合体（ＥＥＡ）や、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体（ＥＭＡ）などの樹脂か
ら、選択して使用することができる。
て、外部又は内部半導電層の少なくも一方、望ましくは
そのいずれもが、特定のポリオレフィン系樹脂、即ちア
クリル酸エステル単位の共重合量が３０重量％以上であ
るエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂をベース樹
脂とし、その１００重量部に対して、特定の性状を有す
る導電性カーボンブラックを、１０〜１００重量部配合
した組成物によって形成される。かかるポリオレフィン
系樹脂としては、例えば三井・デュポン化学社から“Ｅ
ＶＡＦＬＥＸ−ＥＥＡ”の商品名で販売されているエチ
レン−アクリル酸エチル共重合体（ＥＥＡ）や、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体（ＥＭＡ）などの樹脂か
ら、選択して使用することができる。
【００１０】また、上記のようなポリオレフィン系樹脂
基材に配合される導電性カーボンブラックは、例えばア
セチレンブラック、ファーネスブラック等の導電性カー
ボンブラックなどが使用できるが、その中でも単位粒子
径が４０nm以上であり、比表面積が６０ｍ2 ／ｇ以下で
あって、且つジブチルフタレート（ＤＢＰ）吸油量が１
４０ml／１００ｇ以上のものである。このような性状を
備えていない導電性カーボンブラックでは、架橋ポリエ
チレン樹脂絶縁層との剥離強度が低くならない。
基材に配合される導電性カーボンブラックは、例えばア
セチレンブラック、ファーネスブラック等の導電性カー
ボンブラックなどが使用できるが、その中でも単位粒子
径が４０nm以上であり、比表面積が６０ｍ2 ／ｇ以下で
あって、且つジブチルフタレート（ＤＢＰ）吸油量が１
４０ml／１００ｇ以上のものである。このような性状を
備えていない導電性カーボンブラックでは、架橋ポリエ
チレン樹脂絶縁層との剥離強度が低くならない。
【００１１】本発明において、半導電性樹脂組成物中の
上記のような導電性カーボンブラックの配合量は、上記
のようなエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂基材
１００重量部に対して５０〜１００重量部の範囲である
ことが必要で、導電性カーボンブラックの配合量がこの
範囲より少ないときは、体積固有抵抗値を１０5 Ω-cm
以下に保つことが難しくなり、またこの範囲より多くな
ると、機械的特性が損なわれるほか、加工性、特に押出
加工性が低下するので望ましくない。また、かかる半導
電性樹脂組成物には、必要に応じて架橋剤、酸化防止
剤、加工助剤などを添加することができる。
上記のような導電性カーボンブラックの配合量は、上記
のようなエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂基材
１００重量部に対して５０〜１００重量部の範囲である
ことが必要で、導電性カーボンブラックの配合量がこの
範囲より少ないときは、体積固有抵抗値を１０5 Ω-cm
以下に保つことが難しくなり、またこの範囲より多くな
ると、機械的特性が損なわれるほか、加工性、特に押出
加工性が低下するので望ましくない。また、かかる半導
電性樹脂組成物には、必要に応じて架橋剤、酸化防止
剤、加工助剤などを添加することができる。
【００１２】また、絶縁層を形成するに用いられる樹脂
組成物は、ポリエチレン樹脂基材１００重量部に対し
て、例えばジクミルパーオキシド等の有機過酸化物など
の熱活性化架橋剤を、０．１〜５重量部の範囲で添加し
たものなどを用いることができる。かかる樹脂組成物に
は、電気的特性や機械的特性を損なわない限り、必要に
応じて、酸化防止剤、加工助剤、架橋促進剤などを添加
することができるが、絶縁層として押出した後に加熱し
て架橋することにより、優れた耐熱性や機械的特性が得
られるものである。
組成物は、ポリエチレン樹脂基材１００重量部に対し
て、例えばジクミルパーオキシド等の有機過酸化物など
の熱活性化架橋剤を、０．１〜５重量部の範囲で添加し
たものなどを用いることができる。かかる樹脂組成物に
は、電気的特性や機械的特性を損なわない限り、必要に
応じて、酸化防止剤、加工助剤、架橋促進剤などを添加
することができるが、絶縁層として押出した後に加熱し
て架橋することにより、優れた耐熱性や機械的特性が得
られるものである。
【００１３】
【実施例】半導電樹脂組成物のための基材樹脂及び導電
性カーボンブラックとして表１に示すものを用意し、ま
た酸化防止剤（ＡＯ）として４，４′−チオビス−（６
−ｔ−ブチル−ｍ−クレゾール）を、架橋剤としてジク
ミルパーオキシド（ＤＣＰ）を用いて、表２に示すよう
な配合組成を有するペレット状の半導電樹脂組成物ａ〜
ｊをそれぞれ調製した。
性カーボンブラックとして表１に示すものを用意し、ま
た酸化防止剤（ＡＯ）として４，４′−チオビス−（６
−ｔ−ブチル−ｍ−クレゾール）を、架橋剤としてジク
ミルパーオキシド（ＤＣＰ）を用いて、表２に示すよう
な配合組成を有するペレット状の半導電樹脂組成物ａ〜
ｊをそれぞれ調製した。
【００１４】
【表１】基材樹脂 ＥＥＡ１：三井・デュポン化学、ＥＶＡＦＬＥＸ−ＥＥ
Ａ，Ａ−７０９（アクリル酸エチル共重合量＝３５重量
％） ＥＥＡ２：三井・デュポン化学、ＥＶＡＦＬＥＸ−ＥＥ
Ａ，Ａ−７０４（アクリル酸エチル共重合量＝２５重量
％） ＥＶＡ： 三井・デュポン化学、ＥＶＡＦＬＥＸ，Ｐ−
３３０９（酢酸ビニル共重合量＝３３重量％）導電性カーボンブラック ＣＢ１：単位粒子径=40nm, 比表面積=58m2/g, DBP吸油
量=168ml/100g ＣＢ２：単位粒子径=30nm, 比表面積=254m2/g,DBP吸油
量=174ml/100g ＣＢ３：単位粒子径=27nm, 比表面積=80m2/g, DBP吸油
量=215ml/100g ＣＢ４：単位粒子径=38nm, 比表面積=49m2/g, DBP吸油
量=133ml/100g
Ａ，Ａ−７０９（アクリル酸エチル共重合量＝３５重量
％） ＥＥＡ２：三井・デュポン化学、ＥＶＡＦＬＥＸ−ＥＥ
Ａ，Ａ−７０４（アクリル酸エチル共重合量＝２５重量
％） ＥＶＡ： 三井・デュポン化学、ＥＶＡＦＬＥＸ，Ｐ−
３３０９（酢酸ビニル共重合量＝３３重量％）導電性カーボンブラック ＣＢ１：単位粒子径=40nm, 比表面積=58m2/g, DBP吸油
量=168ml/100g ＣＢ２：単位粒子径=30nm, 比表面積=254m2/g,DBP吸油
量=174ml/100g ＣＢ３：単位粒子径=27nm, 比表面積=80m2/g, DBP吸油
量=215ml/100g ＣＢ４：単位粒子径=38nm, 比表面積=49m2/g, DBP吸油
量=133ml/100g
【００１５】断面積６０mm2 の銅線導体に対して、上記
の半導電樹脂組成物ａ〜ｊ、及びポリエチレン樹脂基材
１００重量部に対し、架橋剤としてジクミルパーオキシ
ド２重量部を配合した絶縁層用樹脂組成物を用いて、そ
れぞれ内部半導電層、絶縁層、外部半導電層の順に押出
被覆した。そして、このときの線心の外観を観察し、半
導電層の表面が滑らかに押出しできたか否かを調べ、押
出加工性を〇、△、及び×の３段階で評価した。
の半導電樹脂組成物ａ〜ｊ、及びポリエチレン樹脂基材
１００重量部に対し、架橋剤としてジクミルパーオキシ
ド２重量部を配合した絶縁層用樹脂組成物を用いて、そ
れぞれ内部半導電層、絶縁層、外部半導電層の順に押出
被覆した。そして、このときの線心の外観を観察し、半
導電層の表面が滑らかに押出しできたか否かを調べ、押
出加工性を〇、△、及び×の３段階で評価した。
【００１６】次いで、これらの線心を約３００℃に調整
した加熱架橋装置内を約３分間で通過させて架橋処理
し、外径２３mmであって図１の構造を有する高圧電力ケ
ーブルの線心を得た。そして、これらの架橋線心からそ
れぞれ約４０cm長の線心試料を切り取り、ＡＥＩＣ規格
に記載された方法に従って、その一方端部から外部半導
電層に１２．７mmの間隔を保って長さ方向に２本の切れ
目を入れ、切れ目に挟まれた外部半導電層を線心の端部
から適当な長さとなるように剥ぎ取り、その部分を引張
試験機のクランプに取り付けて、引張速度５００mm／分
で試料の長さ方向に対して垂直方向に引張って剥ぎ取
り、その剥離強度（kgf ）を測定した。
した加熱架橋装置内を約３分間で通過させて架橋処理
し、外径２３mmであって図１の構造を有する高圧電力ケ
ーブルの線心を得た。そして、これらの架橋線心からそ
れぞれ約４０cm長の線心試料を切り取り、ＡＥＩＣ規格
に記載された方法に従って、その一方端部から外部半導
電層に１２．７mmの間隔を保って長さ方向に２本の切れ
目を入れ、切れ目に挟まれた外部半導電層を線心の端部
から適当な長さとなるように剥ぎ取り、その部分を引張
試験機のクランプに取り付けて、引張速度５００mm／分
で試料の長さ方向に対して垂直方向に引張って剥ぎ取
り、その剥離強度（kgf ）を測定した。
【００１７】またこれらの架橋線心に厚さ０．１mm、幅
２．５cmの銅のテープを巻付けて遮蔽層を形成し、気温
６０℃、湿度９０％の環境中に３０日間放置した後、遮
蔽テープを剥離して変色の有無を調べ、変色の無いもの
を〇、変色が認められたものを×とした。
２．５cmの銅のテープを巻付けて遮蔽層を形成し、気温
６０℃、湿度９０％の環境中に３０日間放置した後、遮
蔽テープを剥離して変色の有無を調べ、変色の無いもの
を〇、変色が認められたものを×とした。
【００１８】一方、これとは別に上記の半導電樹脂組成
物から厚さ１mmの架橋シートを作成し、ＡＳＴＭ−Ｄ９
９１の試験法に従って体積抵抗率を測定した。そして室
温での値が１０5 Ω-cm 以下であるものを○、それを超
えるものを×とした。そしてこれらの評価結果を、表２
に併せて示した。
物から厚さ１mmの架橋シートを作成し、ＡＳＴＭ−Ｄ９
９１の試験法に従って体積抵抗率を測定した。そして室
温での値が１０5 Ω-cm 以下であるものを○、それを超
えるものを×とした。そしてこれらの評価結果を、表２
に併せて示した。
【００１９】
【表２】
【００２０】表２の結果から、特定の性状を有するエチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂基材と、特定の性
状を有する導電性カーボンブラックとを用いて形成され
た半導電層を有する本発明の高圧電力ケーブルは、絶縁
層からの半導電層の剥離性が良好であり、しかも品質上
の欠点が発生しないことがわかる。
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂基材と、特定の性
状を有する導電性カーボンブラックとを用いて形成され
た半導電層を有する本発明の高圧電力ケーブルは、絶縁
層からの半導電層の剥離性が良好であり、しかも品質上
の欠点が発生しないことがわかる。
【００２１】
【発明の効果】本発明の高圧電力ケーブルは、アクリル
酸エステル単位の共重合量が３０重量％以上であるエチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂１００重量部に対
して、単位粒子径が４０nm以上、比表面積が６０ｍ2 ／
ｇ以下、ジブチルフタレート吸油量が１４０ml／１００
ｇ以上である導電性カーボンブラックを５０〜１００重
量部含有する組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチ
レン絶縁層の外側又は内側に設けたものであり、半導電
層の剥離強度が低くなるので、ポリエチレン絶縁被覆層
の架橋温度を高めて架橋処理時間を短縮することがで
き、機械的特性を損なうことなく生産性を向上させるこ
とが可能となった。
酸エステル単位の共重合量が３０重量％以上であるエチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂１００重量部に対
して、単位粒子径が４０nm以上、比表面積が６０ｍ2 ／
ｇ以下、ジブチルフタレート吸油量が１４０ml／１００
ｇ以上である導電性カーボンブラックを５０〜１００重
量部含有する組成物からなる半導電層を、架橋ポリエチ
レン絶縁層の外側又は内側に設けたものであり、半導電
層の剥離強度が低くなるので、ポリエチレン絶縁被覆層
の架橋温度を高めて架橋処理時間を短縮することがで
き、機械的特性を損なうことなく生産性を向上させるこ
とが可能となった。
【図１】高圧電力ケーブルの絶縁線心の構造を示す断面
図である。
図である。
１ 金属導体 ２ 内部半導電層 ３ 絶縁層 ４ 外部半導電層 ５ 遮蔽層 ６ シース
Claims (1)
- 【請求項１】 アクリル酸エステル単位の共重合量が３
０重量％以上であるエチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂１００重量部に対して、単位粒子径が４０nm以
上、比表面積が６０ｍ2 ／ｇ以下、ジブチルフタレート
吸油量が１４０mg/100ｇ以上である導電性カーボンブラ
ックを５０〜１００重量部含有する組成物からなる半導
電層を、架橋ポリエチレン絶縁層の外側又は内側に設け
たことを特徴とする高圧電力ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10208956A JP2000040419A (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 高圧電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10208956A JP2000040419A (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 高圧電力ケーブル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000040419A true JP2000040419A (ja) | 2000-02-08 |
Family
ID=16564942
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10208956A Pending JP2000040419A (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 高圧電力ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000040419A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102867589A (zh) * | 2012-09-07 | 2013-01-09 | 江苏东峰电缆有限公司 | 一种中压耐火电力电缆 |
| CN102867591A (zh) * | 2012-09-27 | 2013-01-09 | 无锡市长城电线电缆有限公司 | 一种高强度中压电力电缆 |
-
1998
- 1998-07-24 JP JP10208956A patent/JP2000040419A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102867589A (zh) * | 2012-09-07 | 2013-01-09 | 江苏东峰电缆有限公司 | 一种中压耐火电力电缆 |
| CN102867591A (zh) * | 2012-09-27 | 2013-01-09 | 无锡市长城电线电缆有限公司 | 一种高强度中压电力电缆 |
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