JP2724494B2 - 半導電性組成物、及び電力ケーブルの剥離性外部半導電層 - Google Patents

半導電性組成物、及び電力ケーブルの剥離性外部半導電層

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【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、架橋ポリエチレン電力ケーブルの電線被覆
材として用いられる半導電層に係り、特に、剥離性に極
めて優れ、かつ、良好な機械的物性及び押出成形加工性
の優れた半導電性組成物、及び、ナイフ、専用工具等で
剥離誘導溝を付けることなく、任意の方向に引き裂きな
がら剥離することができ、剥離作業性を向上すると共に
接続及び端末処理部の電気的信頼性を向上することので
きる電力ケーブルの剥離性外部半導電層に関する。
【従来の技術】
近年、合成樹脂を用いて被覆する絶縁電線が多くなっ
てきている。このような絶縁材の使用目的は、構造材と
しての目的を兼ねている場合も多いが、導体から電気的
に絶縁する点に主眼が置かれている。しかし、電気的絶
縁が優れていても耐熱性が悪かったり、加工がしにくか
ったり、価格が高くなってしまったり、施工の作業性が
悪くなってしまっては絶縁材としての使用に耐えなくな
ってしまう。このため、絶縁材料としては、電気的特性
が良好であることは勿論のこと、この電気的特性が良好
であることに加えて材料力学的な強さや耐熱性、加工の
し易さ、価格、施工のし易さなどが選択の重要な基準と
なっている。 そこで、一般に、架橋ポリエチレン電力ケーブル100
は、第4図に示す如く導体110の上に内部半導電層120を
被覆し、その上に絶縁体130を被覆し、この絶縁体130の
上に外部半導電層140を被覆して構成されている。この
架橋ポリエチレン電力ケーブル100の外部半導電層140
は、従来のテープ型に代わって押出被覆型が採られてい
る。このように外部半導電層140が押出被覆されるの
は、絶縁体130と外部半導電層140の界面を平滑にすると
共に密着させて電力ケーブル100の耐電圧特性を向上さ
せるためである。 しかし、この押出被覆による外部半導体電層140は、
電力ケーブル100の接続及び端末処理作業を行うに当た
って絶縁体130から容易に剥ぎ取れることが要求される
場合がある。このため、近年では、この外部半導電層14
0と絶縁体130との剥離強度(接着強度)を低下させる研
究が行われている。そして、日本国内においては、外部
半導電層の剥離強度は、ユーザー規格としては、例え
ば、4kg f/12.7mm以下が要求されている。 この外部半導体電層140と絶縁体130との剥離に当たっ
ては、従来、電力ケーブル200の接続及び端末処理する
に際し、第2図に示すような電力ケーブル200の外部半
導電層210にナイフあるいは専用の工具によって螺旋状
の剥離誘導溝220を設け、この螺旋状の剥離誘導溝220に
沿って外部半導電層210を剥ぎ取る方法、あるいは電力
ケーブル200の接続及び端末処理するに際し、第3図に
示すような電力ケーブル300の外部半導電層310にケーブ
ル長手方向にナイフ等の工具によって2条以上の直線状
の剥離誘導溝320を設け、この直線状の剥離誘導溝320に
沿って外部半導電層310を剥ぎ取る方法が採られてい
る。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の剥ぎ取り方法によったのでは、
ナイフ等の工具によって剥離誘導溝220、320を付ける際
に、ナイフ等の工具が誤って外部半導体層210、310を通
りぬけ絶縁体230、330に達することがあり、絶縁体23
0、330にナイフ等の工具が達することによって、絶縁体
230、330に傷を付けることがある。この絶縁体230、330
に傷をつけると、その傷が電力ケーブル200、300の欠陥
となり、電力ケーブル200、300の接続及び端末処理部の
電気的信頼性を著しく損なうという問題点を有してい
る。 また、従来の剥ぎ取り方法によったのでは、剥離誘導
溝220、320を付ける際に、ナイフ等の工具を必要とし、
常時ナイフ等の工具を具えていなければならず、電力ケ
ーブル200、300の接続及び端末処理作業は悪条件の下で
行われることも多く、ナイフ等の工具によって剥離誘導
溝220、320を付けることが困難性を極め作業性が著しく
悪いという問題点を有している。 本発明は、剥離性に極めて優れ、かつ、良好な機械的
物性及び押出成形加工性の優れた半導電性組成物を提供
することを目的としている。 また、本発明は、ナイフ、専用工具等で剥離誘導溝を
付けることなく、任意の方向に引き裂きながら剥離する
ことができ、剥離作業性を向上すると共に接続及び端末
処理部の電気的信頼性を向上することのできる電力ケー
ブルの剥離性外部半導体層を提供することを目的として
いる。
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン
共重合体樹脂100重量部に対して、平均粒子径26〜52mμ
でDBP吸油量100〜150ml/100gのファーネスブラックを40
〜80重量部、並びに平均粒子径200mμ以上でDBP吸油量2
0〜50ml/100gのサーマルブラックを20〜80重量部配合し
て構成したものである。このファーネスブロックは、合
成樹脂組成物に導電性を付与し、半導電性化する役割を
果たしている。そして、このファーネスブラックとして
は、例えば、HAF:High Abrasion Furnace Black(平均
粒子径26〜30mμ)、MAF:Medium Abrasion Furnace Bla
ck(平均粒子径30〜35mμ)、FET:Fast Extruding Furn
ace Black(平均粒子径40〜52mμ)等がある。また、サ
ーマルブラックは、合成樹脂組成物に引き裂き剥ぎ取り
性を付与する役割を果たしている。そして、サーマルブ
ラックとしては、例えば、MT:Medium Thermal Black
(平均粒子径200mμ以上)がある。 なお、この半導電性組成物には、必要に応じ、架橋
剤、アミン系(例えば、ポリメライズド2、2、4−ト
リメチル−1、2−ジハイドロキノリン)やフェノール
系(例えば、4、4′−チオビス(6−tert−ブチル−
m−クレゾール)などの老化防止剤、滑剤などが添加さ
れる。 また、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
エチレン共重合体樹脂100重量部に対して、平均粒子径2
6〜52mμでDBP吸油量100〜150ml/100gのファーネスブラ
ックを40〜80重量部、並びに平均粒子径200mμ以上、DB
P吸油量20〜50ml/100gのサーマルブラックを20〜80重量
部からなる半導電精組成物によって構成した電力ケーブ
ルの剥離性外部半導電層である。このファーネスブラッ
ク及びサーマルブラックは、前記ファーネスブラック及
びサーマルブラックと同様である。このように、導電性
付与のためのカーボンブラックとして特定のファーネス
ブラックを用い、これに加えて適当量のサーマルブラッ
クを添加することによって、引き裂き性を付加したのが
本発明の組成である。 通常、カーボンブラツクのような充填物を多量添加す
ると、溶融粘度が上昇し、押出し成形性が悪化すると共
に機械的物性も低下する。特に架橋性組成物の場合、溶
融粘度の上昇は、早期架橋(スコーチ)を引き起こす要
因ともなる。また、一般に、カーボンブラックは、粒子
径が小さいほど、また、ストラクチャーが発達している
(DBP吸油量が大きい)程、導電性付与の働きは高い
が、逆に、押出し成形性の悪化、並びに機械的物性の低
下に対する影響は大きい。そこで、本発明の組成では、
溶融粘度の上昇を最小限に抑えることを目的に、平均粒
子径を特定し、(26〜52mμ)かつDBP吸油量を100〜150
ml/100gに限定したファーネスブラック〔普通は、導電
性カーボンブラック(CF:Conduotive Furnace Black)
の範疇に入らないHAF、MAF、FEF等があてはまる〕を用
い、これに引き裂き剥ぎ取り性の特長を付加するための
充填物として平均粒子径が大きく(200mμ以上)、DBP
吸油量が少ない(20〜50ml/100g)サーマルブラックを
適当量添加している。このようなサーマルブラックの添
加によって、押出し成形性並びにその他(引き裂き性以
外)の機械的物性(例えば、引っ張り伸び値、脆化温度
など)を悪化、低下させることなく、引き裂き剥ぎ取り
性のみを付加することができることになる。なお、サー
マルブラック以外の充填物添加による引き裂き剥ぎ取り
性付加も考えられるが、例えば、単に導電性付与カーボ
ンブラックの増量やサーマルブラック以外のカーボンブ
ラック添加では、上記の押出し加工性の悪化、低下が問
題となり、また、カーボンブラック以外の無機充填物
(炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム:クレー、含水
ケイ酸マグネシウム:タルクなど)も考えられるが、こ
れらは、プラスチック絶縁電力ケーブルの半導電層に要
求される半導電層押出し表面(絶縁体界面)の平滑性に
悪影響(界面突起形成の惹起)を及ぼすため実用的では
ないといえる。
【作用】
上記のように構成される半導電性組成物にあっては、
エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体樹脂
100重量部に対して、平均粒子径26〜52μm、DBP吸油量
100〜150ml/100gのファーネスブラックを40〜80重量
部、並びに平均粒子径200mμ以上、DBP吸油量20〜50ml/
100gのサーマルブラックを20〜80重量部配合しているた
め、剥離性を向上し、かつ、良好な機械的物性及び押出
成形加工性を得ることができる。 また、従来の外部半導電層は、剥ぎ取るに際し、外部
半導体電層の表面に絶縁体に達しないように細心の注意
を払いながらナイフあるいは特殊な専用工具を使って引
き裂きを容易にするための溝を付け、この溝に沿って残
りの外部半導電層を引き裂きながら絶縁体から剥ぎ取っ
ていく。ところが、もし、この溝(傷)を付けないと、
引き裂き方向がままならず、ケーブル全周に渡って施さ
れている外部半導電層は、連続して剥き取っていくこと
が不可能である。そこで、この本発明は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体樹脂100重量部
に対して、平均粒子径26〜52mμ、DBP吸油量100〜150ml
/100gのファーネスブラックを40〜80重量部、並びに平
均粒子径200mμ以上、DBP吸油量20〜50ml/100gのサーマ
ルブラックを20〜80重量部配合しているため、剥離性外
部半導電層の引き裂き特性を改善し、接続及び端末処理
の作業性と信頼性(安全性)を向上することができ、剥
離性外部半導電層の剥ぎ取りに先立ち、絶縁体を傷つけ
る心配のあるナイフ、あるいは専用工具によって剥離誘
導溝を付ける作業をなくすことができる。したがって、
第1図に示される如き導体2に内部半導電層3を被覆
し、さらにこの内部半導電層3の上に絶縁体4を被覆
し、この絶縁体4の上に剥離性外部半導電層5を被覆し
てなる電力ケーブル1の剥離性外部半導電層5は、従来
のような剥離(引き裂き)誘導溝(傷)を付けなくと
も、第1図図示矢印Aに示す如く螺旋方向に任意の幅で
連続して剥ぎ取っていくことができる。この引き裂き剥
離に要する力は、作業者の手の力だけで充分である。
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。 本実施例において基本となる半導電性組成物は、エチ
レン酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体樹脂100
重量部に対して、平均粒子径26〜52mμ、DBP吸油量100
〜150ml/100gのファーネスブラックを40〜80重量部、並
びに平均粒子径200mμ以上、DBP吸油量20〜50ml/100gの
サーマルブラックを20〜80重量部配合したものである。 また、本実施例において基本となる電力ケーブルの剥
離性外部半導電層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のエチレン共重合体樹脂100重量部に対して、平均粒子
径26〜52mμ、DBP吸油量100〜150ml/100gのファーネス
ブラックを40〜80重量部、並びに平均粒子径200mμ以
上、DBP吸油量20〜50ml/100gのサーマルブラックを20〜
80重量部配合してなる半導電精組成物によって構成した
ものである。 本実施例においては、第1表に掲げる各種組成につい
て実際のケーブル試作(6KV−CV 100mm2、280℃乾式架
橋)を行って、実施例、比較例の特性評価を行った。 以下に本発明の具体的実施例について比較例と対比し
て説明する。 実施例1 本実施例では、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体
的には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバ
フレックス)100重量部に対して、オイルファーネスブ
ラック(MAF)(具体的には、東海カーボン株式会社製
平均粒子径38mμでDBP吸油量133ml/100gのMAF)55重
量部、サーマルブラック(MT)(具体的には、CANCARB
株式会社製 平均粒子径270mμでDBP吸油量36ml/100gの
MT)50重量部、ステアリン酸亜鉛2重量部、老化防止剤
〔具体的には、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−
m−クレゾール)〕0.5重量部、架橋剤〔具体的には、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3〕1重量部を配合したものである。 実施例2 本実施例では、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体
的には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバ
フレックス)100重量部に対して、オイルファーネスブ
ラック(MAF)(具体的には、東海カーボン株式会社製
平均粒子径38mμでDBP吸油量133ml/100gのMAF)45重
量部、サーマルブラック(MT)(具体的には、CANCARB
株式会社製 平均粒子径270mμでDBP吸油量36ml/100gの
MT)70重量部、ステアリン酸亜鉛2重量部、老化防止剤
〔具体的には、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−
m−クレゾール)〕0.5重量部、架橋剤〔具体的には、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3〕1重量部を配合したものである。 実施例3 本実施例では、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体
的には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバ
フレックス)100重量部に対して、オイルファーネスブ
ラック(MAF)(具体的には、東海カーボン株式会社製
平均粒子径28mμでDBP吸油量102ml/100gのHAF)65重
量部、サーマルブラック(MT)(具体的には、CANCARB
株式会社製 平均粒子径270mμでDBP吸油量36ml/100gの
MT)30重量部、ステアリン酸亜鉛2重量部、老化防止剤
〔具体的には、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−
m−クレゾール)〕0.5重量部、架橋剤〔具体的には、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3〕1重量部を配合したものである。 比較例1 比較例1は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体的
には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバフ
レックス)100重量部に対して、オイルファーネスブラ
ック(MAF)(具体的には、東海カーボン株式会社製
平均粒子径38mμでDBP吸油量133ml/100gのMAF)85重量
部、ステアリン酸亜鉛2重量部、老化防止剤〔具体的に
は、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)〕0.5重量部、架橋剤〔具体的には、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−
3〕1重量部を配合したものである。 比較例2 比較例2は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体的
には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバフ
レックス)100重量部に対して、オイルファーネスブラ
ック(MAF)(具体的には、東海カーボン株式会社製
平均粒子径38mμでDBP吸油量133ml/100gのMAF)35重量
部、サーマルブラック(MT)(具体的には、CANCARB株
式会社製 平均粒子径270mμでDBP吸油量36ml/100gのM
T)100重量部、ステアリン酸亜鉛2重量部、老化防止剤
〔具体的には、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−
m−クレゾール)〕0.5重量部、架橋剤〔具体的には、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3〕1重量部を配合したものである。 比較例3 比較例3は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体的
には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバフ
レックス)100重量部に対して、アセチレンブラック(A
B)(具体的には、東海カーボン株式会社製 平均粒子
径40mμでDBP吸油量215ml/100gのAB)50重量部、サーマ
ルブラック(MT)(具体的には、CANCARB株式会社製
平均粒子径270mμでDBP吸油量36ml/100gのMT)50重量
部、ステアリン酸亜鉛2重量部、老化防止剤〔具体的に
は、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)〕0.5重量部、架橋剤〔具体的には、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−
3〕1重量部を配合したものである。 比較例4 比較例4は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(具体的
には、三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エバフ
レックス)100重量部に対して、オイルファーネスブラ
ック(MAF)(具体的には、東海カーボン株式会社製
平均粒子径38mμでDBP吸油量133ml/100gのMAF)55重量
部、炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム株式
会社製 ビゴット10)50重量部、ステアリン酸亜鉛2重
量部、老化防止剤〔具体的には、4,4′−チオビス−
(6−t−ブチル−m−クレゾール)〕0.5重量部、架
橋剤〔具体的には、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチ
ルパーオキシ)−ヘキシル−3〕1重量部を配合したも
のである。 これらの実施例に基づく電力ケーブルの外部半導電層
と、比較例の電力ケーブルの外部半導電層とのそれぞれ
について体積抵抗率試験(ASTM D991)、引張伸び値
(JIS 3号)、絶縁体との界面状態、押出加工性、無
工具引裂剥離性のそれぞれに対する比較結果を第1表に
示す。 この第1表中の体積抵抗率(ASTM D991)において
は、体積抵抗率の値が105Ω−cm以下を○とし、105Ω−
cmを超えた場合を×として表わしている。この体積抵抗
率を値を105Ω−cm以下としたのは、体積抵抗率の値が1
05Ω−cmを超えると、半導電層としての作用を最大限に
発揮させることができなくなってしまうからである。ま
た、第1表中に引張伸び値(JIS3号ダンベル)において
は、引張伸び値が200%以上を○とし、200%を下回った
場合を×として表している。この引張伸び値は、半導電
層材料を引っ張ってどのくらい伸びるかという伸び具合
を表すもので、引っ張り力に対し、切れる限界を200%
以上にしたものである。 また、第1表中の絶縁体としての界面状態は、突起が
少ないものを○とし、突起が多いものを×として表して
いる。この絶縁体との界面状態は、電力ケーブルの外部
半導体電層を界面に存在する突起のサイズと量を示し、
この突起が多いとこれを起点として、トリーの発生、さ
らには絶縁破壊を生じる不安があり、電力ケーブルとし
ての電気的長期信頼性を損なうことになる。さらに第1
表中の押出加工性は、スムーズに押出し加工ができる場
合を○とし、スムーズに押出し加工ができない場合を×
として表している。この押出加工性は、材料の溶融結
果、スコーチ精などと関連し、外部半導電層を押出し機
で絶縁体の上に押し出す加工の良否を判断したものであ
る。電力ケーブルの外部半導電層が絶縁体からの剥離性
がよくても、電力ケーブルの合成樹脂被覆材は、押出し
機によって押出し被覆していくものであり、押出加工性
が悪いと、電力ケーブルの品質に影響してしまう。 また、さらに第1表中の無工具引裂剥離性は、ナイフ
等の専用工具無しで電力ケーブルの外部半導電層を絶縁
体から剥離することが良好にできるか否かである。工具
無しで絶縁体からの外部半導体層の剥離が良好なものを
◎とし、外部半導電層を絶縁体から剥離することはでき
るが良好と這いえないものを△として表している。 第1表中、実施例1、2、3のそれぞれは、体積抵抗
率(ASTM D991)、引張伸び値(JIS 3号ダンベ
ル)、絶縁体との界面状態、押出加工性、のそれぞれに
対して合格(○)、無工具引裂剥離性については、良好
(◎)を示している。 これに対し、比較例1は、体積抵抗率(ASTM D99
1)、絶縁体との界面状態のそれぞれに対して合格
(○)するも、引張伸び値(JIS 3号ダンベル)、押
出加工性においては、不合格(×)の結果が生じてい
る。なお、無工具引裂剥離性については、押出加工性が
悪く実質上ケーブルを構造できない。また、比較例2
は、引張伸び値(JIS 3号ダンベル)、絶縁体との界
面状態、押出加工性のそれぞれに対して合格(○)する
も体積抵抗率については、不合格(×)の結果が、ま
た、無工具引裂剥離性については、可(△)の結果が生
じている。さらに、比較例3は、体積抵抗率(ASTM D9
91)、絶縁体との界面状態のそれぞれに対して合格
(○)するも、引張伸び値(JIS 3号ダンベル)、押
出加工性においては、不合格(×)の結果が、また、無
工具引裂剥離性については、可(△)の結果が生じてい
る。また、比較例4は、体積抵抗率(ASTM D991)、押
出加工性のそれぞれに対して合格(○)、無工具引裂剥
離性については、可(△)の結果が、また、引張伸び値
(JIS 3号ダンベル)、絶縁体との界面状態について
は不合格(×)の結果が生じている。
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、
以下に記載されるような効果を奏する。 エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体樹
脂100重量部に対して、平均粒子径26〜52mμ、DBP吸油
量100〜150ml/100gのファーネスブラックを40〜80重量
部、並びに平均粒子径200mμ以上、DBP吸油量20〜50ml/
100gのサーマルブラックを20〜80重量部配合して構成さ
れているため、極めて優れた剥離性を得ることができ、
かつ、良好な機械的物性及び優れた押出成形加工性を得
ることができる。 また、電力ケーブルの剥離性外部半導電層をエチレン
−酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体樹脂100重
量部に対して、平均粒子径26〜52mμ、DBP吸油量100〜1
50ml/100gのファーネスブラックを40〜80重量部、並び
に平均粒子径200mμ以上、DBP吸油量20〜50ml/100gのサ
ーマルブラックを20〜80重量部からなる合成樹脂によっ
て構成しているため、電力ケーブルの接続及び端末処理
作業に当たって、外部半導電層の剥離に先立ち、ナイフ
あるいは専用工具等で剥離誘導溝を付けることなく、外
部半導電層を任意の方向(任意幅で螺旋状)に引き裂き
ながら剥ぎ取ることができ、従来のように剥離誘導溝付
作業時に誤って、絶縁体まで、その溝(傷)が達してそ
の部分の電気的信頼性を損ねる心配(絶縁破壊の起点と
なる)が全くない。したがって、電力ケーブルの接続及
び端末処理時の外部半導電層剥ぎ取りの作業性と信頼性
(安全性)を大きく改善することができ、外部半導電層
を剥離するのに特別な熟練を必要としない。 さらに、導電性付与のカーボンブラックと引裂性付与
のための充填物(カーボンブラック)を適宜選択するこ
とによって、ケーブル製造時における該外部半導電層の
押出し成形性を悪化させない(多量充填による溶融粘度
の増加を少なくする)ようにすることができる。また、
引裂剥ぎ取り作業性以外の機械的物性(引っ張り伸びな
ど)の低下が少なく、ケーブルの長期使用における熱
的、機械的劣化に対する信頼性を高くすることができ
る。すなわち、長期使用により、外部半導電層が引き裂
けたり、亀裂が生じたりする心配がない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る電力ケーブルの外部半導電層の
剥ぎ取り状況を示す斜視図、第2図は従来の外部半導電
層に設けた螺旋状の剥離誘導溝に沿って外部半導電層に
剥ぎ取る方法を示す図、第3図は従来の外部半導電層に
設けた2条以上の直線状の剥離誘導溝に沿って外部半導
電層を剥ぎ取る方法を示す図、第4図は一般的な架橋ポ
リエチレン電力ケーブルを示す断面図である。 1……電力ケーブル 2……導体 3……内部半導電層 4……絶縁体 5……外部半導電層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン
    共重合体樹脂100重量部に対して、平均粒子径26〜52m
    μ、DBP吸油量100〜150ml/100gのファーネスブラックを
    40〜80重量部、並びに平均粒子径200mμ以上、DBP吸油
    量20〜50ml/100gのサーマルブラックを20〜80重量部配
    合してなる半導電性組成物。
  2. 【請求項2】エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレ
    ン共重合体樹脂100重量部に対して、平均粒子径26〜52m
    μ、DBP吸油量100〜150ml/100gのファーネスブラックを
    40〜80重量部、並びに平均粒子径200mμ以上、DBP吸油
    量20〜50ml/100gのサーマルブラックを20〜80重量部か
    らなる半導電性組成物によって構成したことを特徴とす
    る電力ケーブルの剥離性外部半導電層。
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