JP2001052535A - 耐トラッキング性絶縁電線、及び耐トラッキング性絶縁ケーブル - Google Patents

耐トラッキング性絶縁電線、及び耐トラッキング性絶縁ケーブル

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JP2001052535A
JP2001052535A JP11226481A JP22648199A JP2001052535A JP 2001052535 A JP2001052535 A JP 2001052535A JP 11226481 A JP11226481 A JP 11226481A JP 22648199 A JP22648199 A JP 22648199A JP 2001052535 A JP2001052535 A JP 2001052535A
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insulator
tracking
weight
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olefin
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JP11226481A
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Shinichi Sugiyama
真一 杉山
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Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性や電気的特性を損なうことなく、
海岸付近における海水からの塩分が、絶縁電線の絶縁体
表面や絶縁ケーブルのシース表面に付着しても、電線表
面への導電路の形成をし難くし、高耐トラッキング性を
向上し、長期間に渡り安定して耐侵食性、耐アーク性を
維持できるようにする。 【解決手段】 導体1の上にオレフィン系又はゴム系ベ
ース樹脂からなる絶縁体を被覆して絶縁体内側層2を形
成し、該絶縁体内側層2の上にオレフィン系又はゴム系
ベース樹脂に金属酸化物を配合してなる絶縁体を被覆し
て絶縁体外側層3を形成して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外に布設される
絶縁電線の絶縁体や絶縁ケーブルのシースの機械的特性
や電気的特性を損なうことなく、耐トラッキング性、耐
侵食性及び耐アーク性を向上し長期間に渡って電線表面
への導電路の形成をし難くし、放電やそれによる電線表
面の侵食を大幅に抑制した耐トラッキング性絶縁電線、
及び耐トラッキング性絶縁ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、OE(6,600V屋外用ポ
リエチレン絶縁電線)、OC(6,600V屋外用架橋
ポリエチレン絶縁電線)、PDC(6,600V高圧引
下用架橋ポリエチレン絶縁電線)、PDB、PDP
(6,600V高圧引下用EPゴム絶縁電線)等の高圧
屋外用絶縁電線に使用される絶縁材料には、架橋ポリオ
レフインや架橋ゴム等が用いられている。このような屋
外に布設される絶縁電線や絶縁ケーブルは、長期間に亘
り風雨に曝され、特に海岸付近では海風等により海水か
らの塩分が、絶縁電線の絶縁体や絶縁ケーブルのシース
に付着する。このような状態で絶縁電線の絶縁体表面や
絶縁ケーブルのシース表面に降雨等による水分が付着す
ると漏洩電流が流れ、ジュール熱に起因する付着水分の
蒸発により漏洩電流路が遮断されて放電が生じ、この放
電により、絶縁体表面が炭化し、この炭化の累積的発生
によって導電路が形成されるトラッキング現象が発生す
る。
【0003】特に、塩害地区に設置されている絶縁電
線、絶縁ケーブルは、電線・ケーブル表面に付着した塩
分と水分の影響により絶縁電線、絶縁ケーブルの表面に
トラッキング現象(放電現象)が生じ、その放電現象に
よって電線・ケーブル表面が侵食される。このトラッキ
ング現象の発生は、絶縁破壊を招来し、電線の寿命サイ
クルが短くなり定期交換の頻度が多くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなトラッキン
グ現象の発生を防止するため、従来は、絶縁性樹脂やゴ
ム成分に耐トラッキング性効果のある水酸化マグネシウ
ム等の無機質充填材(金属酸化物)を配合する手段が講
じられている(例えば、特開昭59−59413号、特
開平8−311241号)。
【0005】ところが、この水酸化マグネシウム等の無
機質充填材は、絶縁性樹脂やゴム成分に配合した場合、
絶縁性樹脂やゴム成分からみると異物であり、絶縁性樹
脂やゴム成分の組成構造からいっても強固な結合を崩す
原因となる。すなわち、水酸化マグネシウム等の金属水
酸化物を配合すると絶縁性樹脂やゴム成分の組織の強固
さが崩れ脆くなる。このため、水酸化マグネシウム等の
無機質充填材を多量に混合すると引張特性等の機械的特
性の低下を招き、表面の平滑性の悪さがトラッキング現
象の発生の原因となり、交流破壊電圧等の電気的特性の
低下を生じる場合がある。
【0006】本発明の目的は、機械的特性や電気的特性
を損なうことなく、海岸付近における海水からの塩分
が、絶縁電線の絶縁体表面や絶縁ケーブルのシース表面
に付着しても、電線表面への導電路の形成をし難くし、
高耐トラッキング性を向上し、長期間に渡り安定して耐
侵食性、耐アーク性を維持できるようにすることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の耐トラッキング性絶縁電線は、導
体の上にオレフィン系又はゴム系ベース樹脂からなる絶
縁体を被覆して絶縁体内側層を形成し、該絶縁体内側層
の上にオレフィン系又はゴム系ベース樹脂に金属酸化物
を配合してなる絶縁体を被覆して絶縁体外側層を形成し
て構成したものである。絶縁電線は、導体に絶縁体を被
覆して構成される高圧屋外用絶縁電線で、オレフィン系
ベース樹脂には、ポリエチレン、エチレン系共重合体等
があり、ゴム系ベース樹脂には、EPゴム、ブチルゴム
等がある。金属水酸化物には、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カリウ
ム等がある。これらの金属水酸化物は、1種類(例え
ば、水酸化マグネシウム)を選択して配合することも、
2種類以上(例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アル
ミニウム)選択して配合することもできる。
【0008】このように請求項1に記載の発明による
と、機械的特性や電気的特性を損なうことなく、海岸付
近における海水からの塩分が、絶縁電線の絶縁体表面に
付着しても、電線表面への導電路の形成をし難くし、高
耐トラッキング性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵
食性、耐アーク性を維持することができる。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の耐トラッキング性絶縁電線は、導体の上にオレフィ
ン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に対し、金属酸
化物を0〜150重量部配合してなる絶縁体を被覆して
絶縁体内側層を形成し、該絶縁体内側層の上にオレフィ
ン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に対し、金属酸
化物を10〜300重量部配合してなる絶縁体を被覆し
て絶縁体外側層を形成して構成したものである。絶縁体
内側層における金属水酸化物の配合量を、オレフィン系
又はゴム系ベース樹脂100重量部に対して、0〜15
0重量部としたのは、金属水酸化物を150重量部以上
配合すると、耐トラッキング性、耐侵食性及び耐アーク
性の向上を図ることはできるが、引張特性等の機械的特
性や絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電気的特性が低
下し、絶縁電線としての機械的特性や電気的特性を保持
できなくなるからである。
【0010】また、絶縁体外側層における金属水酸化物
の配合量を、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100
重量部に対して、10〜300重量部としたのは、金属
水酸化物の配合量が10重量部未満では耐トラッキング
性が悪く、金属水酸化物の配合量を300重量部を超え
て配合しても、耐トラッキング性の向上が見られない上
に、引張特性が低下するからである。
【0011】このように請求項2に記載の発明による
と、機械的特性や電気的特性を損なうことなく、海岸付
近における海水からの塩分が、絶縁電線の絶縁体表面に
付着しても、電線表面への導電路の形成をし難くし、高
耐トラッキング性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵
食性、耐アーク性を維持することができる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の耐トラッキング性絶縁電線は、絶縁体外側層の厚さ
を、絶縁体層の1/2以下にしたものである。絶縁体外
側層の厚さを、絶縁体層の1/2以下にしたのは、絶縁
体外側層の厚さを、絶縁体層の1/2以上にすると、絶
縁電線として機械的特性あるいは電気的特性を満足でき
なくなるからである。このように請求項3に記載の発明
によると、絶縁電線として十分な機械的特性や電気的特
性を保つことができる。
【0013】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の耐トラッキング性絶縁電線は、金属酸化物を、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1
種又は2種以上の混合物で構成したものである。金属水
酸化物は、オレフィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤
で、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
カルシウム等が用いられる。この金属水酸化物をオレフ
ィン系樹脂に配合することによってオレフィン系樹脂組
成物が燃焼した時、配合されている金属水和物に含まれ
る結晶水が噴出して消火作用を行うためオレフィン系樹
脂が燃焼し難くなり、さらに燃焼した際の炭化した燃え
殻を結晶水の噴出時の蒸発の勢いにより吹き飛ばし、ト
ラッキングの導電路となる炭化した部分を電線表面に形
成させない。このように請求項4に記載の発明による
と、絶縁電線として、耐トラッキング性を向上し、長期
間に渡り安定して耐侵食性、耐アーク性を維持すること
ができる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項5に記
載の耐トラッキング性絶縁電線は、オレフィン系樹脂
を、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体のいず
れか1種または2種以上の混合物で構成したものであ
る。この他、耐トラッキング性絶縁電線に用いることの
できるオレフィン系樹脂には、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体、エチレンーメタクリル酸共重合体、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、メタロセン系直鎖状低密度ポリ
エチレン、メタロセン超低密度ポリエチレン、エチレン
−プロピレン共重合体、ブタジエンアクリロニトリルゴ
ムがある。このように請求項5に記載の発明によると、
絶縁電線としての引張特性等の機械的特性、及び、絶縁
抵抗あるいは交流破壊電圧等の電気的特性を確保するこ
とができる。
【0015】上記目的を達成するために、請求項6に記
載の耐トラッキング性絶縁電線は、オレフィン系又はゴ
ム系ベース樹脂を、架橋して構成したものである。架橋
方法には、γ線または電子線を放射線源として使用し、
これらをオレフィン系樹脂に照射することにより分子中
にラジカルが発生し、これらラジカル同士がカップリン
グすることにより分子桿の架橋結合が形成される放射線
照射架橋、オレフィン系樹脂の可塑化温度で分解しない
有機過酸化物を配合しておき、成形加工と同時または成
形後に高温高圧下に晒すことにより有機過酸化物が分解
しラジカルが発生し、このラジカルにより分子間の架橋
反応が進む有機過酸化物架橋、ビニルシラン化合物をオ
レフィン系樹脂にグラフト付加反応させた後、このグラ
フトマーにシラノール縮合触媒を添加し成形加工後、水
分雰囲気下に晒すことによりグラフト末端のアルコキシ
シラン同士が加水分解後、脱アルコール分子間の架橋結
合が形成されるシラン架橋(水架橋)があり、このいず
れの方法でも良い。このように請求項6に記載の発明に
よると、熱変形温度が上昇し、耐クリープ、耐ストレス
クラック性、耐薬品性、機械的強度を向上することがで
きる。
【0016】上記目的を達成するために、請求項7に記
載の耐トラッキング性絶縁ケーブルは、絶縁線心の上に
オレフィン系又はゴム系ベース樹脂からなる絶縁シース
を被覆してシース内側層を形成し、該シース内側層の上
にオレフィン系又はゴム系ベース樹脂に金属酸化物を配
合してなる絶縁シースを被覆してシース外側層を形成し
て構成したものである。絶縁ケーブルは、導体に絶縁体
を被覆して構成される絶縁線心の上にシースを被覆して
なる高圧屋外用絶縁ケーブルで、この絶縁ケーブルのシ
ース材を構成するオレフィン系ベース樹脂には、ポリエ
チレン、エチレン系共重合体等があり、ゴム系ベース樹
脂には、EPゴム、ブチルゴム等がある。金属水酸化物
には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化ジルコニウム、水酸化カリウム等がある。これらの金
属水酸化物は、1種類(例えば、水酸化マグネシウム)
を選択して配合することも、2種類以上(例えば、水酸
化マグネシウムと水酸化アルミニウム)選択して配合す
ることもできる。
【0017】このように請求項7に記載の発明による
と、機械的特性や電気的特性を損なうことなく、海岸付
近における海水からの塩分が、絶縁ケーブルのシース表
面に付着しても、電線表面への導電路の形成をし難く
し、高耐トラッキング性を向上し、長期間に渡り安定し
て耐侵食性、耐アーク性を維持することができる。
【0018】上記目的を達成するために、請求項8に記
載の耐トラッキング性絶縁ケーブルは、導体の上にオレ
フィン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に対し、金
属酸化物を0〜150重量部配合してなるシースを被覆
してシース内側層を形成し、該シース内側層の上にオレ
フィン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に対し、金
属酸化物を10〜300重量部配合してなるシースを被
覆してシース外側層を形成して構成したものである。シ
ース内側層における金属水酸化物の配合量を、オレフィ
ン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に対して、0〜
150重量部としたのは、金属水酸化物を150重量部
以上配合すると、耐トラッキング性、耐侵食性及び耐ア
ーク性の向上を図ることはできるが、引張特性等の機械
的特性や絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電気的特性
が低下し、絶縁ケーブルとしての機械的特性や電気的特
性を保持できなくなるからである。
【0019】また、シース外側層における金属水酸化物
の配合量を、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100
重量部に対して、10〜300重量部としたのは、金属
水酸化物の配合量が10重量部未満では耐トラッキング
性が悪く、金属水酸化物の配合量を300重量部を超え
て配合しても、耐トラッキング性の向上が見られない上
に、引張特性が低下するからである。
【0020】このように請求項8に記載の発明による
と、機械的特性や電気的特性を損なうことなく、海岸付
近における海水からの塩分が、絶縁ケーブルのシース表
面に付着しても、ケーブル表面への導電路の形成をし難
くし、高耐トラッキング性を向上し、長期間に渡り安定
して耐侵食性、耐アーク性を維持することができる。
【0021】上記目的を達成するために、請求項9に記
載の耐トラッキング性絶縁ケーブルは、シース外側層の
厚さを、シース層の1/2以下にしたものである。シー
ス外側層の厚さを、シース層の1/2以下にしたのは、
シース外側層の厚さを、シース層の1/2以上にする
と、絶縁ケーブルとして機械的特性あるいは電気的特性
を満足できなくなるからである。このように請求項9に
記載の発明によると、絶縁ケーブルとして十分な機械的
特性や電気的特性を保つことができる。
【0022】上記目的を達成するために、請求項10に
記載の耐トラッキング性絶縁ケーブルは、金属酸化物
を、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのい
ずれか1種又は2種以上の混合物で構成したものであ
る。金属水酸化物は、オレフィン系樹脂に用いられる無
機系難燃剤で、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム等が用いられる。この金属水酸化
物をオレフィン系樹脂に配合することによってオレフィ
ン系樹脂組成物が燃焼した時、配合されている金属水和
物に含まれる結晶水が噴出して消火作用を行うためオレ
フィン系樹脂が燃焼し難くなり、さらに燃焼した際の炭
化した燃え殻を結晶水の噴出時の蒸発するときの勢いで
吹き飛ばし、電線の樹脂表面にトラッキングの導電路と
なる炭化路を形成させない。このように請求項10に記
載の発明によると、絶縁ケーブルとして、耐トラッキン
グ性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵食性、耐アー
ク性を維持することができる。
【0023】上記目的を達成するために、請求項11に
記載の耐トラッキング性絶縁ケーブルは、オレフィン系
樹脂を、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸
ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体の
いずれか1種または2種以上の混合物で構成したもので
ある。この他、耐トラッキング性絶縁ケーブルに用いる
ことのできるオレフィン系樹脂には、直鎖状低密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共
重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、メタロセン系直鎖状低密度
ポリエチレン、メタロセン超低密度ポリエチレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、ブタジエンアクリロニトリ
ルゴムがある。このように請求項11に記載の発明によ
ると、絶縁ケーブルとしての引張特性等の機械的特性、
及び、絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電気的特性を
確保することができる。
【0024】上記目的を達成するために、請求項12に
記載の耐トラッキング性絶縁ケーブルは、オレフィン系
又はゴム系ベース樹脂を、架橋して構成したものであ
る。架橋方法には、γ線または電子線を放射線源として
使用し、これらをオレフィン系樹脂に照射することによ
り分子中にラジカルが発生し、これらラジカル同士がカ
ップリングすることにより分子桿の架橋結合が形成され
る放射線照射架橋、オレフィン系樹脂の可塑化温度で分
解しない有機過酸化物を配合しておき、成形加工と同時
または成形後に高温高圧下に晒すことにより有機過酸化
物が分解しラジカルが発生し、このラジカルにより分子
間の架橋反応が進む有機過酸化物架橋、ビニルシラン化
合物をオレフィン系樹脂にグラフト付加反応させた後、
このグラフトマーにシラノール縮合触媒を添加し成形加
工後、水分雰囲気下に晒すことによりグラフト末端のア
ルコキシシラン同士が加水分解後、脱アルコール分子間
の架橋結合が形成されるシラン架橋(水架橋)があり、
このいずれの方法でも良い。このように請求項12に記
載の発明によると、熱変形温度が上昇し、耐クリープ、
耐ストレスクラック性、耐薬品性、機械的強度を向上す
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐トラッキン
グ性絶縁電線、及び耐トラッキング性絶縁ケーブルの実
施の形態について説明する。図1には、本発明に係る耐
トラッキング性絶縁電線の一実施の形態が示されてい
る。図1において、1は軟銅線によって構成される導体
で、この導体1の上には絶縁体内側層2が被覆されてお
り、この絶縁体内側層2の上には絶縁体外側層3が被覆
されており、この絶縁体内側層2と絶縁体外側層3とに
よって絶縁体層4が構成されている。この導体1と、絶
縁体層4(絶縁体内側層2と絶縁体外側層3)によって
絶縁電線5が構成されている。この絶縁電線5は、導体
1に絶縁体層4(絶縁体内側層2と絶縁体外側層3)を
被覆して構成される高圧屋外用絶縁電線で、絶縁体層4
のベース樹脂であるオレフィン系樹脂には、ポリエチレ
ン、エチレン系共重合体等があり、ゴム系樹脂には、E
Pゴム、ブチルゴム等がある。
【0026】絶縁体内側層2は、オレフィン系又はゴム
系ベース樹脂からなる絶縁体によって構成されている。
すなわち、絶縁体内側層2は、オレフィン系又はゴム系
ベース樹脂100重量部に対し、金属酸化物を0〜15
0重量部配合して構成されている。このベース樹脂のコ
ンパウンドには、通常配合する酸化防止剤、滑剤を必要
に応じて配合する場合もある。金属水酸化物には、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニ
ウム、水酸化カリウム等がある。これらの金属水酸化物
は、1種類(例えば、水酸化マグネシウム)を選択して
配合することも、2種類以上(例えば、水酸化マグネシ
ウムと水酸化アルミニウム)選択して配合することもで
きる。絶縁体内側層2における金属水酸化物の配合量
を、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に
対して、0〜150重量部としたのは、金属水酸化物を
150重量部以上配合すると、耐トラッキング性、耐侵
食性及び耐アーク性の向上を図ることはできるが、引張
特性等の機械的特性や絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等
の電気的特性が低下し、絶縁電線としての機械的特性や
電気的特性を保持できなくなるからである。この金属水
酸化物の配合量がオレフィン系又はゴム系ベース樹脂1
00重量部に対して、0重量部というのは、オレフィン
系又はゴム系ベース樹脂に対して、金属水酸化物を全く
配合しないということである。このように絶縁体内側層
2に金属水酸化物を全く配合しなくても、絶縁体内側層
2は、外界と接しているわけでないので、耐トラッキン
グ性、耐侵食性及び耐アーク性の向上を図ることは重要
ではなく、むしろ引張特性等の機械的特性や絶縁抵抗あ
るいは交流破壊電圧等の電気的特性の向上、絶縁電線と
しての機械的特性や電気的特性の向上を図る方が重要で
ある。そこで、絶縁体内側層2では、金属水酸化物を全
く配合しないか、少なく配合することによって引張特性
等の機械的特性や絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電
気的特性の低下、絶縁電線としての機械的特性や電気的
特性の低下を抑制している。
【0027】絶縁体外側層3は、オレフィン系又はゴム
系ベース樹脂からなる絶縁体によって構成されている。
すなわち、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100重
量部に対し、金属酸化物を10〜300重量部配合して
構成されており、このベース樹脂のコンパウンドには、
通常配合する酸化防止剤、滑剤を必要に応じて配合する
場合もある。絶縁体外側層3における金属水酸化物の配
合量を、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100重量
部に対して、10〜300重量部としたのは、絶縁体外
側層3が耐トラッキング性を高くすることを目的とした
ものであるので、金属水酸化物の配合量が10重量部未
満では耐トラッキング性が悪く、金属水酸化物の配合量
が300重量部を超えて配合されても、それ以上耐トラ
ッキング性の向上が見られない上に、金属水酸化物の配
合量の増加により引張特性が低下するからである。この
ように絶縁体外側層3は、外界と接する部分であるた
め、耐トラッキング性、耐侵食性及び耐アーク性の向上
が重要で、引張特性等の機械的特性や絶縁抵抗あるいは
交流破壊電圧等の電気的特性、絶縁電線としての機械的
特性や電気的特性の向上は必要不可欠のものではない。
そこで、絶縁体外側層3は、引張特性等の機械的特性や
絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電気的特性、絶縁電
線としての機械的特性や電気的特性を犠牲にして耐トラ
ッキング性、耐侵食性及び耐アーク性の向上を図ったも
のである。
【0028】この絶縁体内側層2と絶縁体外側層3は、
オレフィン系又はゴム系ベース樹脂に金属水酸化物を添
加したコンパウンドを200℃の押出機で混練押出して
導体1の上に被覆して絶縁体層4を構成している。この
絶縁体外側層3の厚さは、絶縁体層4の1/2以下の厚
さであることが重要である。この絶縁体外側層3の厚さ
が、絶縁体層4の1/2の厚さを超えると、絶縁電線5
として必要とされる機械的特性あるいは電気的特性を満
足できなくなる。また、金属酸化物には、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水
酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2
種以上の混合物が用いられる。この金属水酸化物は、オ
レフィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤で、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等
が用いられる。この金属水酸化物をオレフィン系樹脂に
配合することによってオレフィン系樹脂組成物が燃焼し
た時、配合されている金属水和物に含まれる結晶水が噴
出して消火作用を行うためオレフィン系樹脂が燃焼し難
くなり、燃焼した際の炭化した燃え殻を結晶水の噴出す
る際の蒸発の勢いで吹き飛ばし、電線の樹脂表面にトラ
ッキングの導電路となる炭化路を形成させない。
【0029】オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチ
レンアクリル酸エチル共重合体のいずれか1種または2
種以上の混合物で構成される。この他、耐トラッキング
性絶縁電線に用いることのできるオレフィン系樹脂に
は、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メ
チルメタクリレート共重合体、エチレンーメタクリル酸
共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタ
ロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン超低密
度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ブタ
ジエンアクリロニトリルゴムがある。
【0030】この絶縁体層4(絶縁体内側層2と絶縁体
外側層3)は、そのベース樹脂であるオレフィン系樹脂
又はゴム系樹脂を、架橋して構成することもできる。こ
の架橋方法には、γ線または電子線を放射線源として使
用し、これらをオレフィン系樹脂に照射することにより
分子中にラジカルが発生し、これらラジカル同士がカッ
プリングすることにより分子桿の架橋結合が形成される
放射線照射架橋、オレフィン系樹脂の可塑化温度で分解
しない有機過酸化物を配合しておき、成形加工と同時ま
たは成形後に高温高圧下に晒すことにより有機過酸化物
が分解しラジカルが発生し、このラジカルにより分子間
の架橋反応が進む有機過酸化物架橋、ビニルシラン化合
物をオレフィン系樹脂にグラフト付加反応させた後、こ
のグラフトマーにシラノール縮合触媒を添加し成形加工
後、水分雰囲気下に晒すことによりグラフト末端のアル
コキシシラン同士が加水分解後、脱あるこーるし分子間
の架橋結合が形成されるシラン架橋(水架橋)があり、
このいずれの方法を採っても良い。
【0031】図2には、本発明に係る耐トラッキング性
絶縁ケーブルの一実施の形態が示されている。図2にお
いて、1は軟銅線によって構成される導体で、この導体
1の上には絶縁体6が被覆されており、この導体1と絶
縁体6とによって絶縁線心7が構成されている。この絶
縁線心7を2本合わせ、この上にシース内側層8が被覆
されている。さらに、このシース内側層8の上にシース
外側層9が被覆されており、このシース内側層8とシー
ス外側層9とによってシース層10が構成されている。
そして、2本の絶縁線心7とシース層10(シース内側
層8とシース外側層9)とによって絶縁ケーブル11が
形成されている。絶縁線心7を構成する絶縁体6は、塩
化ビニル系樹脂でも、オレフィン系樹脂でもよいが、ノ
ンハロゲン系としては、オレフィン系樹脂が適してい
る。
【0032】この絶縁ケーブル11は、絶縁線心7にシ
ース層10(シース内側層8とシース外側層9)を被覆
して構成される高圧屋外用絶縁電線で、シース層10の
ベース樹脂であるオレフィン系樹脂には、ポリエチレ
ン、エチレン系共重合体等があり、ゴム系樹脂には、E
Pゴム、ブチルゴム等がある。
【0033】シース内側層8は、絶縁体内側層2と同様
のオレフィン系又はゴム系ベース樹脂からなる絶縁体に
よって構成されている。すなわち、オレフィン系又はゴ
ム系ベース樹脂100重量部に対し、金属酸化物を0〜
150重量部配合して構成されており、このベース樹脂
のコンパウンドには、通常配合する酸化防止剤、滑剤を
必要に応じて配合する場合もある。また、金属水酸化物
は、絶縁体内側層2と同様である。
【0034】シース内側層8における金属水酸化物の配
合量を、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100重量
部に対して、0〜150重量部としたのは、絶縁体内側
層2と同様の理由からである。このようにシース内側層
8に金属水酸化物を全く配合しなくても、シース内側層
8は、外界と接しているわけでないので、耐トラッキン
グ性、耐侵食性及び耐アーク性の向上を図ることは重要
ではなく、むしろ引張特性等の機械的特性や絶縁抵抗あ
るいは交流破壊電圧等の電気的特性の向上、絶縁電線と
しての機械的特性や電気的特性の向上を図る方が重要で
ある。そこで、シース内側層8では、金属水酸化物を全
く配合しないか、少なく配合することによって引張特性
等の機械的特性や絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電
気的特性の低下、絶縁電線としての機械的特性や電気的
特性の低下を抑制している。
【0035】シース外側層9は、絶縁体外側層3と同
様、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂からなる絶縁体
によって構成されている。すなわち、シース外側層9
は、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に
対し、金属酸化物を10〜300重量部配合して構成さ
れており、このベース樹脂のコンパウンドには、通常配
合する酸化防止剤、滑剤を必要に応じて配合する場合も
ある。シース外側層9における金属水酸化物の配合量
を、オレフィン系又はゴム系ベース樹脂100重量部に
対して、10〜300重量部としたのは、絶縁体外側層
3と同様の理由からである。このようにシース外側層9
は、外界と接する部分であるため、耐トラッキング性、
耐侵食性及び耐アーク性の向上が重要で、引張特性等の
機械的特性や絶縁抵抗あるいは交流破壊電圧等の電気的
特性、絶縁電線としての機械的特性や電気的特性の向上
は必要不可欠のものではない。そこで、シース外側層9
は、引張特性等の機械的特性や絶縁抵抗あるいは交流破
壊電圧等の電気的特性、絶縁ケーブルとしての機械的特
性や電気的特性を犠牲にして耐トラッキング性、耐侵食
性及び耐アーク性の向上を図ったものである。
【0036】このシース内側層8とシース外側層9は、
オレフィン系又はゴム系ベース樹脂に金属水酸化物を添
加したコンパウンドを200℃の押出機で混練押出して
導体1の上に被覆してシース層10を構成している。こ
のシース外側層9の厚さは、シース層10の1/2以下
の厚さであることが重要である。このシース外側層9の
厚さが、シース層10の1/2の厚さを超えると、絶縁
ケーブル11として必要とされる機械的特性あるいは電
気的特性を満足できなくなる。このシース層10(シー
ス内側層8とシース外側層9)は、絶縁体層4(絶縁体
内側層2と絶縁体外側層3)と同様、ベース樹脂である
オレフィン系樹脂又はゴム系樹脂を、架橋して構成する
こともできる。この架橋方法には、放射線照射架橋、有
機過酸化物架橋、シラン架橋(水架橋)があり、このい
ずれの方法を採っても良い。
【0037】
【実施例】以下、本発明に係る耐トラッキング性絶縁電
線の絶縁体層(耐トラッキング性絶縁ケーブルのシース
層)を構成する絶縁体内側層(シース内側層)と、耐ト
ラッキング性絶縁電線の絶縁体層(耐トラッキング性絶
縁ケーブルのシース層)を構成する絶縁体外側層(シー
ス外側層)のそれぞれの樹脂組成物の具体的実施例につ
いて比較例と比較して説明する。以下、各実施例、各比
較例に用いられた配合組成の詳細は、次の通りである。
PEは、密度:0.895g/cm、MI:1.6g
/10minのポリオレフインエラストマーで、具体的に
は、デュポンダウエラストマー株式会社製の『ENGA
GE 8440』を用いている。Mg(OH) (水
酸化マグネシウム)は、協和化学株式会社製の『キスマ
5J』を用いている。
【0038】《絶縁体内側層(シース内側層)の樹脂組
成物》 実施例1 実施例1は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を全く配合していないものである。
【0039】実施例2 実施例2は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を50重量部配合したものである。
【0040】実施例3 実施例3は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を150重量部配合したものである。
【0041】比較例1 比較例1は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を155重量部配合したものである。
【0042】これらの実施例1〜実施例3、比較例1に
基づく絶縁体組成物(又は、シース組成物)のそれぞれ
について、1.0mm厚のプレスシートを作成し、JI
S−K7113に基づく引張試験方法によって、引張伸
び(%)および引張強度(MPa)の測定を行った。そ
の比較結果が表1に示してある。
【0043】
【表1】 この表1中の引張伸び、引張強度の各測定は、日本工業
規格に定めるJIS−K7113の引張試験に基づいて
行ったものである。
【0044】また、表1中の引張伸びは、作製したプレ
スシート(試験片)の一端を固定し、他端を引張って、
試験片が引き千切れるまで引張り、千切れたときの長さ
(伸び)を元の試験片の長さで除して百分率で表したも
の(伸び率)である。すなわち試験片を引き伸ばしたと
きの試験片の最大の伸びを求めたものである。この引張
伸びの基準値は『350%以上』である。さらに、表1
中の引張強度(MPa)は、どの程度の荷重(MPa)
で引っ張ったときに引き千切れるかを示したもので、引
き千切れたときの荷重、すなわち試験片の断面積(mm
)当りの最大引張荷重(N)で示したものである。し
たがって、この引張強度の大きさによって機械的強度が
判る。この引張強度の基準値は『10MPa以上』であ
る。
【0045】このように絶縁体内側層(シース内側層)
としての引張伸びの基準値を『350%以上』とし、引
張強度の基準値を『10MPa以上』としたのは、絶縁
電線(絶縁ケーブル)として必要な機械的特性を絶縁体
内側層(シース内側層)に持たせるためである。
【0046】判定結果は、引張伸び(基準値350%以
上)、引張強度(基準値10MPa以上)の各基準値を
上回っている場合が『○』、引張伸び、引張強度の各基
準値のいずれか1つでも下回ったものがある場合を
『×』としている。実施例1〜3は、判定結果がいずれ
も『○』で、比較例1は引張伸びは433%と基準値
『350%以上』を上回っているが、引張強度について
は、9.8MPaと基準値『10MPa以上』を下回っ
ており、判定結果が『×』となっている。
【0047】判定結果がいずれも『○』の実施例1〜実
施例3について見ると、引張伸びについては、実施例1
が『626%』、実施例2が『547%』、実施例3が
『445%』といずれも基準値『350%以上』を上回
っているが、Mg(OH)の配合量が、実施例1の0
重量部から、実施例2の50重量部、実施例3の150
重量部と配合量が大きくなるに連れて引張伸びの値は、
下がってくるのが判る。すなわち、PEにMg(OH)
を配合することによって、引張伸び特性は、低下す
る。また、実施例1〜実施例3について見ると、引張強
度については、実施例1が『18.7MPa』、実施例
2が『14.8MPa』、実施例3が『10.7MP
a』といずれも基準値『10MPa以上』を上回ってい
るが、Mg(OH)の配合量が、実施例1の0重量部
から、実施例2の50重量部、実施例3の150重量部
と配合量が大きくなるに連れて引張強度の値は、下がっ
てくるのが判る。すなわち、PEにMg(OH)
配合することによって、引張強度特性は、低下する。こ
のような表1の結果から、引張伸びの基準値『350%
以上』、引張強度の基準値『10MPa以上』を満足す
るためのMg(OH)の配合量は、PE100重量
部に対して、0〜150重量部の範囲であることが判
る。
【0048】《絶縁体外側層(シース外側層)の樹脂組
成物》 実施例1 実施例1は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を10重量部配合したものである。
【0049】実施例2 実施例2は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を50重量部配合したものである。
【0050】実施例3 実施例3は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を155重量部配合したものである。
【0051】実施例4 実施例4は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を200重量部配合したものである。
【0052】実施例5 実施例5は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を300重量部配合したものである。
【0053】比較例1 比較例1は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を305重量部配合したものである。
【0054】比較例2 比較例2は、PE100重量部に対して、Mg(OH)
を5重量部配合したものである。
【0055】これらの実施例1〜実施例5、比較例1〜
2に基づく絶縁体組成物(シース組成物)のそれぞれに
ついて、1.0mm厚のプレスシートを作成し、JIS
−K7113に基づく引張試験方法によって、引張伸び
(%)および引張強度(MPa)の測定を行った。ま
た、実施例1〜実施例5、比較例1〜2に基づく絶縁体
組成物を絶縁体として導体に被覆した絶縁電線(完成
品)から一部(150mm以上の長さ)を採って試料と
し、JIS−C3005に基づく絶縁電線試験方法によ
って、耐トラッキング性(回)の試験を行った。さら
に、実施例1〜実施例5、比較例1〜2に基づく絶縁体
組成物(シース組成物)のそれぞれについて、1.0m
m厚のプレスシートを作成して、耐アーク性(秒)、及
び耐侵食性(回)の試験を行った。その比較結果が表2
に示してある。
【0056】
【表2】 この表2中の引張伸び、引張強度の各測定は、日本工業
規格に定めるJIS−K7113の引張試験に基づいて
行ったものである。
【0057】また、表2中の引張伸びは、作製したプレ
スシート(試験片)の一端を固定し、他端を引張って、
試験片が引き千切れるまで引張り、千切れたときの長さ
(伸び)を元の試験片の長さで除して百分率で表したも
の(伸び率)である。すなわち試験片を引き伸ばしたと
きの試験片の最大の伸びを求めたものである。この引張
伸びの基準値は『350%以上』である。さらに、表2
中の引張強度(MPa)は、どの程度の荷重(MPa)
で引っ張ったときに引き千切れるかを示したもので、引
き千切れたときの荷重、すなわち試験片の断面積(mm
)当りの最大引張荷重(N)で示したものである。
したがって、この引張強度の大きさによって機械的強度
が判る。この引張強度の基準値は『6MPa以上』であ
る。このように絶縁体外側層(シース外側層)としての
引張伸びの基準値を『350%以上』とし、引張強度の
基準値を『6MPa以上』としたのは、絶縁体外側層
(シース外側層)として有していれば十分な機械的特性
である。
【0058】また、表2中の耐トラッキング性試験は、
日本工業規格に定めるJIS−C3005の耐トラッキ
ング性試験に基づいて行ったものである。また、表2中
の耐トラッキング性(回)は、片端約20mmの絶縁体を
導体の長さ方向と直角に切り取り導体を露出させ、その
切り口から100mm離れた絶縁体上に1mmの裸銅線を巻
き付け、これと導体とを電極として試料を垂直に保持
し、50Hz又は60Hzの正弦波に近い波形をもった
4kVの交流電圧を加え、次に、ノズルを試料から約5
00mm離し、試料に塩化ナトリウム等を含んだ試験液
(噴霧量0.5±0.1mm/min )を噴霧速度3m/s
で噴霧し、この試験液を何回噴霧したときに絶縁体に導
電路が形成されるか(トラッキングを生じるか)を計測
したものである。この耐トラッキング性の基準値は、絶
縁体層(シース層)の2層構造という特殊性と耐久性を
考慮して『450回以上』としている。さらに、表2中
の耐侵食性(回)は、耐トラッキング性試験中に電極設
置点に生じたトラッキングによる抉れの進行によって電
極と導体が短絡するまでの回数を測定したものである。
この耐侵食性の基準値は、絶縁体層(シース層)の2層
構造という特殊性と耐久性を考慮して『600回以上』
としている。
【0059】また、表2中の耐アーク性(秒)は、1.
0mm厚のプレスシートを作成して試料とし、この試料
に2つの電極を所定の間隔で設け、この2つの電極間に
数mA(例えば、4mA)の電流を一定間隔で流し、2
つの電極間に電流を流してもアークが生じない(試料表
面が炭化して短絡状態となる)状態になるまでのアーク
電流発生の総加算時間を測定したものである。この耐ア
ーク性の基準値は、『150秒以上』としている。
【0060】判定結果は、引張伸び(350%以上)、
引張強度(6MPa以上)、耐トラッキング性(450
回以上)、耐侵食性(600回以上)、耐アーク性(1
50秒以上)の各基準値を上回っている場合が『○』、
引張伸び(350%以上)、引張強度(6MPa以
上)、耐トラッキング性(450回以上)、耐侵食性
(600回以上)、耐アーク性(150秒以上)の各基
準値のいずれか1つでも下回ったものがある場合が
『×』である。実施例1〜5は判定結果がすべて『○』
で、比較例1〜2は引張伸び(350%以上)、引張強
度(5MPa以上)、耐トラッキング性(450回以
上)、耐侵食性(600回以上)、耐アーク性(150
秒以上)のいずれか1つでも基準値を下回っているもの
があるもので、判定結果がすべて『×』となっている。
【0061】判定結果がいずれも『○』の実施例1〜実
施例5について見ると、引張伸びについては、実施例1
が『590%』、実施例2が『547%』、実施例3が
『433%』、実施例4が『398%』、実施例5が
『350%』といずれも基準値『350%以上』を上回
っているが、Mg(OH)の配合量が、実施例1の
10重量部から、実施例2の50重量部、実施例3の1
55重量部、実施例4の200重量部、実施例5の30
0重量部と配合量が大きくなるに連れて引張伸びの値
は、下がってくるのが判る。すなわち、PEにMg(O
H)を配合することによって、引張伸び特性は、低
下する。また、実施例1〜実施例5について見ると、引
張強度については、実施例1が『16.5MPa』、実
施例2が『14.8MPa』、実施例3が『9.8MP
a』、実施例4が『7.9MPa』、実施例5が『6M
Pa』といずれも基準値『6MPa以上』を上回ってい
るが、Mg(OH)の配合量が、実施例1の10重
量部から、実施例2の50重量部、実施例3の155重
量部、実施例4の200重量部、実施例5の300重量
部と配合量が大きくなるに連れて引張強度の値は、下が
ってくるのが判る。すなわち、PEにMg(OH)
を配合することによって、引張強度特性は、低下する。
【0062】さらに、実施例1〜実施例5について見る
と、耐トラッキング性については、実施例1が『500
回』、実施例2が『3500回』、実施例3が『420
0回』、実施例4が『4800回』、実施例5が『50
00回』といずれも基準値『450回以上』を上回って
おり、Mg(OH)の配合量が、実施例1の10重
量部から、実施例2の50重量部、実施例3の155重
量部、実施例4の200重量部、実施例5の300重量
部と配合量が大きくなるに連れて耐トラッキング性の値
は、上がってくるのが判る。すなわち、PEにMg(O
H)を配合することによって、耐トラッキング性特
性は、向上する。また、実施例1〜実施例5について見
ると、耐侵食性については、実施例1が『700回』、
実施例2が『5050回』、実施例3が『5900
回』、実施例4が『7000回』、実施例5が『101
00回』といずれも基準値『600回以上』を上回って
おり、Mg(OH)の配合量が、実施例1の10重
量部から、実施例2の50重量部、実施例3の155重
量部、実施例4の200重量部、実施例5の300重量
部と配合量が大きくなるに連れて耐侵食性の値は、飛躍
的に上がってくるのが判る。すなわち、PEにMg(O
H)を配合することによって、耐侵食性特性は、飛
躍的に向上する。
【0063】さらにまた、実施例1〜実施例5について
見ると、耐アーク性については、実施例1が『150
秒』、実施例2が『340秒』、実施例3が『520
秒』、実施例4が『610秒』、実施例5が『800
秒』といずれも基準値『150秒以上』を上回ってお
り、Mg(OH)の配合量が、実施例1の10重量
部から、実施例2の50重量部、実施例3の155重量
部、実施例4の200重量部、実施例5の300重量部
と配合量が大きくなるに連れて耐アーク性の値は、飛躍
的に上がってくるのが判る。すなわち、PEにMg(O
H)を配合することによって、耐アーク性特性は、
飛躍的に向上する。
【0064】これに対し、比較例1〜2について見る
と、比較例1は、引張伸びの値が『340%』と引張伸
びの基準値である『350%以上』を下回り、引張強度
の値が『5.8MPa』と引張強度の基準値である『1
0MPa以上』を下回り、耐トラッキング性の値が『5
000回』と耐トラッキング性の基準値である『450
回以上』を満足しており、耐侵食性の値が『10500
回』と耐侵食性の基準値である『600回以上』を満足
しており、耐アーク性の値が『820秒』と耐アーク性
の基準値である『150秒以上』を満足している。この
比較例1を検討するに、耐トラッキング性、耐侵食性、
耐アーク性の電気的特性については基準値を上回ってい
るが、引張伸び、引張強度等の機械的特性については問
題があり、判定結果としては『×』となる。すなわち、
比較例1は、本実施の形態にかかる絶縁電線(絶縁ケー
ブル)の絶縁体外側層(シース外側層)として適した特
性でない。
【0065】また、比較例2は、引張伸びの値が『60
2%』と引張伸びの基準値である『350%以上』を上
回り、引張強度の値が『17.3MPa』と引張強度の
基準値である『10MPa以上』を上回り、耐トラッキ
ング性の値が『140回』と耐トラッキング性の基準値
である『450回以上』を下回っており、耐侵食性の値
が『180回』と耐侵食性の基準値である『600回以
上』を下回っており、耐アーク性の値が『130秒』と
耐アーク性の基準値である『150秒以上』を下回った
値となっている。この比較例2を検討するに、引張伸
び、引張強度等の機械的特性については基準値を上回っ
ているが、耐トラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の
電気的特性については基準値を遥かに下回っており問題
があり、判定結果としては『×』となっている。すなわ
ち、比較例2は、本実施の形態にかかる絶縁電線(絶縁
ケーブル)の絶縁体外側層(シース外側層)として適し
た特性でない。
【0066】これら実施例1〜5と比較例1〜2とを比
較すると、実施例1〜5のMg(OH)の配合量
が、10重量部〜300重量部となっているのに対し、
比較例1、2のMg(OH)の配合量が、305重
量部(比較例1)、5重量部(比較例2)となってい
る。このことから、Mg(OH)の配合量が、30
0重量部を超えると予定した機械的特性(引張伸び、引
張強度)が得られず、Mg(OH)の配合量が、1
0重量部を下回ると予定した電気的特性(耐トラッキン
グ性、耐侵食性、耐アーク性)が得られないことが判
る。このような表2の結果から、引張伸びの基準値『3
50%以上』、引張強度の基準値『6MPa以上』を満
足するためのMg(OH)の配合量を300重量部
以下にし、耐トラッキング性の基準値『450回以
上』、耐侵食性の基準値『600回以上』、耐アーク性
の基準値『150秒以上』を満足するためのMg(O
H)の配合量を10重量部以上配合することが必要
であることが判る。すなわち、引張伸びの基準値『35
0%以上』、引張強度の基準値『6MPa以上』、耐ト
ラッキング性の基準値『450回以上』、耐侵食性の基
準値『600回以上』、耐アーク性の基準値『150秒
以上』を満足する絶縁体外側層(シース外側層)のMg
(OH)の配合量は、PE100重量部に対して、
10〜300重量部の範囲であることが判る。
【0067】図1、図2に図示の実施の形態において
は、絶縁層(シース層)をオレフィン系又はゴム系ベー
ス樹脂からなる絶縁体内側層(シース内側層)とオレフ
ィン系又はゴム系ベース樹脂に金属酸化物を配合してな
る絶縁体外側層(シース外側層)とによって構成したも
のについて示してあるが、絶縁体内側層(シース内側
層)の組成物を絶縁体外側層(シース外側層)の組成物
とし、絶縁体外側層(シース外側層)の組成物を絶縁体
内側層(シース内側層)の組成物として構成することも
できる。すなわち、絶縁層(シース層)をオレフィン系
又はゴム系ベース樹脂に金属酸化物を配合してなる絶縁
体内側層(シース内側層)とオレフィン系又はゴム系ベ
ース樹脂からなる絶縁体外側層(シース外側層)とによ
って構成することもできる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0069】請求項1に記載の発明によれば、機械的特
性や電気的特性を損なうことなく、海岸付近における海
水からの塩分が、絶縁電線の絶縁体表面に付着しても、
電線表面への導電路の形成をし難くし、高耐トラッキン
グ性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵食性、耐アー
ク性を維持することができる。
【0070】請求項2に記載の発明によれば、機械的特
性や電気的特性を損なうことなく、海岸付近における海
水からの塩分が、絶縁電線の絶縁体表面に付着しても、
電線表面への導電路の形成をし難くし、高耐トラッキン
グ性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵食性、耐アー
ク性を維持することができる。
【0071】請求項3に記載の発明によれば、絶縁電線
として十分な機械的特性や電気的特性を保つことができ
る。
【0072】請求項4に記載の発明によれば、絶縁電線
として、耐トラッキング性を向上し、長期間に渡り安定
して耐侵食性、耐アーク性を維持することができる。
【0073】請求項5に記載の発明によれば、絶縁電線
としての引張特性等の機械的特性、及び、絶縁抵抗ある
いは交流破壊電圧等の電気的特性を確保することができ
る。
【0074】請求項6に記載の発明によれば、熱変形温
度が上昇し、耐クリープ、耐ストレスクラック性、耐薬
品性、機械的強度を向上することができる。
【0075】請求項7に記載の発明によれば、機械的特
性や電気的特性を損なうことなく、海岸付近における海
水からの塩分が、絶縁ケーブルのシース表面に付着して
も、電線表面への導電路の形成をし難くし、高耐トラッ
キング性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵食性、耐
アーク性を維持することができる。
【0076】請求項8に記載の発明によれば、機械的特
性や電気的特性を損なうことなく、海岸付近における海
水からの塩分が、絶縁ケーブルのシース表面に付着して
も、ケーブル表面への導電路の形成をし難くし、高耐ト
ラッキング性を向上し、長期間に渡り安定して耐侵食
性、耐アーク性を維持することができる。
【0077】請求項9に記載の発明によれば、絶縁ケー
ブルとして十分な機械的特性や電気的特性を保つことが
できる。
【0078】請求項10に記載の発明によれば、絶縁ケ
ーブルとして、耐トラッキング性を向上し、長期間に渡
り安定して耐侵食性、耐アーク性を維持することができ
る。
【0079】請求項11に記載の発明によれば、絶縁ケ
ーブルとしての引張特性等の機械的特性、及び、絶縁抵
抗あるいは交流破壊電圧等の電気的特性を確保すること
ができる。
【0080】請求項12に記載の発明によれば、熱変形
温度が上昇し、耐クリープ、耐ストレスクラック性、耐
薬品性、機械的強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁電線の実施の形態を示す断面
図である。
【図2】本発明に係る絶縁ケーブルの実施の形態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1……………………………………………導体 2……………………………………………絶縁体内側層 3……………………………………………絶縁体外側層 4……………………………………………絶縁体層 5……………………………………………絶縁電線 6……………………………………………絶縁体 7……………………………………………絶縁線心 8……………………………………………シース内側層 9……………………………………………シース外側層 10…………………………………………シース層 11…………………………………………絶縁ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 17/60 H01B 17/60 G 17/64 17/64 Fターム(参考) 5G303 AA06 AB03 AB20 BA12 CA11 5G305 AA02 AB03 AB04 BA25 CA01 CA04 CA07 CA47 CA51 CA54 CC03 5G313 FA04 FA09 FB03 FB07 FC10 FD02 FD03 FD04 FD07 FD15 5G333 AA09 AB14 CA01 DA03 DA14 DA21 EA02 EB09 FB04 FB14 FB21

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上にオレフィン系又はゴム系ベー
    ス樹脂からなる絶縁体を被覆して絶縁体内側層を形成
    し、該絶縁体内側層の上にオレフィン系又はゴム系ベー
    ス樹脂に金属酸化物を配合してなる絶縁体を被覆して絶
    縁体外側層を形成してなる耐トラッキング性絶縁電線。
  2. 【請求項2】 導体の上にオレフィン系又はゴム系ベー
    ス樹脂100重量部に対し、金属酸化物を0〜150重
    量部配合してなる絶縁体を被覆して絶縁体内側層を形成
    し、該絶縁体内側層の上にオレフィン系又はゴム系ベー
    ス樹脂100重量部に対し、金属酸化物を10〜300
    重量部配合してなる絶縁体を被覆して絶縁体外側層を形
    成してなる耐トラッキング性絶縁電線。
  3. 【請求項3】 上記絶縁体外側層の厚さは、絶縁体層の
    1/2以下である請求項1又は2に記載の耐トラッキン
    グ性絶縁電線。
  4. 【請求項4】 上記金属酸化物は、水酸化マグネシウ
    ム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化
    カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2種以
    上の混合物である請求項1,2又は3に記載の耐トラッ
    キング性絶縁電線。
  5. 【請求項5】 上記オレフィン系樹脂は、ポリプロピレ
    ン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチ
    レンアクリル酸エチル共重合体のいずれか1種または2
    種以上の混合物である請求項1,2,3又は4に記載の
    耐トラッキング性絶縁電線。
  6. 【請求項6】 上記オレフィン系又はゴム系ベース樹脂
    は、架橋したものである請求項1,2,3,4又は5に
    記載の耐トラッキング性絶縁電線。
  7. 【請求項7】 絶縁線心の上にオレフィン系又はゴム系
    ベース樹脂からなる絶縁シースを被覆してシース内側層
    を形成し、該シース内側層の上にオレフィン系又はゴム
    系ベース樹脂に金属酸化物を配合してなる絶縁シースを
    被覆してシース外側層を形成してなる耐トラッキング性
    絶縁ケーブル。
  8. 【請求項8】 導体の上にオレフィン系又はゴム系ベー
    ス樹脂100重量部に対し、金属酸化物を0〜150重
    量部配合してなるシースを被覆してシース内側層を形成
    し、該シース内側層の上にオレフィン系又はゴム系ベー
    ス樹脂100重量部に対し、金属酸化物を10〜300
    重量部配合してなるシースを被覆してシース外側層を形
    成してなる耐トラッキング性絶縁ケーブル。
  9. 【請求項9】 上記シース外側層の厚さは、シース層の
    1/2以下である請求項4又は5に記載の耐トラッキン
    グ性絶縁ケーブル。
  10. 【請求項10】 上記金属酸化物は、水酸化マグネシウ
    ム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化
    カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2種以
    上の混合物である請求項7,8又は9に記載の耐トラッ
    キング性絶縁ケーブル。
  11. 【請求項11】 上記オレフィン系樹脂は、ポリプロピ
    レン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エ
    チレンアクリル酸エチル共重合体のいずれか1種または
    2種以上の混合物である請求項7,8,9又は10に記
    載の耐トラッキング性絶縁ケーブル。
  12. 【請求項12】 上記オレフィン系又はゴム系ベース樹
    脂は、架橋したものである請求項7,8,9,10又は
    11に記載の耐トラッキング性絶縁ケーブル。
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