JP2001198941A - 耐トラッキング性射出成形体 - Google Patents

耐トラッキング性射出成形体

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JP2001198941A
JP2001198941A JP2000007973A JP2000007973A JP2001198941A JP 2001198941 A JP2001198941 A JP 2001198941A JP 2000007973 A JP2000007973 A JP 2000007973A JP 2000007973 A JP2000007973 A JP 2000007973A JP 2001198941 A JP2001198941 A JP 2001198941A
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JP2000007973A
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English (en)
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Shinichi Sugiyama
真一 杉山
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料が硬化し過ぎるのを防止し、製造時の加
工性、施工作業時の作業性を良くし、クラックの発生を
防止し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性
の向上を図る。 【解決手段】 低密度ポリエチレンを主材料とし、オレ
フィン系樹脂と難燃剤を配合すると共に、その他必要に
応じて加工助剤、酸化防止剤を適量配合して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧架空配電用絶
縁カバー等のプラスチック成型品に用いられる射出成形
体に係り、特に、加工性、施工作業の良好な耐トラッキ
ング性、耐侵食性および耐アーク性の良い射出成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、OE(6,600V屋外用ポ
リエチレン絶縁電線)、OC(6,600V屋外用架橋
ポリエチレン絶縁電線)、PDC(6,600V高圧引
下用架橋ポリエチレン絶縁電線)、PDB、PDP
(6,600V高圧引下用EPゴム絶縁電線)等の高圧
屋外用絶縁電線は、電柱に支持して、架空配線し送配電
を行っている。このような高圧屋外用絶縁電線は、所定
長さ毎に電柱の支柱において接続される。この高圧屋外
用絶縁電線は、所定の電力(高電圧)を送配電するよう
になっており、所定の電力(高電圧)より高い電圧が送
電されると、送電された機器が破損する等の問題が生じ
るため、落雷等により架線の電圧が異常に高くなった場
合、異常電圧を送電しないようにするため接続部には、
地中に逃がす放電クランプが設置されている。
【0003】この放電クランプは、このままにしておく
と長期間に亘り風雨に曝され、特に海岸付近では海風等
により海水からの塩分が、放電クランプに付着し、クラ
ンプ部の腐食等を招く。そこで、放電クランプには、図
1、図2に示す如き放電クランプカバー1が被せられて
いる。この放電クランプカバー1は、放電クランプ収納
部2を有し、この放電クランプ収納部2に図示しない放
電クランプが収納されるようになっている。図中3は、
電線取出口で、一方の高圧電線が取り出されるようにな
っており、図中4は、電線取出口で、他方の高圧電線が
取り出されるようになっている。このような放電クラン
プカバー1は、電柱の支柱に設けられているため、長期
間に亘り風雨に曝され、特に海岸付近では海風等により
海水からの塩分が、放電クランプカバー1の表面に付着
する。このような状態で放電クランプカバー1の表面に
降雨等による水分が付着し、放電クランプの作用により
放電が生じると、ジュール熱に起因する付着水分の蒸発
により放電クランプカバー1に放電が生じ、この放電に
より、放電クランプカバー1の表面が炭化し、この炭化
の累積的発生によって導電路が形成されるトラッキング
現象が発生する。
【0004】このように放電クランプカバーをはじめと
する、特に、塩害地区の配電線路に設置されている高圧
本線保護カバー等の高圧架空配電用絶縁カバーは、表面
に付着した塩分と降雨等によって表面に付着する水分の
影響によりトラッキング現象(放電現象)を生じ、カバ
ー表面を侵食させたり、トラッキング時の熱によりカバ
ーに使用されている絶縁体材料が溶融滴下することがあ
る。このようなトラッキング現象(放電現象)の発生
は、高圧架空配電用絶縁カバーだけに生じるものではな
く、高電圧を扱う射出成形体全般に生じる問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような高圧架空配
電用絶縁カバー等の射出成形体には、絶縁性、耐熱性、
耐アーク性、耐トラッキング性、耐衝撃性等の特性が要
求されるためポリエチレン系樹脂が使用されているが、
ポリエチレン系樹脂から製造した各種絶縁カバーは可燃
性があり、トラッキング時の熱によりカバーに使用され
ている絶縁体材料が溶融滴下することがある。
【0006】一方、絶縁電線については、トラッキング
現象(放電現象)に対する対策が考えられており、高圧
引き下げ用絶縁電線に関して従来、ポリエチレン等を主
材料として、金属酸化物等を充填させることによって耐
トラッキング性を付与する特開平3−138815号、
実開昭55−60604号等がある。この高圧引き下げ
用絶縁電線の耐トラッキング性の付与手段のようにポリ
エチレン等の主材料に金属酸化物を充填させる方法の場
合、耐トラッキング性をより向上させるためにポリエチ
レン等の主材料に金属酸化物等の難燃剤を多量に充填さ
せることになる。
【0007】この高圧架空配電用絶縁カバー等の射出成
形体の耐トラッキング性を向上するために、高圧引き下
げ用絶縁電線の耐トラッキング性の付与と同様にポリエ
チレン等の主材料に金属酸化物等の難燃剤を多量に充填
させると、高圧架空配電用絶縁カバー等の射出成形体を
構成する絶縁体材料が硬化し過ぎ、射出成形体の製造時
における加工性が悪かったり、施工作業時に作業性が悪
かったり、射出成形体にクラックが発生する等の問題が
ある。
【0008】本発明の目的は、材料が硬化し過ぎるのを
防止し、製造時の加工性、施工作業時の作業性を良く
し、クラックの発生を防止し、耐トラッキング性、耐侵
食性および耐アーク性の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おける耐トラッキング性射出成形体は、低密度ポリエチ
レンを主材料とし、オレフィン系樹脂と難燃剤を配合す
ると共に、その他必要に応じて加工助剤、酸化防止剤を
適量配合して構成したものである。低密度ポリエチレン
は、エチレンの重合体であり長鎖分岐が多く、高圧重合
法によって高温高圧でラジカル重合で得られる密度が
0.910〜0.925の範囲にあるポリエチレンのこ
とである。また、難燃剤としては、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物がある。さら
に、加工助剤には、ポリメタクリル酸メチル、ステアリ
ン酸、ポリエチレンワックス等があり、加工助剤として
は、これらのいずれか1種または2種以上の混合物を用
いることができる。またさらに、酸化防止剤には、ヒン
ダートフェノール系酸化防止剤又はチオビスフェノール
系酸化防止剤がある。このように構成することにより、
請求項1に記載の発明によると、材料が硬化し過ぎるの
を防止することができ、製造時の加工性、施工作業時の
作業性を良くでき、クラックの発生を防止し、耐トラッ
キング性、耐侵食性および耐アーク性の向上を図ること
ができる。
【0010】請求項2に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、低密度ポリエチレン100重量部
に対し、オレフィン系樹脂を50〜100重量部、金属
水酸化物を10〜200重量部配合すると共に、その他
必要に応じて加工助剤、酸化防止剤を適量配合して構成
したものである。このオレフィン系樹脂の配合量は、耐
トラッキング性、引張伸びに関係し、オレフィン系樹脂
の配合量を低密度ポリエチレン100重量部に対して5
0〜100重量部としたのは、オレフィン系樹脂の配合
量が50重量部を下回って配合したのでは、耐トラッキ
ング性は向上するも引張伸びが低下してしまうからであ
り、また、オレフィン系樹脂の配合量を100重量部を
超えて配合すると、引張伸びは向上するが耐トラッキン
グ性が低下してしまうからである。また、この金属水酸
化物は、オレフィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤
で、オレフィン系樹脂組成物に難燃作用を持たせるもの
であり、この金属水酸化物がオレフィン系樹脂に配合さ
れないで射出成形されたオレフィン系樹脂組成物は、難
燃性を全く示さないものとなる。この金属水酸化物に
は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
ジルコニウム、水酸化カリウム等がある。この金属水酸
化物をオレフィン系樹脂に配合することによってオレフ
ィン系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼した際には、燃え殻
を射出成形体表面に残さない作用を有している。これら
の金属水酸化物は、1種類(例えば、水酸化マグネシウ
ム)を選択して配合することも、2種類以上(例えば、
水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウム)選択して配
合することもできる。この金属水酸化物の配合量は、製
造されるオレフィン系樹脂組成物で構成される射出成形
体を所定の難燃性を持たせるのに必要な量で、金属水酸
化物の配合量を低密度ポリエチレン100重量部に対し
て10〜200重量部としたのは、金属水酸化物の配合
量を10重量部を下回って配合したのでは、所定の難燃
性を持たせることができないからであり、また、金属水
酸化物の配合量を200重量部を超えて配合すると、機
械的衝撃に対する耐摩耗性が低下してしまい適当ではな
いからである。このように構成することにより、請求項
2に記載の発明によると、材料が硬化し過ぎるのを防止
することができ、製造時の加工性、施工作業時の作業性
を良くでき、クラックの発生を防止し、耐トラッキング
性、耐侵食性および耐アーク性の向上を図ることができ
る。
【0011】請求項3に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、低密度ポリエチレンを主材料と
し、超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエ
チレンと難燃剤を配合すると共に、その他必要に応じて
加工助剤、酸化防止剤を適量配合して構成したものであ
る。直鎖状低密度ポリエチレンは、高温でラジカル重合
で得られる密度が0.94未満のポリエチレンのことで
ある。また、難燃剤としては、金属水酸化物がある。こ
の金属水酸化物は、オレフィン系樹脂に用いられる無機
系難燃剤で、オレフィン系樹脂組成物に難燃作用を持た
せるものであり、この金属水酸化物がオレフィン系樹脂
に配合されないで射出成形されたオレフィン系樹脂組成
物は、難燃性を全く示さないものとなる。そして、この
金属水酸化物には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カリウム等があ
る。この金属水酸化物をオレフィン系樹脂に配合するこ
とによってオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼し
た際には、燃え殻を射出成形体表面に残さない作用を有
している。これらの金属水酸化物は、1種類(例えば、
水酸化マグネシウム)を選択して配合することも、2種
類以上(例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニ
ウム)選択して配合することもできる。このように構成
することにより、請求項3に記載の発明によると、材料
が硬化し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工
性、施工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を
防止し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性
の向上を図ることができる。
【0012】請求項4に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、低密度ポリエチレン100重量部
に対し、超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポ
リエチレンを10〜50重量部、金属水酸化物を10〜
200重量部配合すると共に、その他必要に応じて加工
助剤、酸化防止剤を適量配合して構成したものである。
この超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエ
チレンの配合量は、耐トラッキング性、引張伸びに関係
し、超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエ
チレンの配合量を低密度ポリエチレン100重量部に対
して10〜50重量部としたのは、超低密度ポリエチレ
ン及び又は直鎖状低密度ポリエチレンの配合量が10重
量部を下回って配合したのでは、耐トラッキング性は向
上するも引張伸びが低下してしまうからであり、また、
超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエチレ
ンの配合量を50重量部を超えて配合すると、引張伸び
は向上するが耐トラッキング性が必要とする値より低下
してしまうからである。また、この金属水酸化物には、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジル
コニウム、水酸化カリウム等がある。この金属水酸化物
をオレフィン系樹脂に配合することによってオレフィン
系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼した際には、燃え殻を射
出成形体表面に残さない作用を有している。この金属水
酸化物の配合量を低密度ポリエチレン100重量部に対
して10〜200重量部としたのは、金属水酸化物の配
合量を10重量部を下回って配合したのでは、所定の難
燃性を持たせることができないからであり、また、金属
水酸化物の配合量を200重量部を超えて配合すると、
機械的衝撃に対する耐摩耗性が低下してしまい適当でな
いからである。このように構成することにより、請求項
4に記載の発明によると、材料が硬化し過ぎるのを防止
することができ、製造時の加工性、施工作業時の作業性
を良くでき、クラックの発生を防止し、耐トラッキング
性、耐侵食性および耐アーク性の向上を図ることができ
る。
【0013】請求項5に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、超低密度ポリエチレン及び又は直
鎖状低密度ポリエチレンを主材料とし、難燃剤を配合す
ると共に、その他必要に応じて加工助剤、酸化防止剤を
適量配合して構成したものである。このように構成する
ことにより、請求項5に記載の発明によると、材料が硬
化し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、
施工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0014】請求項6に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、超低密度ポリエチレン及び又は直
鎖状低密度ポリエチレンを主材料とし、オレフィン系樹
脂と難燃剤を配合すると共に、その他必要に応じて加工
助剤、酸化防止剤を適量配合して構成したものである。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の金属水酸化物がある。このように構成すること
により、請求項6に記載の発明によると、材料が硬化し
過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施工
作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止し、
耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向上を
図ることができる。
【0015】請求項7に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、超低密度ポリエチレン及び又は直
鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対し、オレフィ
ン系樹脂を10〜50重量部、金属酸化物10〜200
重量部配合すると共に、その他必要に応じて加工助剤、
酸化防止剤を適量配合して構成したものである。このオ
レフィン系樹脂の配合量は、耐トラッキング性、引張伸
びに関係し、オレフィン系樹脂の配合量を超低密度ポリ
エチレン及び又は直鎖状低密度ポリエチレン100重量
部に対して10〜50重量部としたのは、オレフィン系
樹脂の配合量が10重量部を下回って配合したのでは、
耐トラッキング性は向上するも引張伸びが低下してしま
うからであり、また、オレフィン系樹脂の配合量を50
重量部を超えて配合すると、引張伸びは向上するが耐ト
ラッキング性が低下してしまうからである。また、この
金属水酸化物には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カリウム等があ
り、この金属水酸化物をオレフィン系樹脂に配合するこ
とによってオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼し
た際には、燃え殻を射出成形体表面に残さない作用を有
している。そして、この金属水酸化物の配合量を超低密
度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエチレン10
0重量部に対して10〜200重量部としたのは、金属
水酸化物の配合量を10重量部を下回って配合したので
は、所定の難燃性を持たせることができないからであ
り、また、金属水酸化物の配合量を200重量部を超え
て配合すると、機械的衝撃に対する耐摩耗性が低下して
しまい適当でないからである。このように構成すること
により、請求項7に記載の発明によると、材料が硬化し
過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施工
作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止し、
耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向上を
図ることができる。
【0016】請求項8に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、主材料を、架橋して構成したもの
である。架橋方法には、γ線または電子線を放射線源と
して使用し、これらをオレフィン系樹脂に照射すること
により分子中にラジカルが発生し、これらラジカル同士
がカップリングすることにより分子間の架橋結合が形成
される放射線照射架橋、オレフィン系樹脂の可塑化温度
で分解しない有機過酸化物を配合しておき、成形加工と
同時または成形後に高温高圧下に晒すことにより有機過
酸化物が分解しラジカルが発生し、このラジカルにより
分子間の架橋反応が進む有機過酸化物架橋、ビニルシラ
ン化合物をオレフィン系樹脂にグラフト付加反応させた
後、このグラフトマーにシラノール縮合触媒を添加し成
形加工後、水分雰囲気下に晒すことによりグラフト末端
のアルコキシシラン同士が加水分解後、脱アルコール分
子間の架橋結合が形成されるシラン架橋(水架橋)があ
り、このいずれの方法でも良い。このように請求項8に
記載の発明によると、熱変形温度が上昇し、耐クリー
プ、耐ストレスクラック性、耐薬品性、機械的強度を向
上することができる。
【0017】請求項9に記載の発明における耐トラッキ
ング性射出成形体は、オレフィン系樹脂を、エチレン系
共重合体で構成するもので、このエチレン系共重合体と
して具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメ
タクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロ
ピレン共重合体によって、これらのいずれか1種または
2種以上の混合物で構成したものである。
【0018】このように構成することにより、請求項9
に記載の発明によると、材料が硬化し過ぎるのを防止す
ることができ、製造時の加工性、施工作業時の作業性を
良くでき、クラックの発生を防止し、耐トラッキング
性、耐侵食性および耐アーク性の向上を図ることができ
る。
【0019】請求項10に記載の発明における耐トラッ
キング性射出成形体は、金属水酸化物を、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水
酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2
種以上の混合物で構成したものである。金属水酸化物
は、オレフィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤で、こ
の金属水酸化物をオレフィン系樹脂に配合することによ
ってオレフィン系樹脂組成物が燃焼した時、配合されて
いる金属水和物に含まれる結晶水が噴出して消火作用を
行うためオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、さらに燃
焼した際の炭化した燃え殻を結晶水の噴出時の蒸発の勢
いにより吹き飛ばし、トラッキングの導電路となる帰化
した部分を電線表面に形成させない。このように構成す
ることにより、請求項10に記載の発明によると、耐ト
ラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向上を図る
ことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る高圧架空配電用絶縁カバ
ー等のプラスチック成型品を構成する樹脂組成物の具体
的実施例について従来例、比較例と比較して説明する。
【0021】圧架空配電用絶縁カバー等のプラスチック
成型品を構成する樹脂組成物は、何を主材料にするかに
よって、低密度ポリエチレンを主材料としオレフィン系
樹脂と難燃剤を配合するものと、低密度ポリエチレンを
主材料とし超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度
ポリエチレンと難燃剤を配合するものと、超低密度ポリ
エチレン及び又は直鎖状低密度ポリエチレンを主材料と
しオレフィン系樹脂と難燃剤を配合するものとがある。
これらの配合により構成した高圧架空配電用絶縁カバー
等のプラスチック成型品の具体的実施例について、従来
例、比較例と比較して説明する。
【0022】実施例1 実施例1は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチルアク
リレート共重合体)を50重量部、金属水酸化物(水酸
化マグネシウム)を200重量部配合したものである。
【0023】実施例2 実施例2は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチルアク
リレート共重合体)を100重量部、金属水酸化物(水
酸化マグネシウム)を200重量部配合したものであ
る。
【0024】実施例3 実施例3は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
超低密度ポリエチレンを10重量部、金属水酸化物(水
酸化マグネシウム)を200重量部配合したものであ
る。
【0025】実施例4 実施例4は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
超低密度ポリエチレンを50重量部、金属水酸化物(水
酸化マグネシウム)を10重量部配合したものである。
【0026】実施例5 実施例5は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
超低密度ポリエチレンを50重量部、金属水酸化物(水
酸化マグネシウム)を200重量部配合したものであ
る。
【0027】実施例6 実施例6は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
直鎖状低密度ポリエチレンを10重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもので
ある。
【0028】実施例7 実施例7は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
直鎖状低密度ポリエチレンを50重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を10重量部配合したものであ
る。
【0029】実施例8 実施例8は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
直鎖状低密度ポリエチレンを50重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもので
ある。
【0030】実施例9 実施例9は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポリエチレンとを
1:1で配合した混合物を10重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもので
ある。
【0031】実施例10 実施例10は、低密度ポリエチレン100重量部に対
し、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポリエチレン
とを1:1で配合した混合物を50重量部、金属水酸化
物(水酸化マグネシウム)を10重量部配合したもので
ある。
【0032】実施例11 実施例11は、低密度ポリエチレン100重量部に対
し、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポリエチレン
とを1:1で配合した混合物を50重量部、金属水酸化
物(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもの
である。
【0033】実施例12 実施例12は、超低密度ポリエチレン100重量部に対
し、金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を10重量部
配合したものである。
【0034】実施例13 実施例13は、超低密度ポリエチレン100重量部に対
し、金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を200重量
部配合したものである。
【0035】実施例14 実施例14は、超低密度ポリエチレン100重量部に対
し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチル
アクリレート共重合体)を50重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもので
ある。
【0036】実施例15 実施例15は、超低密度ポリエチレン100重量部に対
し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチル
アクリレート共重合体)を100重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもので
ある。
【0037】実施例16 実施例16は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部
に対し、金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を10重
量部配合したものである。
【0038】実施例17 実施例17は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部
に対し、金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を200
重量部配合したものである。
【0039】実施例18 実施例18は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部
に対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体)を50重量部、金属水酸化
物(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもの
である。
【0040】実施例19 実施例19は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部
に対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体)を100重量部、金属水酸
化物(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したも
のである。
【0041】実施例20 実施例20は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部に
対し、金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を10重量
部配合したものである。
【0042】実施例21 実施例21は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部に
対し、金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を200重
量部配合したものである。
【0043】実施例22 実施例22は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部に
対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体)を50重量部、金属水酸化物
(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもので
ある。
【0044】実施例23 実施例23は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部に
対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体)を100重量部、金属水酸化
物(水酸化マグネシウム)を200重量部配合したもの
である。
【0045】従来例1 従来例1は、低密度ポリエチレン100重量部配合して
構成したものである。
【0046】従来例2 従来例2は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
金属水酸化物(水酸化マグネシウム)を10重量部配合
したものである。
【0047】比較例1 比較例1は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチルアク
リレート共重合体)を50重量部配合したものである。
【0048】比較例2 比較例2は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチルアク
リレート共重合体)を100重量部配合したものであ
る。
【0049】比較例3 比較例3は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
超低密度ポリエチレンを10重量部配合したものであ
る。
【0050】比較例4 比較例4は、低密度ポリエチレン100重量部に対し、
超低密度ポリエチレンを50重量部、金属水酸化物(水
酸化マグネシウム)を50重量部配合したものである。
【0051】比較例5 比較例5は、超低密度ポリエチレン100重量部配合し
て構成したものである。
【0052】比較例6 比較例6は、超低密度ポリエチレン100重量部に対
し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチル
アクリレート共重合体)を50重量部配合したものであ
る。
【0053】比較例7 比較例7は、超低密度ポリエチレン100重量部に対
し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチル
アクリレート共重合体)を100重量部配合したもので
ある。
【0054】比較例8 比較例8は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部配
合して構成したものである。
【0055】比較例9 比較例9は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に
対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体)を50重量部配合したもので
ある。
【0056】比較例10 比較例10は、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部
に対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体)を100重量部配合したも
のである。
【0057】比較例11 比較例11は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部配
合して構成したものである。
【0058】比較例12 比較例12は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部に
対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体)を50重量部配合したもので
ある。
【0059】比較例13 比較例13は、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポ
リエチレンとを1:1で配合した混合物100重量部に
対し、オレフィン系樹脂(具体的には、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体)を100重量部配合したもの
である。
【0060】以上の実施例1、2、14、15、18、
19、22、23に配合するオレフィン系樹脂は、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体を用いているが、オ
レフィン系樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体のいずれか1種ま
たは2種以上の混合物であってもよい。また、以上の実
施例1〜23に配合する金属水酸化物として水酸化マグ
ネシウムを用いているが、金属水酸化物として、水酸化
アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2種以上の混合
物を用いることもできる。
【0061】これらの実施例1〜実施例23の高圧架空
配電用絶縁カバー等のプラスチック成型品、従来例1、
2の高圧架空配電用絶縁カバー等のプラスチック成型
品、比較例1〜比較例13の高圧架空配電用絶縁カバー
等のプラスチック成型品のそれぞれについて、引張強さ
(MPa)、引張伸び(%)、トラッキング(回)、侵
食(回)、アーク(秒)のそれぞれの特性を調べた。そ
の比較結果が表1〜表7に示してある。
【0062】
【表 1】
【表 2】
【表 3】
【表 4】
【表 5】
【表 6】
【表 7】 この表1〜表7の引張伸び、引張強度の各測定は、日本
工業規格に定めるJIS−K7113の引張試験に基づ
いて行ったものである。
【0063】また、表1〜表7中の引張伸びは、作製し
た高圧架空配電用絶縁カバー等のプラスチック成型品と
同様の方法で成型したシート(試験片)の一端を固定
し、他端を引張って、試験片が引き千切れるまで引張
り、千切れたときの長さ(伸び)を元の試験片の長さで
除して百分率で表したもの(伸び率)である。すなわち
試験片を引き伸ばしたときの試験片の最大の伸びを求め
たものである。この引張伸びの基準値は『350%以
上』である。この基準値を『350%以上』としたの
は、引張伸びが350%未満になると、硬すぎて加工
性、あるいは作業性が悪くなるからである。
【0064】さらに、表1〜表7中の引張強さ(MP
a)は、どの程度の荷重(MPa)で引っ張ったときに
引き千切れるかを示したもので、引き千切れたときの荷
重、すなわち試験片の断面積(mm )当りの最大引
張荷重(N)で示したものである。したがって、この引
張強度の大きさによって機械的強度が判る。この引張強
度の基準値は『25MPa以下』である。この基準値を
『25MPa以下』としたのは、引張強さが25MPa
を超えると、硬すぎて加工性、あるいは作業性が悪くな
るからである。
【0065】表1〜表7中の耐トラッキング性(回)
は、高圧架空配電用絶縁カバー等のプラスチック成型品
から一部(150mm以上の長さ)を採って試料とし、
JIS−C3005に基づく絶縁電線試験方法によって
試験を行った。この耐トラッキング性(回)は、片端約
20mmの成型品上に1mmの裸銅線を巻き付け、これ
を電極として試料を垂直に保持し、50Hz又は60H
zの正弦波に近い波形をもった4kVの交流電圧を加
え、次に、ノズルを試料から約500mm離し、試料に
塩化ナトリウム等を含んだ試験液(噴霧量0.5±0.
1mm/min )を噴霧速度3m/sで噴霧し、この
試験液を何回噴霧したときに資料に導電路が形成される
か(トラッキングを生じるか)を計測したものである。
この耐トラッキング性の基準値は、『500回以上』と
している。さらに、作製した高圧架空配電用絶縁カバー
等のプラスチック成型品と同様の方法で成型した1.0
mm厚のシート(試験片)を作成して、耐侵食性
(回)、及び耐アーク性(秒)の試験を行った。この耐
侵食性(回)は、耐トラッキング性試験中に電極設置点
に生じたトラッキングによる抉れの進行によって絶縁破
壊するまでの回数を測定したものである。この耐侵食性
の基準値は、『700回以上』としている。
【0066】また、表1〜表7中の耐アーク性(秒)
は、1.0mm厚のシートを作成して試料とし、この試
料に2つの電極を所定の間隔で設け、この2つの電極間
に数mA(例えば、4mA)の電流を一定間隔で流し、
2つの電極間に電流を流してもアークが生じない(試料
表面が炭化して短絡状態となる)状態になるまでのアー
ク電流発生の総加算時間を測定したものである。この耐
アーク性の基準値は、『150秒以上』としている。
【0067】判定結果(総合評価)は、引張強さ(25
MPa以下)、引張伸び(350%以上)、耐トラッキ
ング性(500回以上)、耐侵食性(700回以上)、
耐アーク性(150秒以上)の各基準値が遵守できた場
合が『○』、引張強さ(25MPa以下)、引張伸び
(350%以上)、耐トラッキング性(500回以
上)、耐侵食性(700回以上)、耐アーク性(150
秒以上)の各基準値のいずれか1つでも達成できない場
合が『×』である。実施例1〜5は判定結果がすべて
『○』で、比較例1〜2は引張強さ(25MPa以
下)、引張伸び(350%以上)、耐トラッキング性
(500回以上)、耐侵食性(700回以上)、耐アー
ク性(150秒以上)のいずれか1つでも基準値を下回
っているものがあるもので、判定結果がすべて『×』と
なっている。
【0068】従来例1、2と比較例1〜13は、判定結
果(総合評価)について見ると、判定結果がいずれも
『×』となっている。従来例1は、耐トラッキング性
(500回以上)、耐侵食性(700回以上)、耐アー
ク性(150秒以上)のいずれも基準値を下回ってお
り、従来例2は、耐トラッキング性(500回以上)が
550回、耐侵食性(700回以上)が720回、耐ア
ーク性(150秒以上)が160秒といずれも基準値に
達成しているが、引張強さ(25MPa以下)が26M
Pa、引張伸び(350%以上)が340%といずれも
基準値に達していない。したがって、従来例1、2の判
定結果が共に『×』となっている。
【0069】また、比較例1、2は、引張強さ(25M
Pa以下)が13MPa、12MPa、引張伸び(35
0%以上)が570%、610%といずれも基準値に達
しているが、耐トラッキング性(500回以上)が共に
500回未満、耐侵食性(700回以上)が共に700
回未満、耐アーク性(150秒以上)が共に150秒未
満といずれも基準値に達しておらず、比較例1、2の判
定結果が共に『×』となっている。この比較例2が、比
較例1よりも柔軟性を有しているのは、低密度ポリエチ
レン100重量部に対して配合されるオレフィン系樹脂
の配合量の相異によるものである。
【0070】また、低密度ポリエチレンに超低密度ポリ
エチレンを配合する比較例3、4は、引張強さ(25M
Pa以下)が15MPa、13MPa、引張伸び(35
0%以上)が550%、650%といずれも基準値に達
しているが、耐トラッキング性(500回以上)が共に
500回未満、耐侵食性(700回以上)が共に700
回未満、耐アーク性(150秒以上)が共に150秒未
満といずれも基準値に達しておらず、比較例3、4の判
定結果が共に『×』となっている。この比較例4が、比
較例3よりも柔軟性を有しているのは、低密度ポリエチ
レン100重量部に対する超低密度ポリエチレンの配合
量が、比較例3よりも比較例4の方が多いことによるも
のである。
【0071】さらに、超低密度ポリエチレンを主材料と
する比較例5、比較例6、比較例7は、引張強さ(25
MPa以下)が12MPa、13MPa、10MPa、
引張伸び(350%以上)が600%、570%、61
0%といずれも基準値に達しているが、耐トラッキング
性(500回以上)が共に500回未満、耐侵食性(7
00回以上)が共に700回未満、耐アーク性(150
秒以上)が共に150秒未満といずれも基準値に達して
おらず、比較例5、6、7の判定結果が共に『×』とな
っている。この比較例7が、比較例6よりも柔軟性を有
しているのは、超低密度ポリエチレン100重量部に対
するオレフィン系樹脂の配合量の相異によるものであ
る。
【0072】またさらに、直鎖状低密度ポリエチレンを
主材料とする比較例8、比較例9、比較例10は、引張
強さ(25MPa以下)が12MPa、13MPa、1
0MPa、引張伸び(350%以上)が600%、57
0%、610%といずれも基準値に達しているが、耐ト
ラッキング性(500回以上)が共に500回未満、耐
侵食性(700回以上)が共に700回未満、耐アーク
性(150秒以上)が共に150秒未満といずれも基準
値に達しておらず、比較例8、9、10の判定結果が共
に『×』となっている。この比較例10が、比較例9よ
りも柔軟性を有しているのは、直鎖状低密度ポリエチレ
ン100重量部に対するオレフィン系樹脂の配合量の相
異によるものである。
【0073】さらにまた、直鎖状低密度ポリエチレンと
超低密度ポリエチレンとを1:1で配合した混合物を主
材料とする比較例11、比較例12、比較例13は、引
張強さ(25MPa以下)が12MPa、13MPa、
10MPa、引張伸び(350%以上)が600%、5
70%、610%といずれも基準値に達しているが、耐
トラッキング性(500回以上)が共に500回未満、
耐侵食性(700回以上)が共に700回未満、耐アー
ク性(150秒以上)が共に150秒未満といずれも基
準値に達しておらず、比較例11、12、13の判定結
果が共に『×』となっている。この比較例13が、比較
例12よりも柔軟性を有しているのは、直鎖状低密度ポ
リエチレンと超低密度ポリエチレンとを1:1で配合し
た混合物100重量部に対するオレフィン系樹脂の配合
量の相異によるものである。
【0074】これらの従来例1、2と、比較例1〜13
と、実施例1〜23とを比較する。低密度ポリエチレン
を主材料とし、オレフィン系樹脂、超低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン
と直鎖状低密度ポリエチレンとの混合物等を配合する実
施例1〜実施例11の判定結果(総合評価)について見
ると、判定結果がいずれも『○』となっている。
【0075】まず、低密度ポリエチレンを主材料とする
実施例1〜11について検討する。実施例1、2は、引
張強さ(25MPa以下)が25MPa、23MPa、
引張伸び(350%以上)が380%、420%といず
れも基準値に達しており、耐トラッキング性(500回
以上)が4800回、4700回、耐侵食性(700回
以上)が6900回、7100回、耐アーク性(150
秒以上)が580秒、600秒といずれも基準値よりも
大幅な向上が見られ、実施例1、2の判定結果は共に
『○』となっている。この耐トラッキング性、耐侵食
性、耐アーク性の特性が飛躍的に向上するのは、比較例
1、2と比較すると実施例1、2に配合される金属水酸
化物の作用によるものであることが判る。
【0076】また、実施例3〜5は、引張強さ(25M
Pa以下)が25MPa、16MPa、21MPa、引
張伸び(350%以上)が350%、580%、390
%といずれも基準値に達しており、耐トラッキング性
(500回以上)が4900回、560回、4500
回、耐侵食性(700回以上)が7200回、730
回、7000回、耐アーク性(150秒以上)が650
秒、150秒、610秒と実施例3、5は、いずれも基
準値よりも大幅な向上が見られ、実施例3〜5の判定結
果は共に『○』となっている。この実施例3、5につい
て、耐トラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が
飛躍的に向上するのは、比較例3、4と比較すると実施
例3、5に配合される金属水酸化物の作用によるもので
あることが判る。また、実施例3、5と実施例4とで耐
トラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性に差が生
じるのは、実施例3、5と実施例4とを比較すると、実
施例3、5に配合される金属水酸化物の配合量と、実施
例4に配合される金属水酸化物の配合量とが異なること
によることが判る。また、実施例3の引張強さ、引張伸
びの特性と実施例5の引張強さ、引張伸びの特性との相
異は、低密度ポリエチレンに配合する超低密度ポリエチ
レンの配合量の相異によるものである。
【0077】さらに、実施例6〜8は、引張強さ(25
MPa以下)が25MPa、16MPa、21MPa、
引張伸び(350%以上)が350%、580%、39
0%といずれも基準値に達しており、耐トラッキング性
(500回以上)が4900回、560回、4500
回、耐侵食性(700回以上)が7200回、730
回、7000回、耐アーク性(150秒以上)が650
秒、150秒、610秒と実施例6、8は、いずれも基
準値よりも大幅な向上が見られ、実施例6〜8の判定結
果は共に『○』となっている。この実施例6、8が、耐
トラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が飛躍的
に向上するのは、比較例3、4と比較すると実施例6、
8に配合される金属水酸化物の作用によるものであるこ
とが判る。また、実施例6、8と実施例7とで耐トラッ
キング性、耐侵食性、耐アーク性の特性に差が生じるの
は、実施例6、8と実施例7とを比較すると、実施例
6、8に配合される金属水酸化物の配合量と、実施例7
に配合される金属水酸化物の配合量とが異なることによ
ることが判る。また、実施例6の引張強さ、引張伸びの
特性と実施例8の引張強さ、引張伸びの特性との相異
は、低密度ポリエチレンに配合する直鎖状低密度ポリエ
チレンの配合量の相異によるものである。
【0078】またさらに、実施例9〜11は、引張強さ
(25MPa以下)が25MPa、16MPa、21M
Pa、引張伸び(350%以上)が350%、580
%、390%といずれも基準値に達しており、耐トラッ
キング性(500回以上)が4900回、560回、4
500回、耐侵食性(700回以上)が7200回、7
30回、7000回、耐アーク性(150秒以上)が6
50秒、150秒、610秒と実施例9、11は、いず
れも基準値よりも大幅な向上が見られ、実施例9〜11
の判定結果は共に『○』となっている。この実施例9、
11について、耐トラッキング性、耐侵食性、耐アーク
性の特性が飛躍的に向上するのは、比較例3、4と比較
すると実施例9、11に配合される金属水酸化物の作用
によるものであることが判る。また、実施例9、11と
実施例10とで耐トラッキング性、耐侵食性、耐アーク
性の特性に差が生じるのは、実施例9、11と実施例1
0とを比較すると、実施例9、11に配合される金属水
酸化物の配合量と、実施例10に配合される金属水酸化
物の配合量とが異なることによることが判る。また、実
施例9の引張強さ、引張伸びの特性と実施例11の引張
強さ、引張伸びの特性との相異は、低密度ポリエチレン
に配合する直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度ポリエ
チレンとを1:1で配合した混合物の配合量の相異によ
るものである。
【0079】次に、超低密度ポリエチレンを主材料とす
る実施例12〜15について検討する。実施例12、1
3は、引張強さ(25MPa以下)が15MPa、22
MPa、引張伸び(350%以上)が530%、370
%といずれも基準値に達しており、耐トラッキング性
(500回以上)が530回、4800回、耐侵食性
(700回以上)が700回、7000回、耐アーク性
(150秒以上)が170秒、610秒といずれも基準
値に達しており、実施例12、13の判定結果は共に
『○』となっている。この実施例12と比較例2とを比
較すると、比較例2よりも実施例12の方が、耐トラッ
キング性、耐侵食性(700回以上)、耐アーク性の特
性が良くなっている。これは、主材料となる超低密度ポ
リエチレンによるものであることが判る。そして、実施
例12と実施例13とを比較すると、実施例12よりも
実施例13の方が耐トラッキング性、耐侵食性、耐アー
ク性の特性が飛躍的に向上していることが判る。これ
は、実施例12に配合される金属水酸化物の量と実施例
13に配合される金属水酸化物の量とが異なっているこ
とによることが判る。
【0080】また、実施例14、15は、引張強さ(2
5MPa以下)が25MPa、23MPa、引張伸び
(350%以上)が380%、420%といずれも基準
値に達しており、耐トラッキング性(500回以上)が
4800回、4700回、耐侵食性(700回以上)が
6900回、7100回、耐アーク性(150秒以上)
が580秒、600秒といずれも基準値よりも大幅な向
上が見られ、実施例14、15の判定結果は共に『○』
となっている。この実施例14、15について、耐トラ
ッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が飛躍的に向
上するのは、同じ超低密度ポリエチレンを主材料とする
実施例12と比較すると、実施例14、15に配合され
る金属水酸化物の作用によるものであることが判る。ま
た、実施例14の引張強さ、引張伸びの特性と実施例1
5の引張強さ、引張伸びの特性との相異は、超低密度ポ
リエチレンに配合するオレフィン系樹脂の配合量の相異
によるものである。
【0081】次に、直鎖状低密度ポリエチレンを主材料
とする実施例16〜19について検討する。実施例1
6、17は、引張強さ(25MPa以下)が15MP
a、22MPa、引張伸び(350%以上)が530
%、370%といずれも基準値に達しており、耐トラッ
キング性(500回以上)が530回、4800回、耐
侵食性(700回以上)が700回、7000回、耐ア
ーク性(150秒以上)が170秒、610秒といずれ
も基準値に達しており、実施例16、17の判定結果は
共に『○』となっている。この実施例16と比較例2と
を比較すると、比較例2よりも実施例16の方が、耐ト
ラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が良くなっ
ている。これは、主材料となる直鎖状低密度ポリエチレ
ンによるものであることが判る。そして、実施例16と
実施例17とを比較すると、実施例16よりも実施例1
7の方が耐トラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特
性が飛躍的に向上していることが判る。これは、実施例
16に配合される金属水酸化物の量と実施例17に配合
される金属水酸化物の量とが異なっていることによるこ
とが判る。
【0082】また、実施例18、19は、引張強さ(2
5MPa以下)が25MPa、23MPa、引張伸び
(350%以上)が380%、420%といずれも基準
値に達しており、耐トラッキング性(500回以上)が
4800回、4700回、耐侵食性(700回以上)が
6900回、7100回、耐アーク性(150秒以上)
が580秒、600秒といずれも基準値よりも大幅な向
上が見られ、実施例18、19の判定結果は共に『○』
となっている。この実施例18、19について、耐トラ
ッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が飛躍的に向
上するのは、同じ直鎖状低密度ポリエチレンを主材料と
する実施例16と比較すると、実施例18、19に配合
される金属水酸化物の作用によるものであることが判
る。また、実施例18の引張強さ、引張伸びの特性と実
施例19の引張強さ、引張伸びの特性との相異は、直鎖
状低密度ポリエチレンに配合するオレフィン系樹脂の配
合量の相異によるものである。
【0083】次に、直鎖状低密度ポリエチレンと超低密
度ポリエチレンとを1:1で配合した混合物を主材料と
する実施例20〜23について検討する。実施例20、
21は、引張強さ(25MPa以下)が15MPa、2
2MPa、引張伸び(350%以上)が530%、37
0%といずれも基準値に達しており、耐トラッキング性
(500回以上)が530回、4800回、耐侵食性
(700回以上)が700回、7000回、耐アーク性
(150秒以上)が170秒、610秒といずれも基準
値に達しており、実施例20、21の判定結果は共に
『○』となっている。この実施例20と比較例2とを比
較すると、比較例2よりも実施例20の方が、耐トラッ
キング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が良くなってい
る。これは、主材料となる直鎖状低密度ポリエチレンと
超低密度ポリエチレンとを1:1で配合した混合物によ
るものであることが判る。そして、実施例20と実施例
21とを比較すると、実施例20よりも実施例21の方
が耐トラッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が飛
躍的に向上していることが判る。これは、実施例20に
配合される金属水酸化物の量と実施例21に配合される
金属水酸化物の量とが異なっていることによることが判
る。
【0084】また、実施例22、23は、引張強さ(2
5MPa以下)が25MPa、23MPa、引張伸び
(350%以上)が380%、420%といずれも基準
値に達しており、耐トラッキング性(500回以上)が
4800回、4700回、耐侵食性(700回以上)が
6900回、7100回、耐アーク性(150秒以上)
が580秒、600秒といずれも基準値よりも大幅な向
上が見られ、実施例22、23の判定結果は共に『○』
となっている。この実施例22、23について、耐トラ
ッキング性、耐侵食性、耐アーク性の特性が飛躍的に向
上するのは、同じ直鎖状低密度ポリエチレンと超低密度
ポリエチレンとを1:1で配合した混合物を主材料とす
る実施例20と比較すると、実施例22、23に配合さ
れる金属水酸化物の作用によるものであることが判る。
また、実施例22の引張強さ、引張伸びの特性と実施例
23の引張強さ、引張伸びの特性との相異は、直鎖状低
密度ポリエチレンと超低密度ポリエチレンとを1:1で
配合した混合物に対して配合するオレフィン系樹脂の配
合量によるものである。
【0085】以上説明した実施例1〜23の主材料とな
っている低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンと直
鎖状低密度ポリエチレンとの混合物のそれぞれは、架橋
してもよい。
【0086】架橋方法には、γ線または電子線を放射線
源として使用し、これらをオレフィン系樹脂に照射する
ことにより分子中にラジカルが発生し、これらラジカル
同士がカップリングすることにより分子間の架橋結合が
形成される放射線照射架橋、オレフィン系樹脂の可塑化
温度で分解しない有機過酸化物を配合しておき、成形加
工と同時または成形後に高温高圧下に晒すことにより有
機過酸化物が分解しラジカルが発生し、このラジカルに
より分子間の架橋反応が進む有機過酸化物架橋、ビニル
シラン化合物をオレフィン系樹脂にグラフト付加反応さ
せた後、このグラフトマーにシラノール縮合触媒を添加
し成形加工後、水分雰囲気下に晒すことによりグラフト
末端のアルコキシシラン同士が加水分解後、脱アルコー
ル分子間の架橋結合が形成されるシラン架橋(水架橋)
があり、このいずれの方法でも良い。架橋剤を用いた化
学架橋は、ポリオレフィンエラストマーにシランカップ
リング剤をグラフト重合させ、金属水酸化物を混練し、
ジクミルパーオキサイド(DCP)などの架橋剤と錫系
の架橋触媒を混合、加熱することによって架橋するもの
で、架橋剤を配合したオレフィン系樹脂を加熱すると、
まず、加熱することによって架橋剤(DCP)が分解
し、遊離基ができ、この遊離基とポリマーが反応してポ
リマーを活性化し、ポリマー遊離基を生成し、このポリ
マー遊離基同士が結合してポリマー架橋を形成する。ビ
ニルシランによる水架橋は、ポリマーであるオレフィン
系樹脂に、遊離ラジカル発生剤(架橋剤)であるジクミ
ルパーオキサイド(DCP)、ビニルトリメトキシシラ
ン(VTMOS)等のシラン化合物(カップリング
剤)、ジブチル錫ジラウレート等のシラノール縮合触媒
(シロキサン縮合触媒)を配合して加熱することによっ
て行われる。加熱することによって架橋剤が分解され遊
離基ができ、この遊離基とポリマー(ポリオレフィンエ
ラストマー)が反応してポリマーを活性化し、ポリマー
遊離基を生成し、このポリマー遊離基とシラン化合物
(ビニルトリメトキシシラン)とが反応してグラフトマ
ーが生成され、このグラフトマーに錫系の触媒(ジブチ
ル錫ジラウレート)が作用し、水の存在によって、遊離
基にシランカップリング剤のビニルトリメトキシシラン
のビニルのところがとれて結合する。
【0087】シランカップリング剤には、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシラン
があり、これらのいずれか1種または2種以上の混合物
を用いることができる。また、架橋剤には、ジクミルパ
ーオキサイト、2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3,1,3−ビス(第三ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼンがあり、これらのいずれか1種または
2種以上の混合物を用いることができる。さらに、架橋
触媒には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレ
ート、ジブチル錫メチルカプチドがあり、これらのいず
れかを用いることができる。
【0088】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、材料が硬
化し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、
施工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0089】請求項2に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0090】請求項3に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0091】請求項4に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0092】請求項5に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0093】請求項6に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0094】請求項7に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0095】請求項8に係る発明によれば、熱変形温度
が上昇し、耐クリープ、耐ストレスクラック性、耐薬品
性、機械的強度を向上することができる。
【0096】請求項9に係る発明によれば、材料が硬化
し過ぎるのを防止することができ、製造時の加工性、施
工作業時の作業性を良くでき、クラックの発生を防止
し、耐トラッキング性、耐侵食性および耐アーク性の向
上を図ることができる。
【0097】請求項10に係る発明によれば、耐トラッ
キング性、耐侵食性および耐アーク性の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる放電クランプカバーの正面
図である。
【図2】図1に図示の放電クランプカバーの右側面図で
ある。
【符号の説明】
1………………………放電クランプカバー 2………………………放電クランプ収納部 3………………………電線取出口 4………………………電線取出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 17/58 H01B 17/58 E Fターム(参考) 4F206 AA03 AA07 AB05 AB07 JA07 JF02 JQ81 4J002 BB031 BB052 BB062 BB072 BB082 BB152 DE056 DE066 DE076 DE086 DE096 DE146 FD078 FD136 FD207 5G305 AA14 AB03 AB04 AB25 AB36 BA15 CA01 CA04 CA07 CA51 CA54 CC03 CD13 5G333 AA07 AA09 AA11 AA12 AA13 AB02 AB22 BA01 CA01 CC05 CC09 CC15 DA03 DA14 DA21 EA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低密度ポリエチレンを主材料とし、オレ
    フィン系樹脂と難燃剤を配合すると共に、その他必要に
    応じて加工助剤、酸化防止剤を適量配合してなる耐トラ
    ッキング性射出成形体。
  2. 【請求項2】 低密度ポリエチレン100重量部に対
    し、オレフィン系樹脂を50〜100重量部、金属水酸
    化物を10〜200重量部配合すると共に、その他必要
    に応じて加工助剤、酸化防止剤を適量配合してなる耐ト
    ラッキング性射出成形体。
  3. 【請求項3】 低密度ポリエチレンを主材料とし、超低
    密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエチレンと
    難燃剤を配合すると共に、その他必要に応じて加工助
    剤、酸化防止剤を適量配合してなる耐トラッキング性射
    出成形体。
  4. 【請求項4】 低密度ポリエチレン100重量部に対
    し、超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低密度ポリエ
    チレンを10〜50重量部、金属水酸化物を10〜20
    0重量部配合すると共に、その他必要に応じて加工助
    剤、酸化防止剤を適量配合してなる耐トラッキング性射
    出成形体。
  5. 【請求項5】 超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低
    密度ポリエチレンを主材料とし、難燃剤を配合すると共
    に、その他必要に応じて加工助剤、酸化防止剤を適量配
    合してなる耐トラッキング性射出成形体。
  6. 【請求項6】 超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低
    密度ポリエチレンを主材料とし、オレフィン系樹脂と難
    燃剤を配合すると共に、その他必要に応じて加工助剤、
    酸化防止剤を適量配合してなる耐トラッキング性射出成
    形体。
  7. 【請求項7】 超低密度ポリエチレン及び又は直鎖状低
    密度ポリエチレン100重量部に対し、オレフィン系樹
    脂を10〜50重量部、金属水酸化物10〜200重量
    部配合すると共に、その他必要に応じて加工助剤、酸化
    防止剤を適量配合してなる耐トラッキング性射出成形
    体。
  8. 【請求項8】 上記主材料は、架橋したものである請求
    項1、3又は5に記載の耐トラッキング性射出成形体。
  9. 【請求項9】 上記オレフィン系樹脂は、エチレン酢酸
    ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
    体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレ
    ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
    合体、エチレン−プロピレン共重合体のいずれか1種ま
    たは2種以上の混合物である請求項1、2、3、4、
    5、6又は7に記載の耐トラッキング性射出成形体。
  10. 【請求項10】 上記金属水酸化物は、水酸化マグネシ
    ウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸
    化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2種
    以上の混合物である請求項1、2、3、4、5、6、7
    又は8に記載の耐トラッキング性射出成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010254883A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Hitachi Cable Ltd 非ハロゲン難燃性樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電線・ケーブル
JP2011529506A (ja) * 2008-07-31 2011-12-08 トリスタノ ピーティワイ リミテッド 熱可塑性デンプンを含む組成物

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