JPH11350786A - 免震装置のトリガー機構 - Google Patents

免震装置のトリガー機構

Info

Publication number
JPH11350786A
JPH11350786A JP16241598A JP16241598A JPH11350786A JP H11350786 A JPH11350786 A JP H11350786A JP 16241598 A JP16241598 A JP 16241598A JP 16241598 A JP16241598 A JP 16241598A JP H11350786 A JPH11350786 A JP H11350786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
isolation device
trigger
earthquake
upper structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP16241598A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Kamiya
尚幸 神谷
Takeshi Nishimoto
健 西元
Hirokazu Matsukawa
浩和 松川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP16241598A priority Critical patent/JPH11350786A/ja
Publication of JPH11350786A publication Critical patent/JPH11350786A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 免震装置のトリガー機構に対して、上部構造
物21が軽量であっても、風圧による上部構造物21の
不用意な揺れを確実に抑えると共に、免震装置20の免
震機能を発揮させる必要がある震度の地震が発生したと
きには免震装置20を作動させて十分な免震効果が得ら
れるようにする。 【解決手段】 上部構造物21の下部に第1のトリガー
磁石25を設けると共に、基礎23の上部に、上面が第
1のトリガー磁石25の下面と引き合って当接するよう
に第2のトリガー磁石26を設け、この両トリガー磁石
25,26を、所定震度以上の地震が発生したときに両
トリガー磁石25,26同士の引合力に抗して互いに水
平方向に引き離されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部構造物と基礎
との間に設けられた免震装置を所定震度以上の地震が発
生したときに作動させるようにした免震装置のトリガー
機構に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、このような免震装置のトリガ
ー機構としては、棒状部材の塑性変形抵抗を利用したも
のや、重力による摩擦抵抗力を利用したものが知られて
いる。前者のものは主として、例えば図6に示すよう
に、上部構造物及び基礎にそれぞれ連結される円形の上
板a及び下板b間において天然ゴム等からなるゴム層c
と鋼板層dとを交互に積層した積層ゴムタイプの免震装
置内部に組み込まれる。具体的には、積層部の中心部に
上下方向に延びる鉛製の棒状部材eが設けられ、風圧が
上部構造物に作用したときに、この棒状部材eの塑性変
形抵抗により積層部が水平方向に変形するのが抑制され
て、上部構造物が不用意に動かないようになされてい
る。この結果、比較的小さな震度の地震が発生したとき
には免震装置は作動しないことになるが、上部構造物の
揺れは小さいので、問題は殆どない。一方、所定震度以
上の地震が発生したときには、棒状部材eが変形して免
震装置が作動可能となり、免震装置の機能を発揮させて
地震による上部構造物の揺れを抑えるようになってい
る。
【0003】一方、後者のものは主として、例えば特開
平9−4279号公報に示されている転がり支承タイプ
のものや、例えば特開平9−195577号公報に示さ
れている滑り支承タイプのものに用いられており、上部
構造物の重力に基づいて生じる鋼鉄製球又は滑り支承部
材の静止摩擦力により、風圧が上部構造物に作用したと
きには上部構造物が基礎に対して相対移動しないように
なされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上部構造物
が個人住宅等のように軽量である場合には、上記積層ゴ
ムタイプの免震装置では十分な荷重が得られずに免震効
果が不十分となるため、上記転がり支承タイプや滑り支
承タイプのものを使用することが望ましい。
【0005】しかし、転がり支承タイプや滑り支承タイ
プのものを使用した場合には、そのトリガー機構は上述
の如く摩擦を利用したものとなり、このため、軽量な上
部構造物では十分な摩擦力効果を得ることはできなくな
る。また、摩擦力自体は極めて不安定なものである。こ
の結果、特に台風時のように強い風が吹いたときには上
部構造物の不用意な揺れを確実に抑えることは困難とな
る。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、免震装置のトリガー機
構に対して、その構成を見直すことによって、上部構造
物が軽量であっても、風圧による上部構造物の不用意な
揺れを確実に抑えると共に、免震装置の免震機能を発揮
させる必要がある震度の地震が発生したときには免震装
置を作動させて十分な免震効果が得られるようにしよう
とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、互いに引き合う磁石を上部
構造物側及び基礎側にそれぞれ設けるようにした。
【0008】具体的には、この発明では、上部構造物と
基礎との間に設けられた免震装置を所定震度以上の地震
が発生したときに作動させるようにした免震装置のトリ
ガー機構を対象とする。
【0009】そして、上記上部構造物の下部に設けられ
た第1のトリガー磁石と、上記基礎の上部に、上面が上
記第1のトリガー磁石の下面と引き合って当接するよう
に設けられた第2のトリガー磁石とを備え、上記第1及
び第2のトリガー磁石は、所定震度以上の地震が発生し
たときに該第1及び第2のトリガー磁石同士の引合力に
抗して互いに水平方向に引き離されるように構成されて
いるものとする。
【0010】上記の構成により、風圧が上部構造物に作
用したとしても、第1及び第2のトリガー磁石同士の引
合力により上部構造物は基礎に対して動くことはでき
ず、上部構造物の重量に関係なく風圧による上部構造物
の不用意な揺れを確実に抑えることができる。一方、免
震装置の免震機能を発揮させる必要がある震度の地震が
発生したときには、その地震力により第1及び第2のト
リガー磁石は互いに引き離されて、免震装置が作動可能
な状態となる。つまり、免震装置において上部構造物と
連結された上部構造物側部分が基礎と連結された基礎側
部分に対して相対移動する。このとき、上部構造物が軽
量である場合は、免震装置として転がり支承タイプや滑
り支承タイプのものを使用することにより、十分な免震
効果を得るようにすることができる。しかも、第1及び
第2のトリガー磁石は、互いに引き合うことで減衰機能
としての役目をも果たすので、地震による上部構造物の
揺れを有効に抑えることができる。
【0011】請求項2の発明では、上部構造物と基礎と
の間に設けられた免震装置を所定震度以上の地震が発生
したときに作動させるようにした免震装置のトリガー機
構を対象とする。
【0012】そして、複数の分割片同士が上記免震装置
の外周を覆うように繋げられた筒状部材を備え、上記筒
状部材は、所定震度以上の地震が発生したときに免震装
置から力を受けて分割片同士の繋ぎ部のうちの少なくと
も1つが分離されるように構成されているものとする。
【0013】この発明により、風圧が上部構造物に作用
したとしても、筒状部材により免震装置における上部構
造物側部分が基礎側部分に対して相対移動することはで
きず、この結果、上部構造物は基礎に対して動くことは
できない。一方、所定震度以上の地震が発生したときに
は、免震装置から力を受けて分割片同士の繋ぎ部が分離
するので、免震装置は作動可能な状態となる。よって、
請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0014】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、筒状部材の分割片は、耐火性材料からなるものと
する。このようにすることで、火災が発生しても免震装
置を保護することができる。
【0015】請求項4の発明では、上部構造物と基礎と
の間に設けられかつ該上部構造物に連結された上板と基
礎に連結された下板とを有する免震装置を、所定震度以
上の地震が発生したときに作動させるようにした免震装
置のトリガー機構を対象とする。
【0016】そして、上端部が上記免震装置の上板と連
結され、下端部が免震装置の下板と連結された上下方向
に延びるピン部材を備え、上記ピン部材は、下板の上面
と略同じ高さの部位にくびれ部を有していて、所定震度
以上の地震が発生したときに該くびれ部で折れるように
構成されているものとする。
【0017】このことで、風圧が上部構造物に作用した
としても、ピン部材により免震装置の上板が下板に対し
て相対移動することはできず、上部構造物が揺れること
はない。一方、所定震度以上の地震が発生したときに
は、ピン部材がくびれ部で折れるので、免震装置は作動
可能な状態となる。よって、この発明も、請求項1の発
明と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】請求項5の発明では、請求項1、2、3又
は4の発明において、免震装置は、水平方向の揺れをボ
ールの回転又は摺動部材の摺動若しくは互いに反発する
磁性体同士の浮かせ摺動により小さくしかつ水平方向の
変位を弾性体の変形抵抗により減衰させて復帰させるよ
うに構成されているものとする。
【0019】このことにより、水平方向の衝撃的な揺れ
をボールの回転等による横スライドによって小さくする
ことができると共に、ボール等の摩擦抵抗及び弾性体の
変形抵抗(復元力)が減衰力として作用するので、上部
構造物の揺れをスムーズに抑えることができ、地震収束
後は上部構造物を移動前の位置に復帰させることができ
る。そして、免震装置の高さは、積層ゴムタイプの免震
装置のようにゴム層のせん断変形により水平方向の揺れ
を小さくするものとは異なり、ボール、摺動部材又は磁
性体の大きさで略決まるので、小さくすることができ
る。さらに、弾性体の復元力やローラ等の摩擦力は調節
が可能であるので、上部構造物の重さに応じて最適な値
となるように設定することができる。よって、免震効果
が優れかつ軽量構造物に最適な小形・軽量の免震装置が
得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は、本発明の
実施形態1に係る免震装置のトリガー機構を示し、この
トリガー機構は、上部構造物21と基礎23との間に上
側及び下側フランジ28,29を介して設けられた免震
装置20を、所定震度以上(免震装置20の免震機能を
発揮させる必要がある震度)の地震が発生したときに作
動させるようにしたものである。上記トリガー機構は、
免震装置20の近傍における上部構造物21と基礎23
との間に設けられていて、共に永久磁石からなる第1の
トリガー磁石25と第2のトリガー磁石26とを備えて
いる。この第1のトリガー磁石25は、上部構造物21
の下部に固定した柱21aの下端部に取付固定されてい
る一方、第2のトリガー磁石26は基礎23の上部に固
定した柱23aの上端部に、上面が上記第1のトリガー
磁石25の下面と引き合って当接するように取付固定さ
れている。そして、第1及び第2のトリガー磁石25,
26は、所定震度以上の地震が発生したときに第1及び
第2のトリガー磁石25,26同士の引合力に抗して互
いに水平方向に引き離されるように構成されている。
【0021】上記各免震装置20は、図2(a)〜
(c)に示すように、上部構造物21の水平方向の揺れ
を球状のローラ5(ボール)の回転又は摺動部材7の摺
動による横スライドにより小さくしかつ上部構造物21
の水平方向の変位をゴム部材8,18(弾性体)の変形
抵抗により減衰させて復帰させるように構成されてい
る。そして、この各免震装置20は、特に一般の木造住
宅や軽量鉄骨製住宅等のように上部構造物21が軽量で
ある場合に適したものであって、高さは20〜100m
m、外径は100〜300mm程度であり、高さに対す
る外径の比は3〜15程度である。
【0022】具体的には、図2(a)に示す第1の形態
のものは、上記上部構造物21の下端部に上側フランジ
28を介してボルト等により連結される鋼鉄製上板1
と、上記基礎23に下側フランジ29を介してボルト等
により連結される鋼鉄製下板2とを備えている。
【0023】上記上板1の下面中心部にはローラホルダ
ー6の上端部が取付固定され、このローラホルダー6
は、その下端部に下面に開口する円形凹状のローラ保持
部6aを有している。このローラホルダー6のローラ保
持部6a内には、同じ大きさの球状のローラ5,5,…
が転がり可能に保持されており、各ローラ5は、ローラ
ホルダー6を介して上板1を下板2に対して支持してい
る。
【0024】上記上板1及び下板2の外周部の全周同士
は、該上板1及び下板2間の空間を覆う円筒状のゴム部
材8により弾性的に接続されている。このゴム部材8
は、上板1が下板2に対して相対的に水平方向において
どの方向に移動したときにも伸びて上板1を移動前の位
置に復帰させる復元力を発生するようになっている。こ
のゴム部材8は天然ゴム若しくは合成ゴムを主体とする
ゴム配合物又はそのいずれかのゴム配合物を繊維で補強
した複合材からなっている。また、このゴム部材8は、
その上下両端部の肉厚が上下方向中央部よりも滑らかに
厚くなるように円弧状に形成されて、上板1が下板2に
対して水平方向に相対移動したときに応力集中を緩和す
るようになっている。さらに、ゴム部材8の上下両端面
に形成された各凹部の水平面及び鉛直面全周が上板1及
び下板2の外側周面全周にそれぞれ接着され、上板1及
び下板2間の空間は略密閉状にされている。
【0025】尚、上記ゴム部材8で覆われた上板1及び
下板2間の空間に、液状の粘性材料又は粉状若しくは粒
状の高分子材料からなる減衰剤を充填してもよい。
【0026】ここで、上記第1の形態の免震装置20の
動作について説明する。地震が発生すると、各ローラ5
の転がりにより上板1が下板2に対してスムーズに相対
移動し、急激な振動を長周期化して和らげる。このと
き、ゴム部材8が変形するため、変形抵抗すなわち復元
力が発生する。この復元力により上部構造物21の水平
方向の変位を減衰させて復帰させる。この結果、上部構
造物21を上下移動させることなく水平揺れを抑えて上
部構造物21内部に設置したものが倒れるのを防止する
ことができ、地震収束後は上板1ないし上部構造物21
を移動前の位置に戻すことができる。
【0027】次いで、図5(b)に示す第2の形態の免
震装置20について説明すると、この免震装置20の上
板1は下板2よりも大きく形成され、この下板2には、
上方に向かって立設する円筒状の側板13の基端部(下
端部)が取付固定されている。この側板13の先端部
(上端部)には、円周方向に略等間隔に半球状に凹みか
つ球状のローラ15,15,…をそれぞれ転がり可能に
保持する保持部13a,13a,…が形成されている。
そして、上記各ローラ15は、上記第1の形態の免震装
置20における各ローラ5と同様に、地震発生時にその
転がりにより上板1と下板2とを水平方向に相対移動さ
せて衝撃的で大きな水平揺れを和らげるようになってい
る。
【0028】尚、側板13の内側空間に減衰剤を充填し
たりその内側空間への異物の進入を防止したりする場合
には、図5(b)に示すように、側板13の内周面上部
に、側板13の先端部と上板1との間をシールするシー
ル部材19が取付固定されて内部が略密閉状とされる。
【0029】上記上板1及び下板2の中心部は、略円柱
状ゴム部材18により弾性的に接続され、このゴム部材
18は、上板1と下板2との相対的水平移動に対して変
形して抵抗し、移動前の位置に復帰させる力を発生する
ようになっている。
【0030】図5(c)に示す第3の形態の免震装置2
0は、上記第1の形態の免震装置20におけるローラ5
の代わりに、潤滑性樹脂からなる摺動部材7を使用した
ものである。すなわち、上板1の下面中心部に、下方向
に突出する支持柱3が取付固定され、この支持柱3の下
端部に摺動部材7が取付固定されている。
【0031】この第3の形態の免震装置20において
も、地震発生時には摺動部材7により上板1が下板2に
対して滑らかに摺動して上部構造物21の揺れを抑える
ことができる。
【0032】尚、上記第3の形態の免震装置20におけ
る摺動部材7の代わりに第1の摺動用磁石(磁性体)を
設け、下板2をその摺動用磁石と反発する第2の摺動用
磁石とし、上板1を下板2に対して半ば浮上した状態で
支持して地震発生時には浮かせ摺動によりスムーズに水
平移動させることで、上記と同様の免震効果を得ること
もできる。
【0033】また、免震装置20(第2の形態)の側板
13の上端部におけるローラ15の代わりに摺動部材や
摺動用磁石(上板1側にこの摺動用磁石と反発する摺動
用磁石を配置)を設けるようにしてもよい。
【0034】したがって、上記実施形態1では、風圧が
上部構造物21に作用すると、その力により上部構造物
21が基礎23に対して水平方向に移動しようとする
が、第1及び第2のトリガー磁石25,26同士の引合
力によりその移動は阻止される。このため、従来のよう
に摩擦力に頼らなくても済み、風圧による上部構造物2
1の不用意な揺れを確実に抑えることができる。
【0035】一方、所定震度以上の地震が発生すると、
その地震力により第1及び第2のトリガー磁石25,2
6は互いに水平方向に引き離されて、免震装置20が作
動可能な状態となる。そして、同時に上板1が下板2に
対して相対移動して、第1〜第3の形態のいずれの免震
装置20であっても上述の如く免震機能が発揮され、十
分な免震効果を得ることができる。しかも、第1及び第
2のトリガー磁石25,26は、互いに引き合うことで
減衰機能としての役目をも果たすので、免震効果をより
一層高めることができる。
【0036】そして、地震収束後は第1及び第2のトリ
ガー磁石25,26同士は再び当接した状態となり、メ
インテナンスを施さなくても自動的に地震前の状態に戻
すことができる。
【0037】尚、上記実施形態1では、第1及び第2の
トリガー磁石25,26は共に永久磁石としたが、少な
くとも一方が電磁石であっても本発明を適用することが
できる。但し、配線及び電源の必要性等を考慮すると、
永久磁石の方が望ましい。
【0038】(実施形態2)図3及び図4は、本発明の
実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、免震装
置20は第1の形態のものとし、図1及び図2と同じ部
分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略す
る)、第1及び第2のトリガー磁石25,26の代わり
に複数の分割片31a,31a,…同士が免震装置20
の外周を覆うように円周方向に繋げられた筒状部材31
を設けるようにしたものである。
【0039】すなわち、この実施形態では、上記筒状部
材31は、その高さが免震装置20と略等しくかつその
内径が免震装置20の外径(上板1及び下板2の高さに
相当する部分の外径)と略等しくなるように形成されて
いて、上側及び下側フランジ28,29間において免震
装置20の外周側に、該上側及び下側フランジ28,2
9並びに免震装置20とは固定されない状態で配置され
ている。そして、所定震度以上の地震が発生したときに
上記分割片31a,31a,…同士の繋ぎ部のうちの少
なくとも1つが分離されるように構成されている。つま
り、筒状部材31は、地震により上板1が下板2に対し
て相対移動しようとするときにその上板1及び下板2か
ら引張力を受け、この引張力が所定震度に対応する値以
上となったときに少なくとも1つの繋ぎ部が分離するよ
うになっている。具体的には、この各繋ぎ部はその向か
い合う両端面にピン32がそれぞれ圧入されて結合され
ており、上記引張力が作用するとそのピン32がその端
面から外れて繋ぎ部が分離するようになされている。ま
た、上記筒状部材31の各分割片31aは耐火性材料か
らなっている。
【0040】したがって、上記実施形態2では、免震装
置20の外周が筒状部材31により覆われているので、
風圧が上部構造物21に作用したとしても、その筒状部
材31により上板1の下板2に対する相対移動が阻止さ
れ、このことで、風圧による上部構造物21の揺れは抑
えられる。
【0041】一方、所定震度以上の地震発生時には、分
割片31a,31a,…同士の繋ぎ部が分離して上板1
が下板2に対して相対移動することになる。この結果、
地震による上部構造物21の揺れを確実に抑えることが
できる。
【0042】尚、上記実施形態2では、免震装置20は
第1の形態のものとしたが、第2又は第3の形態もので
あってもよい。但し、第2の形態の場合には、下板2の
径を上板1と略等しくなるように大きくするか、又は筒
状部材21の下部に下板2の外周面に略当接するように
突出する突出部を設けるようにしておく必要がある。
【0043】(実施形態3)図5は本発明の実施形態3
を示し、上端部が免震装置20のローラホルダー6(つ
まり上板1)と連結され、下端部が免震装置20の下板
2と連結された上下方向に延びる断面円形のピン部材3
5を備えるようにしたものである。
【0044】すなわち、この実施形態では、上記ピン部
材35は、ローラホルダー6のローラ保持部6a内に設
けられていて、その上端部がローラホルダー6に設けた
上側嵌合穴36に、また下端部が下板2に設けた下側嵌
合穴37にそれぞれ嵌められている。そして、ピン部材
35は、下板2の上面と略同じ高さの部位に径が他の部
位よりも細く形成されたくびれ部35aを有していて、
上板1が下板2に対して相対移動しようとするときにそ
の上板1及び下板2から剪断力を受け、この剪断力が所
定震度に対応する値以上となったときに応力が集中する
くびれ部35aで折れるように構成されている。したが
って、この実施形態3においても、上記実施形態1,2
と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】尚、上記実施形態3では、ピン部材35を
ローラホルダー6のローラ保持部6a内に設けたが、ロ
ーラホルダー6とゴム部材8との間の空間に設けるよう
にしてもよい。この場合には、上側嵌合穴37は上板1
に設け、その上側嵌合穴37にピン部材35の上端部を
嵌合させるようにすればよい。
【0046】また、上記実施形態3においても、免震装
置20を第2又は第3の形態ものとすることができる。
さらに、上記各実施形態1〜3において、従来の転がり
支承タイプや滑り支承タイプのものを使用してもよく、
積層ゴムタイプのものであっても本発明を適用すること
ができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、免震装置のトリガー機構に対して、上部構造物の下
部に第1のトリガー磁石を設けると共に、基礎の上部
に、上面がこの第1のトリガー磁石の下面と引き合って
当接するように第2のトリガー磁石を設け、この両トリ
ガー磁石を、所定震度以上の地震が発生したときに両ト
リガー磁石同士の引合力に抗して互いに水平方向に引き
離されるように構成した。また、請求項2の発明では、
複数の分割片同士が免震装置の外周を覆うように繋げら
れた筒状部材を備え、この筒状部材を、所定震度以上の
地震が発生したときに免震装置から力を受けて分割片同
士の繋ぎ部のうちの少なくとも1つが分離されるように
構成した。さらに、請求項4の発明では、上板と下板と
に連結されたピン部材において下板の上面と略同じ高さ
の部位にくびれ部を設け、このピン部材を、所定震度以
上の地震が発生したときにそのくびれ部で折れるように
構成した。したがって、これらの発明によると、上部構
造物が軽量であっても、風圧により上部構造物が揺れる
のを確実に抑えることができる一方、所定震度以上の地
震が発生したときには、免震装置を作動可能にして地震
による上部構造物の揺れを抑えることができる。
【0048】請求項3の発明によると、筒状部材の分割
片を耐火性材料からなるものとしたことにより、免震装
置の耐火性を向上させることができる。
【0049】請求項5の発明によると、免震装置を、水
平方向の揺れをボールの回転又は摺動部材の摺動若しく
は互いに反発する磁性体同士の浮かせ摺動により小さく
しかつ水平方向の変位を弾性体の変形抵抗により減衰さ
せて復帰させるように構成したことにより、免震効果を
従来のものよりも向上させることができ、しかも、小形
・軽量のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る免震装置のトリガー
機構を示す断面図である。
【図2】免震装置の具体的構成を示す断面図である。
【図3】実施形態2を示す図1相当図である。
【図4】筒状部材を示す斜視図である。
【図5】実施形態3を示す図1相当図である。
【図6】従来の積層ゴムタイプの免震装置を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 上板 2 下板 20 免震装置 21 上部構造物 23 基礎 25 第1のトリガー磁石 26 第2のトリガー磁石 31 筒状部材 31a 分割片 35 ピン部材 35a くびれ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物と基礎との間に設けられた免
    震装置を所定震度以上の地震が発生したときに作動させ
    るようにした免震装置のトリガー機構であって、 上記上部構造物の下部に設けられた第1のトリガー磁石
    と、 上記基礎の上部に、上面が上記第1のトリガー磁石の下
    面と引き合って当接するように設けられた第2のトリガ
    ー磁石とを備え、 上記第1及び第2のトリガー磁石は、所定震度以上の地
    震が発生したときに該第1及び第2のトリガー磁石同士
    の引合力に抗して互いに水平方向に引き離されるように
    構成されていることを特徴とする免震装置のトリガー機
    構。
  2. 【請求項2】 上部構造物と基礎との間に設けられた免
    震装置を所定震度以上の地震が発生したときに作動させ
    るようにした免震装置のトリガー機構であって、 複数の分割片同士が上記免震装置の外周を覆うように繋
    げられた筒状部材を備え、 上記筒状部材は、所定震度以上の地震が発生したときに
    免震装置から力を受けて分割片同士の繋ぎ部のうちの少
    なくとも1つが分離されるように構成されていることを
    特徴とする免震装置のトリガー機構。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の免震装置のトリガー機構
    において、 筒状部材の分割片は、耐火性材料からなることを特徴と
    する免震装置のトリガー機構。
  4. 【請求項4】 上部構造物と基礎との間に設けられかつ
    該上部構造物に連結された上板と基礎に連結された下板
    とを有する免震装置を、所定震度以上の地震が発生した
    ときに作動させるようにした免震装置のトリガー機構で
    あって、 上端部が上記免震装置の上板と連結され、下端部が免震
    装置の下板と連結された上下方向に延びるピン部材を備
    え、 上記ピン部材は、下板の上面と略同じ高さの部位にくび
    れ部を有していて、所定震度以上の地震が発生したとき
    に該くびれ部で折れるように構成されていることを特徴
    とする免震装置のトリガー機構。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の免震装置
    のトリガー機構において、 免震装置は、水平方向の揺れをボールの回転又は摺動部
    材の摺動若しくは互いに反発する磁性体同士の浮かせ摺
    動により小さくしかつ水平方向の変位を弾性体の変形抵
    抗により減衰させて復帰させるように構成されているこ
    とを特徴とする免震装置のトリガー機構。
JP16241598A 1998-06-10 1998-06-10 免震装置のトリガー機構 Withdrawn JPH11350786A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16241598A JPH11350786A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 免震装置のトリガー機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16241598A JPH11350786A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 免震装置のトリガー機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11350786A true JPH11350786A (ja) 1999-12-21

Family

ID=15754173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16241598A Withdrawn JPH11350786A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 免震装置のトリガー機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11350786A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291512A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Daiken Kensetsu Kogyo Kk 免震装置、免震装置を用いた建築物、及び免震装置の取付方法
JP2013096169A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Tokkyokiki Corp 減震装置
JP2016084624A (ja) * 2014-10-27 2016-05-19 三菱重工業株式会社 耐風装置
JP2016132887A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 株式会社バインドテクノ 免震装置
JP2016539844A (ja) * 2013-11-27 2016-12-22 テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ 過度の力から保護するサスペンション構造体
JP2017512271A (ja) * 2014-01-24 2017-05-18 ジラルディーニ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータGirardini S.R.L. ディシペータ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291512A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Daiken Kensetsu Kogyo Kk 免震装置、免震装置を用いた建築物、及び免震装置の取付方法
JP4722531B2 (ja) * 2005-04-07 2011-07-13 ダイケン建設工業株式会社 免震装置、免震装置を用いた建造物
JP2013096169A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Tokkyokiki Corp 減震装置
JP2016539844A (ja) * 2013-11-27 2016-12-22 テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ 過度の力から保護するサスペンション構造体
JP2017512271A (ja) * 2014-01-24 2017-05-18 ジラルディーニ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータGirardini S.R.L. ディシペータ
US10590670B2 (en) 2014-01-24 2020-03-17 Marco Ferrari Dissipator
JP2016084624A (ja) * 2014-10-27 2016-05-19 三菱重工業株式会社 耐風装置
JP2016132887A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 株式会社バインドテクノ 免震装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101704468B1 (ko) 수직보강부재를 구비한 내진 수배전반
JP4543052B2 (ja) 建物の免震装置
JPH11350786A (ja) 免震装置のトリガー機構
JPH03163240A (ja) 三次元免震装置
JP2002147058A (ja) 建物用免震構造
JP3195512B2 (ja) 免震構造物
JP3741428B2 (ja) 構造物の支持基礎構造
JP3211546U (ja) 制震ダンパー及びこれを用いた建物連結具
JP2000304089A (ja) 建造物の転倒防止装置と積層ゴムアイソレータの引抜き防止装置
JP2006022484A (ja) 建築構造物の免振装置
JPS61274136A (ja) 振動吸収支持装置
KR102240883B1 (ko) 볼 이탈방지기능을 구비한 지진 격리 구동부
JP4117814B2 (ja) 免震装置のトリガー機構
JP2001208130A (ja) 摩擦材貯溜槽付免震支承装置
JP3088084B2 (ja) 家屋の安全地震構造
JPH10231642A (ja) 免震構造
JP2004162765A (ja) 揺動防止柱機構内蔵の低剛性ゴムばね支承体
JP3795020B2 (ja) 建築構造物の免振装置
JPH11166331A (ja) 免震引抜抵抗装置
CN211499998U (zh) 一种可任意调节水平刚度且适应抗风隔震的装置
JPH11303455A (ja) 軽量鉄骨建造物用免震装置の取付構造
JP2001153180A (ja) 免震構造
JPH11124864A (ja) 杭の免震構造
JP2004011318A (ja) 建築構造物の免振装置
JPH03244767A (ja) 構造物の免震・除振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906