JPH11349610A - 乳化重合用乳化剤 - Google Patents

乳化重合用乳化剤

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JPH11349610A
JPH11349610A JP16345598A JP16345598A JPH11349610A JP H11349610 A JPH11349610 A JP H11349610A JP 16345598 A JP16345598 A JP 16345598A JP 16345598 A JP16345598 A JP 16345598A JP H11349610 A JPH11349610 A JP H11349610A
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emulsifier
emulsion
polymerization
polymer
formula
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JP16345598A
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English (en)
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Hisayuki Nishitani
寿行 西谷
Yoshiyuki Hashimoto
賀之 橋本
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化重合時の安定性を良好なものとし得、し
かも、ポリマー及びポリマーフィルムの耐水性、接着
性、及び耐熱性、耐候性が著しく改善された反応性乳化
重合用乳化剤を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)で表わされる乳化重合
用乳化剤。 【化1】 [但し、式中Rは炭素数6〜30のアルキル基、R
は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキ
レン基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数
であり、nが2以上の場合、(AO)は、下式(i)
で示される、1種の繰り返し単位からなるホモポリマー
であってもよいし、下式(ii)で示される、異なる置換
基A(A、A、…)を有する2種以上の繰り返し単
位からなるブロックポリマーまたはランダムポリマーで
あってもよい。] 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化重合用乳化剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、乳
化重合用乳化剤として、例えば、ドデシルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコ
ハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル(ア
リール)エーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活
性剤、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
ク共重合体等の非イオン性界面活性剤が、単独あるいは
併用で使用されているが、ポリマーエマルションの安定
性、また該エマルションから得られたポリマーフィルム
の性質等は必ずしも充分に満足し得るものではなく、多
くの解決すべき問題点が残されている。
【0003】即ち、エマルションの重合安定性、得られ
たエマルションの機械安定性、化学安定性、凍結融解安
定性、顔料混和性、貯蔵安定性等に問題があり、特に、
機械的安定性については、改善すべき問題点が残されて
いる。さらに、エマルションからポリマーフィルムを作
成した際、使用した乳化剤が遊離の状態でポリマーフィ
ルム中に残留するため、フィルムの耐水性、接着性が劣
る等の問題を生じている。また、エマルションを塩析ま
たは酸析等の手段によって破壊し、ポリマーを取り出す
際、排水中に多くの乳化剤が含有され、河川汚濁の原因
となるため、乳化剤の除去処理に多大の労力が必要とな
る。
【0004】このような観点から、従来の乳化剤の問題
点を改善するため共重合性の不飽和基を有する反応性乳
化剤が数多く提案された。例えば、特公昭46−124
72号、特開昭54−14431号、特公昭46−34
894号、特公昭54−29657号、特開昭51−3
0285号、特公昭49−46291号、及び特開昭5
6−127697号等にはアニオン性の反応性界面活性
剤が記載され、また、特開昭56−28208号及び特
開昭50−98484号等には非イオン性の反応性界面
活性剤につきそれぞれ記載されていて、各種モノマーに
ついて乳化重合が試みられている。しかし、これらの反
応性乳化剤は乳化剤として単独使用したときには、エマ
ルション重合時の安定性が不充分であり、使用に際して
は、従来の乳化剤と併用しなければ重合が円滑に進行し
ない場合が多く、また、該エマルションから得られたポ
リマーフィルムは耐水性、接着性、耐熱性、耐候性にお
いて充分満足するものが得られていないのが実情であ
る。
【0005】しかしながら、このような従来の反応性乳
化剤にあっては次のような問題点があった。すなわち、
一般に、共重合性の不飽和基としてアクリル基またはメ
タクリル基を有する反応性乳化剤はモノマーとの共重合
性は優れているものの、逆に乳化重合時の安定性に問題
があり、重合中の凝集物が多量に生成したり、生成粒子
が粗く、経時安定性が劣る等の問題点を有していた。
【0006】また、アリル基を有する反応性乳化剤は、
モノマーとの共重合性が劣る場合が多く、ポリマーエマ
ルションから得られたポリマーフィルムも耐水性、接着
性、耐熱性、耐候性において充分満足し得るものが得ら
れないという問題があった。 [発明の目的]本発明は、上記実情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は乳化重合時の安定性を良好なも
のとし得、しかも、ポリマー及びポリマーフィルムの耐
水性、接着性、及び耐熱性、耐候性が著しく改善された
反応性乳化重合用乳化剤を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、共重合性を有する不飽和基としてプロぺ
ニル基が、また不飽和基の結合位置が乳化剤の疎水基部
分であることが乳化重合用乳化剤として適していること
を見出し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
表される乳化重合用乳化剤(以下、「本発明乳化剤」と
もいう。)を要旨とするものである。
【0009】
【化3】 [但し式中Rは炭素数6〜30のアルキル基、R
水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレ
ン基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数で
あり、nが2以上の場合、(AO)は、下式(i)で
示される、1種の繰り返し単位からなるホモポリマーで
あってもよいし、下式(ii)で示される、異なる置換基
A(A、A、……)を有する2種以上の繰り返し単
位からなるブロックポリマーまたはランダムポリマーで
あってもよい。]
【化4】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明の構成に関する主要な
事項につき項分けして説明する。
【0011】一般式(I)の化合物における置換基 上記一般式(I)の化合物において、置換基Rは、炭
素数6〜30のアルキル基であり、例えば、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ト
リコシル基、ペンタコシル基、ヘプタコシル基等が挙げ
られる。
【0012】次に置換基Rは、水素原子またはプロペ
ニル基である。但し、プロペニル基には、trans型
とcis型の立体異性体があり、本発明においては、各
異性体の単独または混合体の何れでも利用できるが、よ
り好ましくはtrans型異性体が選択される。
【0013】また、Aは炭素数2〜4のアルキレン基ま
たは置換アルキレン基であり、例えば、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等である。n
は、1〜200の整数であり、より好ましくは2〜10
0の範囲である。前記nが2以上の場合、式(I)にお
ける(AO)は、1種の繰り返し単位からなるホモポ
リマー(前式(i)参照)であってもよいし、異なる置
換基A(A、A、…)を有する2種以上の繰り返し
単位からなるブロックポリマーまたはランダムポリマー
(前式(ii)参照)であってもよい。また、nが2以上
の場合、(AO)がホモポリマー、ブロックポリマー
あるいはランダムポリマーである化合物の混合物であっ
ても良い。
【0014】合成方法 本発明の乳化重合用乳化剤を得るための反応条件は特に
限定されるものではなく、例えば、α−オレフィンエポ
キサイドとプロペニルフェノールを触媒存在下、加熱し
て反応させた後に、常法に従って、アルキレンオキサイ
ドを付加させることにより製造できる。
【0015】乳化重合用モノマー 本発明乳化剤を用いた乳化重合に適用されうるモノマー
としては各種のものを挙げることができ、例えば、アク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリ
ロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエ
ステル等のアクリル系モノマー、例えば、スチレン、ジ
ビニルベンゼン等の芳香族モノマー、酢酸ビニル等のビ
ニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロゲン化オレフィンモノマー、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン等の共役系ジオレフィン系モノマ
ー等の他、エチレン、無水マレイン酸、マレイン酸メチ
ル等がある。本発明の乳化剤は、上記モノマーの1種ま
たは2種以上の乳化重合または懸濁重合に利用できる。
【0016】重合条件 本発明乳化剤を使用した乳化重合反応に使用される重合
開始剤は従来公知のものでよく、例えば、過酸化水素、
過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾ
イルパーオキサイド等が利用できる。また、重合促進剤
としては、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニ
ウム等が使用できる。
【0017】本発明乳化剤の使用量は、通常、全モノマ
ーに対して0.1〜20%が適当である。なお、より好
ましくは、0.2〜5.0%が適当である。なお、所望
により、他種乳化剤または保護コロイド剤を併用しても
よい。
【0018】作用、その他 本発明の乳化重合用乳化剤はその分子中の疎水基部分に
共重合性の二重結合であるプロペニル基を有し、重合性
モノマー、殊にビニル系モノマー等との共重合性に優
れ、ポリマー組成に組み込まれやすい。そのため、共重
合性の反応性乳化剤として、ポリマーエマルションから
得られたポリマーフィルム中に遊離した状態で存在する
乳化剤量が著しく減少し、フィルムの耐水性、接着性、
耐熱性、耐候性向上に極めて優れた効果を発揮する。か
つポリマーエマルションの泡立ち、機械安定性等が著し
く改善される。
【0019】本発明の乳化剤を添加して得られるポリマ
ーエマルションは、例えば接着剤、被覆剤、含浸補強剤
等として、木材、金属、紙、布、その他コンクリート等
に適用することができる。また、エマルションあるいは
ラテックスから取り出したポリマーは樹脂、ゴム、ポリ
マー改質剤等に使用することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の実
施様態および効果につき述べるが、例示は単に説明用の
ものであって、発明思想の限定または制限を意図したも
のではない。なお、文中「%」および「部」とあるのは
それぞれ重量基準を意味する。
【0021】製造例1 オートクレーブにプロペニルフェノール134g(1モ
ル)と炭素数12、14のα−オレフィンエポキシド
(AOE X24、ダイセル化学工業(株)製)196
g(1モル)を仕込み、トリエチルアミンを触媒として
温度120℃の条件にて反応させ、次に水酸化カリウム
を触媒として圧力1.5kg/cm、温度130℃の
条件にて、エチレンオキサイド880g(20モル)を
付加し、得られたプロペニルフェノールのα−オレフィ
ンエポキシド1モル、エチレンオキシド20モル付加体
を本発明乳化剤[A]とした(以下、「エチレンオキシ
ド」を単に「EO」ともいう)。
【0022】
【化5】
【0023】また、同様の操作にてエチレンオキシド2
640g(60モル)を付加し、得られたEO60モル
付加体を本発明乳化剤[B]とした。
【0024】
【化6】
【0025】製造例2 オートクレーブにプロペニルフェノール134g(1モ
ル)と炭素数16、18のα−オレフィンエポキシド
(AOE X68、ダイセル化学工業(株)製)252
g(1モル)を仕込み、三弗化ホウ素エーテル錯体を触
媒として温度80℃の条件にて反応させ、次に水酸化カ
リウムを触媒として圧力1.5kg/cm、温度13
0℃の条件にて、エチレンオキシド132g(3モル)
を付加し、得られたEO3モル付加体を本発明乳化剤
[C]とした。
【0026】
【化7】
【0027】また、同様の操作にてエチレンオキシド2
200g(50モル)を付加し、得られたEO50モル
付加体を本発明乳化剤[D]とした。
【0028】
【化8】
【0029】製造例3 オートクレーブにプロペニルフェノール134g(1モ
ル)と炭素数20〜30のα−オレフィンエポキシド
(AOE Y08、ダイセル化学工業(株)製)342
g(1モル)を仕込み、水酸化カリウムを触媒として圧
力1.5kg/cm、温度130℃の条件にて反応さ
せ、次いでエチレンオキシド4400g(100モル)
を付加し、得られたEO100モル付加体を本発明乳化
剤[E]とした。
【0030】
【化9】
【0031】製造例4 製造例1に準じて、ジプロペニルフェノールと炭素数1
2、14のα−オレフィンエポキシドの反応物にエチレ
ンオキシド30モルを付加させて本発明乳化剤[F]を
得た。
【0032】
【化10】
【0033】製造例5 製造例1に準じて、プロペニルフェノールと炭素数1
2、14のα−オレフィンエポキシドの反応物に、まず
ブチレンオキシド(以下、「ブチレンオキシド」を単に
「BO」ともいう)5モルを付加させ、さらにエチレン
オキシド60モルを付加させて本発明乳化剤[G]を得
た。
【0034】
【化11】
【0035】製造例6 製造例1に準じて、プロペニルフェノールと炭素数1
2、14のα−オレフィンエポキシドの反応物に、エチ
レンオキシド50モル、プロピレンオキシド(以下、
「プロピレンオキシド」を単に「PO」ともいう)5モ
ルをランダム付加させて本発明乳化剤[H]を得た。
【0036】
【化12】
【0037】使用例1 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反
応器に、イオン交換水294gを仕込み、80℃まで昇
温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去した。次に
アクリル酸エチル200gに表1に示す本発明の乳化剤
6gを溶解させ、そのうちの20%に相当する41.2
gを反応器に仕込み、次いで過硫酸アンモニウム0.5
gを加えて先行重合させ、重合開始10分後より3時間
かけて、残りのアクリル酸エチルと乳化剤の混合液16
4.8gを滴下して重合させた。続けて重合温度にてさ
らに2時間熟成した後、冷却し、エマルションを取り出
し、供試サンプルとした。この時の乳化重合の安定性、
エマルションの機械安定性、起泡性およびこのエマルシ
ョンより作成したポリマーフィルムの耐水性および接触
角の試験結果を[表1]に示した。また、比較として
[表1]に示す従来の乳化剤についても、同様の試験を
実施した。
【0038】
【表1】 固形分:エマルション2gを105℃、2時間乾燥後、
重量測定し、エマルション重量に対して%表示した。重合安定性: エマルションを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、乾燥して得た凝固物重量を仕込みモ
ノマー重量に対して%表示した。機械安定性: エマルション50gをマーロン型試験器に
て荷重10kg、回転数1,000rpmで5分間攪拌
し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、残
渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形分
に対して%表示した。起泡性: エマルションを水で2倍希釈し、100mlネ
スラー管に30cc入れ、30回倒立させてから静置5
分後における泡の量を測定した。耐水性試験: ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィ
ルムを作製し、これを水に浸漬し、前記ポリマーフィル
ムを透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時
間を測定した。接触角: ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルム
を作製し、接触角測定器により水滴の接触角を測定し
た。
【0039】使用例2 アクリル酸ブチル100g、スチレン100g、イオン
交換水290gおよび表2に示す本発明の乳化剤10g
を混合して混合モノマー乳濁液を調製し、窒素ガスにて
溶存酸素を除去した。次に攪拌機、還流冷却器、温度計
および滴下漏斗を備えた反応器に、上記混合モノマー乳
濁液を100g仕込み、80℃に昇温し、過硫酸カリウ
ム0.5gを加えて先行重合させた。次いで、重合開始
10分後より3時間かけて、残りの混合モノマー乳濁液
400gを3時間かけて滴下して重合させた。さらに、
続けて重合温度にて2時間熟成した後、冷却し、エマル
ションを取り出し、供試サンプルとした。この時の乳化
重合の安定性、エマルションの起泡性および未反応乳化
剤の定量、更にこのエマルションより作成したポリマー
フィルムの耐水性および接触角の試験結果を[表2]に
示した。また、比較として[表2]に示す従来の乳化剤
および他の反応性乳化剤についても、同様の試験を実施
した。
【0040】
【表2】 重合安定性:エマルションを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、乾燥して得た凝固物重量を仕込みモ
ノマー重量に対して%表示した。起泡性: エマルションを水で2倍希釈し、100mlネ
スラー管に30cc入れ、30回倒立させてから静置5
分後における泡の量を測定した。未反応乳化剤量: エマルションにメタノールを加えて、
ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上澄みを用
い、HPLCにて乳化剤量を測定した。耐水性試験: ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィ
ルムを作製し、これを水に浸漬し、前記ポリマーフィル
ムを透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時
間を測定した。接触角: ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルム
を作製し、接触角測定器により水滴の接触角を測定し
た。*1: オクチルフェノールのアリルグリシジルエーテル
1モル、EO30モル付加体*2: ラウリルアルコールEO15モル付加体のアクリ
ル酸エステル*3: エマルションが得られず測定不能*4: 非反応タイプのため測定未実施。
【0041】使用例3 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた反
応器に、イオン交換水250gを仕込み、80℃まで昇
温させ、窒素ガスにて水中の溶存酸素を除去する。次に
アクリル酸ブチル125gとアクリル酸2−エチルヘキ
シル125gに[表3]に示す本発明の乳化剤5gを溶
解させた混合モノマー液の20%に相当する51gを反
応器に仕込み、次いで過硫酸アンモニウム0.5gを加
えて先行重合させ、重合開始10分後より3時間かけて
残りの混合モノマー液204gを滴下して重合させた。
続けて重合温度にてさらに2時間熟成した後、冷却し、
エマルションを取り出し、供試サンプルとした。この時
の乳化重合安定性および調製したエマルションに関し
て、未反応乳化剤の定量、またそのエマルションから作
成したポリマーフィルムの接着力および耐熱性の試験結
果を[表3]に示した。また、比較として[表3]に示
した従来の乳化剤および他の反応性乳化剤についても、
同様の試験を実施した。
【0042】
【表3】 重合安定性:エマルションを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、乾燥して得た凝固物重量を仕込みモ
ノマー重量に対して%表示した。未反応乳化剤量: エマルションにメタノールを加えて、
ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上澄みを用
い、HPLCにて乳化剤量を測定した。接着力: PETフィルム上にエマルションを0.1mm
厚で塗工し、熱処理した後、塗膜上にPETフィルムを
置き、ローラ圧着したサンプル片(1インチ幅)の25
℃における180°剥離強度を測定した。耐熱性: ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィルム
を作製し、200℃に調整した熱風乾燥器内で30分間
熱処理して、ポリマーフィルムの着色を調べた。 (評価基準) ○:全く着色が認められない △:淡い黄色に着色している ×:濃い褐色に着色している*1: オクチルアリルフェノールEO40モル付加体*2: ラウリルアルコールEO10モル付加体のアクリ
ル酸エステル*3: エマルションが得られず測定不能*4: 非反応タイプのため測定未実施。
【0043】使用例4 反応器として、耐圧性を有するガラス瓶、具体的には炭
酸飲料用の空き瓶にイオン交換水60gを仕込み、窒素
ガスにて溶存酸素を除去した。次にガラス瓶を氷水浴中
で冷却した後、表4に示す本発明の乳化剤1.2g、ナ
フタレンスルホン酸ホリマリン縮合物0.12g、ドデ
シルメルカプタン0.12g、スチレン20g、過硫酸
カリウム0.12gを仕込んだ。次いでメタノールドラ
イアイス浴中の目盛付き試料採取管にボンベからブタジ
エンを導入し、液化させて計量したブタジエン20gを
ストップコック付きのシリンジを用いてガラス瓶に仕込
み、直ちに打栓した後、振とうして、ガラス瓶中の内容
液を乳濁状態とした。次に水温50℃に調整した回転式
重合槽内のホルダーにガラス瓶をセットし、回転数50
rpmにて20時間重合させた。重合反応終了後、ガラ
ス瓶を氷水浴中で冷却した後、開栓し、p−tert−ブチ
ルカテコール0.12gを添加し、窒素ガスにて未反応
ブタジエンを除去して得られたエマルションを供試サン
プルとした。この時の乳化重合安定性および調製したエ
マルションの未反応乳化剤の定量および機械安定性、起
泡性の試験結果を表4に示した。また、比較として表4
に示す従来の乳化剤についても同様の試験を実施した。
【0044】
【表4】 固形分:エマルション2gを105℃、2時間減圧乾燥
後、重量測定し、エマルション重量に対して%表示し
た。重合安定性: エマルションを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。機械安定性: エマルション50gをマーロン型試験器に
て荷重10kg、回転数1000rpmで5分間攪拌
し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、残
渣を水洗後、減圧乾燥し、その重量をエマルションの固
形分に対して%表示した。起泡性: エマルションを水で2倍希釈し、100mlネ
スラー管に30cc入れ、30回倒立させてから静置5
分後における泡の量を測定した。未反応乳化剤量: エマルションにメタノールを加えて、
ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上澄みを用
い、HPLCにて乳化剤量を測定した。*: 非反応タイプのため測定未実施。
【0045】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、乳化
重合時における安定性を良好にし得、工程中での泡トラ
ブルを解消し、しかも、ポリマーエマルションから得ら
れたポリマーおよびポリマーフィルムの耐水性および接
着性を著しく改善できる改良された反応性乳化重合用乳
化剤を提供でき、関連産業界の発展および需要者の利益
に寄与する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる乳化重合用
    乳化剤。 【化1】 [但し式中Rは炭素数6〜30のアルキル基、R
    水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレ
    ン基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数で
    あり、nが2以上の場合、(AO)は、下式(i)で
    示される、1種の繰り返し単位からなるホモポリマーで
    あってもよいし、下式(ii)で示される、異なる置換基
    A(A、A、……)を有する2種以上の繰り返し単
    位からなるブロックポリマーまたはランダムポリマーで
    あってもよい。] 【化2】
JP16345598A 1998-06-11 1998-06-11 乳化重合用乳化剤 Pending JPH11349610A (ja)

Priority Applications (1)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015066506A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 第一工業製薬株式会社 界面活性剤

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