JPH11348515A - タイヤとリムの組立体 - Google Patents
タイヤとリムの組立体Info
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- JPH11348515A JPH11348515A JP10162421A JP16242198A JPH11348515A JP H11348515 A JPH11348515 A JP H11348515A JP 10162421 A JP10162421 A JP 10162421A JP 16242198 A JP16242198 A JP 16242198A JP H11348515 A JPH11348515 A JP H11348515A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C17/00—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
- B60C17/0009—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor comprising sidewall rubber inserts, e.g. crescent shaped inserts
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
性能を損ねることなく、ランフラット性能を向上でき
る。 【解決手段】 インナーライナ12とカーカス6との
間、又はカーカスプライ間にサイドウォール補強ゴム層
20を形成する。ヒール点半径線11Lがタイヤ内腔面
Sとトレッド部側で交差する上交差点aからタイヤ外面
までのタイヤ厚さWaと、上交差点aからカーカス6の
内面までのゴム厚さwaとの比wa/Wa、及びヒール
点半径線11Lがタイヤ内腔面Sとビード部側で交差す
る下交差点bからタイヤ外面までのタイヤ厚さWbと、
下交差点bからカーカス6の内面までのゴム厚さwbと
の比wb/Wbをそれぞれ0.20〜0.65としてい
る。
Description
が生じたときでも、一定距離の走行を可能とするランフ
ラット性能を有するタイヤとリムの組立体に関する。
ク等によりタイヤの内圧が低下した場合にも継続して走
行を可能とするいわゆるランフラット性能を有するタイ
ヤが求められている。
内部に弾性体などからなる中子状の支持体を装着した
り、あるいは、サイドウォール部の内面に高硬度のゴム
補強層を設け、これによってパンク時等に作用するタイ
ヤ荷重を支承させて縦たわみを減じ、タイヤの構造破壊
を抑制している。
ては、部品点数の増加に伴い重量が増大し、かつリム組
時に支持体をセットするのに特殊な技術が必要となり、
しかも特殊リムを使うため規格変更が必要となる場合が
多い。又ゴム補強層を設けるものは、タイヤの縦たわみ
を減じるために、屈曲点となるタイヤ最大巾点近傍を中
心とした広い領域で厚肉に形成する必要があり、従っ
て、このものも大巾な重量増加を免れえず又転がり抵抗
を損ねる。又サイドウォール部の剛性アップに伴いパン
ク時にリム外れしやすくなるため、特殊リムを使うこと
が多くなる。
じるものであるため、運転者が空気抜けに気付くことが
難しく、通常の運転感覚で高速走行を続行したり、又急
激なハンド操作を行なった際には、時に、車体のコント
ロールを失い大事故を発生させるという危険性もある。
ット性能のためには、タイヤの縦たわみの抑制ではな
く、図5に示す内圧0でのフラットな変形状態Yでの走
行におけるタイヤ破壊自体を抑制することが、通常走行
におけるタイヤ性能の維持及びランフラット走行におけ
る事故防止のために好ましいことに気付いた。
メカニズムについて研究を積重ねた結果、前記図5の如
く、前記変形状態Yでは、リムフランジ上端位置RFで
サイドウオール部Zが上下に折り重なって接触するた
め、走行の際には、この接触部分Jで上下の折り重なり
部Z1、Z2が強く擦り合わされて摩耗および発熱を発
生する。そして、この摩耗および発熱等によりタイヤ内
腔面側のゴムが摩滅したり剥離することでカーカスがむ
き出し状態となり、カーカス同士が直接すり合わされて
カーカスコードが破断する致命的ダメージに至らしめる
ことが判明した。
壊を抑制するためには、前記接触部分Jでカーカスを摩
耗および発熱から守ることが必要であり、最も簡便な手
段として、前記接触部分Jにおける接触圧力を緩和させ
るとともにカーカス下のゴムを厚くし、カーカス同士が
直接接触し難くすることで、タイヤ破壊に到るまでの走
行距離を大巾に向上しうることを究明し得た。
カス下のゴムを所定範囲で厚くし、かつカーカスの内側
又は外側にサイドウォール補強ゴム層を設けることを基
本として、運転者に空気抜けをタイヤ変形によって認識
させうるとともに、一般リムの使用を可能とし、しかも
タイヤ重量、転がり抵抗、リム着脱性等の諸性能を損ね
ることなく、ランフラット性能を向上しうるタイヤとリ
ムの組立体の提供を目的としている。
に、本発明は、空気入りタイヤと、そのビード部を着座
したリムとからなるタイヤとリムの組立体であって、前
記空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部
をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライを有
するカーカスと、該カーカスの内側に沿って配されるイ
ンナーライナとを具え、かつ前記インナーライナと前記
カーカスとの間、又は内外の前記カーカスプライの間に
インナーライナの材質とは異なるサイドウォール補強ゴ
ム層を設けるとともに、標準測定内圧を充填した測定内
圧充填状態におけるタイヤ子午線断面において、前記リ
ムのリムシート面とフランジ面とが交わるビードヒール
点を通り半径方向にのびるヒール点半径線が前記トレッ
ド部側においてタイヤ内腔面と交差する上交差点aにお
けるタイヤ外面の最近点ATまでのタイヤ厚さWaと、
上交差点aからカーカスの内面の最近点ACまでのゴム
厚さwaとの比wa/Wa、及びヒール点半径線が前記
ビード部側のタイヤ内腔面と交差する下交差点bにおけ
るタイヤ外面の最近点BTまでのタイヤ厚さWbと、下
交差点bからカーカスの内面の最近点BCまでのゴム厚
さwbとの比wb/Wbをそれぞれ0.20〜0.65
としたことを特徴としている。
に達成するためには、前記上交差点aを中心としてタイ
ヤ内腔面に沿いトレッド部側に下記の(1)式で表す距
離La1を離れる点a1と、ビード部側に(2)式で表
す距離La2を離れる点a2との間の上方領域La、及
び前記下交差点bを中心としてタイヤ内腔面に沿いトレ
ッド部側に下記の(3)式で表す距離Lb1を離れる点
b1と、ビード部側に(4)式で表す距離Lb2を離れ
る点b2との間の下方領域Lbとにおける各位置iでの
タイヤ外面の各最近点ITまでのタイヤ厚さWiと、各
位置iでのカーカスの内面の最近点ICまでのゴム厚さ
wiとの比wi/Wiをそれぞれ0.20〜0.65と
することが好ましい。 0.40・Kab≦La1≦0.75・Kab … (1) 0.20・Kab≦La2≦0.30・Kab … (2) 0.40・Kab≦Lb1≦0.65・Kab … (3) 0.20・Kab≦Lb2≦0.30・Kab … (4) ここでKabは、上交差点a、下交差点b間の半径方向
の高さH、上交差点a、下交差点b間の高さ中間点eに
おける前記ヒール点半径線からのタイヤ内腔面までの長
さMから下記の(5)式で求める。 Kab={(H2 +4M2 )/4M}・SIN-1 {4H・M/(H2 +4M2 )} … (5)
ら、必要な接触圧力の緩和効果を得るために、前記サイ
ドウォール補強ゴム層の半径方向の長さLPを、前記上
交差点aと下交差点bとの間の高さHの中間点eをほぼ
中心として、この高さHの0.25〜1.0倍の範囲と
することが好ましい。
強効果を高め、ランフラット性能をさらに向上させるた
めには、このサイドウォール補強ゴム層を、損失係数t
anδが0.035以上かつ0.18以下の低発熱ゴム
及び/又は複素弾性率(単位:Mpa)が7.0〜1
3.0の高弾性ゴムで形成することが好ましい。
示例とともに説明する。図1、2は、リムに装着されか
つ標準測定内圧が充填した測定内圧充填状態の空気入り
タイヤ1とリム10の組立体の子午線断面を示してい
る。なお前記「標準測定内圧」とは、タイヤが基づいて
いる規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に
定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気
圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS
COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRT
Oであれば "INFLATION PRESSURE" である。又乗用車用
タイヤの場合は180KPaである。
1という)は、本例では、タイヤサイズが185/60
R14の乗用車用ラジアルタイヤであって、トレッド部
2と、このトレッド部2の両端からタイヤ半径方向内方
にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォー
ル部3の内方端に位置するビード部4とを具える。
まる、本例では乗用車用の5°深底リムであって、前記
ビード部4の底面を受けるリムシート面10Aと、ビー
ド部4の外側面を受けるフランジ面10Bとを形成して
いる。なおリム10は、前記リムシート面10Aとフラ
ンジ面10Bとが交わるビードヒール点11を通り半径
方向にのびるヒール点半径線11L、11L間の距離を
もって適用リムのリム巾としている。
カーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の
外側かつトレッド部2内方には強靭なベルト層7が、又
カーカス6の内側には充填内圧を気密に保持するインナ
ーライナ12が配される。
サイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5の
廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折返される少なくと
も1枚、本例では1枚のカーカスプライから形成され
る。このカーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して75
〜90度の角度で配列するカーカスコードを有し、該カ
ーカスコードとして、ナイロン、レーヨン、ポリエステ
ルなどの有機繊維コードが好適に採用できる。
の折返し部6Bとの間には、前記ビードコア5からタイ
ヤ半径方向外側に向かって立上がるビードエーペックス
ゴム8が充填され、タイヤ横溝剛性を高めている。
タイヤでは通常2枚のベルトプライ7a、7bからな
り、トレッド部2のほぼ全巾をタガ効果を有して補強す
るとともに、本例では約60%の大きい偏平率を有して
タイヤを拘束している。各ベルトプライ7a、7bは、
タイヤ赤道面Cに対して0〜30度の角度で配列するベ
ルトコードを有し、このベルトコードには、スチールコ
ード、芳香族ポリアミドコードなどの高弾性材が用いら
れる。
ム、ハロゲン化ブチルゴム等のブチル系ゴムを主成分と
したガス不透過性に優れるゴム層であり、例えば0.5
〜2.0mm程度の略均一な厚さを有してビードコア
5、5間を前記プライ本体6Aの内面に沿って配され
る。
時にタイヤ内腔面Sが互いに接触する前記接触部分J
(図5に示す)でのカーカス6下のゴム厚さを所定範囲
に確保したうえで、前記接触部分Jでの接触圧力を緩和
させるために、サイドウォール補強ゴム層20を形成し
ている。
さの確保は、前記インナーライナ12の内面に、上、下
の保護ゴム層13、14を設けることによって達成して
いる。
測定内圧充填状態においてサイドウォール部3が最もタ
イヤ軸方向外側に膨出するタイヤ最大幅位置9の近傍か
ら半径方向外側にのびる。又前記下の保護ゴム層14
は、前記タイヤ最大幅位置9の近傍から半径方向内側に
のびる。なお前記タイヤ最大幅位置9の「近傍」とは、
タイヤ断面高さの10%以下の距離を、タイヤ最大幅位
置9から半径方向の内外にそれぞれ隔たる領域を意味す
る。
4の形成により、前記測定内圧充填状態において、前記
ヒール点半径線11Lがタイヤ内腔面Sとトレッド部側
で交差する上交差点a、およびビード部側で交差する下
交差点bにおけるカーカス6下でのゴム厚さwa、wb
をそれぞれ高めている。
外面の最近点ATまでのタイヤ厚さWaと、上交差点a
からカーカス6の内面の最近点ACまでのゴム厚さwa
との比wa/Waを0.20〜0.65の範囲に、又前
記下交差点bにおけるタイヤ外面の最近点BTまでのタ
イヤ厚さWbと、下交差点bからカーカスの内面の最近
点BCまでのゴム厚さwbとの比wb/Wbを0.20
〜0.65の範囲に高めている。
接触部分Jの基準位置であって、ランフラット時には、
この上、下交差点a、bを中心として擦れが発生する。
従って、少なくとも前記ゴム厚さwa、wbを前記範囲
まで高めることによって、カーカス6がむき出し状態と
なって直接擦り合わされるまでの走行距離を稼ぐことが
できる。
は、比較的薄肉でありかつ前記タイヤ最大幅位置9近傍
で互いに離間しているため、タイヤ重量及び縦剛性を過
度に高めることがなく、通常走行における乗り心地性、
転がり抵抗等の諸性能を維持ししうるとともに、パンク
時にあっては空気抜けを運転者に認識させうる。
が、それぞれ0.2未満では、カーカス6を摩擦及び発
熱から守る保護効果が充分に発揮されず、ランフラット
性能を向上できない。又0.65を越えるとタイヤ重
量、及び転がり抵抗が不必要に増し、通常タイヤ(非ラ
ンフラット性のタイヤ)に比して転がり抵抗等の諸性能
を損ねてしまう。従って、前記比wa/Wa及び比wb
/Wbは、0.2〜0.45が好ましい。又ビード部4
においては、時にリムライン等が形成されて肉厚となる
場合が多く、従って、下交差点bでの前記ゴム厚さwb
は、2.0mm以上とするのが良い。
記ゴム厚さwa、wbを確保するのが主目的であるた
め、インナーライナ12あるいはカーカストッピングゴ
ムと同質のゴムで形成することもできる。しかし、保護
効果の観点から、損失係数tanδが0.035以上か
つ0.18以下の低発熱ゴムで形成することが好まし
い。これにより、前記接触部分Jでの発熱による保護ゴ
ム層13、14自体の劣化、あるいはインナーライナ1
2及びカーカス6の劣化等を抑制し、保護効果を向上で
きる。なお損失係数tanδが0.035未満では、ゴ
ムが軟質となり保護効果が充分に達成されず、逆に0.
18を越えると、発熱し易くゴムの熱劣化を抑制し得な
い。従って損失係数tanδは、より好ましくは、0.
05以上かつ0.15以下である。
ては、耐カット性、耐摩耗性等の機械的強度に優れるゴ
ムが好ましく、そのために複素弾性率(単位:Mpa)
が7.0以上かつ13.0以下のものが好適に使用でき
る。なお、通常インナーライナ12の複素弾性率が3.
5Mpa程度、又カーカストッピングゴムの複素弾性率
が4.2Mpa程度であることから、前記範囲とするこ
とにより、機械的強度が増し、高い保護効果が得られる
のが理解できる。なお7.0未満ではゴムの補強性が小
さく、又13.0を越えると、歪みが大きくなり転がり
抵抗を悪化させる。なお本願では、前記損失係数tan
δ及び複素弾性率は、岩本製作所製の粘弾性スペクトロ
メータを用いて温度70℃、周波数10Hz、動歪率2
%の条件下で測定した時の値である。
部分Jの接触位置は、実際には、路線変更、旋回時等に
おける横力の影響等を受けて、前記上交差点aを中心と
した上方領域La、及び前記下交差点bを中心とした下
方領域Lbでバラ付くことが判明した。
実に達成するためには、図2に示すように、前記上方領
域Laと下方領域Lbとの双方において、この各領域L
a、Lbでの任意の位置iにおけるタイヤ外面の最近点
ITまでのタイヤ厚さWiと、前記位置iでのカーカス
の内面の最近点ICまでのゴム厚さwiとの比wi/W
iを、それぞれ前記0.20〜0.65の範囲とするこ
とが好ましい。
差点aを中心としてタイヤ内腔面Sに沿いトレッド部側
に下記の(1)式で表す距離La1を離れる点a1と、
ビード部側に(2)式で表す距離La2を離れる点a2
との間の領域を意味する。又前記下方領域Lbは、前記
下交差点bを中心としてタイヤ内腔面Sに沿いトレッド
部側に下記の(3)式で表す距離Lb1を離れる点b1
と、ビード部側に(4)式で表す距離Lb2を離れる点
b2との間の領域を意味する。
である。 0.40・Kab≦La1≦0.75・Kab … (1) 0.20・Kab≦La2≦0.30・Kab … (2) 0.40・Kab≦Lb1≦0.65・Kab … (3) 0.20・Kab≦Lb2≦0.30・Kab … (4)
に、前記上交差点aと下交差点bとの間の半径方向の高
さH、及び前記上交差点aと下交差点bとの間の高さ中
間点eにおける前記ヒール点半径線11Lからのタイヤ
内腔面Sまでの長さMから下記の(5 )式で求めたもの
である。なお前記中間点eは、本例では前記タイヤ最大
幅位置9とほぼ一致し、すなわち中間点eはタイヤ最大
幅位置9の前記近傍に位置している。 Kab={(H2 +4M2 )/4M}・SIN-1 {4H・M/(H2 +4M2 )} … (5)
のタイヤ内腔面Sを、前記上、下交差点a、b及びその
中点mを通る単一円弧S0として近似して捉えたとき
の、前記タイヤ内腔面Sに沿う上、下交差点a、b間の
距離に相当する。
Lbとの各位置iにおいて、前記比wi/Wiを0.2
0〜0.65とすることにより、ランフラット時に実際
に接触する恐れのある部位を前記上、下の保護ゴム層1
3、14によって保護でき、ランフラット性能の向上を
より確実化しうる。なお各距離La1、La2、Lb
1、Lb2が、それぞれKabの0.4倍、0.2倍、
0.4倍、0.2倍より小の時、カーカスへの保護効果
が少なくなり、逆に0.75倍、0.30倍、0.65
倍、0.30倍を越えると、不必要な重量増加および転
がり抵抗の低下などを招くこととなる。
14は、カーカス6とインナーライナ12との間に形成
することもできる。又前記ゴム厚さwa、wbを確保す
るため、カーカストッピングゴムあるいはインナーライ
ナ12自体を局部的に厚肉に形成し、このカーカストッ
ピングゴムあるいはインナーライナ12自体によって
上、下の保護ゴム層13、14を構成させても良い。
Jでの接触圧力を緩和させるために、図1、4に示すよ
うに、サイドウォール補強ゴム層20を形成している。
しカーカス6が複数のカーカスプライから形成される時
にはカーカスプライ間に形成することもできるが、ラン
フラット時にカーカス同士の擦れ合いを防ぐという観点
から、本例の如く前記インナーライナ12とカーカス6
との間に配することが好ましい。
4に示すように、前記中間点eをほぼ中心として、半径
方向の内外にのびる略三日月形状をなし、その半径方向
の長さLPを、上下交差点a、b間の前記高さHの0.
25〜1.0倍の範囲としている。なお前記「中間点e
をほぼ中心とし」とは、サイドウォール補強ゴム層20
の長さ中心位置20pと前記中間点eとの半径方向の距
離が、前記長さLPの10%以下であることを意味す
る。又サイドウォール補強ゴム層20は、前記長さ中心
位置20pで最大厚さD1を有し、この長さ中心位置2
0pにおけるタイヤ厚さDTと前記最大厚さD1との比
D1/DTを0.1〜0.5としている。
中間点eをほぼ中心として、長さLPが比較的小かつ最
大厚さD1が比較的小なサイドウォール補強ゴム層20
を、局部的に設けている。従って、従来のランフラット
タイヤの如くパンク時のタイヤ荷重全体を支承すること
は困難であるが、パンク時の屈曲位置で前記補強ゴム層
20が圧縮して、前記接触部分Jでの接触圧力を軽減す
ることができ、前記カーカス6下のゴム厚さwa、wb
の増加との相乗効果によって、ランフラット性能を大巾
に向上しうる。
時、及び最大厚さD1が0.1×DT未満の時、接触圧
力の軽減効果が低く、又1.0×H倍を越える時及び
0.5×DTを越える時、転がり抵抗が悪化してしま
う。
前記上下の保護ゴム層13、14と同様に、発熱による
補強ゴム層20自体の劣化あるいはインナーライナ12
及びカーカス6の劣化等を抑制するために、損失係数t
anδが0.035以上かつ0.18以下、さらには
0.05以上かつ0.15以下の低発熱ゴムで形成する
ことが好ましい。なお損失係数tanδが0.035未
満では、補強効果が充分に達成されず、逆に0.18を
越えると、発熱し易くゴムの熱劣化を抑制し得ない。
ては、耐カット性、耐摩耗性等の機械的強度に優れるこ
とが望ましく、そのために複素弾性率(単位:Mpa)
が7.0以上かつ13.0以下のものが好適に使用でき
る。なお7.0未満ではゴムの補強性が小さく、又1
3.0を越えると、歪みが大きくなり転がり抵抗を悪化
させる。
基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ重量、
転がり抵抗性能、ランフラット性能をそれぞれ比較し
た。
内面に高硬度のゴム補強層を設けて縦たわみを減じた従
来のランフラットタイヤ、従来例2は、非ランフラット
性の通常タイヤである。又実施例1〜3、比較例1〜2
は、それぞれタイヤ外面上方領域LAに、ゴム層20を
形成していないものを用いている。
量を測定し、従来例2を100とする指数で表示してい
る。指数は小さい方が良好である。 ・転がり抵抗性能:転がり抵抗試験機を用い、各試供タ
イヤをJATMA等の規格で定まる市販の適用リムに装
着し、標準測定内圧(180kPa) 、速度(80km
/h)、荷重(415kg)で転がり抵抗を測定し、従
来例2を100とする指数で表示している。指数は小さ
い方が良好である。 ・ランフラット性能:前記試供タイヤを、前記適用リム
にリム組みし、内圧0kPaの状態で乗用車(FF車)
に装着して直進時(50km/h)、旋回時(40km
/h)の速度でテストコースを走行させ、タイヤが破壊
するまでの走行距離を指数で表示している。指数は大き
い方が良好である。
フラット性の通常タイヤ(従来例2)と略同程度のタイ
ヤ重量、転がり抵抗性能等の諸性能を維持しながら、ラ
ンフラット性能を大巾に向上しうるのが確認できた。
如く構成し、タイヤ内腔面側で接触する部分におけるカ
ーカス下でのゴム厚さを確保するとともに、接触圧を軽
減しているため、運転者に空気抜けをタイヤ変形によっ
て認識させうるとともに、一般リムの使用を可能とし、
しかもタイヤ重量、転がり抵抗、リム着脱性等の諸性能
を損ねることなく、ランフラット性能を向上できる。
面図である。
ある。
図である。
ある。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】空気入りタイヤと、そのビード部を着座し
たリムとからなるタイヤとリムの組立体であって、 前記空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール
部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライを
有するカーカスと、該カーカスの内側に沿って配される
インナーライナとを具え、かつ前記インナーライナと前
記カーカスとの間、又は内外の前記カーカスプライの間
にインナーライナの材質とは異なるサイドウォール補強
ゴム層を設けるとともに、 標準測定内圧を充填した測定内圧充填状態におけるタイ
ヤ子午線断面において、 前記リムのリムシート面とフランジ面とが交わるビード
ヒール点を通り半径方向にのびるヒール点半径線が前記
トレッド部側においてタイヤ内腔面と交差する上交差点
aにおけるタイヤ外面の最近点ATまでのタイヤ厚さW
aと、上交差点aからカーカスの内面の最近点ACまで
のゴム厚さwaとの比wa/Wa、及びヒール点半径線
が前記ビード部側のタイヤ内腔面と交差する下交差点b
におけるタイヤ外面の最近点BTまでのタイヤ厚さWb
と、下交差点bからカーカスの内面の最近点BCまでの
ゴム厚さwbとの比wb/Wbをそれぞれ0.20〜
0.65としたことを特徴とするタイヤとリムの組立
体。 - 【請求項2】前記上交差点aを中心としてタイヤ内腔面
に沿いトレッド部側に下記の(1)式で表す距離La1
を離れる点a1と、ビード部側に(2)式で表す距離L
a2を離れる点a2との間の上方領域La、及び前記下
交差点bを中心としてタイヤ内腔面に沿いトレッド部側
に下記の(3)式で表す距離Lb1を離れる点b1と、
ビード部側に(4)式で表す距離Lb2を離れる点b2
との間の下方領域Lbとにおける各位置iでのタイヤ外
面の各最近点ITまでのタイヤ厚さWiと、各位置iで
のカーカスの内面の最近点ICまでのゴム厚さwiとの
比wi/Wiをそれぞれ0.20〜0.65としたこと
を特徴とする請求項1記載のタイヤとリムの組立体。 0.40・Kab≦La1≦0.75・Kab … (1) 0.20・Kab≦La2≦0.30・Kab … (2) 0.40・Kab≦Lb1≦0.65・Kab … (3) 0.20・Kab≦Lb2≦0.30・Kab … (4) ここでKabは、上交差点a、下交差点b間の半径方向
の高さH、上交差点a、下交差点b間の高さ中間点eに
おける前記ヒール点半径線からのタイヤ内腔面までの長
さMから下記の(5)式で求める。 Kab={(H2 +4M2 )/4M}・SIN-1 {4H・M/(H2 +4M2 )} … (5) - 【請求項3】前記サイドウォール補強ゴム層は、前記上
交差点aと下交差点bとの間の高さ中間点eをほぼ中心
として、半径方向の長さLPが、前記上交差点aと下交
差点bとの間の半径方向の高さHの0.25〜1.0倍
の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載のタ
イヤとリムの組立体。 - 【請求項4】前記サイドウォール補強ゴム層は、損失係
数tanδが0.035以上かつ0.18以下のゴムか
らなり、かつ半径方向の中間点をほぼタイヤ最大幅位置
とすることを特徴とする請求項1、2又は3記載のタイ
ヤとリムの組立体。 - 【請求項5】前記サイドウォール補強ゴム層は、複素弾
性率(Mpa)が7.0以上かつ13.0以下のゴムか
らなることを特徴とする請求項1、2,3又は4記載の
タイヤとリムの組立体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16242198A JP4011739B2 (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | タイヤとリムの組立体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16242198A JP4011739B2 (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | タイヤとリムの組立体 |
Publications (2)
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