JPH11348503A - 車輪形走行装置および車輪 - Google Patents

車輪形走行装置および車輪

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JPH11348503A
JPH11348503A JP10163668A JP16366898A JPH11348503A JP H11348503 A JPH11348503 A JP H11348503A JP 10163668 A JP10163668 A JP 10163668A JP 16366898 A JP16366898 A JP 16366898A JP H11348503 A JPH11348503 A JP H11348503A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 牽引性能と泥ハケ性能のいずれも犠牲にする
ことのない車輪を提供する。 【解決手段】 車輪10のトレッド踏面部14に隆起形
成されるラグ15は、軸方向成分17を有し、該成分1
7は後退角θを左右で異ならして千鳥状に配列してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪形走行装置お
よび車輪に係り、田植機、水田管理機等の水田用農機及
び野菜移植機等の畑作用農機の走行装置に利用される。
【0002】
【従来の技術】図12および図13に例示する乗用田植
機1の走行装置は、左右一対のスポーク形前輪2と左右
一対のスポーク形後輪3とで構成されており、左右の前
輪2は操向機能を有し、左右の後輪3は車軸にボス3A
を固着してこのボス3Aから放射状に配置したスポーク
3Bの先端にパイプ等の円環体を芯としてこの周りをラ
グ3Cを有する弾性輪体3Dで被覆した所謂ゴム焼付け
車輪であり、該後輪3を回転駆動することで走行機体4
を支持しながら矢符方向に進行しつつ植付装置5によっ
て田植を行うものである。
【0003】上記走行装置の車輪(後輪でも前輪でも良
い)として、特開平8−156502号公報で開示の水
田走行用総ゴム車輪、実開平1−107602号公報で
開示の水田作業機のホイールキャップ等々があり(以
下、水田用車輪という)、また、特開平7−9801号
公報で開示の農用車輪(以下、畑作用車輪という)が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の水田用車輪は、
トレッド踏面部に隆起形成したラグを有し、該ラグは周
方向成分を有するリブラグ(直進ラグともいう)と軸方
向成分を有する牽引ラグとを備えており、リブラグによ
って直進性を確保し、牽引ラグで牽引力を確保してスリ
ップすることなく走行しようとするものである(これら
の点は、畑作用車輪でも同じである)。
【0005】ところで、前述した牽引ラグは、牽引力の
増進を主眼とするのであれば、車輪回転方向の後退角を
0°(すなわち、車輪の赤道面に対して直交し、車輪方
向に平行する)にすることが有利であるが、このように
構成すると、該牽引ラグで泥土を持上げることとなって
泥ハケが悪くなり、万一、持上げられた泥土が回転途中
で圃場に落下すると、図13で示す植付け苗Aを乱すこ
とになるおそれがあった。
【0006】このため、牽引ラグの後退角を60°以上
に設定すると泥ハケは良好とはなるものの、牽引力不足
を招くものであった。そこで、従来では上記のような相
反する性能を折衝するかたちの形態を採用しており、前
述した特開平8−156502号公報の図8および図1
0で示してあるように、牽引ラグの後退角は15°〜2
0°に設定してあり、相反する性能である牽引性能と泥
ハケ性能を犠牲にした設計をしていたのである。
【0007】本発明は、前述した課題に鑑み、車輪のト
レッド踏面部に隆起形成されるラグ(軸方向成分を有す
る牽引ラグ)の後退角に工夫をし、かつ後退角の異なる
ラグの配列に工夫をすることによって、相反する性能で
ある牽引性能と泥ハケ性能のいずれも犠牲にすることが
なく、併せて枕地での旋回性能を向上できるようにした
車輪形走行装置および車輪を提供することが目的であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラグを周方向
の間隔をおいて隆起形成しているトレッド踏面部を有す
る左右の車輪で構成した車輪形走行装置において、前述
の目的を達成するために、次の技術的手段を講じてい
る。すなわち、請求項1に係る車輪形走行装置は、前記
ラグは軸方向成分を有してトレッド踏面部で内外に左右
振分けて配列されており、車輪内側におけるラグの軸方
向成分に対して車輪外側におけるラグの軸方向成分の車
輪回転方向に対する後退角が大きく設定されていること
を特徴とするものである。
【0009】このような構成を採用したことによって、
車輪外側におけるラグの軸方向成分の後退角が大きく設
定されていることによって泥ハケ性能を確保し、泥土の
持上げ量は少なくなって隣接苗の乱れ等は確実に防止す
る一方で、車輪内側におけるラグの軸方向成分によって
牽引力は充分に確保されてスリップすることが少なくな
るのである。
【0010】また、車輪内側におけるラグの軸方向成分
の後退角が小さく設定されていることによって、枕地で
の旋回半径は小さくできるのである。ここで車輪形走行
装置は、図12および図13で例示している乗用田植機
の2軸4車輪形走行装置を初め、1輪2輪形走行装置を
有する歩行形田植機等のように、水田作業等に適用でき
るし、野菜移植機のように、畑作用にも適用できるので
ある。
【0011】前述の構成において、車輪内側におけるラ
グの軸方向成分の車輪回転方向に対する後退角が0°〜
10°に設定されており、車輪外側におけるラグの前記
後退角が15°〜50°に設定されていることが推奨さ
れる(請求項2)。また、前述の構成において、前記ラ
グは、前記軸方向成分と周方向成分とを一体に有してい
ることが、推奨される(請求項3)。
【0012】このように、ラグに周方向成分(リブラ
グ)を形成することによって、直進性を確保できるし、
このリブラグと後退角が大きな軸方向成分とを組合わせ
ることによって、図5で示すように周方向のラップ部分
が形成でき、これは、振動の軽減に寄与するのである。
更に、本発明においては、前述した請求項1〜3におい
て、周方向の間隔をおいて隆起形成しているラグ間に、
該ラグの頂面幅より広幅とした凹みが形成されているこ
とによって、凹みによって牽引力を増進することが可能
となったのである。(請求項4)。
【0013】前述の構成において、前記車輪は、円環体
に弾性材料を被覆した弾性輪体又は空気入りタイヤ車輪
であることが推奨される(請求項5)。また、本発明に
係る車輪は、ラグを周方向の間隔をおいて隆起形成して
いるトレッド踏面部を有する車輪において、前記ラグは
軸方向成分を有してトレッド踏面部で内外に左右振分け
て配列されており、ラグの一方の軸方向成分に対してラ
グの他方の軸方向成分の車輪回転方向に対する後退角が
大きく設定されていることを特徴とするものであり、こ
のような構成を採用したことにより、牽引性能及び排土
性のいずれも犠牲とならないのであり、この場合におい
て、隣接苗又は作物に対する持上げられた土(泥土)の
落下による影響を重視するときは、該車輪を請求項1の
ように車軸に装着するのであり、持上げられた土(泥
土)の落下が問題とならないときは、後退角が大きな軸
方向成分を走行機体側に、後退角が小さな軸方向成分を
反走行機体側にして当該車輪を車軸に装着するのである
(請求項6)。
【0014】さらに、請求項6において、ラグの一方の
軸方向成分の車輪回転方向に対する後退角が0°〜10
°に設定されており、ラグの他方の軸方向成分の前記後
退角が15°〜50°に設定されていることが推奨され
(請求項7)、また、請求項6又は7において、前記ラ
グは、前記軸方向成分と周方向成分とを一体に有してい
ることが推奨される(請求項8)。
【0015】また、請求項6〜8において、周方向の間
隔をおいて隆起形成しているラグ間に、該ラグの頂面幅
より広幅とした凹みが形成されていることが有利であり
(請求項9)、更に、請求項6〜9において、車輪は、
円環体に弾性材料を被覆した弾性輪体又は空気入りタイ
ヤ車輪であることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態について説明する。なお、本発明に係る車輪形走
行装置および車輪は、図12及び図13に示している乗
用田植機の2軸4車輪形走行装置を初め、歩行形田植機
の1軸2輪形走行装置、湛水直播機等の水田用作業機、
野菜移植機のように畑作用作業機にも適用可能である。
【0017】図1〜4は本発明の第1実施形態を示して
おり、車輪10は、放射状に配置したスポーク11の先
端にパイプ材で示す円環体12を芯としてこの周りにゴ
ム等の弾性材料を被覆した弾性輪体13を有する所謂ゴ
ム焼付車輪を示している。弾性輪体13の外周部、すな
わち、トレッド踏面部14には周方向の間隔をおいてラ
グ15が隆起形成されていて、本実施の形態ではトレッ
ド踏面部14の中心、すなわち、赤道面上に位置する周
方向成分(所謂直進ラグであり、リブラグとされてい
る)16と軸方向成分(牽引ラグ)17とを一体に有
し、トレッド踏面部14の内外に左右振分けて千鳥状に
配列されている。
【0018】図1はトレッド踏面部14を一部展開して
示しており、矢符B方向に車輪が回転するとすると、ト
レッド踏面部14の左側(走行機体の内側又は外側)の
軸方向成分17の車輪回転方向に対する後退角0°すな
わち、車軸と平行にされており、一方、トレッド踏面部
14の右側(走行機体の外側又は内側)の軸方向成分の
前述した後退角θは15°とされている。
【0019】左右の軸方向成分17は車輪回転方向Bの
先行側が蹴面17Aで後行側が支え面17Bであり、図
2および図3で示すように側面視で三角形乃至台形状と
されており、一方、周方向成分16は図4で示すように
断面視で先細り台形状とされており、周方向で隣接する
周方向成分16間にはその頂面よりも広幅とされた凹み
18が形成されている。
【0020】なお、図4で示しているように、左右の軸
方向成分17の頂面は外方下向の傾斜面に形成すること
によって、回向時(旋回時)の抵抗を軽減しているので
ある。上述構成の車輪10を、図12及び図13で示し
た田植機の2軸4車輪形走行装置に適用するとき、本発
明に係る走行装置ではその後輪に、軸方向成分17の後
退角が小さい方(便宜上17Lという)を機体側(内
側)に、軸方向成分17の後退角が大きい方(便宜上1
7Rという)を反機体側(外側)にして装着して、矢示
B方向に回転駆動して圃場(水田)を走行しながら田植
を行うのである。
【0021】この作業中、17Lによって大きな牽引力
を発揮する一方で泥土の持ち上げが生じ、17Rによっ
て小さな牽引力を発揮する一方で泥土の持上げは少なく
泥ハケ性に優れることになる。17L,17Rの総合
(左右車輪を含む)の牽引力は大きいことから、スリッ
プすることなく走行するとともに枕地での旋回半径が小
さくなるのであり、一方、17Lによって泥土を持上げ
たとしても、この泥土は隣接苗Aではなく、これより離
れた走行機体側に落下することとなって、隣接苗Aの倒
れ等を招くことは少ないのである。
【0022】また、凹み18によっても牽引力は増進さ
れる一方で周方向成分16によって直進性を確保するの
である。図5は第2実施形態を示しており、右側(反機
体側)の軸方向成分17の後退角θを50°としたもの
であり、このように構成することによって、符号Lで示
すオーバーラップ部分が造成されることとなり、走行振
動を軽減できて、特に、一般路上を走行するときに有利
となるのである。
【0023】図6及び図7は第3及び第4実施形態を示
しており、ラグ15の周方向成分16を赤道0−0上よ
り左又は右にずらしたものである。図8〜11は第5〜
8の実施形態を示しており、まず、図8は左右(内外)
に振り分けたラグ15は周方向成分がなく軸方向成分1
7だけで構成されたものであり、図9は左右(内外)に
振り分けたラグ15は所謂への字形ラグとL字形ラグで
構成したものであり、図10は左右(内外)に振り分け
たラグ15は、、所謂Y字形ラグとL字形ラグで構成し
たものであり、Y字形ラグは、後退角が0°の軸方向成
分17Cを一部に形成している。
【0024】なお、図10において成分17Cについて
は、点線で示すように、後退角を有するものであっても
良い。図11は、左右(内外)に振り分けたラグ15に
おいて内側の軸方向成分17が後退角θを10°程度と
したもので外側の軸方向成分17の後退角θを50°程
度としたものである。
【0025】図14は、第9実施形態を示し、周方向成
分16をトレッド踏面部14の全周に亘って形成したも
のであり、これによって直進性、走行振動性が良好とな
る。又、図15に示す第10実施形態では周方向成分1
6を左右2列としたものであり、(全周に亘らなくなる
ものでも良い)、図16に示す第11実施形態では周方
向成分16に対して軸方向成分17の断面形状を大きく
形成することによって、牽引力をより一層増進したもの
である。
【0026】なお、図5〜図11および図14〜16に
示した各実施の形態において、図1〜4にて示した部分
と共通するものについては共通符号で示しており、ま
た、図1〜11および図14〜16に示したトレッド踏
面部14の左右の軸方向成分17は、図14の仮想線で
示すように左右振分けても良く、これらのラグパターン
であれば、車輪(図13の左右後輪)は空気入りタイヤ
であっても良く、また、図13の左右前輪に本発明を適
用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば水田用
農機又は畑地用農機を問わず牽引性能と泥ハケ性能(排
土性能)をいずれも犠牲にすることはなく、また、枕地
での旋回性能を向上できる車輪およびこの車輪を利用し
た走行装置を提供できたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示した一部展開平面図
である。
【図2】図1のC矢示図である。
【図3】図1のD矢示図である。
【図4】図2および図3の断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示したトレッド踏面部
の一部平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示したトレッド踏面部
の一部平面図である。
【図7】本発明の第4実施形態を示したトレッド踏面部
の一部平面図である。
【図8】本発明の第5実施形態を示したトレッド踏面部
の一部平面図である。
【図9】本発明の第6実施形態を示したトレッド踏面部
の一部平面図である。
【図10】本発明の第7実施形態を示したトレッド踏面
部の一部平面図である。
【図11】本発明の第8実施形態を示したトレッド踏面
部の一部平面図である。
【図12】本発明を適用する乗用田植機の側面図であ
る。
【図13】図12の概略平面図である。
【図14】本発明の第9実施形態を示したトレッド踏面
部の一部平面図である。
【図15】本発明の第10実施形態を示したトレッド踏
面部の一部平面図である。
【図16】本発明の第11実施形態を示したトレッド踏
面部の一部平面図である。
【符号の説明】
10 車輪 14 トレッド踏面部 15 ラグ 16 周方向成分 17 軸方向成分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラグを周方向の間隔をおいて隆起形成し
    ているトレッド踏面部を有する左右の車輪で構成した車
    輪形走行装置において、 前記ラグは軸方向成分を有してトレッド踏面部で内外に
    左右振分けて配列されており、車輪内側におけるラグの
    軸方向成分に対して車輪外側におけるラグの軸方向成分
    の車輪回転方向に対する後退角が大きく設定されている
    ことを特徴とする車輪形走行装置。
  2. 【請求項2】 車輪内側におけるラグの軸方向成分の車
    輪回転方向に対する後退角が0°〜10°に設定されて
    おり、車輪外側におけるラグの前記後退角が15°〜5
    0°に設定されていることを特徴とする請求項1記載の
    車輪形走行装置。
  3. 【請求項3】 前記ラグは、前記軸方向成分と周方向成
    分とを一体に有していることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の車輪形走行装置。
  4. 【請求項4】 周方向の間隔をおいて隆起形成している
    ラグ間に、該ラグの頂面幅より広幅とした凹みが形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の車輪形走行装置。
  5. 【請求項5】 車輪は、円環体に弾性材料を被覆した弾
    性輪体又は空気入りタイヤ車輪であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の車輪形走行装置。
  6. 【請求項6】 ラグを周方向の間隔をおいて隆起形成し
    ているトレッド踏面部を有する車輪において、 前記ラグは軸方向成分を有してトレッド踏面部で内外に
    左右振分けて配列されており、ラグの一方の軸方向成分
    に対してラグの他方の軸方向成分の車輪回転方向に対す
    る後退角が大きく設定されていることを特徴とする車
    輪。
  7. 【請求項7】 ラグの一方の軸方向成分の車輪回転方向
    に対する後退角が0°〜10°に設定されており、ラグ
    の他方の軸方向成分の前記後退角が15°〜50°に設
    定されていることを特徴とする請求項6記載の車輪。
  8. 【請求項8】 前記ラグは、前記軸方向成分と周方向成
    分とを一体に有していることを特徴とする請求項6又は
    7に記載の車輪。
  9. 【請求項9】 周方向の間隔をおいて隆起形成している
    ラグ間に、該ラグの頂面幅より広幅とした凹みが形成さ
    れていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記
    載の車輪。
  10. 【請求項10】 車輪は、円環体に弾性材料を被覆した
    弾性輪体又は空気入りタイヤ車輪であることを特徴とす
    る請求項6〜9のいずれかに記載の車輪。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011604A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 農用車輪
JP2006231975A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd 農用車輪
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CN113771548A (zh) * 2021-09-25 2021-12-10 浙江大学 一种基于折纸工艺的可变直径驱动轮及其方法

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