JPH0123844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農作業機のラグタイヤに関するも
のである。

この考案では、農作業のラグタイヤにおけるラ
グ本体において、タイヤ中央に位置する基端幅員
よりタイヤ外側に位置する先端幅員をやや幅狭に
形成すると共に、ラグ本体間の間隙と、ラグ本体
の長さとをほぼ同等に構成することにより、ラグ
本体間につまる泥よけを良好にし、湿田走行性を
向上できる農作業機のラグタイヤを提供せんとす
るものである。

この考案の実施例を図面に基づき詳説すれば、
Ａは走行機体Ａ−１の前部に苗植付部Ａ−２を連
設した乗用田植機、Ｂは同田植機等の走行機体Ａ
−１に使用するラグタイヤを示すものであり、１
は円環状タイヤ、２は同円環状タイヤ１の周面に
突設したラグ本体、３は円環状タイヤ１を支持す
るリム部である。

ラグ本体２は円環状タイヤ１の周面において、
同タイヤ１のほぼ中央部より互い違いに外側左右
方向に向つて突設されている。しかもラグ本体２
のタイヤ中央に位置するラグ本体基端４からラグ
本体先端５にかけては接地部分においてラグタイ
ヤＢの進行方向に向つて斜めに傾斜しており、従
つて、ラグ本体２は接地部分においてタイヤ中央
部より左右方向に互い違いに進行方向へ向つて傾
斜をもつて突設されている。

ラグ本体基端４の幅員とラグ本体先端５の幅員
との関係は、前者より後者がやや幅狭に形成され
ており、ラグタイヤＡの回転作動にともない、湿
田中の泥が本体間にかみこんだ際の泥はけを良好
にするものである。

またラグ本体２間の間隔Ｔ−１は、ラグ本体２
の上面において最短距離を約30mm前後としてお
り、またラグ本体２の長さＴ−２を上記間隙とほ
ぼ同長さに構成し、ラグ本体２の高さＨをほぼラ
グ本体２の幅員の２倍としており、またタイヤ中
央部より左右方向に互い違いに突設したラグ本体
２の幅員Ｔ−３を、リム部３両側の折曲げ部の幅
の約1.6倍に構成している。

またラグ本体２円環状タイヤ１周面との連設部
において、ラグ本体２の下端部にアール部６を形
成し、しかも同アール部６はラグ本体２の高さＨ
の約３分の１としており、またラグ本体基端４の
幅員よりラグ本体先端５の幅員をやや幅狭に形成
するに際しては、接地部分においてラグ本体２の
進行方向の傾斜面２−１の傾斜角度より反対方向
の傾斜面２−２の傾斜角度を大きくとることによ
りラグ本体基部の幅員より、先端の幅員をやや幅
狭とするものである。

また、ラグ本体２の突設した円環状タイヤ１の
製造に際しては、ラグタイヤＢの径の差異により
従来それぞれ異なる径毎にラグタイヤモールドを
設けて異なる径のラグタイヤＢを製造していた
が、径の異なるラグタイヤＢを製造する場合、予
め異径のラグタイヤにおいて共用可能な長さを想
定し、同共用長さのラグタイヤを製造できる共用
ラグタイヤ帯ａを製造すべきモールドを設け、当
初において共用ラグタイヤ帯ａを製造しておい
て、別途に共用ラグタイヤ帯ａで不足する長さを
補うための継足ラグタイヤ帯ｂを製造すべきモー
ルドにより継足ラグタイヤ帯ｂを製造し同継足ラ
グタイヤ帯ｂは異径のラグタイヤに従い、それぞ
れ数種類のものを製造しておき、共用タイヤ帯ａ
と継足ラグタイヤ帯ｂを所要のジヨイントにて接
続することにより、ラグタイヤＢを構成するもの
であり、モールド型製造の費用を節約できるもの
である（第５図参照）。

この考案によれば、ラグ本体２の基端４幅員よ
り先端５幅員をやや幅狭に形成したので、路上走
行時にタイヤ中央部の接地面積が大となり乗心地
を良好にし、しかも、ラグ本体間の間隙Ｔ−１と
ラグ本体の長さＴ−２とをほぼ同等としたことに
よりラグ本体間の間隔を可及的に短くしてタイヤ
周面のラグの個数を多くすると、Ｔ−１＝Ｔ−２
なので、ラグの長さは短くなり、これにより、泥
はけ効率は若干低下するがラグの個数が増えた分
だけ牽引力は増大し、また、乗心地も向上する。

したがつて、泥が粘稠質でないやや硬めの圃場
での植付走行に適している。

また、ラグ本体間の間隔を広くするとタイヤ周
面のラグの個数は少なくなり、Ｔ−１＝Ｔ−２な
ので、ラグの長さは長くなる。

そして、これにより、泥はけ効率が向上すると
共にラグの長さが長くなる分だけ牽引力が向上
し、乗心地が若干低下する。

したがつて、泥が粘稠質である圃場での植付走
行に適している。そして、泥が粘稠質の場合は泥
がやわらかいので乗心地の低下は少ないものであ
る。

すなわち、硬めの圃場では、Ｔ−１及びＴ−２
がそれぞれ可及的に短くなつているけれども、圃
場が硬いので、土砂等があまりタイヤの内側に押
入ることなく、また例え押入つたとしてもＴ−
１，Ｔ−２が短いので、ラグの先端部はタイヤの
端縁に向つて大きく開放した状態となり、土砂が
タイヤの端縁に向つて大きく開放した状態とな
り、土砂がタイヤの端縁へ逃げやすい。従つて、
牽引力、排土性を低下させることは少ない。

他方、泥が粘稠質の柔かい圃場では、Ｔ−１及
びＴ−２がそれぞれ長くなり各ラグの間隔も広く
なる。

従つて、土砂は各ラグ間につまりにくくなり、
更には、粘稠質の泥土はなるべくラグの前方の傾
斜面２−１に喰いつく方がスリツプを防止し、牽
引力を増大させることができる。

そのために、かえつて泥土がラグの傾斜面に沿
つてタイヤ内側に押入り、ラグが泥土に係合しな
がらタイヤがスリツプしないように進行させるこ
とができ、かえつて牽引力を増していく。

以上のように、本願考案はＴ−１＝Ｔ−２とし
たことによつて圃場の状況に対応させたタイヤの
牽引力・は排土性を向上させることができるもの
である。

更には、ラグ本体２下端のアール部６によつ
て、ラグ高さの約３分の１の高さのアール部が、
ラグ本体間の泥の剥離を行いやすくし、また、ラ
グ本体２の前後の傾斜面２−１，２−２の傾斜角
度が進行方向の傾斜面の方が小さく形成されてい
るので、ラグ本体の間隔がタイヤ側縁部に向つて
漸次広くなり、タイヤ側縁部方向に泥が落ちやす
く、泥つまり防止を有効に行え、かつ、ラグ本体
２の進行方向の傾斜面２−１の傾斜角度が小さい
ので、タイヤ走行時の路面駆動力が大きくとれ、
路面を蹴る力は大となり、泥づまりを防止しがら
もタイヤの路面倉庫性は向上できる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案ラグタイヤを有する乗用田植機
の側面図。第２図は、本案農作業機のラグタイヤ
の伸長状態を示す平面図。第３図は、第１図−
線におけるラグタイヤの断面図。第４図は、第
２図−線における側面図。第５図は、共用ラ
グタイヤ帯と継足ラグタイヤ帯とを示す説明図。 Ｂ……ラグタイヤ、１……円環状タイヤ、２…
…ラグ本体、３……ラム部、４……ラグ本体基
端、５……ラグ本体先端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円環状タイヤ１周面に、同タイヤ周面のほぼ中
   央より互い違いに外側左右方向へ傾斜してラグ本
   体２を突設した農作業機のラグタイヤＢにおい
   て、ラグ本体２のタイヤ中央に位置するラグ本体
   基端４からラグ本体先端５にかけては接地部分で
   ラグタイヤＢの進行方向に向つて斜めに傾斜する
   と共に、ラグ本体基端４幅員よりタイヤ外側に位
   置するラグ本体先端５幅員をやや幅狭に形成する
   と共に、ラグ本体２間の間隙Ｔ−１と、ラグ本体
   ２の長さＴ−２とをほぼ同等に構成し、しかも、
   ラグ本体２の下端部に形成したアール部６を、ラ
   グ本体２の高さＨの略３分の１に配設し、また、
   ラグ本体２の前後縁に設けた各傾斜面２−１，２
   −２を、ラグ本体２の進行方向に位置する前方の
   傾斜面２−１の傾斜角度より反対の後方の傾斜面
   ２−２の傾斜角度が大きくなるように形成して、
   ラグ本体基部の幅員より、先端の幅員をやや幅狭
   に形成したことを特徴とする農作業機のラグタイ
   ヤ。