JPH11348442A - 直描型水なし平版印刷版原版 - Google Patents
直描型水なし平版印刷版原版Info
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- JPH11348442A JPH11348442A JP15716398A JP15716398A JPH11348442A JP H11348442 A JPH11348442 A JP H11348442A JP 15716398 A JP15716398 A JP 15716398A JP 15716398 A JP15716398 A JP 15716398A JP H11348442 A JPH11348442 A JP H11348442A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】インキ反発性、耐刷性に優れた直描型水なし平
版印刷版の提供。 【解決手段】直描型水なし平版印刷版原版を、基板上
に、感熱層および、(イ)1分子中に2個以上のC=C
結合を有するポリシロキサン化合物と、(ロ)1分子中
にSiH基を2個以上有するポリシロキサン化合物、お
よび(ハ)付加触媒を含む組成物より得られるシリコー
ンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷
版原版において、感熱層が光熱変換物質と金属キレート
化合物および下記一般式(I)で表される構造を有する
化合物を含有する。 (式中、R1,R2,R3は水素原子、炭素数1〜20
のアルキル基などを、L1,L2は2価の連結基を示
す。また、nは0〜2の整数を表し、R4は炭素数1〜
20のアルキル基、アリール基、ビニル基を、Xは水素
原子、ハロゲン原子などを示す。)
版印刷版の提供。 【解決手段】直描型水なし平版印刷版原版を、基板上
に、感熱層および、(イ)1分子中に2個以上のC=C
結合を有するポリシロキサン化合物と、(ロ)1分子中
にSiH基を2個以上有するポリシロキサン化合物、お
よび(ハ)付加触媒を含む組成物より得られるシリコー
ンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷
版原版において、感熱層が光熱変換物質と金属キレート
化合物および下記一般式(I)で表される構造を有する
化合物を含有する。 (式中、R1,R2,R3は水素原子、炭素数1〜20
のアルキル基などを、L1,L2は2価の連結基を示
す。また、nは0〜2の整数を表し、R4は炭素数1〜
20のアルキル基、アリール基、ビニル基を、Xは水素
原子、ハロゲン原子などを示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿し水を用いずに
印刷が可能な水なし平版印刷版原版に関するものであ
り、特にレーザー光で直接製版できる直描型水なし平版
印刷版原版に関するものである。
印刷が可能な水なし平版印刷版原版に関するものであ
り、特にレーザー光で直接製版できる直描型水なし平版
印刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆるダイレク
ト製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷
版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコスト
に応じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、
軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、グラビア
印刷の分野にも進出し始めている。
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆるダイレク
ト製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷
版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコスト
に応じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、
軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、グラビア
印刷の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザープリンタなどの出力システムの
急激な進歩によって新しいタイプの各種平版印刷材料が
開発されている。
ージセッター、レーザープリンタなどの出力システムの
急激な進歩によって新しいタイプの各種平版印刷材料が
開発されている。
【0004】これらの平版印刷版の中でもレーザー光を
用いて製版する方式はその解像度、および製版速度の面
でも優れており、その種類も多い。
用いて製版する方式はその解像度、および製版速度の面
でも優れており、その種類も多い。
【0005】特にの熱破壊方式は、明室で取り扱えると
いった利点があり、また光源となる半導体レーザーの急
激な進歩によって、最近その有用性が見直されてきてい
る。
いった利点があり、また光源となる半導体レーザーの急
激な進歩によって、最近その有用性が見直されてきてい
る。
【0006】例えば、特開平6−199064号公報、
USP5339737号公報、USP5353705号
公報、EP0580393号公報、特開平6−5572
3号公報、EP0573091号公報、USP5378
580号公報、特開平7−164773号公報、特開平
6−186750号公報、特開平7−309001号公
報、特開平9−146264号公報、特開平9−146
265号公報、特開平9−236927号公報、特開平
9−244228号公報、特開平9−80747号公
報、特開平9−239943号公報、特開平9−292
703号公報、特開平9−297395号公報、特開平
9−314794号公報、特開平9−319074号公
報、特開平9−319075号公報、特開平10−85
8号公報、特開平10−26825号公報、特開平10
−26826号公報、特開平10−31317号公報、
特開平10−34868号公報、特開平10−3949
6号公報、特開平10−39497号公報にはレーザー
光を光源として用いる直描型水なし平版印刷版原版およ
びその製版方法などが記載されている。
USP5339737号公報、USP5353705号
公報、EP0580393号公報、特開平6−5572
3号公報、EP0573091号公報、USP5378
580号公報、特開平7−164773号公報、特開平
6−186750号公報、特開平7−309001号公
報、特開平9−146264号公報、特開平9−146
265号公報、特開平9−236927号公報、特開平
9−244228号公報、特開平9−80747号公
報、特開平9−239943号公報、特開平9−292
703号公報、特開平9−297395号公報、特開平
9−314794号公報、特開平9−319074号公
報、特開平9−319075号公報、特開平10−85
8号公報、特開平10−26825号公報、特開平10
−26826号公報、特開平10−31317号公報、
特開平10−34868号公報、特開平10−3949
6号公報、特開平10−39497号公報にはレーザー
光を光源として用いる直描型水なし平版印刷版原版およ
びその製版方法などが記載されている。
【0007】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物として主としてニトロセルロース
を使用している。そしてこのカーボンブラックがレーザ
ー光を吸収することによって熱エネルギーに変換され、
さらにその熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、
現像によってこの部分を除去することによって、表面の
シリコーンゴム層が同時に剥離され、インキ着肉部とな
る。
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物として主としてニトロセルロース
を使用している。そしてこのカーボンブラックがレーザ
ー光を吸収することによって熱エネルギーに変換され、
さらにその熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、
現像によってこの部分を除去することによって、表面の
シリコーンゴム層が同時に剥離され、インキ着肉部とな
る。
【0008】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が劣るという問題もあった。感熱層を柔軟化さ
せると感度が極端に低下し、感熱層の柔軟化は困難であ
った。
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が劣るという問題もあった。感熱層を柔軟化さ
せると感度が極端に低下し、感熱層の柔軟化は困難であ
った。
【0009】更にこの印刷版は感度が低く、感熱層を破
壊させるために高いレーザー光の強度が必要という問題
点もあった。
壊させるために高いレーザー光の強度が必要という問題
点もあった。
【0010】特開平9−146264号公報では、光熱
変換層中にレーザー光を熱に変換する化合物、フィルム
形成能を有する高分子化合物、光重合開始剤、および光
重合可能なエチレン性不飽和化合物を有し、シリコーン
ゴム層形成後にエネルギー線による全面露光を施すこと
により光熱変換層と、シリコーンゴム層とを反応させた
ネガ型のレーザー感光性湿し水不要平版印刷版原版が提
案されている。
変換層中にレーザー光を熱に変換する化合物、フィルム
形成能を有する高分子化合物、光重合開始剤、および光
重合可能なエチレン性不飽和化合物を有し、シリコーン
ゴム層形成後にエネルギー線による全面露光を施すこと
により光熱変換層と、シリコーンゴム層とを反応させた
ネガ型のレーザー感光性湿し水不要平版印刷版原版が提
案されている。
【0011】この版材では、シリコーンゴム層塗布後に
全面露光を施すことにより、例えば小林らの文献(例え
ば、“印刷学会論文集,18,128(1979)”や
“Journal of Applied Photo
graphic Engineering,vol.
6,pp.65−68”など)に示されている公知の機
構によりシリコーンゴム層と感光層との接着力を向上さ
せ、その結果として、画像再現性、耐傷性に優れた版材
を得ている。しかしながら、前述のように、感光層の柔
軟性と感度のトレードオフ的な関係は存在しており、特
に感度が低いという問題を有していた。
全面露光を施すことにより、例えば小林らの文献(例え
ば、“印刷学会論文集,18,128(1979)”や
“Journal of Applied Photo
graphic Engineering,vol.
6,pp.65−68”など)に示されている公知の機
構によりシリコーンゴム層と感光層との接着力を向上さ
せ、その結果として、画像再現性、耐傷性に優れた版材
を得ている。しかしながら、前述のように、感光層の柔
軟性と感度のトレードオフ的な関係は存在しており、特
に感度が低いという問題を有していた。
【0012】特開平9−239942号公報では、レー
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要になり、また微細な網点の再現性が
悪いという剥離現像固有の問題が存在する。
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要になり、また微細な網点の再現性が
悪いという剥離現像固有の問題が存在する。
【0013】また、特に特開平6−55723号公報、
EP0573091号公報、USP5378580号公
報では、光源としてNd−YAGレーザーを用いている
ために、露光装置がかなり大がかりなものとなってしま
うといった、別の問題点もあった。
EP0573091号公報、USP5378580号公
報では、光源としてNd−YAGレーザーを用いている
ために、露光装置がかなり大がかりなものとなってしま
うといった、別の問題点もあった。
【0014】その他、USP5379698号公報、特
開平7−314934号公報、特開平9−236927
号公報、特開平9−286183号公報、特開平9−2
97394号公報、特開平9−309195号公報、特
開平9−311439号公報、特開平9−315024
号公報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水な
し平版印刷版が記載されている。
開平7−314934号公報、特開平9−236927
号公報、特開平9−286183号公報、特開平9−2
97394号公報、特開平9−309195号公報、特
開平9−311439号公報、特開平9−315024
号公報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水な
し平版印刷版が記載されている。
【0015】この印刷版材は、感熱層がかなり薄いため
に、非常にシャープな画像が得られ、印刷版の解像度と
いう面では有利であるが、基材と感熱層の接着性が悪く
印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、インキが付着し印
刷物上で欠点となるという問題点があった。また、この
印刷版も感熱層を破壊させて画像を形成させることから
画線部のセルが深くなりインキ着肉性やインキマイレー
ジが劣るという問題点があった。
に、非常にシャープな画像が得られ、印刷版の解像度と
いう面では有利であるが、基材と感熱層の接着性が悪く
印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、インキが付着し印
刷物上で欠点となるという問題点があった。また、この
印刷版も感熱層を破壊させて画像を形成させることから
画線部のセルが深くなりインキ着肉性やインキマイレー
ジが劣るという問題点があった。
【0016】以上のようなレーザー光を用いた平版印刷
版の他に、特に直描型水なし平版印刷版に関するものと
して、熱接着型の直描型水なし平版印刷版が考えられ
る。
版の他に、特に直描型水なし平版印刷版に関するものと
して、熱接着型の直描型水なし平版印刷版が考えられ
る。
【0017】このタイプの版材は、レーザー光照射部の
シリコーンゴム層が選択的に残存し、非画線部として働
くものである。その機構としては、レーザー光照射によ
りシリコーンゴム層とレーザー感応層との接着力、ある
いはレーザー感応層とその下にある基板との接着力が何
らかの形で向上し、その結果として、未照射部のシリコ
ーンゴム層、あるいはシリコーンゴム層とレーザー感応
層がその後の処理により選択的に除去されるというもの
である。
シリコーンゴム層が選択的に残存し、非画線部として働
くものである。その機構としては、レーザー光照射によ
りシリコーンゴム層とレーザー感応層との接着力、ある
いはレーザー感応層とその下にある基板との接着力が何
らかの形で向上し、その結果として、未照射部のシリコ
ーンゴム層、あるいはシリコーンゴム層とレーザー感応
層がその後の処理により選択的に除去されるというもの
である。
【0018】このようなタイプの版材としては、例えば
特開平9−68794号公報、特開平9−80745号
公報、特開平9−120157号公報、特開平9−19
7659号公報などが提案されている。
特開平9−68794号公報、特開平9−80745号
公報、特開平9−120157号公報、特開平9−19
7659号公報などが提案されている。
【0019】特開平9−120157号公報で提案され
ている版材は、レーザー光照射により発生した酸を触媒
として感光層の反応を進め、画像を再現するというもの
である。しかしながら、酸発生後、反応を進めるために
は、熱処理という工程が必要であった。さらに、酸発生
後から熱処理までの時間が画像再現性に影響を与えるた
め、画像再現性が不安定となるという問題を有してい
た。
ている版材は、レーザー光照射により発生した酸を触媒
として感光層の反応を進め、画像を再現するというもの
である。しかしながら、酸発生後、反応を進めるために
は、熱処理という工程が必要であった。さらに、酸発生
後から熱処理までの時間が画像再現性に影響を与えるた
め、画像再現性が不安定となるという問題を有してい
た。
【0020】特開平9−80745号公報、特開平9−
197659号公報で提案されている版材も、感光層中
に活性光線の照射で酸を発生しうる化合物および酸の存
在下で反応し得る結合を有する化合物が含まれており、
レーザー光照射後、発生した酸を用いて反応を進めるタ
イプであるため、上記と同様の問題を有していた。
197659号公報で提案されている版材も、感光層中
に活性光線の照射で酸を発生しうる化合物および酸の存
在下で反応し得る結合を有する化合物が含まれており、
レーザー光照射後、発生した酸を用いて反応を進めるタ
イプであるため、上記と同様の問題を有していた。
【0021】このようにネガ型やポジ型などいくつかの
直描型水なし平版印刷版原版が提案されてきたが、これ
らの版材においては、感熱層中に近赤外光吸収剤、光熱
変換物質を添加することが必須である。しかしながら、
このような光熱変換物質などの添加は、一般にシリコー
ンゴム層と感熱層との接着性を不安定にする傾向があっ
た。
直描型水なし平版印刷版原版が提案されてきたが、これ
らの版材においては、感熱層中に近赤外光吸収剤、光熱
変換物質を添加することが必須である。しかしながら、
このような光熱変換物質などの添加は、一般にシリコー
ンゴム層と感熱層との接着性を不安定にする傾向があっ
た。
【0022】このような問題に対して、特開平9−23
9943号公報、特開平9−258434号、特開平9
−274311、特開平10−39497号公報などの
ように、特にシリコーンゴム層の架橋剤を工夫したり、
量を増やしたり、あるいはシランカップリング剤を添加
する試みが行われている。しかしながら、この様な対応
のみではその効果が不十分であり、また逆にインキ反発
層としてのシリコーンゴム層の耐傷性を低下させるなど
の問題があった。
9943号公報、特開平9−258434号、特開平9
−274311、特開平10−39497号公報などの
ように、特にシリコーンゴム層の架橋剤を工夫したり、
量を増やしたり、あるいはシランカップリング剤を添加
する試みが行われている。しかしながら、この様な対応
のみではその効果が不十分であり、また逆にインキ反発
層としてのシリコーンゴム層の耐傷性を低下させるなど
の問題があった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点に鑑み鋭意検討を行った結果、感熱層中に光熱
変換物質と金属キレート化合物、および特定の構造を有
する化合物を含有させることによって、シリコーンゴム
層と感熱層の接着力を安定して発現させることが出来、
しかもインキ反発性、耐刷性に優れた直描型水なし平版
印刷版原版を得ることが出来た。
術の欠点に鑑み鋭意検討を行った結果、感熱層中に光熱
変換物質と金属キレート化合物、および特定の構造を有
する化合物を含有させることによって、シリコーンゴム
層と感熱層の接着力を安定して発現させることが出来、
しかもインキ反発性、耐刷性に優れた直描型水なし平版
印刷版原版を得ることが出来た。
【0024】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。
の構成を有する。
【0025】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
刷版原版であって、該感熱層が少なくとも(a)光熱変
換物質、(b)金属キレート化合物、(c)下記一般式
(I)で表される構造を有する化合物を含み、かつ該シ
リコーンゴム層が(イ)1分子中に少なくとも2個以上
のC=C結合を有するポリシロキサン化合物と、(ロ)
1分子中にSiH基を2個以上有するポリシロキサン化
合物、および(ハ)付加触媒を含む組成物より得られる
ものである事を特徴とする直描型水なし平版印刷版原
版。
ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
刷版原版であって、該感熱層が少なくとも(a)光熱変
換物質、(b)金属キレート化合物、(c)下記一般式
(I)で表される構造を有する化合物を含み、かつ該シ
リコーンゴム層が(イ)1分子中に少なくとも2個以上
のC=C結合を有するポリシロキサン化合物と、(ロ)
1分子中にSiH基を2個以上有するポリシロキサン化
合物、および(ハ)付加触媒を含む組成物より得られる
ものである事を特徴とする直描型水なし平版印刷版原
版。
【0026】
【化2】 (式中、R1,R2,R3はそれぞれ水素原子、炭素数
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
【0027】L1,L2はそれぞれ2価の連結基を示
す。
す。
【0028】また、nは0〜2の整数を表し、R4は炭
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
【0029】Xは水素原子、ハロゲン原子、−OCOR
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。)
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。)
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0031】まず、本発明の直描型水なし平版印刷版原
版に使用する基板について説明する。なお、本発明にお
いて直描型とは、露光時にネガあるいはポジのフィルム
を用いずに、印刷版上に直接記録ヘッドから画像形成を
行うことを意味する。
版に使用する基板について説明する。なお、本発明にお
いて直描型とは、露光時にネガあるいはポジのフィルム
を用いずに、印刷版上に直接記録ヘッドから画像形成を
行うことを意味する。
【0032】基板としては、紙、プラスチックがラミネ
ートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、銅、鉄などの金属の板、セルロースアセテ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのプ
ラスチックフィルム、上記の如き金属がラミネートもし
くは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが
挙げられる。
ートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、銅、鉄などの金属の板、セルロースアセテ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのプ
ラスチックフィルム、上記の如き金属がラミネートもし
くは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが
挙げられる。
【0033】これらのうち、アルミニウム板は寸法的に
著しく安定であり、しかも安価であるので特に好まし
い。また、軽印刷用の基板として用いられているポリエ
チレンテレフタレ−トフィルムも好ましく使用される。
著しく安定であり、しかも安価であるので特に好まし
い。また、軽印刷用の基板として用いられているポリエ
チレンテレフタレ−トフィルムも好ましく使用される。
【0034】これら基板と感熱層の接着性を強固にする
ために、エッチング処理、コロナ処理、プラズマ処理な
どの表面処理を行うことは好ましく行われる。特に、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
などのプラスチックフィルムを基板に用いた場合は高い
断熱性から基板自体が断熱層の役割を果たすため、この
ような表面処理で接着性を高めることは特に好ましく行
われる。
ために、エッチング処理、コロナ処理、プラズマ処理な
どの表面処理を行うことは好ましく行われる。特に、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
などのプラスチックフィルムを基板に用いた場合は高い
断熱性から基板自体が断熱層の役割を果たすため、この
ような表面処理で接着性を高めることは特に好ましく行
われる。
【0035】一方、基板が金属などのように熱伝導が比
較的高い物質を使用する場合には、接着性改良と断熱効
果の目的で、基板と感熱層の間に断熱層を設けることが
好ましい。
較的高い物質を使用する場合には、接着性改良と断熱効
果の目的で、基板と感熱層の間に断熱層を設けることが
好ましい。
【0036】断熱層に好ましく用いられるものとして、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、ア
クリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カ
ゼイン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの
樹脂は単独であるいは二種以上混合して用いることがで
きる。
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、ア
クリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カ
ゼイン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの
樹脂は単独であるいは二種以上混合して用いることがで
きる。
【0037】断熱層の厚さは被覆層にして0.5〜50
g/m2 であることが、断熱効果や基板表面の形態欠
陥を防止し化学的悪影響を遮断する効果や経済性の点か
ら好ましく、より好ましくは1〜10g/m2である。
g/m2 であることが、断熱効果や基板表面の形態欠
陥を防止し化学的悪影響を遮断する効果や経済性の点か
ら好ましく、より好ましくは1〜10g/m2である。
【0038】また、断熱層の断熱効果を高めるために、
断熱層中に独立あるいは連続空隙を設けることも好まし
く行われる。
断熱層中に独立あるいは連続空隙を設けることも好まし
く行われる。
【0039】次に感熱層について説明する。
【0040】本発明において感熱層は、少なくとも
(a)光熱変換物質と(b)金属キレート化合物および
(c)下記一般式(I)で表される構造を有する化合物
を含有することが必要である。
(a)光熱変換物質と(b)金属キレート化合物および
(c)下記一般式(I)で表される構造を有する化合物
を含有することが必要である。
【0041】
【化3】 (式中、R1,R2,R3はそれぞれ水素原子、炭素数
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
【0042】L1,L2はそれぞれ2価の連結基を示
す。
す。
【0043】また、nは0〜2の整数を表し、R4は炭
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
【0044】Xは水素原子、ハロゲン原子、−OCOR
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。) まず、(a)光熱変換物質について説明する。
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。) まず、(a)光熱変換物質について説明する。
【0045】本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、
レーザー光を照射することにより画像を形成させるた
め、光熱変換物質を含有することが必要である。光熱変
換物質としてはレーザー光を吸収するものであれば特に
限定されない。この時、レーザー光の波長としては、紫
外域、可視域、赤外域のどの領域の波長であってもよ
く、使用するレーザー光の波長に合わせた吸収域を有す
る光熱変換物質を適宜選択して使用するとよい。
レーザー光を照射することにより画像を形成させるた
め、光熱変換物質を含有することが必要である。光熱変
換物質としてはレーザー光を吸収するものであれば特に
限定されない。この時、レーザー光の波長としては、紫
外域、可視域、赤外域のどの領域の波長であってもよ
く、使用するレーザー光の波長に合わせた吸収域を有す
る光熱変換物質を適宜選択して使用するとよい。
【0046】例えばカーボンブラック、アニリンブラッ
ク、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラファ
イト、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フ
ェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系
金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロ
ム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸
化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステン
などの金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、
さらにビスマス、鉄、マグネシウム、アルミの金属粉な
どの添加剤を添加することが好ましい。
ク、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラファ
イト、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フ
ェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系
金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロ
ム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸
化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステン
などの金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、
さらにビスマス、鉄、マグネシウム、アルミの金属粉な
どの添加剤を添加することが好ましい。
【0047】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
【0048】また上記の物質以外に、赤外線または近赤
外線を吸収する染料も、光熱変換物質として好ましく使
用される。
外線を吸収する染料も、光熱変換物質として好ましく使
用される。
【0049】これら染料としては400nm〜1200
nmの範囲に極大吸収波長を有する染料が使用できる
が、好ましい染料としては、最大吸収波長が700nm
〜900nmの範囲にある、シアニン系色素、アズレニ
ウム系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色
素、アゾ系分散色素、ビスアゾスチルベン系色素、ナフ
トキノン系色素、アントラキノン系色素、ペリレン系色
素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン金属錯体
系色素、ポリメチン系色素、ジチオールニッケル錯体系
色素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色
素、ベンゾチオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料
などが好ましく使用される。
nmの範囲に極大吸収波長を有する染料が使用できる
が、好ましい染料としては、最大吸収波長が700nm
〜900nmの範囲にある、シアニン系色素、アズレニ
ウム系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色
素、アゾ系分散色素、ビスアゾスチルベン系色素、ナフ
トキノン系色素、アントラキノン系色素、ペリレン系色
素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン金属錯体
系色素、ポリメチン系色素、ジチオールニッケル錯体系
色素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色
素、ベンゾチオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料
などが好ましく使用される。
【0050】さらにこれらの色素のなかでも、モル吸光
度係数の大きなものが好ましく使用される。具体的には
ε=1×104以上が好ましく、より好ましくは1×1
05以上である。εが1×104より小さいと、感度の向
上効果が発現しにくいためである。
度係数の大きなものが好ましく使用される。具体的には
ε=1×104以上が好ましく、より好ましくは1×1
05以上である。εが1×104より小さいと、感度の向
上効果が発現しにくいためである。
【0051】これらの光熱変換物質は単独でも感度の向
上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによっ
て、さらに感度を向上させたり、吸収波長域の異なる2
種以上の光熱変換物質を併用することで2種以上の光源
に対応可能な版材とすることも可能である。
上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによっ
て、さらに感度を向上させたり、吸収波長域の異なる2
種以上の光熱変換物質を併用することで2種以上の光源
に対応可能な版材とすることも可能である。
【0052】これらの光熱変換物質の含有量は、全感熱
層組成物に対して0.1〜40重量%が好ましく、より
好ましくは0.5〜25重量%である。0.1重量%よ
りも少ない場合にはレーザー光に対する感度の向上効果
が見られず、40重量%よりも多い場合には印刷版の耐
刷性が低下しやすい。
層組成物に対して0.1〜40重量%が好ましく、より
好ましくは0.5〜25重量%である。0.1重量%よ
りも少ない場合にはレーザー光に対する感度の向上効果
が見られず、40重量%よりも多い場合には印刷版の耐
刷性が低下しやすい。
【0053】本発明でいう(b)金属キレート化合物と
は錯体化合物か有機金属化合物のことをいい、金属ジケ
テネート、金属アルコキサイド、アルキル金属、金属カ
ルボン酸塩類、酸化金属キレート化合物、金属錯体、ヘ
テロ金属キレート化合物が挙げられる。
は錯体化合物か有機金属化合物のことをいい、金属ジケ
テネート、金属アルコキサイド、アルキル金属、金属カ
ルボン酸塩類、酸化金属キレート化合物、金属錯体、ヘ
テロ金属キレート化合物が挙げられる。
【0054】「中心金属」としては周期表の第2周期か
ら第6周期の金属および半導体原子が挙げられ、なかで
も第3周期から第5周期の金属および半導体原子が好ま
しく、第3周期金属のAl、Si、第4周期金属のT
i、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、第5
周期金属のIn、Snが特に好ましい。
ら第6周期の金属および半導体原子が挙げられ、なかで
も第3周期から第5周期の金属および半導体原子が好ま
しく、第3周期金属のAl、Si、第4周期金属のT
i、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、第5
周期金属のIn、Snが特に好ましい。
【0055】これら金属キレート化合物のうち、特に好
ましく用いられる化合物としては、アルミニウム、鉄
(III )、チタンのアセチルアセトネート(ペンタンジ
オネート)、エチルアセトアセトネート(ヘキサンジオ
ネート)、プロピルアセトアセトネート(ヘプタンジオ
ネート)、テトラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイ
ルアセトネート類などが挙げられる。
ましく用いられる化合物としては、アルミニウム、鉄
(III )、チタンのアセチルアセトネート(ペンタンジ
オネート)、エチルアセトアセトネート(ヘキサンジオ
ネート)、プロピルアセトアセトネート(ヘプタンジオ
ネート)、テトラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイ
ルアセトネート類などが挙げられる。
【0056】これら金属キレート化合物はそれぞれ単独
でも使用できるし、2種以上を混合して使用することも
できる。
でも使用できるし、2種以上を混合して使用することも
できる。
【0057】感熱層中に添加する量としては感熱層を形
成する固形分のうち3〜50重量%が好ましく、さらに
は10〜30重量%が好ましい。添加量が3重量%未満
である場合にはその効果、すなわち画像再現性向上効果
が低くなり、一方30重量%よりも多い場合には感熱層
の物性が低下しやすく、印刷版としては例えば耐刷性と
いう問題が生じやすくなるためである。
成する固形分のうち3〜50重量%が好ましく、さらに
は10〜30重量%が好ましい。添加量が3重量%未満
である場合にはその効果、すなわち画像再現性向上効果
が低くなり、一方30重量%よりも多い場合には感熱層
の物性が低下しやすく、印刷版としては例えば耐刷性と
いう問題が生じやすくなるためである。
【0058】次に、本発明の特徴である(c)下記一般
式(I)で表される構造を有する化合物について説明す
る。
式(I)で表される構造を有する化合物について説明す
る。
【0059】
【化4】 (式中、R1,R2,R3はそれぞれ水素原子、炭素数
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
【0060】L1,L2はそれぞれ2価の連結基を示
す。
す。
【0061】また、nは0〜2の整数を表し、R4は炭
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
【0062】Xは水素原子、ハロゲン原子、−OCOR
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。) 一般式(I)で示される化合物において、R1,R2,
R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20の置換もしく
は非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のフェニル
基、置換もしくは非置換のアラルキル基であり、同じで
あっても異なっていてもよい。
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。) 一般式(I)で示される化合物において、R1,R2,
R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20の置換もしく
は非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のフェニル
基、置換もしくは非置換のアラルキル基であり、同じで
あっても異なっていてもよい。
【0063】好ましくは、R1,R2,R3のうちの少
なくとも一つが下記一般式(II)で示される構造を有す
ることであり、さらに好ましくはこのような構造を2個
以上有することである。
なくとも一つが下記一般式(II)で示される構造を有す
ることであり、さらに好ましくはこのような構造を2個
以上有することである。
【0064】
【化5】 (式中、R8は水素原子、またはメチル基である。Aは
-CO-O-,-CO-NH-、置換もしくは非置換のフェニレン基
であり、好ましくは-CO-O-である。
-CO-O-,-CO-NH-、置換もしくは非置換のフェニレン基
であり、好ましくは-CO-O-である。
【0065】L3は2価の連結基であり、炭素数1〜1
0の置換もしくは非置換のアルキレン基、置換もしくは
非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のアラルキ
レン基、-(E1)-O-(E2)-,-(E3)-S-(E4)-,-(E5)-CO-O-
(E6)-,-(E7)-SO2NH-(E8)-,-(E9)-(O-E10)m-(E1,
E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E
10は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキレ
ン基、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしく
は非置換のアラルキレン基である。mは2〜10であ
る。)などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6の
アルキレン基、フェニレン基、アラルキレン基、−O−
を少なくとも一つ有する2価の官能基であり、さらに好
ましくは置換基として水酸基を有する炭素数1〜6のア
ルキレン基である。) 一般式(I)で示される化合物において、L1は2価の
連結基を示し、下記一般式(III)〜(IX)から選ばれ
る構造を有する事が好ましい。
0の置換もしくは非置換のアルキレン基、置換もしくは
非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のアラルキ
レン基、-(E1)-O-(E2)-,-(E3)-S-(E4)-,-(E5)-CO-O-
(E6)-,-(E7)-SO2NH-(E8)-,-(E9)-(O-E10)m-(E1,
E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E
10は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキレ
ン基、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしく
は非置換のアラルキレン基である。mは2〜10であ
る。)などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6の
アルキレン基、フェニレン基、アラルキレン基、−O−
を少なくとも一つ有する2価の官能基であり、さらに好
ましくは置換基として水酸基を有する炭素数1〜6のア
ルキレン基である。) 一般式(I)で示される化合物において、L1は2価の
連結基を示し、下記一般式(III)〜(IX)から選ばれ
る構造を有する事が好ましい。
【0066】
【化6】 (式中、R9,R10はそれぞれ水素原子、または炭素
数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、
n2,n3はそれぞれ1〜20の整数を示す。) これらのうち、得られた平版印刷版の耐刷性という観点
からは、上記一般式(III)または(IX)が好ましく、
特にn2,n3が2〜10のものが好ましい。
数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、
n2,n3はそれぞれ1〜20の整数を示す。) これらのうち、得られた平版印刷版の耐刷性という観点
からは、上記一般式(III)または(IX)が好ましく、
特にn2,n3が2〜10のものが好ましい。
【0067】一般式(I)で示される化合物において、
L2は2価の連結基を示し、炭素数1〜10の置換もし
くは非置換のアルキレン基、置換もしくは非置換のフェ
ニレン基、置換もしくは非置換のアラルキレン基、-
(E9)-O-(E10)-,-(E11)-S-(E12)-,-(E13)-CO-O-(E14)
-,-(E15)-SO2NH-(E16)-,-(E17)-(O-E18)m-,-(E19)-C
O-NH-(E20)-、(E9,E10,E11,E12,E1
3,E14,E15,E16,E17,E18,E1
9,E20は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のア
ルキレン基、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換
もしくは非置換のアラルキレン基である。mは2〜10
の整数である。)などが挙げられる。好ましくは、炭素
数1〜6のアルキレン基、フェニレン基、アラルキレン
基、−O−を少なくとも一つ有する2価の官能基であ
る。
L2は2価の連結基を示し、炭素数1〜10の置換もし
くは非置換のアルキレン基、置換もしくは非置換のフェ
ニレン基、置換もしくは非置換のアラルキレン基、-
(E9)-O-(E10)-,-(E11)-S-(E12)-,-(E13)-CO-O-(E14)
-,-(E15)-SO2NH-(E16)-,-(E17)-(O-E18)m-,-(E19)-C
O-NH-(E20)-、(E9,E10,E11,E12,E1
3,E14,E15,E16,E17,E18,E1
9,E20は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のア
ルキレン基、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換
もしくは非置換のアラルキレン基である。mは2〜10
の整数である。)などが挙げられる。好ましくは、炭素
数1〜6のアルキレン基、フェニレン基、アラルキレン
基、−O−を少なくとも一つ有する2価の官能基であ
る。
【0068】さらに、一般式(I)で示される化合物に
おいて、nは0〜2の整数を表し、R4は炭素数1〜2
0の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非
置換のアリール基、ビニル基を示す。また、Xは水素原
子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基(−
OCOR5)、−O−N=C(R6)(R7)を示す。こ
こでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換もしくは非
置換のアルキル基である。
おいて、nは0〜2の整数を表し、R4は炭素数1〜2
0の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非
置換のアリール基、ビニル基を示す。また、Xは水素原
子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基(−
OCOR5)、−O−N=C(R6)(R7)を示す。こ
こでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換もしくは非
置換のアルキル基である。
【0069】好ましくは、Xがメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基などのアルコキシ基である。
基、プロポキシ基などのアルコキシ基である。
【0070】このような化合物の具体例としては、例え
ば以下のような構造の化合物1〜5を挙げることができ
る。
ば以下のような構造の化合物1〜5を挙げることができ
る。
【0071】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】 本発明においては、一般式(I)で表される構造を有す
る化合物を含有することで、感熱層とシリコーンゴム層
との接着性が安定して発現し、高い耐刷性が得られる。
る化合物を含有することで、感熱層とシリコーンゴム層
との接着性が安定して発現し、高い耐刷性が得られる。
【0072】このような化合物は、感熱層中の全固形分
に対して1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%添
加することが好ましい。添加量が1重量%未満である場
合には、シリコーンゴム層と感熱層の接着力が充分に発
現せず、例えば印刷中にシリコーンゴム層が剥がれるな
どの問題が生じる。一方、30重量%より多く添加した
場合は、レーザー照射部のシリコーンゴム層の剥離が不
十分となり、印刷時のインキ着肉性などに問題を生じる
可能性がある。
に対して1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%添
加することが好ましい。添加量が1重量%未満である場
合には、シリコーンゴム層と感熱層の接着力が充分に発
現せず、例えば印刷中にシリコーンゴム層が剥がれるな
どの問題が生じる。一方、30重量%より多く添加した
場合は、レーザー照射部のシリコーンゴム層の剥離が不
十分となり、印刷時のインキ着肉性などに問題を生じる
可能性がある。
【0073】本発明においては、金属キレート化合物と
の相互作用という観点から、フェノール性水酸基含有化
合物、アルコール性水酸基含有化合物、アミノ基含有化
合物、カルボキシル基含有化合物、ジケトン基含有化合
物等を添加することが好ましい。
の相互作用という観点から、フェノール性水酸基含有化
合物、アルコール性水酸基含有化合物、アミノ基含有化
合物、カルボキシル基含有化合物、ジケトン基含有化合
物等を添加することが好ましい。
【0074】これら化合物の添加量は、全感熱層組成物
に対して5〜60重量%が好ましく、より好ましくは2
0〜50重量%である。5重量%よりも少ないとその効
果が少なく、逆に60重量%よりも多いと印刷版の溶剤
耐性が低下しやすい。
に対して5〜60重量%が好ましく、より好ましくは2
0〜50重量%である。5重量%よりも少ないとその効
果が少なく、逆に60重量%よりも多いと印刷版の溶剤
耐性が低下しやすい。
【0075】本発明において、感熱層がさらにバインダ
ーポリマーを含有することが好ましい。この際、バイン
ダーポリマーとしては、印刷版の耐刷性の観点から、該
ポリマーのガラス転移温度(Tg)が20℃以下のポリ
マー、コポリマー、さらに好ましくはガラス転移温度が
0℃以下のポリマー、コポリマーを用いることが好まし
い。
ーポリマーを含有することが好ましい。この際、バイン
ダーポリマーとしては、印刷版の耐刷性の観点から、該
ポリマーのガラス転移温度(Tg)が20℃以下のポリ
マー、コポリマー、さらに好ましくはガラス転移温度が
0℃以下のポリマー、コポリマーを用いることが好まし
い。
【0076】バインダーポリマーの具体例としては、公
知のビニルポリマー類、未加硫ゴム、ポリオキシド類
(ポリエーテル類)、ポリエステル類、ポリウレタン
類、ポリアミド類などが挙げられる。
知のビニルポリマー類、未加硫ゴム、ポリオキシド類
(ポリエーテル類)、ポリエステル類、ポリウレタン
類、ポリアミド類などが挙げられる。
【0077】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、より好まし
くは10〜50重量%である。含有量が5%よりも少な
いと耐刷性や塗液の塗工性に問題が生じやすく、70重
量%よりも多いと画像再現性に悪影響を与えやすい。
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、より好まし
くは10〜50重量%である。含有量が5%よりも少な
いと耐刷性や塗液の塗工性に問題が生じやすく、70重
量%よりも多いと画像再現性に悪影響を与えやすい。
【0078】上記各種バインダーポリマーは単独で用い
てもよいし、また数種のポリマーを混合して使用しても
よい。
てもよいし、また数種のポリマーを混合して使用しても
よい。
【0079】このようにして得られる感熱層の物性に関
しては、得られる印刷版の印刷特性の観点から、その物
性が特定の範囲にあることが好ましい。この様な物性と
しては引張特性、その中でも引張時の初期弾性率を代表
として挙げることが出来る。具体的には、印刷版におけ
る感熱層の引張時の初期弾性率が7kgf/mm2〜7
8kgf/mm2の範囲、さらには10kgf/mm2〜
40kgf/mm2、さらには10kgf/mm2〜25
kgf/mm2の範囲にあることが好ましい。
しては、得られる印刷版の印刷特性の観点から、その物
性が特定の範囲にあることが好ましい。この様な物性と
しては引張特性、その中でも引張時の初期弾性率を代表
として挙げることが出来る。具体的には、印刷版におけ
る感熱層の引張時の初期弾性率が7kgf/mm2〜7
8kgf/mm2の範囲、さらには10kgf/mm2〜
40kgf/mm2、さらには10kgf/mm2〜25
kgf/mm2の範囲にあることが好ましい。
【0080】感熱層の初期弾性率を以上のような範囲に
設定することにより、印刷版としての特性、特に耐刷性
を向上させることが出来る。逆に、初期弾性率が7kg
f/mm2未満である場合には画線部を形成する感熱層
がベタ着き易くなるため印刷時にヒッキーが発生し易く
なる。また、初期弾性率が78kgf/mm2より大き
い場合には、印刷時に加わる繰り返し応力により感熱層
とシリコーンゴム層との接着界面で破壊が起こりやすく
なり、耐刷性低下の原因となるためである。
設定することにより、印刷版としての特性、特に耐刷性
を向上させることが出来る。逆に、初期弾性率が7kg
f/mm2未満である場合には画線部を形成する感熱層
がベタ着き易くなるため印刷時にヒッキーが発生し易く
なる。また、初期弾性率が78kgf/mm2より大き
い場合には、印刷時に加わる繰り返し応力により感熱層
とシリコーンゴム層との接着界面で破壊が起こりやすく
なり、耐刷性低下の原因となるためである。
【0081】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2 であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を
揮散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましく
は1〜7g/m2である。
0g/m2 であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を
揮散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましく
は1〜7g/m2である。
【0082】次にシリコーンゴム層について説明する。
本発明におけるもう一つの特徴は、シリコーンゴム層が
(イ)1分子中に少なくとも2個以上のC=C結合を有
するポリシロキサン化合物と、(ロ)1分子中にSiH
基を2個以上有するポリシロキサン化合物、および
(ハ)付加触媒を含む組成物より得られるものであるこ
とである。
本発明におけるもう一つの特徴は、シリコーンゴム層が
(イ)1分子中に少なくとも2個以上のC=C結合を有
するポリシロキサン化合物と、(ロ)1分子中にSiH
基を2個以上有するポリシロキサン化合物、および
(ハ)付加触媒を含む組成物より得られるものであるこ
とである。
【0083】このようなシリコーンゴム層と、前記感熱
層の組み合わせによって、はじめて高いインキ反発性、
高い耐刷力を有する直描型水なし平版印刷版が得られ
る。
層の組み合わせによって、はじめて高いインキ反発性、
高い耐刷力を有する直描型水なし平版印刷版が得られ
る。
【0084】(イ)1分子中に少なくとも2個以上のC
=C結合を有するポリシロキサン化合物とは、ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキ
セニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等
のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブ
チニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル
基等が結合したオルガノポリシロキサンのことである
が、反応性の面からビニル基が結合したオルガノポリシ
ロキサンが好ましい。
=C結合を有するポリシロキサン化合物とは、ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキ
セニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等
のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブ
チニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル
基等が結合したオルガノポリシロキサンのことである
が、反応性の面からビニル基が結合したオルガノポリシ
ロキサンが好ましい。
【0085】これらの基の位置は分子の末端、中間いず
れでもよいが、末端にあるのが好ましい。
れでもよいが、末端にあるのが好ましい。
【0086】さらに、オルガノポリシロキサンの構造と
しては、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、鎖状
であることが好ましい。
しては、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、鎖状
であることが好ましい。
【0087】C=C結合以外の置換基としては、置換も
しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基が挙げられるが、得られた印刷版のインキ反発性の面
からメチル基であることが好ましい。
しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基が挙げられるが、得られた印刷版のインキ反発性の面
からメチル基であることが好ましい。
【0088】また、(イ)の重量平均分子量は5,00
0〜300,000であることが好ましく、更に好まし
くは50,000〜150,000である。
0〜300,000であることが好ましく、更に好まし
くは50,000〜150,000である。
【0089】重量平均分子量が5,000未満である場
合には、得られたシリコーンゴム層がゴム的な性質を発
現しにくく、結果としてそのインキ反発性が充分でない
という問題を生じる。さらに、耐傷性なども悪くなる傾
向にある。
合には、得られたシリコーンゴム層がゴム的な性質を発
現しにくく、結果としてそのインキ反発性が充分でない
という問題を生じる。さらに、耐傷性なども悪くなる傾
向にある。
【0090】逆に、300,000より大きい場合は、
レーザー照射部のシリコーンゴム層の除去が困難にな
り、特に微小点の再現性に問題を生じる。
レーザー照射部のシリコーンゴム層の除去が困難にな
り、特に微小点の再現性に問題を生じる。
【0091】シリコーンゴム層中における(イ)の添加
量は、全固形分量に対して60〜95重量%であること
が好ましく、さらには80〜90重量%であることが好
ましい。
量は、全固形分量に対して60〜95重量%であること
が好ましく、さらには80〜90重量%であることが好
ましい。
【0092】(ロ)1分子中にSiH基を2個以上有す
るポリシロキサン化合物としては、両末端水素基のポリ
ジメチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリシロキサ
ン、両末端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチル
シロキサン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両
末端トリメチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末
端トリメチルシリル基の(ジメチルシロキサン)(メチ
ルシロキサン)共重合体などが例示される。
るポリシロキサン化合物としては、両末端水素基のポリ
ジメチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリシロキサ
ン、両末端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチル
シロキサン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両
末端トリメチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末
端トリメチルシリル基の(ジメチルシロキサン)(メチ
ルシロキサン)共重合体などが例示される。
【0093】その構造としては、鎖状、環状、分岐状の
いずれでもよいが、鎖状であることが好ましい。
いずれでもよいが、鎖状であることが好ましい。
【0094】SiH基はシロキサン骨格の末端、あるい
は中間のいずれにあってもよく、置換基の総数に対する
水素原子の占める割合は通常1〜60%であり、好まし
くは2〜50%である。
は中間のいずれにあってもよく、置換基の総数に対する
水素原子の占める割合は通常1〜60%であり、好まし
くは2〜50%である。
【0095】1分子中のSiH基の数は2個以上あるこ
とが必要であるが、好ましくは3個以上である。
とが必要であるが、好ましくは3個以上である。
【0096】分子中に少なくとも3個以上のSiH基を
有するポリオルガノシロキサンとしては、これらのポリ
オルガノシロキサンのSiH基数を分子量で除した値が
0.001mol/g以上のものが好ましく用いられ、
0.002mol/g以上がより好ましい。0.001
mol/g未満の場合は硬化速度の点で好ましくない。
有するポリオルガノシロキサンとしては、これらのポリ
オルガノシロキサンのSiH基数を分子量で除した値が
0.001mol/g以上のものが好ましく用いられ、
0.002mol/g以上がより好ましい。0.001
mol/g未満の場合は硬化速度の点で好ましくない。
【0097】SiH基以外の置換基としては、置換もし
くは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
が挙げられるが、得られた印刷版のインキ反発性の面か
らメチル基であることが好ましい。
くは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
が挙げられるが、得られた印刷版のインキ反発性の面か
らメチル基であることが好ましい。
【0098】また、(イ)の重量平均分子量は通常30
0〜300,000であり、好ましくは1000〜10
0,000である。
0〜300,000であり、好ましくは1000〜10
0,000である。
【0099】重量平均分子量が大きい場合は、レーザー
照射部のシリコーンゴム層の除去が困難になり、特に微
小点の再現性に問題を生じる。
照射部のシリコーンゴム層の除去が困難になり、特に微
小点の再現性に問題を生じる。
【0100】シリコーンゴム層中における(ロ)の添加
量は、全固形分量に対して2〜20重量%であることが
好ましく、さらには2〜10重量%であることが好まし
い。
量は、全固形分量に対して2〜20重量%であることが
好ましく、さらには2〜10重量%であることが好まし
い。
【0101】上記C=C結合含有ポリオルガノシロキサ
ンとSiH基含有ポリオルガノシロキサンを混合して使
用する際の比率としては、シリコーンゴム組成物中のビ
ニル基数を1とした場合にSiH基数が1.5〜15と
なるような混合比率が好ましく、更に好ましくは1.5
〜12が好ましい。
ンとSiH基含有ポリオルガノシロキサンを混合して使
用する際の比率としては、シリコーンゴム組成物中のビ
ニル基数を1とした場合にSiH基数が1.5〜15と
なるような混合比率が好ましく、更に好ましくは1.5
〜12が好ましい。
【0102】C=C結合数1に対するSiH基数が1.
5未満の場合であると、シリコーンゴム層の硬化性が低
下する傾向にあり、15より大きい場合にはシリコーン
ゴムが脆くなり耐摩耗性が低下する傾向があり好ましく
ない。
5未満の場合であると、シリコーンゴム層の硬化性が低
下する傾向にあり、15より大きい場合にはシリコーン
ゴムが脆くなり耐摩耗性が低下する傾向があり好ましく
ない。
【0103】(ハ)付加触媒としては、公知の遷移金属
触媒を用いることが出来るが、白金系触媒が好ましく、
白金族金属および白金族金属系化合物から選ばれる1種
または2種以上の混合物が使用される。
触媒を用いることが出来るが、白金系触媒が好ましく、
白金族金属および白金族金属系化合物から選ばれる1種
または2種以上の混合物が使用される。
【0104】白金族金属としては、白金単体、パラジウ
ム単体、ロジウム単体等が例示される。白金族系化合物
としては、塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金アル
コール錯体、白金ケトン錯体、白金ビニルシロキサン錯
体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げ
られる。
ム単体、ロジウム単体等が例示される。白金族系化合物
としては、塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金アル
コール錯体、白金ケトン錯体、白金ビニルシロキサン錯
体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げ
られる。
【0105】これらの中でも、塩化白金酸、または白金
オレフィン錯体をアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤、炭化水素系溶剤等に溶解したものが特に
好ましい。
オレフィン錯体をアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤、炭化水素系溶剤等に溶解したものが特に
好ましい。
【0106】シリコーンゴム層中における(ハ)の添加
量は、全固形分量に対して0.00001〜10重量%
であることが好ましく、さらには0.0001〜5重量
%であることが好ましい。
量は、全固形分量に対して0.00001〜10重量%
であることが好ましく、さらには0.0001〜5重量
%であることが好ましい。
【0107】また、付加型シリコーンゴム層の硬化速度
を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロ
キサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、
炭素−炭素三重結合含有のアルコール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどの反応抑制剤を添加
することが好ましい。
を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロ
キサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、
炭素−炭素三重結合含有のアルコール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどの反応抑制剤を添加
することが好ましい。
【0108】これらの組成物の他に、縮合型シリコーン
ゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシロキサ
ン、加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキサ
ン)を添加してもよく、またゴム強度を向上させる目的
で、シリカなどの公知の充填剤を添加することも行われ
る。
ゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシロキサ
ン、加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキサ
ン)を添加してもよく、またゴム強度を向上させる目的
で、シリカなどの公知の充填剤を添加することも行われ
る。
【0109】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5
g/m2である。膜厚が0.5g/m2よりも小さい場
合には印刷版のインキ反撥性が低下する傾向があり、2
0g/m2よりも大きい場合には経済的見地から不利で
あるばかりでなく、インキマイレージが悪くなるという
問題がある。
20g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5
g/m2である。膜厚が0.5g/m2よりも小さい場
合には印刷版のインキ反撥性が低下する傾向があり、2
0g/m2よりも大きい場合には経済的見地から不利で
あるばかりでなく、インキマイレージが悪くなるという
問題がある。
【0110】次に、本発明における直描型水なし平版印
刷版原版の製造方法および製版方法について説明する。
刷版原版の製造方法および製版方法について説明する。
【0111】必要に応じて各種処理を施された基板上
に、必要に応じて断熱層組成物を塗布し加熱により溶媒
を揮散させ、さらに熱や光の作用で硬化させた後、感熱
層組成物を塗布し加熱による溶媒の揮散と必要に応じて
熱や光の作用での硬化を行う。この後、シリコーンゴム
組成物を塗布し50〜150℃の温度で数分間熱処理し
てシリコーンゴム層を得る。
に、必要に応じて断熱層組成物を塗布し加熱により溶媒
を揮散させ、さらに熱や光の作用で硬化させた後、感熱
層組成物を塗布し加熱による溶媒の揮散と必要に応じて
熱や光の作用での硬化を行う。この後、シリコーンゴム
組成物を塗布し50〜150℃の温度で数分間熱処理し
てシリコーンゴム層を得る。
【0112】このようにして得られた版には、シリコー
ンゴム層を保護する目的で保護フィルムをラミネートす
るかあるいは保護層を形成してもよい。
ンゴム層を保護する目的で保護フィルムをラミネートす
るかあるいは保護層を形成してもよい。
【0113】それ故、保護フィルムとしてはレーザー光
の照射を妨げることのないものが好ましく、具体的には
ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ
ビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合
体ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなど
が挙げられる。
の照射を妨げることのないものが好ましく、具体的には
ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ
ビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合
体ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなど
が挙げられる。
【0114】このようにして得られた直描型水なし平版
印刷版原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは
好ましくは保護フィルム上からレーザー光で画像状に露
光する。
印刷版原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは
好ましくは保護フィルム上からレーザー光で画像状に露
光する。
【0115】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーが好ましく用いられる。
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーが好ましく用いられる。
【0116】レーザー照射後の原版は、水または有機溶
剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により現像がな
される。
剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により現像がな
される。
【0117】摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱
脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、
あるいは上記の現像液で版面を前処理した後に水道水な
どをシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行
うことができる。
脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、
あるいは上記の現像液で版面を前処理した後に水道水な
どをシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行
うことができる。
【0118】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水に極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水
素類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からな
る溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したものが用
いられる。
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水に極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水
素類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からな
る溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したものが用
いられる。
【0119】極性溶媒としては、エタノール、イソプロ
パノール、エチレングリコールなどのアルコール類、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルなどのエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど
のエステル類、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸など
のカルボン酸などが挙げられる。
パノール、エチレングリコールなどのアルコール類、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルなどのエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど
のエステル類、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸など
のカルボン酸などが挙げられる。
【0120】また、上記の現像液組成には、公知の界面
活性剤を添加することも自由に行われる。さらにアルカ
リ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコ
ールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ
酸ナトリウムなどを添加することもできる。
活性剤を添加することも自由に行われる。さらにアルカ
リ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコ
ールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ
酸ナトリウムなどを添加することもできる。
【0121】これらの中では、水あるいは水に界面活性
剤を添加したもの、さらにはアルカリを添加した水が好
ましい。
剤を添加したもの、さらにはアルカリを添加した水が好
ましい。
【0122】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。
説明する。
【0123】
【実施例】[実施例1]厚さ0.24mmの脱脂したア
ルミ板上に下記の組成よりなる溶液を塗布し、200
℃、2分間乾燥し、3g/m2の断熱層を設けた。
ルミ板上に下記の組成よりなる溶液を塗布し、200
℃、2分間乾燥し、3g/m2の断熱層を設けた。
【0124】<断熱層> (a)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (b)“クリスタルバイオレット”:0.1重量部 (c)ジメチルホルムアミド:85重量部 次いで、この断熱層上に次の組成を有する感熱層組成物
を塗布し、150℃で2分間乾燥し、膜厚1g/m2の
感熱層を設けた。
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (b)“クリスタルバイオレット”:0.1重量部 (c)ジメチルホルムアミド:85重量部 次いで、この断熱層上に次の組成を有する感熱層組成物
を塗布し、150℃で2分間乾燥し、膜厚1g/m2の
感熱層を設けた。
【0125】<感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)化合物−1:10重量部
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)化合物−1:10重量部
【化12】 (c)鉄(III )アセチルアセトネート(半井化学薬品
(株)製):30重量部 (e)“テスポール”1154(ロジン変性マレイン酸
樹脂、日立化成ポリマー(株)製):60重量部 (d)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂
三洋化成工業(株)製、 ガラス転移温度Tg:−3
7℃):30重量部 (f)テトラヒドロフラン:1000重量部 (g)ジメチルホルムアミド:350重量部 次いで、下記シリコーンゴム層を乾燥膜厚2.0μm、
乾燥条件は120℃×1分間として塗設した。
(株)製):30重量部 (e)“テスポール”1154(ロジン変性マレイン酸
樹脂、日立化成ポリマー(株)製):60重量部 (d)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂
三洋化成工業(株)製、 ガラス転移温度Tg:−3
7℃):30重量部 (f)テトラヒドロフラン:1000重量部 (g)ジメチルホルムアミド:350重量部 次いで、下記シリコーンゴム層を乾燥膜厚2.0μm、
乾燥条件は120℃×1分間として塗設した。
【0126】<シリコーンゴム層> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合
度770) : 90重量部 (b)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体、分子量900〜1,200、メチルハ
イドロジェンシロキサンのモル%:50〜55%):1
0重量部 (c)オレフィン配位白金 : 1重量部 (d)“BY24−808”(ダウコーニングシリコー
ン(株)製 反応抑制剤) : 1重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製) :
1000重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”BO(東レ(株)
製)をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描
型水なし平版印刷版原版を得た。
度770) : 90重量部 (b)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体、分子量900〜1,200、メチルハ
イドロジェンシロキサンのモル%:50〜55%):1
0重量部 (c)オレフィン配位白金 : 1重量部 (d)“BY24−808”(ダウコーニングシリコー
ン(株)製 反応抑制剤) : 1重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製) :
1000重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”BO(東レ(株)
製)をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描
型水なし平版印刷版原版を得た。
【0127】また、感熱層の初期弾性率は23kgf/
mm2であった。
mm2であった。
【0128】この後、この印刷版原版を“トレンドセッ
ター”3244MT(クレオ(株)製、製版機)に装着
し、半導体レーザー(830nm)照射を行った。
ター”3244MT(クレオ(株)製、製版機)に装着
し、半導体レーザー(830nm)照射を行った。
【0129】続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL
−1160Kにより上記露光済み版の現像を行ったとこ
ろ、レーザー光が照射された部分のシリコーンゴム層が
除去されたネガ型の水なし平版が得られた。
−1160Kにより上記露光済み版の現像を行ったとこ
ろ、レーザー光が照射された部分のシリコーンゴム層が
除去されたネガ型の水なし平版が得られた。
【0130】現像の際、前処理液としては東レ(株)製
“PP−F”を、現像液としては水を、後処理液として
は東レ(株)製“PA−F”を用いた。
“PP−F”を、現像液としては水を、後処理液として
は東レ(株)製“PA−F”を用いた。
【0131】さらに、得られた刷版を水冷機を取り付け
た印刷機“小森スプリント”25(小森コーポレーショ
ン(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ“ドライ
オカラー”NSI藍(大日本インキ化学工業(株)製)
を使用して上質紙に印刷を行ったところ良好な印刷物が
得られた。
た印刷機“小森スプリント”25(小森コーポレーショ
ン(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ“ドライ
オカラー”NSI藍(大日本インキ化学工業(株)製)
を使用して上質紙に印刷を行ったところ良好な印刷物が
得られた。
【0132】約10万枚印刷した時点で印刷物の非画線
部に汚れが生じたため、刷版を顕微鏡で観察したところ
シリコーンゴム層の微小な剥がれが観察された。
部に汚れが生じたため、刷版を顕微鏡で観察したところ
シリコーンゴム層の微小な剥がれが観察された。
【0133】また、感熱層の初期弾性率は22kgf/
mm2であった。
mm2であった。
【0134】[実施例2]実施例1における感熱層組成
を下記に変更した以外は全く実施例1と同様に原版を作
成した。実施例1と同様の評価を行ったところ、同様に
良好な印刷物が得られ、耐刷性は15万枚であった。
を下記に変更した以外は全く実施例1と同様に原版を作
成した。実施例1と同様の評価を行ったところ、同様に
良好な印刷物が得られ、耐刷性は15万枚であった。
【0135】また、感熱層の初期弾性率は20kgf/
mm2であった。
mm2であった。
【0136】<感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)化合物−2:10重量部
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)化合物−2:10重量部
【化13】 (c)鉄(III )アセチルアセトネート(半井化学薬品
(株)製):30重量部 (e)“テスポール”1154(ロジン変性マレイン酸
樹脂、日立化成ポリマー(株)製):60重量部 (d)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂
三洋化成工業(株)製、 ガラス転移温度Tg:−3
7℃):30重量部 (f)テトラヒドロフラン:1000重量部 (g)ジメチルホルムアミド:350重量部 [比較例1]実施例1において、シリコーンゴム層組成
を下記組成物に変更し、120℃で2分間湿熱硬化させ
て2.0μmのシリコ−ンゴム層を設けた以外は全く同
様にして印刷版原版を作製し、同様に評価した。
(株)製):30重量部 (e)“テスポール”1154(ロジン変性マレイン酸
樹脂、日立化成ポリマー(株)製):60重量部 (d)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂
三洋化成工業(株)製、 ガラス転移温度Tg:−3
7℃):30重量部 (f)テトラヒドロフラン:1000重量部 (g)ジメチルホルムアミド:350重量部 [比較例1]実施例1において、シリコーンゴム層組成
を下記組成物に変更し、120℃で2分間湿熱硬化させ
て2.0μmのシリコ−ンゴム層を設けた以外は全く同
様にして印刷版原版を作製し、同様に評価した。
【0137】当初良好な印刷物が得られていたが、まも
なく非画線部に地汚れが発生した。印刷機を止め、版面
を観察したがシリコーンゴム層に特に損傷は認められな
かった。そこで、水冷機の設定温度を当初より5℃低く
設定し、印刷を再開したところ良好な印刷物が得られる
ようになった。
なく非画線部に地汚れが発生した。印刷機を止め、版面
を観察したがシリコーンゴム層に特に損傷は認められな
かった。そこで、水冷機の設定温度を当初より5℃低く
設定し、印刷を再開したところ良好な印刷物が得られる
ようになった。
【0138】しかしながら、約5万枚印刷した時点で非
画線部に微小な欠点状の汚れが観察されたため、印刷機
を止め、版面を観察したところシリコーンゴム層に微小
な剥がれと思われる欠点が多数観察された。
画線部に微小な欠点状の汚れが観察されたため、印刷機
を止め、版面を観察したところシリコーンゴム層に微小
な剥がれと思われる欠点が多数観察された。
【0139】<シリコーンゴム層> (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約35,00
0、末端水酸基):100重量部 (b)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:9重量部 (c)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製):1400重量部 [比較例2]実施例2において、感熱層中の(b)化合
物−2を抜いた以外は全く同様にして印刷版原版を作製
し、実施例2と同様にレーザー照射、現像を行ったとこ
ろ、非画線部のシリコーンゴム層に無数の微小な剥がれ
が観察された。
0、末端水酸基):100重量部 (b)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:9重量部 (c)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製):1400重量部 [比較例2]実施例2において、感熱層中の(b)化合
物−2を抜いた以外は全く同様にして印刷版原版を作製
し、実施例2と同様にレーザー照射、現像を行ったとこ
ろ、非画線部のシリコーンゴム層に無数の微小な剥がれ
が観察された。
【0140】[比較例3]実施例2において、感熱層中
の(b)化合物−2を抜いた代わりに“TSL”835
0(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、東
芝シリコーン(株)製):10重量部を添加した以外は
全く同様にして印刷版原版を作製した。
の(b)化合物−2を抜いた代わりに“TSL”835
0(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、東
芝シリコーン(株)製):10重量部を添加した以外は
全く同様にして印刷版原版を作製した。
【0141】実施例2と同様に評価を行ったところ、当
初良好な印刷物が得られたが、約1万枚印刷した時点で
印刷物の非画線部に汚れが生じた。刷版を顕微鏡で観察
したところシリコーンゴム層の微小な剥がれが観察され
た。
初良好な印刷物が得られたが、約1万枚印刷した時点で
印刷物の非画線部に汚れが生じた。刷版を顕微鏡で観察
したところシリコーンゴム層の微小な剥がれが観察され
た。
【0142】[比較例4]実施例2において、感熱層中
の(b)化合物−2を抜いた代わりに、シリコーンゴム
層中にN−グリシジル−N,N−ビス[3−(メチルジ
メトキシシリル)プロピル]アミン:1重量部を添加し
た以外は全く同様にして印刷版原版を作製した。
の(b)化合物−2を抜いた代わりに、シリコーンゴム
層中にN−グリシジル−N,N−ビス[3−(メチルジ
メトキシシリル)プロピル]アミン:1重量部を添加し
た以外は全く同様にして印刷版原版を作製した。
【0143】実施例2と同様に評価を行ったところ、当
初良好な印刷物が得られていたが、まもなく非画線部に
地汚れが発生した。そこで、水冷機の設定温度を当初よ
り3℃低く設定し、印刷を再開したところ良好な印刷物
が得られるようになった。
初良好な印刷物が得られていたが、まもなく非画線部に
地汚れが発生した。そこで、水冷機の設定温度を当初よ
り3℃低く設定し、印刷を再開したところ良好な印刷物
が得られるようになった。
【0144】しかしながら、約3万枚印刷した時点で非
画線部に微小な欠点状の汚れが観察されたため、印刷機
を止め、版面を観察したところシリコーンゴム層に微小
な剥がれと思われる欠点が多数観察された。
画線部に微小な欠点状の汚れが観察されたため、印刷機
を止め、版面を観察したところシリコーンゴム層に微小
な剥がれと思われる欠点が多数観察された。
【0145】[比較例5]実施例2における断熱層上に
下記組成の感熱層をバーコーターを用いて塗布し、15
0℃の熱風中で1分間乾燥して乾燥膜厚1.5g/m2
の感熱層を設けた。
下記組成の感熱層をバーコーターを用いて塗布し、15
0℃の熱風中で1分間乾燥して乾燥膜厚1.5g/m2
の感熱層を設けた。
【0146】<感熱層> (a)“Bergerac”NC(平均重合度85、窒
素含有量11.0%のニトロセルロース、エスエヌ ピ
ー イー ジャパン(株)製) : 30重量部 (b)カーボンブラック #30(三菱化学(株)
製):24重量部 (c)“ミラクトラン”P22S(ポリウレタン樹脂、
日本ミラクトラン(株)製) : 30重量部 (d)“KPカラー”8704クリヤー(エポキシ/尿
素樹脂、関西ペイント(株)製):20重量部 (e)ヒドロキシエチルアクリレート : 15重量部 (f)ビニルトリエトキシシラン : 1.5重量部 (g)メチルエチルケトン : 700重量部 次いで、この感熱層上に下記の組成を有するシリコーン
ゴム組成物を回転塗布機を用いて塗布後、150℃で3
分間熱硬化させて2.0μmのシリコーンゴム層を設け
た。
素含有量11.0%のニトロセルロース、エスエヌ ピ
ー イー ジャパン(株)製) : 30重量部 (b)カーボンブラック #30(三菱化学(株)
製):24重量部 (c)“ミラクトラン”P22S(ポリウレタン樹脂、
日本ミラクトラン(株)製) : 30重量部 (d)“KPカラー”8704クリヤー(エポキシ/尿
素樹脂、関西ペイント(株)製):20重量部 (e)ヒドロキシエチルアクリレート : 15重量部 (f)ビニルトリエトキシシラン : 1.5重量部 (g)メチルエチルケトン : 700重量部 次いで、この感熱層上に下記の組成を有するシリコーン
ゴム組成物を回転塗布機を用いて塗布後、150℃で3
分間熱硬化させて2.0μmのシリコーンゴム層を設け
た。
【0147】<シリコーンゴム層> (a)ビニル基含有ポリシロキサン(重量平均分子量:
約40,000、両末端ビニル基) : 90重量部 (b)ハイドロジェンシロキサン(重量平均分子量:約
900、1分子あたりのSiH基:6個) : 8重量
部 (c)メチルビニルポリシロキサン白金錯体 : 0.
2重量部 (d)メチルビニルシクロテトラシロキサン : 2重
量部 (e)“アイソパー”E(エクソン化学(株)製) :
1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、実施例2と同様保
護フィルムをラミネートし、水なし平版印刷版原版を得
た。
約40,000、両末端ビニル基) : 90重量部 (b)ハイドロジェンシロキサン(重量平均分子量:約
900、1分子あたりのSiH基:6個) : 8重量
部 (c)メチルビニルポリシロキサン白金錯体 : 0.
2重量部 (d)メチルビニルシクロテトラシロキサン : 2重
量部 (e)“アイソパー”E(エクソン化学(株)製) :
1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、実施例2と同様保
護フィルムをラミネートし、水なし平版印刷版原版を得
た。
【0148】この後、この印刷版原版を“FX400−
AP”(東レエンジニアリング(株)製、製版機)に取
り付け、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径
20μm、出力0.9W)を用いて露光時間10μsで
パルス露光を行った。
AP”(東レエンジニアリング(株)製、製版機)に取
り付け、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径
20μm、出力0.9W)を用いて露光時間10μsで
パルス露光を行った。
【0149】続いて、実施例2と同様、現像を行ったと
ころ、レーザー光が照射された部分の感熱層とシリコー
ンゴム層が除去されたネガ型の水なし平版が得られた。
ころ、レーザー光が照射された部分の感熱層とシリコー
ンゴム層が除去されたネガ型の水なし平版が得られた。
【0150】実施例2と同様に印刷を行ったところ、刷
り初めにおいて微小点が充分に再現出来ていなかった
が、徐々に良好な印刷物が得られるようになった。
り初めにおいて微小点が充分に再現出来ていなかった
が、徐々に良好な印刷物が得られるようになった。
【0151】しかしながら、約5万枚印刷した時点で非
画線部に微小な欠点状の汚れが観察されたため、印刷機
を止め、版面を観察したところシリコーンゴム層に微小
な剥がれと思われる欠点が多数観察された。
画線部に微小な欠点状の汚れが観察されたため、印刷機
を止め、版面を観察したところシリコーンゴム層に微小
な剥がれと思われる欠点が多数観察された。
【0152】[実施例3]厚さ0.24mmの脱脂した
アルミ板上に下記の組成よりなる溶液を塗布し、200
℃、2分間乾燥し、3g/m2の断熱層を設けた。
アルミ板上に下記の組成よりなる溶液を塗布し、200
℃、2分間乾燥し、3g/m2の断熱層を設けた。
【0153】<断熱層> (a)ポリウレタン樹脂“ミラクトラン”P22S(日
本ミラクトラン(株)製):100重量部 (b)ブロックドイソシアネート“タケネートB83
0”(武田薬品工業(株)製):20重量部 (c)エポキシ・フェノール・尿素樹脂“SJ937
2”(関西ペイント(株)製):8重量部 (d)ジブチル錫ジアセテート:0.5重量部 (e)“FINEX”25(白色顔料、堺化学(株)
製):10重量部 (f)“KET−YELLOW”402(黄色顔料、大
日本インキ化学工業(株)製):10重量部 (g)ジメチルホルムアミド:720重量部 この断熱層上に、下記感熱層を乾燥膜厚2.5g/m2
になるように塗布し、120℃×1分間乾燥した。
本ミラクトラン(株)製):100重量部 (b)ブロックドイソシアネート“タケネートB83
0”(武田薬品工業(株)製):20重量部 (c)エポキシ・フェノール・尿素樹脂“SJ937
2”(関西ペイント(株)製):8重量部 (d)ジブチル錫ジアセテート:0.5重量部 (e)“FINEX”25(白色顔料、堺化学(株)
製):10重量部 (f)“KET−YELLOW”402(黄色顔料、大
日本インキ化学工業(株)製):10重量部 (g)ジメチルホルムアミド:720重量部 この断熱層上に、下記感熱層を乾燥膜厚2.5g/m2
になるように塗布し、120℃×1分間乾燥した。
【0154】<感熱層> (a)カーボンブラック分散ロジン変性マレイン酸樹脂
(内カーボンブラック10重量部):15重量部 (b)化合物−2:10重量部
(内カーボンブラック10重量部):15重量部 (b)化合物−2:10重量部
【化14】 (c)“ナーセム”Ti(アセチルアセトンチタン、日
本化学産業(株)製):20重量部 (d)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルホルムアルデヒドノボラック樹脂、住友デュレズ
(株)製):50重量部 (e)“エポキシエステル”3000M(水酸基含有ア
クリレート、共栄社化学(株)製):5重量部 (f)“サンプレン”IB−104(水酸基含有ポリウ
レタン樹脂、三洋化成工業(株)製):50重量部 (h)テトラヒドロフラン:700重量部 次いで、この感熱層上に下記の組成を有するシリコーン
ゴム組成物を回転塗布機を用いて塗布後、130℃で2
分間熱硬化させて2.0μmのシリコーンゴム層を設け
た。
本化学産業(株)製):20重量部 (d)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルホルムアルデヒドノボラック樹脂、住友デュレズ
(株)製):50重量部 (e)“エポキシエステル”3000M(水酸基含有ア
クリレート、共栄社化学(株)製):5重量部 (f)“サンプレン”IB−104(水酸基含有ポリウ
レタン樹脂、三洋化成工業(株)製):50重量部 (h)テトラヒドロフラン:700重量部 次いで、この感熱層上に下記の組成を有するシリコーン
ゴム組成物を回転塗布機を用いて塗布後、130℃で2
分間熱硬化させて2.0μmのシリコーンゴム層を設け
た。
【0155】<シリコーンゴム層> (a)ビニル基含有ポリシロキサン(重量平均分子量:
約40,000、両末端ビニル基) : 90重量部 (b)ハイドロジェンシロキサン(重量平均分子量:約
900、1分子あたりのSiH基:6個) : 9重量
部 (c)メチルビニルポリシロキサン白金錯体 : 0.
5重量部 (d)メチルビニルシクロテトラシロキサン : 2重
量部 (e)“アイソパー”E(エクソン化学(株)製) :
1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ6μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水なし平
版印刷版原版を得た。
約40,000、両末端ビニル基) : 90重量部 (b)ハイドロジェンシロキサン(重量平均分子量:約
900、1分子あたりのSiH基:6個) : 9重量
部 (c)メチルビニルポリシロキサン白金錯体 : 0.
5重量部 (d)メチルビニルシクロテトラシロキサン : 2重
量部 (e)“アイソパー”E(エクソン化学(株)製) :
1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ6μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水なし平
版印刷版原版を得た。
【0156】この後、この印刷版原版を“FX400−
AP”(東レエンジニアリング(株)製、製版機)に取
り付け、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径
20μm、出力0.75W)を用いて露光時間10μs
でパルス露光を行った。
AP”(東レエンジニアリング(株)製、製版機)に取
り付け、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径
20μm、出力0.75W)を用いて露光時間10μs
でパルス露光を行った。
【0157】続いて、実施例2と同様、現像を行ったと
ころ、レーザー光が照射された部分の感熱層の一部とシ
リコーンゴム層が除去されたネガ型の水なし平版が得ら
れた。
ころ、レーザー光が照射された部分の感熱層の一部とシ
リコーンゴム層が除去されたネガ型の水なし平版が得ら
れた。
【0158】実施例2と同様に印刷を行ったところ、良
好な印刷物が得られ、15万枚印刷した時点においても
印刷物に汚れは観察されなかった。
好な印刷物が得られ、15万枚印刷した時点においても
印刷物に汚れは観察されなかった。
【0159】また、感熱層の初期弾性率は19kgf/
mm2であった。
mm2であった。
【0160】[実施例4]実施例3において、感熱層組
成を下記組成物に変更し、150℃で1分間熱硬化させ
て乾燥膜厚2.0g/m2になるように塗布した以外は
全く同様にして印刷版原版を作製し、同様に評価した。
成を下記組成物に変更し、150℃で1分間熱硬化させ
て乾燥膜厚2.0g/m2になるように塗布した以外は
全く同様にして印刷版原版を作製し、同様に評価した。
【0161】<感熱層> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)化合物−3:10重量部
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)化合物−3:10重量部
【化15】 (c)“アルミキレート”A(アルミニウムアセチルア
セトネート、川研ファインケミカル(株)製):30重
量部 (d)“テスポール”1304(ロジン変性フェノール
樹脂、日立化成ポリマー(株)製):50重量部 (e)“サンプレン”IB−104(水酸基含有ポリウ
レタン樹脂、三洋化成工業(株)製):50重量部 (f)テトラヒドロフラン:700重量部 実施例3と同様に印刷を行ったところ、良好な印刷物が
得られ、15万枚印刷した時点においても印刷物に汚れ
は観察されなかった。
セトネート、川研ファインケミカル(株)製):30重
量部 (d)“テスポール”1304(ロジン変性フェノール
樹脂、日立化成ポリマー(株)製):50重量部 (e)“サンプレン”IB−104(水酸基含有ポリウ
レタン樹脂、三洋化成工業(株)製):50重量部 (f)テトラヒドロフラン:700重量部 実施例3と同様に印刷を行ったところ、良好な印刷物が
得られ、15万枚印刷した時点においても印刷物に汚れ
は観察されなかった。
【0162】また、感熱層の初期弾性率は20kgf/
mm2であった。
mm2であった。
【0163】[実施例5]EC処理を施した厚さ80μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”
(東レ(株)製)の上に、下記の組成よりなる溶液を塗
布し、80℃で2分間乾燥し、2g/m2の感熱層を設
けた。
mのポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”
(東レ(株)製)の上に、下記の組成よりなる溶液を塗
布し、80℃で2分間乾燥し、2g/m2の感熱層を設
けた。
【0164】<感熱層> (a)カーボンブラック分散ロジン変性マレイン酸樹脂
(内カーボンブラック10重量部):15重量部 (b)化合物−2:15重量部
(内カーボンブラック10重量部):15重量部 (b)化合物−2:15重量部
【化16】 (c)“ナーセム”Ti(アセチルアセトンチタン、日
本化学産業(株)製):15重量部 (d)4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート:1
0重量部 (e)“エポライト”3002(グリシジルエーテル、
共栄社油脂化学工業(株)製):10重量部 (f)“サンプレン”IB−104(水酸基含有ポリウ
レタン樹脂、三洋化成工業(株)製):10重量部 (g)テトラヒドロフラン:855重量部 この感熱層の上に実施例3と同じシリコ−ンゴム組成物
を塗布し、直描型水なし平版印刷版原版を得た。
本化学産業(株)製):15重量部 (d)4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート:1
0重量部 (e)“エポライト”3002(グリシジルエーテル、
共栄社油脂化学工業(株)製):10重量部 (f)“サンプレン”IB−104(水酸基含有ポリウ
レタン樹脂、三洋化成工業(株)製):10重量部 (g)テトラヒドロフラン:855重量部 この感熱層の上に実施例3と同じシリコ−ンゴム組成物
を塗布し、直描型水なし平版印刷版原版を得た。
【0165】得られた原版は実施例3と同様に評価した
ところ、ネガ型の水なし平版印刷版が得られた。
ところ、ネガ型の水なし平版印刷版が得られた。
【0166】実施例3と同様に印刷を行ったところ、良
好な印刷物が得られ、5万枚印刷した時点においても印
刷物に汚れは観察されなかった。
好な印刷物が得られ、5万枚印刷した時点においても印
刷物に汚れは観察されなかった。
【0167】[実施例6]実施例3において、感熱層中
の(b)化合物−2の代わりに(b)化合物−4:10
重量部を用いた以外は全く同様にして印刷版原版を作製
した。
の(b)化合物−2の代わりに(b)化合物−4:10
重量部を用いた以外は全く同様にして印刷版原版を作製
した。
【0168】
【化17】 実施例3と同様に印刷を行ったところ、良好な印刷物が
得られ、15万枚印刷した時点においても印刷物に汚れ
は観察されなかった。
得られ、15万枚印刷した時点においても印刷物に汚れ
は観察されなかった。
【0169】また、感熱層の初期弾性率は19kgf/
mm2であった。
mm2であった。
【0170】
【発明の効果】本発明は、直描型水なし平版印刷版原版
において、感熱層が光熱変換物質と金属キレート化合物
および下記一般式(I)で表される構造を有する化合物
を含有し、シリコーンゴム層が(イ)1分子中に少なく
とも2個以上のC=C結合を有するポリシロキサン化合
物と、(ロ)1分子中にSiH基を2個以上有するポリ
シロキサン化合物、および(ハ)付加触媒を含む組成物
より得られるものとすることで、インキ反発性、耐刷性
に優れた直描型水なし平版印刷版が得られる。
において、感熱層が光熱変換物質と金属キレート化合物
および下記一般式(I)で表される構造を有する化合物
を含有し、シリコーンゴム層が(イ)1分子中に少なく
とも2個以上のC=C結合を有するポリシロキサン化合
物と、(ロ)1分子中にSiH基を2個以上有するポリ
シロキサン化合物、および(ハ)付加触媒を含む組成物
より得られるものとすることで、インキ反発性、耐刷性
に優れた直描型水なし平版印刷版が得られる。
【0171】
【化18】 (式中、R1,R2,R3はそれぞれ水素原子、炭素数
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。
【0172】L1,L2はそれぞれ2価の連結基を示
す。
す。
【0173】また、nは0〜2の整数を表し、R4は炭
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、ビニル基を示す。
【0174】Xは水素原子、ハロゲン原子、−OCOR
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。)
5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)(R7)を
示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜4の置換も
しくは非置換のアルキル基である。)
Claims (1)
- 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
刷版原版であって、該感熱層が少なくとも (a)光熱変換物質 (b)金属キレート化合物 (c)下記一般式(I)で表される構造を有する化合物
を含み、かつ該シリコーンゴム層が(イ)1分子中に少
なくとも2個以上のC=C結合を有するポリシロキサン
化合物と、(ロ)1分子中にSiH基を2個以上有する
ポリシロキサン化合物、および(ハ)付加触媒を含む組
成物より得られるものである事を特徴とする直描型水な
し平版印刷版原版。 【化1】 (式中、R1,R2,R3はそれぞれ水素原子、炭素数
1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアラル
キル基であり、同じであっても異なっていてもよい。L
1,L2はそれぞれ2価の連結基を示す。また、nは0
〜2の整数を表し、R4は炭素数1〜20の置換もしく
は非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール
基、ビニル基を示す。Xは水素原子、ハロゲン原子、−
OCOR5(アシルオキシ基)、−O−N=C(R6)
(R7)を示す。ここでR5,R6,R7は炭素数1〜
4の置換もしくは非置換のアルキル基である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15716398A JPH11348442A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 直描型水なし平版印刷版原版 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15716398A JPH11348442A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 直描型水なし平版印刷版原版 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11348442A true JPH11348442A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15643574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15716398A Pending JPH11348442A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 直描型水なし平版印刷版原版 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11348442A (ja) |
-
1998
- 1998-06-05 JP JP15716398A patent/JPH11348442A/ja active Pending
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