JPH11347365A - 脱硫反応器の支持構造 - Google Patents
脱硫反応器の支持構造Info
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- JPH11347365A JPH11347365A JP10160375A JP16037598A JPH11347365A JP H11347365 A JPH11347365 A JP H11347365A JP 10160375 A JP10160375 A JP 10160375A JP 16037598 A JP16037598 A JP 16037598A JP H11347365 A JPH11347365 A JP H11347365A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐硫酸腐蝕加工を施す部材を少なくすること
により、耐硫酸性の必要のない通常に入手可能な一般形
鋼を利用でき、大幅なコストダウンと硫酸腐蝕に対する
信頼性の向上を図ることができるようにした脱硫反応器
の支持構造を提供する。 【解決手段】 表面に水が付着した脱硫反応用活性炭素
繊維と接触させて、該排ガス中のSO2 をSO3 に酸化
させると共に、該SO3 と該脱硫反応用活性炭素繊維上
の水との反応によって硫酸を生成させる脱硫反応器1の
支持構造において、脱硫反応器1の荷重がかかる支持梁
12等を脱硫反応器外の大気雰囲気中に配置した。
により、耐硫酸性の必要のない通常に入手可能な一般形
鋼を利用でき、大幅なコストダウンと硫酸腐蝕に対する
信頼性の向上を図ることができるようにした脱硫反応器
の支持構造を提供する。 【解決手段】 表面に水が付着した脱硫反応用活性炭素
繊維と接触させて、該排ガス中のSO2 をSO3 に酸化
させると共に、該SO3 と該脱硫反応用活性炭素繊維上
の水との反応によって硫酸を生成させる脱硫反応器1の
支持構造において、脱硫反応器1の荷重がかかる支持梁
12等を脱硫反応器外の大気雰囲気中に配置した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱硫反応器の支持
構造に関する。
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排ガス中の硫黄酸化物の除去方法
として、石灰石または消石灰スラリーを吸収剤として用
いて、排ガス中の硫黄分を石膏として回収する石灰−石
膏法が採用されている。他の方法としては、乾式法の活
性炭による吸着法が知られている
として、石灰石または消石灰スラリーを吸収剤として用
いて、排ガス中の硫黄分を石膏として回収する石灰−石
膏法が採用されている。他の方法としては、乾式法の活
性炭による吸着法が知られている
【0003】従来の石灰−石膏法では、石灰石または消
石灰スラリーを排ガス中にスプレーすることにより、排
ガスの増湿冷却及びSOX の吸収を同時に行っている。
このため、多量のスラリーを循環する必要があり、スラ
リーを循環するための動力及び多量の水が必要となる。
また、生成した石膏は、スラリー状態であるため、水を
分離し、石膏として回収するための装置が必要になる。
このように、石灰−石膏法では、脱硫設備の大型化や複
雑化が避けられない。
石灰スラリーを排ガス中にスプレーすることにより、排
ガスの増湿冷却及びSOX の吸収を同時に行っている。
このため、多量のスラリーを循環する必要があり、スラ
リーを循環するための動力及び多量の水が必要となる。
また、生成した石膏は、スラリー状態であるため、水を
分離し、石膏として回収するための装置が必要になる。
このように、石灰−石膏法では、脱硫設備の大型化や複
雑化が避けられない。
【0004】一方、乾式法の場合、活性炭に吸着した硫
黄分を水洗によって脱離させるため、大量の水を必要と
する。しかも、この方法の場合、生成した希硫酸の廃棄
や、吸着材の乾燥処理等が必要になる。そこで、硫黄酸
化物の吸収剤や大型の脱硫設備を必要としない簡易な脱
硫方法として、表面に水が付着した脱硫反応用活性炭素
繊維と接触させて、該排ガス中のSO2 をSO3 に酸化
させると共に、該SO3 と該脱硫反応用活性炭素繊維上
の水との反応によって硫酸を生成させる脱硫装置につい
て、本発明者らは開発を行った。
黄分を水洗によって脱離させるため、大量の水を必要と
する。しかも、この方法の場合、生成した希硫酸の廃棄
や、吸着材の乾燥処理等が必要になる。そこで、硫黄酸
化物の吸収剤や大型の脱硫設備を必要としない簡易な脱
硫方法として、表面に水が付着した脱硫反応用活性炭素
繊維と接触させて、該排ガス中のSO2 をSO3 に酸化
させると共に、該SO3 と該脱硫反応用活性炭素繊維上
の水との反応によって硫酸を生成させる脱硫装置につい
て、本発明者らは開発を行った。
【0005】しかし、このような脱硫装置で用いられる
脱硫反応器(吸収塔)内では、生成する希硫酸の濃度が
触媒表面で60%以上となり、脱硫反応器を支持するた
めの部材に耐腐蝕加工を行わなければならず、材料選定
が困難でコストアップにもつながっていた。
脱硫反応器(吸収塔)内では、生成する希硫酸の濃度が
触媒表面で60%以上となり、脱硫反応器を支持するた
めの部材に耐腐蝕加工を行わなければならず、材料選定
が困難でコストアップにもつながっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に対
して、耐硫酸腐蝕加工を施す部材を少なくすることによ
り、耐硫酸性の必要のない通常に入手可能な一般形鋼を
利用でき、大幅なコストダウンと硫酸腐蝕に対する信頼
性の向上を図ることができるようにした脱硫反応器の支
持構造を提供することを目的とする。
して、耐硫酸腐蝕加工を施す部材を少なくすることによ
り、耐硫酸性の必要のない通常に入手可能な一般形鋼を
利用でき、大幅なコストダウンと硫酸腐蝕に対する信頼
性の向上を図ることができるようにした脱硫反応器の支
持構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる脱硫反応器の支持構造は、表面に水
が付着した脱硫反応用活性炭素繊維と接触させて、該排
ガス中のSO2 をSO 3 に酸化させると共に、該SO3
と該脱硫反応用活性炭素繊維上の水との反応によって硫
酸を生成させる脱硫反応器の支持構造において、脱硫反
応器の荷重がかかる支持梁を脱硫反応器外の大気雰囲気
中に配置したことを特徴とする。また、支持梁だけでな
く、支持梁及び支持柱を脱硫反応器外の大気雰囲気中に
配置することもできる。なお、これら支持梁及び支持柱
は脱硫反応器の荷重が最もかかる部材である。支持梁を
大気雰囲気中に配置するため、脱硫反応器の硫酸貯蔵タ
ンクをホッパ型とし、支持梁をホッパ間の大気雰囲気中
に配置することも本発明に含まれる。
に、本発明にかかる脱硫反応器の支持構造は、表面に水
が付着した脱硫反応用活性炭素繊維と接触させて、該排
ガス中のSO2 をSO 3 に酸化させると共に、該SO3
と該脱硫反応用活性炭素繊維上の水との反応によって硫
酸を生成させる脱硫反応器の支持構造において、脱硫反
応器の荷重がかかる支持梁を脱硫反応器外の大気雰囲気
中に配置したことを特徴とする。また、支持梁だけでな
く、支持梁及び支持柱を脱硫反応器外の大気雰囲気中に
配置することもできる。なお、これら支持梁及び支持柱
は脱硫反応器の荷重が最もかかる部材である。支持梁を
大気雰囲気中に配置するため、脱硫反応器の硫酸貯蔵タ
ンクをホッパ型とし、支持梁をホッパ間の大気雰囲気中
に配置することも本発明に含まれる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に添付図面に示した実施の形
態を参照しながら本発明にかかる脱硫反応器の支持構造
を説明する。図1から3に本発明にかかる脱硫反応器の
支持構造の一実施の形態を示す。この脱硫反応器1では
上部に排ガス入口2を備え、脱硫反応用活性炭素繊維層
(脱硫触媒層)3を通過した排ガスが矢印X(図3)の
方向に流れ、排ガス出口4から排出されて下流に向か
う。脱硫触媒としては、ボックス容器に、一体成形した
触媒支持用グレーチング構造の格子を配設し、このよう
にして形成される触媒パック構造に複数の脱硫触媒エレ
メントを収納したものが好適である。脱硫触媒は排ガス
が上下方向に流れるガス平行流型触媒が好適である。ガ
ス平行流型とは、格子状、ハニカム状又は板状等の規則
正しく形成配列された脱硫触媒のガス通路を排ガスが平
行に流れる方式である。ばい塵により触媒が閉塞しない
ようにするため、この方式が好適である。
態を参照しながら本発明にかかる脱硫反応器の支持構造
を説明する。図1から3に本発明にかかる脱硫反応器の
支持構造の一実施の形態を示す。この脱硫反応器1では
上部に排ガス入口2を備え、脱硫反応用活性炭素繊維層
(脱硫触媒層)3を通過した排ガスが矢印X(図3)の
方向に流れ、排ガス出口4から排出されて下流に向か
う。脱硫触媒としては、ボックス容器に、一体成形した
触媒支持用グレーチング構造の格子を配設し、このよう
にして形成される触媒パック構造に複数の脱硫触媒エレ
メントを収納したものが好適である。脱硫触媒は排ガス
が上下方向に流れるガス平行流型触媒が好適である。ガ
ス平行流型とは、格子状、ハニカム状又は板状等の規則
正しく形成配列された脱硫触媒のガス通路を排ガスが平
行に流れる方式である。ばい塵により触媒が閉塞しない
ようにするため、この方式が好適である。
【0009】本発明にかかる支持構造が使用される排ガ
スの処理方法において、脱硫の対象となるガスは、二酸
化硫黄(SO2 )を含むガスである。SO2 濃度は、任
意であるが、特に200〜500ppm程度であると、
より効率的に脱硫することができる。また、脱硫の際、
SO2 をSO3 に酸化するのに酸素(O2 )が用いられ
るため、排ガス中に酸素を含むか、または、別途、酸素
を排ガス中に供給する必要がある。排ガス中の酸素の含
有量は3容量%から21容量%以下である。SO2 およ
びO2 以外のガス成分としては、通常、窒素、二酸化炭
素、一酸化炭素等の成分を含み得る。ガスの流量は、通
常、脱硫反応用活性炭素繊維の単位重量当たり、0.2
〜1リットル/分程度である。
スの処理方法において、脱硫の対象となるガスは、二酸
化硫黄(SO2 )を含むガスである。SO2 濃度は、任
意であるが、特に200〜500ppm程度であると、
より効率的に脱硫することができる。また、脱硫の際、
SO2 をSO3 に酸化するのに酸素(O2 )が用いられ
るため、排ガス中に酸素を含むか、または、別途、酸素
を排ガス中に供給する必要がある。排ガス中の酸素の含
有量は3容量%から21容量%以下である。SO2 およ
びO2 以外のガス成分としては、通常、窒素、二酸化炭
素、一酸化炭素等の成分を含み得る。ガスの流量は、通
常、脱硫反応用活性炭素繊維の単位重量当たり、0.2
〜1リットル/分程度である。
【0010】生成するSO3 は、散水ノズル1aから供
給され脱硫反応用活性炭素繊維上にある水との反応によ
って希硫酸となり、脱硫反応器1の下部に蓄えられる。
ここで、脱硫反応器1の下部は複数のホッパ5に分割さ
れている。各々のホッパ5は図1の平面図で見て、脱硫
反応器1の本体部分の底部を9の長方形に分画した形態
となっている。また、排ガス出口4の下部にも3つに分
画した形状のホッパ6が位置し、全部で12のホッパが
設けられていることとなる。これらホッパ5、6の下部
が希硫酸貯留層7を構成し、上部が排ガス通路8を構成
する。
給され脱硫反応用活性炭素繊維上にある水との反応によ
って希硫酸となり、脱硫反応器1の下部に蓄えられる。
ここで、脱硫反応器1の下部は複数のホッパ5に分割さ
れている。各々のホッパ5は図1の平面図で見て、脱硫
反応器1の本体部分の底部を9の長方形に分画した形態
となっている。また、排ガス出口4の下部にも3つに分
画した形状のホッパ6が位置し、全部で12のホッパが
設けられていることとなる。これらホッパ5、6の下部
が希硫酸貯留層7を構成し、上部が排ガス通路8を構成
する。
【0011】脱硫反応器1のホッパ部分5、6は平面図
で見て12の長方形に分画されているので、分画した際
の格子に相当する位置に沿って断面三角形状の空間が形
成される。この空間のうち、図1の二点鎖線A、B及び
実線Cに沿って形成される方の空間9は低い位置から開
始している。すなわち、ホッパ5、6の中間まで断面三
角形状の頂点が立ち上がっている。なお、ホッパ5、6
は、脱硫反応器1の両端辺D、Eにおいて、二点鎖線
A、B及び実線Cに沿って形成される方の空間9の頂点
と同位置から下方に向かってホッパ形状をなしている。
で見て12の長方形に分画されているので、分画した際
の格子に相当する位置に沿って断面三角形状の空間が形
成される。この空間のうち、図1の二点鎖線A、B及び
実線Cに沿って形成される方の空間9は低い位置から開
始している。すなわち、ホッパ5、6の中間まで断面三
角形状の頂点が立ち上がっている。なお、ホッパ5、6
は、脱硫反応器1の両端辺D、Eにおいて、二点鎖線
A、B及び実線Cに沿って形成される方の空間9の頂点
と同位置から下方に向かってホッパ形状をなしている。
【0012】さらに上記空間のうち、図1の二点鎖線
F、Gに沿って形成される方の空間10は高い位置から
開始している。すなわち、脱硫反応器1の本体の真下ま
で断面三角形状の頂点が立ち上がっている。なお、ホッ
パ5、6は、脱硫反応器1の両端辺H、Iにおいて、二
点鎖線F、Gに沿って形成される方の空間10の頂点と
同位置から下方に向かってホッパ形状をなしている。上
記空間10、10の断面三角形状の頂点の位置におい
て、二点鎖線F、Gに沿って支持梁11、11が配置さ
れ、脱硫反応器1の本体の荷重を支持する。同様の高さ
位置において、脱硫反応器1の両端辺H、Iに沿って支
持梁12、12が配置され、脱硫反応器1の本体の荷重
を支持する。さらに、線AからGの交点には支持柱13
が位置する。支持柱13は支持梁11、12を支持す
る。線AからGに沿って中間の高さ位置に支持梁14が
配置され、中間位置において、支持柱13を連結強化す
る。各々の支持梁14からは中央より二本のすじかい1
5が支持柱13の足元との間に掛け渡されている。
F、Gに沿って形成される方の空間10は高い位置から
開始している。すなわち、脱硫反応器1の本体の真下ま
で断面三角形状の頂点が立ち上がっている。なお、ホッ
パ5、6は、脱硫反応器1の両端辺H、Iにおいて、二
点鎖線F、Gに沿って形成される方の空間10の頂点と
同位置から下方に向かってホッパ形状をなしている。上
記空間10、10の断面三角形状の頂点の位置におい
て、二点鎖線F、Gに沿って支持梁11、11が配置さ
れ、脱硫反応器1の本体の荷重を支持する。同様の高さ
位置において、脱硫反応器1の両端辺H、Iに沿って支
持梁12、12が配置され、脱硫反応器1の本体の荷重
を支持する。さらに、線AからGの交点には支持柱13
が位置する。支持柱13は支持梁11、12を支持す
る。線AからGに沿って中間の高さ位置に支持梁14が
配置され、中間位置において、支持柱13を連結強化す
る。各々の支持梁14からは中央より二本のすじかい1
5が支持柱13の足元との間に掛け渡されている。
【0013】以上のように、支持梁11、12、14及
び支持柱13によって構成される支持構造によって脱硫
反応器1が安定に支持される。これらの部材は、脱硫反
応器1外の大気雰囲気中に配置される。したがって、こ
れらの部材は耐硫酸性の必要のない通常に入手可能な一
般形鋼を利用できる。これによって、脱硫反応器の支持
にあたり、大幅なコストダウンと硫酸腐蝕に対する信頼
性の向上を図ることができる。
び支持柱13によって構成される支持構造によって脱硫
反応器1が安定に支持される。これらの部材は、脱硫反
応器1外の大気雰囲気中に配置される。したがって、こ
れらの部材は耐硫酸性の必要のない通常に入手可能な一
般形鋼を利用できる。これによって、脱硫反応器の支持
にあたり、大幅なコストダウンと硫酸腐蝕に対する信頼
性の向上を図ることができる。
【0014】本発明で用いる脱硫反応用活性炭素繊維
は、排ガス中のSO2 がSO3 に酸化する際に触媒とし
て働く。このような脱硫反応用活性炭素繊維の製造方法
を以下、説明する。原料となる活性炭素繊維の種類とし
ては、特に制限はなく、ピッチ系、ポリアクリロニトリ
ル系、フェノール系、セルロース系等の活性炭素繊維を
用いることができる。これらの中でも、特に活性炭素繊
維の表面の疎水性のより高いものが望ましく、具体的に
はピッチ系活性炭素繊維等を挙げることができる。
は、排ガス中のSO2 がSO3 に酸化する際に触媒とし
て働く。このような脱硫反応用活性炭素繊維の製造方法
を以下、説明する。原料となる活性炭素繊維の種類とし
ては、特に制限はなく、ピッチ系、ポリアクリロニトリ
ル系、フェノール系、セルロース系等の活性炭素繊維を
用いることができる。これらの中でも、特に活性炭素繊
維の表面の疎水性のより高いものが望ましく、具体的に
はピッチ系活性炭素繊維等を挙げることができる。
【0015】活性炭素繊維は、窒素ガス等の非酸化雰囲
気下で、通常600〜1,200℃程度の温度で熱処理
される。処理時間は、処理温度等に応じて適宜定めれば
よい。この熱処理により、本発明で用いる脱硫反応用炭
素繊維を得ることができる。脱硫反応用活性炭素繊維
は、熱処理により親水性である酸素官能基の一部または
全部がCO、CO2 等として除去されているので、処理
前に比べて疎水性の大きな表面となっている。このた
め、SO2 の酸化活性点へのSO2 の吸着が容易に起こ
り、しかも生成する硫酸の排出も速やかに進行する結
果、触媒の機能が阻害されることなく、脱硫反応が促進
される。
気下で、通常600〜1,200℃程度の温度で熱処理
される。処理時間は、処理温度等に応じて適宜定めれば
よい。この熱処理により、本発明で用いる脱硫反応用炭
素繊維を得ることができる。脱硫反応用活性炭素繊維
は、熱処理により親水性である酸素官能基の一部または
全部がCO、CO2 等として除去されているので、処理
前に比べて疎水性の大きな表面となっている。このた
め、SO2 の酸化活性点へのSO2 の吸着が容易に起こ
り、しかも生成する硫酸の排出も速やかに進行する結
果、触媒の機能が阻害されることなく、脱硫反応が促進
される。
【0016】脱硫反応用活性炭素繊維の製造例の具体例
は、例えば、次の通りである。具体例1 ピッチ系活性炭素繊維(「OG−20A」、アドール
(株)製)を用い、これを窒素雰囲気中で900〜1,
200℃の温度範囲内で1時間焼成する。具体例2 ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維(「FE−30
0」、東邦レーヨン(株)製)を用い、これを窒素雰囲
気中で800〜1,200℃の温度範囲内で1時間焼成
する。 本発明で用いられる脱硫反応用活性炭素繊維の性状は、
通常、太さが7〜20μm、比表面積が500〜2,5
00m2 /g、外表面積が0.2〜2.0m2/g、細
孔直径が45オングストローム以下である。
は、例えば、次の通りである。具体例1 ピッチ系活性炭素繊維(「OG−20A」、アドール
(株)製)を用い、これを窒素雰囲気中で900〜1,
200℃の温度範囲内で1時間焼成する。具体例2 ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維(「FE−30
0」、東邦レーヨン(株)製)を用い、これを窒素雰囲
気中で800〜1,200℃の温度範囲内で1時間焼成
する。 本発明で用いられる脱硫反応用活性炭素繊維の性状は、
通常、太さが7〜20μm、比表面積が500〜2,5
00m2 /g、外表面積が0.2〜2.0m2/g、細
孔直径が45オングストローム以下である。
【0017】次に、本発明にかかる脱硫反応器の支持構
造を使用した排ガス処理方法の実施形態の一例を、図4
を参照しつつ説明する。図4において、ボイラ101か
ら排出された硫黄酸化物を含有する排ガスは、ポンプ1
02を経由して、ガス−ガスヒータ(GGH)103に
よって冷却された後、集塵器(ESP)104内で除塵
され、吸収塔(脱硫反応器)106の上部の導入口10
5から吸収塔106内に導入される。吸収塔106への
導入時の排ガスの温度は、90℃程度である。吸収塔内
に導入された排ガスは、排ガスの増湿冷却用の水の散布
器107から散布される水と接触して、冷却されると共
に、相対湿度が増加し、通常、飽和状態(相対湿度=1
00%)となる。
造を使用した排ガス処理方法の実施形態の一例を、図4
を参照しつつ説明する。図4において、ボイラ101か
ら排出された硫黄酸化物を含有する排ガスは、ポンプ1
02を経由して、ガス−ガスヒータ(GGH)103に
よって冷却された後、集塵器(ESP)104内で除塵
され、吸収塔(脱硫反応器)106の上部の導入口10
5から吸収塔106内に導入される。吸収塔106への
導入時の排ガスの温度は、90℃程度である。吸収塔内
に導入された排ガスは、排ガスの増湿冷却用の水の散布
器107から散布される水と接触して、冷却されると共
に、相対湿度が増加し、通常、飽和状態(相対湿度=1
00%)となる。
【0018】増湿冷却された排ガスは、吸収塔106内
の中央部に充填されている脱硫反応用活性炭素繊維層1
08(本発明にかかる脱硫反応器の触媒パック構造を用
いたもの)内を下方に向かって通過する。なお、脱硫反
応用活性炭素繊維層108は、予め、脱硫反応用活性炭
素繊維層108の上方または近傍に設けられる水の供給
器109によって水を供給し、活性炭素繊維の表面に水
が付着した状態としておく。排ガス中のSO2 は、脱硫
反応用活性炭素繊維の表面でSO3 に酸化される。生成
したSO3 は、脱硫反応用活性炭素繊維に付着している
水と反応して、硫酸(H2 SO4 )となる。生成した硫
酸は、脱硫反応用活性炭素繊維層108から落下して、
吸収塔106の底部から排出され、ポンプ110を経
て、硫酸貯留槽111に貯留され、工業用に用いられ
る。
の中央部に充填されている脱硫反応用活性炭素繊維層1
08(本発明にかかる脱硫反応器の触媒パック構造を用
いたもの)内を下方に向かって通過する。なお、脱硫反
応用活性炭素繊維層108は、予め、脱硫反応用活性炭
素繊維層108の上方または近傍に設けられる水の供給
器109によって水を供給し、活性炭素繊維の表面に水
が付着した状態としておく。排ガス中のSO2 は、脱硫
反応用活性炭素繊維の表面でSO3 に酸化される。生成
したSO3 は、脱硫反応用活性炭素繊維に付着している
水と反応して、硫酸(H2 SO4 )となる。生成した硫
酸は、脱硫反応用活性炭素繊維層108から落下して、
吸収塔106の底部から排出され、ポンプ110を経
て、硫酸貯留槽111に貯留され、工業用に用いられ
る。
【0019】排ガスの増湿冷却用の水として、系外から
導入される水を用いるか、または、図示するように、吸
収塔の下部から排出される水(希硫酸)をポンプ112
によって循環させて用いることができる。循環水を用い
ると、水の使用量を節減することができる。脱硫反応用
活性炭素繊維層108に硫酸生成用に供給される水につ
いても、同様に、系外からの水または吸収塔から排出さ
れる循環水を用いることができる。排ガスの増湿冷却用
の水の散布器107と、脱硫反応用活性炭素繊維層への
硫酸生成用の水の供給器109は、兼用してもよい。兼
用することによって、脱硫装置全体の構成を簡略化する
ことができる。吸収塔106内で脱硫された排ガスは、
吸収塔106の下部の排出口113から排出されて、ガ
ス−ガスヒータ103で加熱された後、煙突114から
排出される。なお、上記排ガス処理方法に限らず、少な
くとも同様の脱硫反応用活性炭素繊維層を用いる排ガス
処理方法であれば、本発明にかかる脱硫反応器の支持構
造を採用することができる。
導入される水を用いるか、または、図示するように、吸
収塔の下部から排出される水(希硫酸)をポンプ112
によって循環させて用いることができる。循環水を用い
ると、水の使用量を節減することができる。脱硫反応用
活性炭素繊維層108に硫酸生成用に供給される水につ
いても、同様に、系外からの水または吸収塔から排出さ
れる循環水を用いることができる。排ガスの増湿冷却用
の水の散布器107と、脱硫反応用活性炭素繊維層への
硫酸生成用の水の供給器109は、兼用してもよい。兼
用することによって、脱硫装置全体の構成を簡略化する
ことができる。吸収塔106内で脱硫された排ガスは、
吸収塔106の下部の排出口113から排出されて、ガ
ス−ガスヒータ103で加熱された後、煙突114から
排出される。なお、上記排ガス処理方法に限らず、少な
くとも同様の脱硫反応用活性炭素繊維層を用いる排ガス
処理方法であれば、本発明にかかる脱硫反応器の支持構
造を採用することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、耐硫酸腐蝕加工
を施す部材を少なくすることにより、耐硫酸性の必要の
ない通常に入手可能な一般形鋼を利用でき、大幅なコス
トダウンと硫酸腐蝕に対する信頼性の向上を図ることが
できるようにした脱硫反応器の支持構造が提供される。
を施す部材を少なくすることにより、耐硫酸性の必要の
ない通常に入手可能な一般形鋼を利用でき、大幅なコス
トダウンと硫酸腐蝕に対する信頼性の向上を図ることが
できるようにした脱硫反応器の支持構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる脱硫反応器の支持構造の一実施
の形態によって支持される脱硫反応器を説明する平面図
である。
の形態によって支持される脱硫反応器を説明する平面図
である。
【図2】本発明にかかる脱硫反応器の支持構造の一実施
の形態によって支持される脱硫反応器を説明する図1の
II−II線による断面図である。
の形態によって支持される脱硫反応器を説明する図1の
II−II線による断面図である。
【図3】本発明にかかる脱硫反応器の支持構造の一実施
の形態によって支持される脱硫反応器を説明する図2の
III ―III 線による断面図である。
の形態によって支持される脱硫反応器を説明する図2の
III ―III 線による断面図である。
【図4】本発明にかかる脱硫反応器の支持構造によって
支持される脱硫反応器を用いた排ガスシステムの一実施
の形態を説明する概念図である。
支持される脱硫反応器を用いた排ガスシステムの一実施
の形態を説明する概念図である。
1 脱硫反応器 2 排ガス入口 3 脱硫触媒層 4 排ガス出口 5 ホッパ 6 ホッパ 7 希硫酸貯留層 8 排ガス通路 9、10 空間 11、12 支持梁 13 支持柱 14 支持梁 15 すじかい 101 ボイラ 102 ポンプ 103 ガス−ガスヒータ 104 集塵器 105 導入口 106 吸収塔 107 水の散布器 108 脱硫反応用活性炭素繊維層 109 水の供給器 110 ポンプ 111 硫酸貯留槽 112 ポンプ 113 排出口 114 煙突
Claims (3)
- 【請求項1】 表面に水が付着した脱硫反応用活性炭素
繊維と接触させて、該排ガス中のSO2 をSO3 に酸化
させると共に、該SO3 と該脱硫反応用活性炭素繊維上
の水との反応によって硫酸を生成させる脱硫反応器の支
持構造において、脱硫反応器の荷重がかかる支持梁を脱
硫反応器外の大気雰囲気中に配置したことを特徴とする
脱硫反応器の支持構造。 - 【請求項2】 表面に水が付着した脱硫反応用活性炭素
繊維と接触させて、該排ガス中のSO2 をSO3 に酸化
させると共に、該SO3 と該脱硫反応用活性炭素繊維上
の水との反応によって硫酸を生成させる脱硫反応器の支
持構造において、脱硫反応器の荷重がかかる支持梁及び
支持柱を脱硫反応器外の大気雰囲気中に配置したことを
特徴とする脱硫反応器の支持構造。 - 【請求項3】 脱硫反応器の硫酸貯蔵タンクをホッパ型
とし、上記支持梁をホッパ間の大気雰囲気中に配置する
ようにしたことを特徴とする請求項1又は2の脱硫反応
器の支持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160375A JPH11347365A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 脱硫反応器の支持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160375A JPH11347365A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 脱硫反応器の支持構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11347365A true JPH11347365A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15713618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10160375A Pending JPH11347365A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 脱硫反応器の支持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11347365A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102380312A (zh) * | 2010-07-08 | 2012-03-21 | 气体产品与化学公司 | So2催化氧化和氧燃料酸压缩的集合 |
-
1998
- 1998-06-09 JP JP10160375A patent/JPH11347365A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102380312A (zh) * | 2010-07-08 | 2012-03-21 | 气体产品与化学公司 | So2催化氧化和氧燃料酸压缩的集合 |
CN102380312B (zh) * | 2010-07-08 | 2015-05-06 | 气体产品与化学公司 | So2催化氧化和氧燃料酸压缩的集合 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040416 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040813 |