JPH11345983A - 半導体力学量センサ - Google Patents

半導体力学量センサ

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JPH11345983A
JPH11345983A JP11112370A JP11237099A JPH11345983A JP H11345983 A JPH11345983 A JP H11345983A JP 11112370 A JP11112370 A JP 11112370A JP 11237099 A JP11237099 A JP 11237099A JP H11345983 A JPH11345983 A JP H11345983A
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JP
Japan
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movable
fixed
quantity sensor
silicon substrate
crystal silicon
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JP11112370A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Fujii
哲夫 藤井
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ製造時等において可動電極が固定電極
に張り付いたり、分離不可能に密着してしまう不良事故
を防止する。 【構成】 単結晶シリコン基板8上にSiO2 膜9を介
して単結晶シリコン基板1が接合され、その単結晶シリ
コン基板1は薄膜化されている。単結晶シリコン基板1
には片持ち梁13が形成され、片持ち梁13は単結晶シ
リコン基板1の表面に平行な方向に可動となっている。
片持ち梁13,固定電極14,15,16,17を画定
するトレンチ3内には、片持ち梁13の表面,及び片持
ち梁13と対向する固定電極14,15,16,17の
表面から突出する突起部12aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体力学量センサに
係り、例えば車両等の加速度を検出するのに好適に用い
られる加速度センサにおいてその製造時の歩留りを向上
できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等の加速度や回転方向を検出
するのに用いられる加速度センサとして、日経エレクト
ロニクス1991.11.11(no.540)、P2
23〜P231に提案されるように、表面マイクロマシ
ーニング技術を用いたものが知られている。つまり、シ
リコン基板の上に薄膜のポリシリコン膜を積層して、こ
のポリシリコン膜をエッチングすることにより、基板上
に固定電極部と、該固定電極部に対向するように可動電
極部とを配設し、加速度が加えられたときにこの可動電
極部と固定電極部との離間寸法が加速度に応じて変化す
るのを静電容量の変化として検出する容量型加速度セン
サである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固定電
極部と可動電極部を対向配置させた構造の場合、可動電
極部が固定電極部あるいは基板に対して可動状態とする
工程以降において、相互に近接配置される可動電極部,
固定電極部が固着してしまうという問題がある。表面マ
イクロマシーニング技術は半導体プロセスで一般的なエ
ッチング処理を利用して半導体加工するもので、可動電
極部を固定電極部あるいは基板から可動状態に画定する
エッチング工程の後には、通常、純水洗浄工程と乾燥工
程とが必要となる。ここで、洗浄工程の後に、可動電極
部と固定電極部等との間に洗浄工程で用いた純水(水)
が残存すると、この水を介して固定電極部等に可動電極
部が張り付き易くなり、また、乾燥工程で水の蒸発に伴
い固定電極部等と可動電極部が接近し、該固定電極部等
と可動電極部とが分離不可能に密着してしまうのであ
る。
【0004】このように固定電極部等と可動電極部が密
着してしまうと、製品として使用できず、センサ製造の
歩留りが低下し、生産性を低下させてしまうという問題
がある。
【0005】本発明は上記問題に鑑みなされたもので、
洗浄工程,乾燥工程等の半導体プロセス中における可動
部の固着という不良発生を防止でき、歩留りを向上でき
るようにした半導体力学量センサを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1あるいは2に係る本発明は、互いに対向す
る固定部と可動部との対向面間に、少なくとも一方の対
向面から他方の対向面側に向けて突出する突起部を形成
したことにある。
【0007】
【作用】上記構成により、半導体プロセスにおける洗
浄,乾燥工程で、固定部と可動部の対向面間に水が介在
しても、突起部が各対向面間に微小隙間を確保するか
ら、固定部に可動部が張り付いたり、乾燥工程で各対向
面間が水分蒸発に伴なって接近,密着するのは防止でき
る。
【0008】
【発明の実施形態】(第1実施例)以下、この発明を具
体化した一実施例を図面に従って説明する。
【0009】図1には、加速度センサの平面図を示すと
ともに、図2には図1のA−A断面図を示す。本加速度
センサは容量型加速度センサであり、図2に示すよう
に、単結晶シリコン基板8上にSiO2 膜9を介して単
結晶シリコン基板1が接合され、単結晶シリコン基板1
には同基板1を貫通するトレンチ3により片持ち梁13
と固定部としての固定電極14,15,16,17が区
画形成されている。この片持ち梁13は、トレンチ3の
平面パターン形状により、図1に示すように、その先端
側が2つに分かれた構造とされ、単結晶シリコン基板1
の表面に平行な方向(図1中、C矢印方向)に可動とな
っている。片持ち梁13および固定電極14,15,1
6,17の相互に対向する各々の対向面(図2参照)に
は、各々突起部12aが形成されている。また、単結晶
シリコン基板1において、信号処理回路10がポリシリ
コン膜6及びSiO2 膜5により片持ち梁13とは電気
的に絶縁された状態で形成されている。
【0010】本実施例による容量型加速度センサにおい
ては、片持ち梁13の先端部分(2つに分かれた部分)
が可動電極となるとともに、図1に示すように、この片
持ち梁13の先端部分に対向する単結晶シリコン基板1
が固定電極14,15,16,17となる。又、図1に
示すように、固定電極14と固定電極16とがアルミ配
線層18aにて取り出され、固定電極15と固定電極1
7とがアルミ配線層18bにて取り出され、さらに、片
持ち梁(可動電極)13がアルミ配線層18cにて取り
出されている。このアルミ配線層18a,18b,18
cは信号処理回路10と接続され、この信号処理回路1
0により加速度による片持ち梁(可動電極)13の変位
に伴う信号処理が行われるようになっている。なお、片
持ち梁13(可動電極)及び各々の固定電極14,1
5,16,17は、各々トレンチ3および窓12により
分離されたn+ 拡散層4(図2参照)により、各々電位
が一定に保たれる。
【0011】尚、本実施例では容量型加速度センサとし
たが、片持ち梁13の根元部分の表面にピエゾ抵抗層を
形成すればピエゾ抵抗型の加速度センサとすることがで
きる。勿論、この両タイプのセンサを同一基板内に形成
すれば、さらにその精度、信頼性を向上させることがで
きる。
【0012】また、本実施例の加速度センサは、単結晶
シリコン基板8上にSiO2 膜を介して単結晶シリコン
基板1が接合されてSOI構造となっている。さらに、
片持ち梁13においては、単結晶シリコン基板1の深さ
方向の厚さL1 に対し単結晶シリコン基板1の表面に平
行な方向の幅L2 の方が小さい。よって、片持ち梁13
が単結晶シリコン基板1の表面において表面に平行な方
向に移動可能とされており、基板表面に平行な方向への
加速度が検出される。
【0013】図3〜図10にはその製造工程を示す。以
下に、製造工程を説明する。
【0014】図3に示すように、1〜20Ω・cmのn
型(100)単結晶シリコン基板1を用意し、その主表
面に熱酸化により1μm程度のSiO2 膜2を形成し、
フォトリソグラフィー手法によりSiO2 膜2を所定の
パターンに形成する。続いて、単結晶シリコン基板1の
主表面側において、リアクティブイオンエッチング等に
より所定の深さ、例えば0.2〜30μm程度の垂直の
壁を持つトレンチ3を形成する。本実施例では、約3μ
mの場合で説明する。
【0015】そして、SiO2 膜2を除去した後、図4
に示すように、トレンチ3の内壁を含む単結晶シリコン
基板1の主表面に、リンやヒ素等によるn+ 拡散層4を
形成し、さらに熱酸化等により0.1〜1μmのSiO
2 膜5を形成する。この時、エッチングのダメージを除
去するため、n+ 拡散層4を形成する前にSiO2 を熱
酸化で形成し除去する、いわゆる犠牲酸化を行ってもよ
い。
【0016】続いて、図5に示すように、単結晶シリコ
ン基板1の主表面にポリシリコン膜6を形成して、トレ
ンチ3をポリシリコン膜6にて充填する。尚、ポリシリ
コン膜6をバイアス用導電路として使用すべく同ポリシ
リコン膜6に不純物を導入する場合には、ポリシリコン
膜6を形成する前に薄いポリシリコン層を形成しリン等
を高濃度に拡散しておけばポリシリコン膜6に不純物を
導入することができる。
【0017】次に、図6に示すように、ポリシリコン膜
6の表面を鏡面研磨して所定の厚さのポリシリコン膜6
が残るようする。続いて、ポリシリコン膜6に対しイオ
ン注入等により所定領域にボロンによるp+ 拡散層7を
形成する。
【0018】一方、図7に示すように、もう1枚の(1
00)単結晶シリコン基板8を用意し、その主表面に熱
酸化による0.1〜1.0μmのSiO2 膜9を形成す
る。次に、単結晶シリコン基板1と単結晶シリコン基板
8とを、例えば過酸化水素水と硫酸の混合水溶液中に入
れ、親水性化処理を行う。そして、乾燥後、図8に示す
ように、単結晶シリコン基板1の主表面と単結晶シリコ
ン基板8の主表面とを室温中で重ね合わせ、400〜1
100°Cの炉の中に0.5〜2時間入れ強固な接合を
行う。
【0019】次に、図9に示すように、アルカリ系の水
溶液、例えばKOH溶液等を用いて単結晶シリコン基板
1の裏面側を選択ポリッシングしてSiO2 膜5が現れ
るまで処理する。その結果、単結晶シリコン基板1の厚
さが、例えば、3μm程度となり、薄膜化される。
【0020】そして、図10に示すように、単結晶シリ
コン基板1の所定領域に通常のCMOSプロセス、又は
バイポーラプロセス等を用いて信号処理回路(IC回路
部)10を形成する。尚、図1及び図10においては、
信号処理回路10の一部としてMOSトランジスタのみ
を示す。さらに、信号処理回路10の上面にパッシベー
ション膜11として、例えばプラズマCVD法によるプ
ラズマSiN膜(P−SiN)を形成する。引き続き、
このパッシベーション膜11の所定の領域に窓12を明
ける。この時、窓12の開口幅はトレンチ3の開口幅よ
り小とされており、その結果、突起部12aが窓12内
に形成される。
【0021】そして、図2に示すように、TMAH(テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイト)(C
3 4 NOHの約20%溶液を用いて、単結晶シリコ
ン基板1の裏面側(図2中、上側)からパッシベーショ
ン膜11の窓12を通してポリシリコン膜6をエッチン
グ除去する。このとき、パッシベーション膜11(P−
SiN)、SiO2 膜5,アルミ配線層,p+ 拡散層
(p+ ポリシリコン膜)7は選択的エッチングではほと
んどエッチングされない。
【0022】尚、ポリシリコン膜6のエッチング除去の
際に、図1における片持ち梁13の幅の広い部分にエッ
チング用穴48が設けられ、このエッチング用穴48を
通してポリシリコン膜6をより確実にエッチング除去す
るようにしている。
【0023】その結果、片持ち梁13が形成される。こ
のとき、片持ち梁13は、上述したように、単結晶シリ
コン基板1の深さ方向の厚さL1 に対し単結晶シリコン
基板1の表面に平行な方向の幅L2 の方が小さく設定さ
れており(図2参照)、片持ち梁13の変位可能な方向
が単結晶シリコン基板1の表面に平行な方向に規定され
るようになっている。
【0024】なお、このポリシリコン膜6のエッチング
除去の後に通常の半導体プロセスと同様、純水洗浄工
程,乾燥工程が行われるが、片持ち梁13の変位可能な
方向において、片持ち梁13および固定電極14,1
5,16,17の対向面には、各々先の尖った突起部1
2aが形成されているため、洗浄工程,乾燥工程で片持
ち梁13がいずれか一方の固定電極方向に大きく偏り変
位しても、突起部12a同士が接触して当接し、片持ち
梁13(可動電極)と固定電極間に微小隙間を確保する
ようになっている。すなわち、片持ち梁13(可動電
極)側から各固定電極14,15,16,17側,ある
いはその逆に向けて突出する突起部12aを形成したか
ら、乾燥工程でトレンチ3内に水が介在しても、先の尖
った各突起部12aが互いに相手方の対向電極表面に当
接して微小隙間を確保することができ、この微小隙間か
ら水を逃がすことにより、固定電極に片持ち梁(可動電
極)が張り付いたり、乾燥工程で各電極間の水の蒸発に
伴なって固定電極と片持ち梁(可動電極)が接近し、こ
れらが分離不可能に密着してしまうのを防止できる。従
って、電極間同士の固着による不良品の発生を防止で
き、センサ製造の歩留りを大幅に向上することができ
る。
【0025】また、本実施例では、単結晶シリコン基板
1の主表面に、片持ち梁13および固定電極14,1
5,16,17を画定するための所定深さのトレンチ
(溝)3を形成し、当該トレンチ3をポリシリコン膜6
にて充填した後、他の単結晶シリコン基板8とSiO2
膜(絶縁膜)9を介在させて接合し、信号処理回路10
を集積形成した後、トレンチ3内のポリシリコン膜6を
エッチング除去して可動状態の片持ち梁13を形成する
ようにしている。
【0026】よって、ウェハプロセスの途中における信
号処理回路10の形成プロセスでは、ポリシリコン膜6
により単結晶シリコン基板1の表面部分にはトレンチ3
が埋められており、IC素子の汚染、製造装置への汚
染、それに伴う電気特性の不良や劣化が防止できる。つ
まり、ウェハプロセスはプロセス途中の熱処理、フォト
リソグラフィー処理等においてウェハ表面に凹部や貫通
孔等の表面構造が現れないようにすることにより、コン
タミネーション等を防止してウェハプロセスの安定化を
図り、高精度の加速度センサを安定して供給することが
できる。
【0027】このように製造された加速度センサは、単
結晶シリコン基板8上にSiO2 膜(絶縁膜)9を介し
て接合され、かつ薄膜化された単結晶シリコン基板1
と、単結晶シリコン基板1に形成され、その表面に平行
な方向に可動な片持ち梁13と、単結晶シリコン基板1
に形成され、加速度による片持ち梁13の動作に伴う信
号処理を行う信号処理回路10とを備えている。そし
て、単結晶シリコン基板1の表面に平行な方向に加速度
が作用すると、単結晶シリコン基板1に形成した片持ち
梁13が動作する。その片持ち梁13の動作に伴い単結
晶シリコン基板1に形成した信号処理回路10にて信号
処理が行われる。このようにして、単結晶シリコンを用
いた表面マイクロマシーニング技術により加速度センサ
が形成され、新規な構造にて高精度、高信頼性を図るこ
とができることとなる。
【0028】又、前記片持ち梁13の表面、及び、片持
ち梁13と対向する単結晶シリコン基板1をSiO2
(絶縁体)5にて被覆したので、容量型加速度センサに
おける電極ショートを未然に防止することができる。
尚、片持ち梁13の表面と、片持ち梁13と対向する単
結晶シリコン基板1とは、少なくともいずれかがSiO
2 膜(絶縁体)5にて被覆されていればよい。
【0029】尚、本実施例の応用として、図11,12
に示すように、寄生容量を減らすため片持ち梁13を信
号処理回路(IC回路部)10と切り離し、エアーブリ
ッジ配線としてもよい。又、固定電極14,15,1
6,17も同様な構造にしてもよい。さらに、前記実施
例ではアルミ配線層を用いたがポリシリコン層により配
線部を形成してもよい。さらには、前記実施例では梁の
先端に2つの可動電極を形成するとともに4つの固定電
極14,15,16,17を形成したが、さらに感度を
向上させるために、可動電極部と固定電極部とを櫛歯状
にしてもよい。 (第2実施例)次に、第2実施例を第1実施例との相違
点を中心に説明する。
【0030】前記第1実施例では片持ち梁13を形成す
るために、この部分を単結晶シリコン基板から一定距離
離す目的でp+ 拡散層(p+ ポリシリコン膜)7を形成
したが、本実施例においては、この一定距離離すために
トレンチを形成する前に凹部を形成している。
【0031】図13〜図21にはその製造工程を示す。
図13に示すように、n型(100)単結晶シリコン基
板20を用意し、単結晶シリコン基板20の主表面にド
ライエッチング又はウェットエッチングにより凹部21
を所定の深さ、例えば0.1〜5μmの深さで形成す
る。そして、図14に示すように、単結晶シリコン基板
20の主表面にSiO2 膜22を形成し、フォトリソグ
ラフィー手法によりパターンを形成する。続いて、凹部
21の底部を含む単結晶シリコン基板20の主表面にド
ライエッチング等により0.1〜30μm程度のトレン
チ23を形成する。
【0032】そして、図15に示すように、トレンチ2
3の内壁を含む単結晶シリコン基板20の主表面に、n
+ 拡散層24を形成するとともに、熱酸化によりSiO
2 膜25を形成する。その後、図16に示すように、ト
レンチ23内にLPCVD法によりポリシリコン膜26
を埋め込む。
【0033】引き続き、図17に示すように、SiO2
膜25をストッパーとしてポリシリコン膜26の表面を
研摩し、表面を平滑にする。この時、ポリシリコン膜2
6とSiO2 膜25の表面が平滑になることが望ましい
が、ポリシリコン膜26の部分がへこみぎみになったと
してもSiO2 膜25の表面が平滑になっていれば続い
て行われるウエハ接合において差し支えない。
【0034】一方、図18に示すように、もう1枚の
(100)単結晶シリコン基板27を用意し、その主表
面に熱酸化による0.1〜1.0μmのSiO2 膜28
を形成する。次に、単結晶シリコン基板20,27を、
例えば過酸化水素水と硫酸の混合水溶液中に入れ、親水
性化処理を行う。そして、乾燥後、両単結晶シリコン基
板20,27の主表面を室温中で重ね合わせ、400〜
1100°Cの炉の中に0.5〜2時間入れ強固な接合
を行う。
【0035】次に、図19に示すように、アルカリ系の
水溶液、例えばKOH溶液等を用いて単結晶シリコン基
板20の裏面側を選択ポリッシングしてSiO2 膜25
が現われるまで処理する。その結果、単結晶シリコン基
板20の厚さが、例えば、3μm程度となり、薄膜化さ
れる。
【0036】そして、図20に示すように、通常のCM
OSプロセス、又はバイポーラプロセス等を通して信号
処理回路(IC回路部)10を形成する。さらに、信号
処理回路10の上面にパッシベーション膜11として、
例えばプラズマCVD法によるプラズマSiN膜(P−
SiN膜)を形成する。引き続き、上記第1実施例と同
様、このパッシベーション膜11の所定の領域に窓12
を明けるとともに、突起部12aを配置する。
【0037】そして、図21に示すように、TMAH
(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイト)(C
3 4 NOHの約20%溶液を用いて、単結晶シリコ
ン基板20の裏面側からパッシベーション膜11の窓1
2を通してポリシリコン膜26をエッチング除去する。
このとき、パッシベーション膜11(P−SiN)、S
iO2 膜25,アルミ配線層は選択的エッチングではほ
とんどエッチングされない。その結果、片持ち梁13が
固定電極,単結晶シリコン基板27に対して可動状態で
保持される。
【0038】本実施例によっても上記第1実施例と同様
の効果が奏される。 (第3実施例)上記第1,第2実施例においてはウェハ
接合の前にトレンチ内にポリシリコンを埋め込んだが、
ウェハ接合後に片持ち梁(可動電極),固定電極画定の
為のトレンチ形成を行い、トレンチ内にポリシリコンを
仮埋込みした状態でウエハプロセスを進行させ、最終工
程でこの埋め込んだポリシリコンを除去し、片持ち梁
(可動電極)を可動状態とするようにしてもよい。
【0039】次に、この第3実施例を第1実施例の製法
と相違する点に焦点を当てて説明する。
【0040】図22〜図28には、製造工程を示す。図
22に示すように、n型(100)単結晶シリコン基板
30を用意し、その主表面に深さ0.1〜5μmの凹部
31を形成する。一方、図23に示すように、単結晶シ
リコン基板32を用意し、その主表面に熱酸化によるS
iO2 膜33を形成する。そして、単結晶シリコン基板
30の主表面と単結晶シリコン基板32の主表面とを接
合する。
【0041】さらに、図24に示すように、単結晶シリ
コン基板30の裏面側を所定の厚さ(0.1〜30μ
m)になるまで鏡面研磨する。そして、図25に示すよ
うに、SiO2 膜34を0.1〜2μm形成し、続いて
エッチングによりトレンチ35を形成する。この時、片
持ち梁13が形成される。
【0042】次に、熱拡散法等により、ヒ素やリンのN
型不純物を高濃度に導入し、SiO 2 膜33,34で覆
われていない領域にn+ 高濃度層36を形成する。続い
て、図26に示すように、単結晶シリコン基板30の表
面にポリシリコン膜37を形成してトレンチ35をポリ
シリコン膜37で充填する。その後、図27に示すよう
に、ポリシリコン膜37の表面を選択研磨してSiO2
膜34が表れるまで平坦にする。さらに、図28に示す
ように、信号処理回路10を形成した後、最後に単結晶
シリコン基板30の裏面側(上面側)からポリシリコン
膜37をエッチング除去して片持ち梁13を形成する。
【0043】このように本実施例では、単結晶シリコン
基板30と単結晶シリコン基板32とをSiO2 膜(絶
縁膜)33を介して接合した後、片持ち梁13や固定電
極を画定するための所定深さのトレンチ(溝)35を形
成し、当該トレンチ35をポリシリコン膜37にて充填
した後、信号処理回路を形成し、トレンチ内からポリシ
リコン膜37をエッチング除去して片持ち梁13を可動
状態とするようにしている。
【0044】よって、ウェハプロセスの途中における信
号処理回路10の形成プロセスでは、ポリシリコン膜3
7により単結晶シリコン基板30の上面部分にはトレン
チ35が埋められており、IC素子の汚染、製造装置へ
の汚染、それに伴う電気特性の不良や劣化が防止でき
る。つまり、ウェハプロセスはプロセス途中の熱処理、
フォトリソグラフィー処理等においてウェハ表面に凹部
や貫通孔等の表面構造が現れないようにすることによ
り、コンタミネーション等を防止してウェハプロセスの
安定化を図り、高精度の加速度センサを安定して供給す
ることができる。 (第4実施例)次に、第4実施例を第3実施例との相違
点を中心に説明する。
【0045】本実施例は前記第3実施例に比較してより
安価にセンサを製造し得るものである。図29〜図31
には、製造工程を示す。
【0046】図29に示すように、単結晶シリコン基板
40の主表面に0.1〜2μmのSiO2 膜41を形成
するとともに、このSiO2 膜41を挟んで単結晶シリ
コン基板42を接合する。そして、図30に示すよう
に、単結晶シリコン基板42の上面を研磨して単結晶シ
リコン基板42を所定の厚さにする。つまり、単結晶シ
リコン基板42の厚さを、例えば、3μm程度に薄膜化
する。その後、単結晶シリコン基板42の上面に高濃度
+ 拡散層43を形成し、さらに、その上にSiO2
44を形成する。
【0047】続いて、図31に示すように、単結晶シリ
コン基板42にトレンチ45を形成し、フッ酸溶液によ
りもこのトレンチ45より下層にあるSiO2 膜41を
部分的にエッチング除去する。この時、片持ち梁13と
なる部分の下部のSiO2 膜41は完全に除去される。
【0048】その後の処理は、図26〜図28と同じで
ある。
【0049】次に、この第4の実施例の応用例を図32
〜図34を用いて説明する。図32に示すように、単結
晶シリコン基板40の主表面に0.1〜2μmのSiO
2 膜41を形成するとともに、単結晶シリコン基板42
の主表面の所定領域に深さが0.1〜3μmの凹部47
を形成する。そして、SiO2 膜41を挟んで単結晶シ
リコン基板42の主表面を接合する。さらに、図33に
示すように、単結晶シリコン基板42の上面を研磨して
単結晶シリコン基板42を所定の厚さにする。つまり、
単結晶シリコン基板42の厚さを、例えば、3μm程度
に薄膜化する。その後、単結晶シリコン基板42の上面
に高濃度n+ 拡散層43を形成し、さらに、その上にS
iO2 膜44を形成する。
【0050】続いて、図34に示すように、単結晶シリ
コン基板42に対し凹部47に至るトレンチ45を形成
し、片持ち梁13を形成する。その後の処理は、図26
〜図28と同じである。
【0051】このようにすることにより、図31のよう
にSiO2 膜41を部分的にエッチング除去する場合に
比べ、より確実に電気的絶縁をとることができることと
なる。
【0052】尚、この発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、例えば、片持ち梁構造の他にも、両持ち
梁構造や多数持ち梁構造に対して適用可能である。又、
図35に示すように、単結晶シリコン基板50に対し2
つの加速度センサ13a,13bを形成し、加速度セン
サ13aによりX方向を、加速度センサ13bによりY
方向の加速度を検出するようにしてもよい。さらに、こ
のX,Y方向加速度センサ13a,13bに対し表面垂
直方向に対して加速度を検出可能な加速度センサを同一
基板に形成し、三次元方向の加速度を検知するようにし
てもよい。さらに、容量型として本加速度センサを用い
る場合は、いわゆるサーボ型(閉ループ回路構成)にす
ることにより、より特性の安定化を図ることができる。
【0053】又、上記各実施例ではポリシリコン膜6,
26,37にてトレンチ(溝)3,23,35を充填し
たが、多結晶又は非結質又はそれらの混在したシリコン
膜を用いてもよい。つまり、ポリシリコン又はアモルア
ァスシリコン又はポリシリコンとアモルアァスシリコン
の混在したシリコン膜を用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
互いに対向する固定部と可動部の対向面間に、少なくと
も一方の対向面側から他方の対向面側に向けて突出する
突起部を形成したから、各対向面同士が近接しても対向
面間に微小隙間が確保されることになる。従ってセンサ
の製造時において、半導体加工技術を利用して可動部を
可動状態にした後、通常の半導体プロセス同様、洗浄工
程や乾燥工程を行ったとしても、洗浄工程にて固定部と
可動部の間に水が介在した状態で乾燥を行っても、各対
向面間に設けた突起部によって微小隙間は確保されてお
り、この微小隙間から水を逃すことによって固定部と可
動部とが密着するのを防止でき、不良品の発生を抑えて
歩留りを大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加速度センサの平面図である。
【図2】図1のA−A断面を示す図である。
【図3】第1実施例の製造工程を示す図である。
【図4】製造工程を示す図である。
【図5】製造工程を示す図である。
【図6】製造工程を示す図である。
【図7】製造工程を示す図である。
【図8】製造工程を示す図である。
【図9】製造工程を示す図である。
【図10】製造工程を示す図である。
【図11】第1実施例の応用例を示す平面図である。
【図12】図11のB−B断面を示す図である。
【図13】第2実施例の製造工程を示す図である。
【図14】製造工程を示す図である。
【図15】製造工程を示す図である。
【図16】製造工程を示す図である。
【図17】製造工程を示す図である。
【図18】製造工程を示す図である。
【図19】製造工程を示す図である。
【図20】製造工程を示す図である。
【図21】製造工程を示す図である。
【図22】第3実施例の製造工程を示す図である。
【図23】製造工程を示す図である。
【図24】製造工程を示す図である。
【図25】製造工程を示す図である。
【図26】製造工程を示す図である。
【図27】製造工程を示す図である。
【図28】製造工程を示す図である。
【図29】第4実施例の製造工程を示す図である。
【図30】製造工程を示す図である。
【図31】製造工程を示す図である。
【図32】第4実施例の応用例の製造工程を示す図であ
る。
【図33】製造工程を示す図である。
【図34】製造工程を示す図である。
【図35】別例の加速度センサの平面図である。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板 2 SiO2 膜(絶縁膜) 3 トレンチ(溝) 6 ポリシリコン膜 8 単結晶シリコン基板 9 SiO2 膜(絶縁膜) 10 信号処理回路 12a 突起部 13 片持ち梁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台上に配置され、各々半導体材料から
    形成された可動部および固定部を有する半導体力学量セ
    ンサであって、互いに対向し合う前記可動部および前記
    固定部の対向面のうち少なくとも一方の対向面側には、
    他方の対向面側に向けて突出し、前記可動部と前記固定
    部との間隔を局所的に小さくする突起部が配置されたこ
    とを特徴とする半導体力学量センサ。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板から構成された基台と、 該基台上に設けられ、半導体基板をエッチング加工する
    ことにより基台表面に対して水平方向に互いに分離して
    配置された固定部および可動部と、 前記固定部および前記可動部の互いに対向する各々の対
    向面の少なくとも一方の対向面に配置され、他方の対向
    面側に向けて突出するとともに、前記対向面同士が近接
    しても各対向面間に微小隙間を確保する突起部とを備え
    ることを特徴とする半導体力学量センサ。
  3. 【請求項3】 前記可動部は、前記基台上に固着された
    支持部と、梁構造を介して該支持部と連結されるととも
    に、前記固定部に対向する前記対向面を有する変位部と
    を有し、前記固定部および前記可動部の互いに対向する
    前記各対向面には各々固定電極,可動電極が形成され、
    前記変位部に外力が作用したときに該外力に応じて前記
    固定電極および可動電極が近接,離間するように前記変
    位部が変位することを特徴とする請求項1または2記載
    の半導体力学量センサ。
  4. 【請求項4】 前記固定電極または前記可動電極は、n
    + 型半導体領域であることを特徴とする請求項3記載の
    半導体力学量センサ。
  5. 【請求項5】 前記固定電極,可動電極の少なくとも一
    方は絶縁膜で被覆されていることを特徴とする請求項3
    または4記載の半導体力学量センサ。
  6. 【請求項6】 前記固定部,可動部を構成する半導体材
    料は単結晶半導体であることを特徴とする請求項3乃至
    5の何れかに記載の半導体力学量センサ。
  7. 【請求項7】 前記半導体力学量センサは前記変位部の
    変位時に変化する前記可動電極と前記固定電極との間の
    容量変化に応じた信号を出力する容量型力学量センサで
    あることを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の
    半導体力学量センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008026252A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Sakamoto Electric Mfg Co Ltd デバイスの製造方法及びこれを用いた傾斜センサ

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