JPH11344145A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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Publication number
JPH11344145A
JPH11344145A JP15291998A JP15291998A JPH11344145A JP H11344145 A JPH11344145 A JP H11344145A JP 15291998 A JP15291998 A JP 15291998A JP 15291998 A JP15291998 A JP 15291998A JP H11344145 A JPH11344145 A JP H11344145A
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JP
Japan
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valve
flow rate
main valve
fluid passage
small flow
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Application number
JP15291998A
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English (en)
Inventor
Noburu Kasai
宣 笠井
Hisashi Komaki
久司 古牧
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Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開弁時、閉弁時の衝撃圧を充分に低減するこ
と。 【解決手段】 パイロット弁26が開弁することにより
生じる、チャンバ22の内の冷媒の圧力と流体通路の上
流側の冷媒圧力との圧力差、及び、チャンバ22の内の
冷媒の圧力と流体通路の下流側の冷媒圧力との圧力差に
よって主弁18を開弁させる電磁弁において、主弁18
が弁座口16を全閉する全閉位置から所定量リフトし
て、弁座口16を主弁18が全開する全開位置よりも全
閉位置寄りの序動完了位置に主弁18が至るまでの間、
弁座口16内に位置し、弁座口16の口径よりも小径に
形成された小流量設定用弁部40を、主弁18に設け、
主弁18が全閉位置から序動完了位置に至る間、流体通
路の上流側と下流側との間における流体流量を、パイロ
ット通路24の断面積と、弁座口16及び小流量設定用
弁部40の間に形成される環状間隙の断面積とにより決
まる小流量に制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷房装置における
冷媒回路等に設けられる電磁弁、特に、パイロット弁方
式の電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、冷房装置においては、一般に、
冷媒回路の凝縮器及びレシーバから蒸発器への冷媒の供
給量を調整する温度膨張弁等の絞り弁と、この絞り弁よ
りも凝縮器及びレシーバ側において冷媒回路を開閉する
電磁弁とが冷媒回路中に設けられており、冷房温度の設
定に応じて、或は、被冷房空間において実際に測定した
温度に応じて、絞り弁を開閉させると共に、冷房装置の
オン・オフに応じて電磁弁を開閉させるようにしてい
る。
【0003】上述のような用途で使用される電磁弁とし
て、パイロット弁方式のものが知られている。パイロッ
ト弁方式の電磁弁を図6を参照して説明する。
【0004】電磁弁は全体を符号10Aにより示されて
いる。電磁弁10Aは、流体通路の上流側(高圧側)の
流入口12と下流側(低圧側)とを流出口14と連通す
る弁座口16を開閉する主弁18と、この主弁18が収
容されるチャンバ22と、この主弁18を開弁方向に付
勢するばね20と、主弁18に貫設されたパイロット弁
26と、パイロット弁26を開閉駆動すると共に主弁1
8を閉弁駆動する電磁装置28とを有している。
【0005】そして、主弁18の外周面と主弁18を収
容するチャンバ22の内周面との間には、環状間隙38
が設けられており、この環状間隙38を介して、前記流
体通路の上流側、すなわち、流入口12とチャンバ22
とが連通し、また、このチャンバ22と前記流体通路の
下流側、すなわち、流出口14との間が、パイロット弁
26により開放されたパイロット通路24によって連通
するように構成されている。
【0006】電磁装置28は、電磁コイル30と、固定
吸引子32と、プランジャ34と、戻しばね36とによ
り構成され、プランジャ34にパイロット弁26が一体
に設けられている。
【0007】上述のような構成による電磁弁10Aで
は、電磁コイル30に通電が行われることによりパイロ
ット弁26が開弁し、このパイロット弁26の開弁によ
りパイロット通路24が連通状態になり、チャンバ22
の内の冷媒の圧力と前記流体通路の上流側の冷媒圧力と
の圧力差、及び、チャンバ22の内の冷媒の圧力と前記
流体通路の下流側の冷媒圧力との圧力差によって主弁1
8が開弁する。
【0008】尚、ばね20のばね圧は、主弁18が弁座
口16から離間する際の初期動作力を付与するのに働く
のみで、主弁18の開弁動作に本質的に関わって作用す
る性質のものではない。
【0009】この場合、チャンバ22の前記流体通路の
下流側との圧力差の低下は、チャンバ22のパイロット
通路24の通路断面積が小さいことにより、徐々に行わ
れ、このことにより、主弁18の開弁が一般的な直動式
の電磁開閉弁に比してゆっくりと行われる。
【0010】これにより、電磁弁10Aが急激に開弁す
ることによる流体の急激な流れによって衝撃音が発生す
ることを回避することができる。特に、冷房装置の冷媒
回路での使用では、電磁弁10Aが急激に開弁すると、
これにより下流側にある温度膨張弁等に高圧冷媒が一気
に流れ込み、所謂ウォータハンマ現象による衝撃圧によ
って大きい衝撃音が生じるから、主弁18を徐動開弁さ
せることは、冷房装置運転の静音性を考慮する上で、重
要なことである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の電
磁弁10Aでは、主弁18の開弁が一般的な直動式の電
磁開閉弁との比較ではゆっくりと行われるものの、主弁
18が弁座面より僅かに離れた段階で開口面積が一気に
大きくなり、しかも主弁18が開弁した直後から弁座口
16の開口度が全閉位置よりのリフト量の増大に応じて
比例的に増加するから、パイロット通路24の通路断面
積を小さくしても、主弁18の徐動開弁時間、換言すれ
ば、電磁弁10Aの流量を小流量に保つ時間を充分に確
保できないことがあり、電磁弁10Aの開弁時における
衝撃圧を充分に低減することができないという不具合が
ある。
【0012】特に、流体通路の上流側と下流側との圧力
差が大きい場合には、主弁18を徐動開弁時間を充分に
確保することが難しく、充分なウォータハンマ現象低減
効果(衝撃圧低減効果)を得ることが難しくなり、冷房
装置運転の静音性を保つことが難しくなる。
【0013】また、上述のような従来の電磁弁10Aで
は、閉弁動作については、流量を徐々に低減することに
ついて、何等、対策がなされていない。このため、冷房
装置の冷媒回路での使用では、電磁弁10Aが急激に閉
弁すると、これにより上流側にある液レシーバや凝縮器
における冷媒の流れが急激に止まり、このことによって
も衝撃音が生じ、冷房装置運転の静音性を保つことが難
しくなる。
【0014】尚、衝撃圧低減対策として、大小二つの電
磁弁を互いに並列に接続し、始めに小流量側の電磁弁の
みを開弁し、その後に大流量側の電磁弁を開弁する等、
大小二つの電磁弁の開弁に時間差を与えることにより、
開弁時、閉弁時における衝撃圧を低減することが考えら
る。しかし、この場合には、大小二つの電磁弁が必要に
なり、また弁開閉の制御系も複雑なものになる。
【0015】この発明は、上述のような問題点を解消す
るためになされたもので、大小二つの電磁弁が設けられ
た場合と同等の効果を一つの電磁弁で得ることでき、開
弁時、閉弁時の衝撃圧を充分に低減することでき、静音
性に優れた電磁弁を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明による電磁弁は、流体通路
の上流側と下流側とを連通する弁座口を開閉する主弁
と、前記主弁に形成されて当該主弁を収容し前記流体通
路の上流側と連通しているチャンバと前記流体通路の下
流側とを連通するパイロット通路を開閉するパイロット
弁と、前記パイロット弁を開閉駆動すると共に前記主弁
を閉弁駆動する電磁装置とを有し、前記パイロット弁が
開弁することにより生じる、前記チャンバと前記流体通
路の下流側との圧力差の変動によって主弁を開弁させる
電磁弁において、前記主弁は、当該主弁が前記弁座口を
全閉する全閉位置から所定量リフトして、前記弁座口を
前記主弁が全開する全開位置よりも前記全閉位置寄りの
序動完了位置に前記主弁が至るまでの間において、前記
弁座口内に位置し、前記弁座口の口径よりも小径に形成
された小流量設定用弁部を有しており、前記主弁が前記
全閉位置から前記序動完了位置に至る間においては、前
記流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体の流量
を、前記パイロット通路の断面積と、前記弁座口と前記
小流量設定用弁部との間に形成される環状間隙の断面積
とにより決まる小流量に制限するものである。
【0017】請求項2に記載の発明による電磁弁は、請
求項1に記載の発明による電磁弁において、前記小流量
設定用弁部はストレート軸状をなし、前記主弁が前記全
閉位置から前記序動完了位置に至る間においては、前記
流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体の流量が
略一定であるものである。
【0018】請求項3に記載の発明による電磁弁は、請
求項1に記載の発明による電磁弁において、前記小流量
設定用弁部は先細のテーパ軸状をなし、前記主弁が前記
全閉位置から前記序動完了位置に至る間においては、前
記流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体の流量
が徐々に増加するものである。
【0019】請求項4に記載の発明による電磁弁は、請
求項1に記載の発明による電磁弁において、前記小流量
設定用弁部には先細部分が設けられており、前記主弁が
前記全閉位置から前記序動完了位置に至る間であって、
前記先細部分が前記弁座口の開口端を通過する間におい
ては、前記流体通路の上流側と下流側との間に流れる流
体の流量が徐々に増加するものである。
【0020】請求項1に記載の発明による電磁弁では、
主弁が全閉位置より序動完了位置に至る間においては、
小流量設定用弁部が弁座口内に位置し、流体通路の上流
側と下流側との間に流れる流体の流量が、パイロット通
路の断面積と、前記弁座口と小流量設定用弁部との間に
形成される環状間隙の断面積とにより決まる小流量に制
限される。
【0021】請求項2に記載の発明による電磁弁では、
小流量設定用弁部がストレート軸状をなしていることに
より、主弁が全閉位置より序動完了位置に至る間におい
ては、流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体の
流量が略一定の小流量に保たれる。
【0022】請求項3に記載の発明による電磁弁では、
小流量設定用弁部が先細のテーパ軸状をなしていること
により、主弁が全閉位置より序動完了位置に至る間にお
いては、流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体
の流量が、小流量で、徐々に増加する。
【0023】請求項4に記載の発明による電磁弁では、
小流量設定用弁部に先細部分が設けられていることによ
り、主弁が全閉位置より序動完了位置に至る間であっ
て、先細部分が弁座口の開口端を通過する間において
は、流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体の流
量が、小流量で、徐々に増加する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明す
るこの発明の実施の形態において上述の従来例と同一構
成の部分は、上述の従来例に付した符号と同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0025】(実施の形態1)図1、図2はこの発明に
よる電磁弁の実施の形態1を示している。
【0026】図1、図2中全体符号10で示す電磁弁の
主弁18は、弁座口16の側に、弁座口16の口径より
小径のストレート軸状の小流量設定用弁部40を有して
おり、小流量設定用弁部40の基端側の周りに延在する
環状段差面42が弁座口16の周りの弁座面44に当接
することにより、弁閉状態を得るようにしている。
【0027】小流量設定用弁部40は、主弁18が全閉
位置より序動完了位置に至る間において弁座口16内に
位置し、主弁18が序動完了位置を超えて開弁すること
により、弁座口16より抜け出すようになっている。こ
れにより、小流量設定用弁部40は、主弁18が全閉位
置より序動完了位置に至る間においては、弁座口16と
の間に、小流量設定用弁部40の外径と弁座口16の口
径との差による環状間隙46を画定する。
【0028】ここで、弁座口16の口径をDv、小流量
設定用弁部40の外径をDs、主弁18に貫通形成され
ているパイロット通路24の通路径Dp、とすると、D
v>>Ds>>Dpである。
【0029】次に、上述の構成による電磁弁の動作につ
いて説明する。
【0030】電磁装置28の電磁コイル30に通電が行
われてない時には、図1、図2(a)に示されているよ
うに、戻しばね36のばね力により、プランジャ34が
押し下げられ、パイロット弁26が主弁18と当接して
パイロット通路24を閉じ、主弁18がばね20のばね
力に抗して押し下げられて環状段差面42が弁座面44
と当接し、弁座口16を弁閉とする。この状態下では、
小流量設定用弁部40は弁座口16内に進入している。
また、チャンバ22の内圧は、概ね、上流側圧力(流入
口12の圧力)と同じ圧力になっており、この圧力によ
って、主弁18は全閉位置に保持される。
【0031】電磁装置28の電磁コイル30に通電が行
われると、図2(b)に示されているように、プランジ
ャ34が戻しばね36のばね力に抗して最上位位置にま
で上昇し、この上昇移動によりパイロット弁26が主弁
18より離れ、パイロット通路24が開かれる。パイロ
ット通路24が開かれることにより、チャンバ22内の
冷媒等がパイロット通路24を通って下流側に流れる。
【0032】すると、この流量に応じて、流入口12側
とチャンバ22との圧力差が徐々に増大すると共に、チ
ャンバ22と流出口14側との圧力差が徐々に低減し、
これらの圧力差のバランスの変化によって、ばね20の
ばね力を初期動作力として主弁18が弁座口16から離
間する方向に移動し、主弁18の環状段差面42が弁座
面44より離れ、弁座口16が開かれる。
【0033】この時の弁座口16を流れる流体の流量
は、弁座口16の口径Dvと小流量設定用弁部40の外
径Dsとの差による環状間隙46の面積により決まる小
流量に制限される。この状態は、小流量設定用弁部40
の全体が弁座口16より抜け出す序動完了位置にまで主
弁18が上昇移動するまで維持される。
【0034】従って、主弁18が全閉位置より序動完了
位置に至るまでは、流量は、パイロット通路24の断面
積と、弁座口16と小流量設定用弁部40との間に形成
される環状間隙46の断面積とにより決まる略一定の小
流量に制限される。
【0035】これにより、電磁弁10の流量を略一定の
小流量に保つ時間を充分に確保でき、開弁時に、衝撃圧
低減効果が得られ、衝撃圧を充分に低減でき、流体の急
激な流れによる衝撃音の発生を確実に回避できる。
【0036】この後に、主弁18のリフト位置が上述の
序動完了位置を超えると、図2(c)に示されているよ
うに、小流量設定用弁部40の全体が弁座口16より抜
け出すことにより、全開状態になり、弁座口16の口径
Dvにより決まる最大流量で流体が流れるようになる。
【0037】上述のような開弁動作における弁リフト量
と流量との関係は、図3の実線Aにより示される。図3
において、符号Lsは小流量区間であり、この区間長
は、小流量設定用弁部40の軸長により決まり、小流量
設定用弁部40の軸長の選定により、要求特性に応じた
適当値に設定することができる。
【0038】なお、図3の破線Bは従来の電磁弁におけ
る弁リフト量と流量との関係を示している。
【0039】図3の実線Aと破線Bとの比較からも、こ
の発明による電磁弁10では、流量を略一定の小流量に
保つ時間を充分に確保し、充分な衝撃圧低減効果が得れ
ることが分かる。
【0040】閉弁動作は、電磁装置28の電磁コイル3
0に対する通電を停止することにより行われる。電磁コ
イル30に対する通電が停止されると、戻しばね36の
ばね力によってプランジャ34が降下し、パイロット弁
26が主弁18と当接してパイロット通路24を閉じ、
更にプランジャ34が降下するこにより、主弁18がば
ね20のばね力に抗して降下する。
【0041】この主弁18の降下において、まず、小流
量設定用弁部40が弁座口16内に進入することによ
り、流量が弁座口16の口径Dvと小流量設定用弁部4
0の外径Dsとの差による環状間隙46の面積により決
まる小流量に制限され、この後に環状段差面42が弁座
面44に当接し、弁座口16が完全に閉じられる。
【0042】これにより、閉弁時も、図3に示されてい
る開弁時の弁リフト量・流量特性Aと同じような弁リフ
ト量・流量特性が得られ、閉弁時も、衝撃圧低減効果が
得られ、衝撃圧を充分に低減でき、流体の急激な流れに
よる衝撃音の発生を回避できる。
【0043】なお、この発明による電磁弁10でも、主
弁18の開弁速度を遅くし、徐動作用を得るために、パ
イロット通路24の通路径Dpを小さくことが好まし
い。また、流量設定用弁部40を設けたことにより、電
磁装置28のプランジャリスト量が大きくなり、電磁装
置28の作用電圧は高くなる傾向になるが、パイロット
通路24の通路径Dpを小さくすることは、電磁装置2
8の作用電圧を下げるように作用する。また、パイロッ
ト通路24の通路径Dpを、使用最高圧力において弁開
可能な最小の径に設定した場合に、最大のウォータハン
マ現象低減効果が得られる。
【0044】(実施の形態2)図4はこの発明による電
磁弁の実施の形態2を示している。なお、図4におい
て、図1、図2に対応する部分は、図1、図2に付した
符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0045】この実施の形態2では、小流量設定用弁部
40が先細のテーパ軸状に形成されており、この小流量
設定用弁部40も、主弁18が全閉位置より序動完了位
置に至る間において弁座口16内に位置し、主弁18が
序動完了位置を超えて開弁することにより、弁座口16
より抜け出すようになっている。
【0046】従って、実施の形態1では、小流量設定用
弁部40がストレート軸状で、主弁18が全閉位置より
序動完了位置に至る間において環状間隙46の面積が変
化せず、小流量区間Lsの流量が略一定であるのに対し
て、実施の形態2では、小流量設定用弁部40が先細の
テーパ軸であることから、主弁18が全閉位置より序動
完了位置に至る間においてリフト量の増大に応じて環状
間隙46の面積が徐々に増大し、小流量区間Lsの流量
が、図3の二点鎖線Cにより示されているように徐々に
増大する。
【0047】実施の形態2のものでも、従来のものに比
して電磁弁10の流量を一定の小流量に保つ時間を充分
に確保でき、開弁時に、衝撃圧低減効果が得られ、衝撃
圧を充分に低減でき、流体の急激な流れによる衝撃音の
発生を確実に回避できる。また、実施の形態2のもので
も、実施の形態1のものとほぼ同様に、閉弁時も、衝撃
圧低減効果が得られ、衝撃圧を充分に低減でき、流体の
急激な流れによる衝撃音の発生を確実に回避できる。
【0048】また、実施の形態2のものでは、小流量設
定用弁部40が弁座口16より抜け出した後の流量の増
加量を実施の形態1の場合も少なくでき、これらの特
性、換言すれば、小流量設定用弁部40の形状、大き
さ、長さは、要求特性に応じて設定されればよい。
【0049】(実施の形態3)図5はこの発明による電
磁弁の実施の形態3を示している。なお、図5におい
て、図1、図2に対応する部分は、図1、図2に付した
符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0050】この実施の形態3では、小流量設定用弁部
40の全体が、断面曲面状を呈する周面の先細部として
形成されており、この小流量設定用弁部40も、主弁1
8が全閉位置より序動完了位置に至る間において弁座口
16内に位置し、主弁18が序動完了位置を超えて開弁
することにより、弁座口16より抜け出すようになって
いる。
【0051】従って、実施の形態3では、実施の形態2
と同様に、小流量設定用弁部40が断面曲面状を呈する
周面の先細部として形成されてていることから、主弁1
8が全閉位置より序動完了位置に至る間においてリフト
量の増大に応じて環状間隙46の面積が徐々に増大し、
小流量区間Lsの流量が徐々に増大する。
【0052】しかも、実施の形態3では、小流量設定用
弁部40が断面曲面状を呈する周面に形成されているこ
とから、実施の形態2のような、小流量設定用弁部40
の中心軸に対して周面が一定の傾斜を有するテーパ軸状
の小流量設定用弁部40のように、リフト量の増大に応
じて環状間隙46の面積が徐々に増大する度合いが常に
一定ではなく、環状間隙46の面積が増大する度合い
は、図3の一点鎖線Dにより示されているように、リフ
ト量が増大するほど大きくなる。
【0053】この実施の形態3のものでも、実施の形態
2のものと同様に、従来のものに比して電磁弁10の流
量を一定の小流量に保つ時間を充分に確保でき、開弁時
に、衝撃圧低減効果が得られ、衝撃圧を充分に低減で
き、流体の急激な流れによる衝撃音の発生を確実に回避
できる。また、実施の形態2のものでも、実施の形態1
のものとほぼ同様に、閉弁時も、衝撃圧低減効果が得ら
れ、衝撃圧を充分に低減でき、流体の急激な流れによる
衝撃音の発生を確実に回避できる。
【0054】また、実施の形態2のものや実施の形態3
のものでは、小流量設定用弁部40が弁座口16より抜
け出した後の流量の増加量を実施の形態1の場合よりも
少なくでき、主弁18が全閉位置より序動完了位置に至
る間の流量変化の特性は、実施の形態2のものの場合は
テーパ角度を変えたり、テーパ状とする部分を例えば小
流量設定用弁部40の先端寄りの一部とすることで、ま
た、実施の形態3のものの場合は曲率を変えたり、断面
曲面状を呈する周面に形成する部分を例えば小流量設定
用弁部40の先端寄りの一部とすることで、各々変化さ
せることができる。
【0055】即ち、小流量設定用弁部40の形状、大き
さ、長さ等は、主弁18が全閉位置より序動完了位置に
至る間の流量変化の要求される特性に応じて設定すれば
よい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明の電磁弁によれば、流体通路の上流側と下流側と
を連通する弁座口を開閉する主弁と、前記主弁に形成さ
れて当該主弁を収容し前記流体通路の上流側と連通して
いるチャンバと前記流体通路の下流側とを連通するパイ
ロット通路を開閉するパイロット弁と、前記パイロット
弁を開閉駆動すると共に前記主弁を閉弁駆動する電磁装
置とを有し、前記パイロット弁が開弁することにより生
じる、前記チャンバと前記流体通路の下流側との圧力差
の変動によって主弁を開弁させる電磁弁において、前記
主弁は、当該主弁が前記弁座口を全閉する全閉位置から
所定量リフトして、前記弁座口を前記主弁が全開する全
開位置よりも前記全閉位置寄りの序動完了位置に前記主
弁が至るまでの間において、前記弁座口内に位置し、前
記弁座口の口径よりも小径に形成された小流量設定用弁
部を有しており、前記主弁が前記全閉位置から前記序動
完了位置に至る間においては、前記流体通路の上流側と
下流側との間に流れる流体の流量を、前記パイロット通
路の断面積と、前記弁座口と前記小流量設定用弁部との
間に形成される環状間隙の断面積とにより決まる小流量
に制限するものとした。
【0057】このため、主弁が全閉位置より序動完了位
置に至る間においては、小流量設定用弁部が弁座口内に
位置し、流体通路の上流側と下流側との間に流れる流体
の流量が、パイロット通路の断面積と、前記弁座口と小
流量設定用弁部との間に形成される環状間隙の断面積と
により決まる小流量に制限される。
【0058】従って、電磁弁の流量を小流量に保つ時間
を充分に確保でき、衝撃圧低減効果が得られ、衝撃圧を
充分に低減でき、流体の急激な流れによる衝撃音の発生
を確実に回避できる。
【0059】請求項2に記載の発明による電磁弁によれ
ば、前記小流量設定用弁部はストレート軸状をなし、前
記主弁が前記全閉位置から前記序動完了位置に至る間に
おいては、前記流体通路の上流側と下流側との間に流れ
る流体の流量が略一定であるものとした。
【0060】このため、電磁弁の流量を略一定の小流量
に保つ時間を充分に確保でき、衝撃圧低減効果が得ら
れ、衝撃圧を充分に低減でき、流体の急激な流れによる
衝撃音の発生を確実に回避できる。
【0061】請求項3に記載の発明による電磁弁によれ
ば、前記小流量設定用弁部は先細のテーパ軸状をなし、
前記主弁が前記全閉位置から前記序動完了位置に至る間
においては、前記流体通路の上流側と下流側との間に流
れる流体の流量が徐々に増加するものとした。
【0062】このため、主弁が全閉位置より序動完了位
置に至る間においては、流体通路の上流側と下流側との
間に流れる流体の流量が、小流量で、徐々に増加し、電
磁弁の流量を小流量に保つ時間を充分に確保でき、衝撃
圧低減効果が得られ、衝撃圧を充分に低減でき、流体の
急激な流れによる衝撃音の発生を確実に回避できる。
【0063】請求項4に記載の発明による電磁弁によれ
ば、前記小流量設定用弁部には先細部分が設けられてお
り、前記主弁が前記全閉位置から前記序動完了位置に至
る間であって、前記先細部分が前記弁座口の開口端を通
過する間においては、前記流体通路の上流側と下流側と
の間に流れる流体の流量が徐々に増加するものとした。
【0064】このため、主弁が全閉位置より序動完了位
置に至る間であって、小流量設定用弁部の先細部分が前
記弁座口の開口端を通過する間においては、流体通路の
上流側と下流側との間に流れる流体の流量が、小流量
で、徐々に増加し、電磁弁の流量を小流量に保つ時間を
充分に確保でき、衝撃圧低減効果が得られ、衝撃圧を充
分に低減でき、流体の急激な流れによる衝撃音の発生を
確実に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電磁弁の実施の形態1を示す全
体断面図である。
【図2】(a)〜(c)は各々実施の形態1の電磁弁の
要部を異なった動作状態について示す拡大断面図であ
る。
【図3】この発明による電磁弁と従来の電磁弁の弁リフ
ト量・流量特性を示すグラフである。
【図4】この発明による電磁弁の実施の形態2の要部の
拡大断面図である。
【図5】この発明による電磁弁の実施の形態3の要部の
拡大断面図である。
【図6】従来例の電磁弁を示す全体断面図である。
【符号の説明】
10 電磁弁 12 流入口 14 流出口 16 弁座口 18 主弁 20 ばね 22 チャンバ 24 パイロット通路 26 パイロット弁 28 電磁装置 30 電磁コイル 32 固定吸引子 34 プランジャ 36 戻しばね 38 環状間隙 40 小流量設定用弁部 42 環状段差面 44 弁座面 46 環状間隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体通路の上流側と下流側とを連通する
    弁座口を開閉する主弁と、前記主弁に形成されて当該主
    弁を収容し前記流体通路の上流側と連通しているチャン
    バと前記流体通路の下流側とを連通するパイロット通路
    を開閉するパイロット弁と、前記パイロット弁を開閉駆
    動すると共に前記主弁を閉弁駆動する電磁装置とを有
    し、前記パイロット弁が開弁することにより生じる、前
    記チャンバと前記流体通路の下流側との圧力差の変動に
    よって主弁を開弁させる電磁弁において、 前記主弁は、当該主弁が前記弁座口を全閉する全閉位置
    から所定量リフトして、前記弁座口を前記主弁が全開す
    る全開位置よりも前記全閉位置寄りの序動完了位置に前
    記主弁が至るまでの間において、前記弁座口内に位置
    し、前記弁座口の口径よりも小径に形成された小流量設
    定用弁部を有しており、 前記主弁が前記全閉位置から前記序動完了位置に至る間
    においては、前記流体通路の上流側と下流側との間に流
    れる流体の流量を、前記パイロット通路の断面積と、前
    記弁座口と前記小流量設定用弁部との間に形成される環
    状間隙の断面積とにより決まる小流量に制限する、 ことを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記小流量設定用弁部はストレート軸状
    をなし、前記主弁が前記全閉位置から前記序動完了位置
    に至る間においては、前記流体通路の上流側と下流側と
    の間に流れる流体の流量が略一定であることを特徴とす
    る請求項1に記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記小流量設定用弁部は先細のテーパ軸
    状をなし、前記主弁が前記全閉位置から前記序動完了位
    置に至る間においては、前記流体通路の上流側と下流側
    との間に流れる流体の流量が徐々に増加することを特徴
    とする請求項1に記載の電磁弁。
  4. 【請求項4】 前記小流量設定用弁部には先細部分が設
    けられており、前記主弁が前記全閉位置から前記序動完
    了位置に至る間であって、前記先細部分が前記弁座口の
    開口端を通過する間においては、前記流体通路の上流側
    と下流側との間に流れる流体の流量が徐々に増加するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
JP15291998A 1998-06-02 1998-06-02 電磁弁 Pending JPH11344145A (ja)

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