JPH11343381A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH11343381A JPH11343381A JP15085398A JP15085398A JPH11343381A JP H11343381 A JPH11343381 A JP H11343381A JP 15085398 A JP15085398 A JP 15085398A JP 15085398 A JP15085398 A JP 15085398A JP H11343381 A JPH11343381 A JP H11343381A
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 難燃性で、耐熱性と耐衝撃性をバランスよく
具備した熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂50〜9
0重量%及びポリフェニレンエーテル系樹脂50〜10
重量%からなる樹脂混合物100重量部、(B)同一分
子内に、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックと
共役ジエン化合物からなる重合体ブロックとを有するブ
ロック共重合体又はその部分水素添加物における共役ジ
エン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したエポキ
シ変性ブロック共重合体1〜20重量部並びに(C)難
燃剤2〜50重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
具備した熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂50〜9
0重量%及びポリフェニレンエーテル系樹脂50〜10
重量%からなる樹脂混合物100重量部、(B)同一分
子内に、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックと
共役ジエン化合物からなる重合体ブロックとを有するブ
ロック共重合体又はその部分水素添加物における共役ジ
エン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したエポキ
シ変性ブロック共重合体1〜20重量部並びに(C)難
燃剤2〜50重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OA機器、通信機
器、家電製品用ハウジング、シャーシその他部材等又は
自動車用部材等の素材として有用な熱可塑性樹脂組成物
に関する。
器、家電製品用ハウジング、シャーシその他部材等又は
自動車用部材等の素材として有用な熱可塑性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】耐衝撃
性ポリスチレン(HIPS)に代表されるゴム変性スチ
レン系樹脂は、成形性、寸法安定性、耐衝撃性、剛性、
さらには電気特性に優れていることから、家電部品、O
A機器部品用途に広く使用されている。ところがこれら
の用途に使用する合成樹脂材料には難燃性が必要である
ため、臭素又は塩素系のハロゲン系難燃剤のような外添
難燃剤が配合されている。このような難燃剤は、難燃化
の効果は比較的大きいが、加工時又は燃焼時に腐食性や
有毒性のガスが発生するという問題を有する。環境問題
に対する関心が高まるなか、これらの問題点を解決する
方法として、臭素や塩素系のハロゲン化合物を使用しな
い難燃化方法が検討されている。
性ポリスチレン(HIPS)に代表されるゴム変性スチ
レン系樹脂は、成形性、寸法安定性、耐衝撃性、剛性、
さらには電気特性に優れていることから、家電部品、O
A機器部品用途に広く使用されている。ところがこれら
の用途に使用する合成樹脂材料には難燃性が必要である
ため、臭素又は塩素系のハロゲン系難燃剤のような外添
難燃剤が配合されている。このような難燃剤は、難燃化
の効果は比較的大きいが、加工時又は燃焼時に腐食性や
有毒性のガスが発生するという問題を有する。環境問題
に対する関心が高まるなか、これらの問題点を解決する
方法として、臭素や塩素系のハロゲン化合物を使用しな
い難燃化方法が検討されている。
【0003】かかる難燃化方法として、ビニル芳香族樹
脂、ポリフェニレンエーテル、有機リン化合物、トリア
ジン及び/又はその誘導体より選ばれる含窒素化合物よ
りなる難燃性樹脂組成物が提案されている(特開昭54
−38348号公報、特開昭54−38349号公
報)。しかし、前記公報に記載の樹脂組成物は、難燃性
及び耐熱性は優れているものの、難燃剤が多量に用いら
れているため、耐衝撃性を大幅に低下させるという問題
を有している。
脂、ポリフェニレンエーテル、有機リン化合物、トリア
ジン及び/又はその誘導体より選ばれる含窒素化合物よ
りなる難燃性樹脂組成物が提案されている(特開昭54
−38348号公報、特開昭54−38349号公
報)。しかし、前記公報に記載の樹脂組成物は、難燃性
及び耐熱性は優れているものの、難燃剤が多量に用いら
れているため、耐衝撃性を大幅に低下させるという問題
を有している。
【0004】さらに特開平6−88018号公報には、
難燃性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物が開示されてい
るが、ポリフェニレンエーテルを完全溶解させず、微粒
子を分散状態に抑えているため、熱変形温度が上がりに
くく、製品外観が不安定で光沢も出にくいという問題が
ある。
難燃性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物が開示されてい
るが、ポリフェニレンエーテルを完全溶解させず、微粒
子を分散状態に抑えているため、熱変形温度が上がりに
くく、製品外観が不安定で光沢も出にくいという問題が
ある。
【0005】またUSP4167507号及び特開平7
−25984号公報には、それぞれポリフェニレンエー
テル又は変性ポリフェニレンエーテルの耐衝撃性を向上
させるために、水添ブロック共重合体とエポキシ変性ブ
ロック共重合体とを組み合わせることが開示されてい
る。しかし、これらの発明は、いずれも耐衝撃性と難燃
性の両方を改善するものではない。
−25984号公報には、それぞれポリフェニレンエー
テル又は変性ポリフェニレンエーテルの耐衝撃性を向上
させるために、水添ブロック共重合体とエポキシ変性ブ
ロック共重合体とを組み合わせることが開示されてい
る。しかし、これらの発明は、いずれも耐衝撃性と難燃
性の両方を改善するものではない。
【0006】本発明は、上記のような問題点のない、難
燃性と耐衝撃性をバランスよく具備し、成形品の耐熱性
及び外観も良好な熱可塑性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
燃性と耐衝撃性をバランスよく具備し、成形品の耐熱性
及び外観も良好な熱可塑性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を進めた結果、特定のポリマー成分の組み合わせにより
耐衝撃性を向上させると共に、難燃剤を配合した場合、
前記難燃剤がポリマー成分内に均一に微分散されること
により、耐衝撃性を損なうことなく難燃性を向上させ、
さらに耐熱性、表面光沢性も向上できることを見出し、
本発明に到達した。
を進めた結果、特定のポリマー成分の組み合わせにより
耐衝撃性を向上させると共に、難燃剤を配合した場合、
前記難燃剤がポリマー成分内に均一に微分散されること
により、耐衝撃性を損なうことなく難燃性を向上させ、
さらに耐熱性、表面光沢性も向上できることを見出し、
本発明に到達した。
【0008】即ち本発明は、下記成分(A)、(B)及
び(C)を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物を提供する。 (A)ゴム変性スチレン系樹脂50〜90重量%及びポ
リフェニレンエーテル系樹脂50〜10重量%からなる
樹脂混合物100重量部、(B)同一分子内にビニル芳
香族化合物からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物
からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体又
はその部分水素添加物における共役ジエン化合物に由来
する二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共
重合体1〜20重量部、(C)難燃剤2〜50重量部。
び(C)を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物を提供する。 (A)ゴム変性スチレン系樹脂50〜90重量%及びポ
リフェニレンエーテル系樹脂50〜10重量%からなる
樹脂混合物100重量部、(B)同一分子内にビニル芳
香族化合物からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物
からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体又
はその部分水素添加物における共役ジエン化合物に由来
する二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共
重合体1〜20重量部、(C)難燃剤2〜50重量部。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる(A)成分は、ゴ
ム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂
との樹脂混合物である。
ム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂
との樹脂混合物である。
【0010】(A)成分で用いるゴム変性スチレン系樹
脂は、ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル系単量体を
重合させて得られるものである。
脂は、ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル系単量体を
重合させて得られるものである。
【0011】ゴム変性スチレン系樹脂を構成する芳香族
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ハロスチレン、ビニルトルエン等を挙げることがで
きる。ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(ランダ
ム、ブロックを含む)等を挙げることができる。
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ハロスチレン、ビニルトルエン等を挙げることがで
きる。ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(ランダ
ム、ブロックを含む)等を挙げることができる。
【0012】ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法は特に
限定されず、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
等の公知の方法を適用することができる。
限定されず、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
等の公知の方法を適用することができる。
【0013】ゴム変性スチレン系樹脂におけるゴムの形
態は、ゴム平均粒径が好ましくは0.2〜1μmで、サ
ラミ構造もしくはコアシェル構造又はそれらが混在した
構造でもよい。ゴム変性スチレン系樹脂としては、耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS)が好ましい。
態は、ゴム平均粒径が好ましくは0.2〜1μmで、サ
ラミ構造もしくはコアシェル構造又はそれらが混在した
構造でもよい。ゴム変性スチレン系樹脂としては、耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS)が好ましい。
【0014】(A)成分で用いるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂としては、例えば下記一般式:
ル系樹脂としては、例えば下記一般式:
【0015】
【化1】
【0016】[式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞ
れ水素原子、炭化水素又は置換炭化水素基から選択され
るものであり、互いに同一でも異なっていてもよい。n
は重合度を示す整数である。]で表されるものを挙げる
ことができる。
れ水素原子、炭化水素又は置換炭化水素基から選択され
るものであり、互いに同一でも異なっていてもよい。n
は重合度を示す整数である。]で表されるものを挙げる
ことができる。
【0017】また、ポリフェニレンエーテル系樹脂とし
ては、上記一般式で表される繰り返し単位を導く単量体
と、それと共重合可能な他の単量体との共重合体であっ
てもよい。
ては、上記一般式で表される繰り返し単位を導く単量体
と、それと共重合可能な他の単量体との共重合体であっ
てもよい。
【0018】このようなポリフェニレンエーテル系樹脂
としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−
1,4フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピ
ル−1,4−フェニレンエーテル)ポリ(2−エチル−
6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)等を挙げ
ることができ、その他にも2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を挙
げることができる。これらの中でも、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6
−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。
としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−
1,4フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピ
ル−1,4−フェニレンエーテル)ポリ(2−エチル−
6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)等を挙げ
ることができ、その他にも2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を挙
げることができる。これらの中でも、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6
−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。
【0019】(A)成分中におけるゴム変性スチレン系
樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の含有割合は、ゴ
ム変性スチレン系樹脂が50〜90重量%、好ましくは
60〜80重量%であり、ポリフェニレンエーテル系樹
脂が50〜10重量%、好ましくは40〜20重量%で
ある。ゴム変性スチレン系樹脂の含有量が90重量%以
下であると(ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が
10重量%以上であると)難燃性及び耐熱性が向上し、
ゴム変性スチレン系樹脂の含有量が50重量%以上であ
ると(ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が50重
量%以下であると)成形加工性及び耐衝撃性が向上す
る。
樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の含有割合は、ゴ
ム変性スチレン系樹脂が50〜90重量%、好ましくは
60〜80重量%であり、ポリフェニレンエーテル系樹
脂が50〜10重量%、好ましくは40〜20重量%で
ある。ゴム変性スチレン系樹脂の含有量が90重量%以
下であると(ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が
10重量%以上であると)難燃性及び耐熱性が向上し、
ゴム変性スチレン系樹脂の含有量が50重量%以上であ
ると(ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が50重
量%以下であると)成形加工性及び耐衝撃性が向上す
る。
【0020】本発明で用いる(B)成分は、エポキシ変
性ブロック共重合体である。このエポキシ変性ブロック
共重合体は、同一分子中に、(b1)ビニル芳香族化合
物を主体とする重合体ブロックと、(b2)共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックとを有するブロック
共重合体(B1)又はその部分水素添加物(B2)の共
役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したも
のである。この(B)成分は、組成物から得られる成形
品に適度な耐衝撃性を付与するための成分である。
性ブロック共重合体である。このエポキシ変性ブロック
共重合体は、同一分子中に、(b1)ビニル芳香族化合
物を主体とする重合体ブロックと、(b2)共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックとを有するブロック
共重合体(B1)又はその部分水素添加物(B2)の共
役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したも
のである。この(B)成分は、組成物から得られる成形
品に適度な耐衝撃性を付与するための成分である。
【0021】ブロック共重合体(B1)を構成するビニ
ル芳香族化合物からなる重合体ブロック(b1)におい
て、ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、p−第三級ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−
ジフェニルスチレン等から選ばれる1種以上を挙げるこ
とができ、これらの中でもスチレンが好ましい。
ル芳香族化合物からなる重合体ブロック(b1)におい
て、ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、p−第三級ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−
ジフェニルスチレン等から選ばれる1種以上を挙げるこ
とができ、これらの中でもスチレンが好ましい。
【0022】ブロック共重合体(B1)を構成する共役
ジエン化合物からなる重合体ブロック(b2)におい
て、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等から選ばれ
る1種以上を挙げることができ、これらの中でもブタジ
エンもしくはイソプレン又はこれらの組合せが好まし
い。
ジエン化合物からなる重合体ブロック(b2)におい
て、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等から選ばれ
る1種以上を挙げることができ、これらの中でもブタジ
エンもしくはイソプレン又はこれらの組合せが好まし
い。
【0023】ブロック共重合体(B1)において、重合
体ブロック(b1)と重合体ブロック(b2)の共重合
比(重量比)は、(b1)/(b2)が、好ましくは5
/95〜70/30の範囲であり、特に好ましくは10
/90〜60/40の範囲である。
体ブロック(b1)と重合体ブロック(b2)の共重合
比(重量比)は、(b1)/(b2)が、好ましくは5
/95〜70/30の範囲であり、特に好ましくは10
/90〜60/40の範囲である。
【0024】ブロック共重合体(B1)の分子構造は、
直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの任意の組合せのい
ずれであってもよい。例えば、重合体ブロック(b1)
と重合体ブロック(b2)とが、(b1)−(b2)−
(b1)、(b2)−(b1)−(b2)−(b1)、
(b1)−(b2)−(b1)−(b2)−(b1)等
の構造にすることができ、その他にも[(b1)−(b
2)−]4Si等の有機ケイ素化合物にすることができ
る。なお、ブロック重合体(B1)は、その共役ジエン
化合物に由来する不飽和結合が部分的に水素添加されて
飽和結合となったブロック重合体(B2)であってもよ
い。
直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの任意の組合せのい
ずれであってもよい。例えば、重合体ブロック(b1)
と重合体ブロック(b2)とが、(b1)−(b2)−
(b1)、(b2)−(b1)−(b2)−(b1)、
(b1)−(b2)−(b1)−(b2)−(b1)等
の構造にすることができ、その他にも[(b1)−(b
2)−]4Si等の有機ケイ素化合物にすることができ
る。なお、ブロック重合体(B1)は、その共役ジエン
化合物に由来する不飽和結合が部分的に水素添加されて
飽和結合となったブロック重合体(B2)であってもよ
い。
【0025】ブロック共重合体(B1)の数平均分子量
は、好ましくは5,000〜600,000であり、特
に好ましくは10,000〜500,000である。ま
た、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、各成分との適度
な相溶性が得られるため、好ましくは10以下である。
は、好ましくは5,000〜600,000であり、特
に好ましくは10,000〜500,000である。ま
た、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、各成分との適度
な相溶性が得られるため、好ましくは10以下である。
【0026】(B)成分のエポキシ変性ブロック共重合
体は、上記ブロック重合体(B1)又はその部分水素添
加物(B2)を、不活性溶媒中で、ハイドロパーオキサ
イド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応させることより
得られる。エポキシ化に際して使用するエポキシ化剤の
量は特に限定されず、エポキシ化剤の種類、エポキシ化
度、使用する個々のブロック共重合体(B1)等の可変
因子によって決めることができる。ここでエポキシ化度
(エポキシ当量)は、0.1規定の臭化水素酸で滴定
し、次式から求める。 エポキシ当量=(10000×W)/(V×f) (式中、Wはエポキシ化ブロック共重合体の重量(g)
を示し、Vは臭化水素酸の滴定量(ml)を示し、fは臭
化水素酸のファクターを示す)。
体は、上記ブロック重合体(B1)又はその部分水素添
加物(B2)を、不活性溶媒中で、ハイドロパーオキサ
イド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応させることより
得られる。エポキシ化に際して使用するエポキシ化剤の
量は特に限定されず、エポキシ化剤の種類、エポキシ化
度、使用する個々のブロック共重合体(B1)等の可変
因子によって決めることができる。ここでエポキシ化度
(エポキシ当量)は、0.1規定の臭化水素酸で滴定
し、次式から求める。 エポキシ当量=(10000×W)/(V×f) (式中、Wはエポキシ化ブロック共重合体の重量(g)
を示し、Vは臭化水素酸の滴定量(ml)を示し、fは臭
化水素酸のファクターを示す)。
【0027】(B)成分のエポキシ変性ブロック共重合
体のエポキシ当量は、好ましくは140〜10000で
あり、特に好ましくは200〜6000である。エポキ
シ当量が140以上であると耐衝撃性を高めることがで
き、10000以下であると成形中におけるゲルの生成
が防止され、成形品の外観が向上する。
体のエポキシ当量は、好ましくは140〜10000で
あり、特に好ましくは200〜6000である。エポキ
シ当量が140以上であると耐衝撃性を高めることがで
き、10000以下であると成形中におけるゲルの生成
が防止され、成形品の外観が向上する。
【0028】(B)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して1〜20重量部であり、好ましくは2〜
10重量部である。1重量部以上であると組成物におけ
る難燃剤の分散性を高め、耐衝撃性を向上させることが
できる。20重量部以下であると難燃性に悪影響を与え
ることなく、曲げ弾性率及び熱変形温度を適度に保持す
ることができる。
重量部に対して1〜20重量部であり、好ましくは2〜
10重量部である。1重量部以上であると組成物におけ
る難燃剤の分散性を高め、耐衝撃性を向上させることが
できる。20重量部以下であると難燃性に悪影響を与え
ることなく、曲げ弾性率及び熱変形温度を適度に保持す
ることができる。
【0029】本発明で用いる(C)成分の難燃剤として
は、加工時や燃焼時において、腐蝕性又は毒性のガスを
極力発生しない難燃性や自己消化性を有する有機系又は
無機系の難燃剤を挙げることができる。
は、加工時や燃焼時において、腐蝕性又は毒性のガスを
極力発生しない難燃性や自己消化性を有する有機系又は
無機系の難燃剤を挙げることができる。
【0030】有機系の難燃剤としては、有機燐化合物、
燐−ハロゲン系化合物等を挙げることができる。無機系
の難燃剤としては、アルミニウム、マグネシウム等の水
酸化物、アンチモン系化合物、ホウ酸亜鉛、ジルコニウ
ム系化合物等を挙げることができる。(C)成分として
は有機燐化合物が好ましい。
燐−ハロゲン系化合物等を挙げることができる。無機系
の難燃剤としては、アルミニウム、マグネシウム等の水
酸化物、アンチモン系化合物、ホウ酸亜鉛、ジルコニウ
ム系化合物等を挙げることができる。(C)成分として
は有機燐化合物が好ましい。
【0031】有機燐化合物は、燐原子を有するものであ
れば特に限定されないが、燐原子に直接結合するエステ
ル結合の酸素原子を1以上有する有機燐化合物が、難燃
性の付与と共に耐衝撃性を向上させる効果を有している
ために好ましい。このような有機燐化合物としては、下
記の正燐酸エステル及びこれらの縮合物、亜燐酸エステ
ル、その他の有機燐化合物から選ばれる1種以上を挙げ
ることができる。
れば特に限定されないが、燐原子に直接結合するエステ
ル結合の酸素原子を1以上有する有機燐化合物が、難燃
性の付与と共に耐衝撃性を向上させる効果を有している
ために好ましい。このような有機燐化合物としては、下
記の正燐酸エステル及びこれらの縮合物、亜燐酸エステ
ル、その他の有機燐化合物から選ばれる1種以上を挙げ
ることができる。
【0032】正燐酸エステル及びこれらの縮合物として
は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシ
ル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、
トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェー
ト、トリス(o−ジフェニル)ホスフェート、トリス
(p−ジフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフ
ェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニル
ジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキ
シル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェ
ニルホスフェート、o−ジフェニルジクレジルホスフェ
ート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、モノイソ
デシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイル
オキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスフェート等を挙げることがで
き、これらの中でもトリフェニルホスフェートが特に好
ましい。亜燐酸エステルとしては、トリフェニルホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスト
リデシルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスフ
ァイト及びこれらの縮合物等を挙げることができる。他
の有機燐化合物としては、トリフェニルホスフィンオキ
シド、トリクレジルホスフィンオキシド、メタンホスホ
ン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル等を挙げ
ることができる。
は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシ
ル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、
トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェー
ト、トリス(o−ジフェニル)ホスフェート、トリス
(p−ジフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフ
ェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニル
ジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキ
シル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェ
ニルホスフェート、o−ジフェニルジクレジルホスフェ
ート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、モノイソ
デシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイル
オキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスフェート等を挙げることがで
き、これらの中でもトリフェニルホスフェートが特に好
ましい。亜燐酸エステルとしては、トリフェニルホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスト
リデシルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスフ
ァイト及びこれらの縮合物等を挙げることができる。他
の有機燐化合物としては、トリフェニルホスフィンオキ
シド、トリクレジルホスフィンオキシド、メタンホスホ
ン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル等を挙げ
ることができる。
【0033】(C)成分の含有量は、(A)成分100
重量部に対して、2〜50重量部であり、好ましくは5
〜30重量部である。(C)成分の含有量が2重量部以
上であると十分な難燃性を付与することができ、50重
量部以下であると十分な機械的特性を付与することがで
きる。
重量部に対して、2〜50重量部であり、好ましくは5
〜30重量部である。(C)成分の含有量が2重量部以
上であると十分な難燃性を付与することができ、50重
量部以下であると十分な機械的特性を付与することがで
きる。
【0034】また、(C)成分として有機燐化合物を用
いる場合には、(A)成分100重量部に対して、1〜
30重量部を含有させることが好ましく、5〜20重量
部を含有させることが特に好ましい。
いる場合には、(A)成分100重量部に対して、1〜
30重量部を含有させることが好ましく、5〜20重量
部を含有させることが特に好ましい。
【0035】本発明の難燃耐衝撃性組成物には、(C)
成分の難燃剤として有機燐化合物を用いた場合、有機燐
化合物の難燃助剤として作用するトリアジン骨格含有化
合物を配合することができる。
成分の難燃剤として有機燐化合物を用いた場合、有機燐
化合物の難燃助剤として作用するトリアジン骨格含有化
合物を配合することができる。
【0036】このようなトリアジン骨格含有化合物とし
ては、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシ
アヌレート、サクシノグアナミン、リン酸メラミン、ア
ジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン
樹脂、BTレジン等を挙げることができ、これらの中で
も耐揮発性の観点からメラミンシアヌレートが好まし
い。
ては、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシ
アヌレート、サクシノグアナミン、リン酸メラミン、ア
ジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン
樹脂、BTレジン等を挙げることができ、これらの中で
も耐揮発性の観点からメラミンシアヌレートが好まし
い。
【0037】トリアジン骨格含有化合物の含有量は、
(A)成分100重量部に対して、好ましくは1〜20
重量部であり、特に好ましくは1〜10重量部である。
1重量部以上であると難燃性を向上させることができ、
20重量部以下であると成形加工性及び表面光沢を向上
させ、耐衝撃性も高めることができる。
(A)成分100重量部に対して、好ましくは1〜20
重量部であり、特に好ましくは1〜10重量部である。
1重量部以上であると難燃性を向上させることができ、
20重量部以下であると成形加工性及び表面光沢を向上
させ、耐衝撃性も高めることができる。
【0038】本発明の難燃耐衝撃性組成物には、さらに
フロロエチレン系重合体を配合することができる。フロ
ロエチレン系重合体としては、Mnが10,000以
上;ガラス転移温度が好ましくは−30℃以上、特に好
ましくは100℃以上;フッ素含有量が好ましくは65
〜76重量%、特に好ましくは70〜76重量%;平均
粒径が好ましくは0.05〜100μm、特に好ましく
は0.08〜20μm;密度が好ましくは1.2〜2.
3g/cm3のものを挙げることができる。
フロロエチレン系重合体を配合することができる。フロ
ロエチレン系重合体としては、Mnが10,000以
上;ガラス転移温度が好ましくは−30℃以上、特に好
ましくは100℃以上;フッ素含有量が好ましくは65
〜76重量%、特に好ましくは70〜76重量%;平均
粒径が好ましくは0.05〜100μm、特に好ましく
は0.08〜20μm;密度が好ましくは1.2〜2.
3g/cm3のものを挙げることができる。
【0039】このようなフロロエチレン系重合体として
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体及びエチレン/テトラフルオロエチレン共重
合体等から選ばれる1種以上を挙げることができ、これ
らの中でもポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体及びエチレン/テトラフルオロエチレン共重
合体等から選ばれる1種以上を挙げることができ、これ
らの中でもポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
【0040】フロロエチレン系重合体の配合量は、
(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.05
〜5重量部であり、特に好ましくは0.1〜1重量部で
ある。フロロエチレン系重合体の配合量がこの範囲であ
れば、有機燐化合物の添加による組成物の可塑化に伴う
ドリッピングを十分に防止し、組成物成形品の機械的特
性を損なうことがない。
(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.05
〜5重量部であり、特に好ましくは0.1〜1重量部で
ある。フロロエチレン系重合体の配合量がこの範囲であ
れば、有機燐化合物の添加による組成物の可塑化に伴う
ドリッピングを十分に防止し、組成物成形品の機械的特
性を損なうことがない。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造には、
公知の手段を適用することができる。例えば、所定量の
各成分を、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダ
ー、ニーダー等の混合機で予備混合した後、押出機で混
練したり、加熱ロール、バンバリーミキサーで溶融混練
した後、ペレット化又は粉砕処理することによって製造
することができる。なお、その際必要に応じて、ゴム変
性スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂に使
用できる各種添加剤、例えば充填剤、滑剤、補強剤、安
定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止
剤、色相改良剤等を添加してもよい。
公知の手段を適用することができる。例えば、所定量の
各成分を、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダ
ー、ニーダー等の混合機で予備混合した後、押出機で混
練したり、加熱ロール、バンバリーミキサーで溶融混練
した後、ペレット化又は粉砕処理することによって製造
することができる。なお、その際必要に応じて、ゴム変
性スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂に使
用できる各種添加剤、例えば充填剤、滑剤、補強剤、安
定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止
剤、色相改良剤等を添加してもよい。
【0042】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工
性、耐衝撃性、熱安定性、難燃性に優れ、OA機器、通
信機器、家電製品用ハウジング、シャーシその他部材
等、自動車用部材等の素材として用いることができる。
性、耐衝撃性、熱安定性、難燃性に優れ、OA機器、通
信機器、家電製品用ハウジング、シャーシその他部材
等、自動車用部材等の素材として用いることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】以下における各試験は、下記の方法により
行った。 (1)耐衝撃強度(kg・cm/cm) 耐衝撃強度は、ノッチ付きのアイゾット衝撃強度を尺度
とし、厚み1/4インチの試験片で評価した。 (2)熱変形温度(℃) ASTM−D−648に準拠して測定した。 (3)難燃性(UL94) 難燃性の評価尺度として、米国UL規格のUL94に規
定されている垂直燃焼性試験(94V−0)に準拠し、
厚み1/8インチの試験片(バーサンプル)で評価し
た。 (4)ゴム粒子径 樹脂を四酸化オスミウム染色し、超薄切り片法により撮
影した透過型電子顕微鏡写真中のブタジエン系重合体の
粒子径を求め、次式により算出した。 重量平均粒子径=ΣNi・Di4/ΣNi・Di3(ここ
で、Niは粒子径Diのゴム状重合体粒子の個数であ
る。) (5)光沢 JIS K7105に準拠して求めた。
行った。 (1)耐衝撃強度(kg・cm/cm) 耐衝撃強度は、ノッチ付きのアイゾット衝撃強度を尺度
とし、厚み1/4インチの試験片で評価した。 (2)熱変形温度(℃) ASTM−D−648に準拠して測定した。 (3)難燃性(UL94) 難燃性の評価尺度として、米国UL規格のUL94に規
定されている垂直燃焼性試験(94V−0)に準拠し、
厚み1/8インチの試験片(バーサンプル)で評価し
た。 (4)ゴム粒子径 樹脂を四酸化オスミウム染色し、超薄切り片法により撮
影した透過型電子顕微鏡写真中のブタジエン系重合体の
粒子径を求め、次式により算出した。 重量平均粒子径=ΣNi・Di4/ΣNi・Di3(ここ
で、Niは粒子径Diのゴム状重合体粒子の個数であ
る。) (5)光沢 JIS K7105に準拠して求めた。
【0045】また、以下の実施例及び比較例において
は、下記の(A)、(B)、(C)成分及びトリアジン
骨格含有化合物を用いた。
は、下記の(A)、(B)、(C)成分及びトリアジン
骨格含有化合物を用いた。
【0046】(A)成分 下記の製造例1〜3により得られたゴム変性スチレン系
樹脂と、ポリフェニレンエーテル樹脂とを用いた。
樹脂と、ポリフェニレンエーテル樹脂とを用いた。
【0047】(ゴム変性スチレン系樹) 製造例1 内容積30Lの重合反応器に、スチレンモノマー90重
量%と、ローシスポリブタジエン(旭化成社製ジエン5
5AS、シス−1,4構造含有率35%)10重量%と
の混合液20kgを仕込み、連鎖移動剤としてターピノ
レン10gを添加した。これを攪拌回転数50rpmで
攪拌しながら、130℃の重合温度で3時間、続いて1
50℃の重合温度で4時間反応させた後、220℃、3
0分の脱気工程を経て、ゴム粒子が分散したゴム含量1
0重量%のゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)を得
た。ゴム粒径は0.65μmであった。なお、このHI
PSは、微細なサラミ構造を有していることを電子顕微
鏡により確認した。
量%と、ローシスポリブタジエン(旭化成社製ジエン5
5AS、シス−1,4構造含有率35%)10重量%と
の混合液20kgを仕込み、連鎖移動剤としてターピノ
レン10gを添加した。これを攪拌回転数50rpmで
攪拌しながら、130℃の重合温度で3時間、続いて1
50℃の重合温度で4時間反応させた後、220℃、3
0分の脱気工程を経て、ゴム粒子が分散したゴム含量1
0重量%のゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)を得
た。ゴム粒径は0.65μmであった。なお、このHI
PSは、微細なサラミ構造を有していることを電子顕微
鏡により確認した。
【0048】製造例2 攪拌回転数を80rpmで重合させたこと以外は製造例1
と同様に行い、ゴム含量10重量%のHIPSを得た。
ゴム粒径は0.26μmであった。なお、このHIPS
は、微細なサラミ構造を有していることを電子顕微鏡に
より確認した。
と同様に行い、ゴム含量10重量%のHIPSを得た。
ゴム粒径は0.26μmであった。なお、このHIPS
は、微細なサラミ構造を有していることを電子顕微鏡に
より確認した。
【0049】製造例3 攪拌回転数30rpmに変え、130℃の重合温度で10
時間重合させた以外は製造例1と同様に行い、ゴム含量
10重量%のHIPSを得た。ゴム粒径は1.33μm
であった。なお、このHIPSは、微細なサラミ構造を
有していることを電子顕微鏡により確認した。
時間重合させた以外は製造例1と同様に行い、ゴム含量
10重量%のHIPSを得た。ゴム粒径は1.33μm
であった。なお、このHIPSは、微細なサラミ構造を
有していることを電子顕微鏡により確認した。
【0050】(ポリフェニレンエーテル樹脂)ポリフェ
ニレンエーテル樹脂は、固有粘度(クロロホルム、25
℃)0.40dl/g、平均粒径150μmのポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを
用いた。
ニレンエーテル樹脂は、固有粘度(クロロホルム、25
℃)0.40dl/g、平均粒径150μmのポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを
用いた。
【0051】(B)成分 エポキシ変性ブロック共重合体は、以下の方法で製造し
たものを用いた。即ち、攪拌器、還流冷却管及び温度計
を備えたジャケット付反応器に、ポリスチレン−ポリブ
タジエン−ポリスチレンのブロック共重合体(日本合成
ゴム(株)製、商品名:TR2000)300g、酢酸
エチル1500gを仕込み溶解した。次いで、過酢酸の
30重量%酢酸エチル溶液169gを連続滴下し、攪拌
下40℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常
温に戻して反応器より取り出し、多量のメタノールを加
えて重合体を析出させた。析出物を濾別後水洗し、乾燥
してエポキシ変性重合体(エポキシ当量510)を得
た。
たものを用いた。即ち、攪拌器、還流冷却管及び温度計
を備えたジャケット付反応器に、ポリスチレン−ポリブ
タジエン−ポリスチレンのブロック共重合体(日本合成
ゴム(株)製、商品名:TR2000)300g、酢酸
エチル1500gを仕込み溶解した。次いで、過酢酸の
30重量%酢酸エチル溶液169gを連続滴下し、攪拌
下40℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常
温に戻して反応器より取り出し、多量のメタノールを加
えて重合体を析出させた。析出物を濾別後水洗し、乾燥
してエポキシ変性重合体(エポキシ当量510)を得
た。
【0052】(C)成分 (C)成分として、下記の式で表される芳香族縮合リン
酸エステル(大八化学工業(株)製PX−200)を用
いた。
酸エステル(大八化学工業(株)製PX−200)を用
いた。
【0053】
【化2】
【0054】トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として、下記の式で表される
日産化学工業(株)製メラミンシアヌレートMC610
を用いた。
日産化学工業(株)製メラミンシアヌレートMC610
を用いた。
【0055】
【化3】
【0056】水素添加飽和型スチレン系エラストマー スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)の水
素添加により得られたものであり、シェル化学社製の商
品名クレイトンG1726を用いた。
素添加により得られたものであり、シェル化学社製の商
品名クレイトンG1726を用いた。
【0057】実施例1〜6、比較例1〜2 表1に示した配合割合(重量部)の各成分をタンブラー
ブレンダーを用いて混合後、押出機によりシリンダー温
度270℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得
た。次に、射出成形機(シリンダー温度240℃、金型
温度50℃)で一般物性用試験片を作成し、定法に従い
各物性を測定した。その結果を表1に示す。
ブレンダーを用いて混合後、押出機によりシリンダー温
度270℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得
た。次に、射出成形機(シリンダー温度240℃、金型
温度50℃)で一般物性用試験片を作成し、定法に従い
各物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】本発明の組成物は、高度な難燃性を維持
し、しかも耐熱性を落とさずに耐衝撃性が大幅に向上さ
れていた。これは、ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェ
ニレンエーテル樹脂が均一に溶け合い、さらにエポキシ
変性ブロック共重合体の作用により、難燃剤が溶融組成
物内に微分散されたためである。また、成形品の外観も
美しいものであった。
し、しかも耐熱性を落とさずに耐衝撃性が大幅に向上さ
れていた。これは、ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェ
ニレンエーテル樹脂が均一に溶け合い、さらにエポキシ
変性ブロック共重合体の作用により、難燃剤が溶融組成
物内に微分散されたためである。また、成形品の外観も
美しいものであった。
【0060】比較例1、2は請求項1に係る発明の比較
例で、(B)成分を含有していないか又は(B)成分と
は異なる成分を含有している例であり、いずれも耐衝撃
性が低かった。
例で、(B)成分を含有していないか又は(B)成分と
は異なる成分を含有している例であり、いずれも耐衝撃
性が低かった。
【0061】
【発明の効果】本発明の組成物は、実用上十分な難燃性
を有し、しかも耐衝撃性及び耐熱性をバランスよく具備
しており、表面光沢も優れている。
を有し、しかも耐衝撃性及び耐熱性をバランスよく具備
しており、表面光沢も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 71:12 53:02) (C08L 51/04 71:12 63:00)
Claims (4)
- 【請求項1】 下記成分(A)、(B)及び(C)を含
有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (A)ゴム変性スチレン系樹脂50〜90重量%及びポ
リフェニレンエーテル系樹脂50〜10重量%からなる
樹脂混合物100重量部、(B)同一分子内にビニル芳
香族化合物からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物
からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体又
はその部分水素添加物における共役ジエン化合物に由来
する二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共
重合体1〜20重量部、(C)難燃剤2〜50重量部。 - 【請求項2】 (A)成分中のゴム変性スチレン系樹脂
のゴム平均粒径が、0.2〜1μmである請求項1記載
の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 (C)成分が有機燐化合物である請求項
1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】 さらに、難燃助剤としてトリアジン骨格
含有化合物を含有する請求項1、2又は3記載の熱可塑
性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15085398A JPH11343381A (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15085398A JPH11343381A (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343381A true JPH11343381A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15505812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15085398A Pending JPH11343381A (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11343381A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006025265A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スピーカ用銅箔糸線、及びこのスピーカ用銅箔糸線を用いたスピーカ |
JP2006176697A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Umg Abs Ltd | 耐衝撃性ポリフェニレンエーテルおよびその製造方法 |
JP2010138356A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 樹脂組成物及びこれを用いた成形体 |
JP2015535029A (ja) * | 2012-11-20 | 2015-12-07 | ベルサリス、ソシエタ、ペル、アチオニVersalis S.P.A. | 自己消化性重合体組成物 |
-
1998
- 1998-06-01 JP JP15085398A patent/JPH11343381A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006025265A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スピーカ用銅箔糸線、及びこのスピーカ用銅箔糸線を用いたスピーカ |
JP4596835B2 (ja) * | 2004-07-09 | 2010-12-15 | パナソニック株式会社 | スピーカ用銅箔糸線、及びこのスピーカ用銅箔糸線を用いたスピーカ |
JP2006176697A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Umg Abs Ltd | 耐衝撃性ポリフェニレンエーテルおよびその製造方法 |
JP2010138356A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 樹脂組成物及びこれを用いた成形体 |
JP2015535029A (ja) * | 2012-11-20 | 2015-12-07 | ベルサリス、ソシエタ、ペル、アチオニVersalis S.P.A. | 自己消化性重合体組成物 |
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