JPH1134268A - 水性インクで筆記可能な積層体 - Google Patents

水性インクで筆記可能な積層体

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JPH1134268A
JPH1134268A JP9205457A JP20545797A JPH1134268A JP H1134268 A JPH1134268 A JP H1134268A JP 9205457 A JP9205457 A JP 9205457A JP 20545797 A JP20545797 A JP 20545797A JP H1134268 A JPH1134268 A JP H1134268A
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coating layer
laminate
ink
aqueous ink
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JP9205457A
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Ayako Umehara
綾子 梅原
Haruo Asai
治夫 浅井
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの吸収能力が高く、鮮やかな文字が得
られ、耐ブロッキング性・保存性等に優れた水性インク
で筆記可能な積層体を提供する。 【解決手段】 基材上に、水性インクで筆記可能なコー
ティング層を設けた積層体において、該コーティング層
の主成分として、二塩基酸成分の80モル%以上を芳香
族二塩基酸で構成し、ポリアルキレングリコールを15
〜70重量%の割合で共重合した数平均分子量1000
0〜200000の水不溶性ポリエステル樹脂を含有
し、該ポリアルキレングリコールは、数平均分子量が2
000〜500000のポリエチレングリコールを80
重量%以上含有することを特徴とする積層体である。そ
のコーティング層中に、2価以上の金属の水溶性化合物
を含有することを特徴とする積層体である。そのコーテ
ィング層中に、2価以上の分子内錯塩を含有することを
特徴とする積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は葉書等に用いられる
水性インクで筆記可能な積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水性インクで筆記可能な積層体と
しては、通常の紙、シート、フィルム等の支持体上にイ
ンク吸収能力をもったコーティング層を設けたものが使
用されている。
【0003】インク吸収能力をもったコーティング層を
構成する樹脂成分としては、特公平3−25352号や
特公平3−26665号等にはポリビニルアルコール
が、特公平3−29596号にはポリビニルピロリドン
が、特開平6−239015号にはポリ(メタ)アクリ
ル酸とポリエチレングリコールとの付加物が、特開平7
−9757号にはエチレンオキサイド・アルキレンオキ
サイド共重合体とガラス転移温度が70℃以上のポリマ
ーとの混合物が、特開平5−124331号、特開平6
−55828号には水溶性ポリエステルが記載されてい
る。
【0004】その他、でんぷん、ゼラチン、メチルセル
ロース、ポリ(メタ)アクリル酸やその塩等の水溶性樹
脂がインク吸収能力を有するものとして知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水性インクは染料を各
種添加剤とともに水に溶解したものが一般的である。そ
のためインク吸収性が良いことが必要不可欠である。基
材が紙の場合でも、インクの吸収性を高め、記録を鮮や
かにするため、親水性のインク吸収能力をもったコーテ
ィング層が設けられることがある。水溶性樹脂からなる
インク吸収能力をもったコーティング層はインク吸収性
を満足しても、インクを吸収することにより記録部が粘
着したり、耐水性が不足したり、記録部の周辺がぼけた
り、あるいは積層体自体が温度・湿度の変化によりカー
ルを起こしたりする。
【0006】一方、これらの欠点を解消するため、イン
ク吸収能力をもったコーティング層のインク吸収性を小
さくすると、インクの吸収速度が遅くなるため、記録部
に滞留したインクが他を汚染することや濃度ムラ等の文
字品位の低下を生じる。
【0007】特開平5−124331号、特開平6−5
5828号には水溶性ポリエステルをインク吸収能力を
もったコーティング層のバインダーとすることが記載さ
れているが、高温、高湿度下では積層体自体がカールを
生じる。また、特開平7−9758号にはインク吸収能
力をもったコーティング層にアルキレンオキシド部と芳
香環部の両方を含む重合体を必須成分とすることが記載
されているが、この出願に記載されている樹脂では基材
がポリエステルフィルムの場合、密着性が悪く、またイ
ンク吸収性も未だ不十分である。
【0008】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消す
るために創案されたものであり、その目的はインクの吸
収能力が高く、鮮やかな文字が得られ、耐ブロッキング
性・保存性等に優れた水性インクで筆記可能な積層体を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成すべく、親水性と疎水性のバランスをポリエステル樹
脂で鋭意検討した結果、本発明の完成に到達した。すな
わち本発明は、基材上に、水性インクで筆記可能なコー
ティング層を設けた積層体において、該コーティング層
の主成分として、二塩基酸成分の80モル%以上を芳香
族二塩基酸で構成し、ポリアルキレングリコールを15
〜70重量%の割合で共重合した数平均分子量1000
0〜200000の水不溶性ポリエステル樹脂を含有
し、該アルキレングリコールは、数平均分子量が200
0〜500000のポリエチレングリコールを80重量
%以上含有することを特徴とする積層体に関するもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でコーティング層として使
用するポリエステル樹脂の二塩基酸成分は芳香族二塩基
酸が80モル%以上で構成される。芳香族二塩基酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、無水トリメリット酸等が挙
げられる。特にテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、無水トリメ
リット酸が望ましい。
【0011】ポリアルキレングリコールとしては、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0012】ポリアルキレングリコール以外のグリコー
ル成分としてはエチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ
−ル、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−
ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロ
キシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、1,9−ノナンジオ
ール、2−メチルオクタンジオール、1,10−ドデカ
ンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール、トリシクロデカンジメタノール、2,2−
ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピオネート等が挙げられ、これら
のうちエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、
ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ−ル、
ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメ
タノールが望ましい。
【0013】また、本発明のポリエステルを構成するジ
オール成分には必須成分としてポリアルキレングリコー
ルを共重合する。ポリアルキレングリコール成分は数平
均分子量が2000〜500000、望ましくは500
0〜20000の範囲のポリエチレングリコールを80
重量%以上含有する。ポリエステル樹脂中のポリアルキ
レングリコールの重量分率は15〜70%、望ましくは
20〜60%の範囲にある。ポリアルキレングリコール
は、ポリエチレングリコールの他に、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等を一緒に共
重合しても構わない。
【0014】芳香族二塩基酸とグリコールから得られる
ポリエステルに上記の範囲の分子量を有するポリエチレ
ングリコールと他のポリアルキレングリコールとを上記
の範囲で共重合することにより、親水性と疎水性のバラ
ンスが優れた樹脂が得られ、これをコーティング層に含
有することによりインクの吸収能力が高い、耐ブロッキ
ング性・保存性等に優れた水性インクで筆記可能な積層
体を提供することが可能になる。ポリエチレングリコー
ルの分子量が2000未満では耐ブロッキング性が悪化
し、分子量が500000を超えると湿度変化によるカ
ールの発生等の問題を生じる。またポリエステル樹脂中
のポリアルキレングリコールの重量分率が15%未満で
はインクの吸収能力が低く、70%を超えると耐ブロッ
キング性、湿度変化によるカールの発生等の問題を生じ
る。
【0015】本発明でコーティング層に使用するポリエ
ステル樹脂の数平均分子量は、10000〜20000
0の範囲にある。分子量が10000未満では耐ブロッ
キング性が不十分であり、200000を超えると有機
溶剤溶解品あるいは水分散体の粘度が高くなり塗布時の
作業性が低下する。
【0016】また、本発明でコーティング層に使用する
ポリエステル樹脂は実質的に水不溶性である。本発明で
の水不溶性とは20℃の水100gに溶解する量が5g
以下とする。水溶性ポリエステルでは耐ブロッキング
性、特に記録部がインクを吸収することにより粘着性を
生じたり、湿度変化によるカールの発生等がある。
【0017】本発明のコーティング層を形成するために
用いるポリエステル樹脂は有機溶剤に溶解した溶解品、
有機溶剤と水からなる水系分散体あるいは完全水系分散
体が挙げられる。
【0018】本発明ではさらに、2価以上の金属の水溶
性化合物を含有させることが望ましい。これらのものを
含有させることにより、文字記録後の耐水性が向上す
る。2価以上の金属の水溶性化合物としては、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化亜
鉛、塩化バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸アルミニウム、酢酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、
硫酸銅、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
【0019】本発明ではさらに、2価以上の分子内錯塩
を含有させることが望ましい。これらのものを含有させ
ることにより、コーティング層塗布後の耐ブロッキング
性が向上する。さらにこれらのものを含有させた系で
は、ポリエステル樹脂の酸価を高くしておくと耐ブロッ
キング性がさらに向上する。2価以上の分子内錯塩とし
ては、ニッケル (II)、亜鉛 (II)のジメチルグリオキシ
ム錯体、コバルト (II)、銅 (II)、亜鉛 (II)の8−オ
キシキノリン錯体、アルミニウム(III)、クロム(III)、
鉄(III) 、コバルト (II)、ニッケル (II)、銅 (II)、
亜鉛 (II)、マグネシウム (II)のアセチルアセトン錯
体、カルシウム (II)のサリチル酸錯体、アルミニウム
(III) のn−ブタノール、i−プロパノール錯体等が挙
げられる。特に、アルミニウム(III)、亜鉛 (II)、マグ
ネシウム(II)のアセチルアセトン錯体が好ましい。
【0020】本発明の積層体のコーティング層には上記
のポリエステル樹脂の他に熱可塑性樹脂を含んでもよ
い。熱可塑性樹脂としては、アルブミン、ゼラチン、カ
ゼイン、澱粉、カチオン澱粉、アラビアゴム、アルギン
酸ソーダ等の天然樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジニウムハラ
イド、メラミン樹脂、ポリウレタン、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリ
ビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリル酸ソー
ダ、酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合
成樹脂が挙げられる。
【0021】本発明の積層体のコーティング層には上記
のポリエステル樹脂の他に架橋剤を混合して用いること
ができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合
物、ポリエステルの末端イソシアネート変性品、エポキ
シ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、酸無水物等があり、
特にこれらの中でポリイソシアネート化合物、ポリエス
テルの末端イソシアネート変性品が好ましい。
【0022】本発明の積層体のコーティング層には上記
のポリエステル樹脂の他に各種フィラー、添加剤を含ん
でもよい。フィラーとしては、シリカ、アルミナ、ケイ
酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、硫酸バリウム等が挙げられ、添加剤としては界
面活性剤、染料固着剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、防かび剤、可
塑剤等が挙げられる。
【0023】本発明の積層体を構成する基材としては、
上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、再生紙、バライ
タ紙、キャストコート紙、ダンボール紙等の紙や、ポリ
エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル、ナ
イロン、セロファン等のフィルムあるいはシート、木
綿、ポリエステル、ナイロン、絹等の布、ガラス板、あ
るいはアルミ箔、ステンレス箔等の金属箔が挙げられ
る。コーティング層はこれらの素材に直接あるいはアン
カー処理を施した後に、少なくとも片面に設けられる。
【0024】
【作用】本発明の水性インクで筆記可能な積層体は、基
材上に、水性インクで筆記可能なコーティング層を設け
た積層体において、該コーティング層の主成分として、
二塩基酸成分の80モル%以上を芳香族二塩基酸で構成
し、ポリアルキレングリコールを15〜70重量%の割
合で共重合した数平均分子量10000〜200000
の水不溶性ポリエステル樹脂を含有し、該ポリアルキレ
ングリコールは、数平均分子量が2000〜50000
0のポリエチレングリコールを80重量%以上含有する
ことを特徴とする。この共重合ポリエーテル・ポリエス
テル樹脂は親水性と疎水性のバランスが良好なため、こ
の樹脂をコーティング層に用いることにより、インク吸
収速度が速いにも拘らず、湿度変化によるブロッキング
やカール、記録部の輪郭のぼやけ等が改良できる。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例
中に単に部とあるのは重量部を示す。各種特性は以下の
方法によって評価した。
【0026】(1)インク吸収性 くれ竹製筆ペンで筆記し、筆記直後記録文字に指触した
ときに、インクがコーティング層内部に取り込まれて指
に付着しなくなるか否かで判断した。直後でも指に付着
しない場合を○、10分経過しても付着する場合を×、
その中位のものを△とした。
【0027】(2)耐ブロッキング性 2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ5
0μm;東洋紡績(株))に乾燥後の塗布厚が10μmに
なるように塗布した後、120℃にて5分間熱風乾燥し
た。その直後、コート面と非コート面を重ね合わせ、4
0℃で10Kg/cm2の加圧下で1日放置後、フィルムを引
っ張り速度200 mm/分、測定温度20℃でT型剥離し
た。剥離強度が2g/cm未満の場合を○、剥離強度が2〜
20 g/cmの場合を△、剥離強度が20g/cmを越える場
合を×とした。
【0028】(3)鮮映性 それぞれの積層体に対して上記の筆ペンを用いて記録し
た文字を目視して文字が鮮明なものを○、インクの滲
み、滲み出し、はじきが発生し、文字が著しく劣ってい
るものを×、その中位のものを△とした。
【0029】(4)記録文字の耐湿性 それぞれの積層体に対して上記の筆ペンを用いて記録し
た文字を40℃×90%RH条件下に一日保存後に、保
存前の文字と比較評価した。保存前の文字に比べ、イン
クの滲み、滲み出しが発生し、文字が著しく劣っている
ものを×、変化の認められないものを○、その中位のも
のを△とした。
【0030】(5)積層体の耐湿性 それぞれの積層体を40℃×90%RH条件下に一日保
存後に、上記の筆ペンを用いて文字を記録し評価した。
保存前の積層体に記録した文字に比べ、インクの滲み、
滲み出しを発生し、文字が著しく劣っているものを×、
変化の認められないものを○、その中位のものを△とし
た。
【0031】合成例1 ジメチルテレフタレート194部、ジメチルイソフタレ
ート194部、エチレングリコール149部、ネオペン
チルグリコール166部、テトラブチルチタネート0.
07部をオートクレーブに仕込み、180〜210℃で
3時間エステル交換反応を実施した。次いで数平均分子
量が20000のポリエチレングリコールを345部、
チバ・ガイギー社製酸化防止剤「イルガノックス133
0」0.5部仕込み、30分間210℃で反応後、反応
系を20分かけて5mmHgまで減圧し、この間250
℃まで昇温し、250℃で重縮合反応を100分間行っ
た。チッ素ガスにより常圧にもどし、さらに反応系を2
20℃まで冷却した後、無水トリメリット酸を7.7部
添加し220℃で30分間酸付加反応を行い、ポリエス
テル樹脂(1)を得た。得られたポリエステル樹脂は、
わずかに白色不透明であり、組成分析をNMR測定によ
り、数平均分子量をテトラヒドロフラン(THF)溶液
でのゲル浸透クロマトグラフィーにより、また、樹脂の
酸価を1/10規定KOHエタノール溶液での滴定によ
る分析により求めた。得られたポリエステル樹脂の分析
結果を表−1に示す。
【0032】合成例 2〜合成例 4 合成例1と同様の条件で合成し、ポリエステル樹脂
(2)〜(4)を得た。得られたポリエステル樹脂の分
析結果を表−1に示す。
【0033】比較合成例 1 合成例1で用いたポリエチレングリコールの代わりに、
親水性成分としてジメチル5−ナトリウムスルホ−イソ
フタレートを共重合することにより、スルホン酸金属塩
を有するポリエステル樹脂(5)を得た。得られたポリ
エステル樹脂の分析結果を表−2に示す。
【0034】比較合成例2〜4 合成例1と同様の条件で合成し、ポリエステル樹脂
(6)〜(8)を得た。得られたポリエステル樹脂の分
析結果を表−2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表中の略号は以下の通り。 T :テレフタル酸 I :イソフタル酸 O :オルソフタル酸 AA :アジピン酸 TMA :無水トリメリット酸 EG :エチレングリコール NPG :ネオペンチルグリコール PEG :ポリエチレングリコール CHDM:シクロヘキサンジメタノール 2MG :2−メチル−1,3−プロパンジオール DSN :ジメチル5−ナトリウムスルホ−イソフタレ
ート PEG :ポリエチレングリコール
【0038】以上のポリエステル樹脂について、ポリエ
ステル樹脂60部、トルエン60部、メチルエチルケト
ン60部を1lのフラスコに仕込み、70℃で3時間撹
拌し均一溶解液を得た。得られた溶液に高速撹拌下で水
20部を徐々に滴下し、乳白色である固形分濃度30%
の水分散体を得た。
【0039】実施例 1〜4 合成例1〜4で得られたポリエステル樹脂(1)〜
(4)の水分散体に、酢酸カルシウムを樹脂分の5重量
部、アルミニウム(III) アセチルアセトナートを樹脂分
の2重量部添加し溶解したものを、2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(厚さ50μm ;東洋紡績
(株))のコロナ放電処理面に乾燥後の塗布厚が10μ
m になるように上記水分散体を塗布した後120℃にて
5分間熱風乾燥して、本発明の水性インクで筆記可能な
記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性
は、表−3に示した通りであった。
【0040】実施例 5 実施例1で得られたポリエステル樹脂(1)の水分散体
に、酢酸カルシウムを樹脂分の5重量部添加し、分子内
錯塩は添加しないもので、以下実施例1〜4と同一手法
により水性インクで筆記可能な記録シートを得た。かく
して得られた記録シートの特性は、表−3に示した通り
であった。
【0041】比較例 1 実施例1において水分散体を塗布していない2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムに文字を記録した。
この記録シートの特性は表−3に示した通りであり、イ
ンク吸収性、鮮映性に劣るものであった。
【0042】比較例 2 実施例1〜4においてポリエステル樹脂の代わりにポリ
エチレングリコール(分子量20000)の水溶液を塗
布して、水性インクで筆記可能な記録シートを得た。か
くして得られた記録シートの特性は、表−3に示した通
りであった。
【0043】比較例 3 比較合成例1で得られたポリエステル樹脂(5)の水分
散体で、実施例1〜4と同一手法により水性インクで筆
記可能な記録シートを得た。かくして得られた記録シー
トの特性は、表−3に示した通りであった。
【0044】比較例 4〜6 比較合成例1〜5で得られたポリエステル樹脂(6)〜
(8)の水分散体に、酢酸カルシウムを樹脂分の5重量
部、アルミニウム(III) アセチルアセトナートを樹脂分
の2重量部添加し溶解したもので、以下実施例1〜4と
同一手法により水性インクで筆記可能な記録シートを得
た。かくして得られた記録シートの特性は、表−3に示
した通りであった。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の水性インクで筆記可能な積層体
は、インク吸収性、耐ブロッキング性、鮮映性、記録文
字の耐湿性、積層体の耐湿性に優れたものであり、積層
体自身及び文字の保存安定性にも優れた理想的な要求性
能を持った積層体を供給することが可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、水性インクで筆記可能なコー
    ティング層を設けた積層体において、該コーティング層
    の主成分として、二塩基酸成分の80モル%以上を芳香
    族二塩基酸で構成し、ポリアルキレングリコールを15
    〜70重量%の割合で共重合した数平均分子量1000
    0〜200000の水不溶性ポリエステル樹脂を含有
    し、該ポリアルキレングリコールは、数平均分子量が2
    000〜500000のポリエチレングリコールを80
    重量%以上含有することを特徴とする水性インクで筆記
    可能な積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコーティング層中に、
    2価以上の金属の水溶性化合物を含有することを特徴と
    する積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のコーティング層中に、
    2価以上の分子内錯塩を含有することを特徴とする積層
    体。
JP9205457A 1997-07-14 1997-07-14 水性インクで筆記可能な積層体 Pending JPH1134268A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102977723A (zh) * 2011-09-02 2013-03-20 3M新设资产公司 保护性组合物

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102977723A (zh) * 2011-09-02 2013-03-20 3M新设资产公司 保护性组合物
CN102977723B (zh) * 2011-09-02 2016-11-23 3M新设资产公司 保护性组合物

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