JPH11342571A - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

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JPH11342571A
JPH11342571A JP14986198A JP14986198A JPH11342571A JP H11342571 A JPH11342571 A JP H11342571A JP 14986198 A JP14986198 A JP 14986198A JP 14986198 A JP14986198 A JP 14986198A JP H11342571 A JPH11342571 A JP H11342571A
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less
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ethylene
olefin
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JP14986198A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kobayashi
林 則 之 小
Masataka Noro
呂 正 孝 野
Tadashi Sezume
詰 忠 司 瀬
Yasunori Nakamura
村 康 則 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、光沢に優れ、かつ柔軟性、変形回復
性等の包装適性に優れたストレッチ包装用樹脂フィルム
を提供する。 【解決手段】 A層およびB層とからなることを特徴と
する、ストレッチ包装用フィルム。 A層:密度が0.910〜0.935g/cm3 のエチ
レン・C4〜8α‐オレフィン共重合体あるいは密度が
0.860〜0.908g/cm3 の直鎖状エチレン・
4〜8α‐オレフィン共重合体と、下記物性(1)〜
(5)のプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体
とからなる樹脂組成物層。 物性(1):MFRが0.5〜20g/10分 物性(2):融解ピークの温度[Tm]が100〜14
5℃ 物性(3):α‐オレフィン成分の含有量[E](mo
l%)が式[I]、[II]の範囲内 【数1】 物性(4):温度上昇溶分離別(TREF)による測定
で40℃以下の抽出量が2重量%以下、50℃以下の抽
出量が5重量%以下、60℃以下の抽出量が20重量%
以下 物性(5):Q値が1.0〜4.0 B層:密度が0.920g/cm3 以下かつQ値が6以
下のエチレン重合体からなる樹脂組成物層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のプロピレン
樹脂を配合した層と、密度が0.920g/cm3
下、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn=Q値)が6以下のエチレン重
合体からなる樹脂組成物層と、からなるストレッチ包装
用フィルムに関するものである。更に詳しくは、本発明
は、透明性、光沢、および柔軟性等に優れた食品のスト
レッチ包装用樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、青果物、鮮魚、精肉あるいは惣菜
等の食品を直接に、またはプラスチックトレイ上に載置
して、これらをフィルムでストレッチ包装する、いわゆ
るプリパッケージ用のフィルムとしては、主にポリ塩化
ビニル系のものが使用されてきた。しかし、近年、この
ようなポリ塩化ビニル系フィルムは、焼却時に塩化水素
ガスを発生させたり、多量に含有する可塑剤の溶出など
が問題視されている。このため、ポリ塩化ビニル系フィ
ルムに代わる材料が種々検討されており、特に、ポリオ
レフィン系樹脂を用いた構成のストレッチフィルムが各
種提案されている。例えば線状低密度ポリエチレンフィ
ルム(特開昭64−14018号公報)、または線状低
密度ポリエチレン層の両面に表裏層としてエチレン・酢
酸ビニル共重合体層を積層した三層構造のエチレン系樹
脂を基材とするストレッチフィルムが提案されている。
【0003】しかしながら、これらエチレン系樹脂包装
用ストレッチフィルムは、底シール性が劣るために、包
装物の輸送時や店頭陳列時にフィルム剥がれが発生しや
すく、場合により再包装しなくてはならない等の問題の
発生が避け難い。
【0004】これら問題点を改良する目的で、線状低密
度ポリエチレンにポリプロピレン系樹脂を配合した素材
を用いたストレッチ包装用フィルムが提案されている。
しかし、これらストレッチ包装用フィルムは、本発明者
らが知る限りでは、透明性が良好でなく、また、輸送あ
るいは陳列時のフィルム面にかかる変形によって生じた
シワが回復しないという所謂変形回復性の問題が見られ
るようである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストレッチ
包装用フィルムにおける上述の問題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、適度な滑り性、自己粘
着性および防曇性を有することは勿論のこと、外観に優
れ、かつ底シール性、変形回復性等の包装適性が極めて
優れたストレッチ包装用フィルムに関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題に
解決を与えるものである。したがって、本発明によるス
トレッチ包装用フィルムは、下記のA層およびB層とか
らなること、を特徴とするものである。
【0007】A層:密度が0.910〜0.935g/
cm3 のエチレン・C4〜8α‐オレフィン共重合体あ
るいは密度が0.860〜0.908g/cm3 の直鎖
状のエチレン・C4〜8α‐オレフィン共重合体と、下
記の物性(1)〜(5)を満足するプロピレン・α‐オ
レフィンランダム共重合体とからなる樹脂組成物層。 物性(1):メルトフローレートが0.5〜20g/1
0分である 物性(2):示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピー
クの温度[Tm]が100〜145℃の範囲内である 物性(3):炭素数が2または4〜20のα‐オレフィ
ン成分の含有量[E](mol%)が下記式[I]およ
び式[II]で表される範囲内である
【0008】
【数2】 物性(4):オルソジクロルベンゼンを溶媒として温度
上昇溶分離別(TREF)による測定において40℃以
下で抽出した抽出量が2重量%以下、50℃以下で抽出
した抽出量が5重量%以下、並びに、60℃以下で抽出
した抽出量が20重量%以下である 物性(5):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が1.0〜4.0
である B層:密度が0.920g/cm3 以下、かつゲルパー
ミェーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn=Q値)が6以下のエチレン重合体からなる樹脂組
成物層。
【0009】<効果>本発明によるストレッチ包装用フ
ィルムは、特定のエチレン・α‐オレフィン共重合体と
プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体からなる
樹脂組成物層(A層)と、密度が0.920g/cm3
以下、かつQ値(Mw/Mn)が6以下のエチレン重合
体からなる樹脂組成物層(B層)とからなるものであっ
て、透明性、光沢、柔軟性等に優れたストレッチ包装用
樹脂フィルムであり、極めて高い実用的価値を有するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】<A層>本発明によるストレッチ
包装用フィルムにおけるA層は、先ず、密度が0.91
0〜0.935g/cm3 のエチレン・C4〜8α‐オ
レフィン共重合体、あるいは、密度が0.860〜0.
908g/cm3 、好ましくは0.865〜0.905
g/cm3 、の直鎖状エチレン・C4〜8α‐オレフィ
ン共重合体を含むものである。このエチレン・α‐オレ
フィン共重合体の配合量は、A層をなすプロピレン・α
‐オレフィンランダム共重合体との合計量に対して50
重量%以上、好ましくは55〜99重量%、である。
【0011】密度が0.935g/cm3 を越えるエチ
レン・α‐オレフィン共重合体、あるいは、0.908
g/cm3 を越える直鎖状エチレン・α‐オレフィン共
重合体では、フィルム外観が悪化してしまいストレッチ
包装用フィルムとしては実用に供しない。
【0012】α‐オレフィンとしては、炭素数4〜8の
α‐オレフィン、即ち、例えばブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等、が挙げ
られる。
【0013】そして、本発明でのA層は、上記のエチレ
ン・α‐オレフィン共重合体とプロピレン・α‐オレフ
ィンランダム共重合体とからなる。このプロピレン・α
‐オレフィンランダム共重合体は、主成分のプロピレン
と、従成分の炭素数2または4〜20、好ましくは2ま
たは4〜8、のα‐オレフィンとのランダム共重合体で
あって、下記の物性(1)〜(5)を満足するものであ
る。
【0014】物性(1):メルトフローレート(MF
R:Melt Flow Rate)(230℃、2.
16kgf)が0.5〜20g/10分、好ましくは
1.0〜10g/10分、の範囲内である。メルトフロ
ーレートが0.5g/10分より低い場合は、フィルム
の押出成形性が不良となり、また、20g/10分より
高い場合はフィルム強度が著しく低下する。
【0015】物性(2):示差走査型熱量計(DSC:
Differential Scanning Cal
orimeter)で求めた融解ピークの温度[Tm]
が100〜145℃、好ましくは110〜140℃、の
範囲内である。示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピ
ークの温度[Tm]が100℃より低い場合は、底シー
ル性が不良となり、また、145℃より高い場合は、変
形回復性が低下し、ストレッチ包装用フィルムとしては
不適である。
【0016】物性(3):炭素数2または4〜20のα
‐オレフィン成分の含有量[E](mol%)が下記式
[I]で表される範囲内である。
【数3】 示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク温度[T
m]は上記式[I]で表される範囲以外ではプロピレン
・α‐オレフィンランダム共重合体の製造が困難であ
る。
【0017】また、α‐オレフィン成分の含有量[E]
(mol%)は、上記に加えて、さらに下記式[II]で
表される範囲内である。 0<[E]≦23、好ましくは0<[E]≦18 式[II] 上記α‐オレフィン成分の含有量が0mol%の場合
は、変形回復性が低下し、ストレッチフィルムとしては
不適である。23mol%より高い場合は、フィルム押
出成形性が不良となる。
【0018】物性(4):オルソジクロルベンゼンを溶
媒とした温度上昇溶離分別(TREF)による測定にお
ける40℃以下において抽出した抽出量が2重量%以
下、好ましくは1重量%以下であり、50℃以下で抽出
した抽出量が5重量%以下、好ましくは4重量%以下、
並びに、60℃以下で抽出した抽出量が20重量%以
下、好ましくは10重量%以下、である。上記の各温度
で抽出した抽出量のいずれかが上記範囲より多いとフィ
ルムの透明性および光沢等の外観が低下する。
【0019】オルソジクロルベンセンによる抽出は、オ
ルソジクロルベンゼンを溶媒とした温度上昇溶離分別
(TREF:Temperature Rising
Elution Fraction)によって測定する
ことができる。なお、TREFの測定は、Journa
l of Applied Polymer Scie
nce 26巻 第4217〜4231頁(1981)
に記載の装置および方法により行うことができる。
【0020】物性(5):ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC:Gel Permeation
Chromatography)により求めた、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分
子量分布)(Mw/Mn=Q値)が1.0〜4.0、好
ましくは1.5〜3.5、の範囲内である。分子量分布
が1.0より低い場合は、フィルム押出成形性が不良と
なり、また、4.0より高い場合は、フィルムの透明性
が低下する。
【0021】このようなプロピレン・α‐オレフィンラ
ンダム共重合体の具体例としては、例えば、プロピレン
と他の1‐アルケン(エチレン、1‐ブテン、1‐ペン
テン、1‐ヘキセン、4‐メチルペンテン‐1等)との
二元共重合体、または、プロピレンと他の1‐アルケ
ン、例えば上記したもの、具体的にはエチレン、1‐ブ
テン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、4‐メチルペンテ
ン‐1等)との三元共重合体等を挙げることができる。
この中では特にエチレンおよび1‐ブテンが好ましい。
このプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体の配
合量は、前記のエチレン・C4〜8α‐オレフィン共重
合体との合計量に対して50重量%未満、好ましくは1
〜45重量%、である。
【0022】A層を樹脂組成物には、フィルムの外観を
悪化させない範囲で、(イ)密度が0.915〜0.9
30g/cm3 の低密度ポリエチレン、(ロ)α‐オレ
フィン成分の含有量[E](mol%)が下記式[III]
及び式[IV]で表されるポリプロピレン系樹脂、(ハ)
エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量は5〜
40重量%)、(ニ)エチレン・アクリル酸共重合体
(アクリル酸含量は5〜20重量%)、(ホ)エチレン
・メタクリル酸メチル共重合体、(ヘ)エチレン、プロ
ピレン等のα‐オレフィンとアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸等から選ばれた単量体との共重合体の金
属塩(好ましい金属はZn、Na、K、Li、Mg等で
ある)、(ト)無水マレイン酸グラフトエチレン・酢酸
ビニル共重合体、(チ)無水マレイン酸グラフトポリエ
チレン、(リ)無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ン、および(ヌ)水添石油樹脂等の1種または2種以上
を、A層の樹脂組成物に対し、1〜45重量%、好まし
くは1〜30重量%、配合することもできる。このよう
なことによってフィルムの包装適性の向上をはかること
ができる。
【数4】 また、A層のポリプロピレン・α‐オレフィンランダム
共重合体樹脂組成物には、添加剤(詳細後記)を0.1
〜10重量%配合することができる。
【0023】<B層>B層には、密度が0.920g/
cm3 以下、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が6以下のエチ
レン重合体からなる樹脂組成物を使用することができ
る。具体的には、密度が0.920g/cm3 以下、か
つQ値(Mw/Mn)が6以下の低密度ポリエチレン、
密度が0.920g/cm3 以下、かつQ値(Mw/M
n)が6以下のエチレン・α‐オレフィン共重合体(α
‐オレフィンは炭素数4〜8)が挙げられる。
【0024】中でも、密度が0.860〜0.908g
/cm3 、好ましくは0.865〜0.905g/cm
3 、かつQ値が4以下の直鎖状エチレン・α‐オレフィ
ン共重合体(α‐オレフィンは炭素数4〜8)のものが
外観あるい包装適性上から好ましい。密度が0.908
g/cm3 より高い場合あるいはQ値が6より高い場
合、フィルム外観が低下してしまいストレッチ包装用フ
ィルムとして実用に供しない。
【0025】B層には、所望により、各種の添加剤、例
えば防曇性、滑り性、自己粘着性および帯電防止性を付
与するために、例えば、炭素数が1〜12、好ましくは
1〜6、の脂肪族アルコールと、炭素数が10〜22、
好ましくは12〜18、の脂肪酸との化合物である脂肪
族アルコール系脂肪酸エステル、具体的には、モノグリ
セリンオレエート、ポリグリセリンオレエート、グリセ
リントリリシノレート、グリセリンアセチルリシノレー
ト、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンラウ
レート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチル
リシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピレ
ングリコールオレエート、プロピレングリコールラウレ
ート、ペンタエリスリオレエート、ポリエチレングリコ
ールオレエート、ポリプロピレングリコールオレエー
ト、ソルビタンオレエート、ソルビタンラウレート、ポ
リエチレングリコールソルビタンオレエート、ポリエチ
レングリコールソルビタンラウレート等、並びにポリア
ルキレンエーテルポリオール、具体的には、ポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等、更に、パラ
フィン系オイルより選ばれた化合物の少なくとも1種を
0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、配合す
るのが好ましい。
【0026】<ストレッチ包装用フィルム>本発明によ
るストレッチ包装用フィルムは、前記のA層およびB層
とからなるものである。ここで、「からなる」というこ
とは、ストレッチ包装用フィルムが挙示のA層およびB
層のみからなるものの外に、A層およびB層とこれら以
外の合目的的な層ないし資材とからなるものをも意味す
る。そのようなA層およびB層以外の合目的的な層とし
ては、例えばA層とB層との接着強度を向上させる接着
剤層を挙げることができる。このような接着剤層の典型
例としては、例えば、プロピレン・α‐オレフィンラン
ダム共重合体からなる樹脂組成物(好ましくは、例えば
A層として用いられるもの)とエチレン系共重合体から
なる樹脂組成物(好ましくは、例えばB層として用いら
れるもの)とを混合してなる樹脂組成物から形成される
ものを挙げることができる。合目的的な他の層の別の一
例は、A層またはB層であって、たとえばB−A−Bの
層構造を持つものである。
【0027】従って、本発明におけるストレッチ包装用
フィルムは、前記のA層およびB層が少なくとも各1層
ずつ用いられていればよく、従ってA層およびB層のい
ずれか一方あるいは両者は同時に複数用いられていても
よい。
【0028】本発明でのB層は主としてストレッチ包装
用フィルムにシール性を付与するものである。したがっ
てストレッチ包装用フィルムにシール性を期待する場合
には、このB層をストレッチ包装用フィルムの表面層と
して用いるのが普通である。
【0029】本発明によるストレッチ包装用フィルム
は、A層を構成する樹脂、およびB層を構成する樹脂
を、複数の押出機を用いて、インフレーション成形また
はTダイ成形による共押出法、または押出ラミネート法
等の公知の方法で積層して成形する。
【0030】中でもフィルムの縦方向と横方向の引裂強
度等機械的強度を充分にバランスさせた積層フィルムを
得るには、インフレーション成形による共押出が好まし
く、その際のブロー比は3〜20倍、好ましくは5〜1
8倍、である。
【0031】ここでのブロー比とは、ダイのダイスリッ
ト円周長に対する最終インフレーションフィルムの円周
長との比を言う。
【0032】更に、前述のようにして得られたフィルム
を、樹脂の結晶化温度以下に加熱し、ニップロール間の
速度差を利用して、フィルムの縦方向に1.2〜5倍延
伸したり、インフレーションバブル内に再度空気を吹き
込み横方向に1.2〜5倍、縦方向に1.2〜5倍延伸
することができる。このストレッチ包装用フィルムの厚
みは、全体の厚さが8〜30μmであり、うち、A層が
1〜20μm、B層が1〜15μmであるのが好まし
い。
【0033】
【実施例】以下の実験例は、本発明の内容および効果を
更に詳細に示すものである。したがって、本発明は、以
下の具体的開示の範囲内に限定されないことは云うまで
もない。
【0034】[評価方法]実施例および比較例において
得られたフィルムの評価方法は下記の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR) JIS−K6758のポリプロピレン試験方法のメルト
フローレート(条件:230℃、荷重2.16kgf)
に従って測定した。 (2)DSCによる融解ピーク温度 セイコー社製DSCを用い、サンプル量5.0mgを採
り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/
分の降温スピードでサンプルの結晶化を行い、さらに1
0℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク
温度を測定した。 (3)コモノマー濃度13 C−核磁気共鳴スペクトル法によって決定した。
【0035】(4)TRFEによる40℃以下、50℃
以下、および、60℃以下の抽出量を測定した。 装 置 :三菱化学社製 CFC T150A型 カラム :昭和電工社製 AD80M/S 3本 濃 度 :40mg/10ml 溶 媒 :オルソジクロルベンゼン
【0036】(5)分子量分布 重量平均分子量と数平均分子量との比(分子量分布)を
測定した。 装 置 :ウォーターズ社製 GPC 150C型 カラム :昭和電工社製 AD80M/S 3本 測定温度:140℃ 濃 度 :20mg/10ml 溶 媒 :オルソジクロルベンゼン (6)透明性(ヘイズ) ASTM−D1003に準拠して、得られたフィルムを
ヘイズメーターにて測定した。 (7)光沢(グロス) JIS−Z7841に準拠して、得られたフィルムをグ
ロスメーターにて測定した。
【0037】(8)復元可能歪量 図1に示される装置をクロスヘッドの移動距離を一定に
保つことのできる試験機に取り付けて、直径20mmφ
のピストン棒を50mm/分の速度で、直径100mm
の円筒状のロードセル3の上に張り付けたフィルム2の
中心に押し込んだ後、ピストン棒1を後退させた際、フ
ィルム2に発生した歪跡が3分後に完全に消える押し込
み深さ(歪量H)を測定した。 (9)包装適性評価 発泡ポリスチレン、ポリプロピレンまたは耐衝撃性ポリ
スチレン製の各トレイ上に、肉、魚または野菜をそれぞ
れ載せてストレッチ自動包装機〔(株)イシダ製「Wm
ini−Mark II」(商品名)〕にて包装を行い、
その時のフィルムのしわ、および、破れの有無を肉眼で
観察した。
【0038】(10)底シール評価 発泡ポリスチレン製トレイに300gの荷重の分銅を入
れ、ストレッチ自動包装機〔(株)イシダ製「Wmin
i−Mark II」(商品名)〕にて包装したものを、
80℃、100℃、120℃に加熱した鉄板上に1秒間
乗せた時の底シール状態を次のように評価した。 ○:熱溶着により底シール状態良好、×:熱融着せず簡
単にフィルムが剥がれる、+:熱により溶け、フィルム
に穴が開く
【0039】<実施例1>A層用樹脂として、直鎖状エ
チレン・α‐オレフィン共重合体樹脂〔密度0.917
g/cm3 、MFR1.8g/10分、α‐オレフィ
ン:ブテン−1;日本ポリケム(株)製、商品名「ノバ
テックLL X729」〕70重量%と、表1に示され
るプロピレン・エチレンランダム共重合体30重量%
を、口径65mm、L/D25の押出機を用いて190
℃で混練し、一方、B層として、直鎖状エチレン・α‐
オレフィン共重合体樹脂〔密度0.895g/cm3
Q値2.26、MFR1.6g/10分、α‐オレフィ
ン:オクテン−1(含量14.5重量%);ダウ・ケミ
カルジャパン(株)製、商品名「AFFINITY P
F1140」〕97重量%およびジギリセリンオレート
〔理研ビタミン(株)製、商品名「リケマール07
1」〕3重量%よりなる樹脂組成物を口径50mm、L
/D25の押出機を用いて175℃で混練し、この両者
を一台の環状三層ダイに供給して、A層よりなる厚さ5
μmの樹脂層の両面に、B層よりなる各厚さ4μmの樹
脂層が積層されるようにしてダイ温度190℃、ブロー
比5倍でインフレーション成形して、全体の厚さ13μ
m(4μm/5μm/4μm)のストレッチ包装用積層
フィルムを製造した。該積層フィルムの物性および包装
適性は、表2に示される通りである。
【0040】<実施例2>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いた直鎖状エチレン・α‐オレフィ
ン共重合体樹脂70重量%と表1に示されるプロピレン
・エチレンランダム共重合体30重量%に代えた外
は、同例と同様な方法で三層構造のストレッチ包装用積
層フィルムを製造した。該積層フィルムの物性および包
装適性は、表2に示される通りである。
【0041】<実施例3>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いた直鎖状エチレン・α‐オレフィ
ン共重合体樹脂70重量%と表1に示されるプロピレン
・エチレンランダム共重合体30重量%に代えた外
は、同例と同様な方法で三層構造のストレッチ包装用積
層フィルムを製造した。該積層フィルムの物性および包
装適性は、表2に示される通りである。
【0042】<実施例4>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1のB層で用いた直鎖状エチレン・α‐オ
レフィン共重合体樹脂70重量%と、表1に示されるプ
ロピレン・エチレンランダム共重合体30重量%より
なる樹脂組成物に代えた外は、同例と同様な方法で三層
構造のストレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積
層フィルムの物性および包装適性は、表2に示される通
りである。
【0043】<実施例5>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いた直鎖状エチレン・α‐オレフィ
ン共重合体樹脂56重量%と表1に示すプロピレン・エ
チレンランダム共重合体24重量%およびプロピレン
−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体〔エチレン含
有量1.25重量%、ブテン−1含有量10.7重量
%、密度0.896g/cm3 、MFR5.13g/1
0分、Q値6.06〕20重量%よりなる樹脂組成物に
代えた外は、同例と同様な方法で三層構造のストレッチ
包装用積層フィルムを製造した。該積層フィルムの物性
および包装適性は、表2に示される通りである。
【0044】<実施例6>実施例1において、A層とB
層との間に積層する層として、実施例1でA層用樹脂と
して使用した直鎖状エチレン・α‐オレフィン共重合体
28重量%とプロピレン・エチレンランダム共重合体
12重量%およびB層用樹脂として使用した直鎖状エチ
レン・α‐オレフィン共重合体60重量%とよりなる樹
脂組成物を、口径50mm、L/D25の押出機を用い
て190℃で混練し、A層およびB層とともに1台の環
状五層ダイに供給して、A層よりなる厚さ5μmの樹脂
層の両面に、各厚さ1μmとなるように積層し、更にそ
れら層の表面にB層よりなる各厚さ3μmの樹脂層が積
層されるようにして、全体の厚さ13μm(3μm/1
μm/5μm/1μm/3μm)とした外は、同例と同
様な方法で五層構造のストレッチ包装用積層フィルムを
製造した。該積層フィルムの物性および包装適性は、表
2に示される通りである。
【0045】<比較例1>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いた直鎖状エチレン‐α‐オレフィ
ン共重合体樹脂に代えた外は、同例と同様な方法で三層
構造のストレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積
層フィルムの物性および包装適性は、表2に示される通
りである。
【0046】<比較例2>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いた直鎖状エチレン・α‐オレフィ
ン共重合体樹脂70重量%と、表1に示されるプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体30重量%に代えた外
は、同例と同様な方法で三層構造のストレッチ包装用積
層フィルムを製造した。該積層フィルムの物性および包
装適性は、表2に示される通りである。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明によるストレッチ包装用フィルム
は、特定のプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合
体からなる樹脂組成物層と、密度が0.920g/cm
3 以下、かつQ値(Mw/Mn)が6以下のポリエチレ
ン重合体からなる層とからなるものであって、透明性、
光沢および柔軟性等に優れたストレッチ包装用樹脂フィ
ルムであり、極めて高い実用的価値を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの復元可能歪量の測定装置の平面図。
【符号の説明】
1 ピストン棒 2 フィルム(試料) 3 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬 詰 忠 司 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内 (72)発明者 中 村 康 則 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA層およびB層とからなることを特
    徴とする、ストレッチ包装用フィルム。 A層:密度が0.910〜0.935g/cm3 のエチ
    レン・C4〜8α‐オレフィン共重合体あるいは密度が
    0.860〜0.908g/cm3 の直鎖状のエチレン
    ・C4〜8α‐オレフィン共重合体と、下記の物性
    (1)〜(5)を満足するプロピレン・α‐オレフィン
    ランダム共重合体とからなる樹脂組成物層。 物性(1):メルトフローレートが0.5〜20g/1
    0分である 物性(2):示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピー
    クの温度[Tm]が100〜145℃の範囲内である 物性(3):炭素数が2または4〜20のα‐オレフィ
    ン成分の含有量[E](mol%)が下記式[I]およ
    び式[II]で表される範囲内である 【数1】 物性(4):オルソジクロルベンゼンを溶媒として温度
    上昇溶分離別(TREF)による測定において40℃以
    下で抽出した抽出量が2重量%以下、50℃以下で抽出
    した抽出量が5重量%以下、並びに、60℃以下で抽出
    した抽出量が20重量%以下である 物性(5):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が1.0〜4.0
    である B層:密度が0.920g/cm3 以下、かつゲルパー
    ミェーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均
    分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
    Mn=Q値)が6以下のエチレン重合体からなる樹脂組
    成物層。
  2. 【請求項2】A層中の直鎖状のエチレン・C4〜8α‐
    オレフィン共重合体が、密度が0.865〜0.905
    kg/cm3 のものである、請求項1に記載のストレッ
    チ包装用フィルム。
  3. 【請求項3】A層の樹脂組成物層が、プロピレン・α‐
    オレフィンランダム共重合体を1〜45重量%の配合で
    含むものである、請求項1または2に記載のストレッチ
    包装用フィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533833A (ja) * 2004-04-19 2007-11-22 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 片面、低騒音の延伸密着フィルムに好適な組成物およびこれから製造されるフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007533833A (ja) * 2004-04-19 2007-11-22 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 片面、低騒音の延伸密着フィルムに好適な組成物およびこれから製造されるフィルム

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