JPH11342568A - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

Info

Publication number
JPH11342568A
JPH11342568A JP14994898A JP14994898A JPH11342568A JP H11342568 A JPH11342568 A JP H11342568A JP 14994898 A JP14994898 A JP 14994898A JP 14994898 A JP14994898 A JP 14994898A JP H11342568 A JPH11342568 A JP H11342568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
less
weight
film
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14994898A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Kobayashi
林 則 之 小
Masataka Noro
呂 正 孝 野
Tadashi Sezume
詰 忠 司 瀬
Yasunori Nakamura
村 康 則 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Japan Polychem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Japan Polychem Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP14994898A priority Critical patent/JPH11342568A/ja
Publication of JPH11342568A publication Critical patent/JPH11342568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、光沢に優れ、かつ柔軟性、変形回復
性等の包装適性に優れたストレッチ包装用樹脂フィルム
を提供する。 【解決手段】 A層およびB層からなることを特徴とす
る、ストレッチ包装用フィルム。 A層:下記物性(1)〜(5)のプロピレン・α‐オレ
フィンランダム共重合体からなる樹脂組成物層。 物性(1):MFRが0.5〜20g/10分 物性(2):融解ピークの温度[Tm]が100〜14
5℃ 物性(3):α‐オレフィン成分の含有量[E](mo
l%)が式[I]、式[II]の範囲内 【数1】 物性(4):温度上昇溶分離別(TREF)による測定
で40℃以下の抽出量が2重量%以下、50℃以下の抽
出量が5重量%以下、60℃以下の抽出量が20重量%
以下 物性(5):Q値が1.0〜4.0 B層:密度が0.920g/cm3 以下Q値が6以下の
エチレン重合体からなる樹脂組成物層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のプロピレン
樹脂組成物を主成分とする層と、密度が0.920g/
cm3 以下、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が6以下のポリ
エチレン重合体からなる樹脂組成物と、からなるストレ
ッチ包装用樹脂フィルムに関するものである。更に詳し
くは、本発明は、透明性、光沢、および柔軟性等に優れ
た食品のストレッチ包装用樹脂フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、青果物、鮮魚、精肉あるいは惣菜
等の食品を直接に、またはプラスチックトレイ上に載置
して、これらをフィルムでストレッチ包装する、いわゆ
るプリパッケージ用のフィルムとしては、主にポリ塩化
ビニル系のものが使用されてきた。しかし、近年、この
ようなポリ塩化ビニル系フィルムは、焼却時に塩化水素
ガスを発生させたり、多量に含有する可塑剤の溶出など
が問題視されている。このため、ポリ塩化ビニル系フィ
ルムに代わる材料が種々検討されており、特に、ポリオ
レフィン系樹脂を用いた構成のストレッチフィルムが各
種提案されている。例えば線状低密度ポリエチレンフィ
ルム(特開昭64−14018号公報)、または線状低
密度ポリエチレン層の両面に表裏層としてエチレン・酢
酸ビニル共重合体層を積層した三層構造のエチレン系樹
脂を基材とするストレッチフィルムが提案されている。
【0003】しかしながら、これらエチレン系樹脂包装
用ストレッチフィルムは、底シール性が劣るために、包
装物の輸送時や店頭陳列時にフィルム剥がれが発生しや
すく、場合により再包装しなくてはならない等の問題の
発生が避け難い。
【0004】これら問題点を改良する目的で、線状低密
度ポリエチレンにポリプロピレン系樹脂を配合した素材
を用いたストレッチ包装用フィルムが提案されている。
しかし、これらストレッチ包装用フィルムは、本発明者
らが知る限りでは、透明性が良好でなく、また、輸送あ
るいは陳列時のフィルム面にかかる変形によって生じた
シワが回復しないという所謂変形回復性の問題が見られ
るようである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストレッチ
包装用フィルムにおける上述の問題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、適度な滑り性、自己粘
着性および防曇性を有することは勿論のこと、外観に優
れ、かつ底シール性、変形回復性等の包装適性が極めて
優れたストレッチ包装用フィルムに関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題に
解決を与えるものである。したがって、本発明によるス
トレッチ包装用フィルムは、下記のA層およびB層とか
らなること、を特徴とするものである。
【0007】A層:下記の物性(1)〜(5)を満足す
るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体からな
る樹脂組成物層。
【0008】物性(1):メルトフローレートが0.5
〜20g/10分である 物性(2):示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピー
クの温度[Tm]が100〜145℃の範囲内である 物性(3):炭素数が2または4〜20のα‐オレフィ
ン成分の含有量[E](mol%)が下記式[I]およ
び式[II]で表される範囲内である
【数2】 物性(4):オルソジクロルベンゼンを溶媒として温度
上昇溶分離別(TREF)による測定において40℃以
下で抽出した抽出量が2重量%以下、50℃以下で抽出
した抽出量が5重量%以下、並びに、60℃以下で抽出
した抽出量が20重量%以下である 物性(5):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が1.0〜4.0
である
【0009】B層:密度が0.920g/cm3 以下、
かつゲルパーミェーションクロマトグラフィーにより求
めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn=Q値)が6以下のエチレン重合体か
らなる樹脂組成物層。
【0010】<効果>本発明によるストレッチ包装用フ
ィルムは、特定のプロピレン・α−オレフィンランダム
共重合体からなる樹脂組成物層(A層)と、密度が0.
920g/cm3 以下、かつQ値(Mw/Mn)が6以
下のエチレン重合体からなる樹脂組成物層(B層)とか
らなるものであって、透明性、光沢、柔軟性等に優れた
ストレッチ包装用樹脂フィルムであり、極めて高い実用
的価値を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】<A層>本発明によるストレッチ
包装用フィルムにおけるA層は、プロピレン・α‐オレ
フィンランダム共重合体であり、主成分のプロピレン
と、従成分の炭素数2または4〜20、好ましくは2ま
たは4〜8、のα‐オレフィンとのランダム共重合体で
あって、下記の物性(1)〜(5)を満足するものであ
る。
【0012】物性(1):メルトフローレート(MF
R:Melt Flow Rate)(230℃、2.
16kgf)が0.5〜20g/10分、好ましくは
1.0〜10g/10分、の範囲内である。メルトフロ
ーレートが0.5g/10分より低い場合は、フィルム
の押出成形性が不良となり、また、20g/10分より
高い場合はフィルム強度が著しく低下する。
【0013】物性(2):示差走査型熱量計(DSC:
Differential Scanning Cal
orimeter)で求めた融解ピークの温度[Tm]
が100〜145℃、好ましくは110〜140℃、の
範囲内である。示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピ
ークの温度[Tm]が100℃より低い場合は、底シー
ル性が不良となり、また、145℃より高い場合は、変
形回復性が低下し、ストレッチ包装用フィルムとしては
不適である。
【0014】物性(3):炭素数2または4〜20のα
‐オレフィン成分の含有量[E](mol%)が下記式
[I]で表される範囲内である。
【数3】 示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク温度[T
m]は上記式[I]で表される範囲以外ではプロピレン
・α‐オレフィンランダム共重合体の製造が困難であ
る。また、α‐オレフィン成分の含有量[E](mol
%)は、上記に加えて、さらに下記式[II]で表される
範囲内である。 0<[E]≦23、好ましくは0<[E]≦18 式[II] 上記α‐オレフィン成分の含有量が0mol%の場合
は、変形回復性が低下し、ストレッチフィルムとしては
不適である。23mol%より高い場合は、フィルム押
出成形性が不良となる。
【0015】物性(4):オルソジクロルベンゼンを溶
媒とした温度上昇溶離分別(TREF)による測定にお
ける40℃以下において抽出した抽出量が2重量%以
下、好ましくは1重量%以下であり、50℃以下で抽出
した抽出量が5重量%以下、好ましくは4重量%以下、
並びに、60℃以下で抽出した抽出量が20重量%以
下、好ましくは10重量%以下、である。上記の各温度
で抽出した抽出量のいずれかが上記範囲より多いとフィ
ルムの透明性および光沢等の外観が低下する。オルソジ
クロルベンセンによる抽出は、オルソジクロルベンゼン
を溶媒とした温度上昇溶離分別(TREF:Tempe
rature Rising Elution Fra
ction)によって測定することができる。なお、T
REFの測定は、Journal of Applie
d Polymer Science 26巻 第42
17〜4231頁(1981)に記載の装置および方法
により行うことができる。
【0016】物性(5):ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC:Gel Permeation
Chromatography)により求めた、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分
子量分布=Q値)が1.0〜4.0、好ましくは1.5
〜3.5、の範囲内である。分子量分布が1.0より低
い場合は、フィルム押出成形性も不良となり、また分子
量分布が4.0より高い場合は、フィルムの透明性が低
下する。
【0017】このようなプロピレン・α‐オレフィンラ
ンダム共重合体の具体例としては、例えば、プロピレン
と他の1‐アルケン(エチレン、1‐ブテン、1‐ペン
テン、1‐ヘキセン、4‐メチルペンテン‐1等)との
二元共重合体、または、プロピレンと他の1‐アルケ
ン、例えば上記したもの、具体的にはエチレン、1‐ブ
テン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、4‐メチルペンテ
ン‐1等)との三元共重合体等を挙げることができる。
この中では特にエチレンおよび1‐ブテンが好ましい。
【0018】A層をなす前記プロピレン・α‐オレフィ
ンランダム共重合体からなる樹脂組成物には、フィルム
の外観を悪化させない範囲で、(イ)密度が0.915
〜0.930g/cm3 の低密度ポリエチレン、(ロ)
エチレン・α‐オレフィン共重合体(α‐オレフィンは
炭素数4〜8)、例えば密度が0.910〜0.935
g/cm3 のもの、あるいは密度が0.908g/cm
3 以下、好ましくは0.865〜0.905g/c
3 、の直鎖状エチレン・α‐オレフィン共重合体(α
‐オレフィンは炭素数4〜8)、(ハ)α‐オレフィン
成分の含有量[E](mol%)が下記式[III]及び式
[IV]で表されるポリプロピレン系樹脂、(ニ)エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量は5〜40重
量%)、(ホ)エチレン・アクリル酸共重合体(アクリ
ル酸含量は5〜20重量%)、(ヘ)エチレン・メタク
リル酸メチル共重合体、(ト)エチレン、プロピレン等
のα‐オレフィンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸等から選ばれた単量体との共重合体の金属塩(好ま
しい金属はZn、Na、K、Li、Mg等である)、
(チ)無水マレイン酸グラフトエチレン・酢酸ビニル共
重合体、(リ)無水マレイン酸グラフトポリエチレン、
(ヌ)無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、および
(ル)水添石油樹脂、等の1種または2種以上を、1〜
45重量%、好ましくは1〜30重量%、配合すること
もできる。このようなことによってフィルムの包装適性
の向上をはかることができる。
【数4】 また、A層のポリプロピレン・α‐オレフィンランダム
共重合体樹脂組成物には、添加剤(詳細後記)を0.1
〜10重量%配合することができる。
【0019】<B層>B層は、密度が0.920g/c
3 以下、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が6以下のエチレ
ン重合体からなる樹脂組成物を使用することができる。
具体的には、密度が0.920g/cm3 以下、かつQ
値(Mw/Mn)が6以下の低密度ポリエチレン、密度
が0.920g/cm3 以下、かつQ値(Mw/Mn)
が6以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(α−オ
レフィンは炭素数4〜8)が挙げられる。中でも、密度
が0.908g/cm3 以下、好ましくは0.865〜
0.905g/cm3 、かつQ値が4以下の直鎖状エチ
レン・α−オレフィン共重合体(α−オレフィンは炭素
数4〜8)のものが外観および包装適性上から好まし
い。密度が0.908g/cm3 より高い場合あるいは
Q値が6より高い場合、フィルム外観が低下してしまい
ストレッチ包装用フイルムとして実用に適さない。
【0020】B層には、所望により、各種の添加剤、例
えば防曇性、滑り性、自己粘着性および帯電防止性を付
与するために、例えば、炭素数が1〜12、好ましくは
1〜6、の脂肪族アルコールと、炭素数が10〜22、
好ましくは12〜18、の脂肪酸との化合物である脂肪
族アルコール系脂肪酸エステル、具体的には、モノグリ
セリンオレエート、ポリグリセンオレエート、グリセリ
ントリリシノレート、グリセリンアセチルリシノレー
ト、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンラウ
レート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチル
リシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピレ
ングリコールオレエート、プロピレングリコールラウレ
ート、ペンタエリスリオレエート、ポリエチレングリコ
ールオレエート、ポリプロピレングリコールオレエー
ト、ソルビタンオレエート、ソルビタンラウレート、ポ
リエチレングリコールソルビタンオレエート、ポリエチ
レングリコールソルビタンラウレート等、並びにポリア
ルキレンエーテルポリオール、具体的には、ポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等、更に、パラ
フィン系オイルより選ばれた化合物の少なくとも1種を
0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、配合す
るのが好ましい。
【0021】<ストレッチ包装用フィルム>本発明によ
るストレッチ包装用フィルムは、前記のA層およびB層
とからなるものである。ここで、「からなる」というこ
とは、ストレッチ包装用フィルムが挙示のA層およびB
層のみからなるものの外に、A層およびB層とこれら以
外の合目的的な層ないし資材とからなるものをも意味す
る。そのようなA層およびB層以外の合目的的な層とし
ては、例えばA層とB層との接着強度を向上させる接着
剤層を挙げることができる。このような接着剤層の典型
例としては、例えば、プロピレン・α‐オレフィンラン
ダム共重合体からなる樹脂組成物(好ましくは、例えば
A層として用いられるもの)とエチレン系共重合体から
なる樹脂組成物(好ましくは、例えばB層として用いら
れるもの)とを混合してなる樹脂組成物から形成される
ものを挙げることができる。合目的的な他の層の別の一
例は、A層またはB層であって、たとえばB−A−Bの
層構造を持つものである。従って、本発明におけるスト
レッチ包装用フィルムは、前記のA層およびB層が少な
くとも各1層ずつ用いられていればよく、従ってA層お
よびB層のいずれか一方あるいは両者は同時に複数用い
られていてもよい。
【0022】本発明でのB層は主としてストレッチ包装
用フィルムにシール性を付与するものである。したがっ
てストレッチ包装用フィルムにシール性を期待する場合
には、このB層をストレッチ包装用フィルムの表面層と
して用いるのが普通である。
【0023】本発明によるストレッチ包装用フィルム
は、A層を構成する樹脂、およびB層を構成する樹脂
を、複数の押出機を用いて、インフレーション成形また
はTダイ成形による共押出法、または押出ラミネート法
等の公知の方法で積層して成形する。中でもフィルムの
縦方向と横方向の引裂強度等機械的強度を充分にバラン
スさせた積層フィルムを得るには、インフレーション成
形による共押出が好ましく、その際のブロー比は3〜2
0倍、好ましくは5〜18倍、である。
【0024】ここでのブロー比とは、ダイのダイスリッ
ト円周長に対する最終インフレーションフィルムの円周
長との比を言う。
【0025】更に、前述のようにして得られたフィルム
を、樹脂の結晶化温度以下に加熱し、ニップロール間の
速度差を利用して、フィルムの縦方向に1.2〜5倍延
伸したり、インフレーションバブル内に再度空気を吹き
込み横方向に1.2〜5倍、縦方向に1.2〜5倍延伸
することができる。
【0026】このストレッチ包装用フィルムの厚みは、
全体の厚さが8〜30μmであり、うち、A層が1〜2
0μm、B層が1〜15μmであるのが好ましい。
【0027】
【実施例】以下の実験例は、本発明の内容および効果を
更に詳細に示すものである。したがって、本発明は、以
下の具体的開示の範囲内に限定されないことは云うまで
もない。
【0028】[評価方法]実施例および比較例において
得られたフィルムの評価方法は下記の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR) JIS−K6758のポリプロピレン試験方法のメルト
フローレート(条件:230℃、荷重2.16kgf)
に従って測定した。 (2)DSCによる融解ピーク温度 セイコー社製DSCを用い、サンプル量5.0mgを採
り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/
分の降温スピードでサンプルの結晶化を行い、さらに1
0℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク
温度を測定した。 (3)コモノマー濃度13 C−核磁気共鳴スペクトル法によって決定した。 (4)TRFEによる40℃以下、50℃以下、およ
び、60℃以下の抽出量を測定した。 装 置 :三菱化学社製 CFC T150A型 カラム :昭和電工社製 AD80M/S 3本 濃 度 :40mg/10ml 溶 媒 :オルソジクロルベンゼン
【0029】(5)分子量分布 重量平均分子量と数平均分子量との比(分子量分布)を
測定した。
【0030】 装 置 :ウォーターズ社製 GPC 150C型 カラム :昭和電工社製 AD80M/S 3本 測定温度:140℃ 濃 度 :20mg/10ml 溶 媒 :オルソジクロルベンゼン
【0031】(6)透明性(ヘイズ) ASTM−D1003に準拠して、得られたフィルムを
ヘイズメーターにて測定した。 (7)光沢(グロス) JIS−Z7841に準拠して、得られたフィルムをグ
ロスメーターにて測定した。 (8)復元可能歪量 図1に示される装置をクロスヘッドの移動距離を一定に
保つことのできる試験機に取り付けて、直径20mmφ
のピストン棒を50mm/分の速度で、直径100mm
の円筒状のロードセル3の上に張り付けたフィルム2の
中心に押し込んだ後、ピストン棒1を後退させた際、フ
ィルム2に発生した歪跡が3分後に完全に消える押し込
み深さ(歪量H)を測定した。
【0032】(9)包装適性評価 発泡ポリスチレン、ポリプロピレンまたは耐衝撃性ポリ
スチレン製の各トレイ上に、肉、魚または野菜をそれぞ
れ載せてストレッチ自動包装機〔(株)イシダ製「Wm
ini−Mark II」(商品名)〕にて包装を行い、
その時のフィルムのしわ、および、破れの有無を肉眼で
観察した。 (10)底シール評価 発泡ポリスチレン製トレイに300gの荷重の分銅を入
れ、ストレッチ自動包装機〔(株)イシダ製「Wmin
i−Mark II」(商品名)〕にて包装したものを、
80℃、100℃、120℃に加熱した鉄板上に1秒間
乗せた時の底シール状態を次のように評価した。 ○:熱溶着により底シール状態良好、×:熱融着せず簡
単にフィルムが剥がれる、+:熱により溶け、フィルム
に穴が開く
【0033】<実施例1>A層用樹脂として、表1に示
されるプロピレン・エチレンランダム共重合体を口径
65mm、L/D25の押出機を用いて190℃で混練
し、一方、B層として、直鎖状エチレン・α−オレフィ
ン共重合体樹脂〔密度0.895g/cm3 、Q値2.
26、MFR1.6g/10分、α−オレフィン:オク
テン−1(含量14.5重量%);ダウ・ケミカルジャ
パン(株)製、商品名「AFFINITY PF114
0」〕97重量%およびジギリセリンオレート〔理研ビ
タミン(株)製、商品名「リケマール071」〕3重量
%よりなる樹脂組成物を口径50mm、L/D25の押
出機を用いて175℃で混練し、この両者を一台の環状
三層ダイに供給して、A層よりなる厚さ5μmの樹脂層
の両面に、B層よりなる各厚さ4μmの樹脂層が積層さ
れるようにしてダイ温度190℃、ブロー比5倍でイン
フレーション成形して、全体の厚さ13μm(4μm/
5μm/4μm)のストレッチ包装用積層フィルムを製
造した。該積層フィルムの物性および包装適性は、表2
に示される通りである。
【0034】<実施例2>実施例1において、A層用樹
脂を表1に示されるプロピレン・エチレンランダム共重
合体に代えた外は、同例と同様な方法で三層構造のス
トレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積層フィル
ムの物性および包装適性は、表2に示される通りであ
る。
【0035】<実施例3>実施例1において、A層用樹
脂を表1に示されるプロピレン・エチレンランダム共重
合体に代えた外は、同例と同様な方法で三層構造のス
トレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積層フィル
ムの物性および包装適性は、表2に示される通りであ
る。
【0036】<実施例4>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いたプロピレン・エチレンランダム
共重合体80重量%およびエチレン・酢酸ビニル共重
合体樹脂〔酢酸ビニル含有量15重量%、密度0.93
8g/cm3 、MFR2g/10分;日本ポリケム
(株)製、商品名「ノバテックEVA LV440」〕
20重量%よりなる樹脂組成物に代えた外は、同例と同
様な方法で三層構造のストレッチ包装用積層フィルムを
製造した。該積層フィルムの物性および包装適性は、表
2に示される通りである。
【0037】<実施例5>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いたプロピレン・エチレンランダム
共重合体80重量%およびB層に用いた直鎖状エチレ
ン・α−オレフィン共重合体樹脂20重量%よりなる樹
脂組成物に代えた外は、同例と同様な方法で三層構造の
ストレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積層フィ
ルムの物性および包装適性は、表2に示される通りであ
る。
【0038】<実施例6>実施例1において、A層用樹
脂を、実施例1で用いたプロピレン・エチレンランダム
共重合体80重量%および直鎖状エチレン・α−オレ
フィン共重合体樹脂〔密度0.917g/cm3 、MF
R1.8g/10分、α−オレフィン:ブテン−1;日
本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックLL X72
9」〕20重量%よりなる樹脂組成物に代えた外は、同
例と同様な方法で三層構造のストレッチ包装用積層フィ
ルムを製造した。該積層フィルムの物性および包装適性
は、表2に示される通りである。
【0039】<実施例7>実施例1において、A層とB
層との間に積層する層として、実施例1で使用したプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体40重量%および
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂60重量
%よりなる樹脂組成物を口径50mm、L/D25の押
出機を用いて190℃で混練し、A層およびB層ととも
に1台の環状五層ダイに供給して、A層よりなる厚さ5
μmの樹脂層の両面に、プロピレン・エチレンランダム
共重合体と直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体
樹脂との混合物よりなる各厚さ1μmの樹脂層が積層さ
れ、更にそれら層の表面にB層よりなる各厚さ3μmの
樹脂層が積層されるようにして、全体の厚さ13μm
(3μm/1μm/5μm/1μm/3μm)とした外
は、同例と同様な方法で五層構造のストレッチ包装用積
層フィルムを製造した。該積層フィルムの物性および包
装適性は、表2に示される通りである。
【0040】<比較例1>実施例1において、A層用樹
脂を実施例6で用いた直鎖状エチレン‐α‐オレフィン
共重合体樹脂に代えた外は、同例と同様な方法で三層構
造のストレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積層
フィルムの物性および包装適性は、表2に示される通り
である。
【0041】<比較例2>実施例1において、A層用樹
脂を表1に示されるプロピレン・エチレンランダム共重
合体に代えた外は、同例と同様な方法で三層構造のス
トレッチ包装用積層フィルムを製造した。該積層フィル
ムの物性および包装適性は、表2に示される通りであ
る。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によるストレッチ包装用フィルム
は、特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体からなる樹脂組成物層と、密度が0.920g/cm
3 以下、かつQ値(Mw/Mn)が6以下のエチレン重
合体からなる層とからなるものであって、透明性、光沢
および柔軟性等に優れたストレッチ包装用樹脂フィルム
であり、極めて高い実用的価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの復元可能歪量の測定装置の平面図。
【符号の説明】
1 ピストン棒 2 フィルム(試料) 3 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬 詰 忠 司 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内 (72)発明者 中 村 康 則 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA層およびB層からなることを特徴
    とする、ストレッチ包装用フィルム。 A層:下記の物性(1)〜(5)を満足するプロピレン
    ・α‐オレフィンランダム共重合体からなる樹脂組成物
    層。 物性(1):メルトフローレートが0.5〜20g/1
    0分である 物性(2):示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピー
    クの温度[Tm]が100〜145℃の範囲内である 物性(3):炭素数が2または4〜20のα‐オレフィ
    ン成分の含有量[E](mol%)が下記式[I]およ
    び式[II]で表される範囲内である 【数1】 物性(4):オルソジクロルベンゼンを溶媒として温度
    上昇溶分離別(TREF)による測定において40℃以
    下で抽出した抽出量が2重量%以下、50℃以下で抽出
    した抽出量が5重量%以下、並びに、60℃以下で抽出
    した抽出量が20重量%以下である 物性(5):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比(Mw/Mn=Q値)が1.0〜4.0
    である B層:密度が0.920g/cm3 以下、かつゲルパー
    ミェーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均
    分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
    Mn=Q値)が6以下のエチレン重合体からなる樹脂組
    成物層。
JP14994898A 1998-05-29 1998-05-29 ストレッチ包装用フィルム Pending JPH11342568A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14994898A JPH11342568A (ja) 1998-05-29 1998-05-29 ストレッチ包装用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14994898A JPH11342568A (ja) 1998-05-29 1998-05-29 ストレッチ包装用フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11342568A true JPH11342568A (ja) 1999-12-14

Family

ID=15486092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14994898A Pending JPH11342568A (ja) 1998-05-29 1998-05-29 ストレッチ包装用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11342568A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004268532A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Tohcello Co Ltd 熱融着性プロピレン系重合体積層フィルム及びその用途
CN1301190C (zh) * 2001-09-26 2007-02-21 日本聚丙烯公司 层压膜
US7488777B2 (en) 2004-08-25 2009-02-10 Mitsui Chemicals, Inc. Resin composition and film obtained therefrom

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1301190C (zh) * 2001-09-26 2007-02-21 日本聚丙烯公司 层压膜
JP2004268532A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Tohcello Co Ltd 熱融着性プロピレン系重合体積層フィルム及びその用途
US7488777B2 (en) 2004-08-25 2009-02-10 Mitsui Chemicals, Inc. Resin composition and film obtained therefrom

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2927928B2 (ja) 多層ポリエチレン系ストレッチシュリンクフイルム及びその製造方法
JPH08502532A (ja) 包装用フィルム
US6482532B1 (en) Easy tear non-halogenic food wrap
JPS6241529B2 (ja)
JPH0999526A (ja) 多層フィルム、それからなる包装容器および包装製品
JP3160221B2 (ja) ポリエチレン系多層フィルム
JPH11342568A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JPH0890737A (ja) 多層ポリエチレン系ストレッチシュリンクフィルム及びその製造方法
JP2021529229A (ja) 多層フィルム用の普遍的な熱可塑性接着剤
JP3647568B2 (ja) 食品包装用ストレッチシュリンクフィルム及びその製造方法
JP2007152570A (ja) 熱収縮性積層フィルム
JPH11342571A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JPH10272747A (ja) 積層ストレッチシュリンクフイルム
JP3953713B2 (ja) 包装用ストレッチフィルム
JPH11342573A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JPH11277692A (ja) プロピレン系樹脂組成物を用いたストレッチ包装用フィルム
JP3934311B2 (ja) 包装用積層ストレッチフィルム
JP3258849B2 (ja) 多層ポリエチレン系ストレッチシュリンクフィルム及びその製造方法
JP3295337B2 (ja) 積層フィルム
JPH10100343A (ja) 積層ストレッチシュリンクフィルム
JP3189174B2 (ja) 複合延伸フィルム
JP4651993B2 (ja) 易カット性積層フィルム
JP4896421B2 (ja) ストレッチシュリンク積層フィルムおよびその製造方法
JPH0418347A (ja) ポリエチレン系熱収縮性積層フイルム
JP4067746B2 (ja) 包装用積層ストレッチフィルム