JPH11341904A - 種子の被覆材および被覆方法並びに保存方法 - Google Patents

種子の被覆材および被覆方法並びに保存方法

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JPH11341904A
JPH11341904A JP15328298A JP15328298A JPH11341904A JP H11341904 A JPH11341904 A JP H11341904A JP 15328298 A JP15328298 A JP 15328298A JP 15328298 A JP15328298 A JP 15328298A JP H11341904 A JPH11341904 A JP H11341904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥状態に弱い例えばアマモ等の種子の表面
に被覆層を形成するのに好適に用いることができる被覆
材、および、水中(海中)に播種された場合において
も、崩壊・剥落し難い被覆層を形成することができる被
覆方法を提供する。また、種子を、乾燥を防止して輸
送、保存するのに好適な保存方法を提供する。 【解決手段】 水硬性物質と撥水性物質とを含むと共
に、必要に応じて、繊維状物質および/または無機粉体
をさらに含む被覆材で以て、種子を被覆すると共に造粒
する。このとき、種子が有する水分量を維持した状態で
造粒することがより好ましい。水硬性物質としては、焼
石膏がより好ましい。撥水性物質としては、ステアリン
酸、パルミチン酸、およびこれらの金属塩が特に好まし
い。被覆材によって被覆された種子に含まれる水分は、
被覆材によって保持される。上記被覆方法は、比較的多
量の水分を含む種子や、乾燥状態に弱い種子に対して好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、乾燥状態
に弱い例えばアマモ等の種子に対して、特に好適に用い
ることができる被覆材、および被覆方法、並びに保存方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、人参や玉葱、白菜等
の野菜の種子においては、例えば播種機による播種を容
易にするために、該種子を被覆材を用いて被覆すること
が行われている。そして、被覆方法としては、種子と、
被覆層となるべき被覆材と、水とを造粒装置に仕込んで
撹拌・混合することによって該種子表面に被覆層を形成
した後、得られた造粒物を乾燥させる方法が、一般的に
実施されている。上記の被覆材には、ポリビニルアルコ
ール(PVA)やカルボキシメチルセルロース(CM
C)、ポリビニルピロリドン等の水溶性バインダー、或
いは、粘土系鉱物が含まれている。また、特開昭62−
249901号公報には、輸送時や播種時における剥落
が生じ難い被膜を形成することができる被覆材として、
発根・発芽促進剤等の主剤に水硬性粘結剤と繊維状物質
とを配合してなる組成物が開示されている。
【0003】一方、例えば、海に面した自治体において
は、漁場を豊かにするために、いわゆる海の緑化事業が
展開されている。ところが、種子を形成する例えばアマ
モ等の海草は、種子の比重が水の比重に近いので、該種
子を海に単純に播種しただけでは、潮の流れによって種
子が流されてしまい、所望の海域に数%程度しか定着し
ない。このため、該海草を海底に植え付けるには、陸上
での播種と同様に、海底に溝を形成した後、潜水して該
溝に海草の種子を播種し、次いで種子に土(泥)をかけ
て流されないようにする必要がある。従って、上記緑化
事業には多大な労力並びに経費がかかっており、それゆ
え、海草の種子を簡単に播種することができるように、
前記方法によって該種子を被覆材を用いて被覆すること
が試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アマモ
等の海草の種子は、比較的多量の水分を含んでおり、乾
燥状態に弱い。このため、野菜の種子に対して実施され
ている上記従来の方法によって海草の種子を被覆材を用
いて被覆すると、造粒物を得る際に乾燥させるため、該
種子に含まれる水分が失われて死んでしまい、発芽しな
い。つまり、上記従来の方法では、乾燥状態に弱い例え
ばアマモ等の種子を被覆することができないという問題
点を有している。また、例え上記の種子を従来の被覆材
を用いて被覆することができたとしても、該被覆材には
耐水性に劣る水溶性バインダーや粘土系鉱物が含まれて
いるため、得られた造粒物を海上から播種すると、被覆
層が崩壊・剥落して種子が露出し、その結果、潮の流れ
によって種子が流されてしまい、所望の効果(定着率
等)を得ることができない。
【0005】さらに、上記海草の種子は乾燥状態に弱い
ので、輸送、保存する際には、乾燥を防止するために該
種子を水(海水)に浸漬しておく必要がある。それゆ
え、上記の種子は、輸送、保存に手間がかかるという問
題点も有している。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えば、乾燥状態に弱い例
えばアマモ等の種子の表面に被覆層を形成するのに好適
に用いることができる被覆材、および、水中(海中)に
播種された場合においても、崩壊・剥落し難い被覆層を
形成することができる被覆方法を提供することにある。
また、他の目的は、例えば、乾燥状態に弱い例えばアマ
モ等の種子を、乾燥を防止して輸送、保存するのに好適
な保存方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、種子の被覆材および被覆方法並びに
保存方法について鋭意検討した。その結果、水硬性物質
と撥水性物質とを含む被覆材が、乾燥状態に弱い種子の
表面に被覆層を形成するのに好適であることを見い出し
た。また、種子を該被覆材で被覆すると共に造粒するこ
とにより、水中(海中)に播種された場合においても、
崩壊・剥落し難い被覆層を形成することができること、
並びに、種子を該被覆材で覆うことにより、該種子の乾
燥を防止することができることを確認して、本発明を完
成させるに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明の種子の被覆材
は、上記の課題を解決するために、水硬性物質と撥水性
物質とを含むことを特徴としている。請求項2記載の発
明の種子の被覆材は、上記の課題を解決するために、請
求項1記載の被覆材において、繊維状物質をさらに含む
ことを特徴としている。請求項3記載の発明の種子の被
覆材は、上記の課題を解決するために、請求項1または
2記載の被覆材において、無機粉体をさらに含むことを
特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、被覆材が撥水性物質
を含んでいるので、該被覆材によって被覆された種子に
含まれる水分は、被覆材によって保持される。また、撥
水性物質を含んでいるので、被覆材は、その加工(造
粒)適性が従来の被覆材に比べて向上されている。それ
ゆえ、上記の被覆材は、例えば、乾燥状態に弱い種子の
表面に被覆層を形成するのに好適に用いることができ
る。
【0010】また、請求項4記載の発明の種子の被覆方
法は、上記の課題を解決するために、種子を、水硬性物
質と撥水性物質とを含む被覆材で被覆すると共に造粒す
ることを特徴としている。請求項5記載の発明の種子の
被覆方法は、上記の課題を解決するために、請求項4記
載の被覆方法において、種子が有する水分量を維持した
状態で造粒することを特徴としている。
【0011】上記の方法によれば、撥水性物質を含む被
覆材を用いて種子を被覆すると共に造粒するので、種子
表面に形成される被覆層、つまり、得られる造粒物に
は、撥水性が付与されることとなる。また、水硬性物質
を含む被覆材を用いて種子を被覆すると共に造粒するの
で、造粒物を播種機を用いて水上(海上)から播種する
ことができると共に、水硬性物質によって、水中(海
中)に播種された場合においても、崩壊・剥落し難い被
覆層が形成された造粒物を得ることができる。これによ
り、播種にかかる労力並びに経費を低減することができ
るので、種子を水中に、簡単にかつ安価に播種すること
ができ、しかも、潮の流れによって種子が流されること
がないので、定着率を向上させることができる。
【0012】さらに、請求項6記載の発明の種子の保存
方法は、上記の課題を解決するために、種子を、水硬性
物質と撥水性物質とを含む被覆材で覆うことを特徴とし
ている。
【0013】上記の方法によれば、撥水性物質を含む被
覆材を用いて種子を覆うので、該被覆材によって覆われ
た種子に含まれる水分は、被覆材によって保持される。
また、撥水性物質を含んでいるので、被覆材は、その加
工(造粒)適性が従来の被覆材に比べて向上されてい
る。それゆえ、上記の保存方法により、例えば、乾燥状
態に弱い種子を、乾燥を防止して輸送、保存することが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明にかかる種子の被覆材は、
水硬性物質と撥水性物質とを含むと共に、必要に応じ
て、繊維状物質および/または無機粉体をさらに含む構
成である。また、本発明にかかる種子の被覆方法は、種
子を上記被覆材で被覆すると共に造粒する方法であり、
より好ましくは、種子が有する水分量を維持した状態で
造粒する方法である。さらに、本発明にかかる種子の保
存方法は、種子を上記被覆材で覆う方法である。
【0015】本発明にかかる被覆材および被覆方法並び
に保存方法を適用することができる種子としては、具体
的には、例えば、アマモ等の海草等の、比較的多量の水
分を含む種子;ドングリ(Quercus属) 、ビワ(Eriobotry
a japonica) 、ワンピー(Clausena lansium)、南洋スギ
(Araucaria angustifolia)、ライチ(Litchi chinensi
s)、コーヒー、カカオ、パラゴムノキ、シソ等の、乾燥
状態に弱い種子;野菜や花卉等の催芽種子;野菜や花
卉、工芸作物等の種子から摘出した胚或いは不定胚を、
アルギン酸塩等でコーティングしてなる人工種子;等
の、乾燥状態に曝されると発芽率が低下する種子や、死
んでしまう種子等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。上記例示の種子のうち、比較的多量の水分を
含む種子や、乾燥状態に弱い種子がより好ましく、水中
(海中)に播種する種子がさらに好ましい。
【0016】上記の水硬性物質としては、具体的には、
例えば、焼石膏、無水石膏、半水石膏、ケイ酸石灰質セ
メント、アルミン酸石灰質セメント等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら水硬性物質は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。上記例示の水硬性物質のうち、焼石膏がより好
ましい。
【0017】被覆材における水硬性物質の含有量は、3
0重量%以上であることが好ましい。本発明にかかる被
覆材は上記割合で水硬性物質を含んでいるので、得られ
る造粒物を播種機を用いて水上(海上)から播種するこ
とができる。また、水分を多く含む造粒物に対して充分
な機械的強度を付与することができると共に、例えば、
水中に播種された場合においても、崩壊・剥落し難い被
覆層が形成された造粒物を得ることができる。水硬性物
質の含有量が30重量%未満であると、種子表面に形成
される被覆層に、充分な機械的強度を付与することがで
きなくなる。従って、得られる造粒物を例えば水中に播
種すると、該被覆層が崩壊・剥落するので好ましくな
い。尚、水硬性物質の粒子径は、特に限定されるもので
はないが、100ミクロン以下であることが望ましい。
【0018】上記の撥水性物質は、液状、粉体状、ペー
スト状の何れであってもよい。該撥水性物質としては、
例えば、油脂、蝋、高級脂肪酸およびその金属塩、高級
脂肪族アルコールおよびそのアルキレンオキサイド付加
物、シリコン系撥水剤等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。これら撥水性物質は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記
例示の撥水性物質のうち、高級脂肪酸およびその金属塩
がより好ましく、飽和脂肪酸およびその金属塩がさらに
好ましく、ステアリン酸およびその金属塩、並びに、パ
ルミチン酸およびその金属塩が特に好ましい。該金属塩
としては、例えば、カルシウム塩等のアルカリ土類金属
塩が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0019】被覆材における撥水性物質の含有量は、5
重量%〜50重量%の範囲内であることが好ましい。本
発明にかかる被覆材は上記割合で撥水性物質を含んでい
るので、種子表面に形成される被覆層、つまり、得られ
る造粒物には、撥水性が適度に付与されることとなる。
それゆえ、種子同士の粘着(団粒化)や、種子と造粒装
置との粘着(造粒装置内壁への種子の付着)を防止して
作業性を向上させることができ、水分量が多い状態での
造粒操作(被覆操作)を容易にすることができる。即
ち、撥水性物質を含んでいるので、被覆材は、その加工
(造粒)適性が従来の被覆材に比べて向上されている。
撥水性物質の含有量が5重量%未満であると、種子同士
の粘着や、種子と造粒装置との粘着を防止することがで
きなくなるので作業性が低下し、造粒操作が困難とな
る。一方、撥水性物質の含有量が50重量%を越える
と、造粒物に撥水性が過度に付与されることとなるの
で、該造粒物を例えば水中に播種すると、造粒物が水面
に浮いてしまう。尚、撥水性物質が粉体状である場合に
おける該撥水性物質の粒子径は、特に限定されるもので
はないが、100ミクロン以下であることが望ましい。
【0020】上記の繊維状物質は、有機物、無機物の何
れであってもよく、また、天然物、合成物を問わない
が、アスペクト比が20以上であることが望ましい。該
繊維状物質としては、具体的には、例えば、ワラストナ
イト、セピオライト、アスベスト等の繊維状鉱物;セル
ロース等の有機物繊維;等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これら繊維状物質は、必要に応じ
て、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。上記例示の繊維状物質のうち、ワラスト
ナイト、セピオライト、および、セルロースがより好ま
しい。
【0021】被覆材における繊維状物質の含有量は、特
に限定されるものではないが、5重量%以上であること
がより好ましい。繊維状物質の含有量が5重量%未満で
あると、例えば水硬性物質の種類によっては、種子表面
に形成される被覆層、つまり、得られる造粒物が脆くな
るおそれがある。尚、繊維状物質の長さ(繊維長)は、
特に限定されるものではない。
【0022】上記の粉体は、種子の発芽に対して悪影響
を及ぼさない物質であればよく、天然物、合成物を問わ
ないが、粒子径が100ミクロン以下であることが望ま
しい。該粉体としては、具体的には、例えば、珪藻土、
パイロフィライト、タルク、カオリナイト、炭酸カルシ
ウム、非晶質シリカ、モンモリロナイト、サポナイト、
パリゴルスカイト、ベントナイト、クロライト、バーミ
キュライト、パーライト、イライト等の、鉱物の粉体;
ガラス、アルミナ、プラスチック等の、人工物の粉体;
ステンレス等の、金属の粉体;等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これら粉体は、必要に応じ
て、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。上記例示の粉体のうち、パリゴルスカイ
トがより好ましい。
【0023】被覆材における粉体の含有量は、上記水硬
性物質、撥水性物質、および、繊維状物質の含有量に応
じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0024】また、本発明にかかる被覆材は、上記水硬
性物質、撥水性物質、繊維状物質、および、無機粉体の
他に、必要に応じて、各種の添加剤をさらに含んでいて
もよい。該添加剤としては、例えば、過酸化カルシウム
等の発根・発芽促進剤、植物ホルモン、消毒・殺菌剤、
農薬、肥料、造粒物の比重を大きくするための砂や鉄粉
等の錘、魚等に食べられないようにするための着色剤や
忌避剤、水硬性物質の硬化を促進させるための硬化促進
剤等が挙げられるが、特に限定されるものではない。こ
れら添加剤は、種子の種類、被覆材や造粒物が備えるべ
き各種物性、或いは、造粒物の播種方法等に応じて、適
宜、用いればよい。尚、被覆材における添加剤の含有量
は、上記水硬性物質、撥水性物質、繊維状物質、およ
び、無機粉体の含有量に応じて設定すればよく、特に限
定されるものではない。
【0025】上記水硬性物質、撥水性物質、繊維状物
質、無機粉体、および、添加剤を混合することにより、
本発明にかかる被覆材が得られる。被覆材の製造方法、
つまり、上記の構成成分を混合する方法や順序は、特に
限定されるものではない。
【0026】本発明にかかる被覆材は撥水性物質を含ん
でいるので、該被覆材によって被覆された種子に含まれ
る水分は、被覆材によって保持される。また、撥水性物
質を含んでいるので、被覆材は、その加工(造粒)適性
が従来の被覆材に比べて向上されている。それゆえ、上
記の被覆材は、例えば、乾燥状態に弱い種子の表面に被
覆層を形成するのに好適に用いることができる。
【0027】上記構成の被覆材を用いて種子を被覆、造
粒するのに好適に使用することができる造粒装置として
は、一般的な造粒装置である例えばパン型造粒機等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。造粒装置を
使用した種子の被覆方法の一例、つまり、造粒物の調製
方法について、その手順を以下に説明する。
【0028】先ず、造粒装置に種子を投入して、所定の
回転数で撹拌しながら、該種子に霧状の水を必要に応じ
て噴霧すると共に、予め調製した上記被覆材を造粒装置
に徐々に添加する。そして、種子と被覆材と水とを所定
時間、撹拌することにより、造粒操作(被覆操作)を行
う。これにより、造粒物が調製される。噴霧する水の量
は、造粒操作を容易に行うことができるように、装置内
の様子(造粒物の形成され具合)を確認することによっ
て、適宜調節すればよい。
【0029】そして、本発明にかかる被覆方法におい
て、比較的多量の水分を含む種子や、乾燥状態に弱い種
子を被覆する場合には、得られた造粒物に対して乾燥操
作を行わないことが好ましい。即ち、上記造粒操作にお
いては、種子が有する水分量を維持した状態で造粒する
と共に、得られた造粒物を乾燥させないことが好まし
い。本発明にかかる被覆材は撥水性物質を含んでいるの
で、水分量が多い状態での造粒操作が容易であり、該被
覆材によって被覆された種子に含まれる水分を被覆層に
よって保持することができる。しかも、水硬性物質によ
って、水分を多く含む造粒物に対して充分な機械的強度
を付与することができる。それゆえ、上記構成の被覆材
を用いた被覆方法においては、種子が有する水分量を維
持した状態で造粒することができるようになっている。
尚、種子を被覆する具体的な方法は、上記例示の方法に
のみ限定されるものではない。
【0030】本発明にかかる方法によれば、撥水性物質
を含む被覆材を用いるので、種子表面に形成される被覆
層、つまり、得られる造粒物には、撥水性が付与される
こととなる。また、水硬性物質を含む被覆材を用いるの
で、造粒物を播種機を用いて水上から播種することがで
きると共に、水中に播種された場合においても、崩壊・
剥落し難い被覆層が形成された造粒物を得ることができ
る。これにより、播種にかかる労力並びに経費を低減す
ることができるので、種子を水中に、簡単にかつ安価に
播種することができ、しかも、潮の流れによって種子が
流されることがないので、定着率を向上させることがで
きる。
【0031】造粒物の機械的強度は、水硬性物質が硬化
するに伴って向上する。従って、所定の機械的強度を有
する造粒物を得るには、水硬性物質の硬化が完了するよ
うに、該造粒物を所定時間、養生すればよい。造粒物の
機械的強度は、造粒物の播種方法等にもよるが、圧縮し
て造粒物を潰すために要する力が、300g/個以上あ
れば充分である。そして、造粒物は、播種後、少なくと
も種子が発根・発芽するまでの期間、具体的には数日
間、水中でその形状を保持することができればよい。
【0032】種子に対する被覆材の使用量は、種子の種
類や大きさ、造粒物が備えるべき各種物性、造粒物の大
きさ、或いは、造粒物の播種方法等に応じて設定すれば
よく、特に限定されるものではないが、重量比で1倍〜
5倍程度とすればよい。
【0033】また、上記構成の被覆材を用いて種子を覆
うことにより、即ち、種子表面が露出しないように該種
子を被覆材で覆うことによって、種子を保存することが
できる。種子を被覆材で覆う方法としては、具体的に
は、例えば、上記被覆方法と同様にして、種子と被覆材
と水とを撹拌することにより、種子表面に被覆層を形成
する方法、若しくは、適量の水が添加されることによっ
て湿潤した被覆材で以て、種子を包み込む(湿潤した被
覆材と種子とを積層する)方法等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。
【0034】上記の方法によれば、撥水性物質を含む被
覆材を用いて種子を覆うので、該被覆材によって覆われ
た種子に含まれる水分は、被覆材によって保持される。
それゆえ、上記の保存方法により、例えば、乾燥状態に
弱い種子を、乾燥を防止して輸送、保存することができ
る。つまり、本発明にかかる保存方法を実施することに
より、種子を水中或いは密封容器に長期間、具体的には
半年以上、保存することができる。そして、密封容器を
用いて保存する場合においては、従来の方法(種子を直
接、水中に保存する方法)と比較して、水を特に必要と
しないので全体の重量を軽くすることができる。それゆ
え、種子の取り扱い性がより一層向上すると共に、輸
送、保存にかかる経費を削減することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。実施例および比較例には、被
覆されるべき種子として、比較的多量の水分を含み、乾
燥状態に弱いアマモの種子(以下、単に種子と記す)を
用いた。
【0036】上記種子の乾燥度と発芽率との関係を、発
芽試験を行うことによって確認した。先ず、種子を三つ
のグループに分け、第一グループの種子は、乾燥しない
ように水中に保存した。一方、第二・第三グループの種
子は、それぞれ所定の乾燥状態に曝した。これにより、
第一グループの種子の含水率は86.7重量%、第二グ
ループの種子の含水率は47.8重量%、第三グループ
の種子の含水率は7.9重量%となった。次いで、これ
ら種子を発芽させるべく、水10mlを入れた直径9c
mのシャーレに所定数の上記種子を播種した後、該シャ
ーレを気温15℃の明るい場所に載置した。そして、播
種後三日目並びに四日目の発芽率を測定した。
【0037】その結果、第一グループの種子の三日目の
発芽率は37%であり、四日目の発芽率は51%であっ
た。これに対し、第二グループの種子の三日目の発芽率
は10%であり、四日目の発芽率は24%であった。第
三グループの種子の発芽率は三日目、四日目共に0%で
あった。従って、上記種子は、乾燥状態に弱いことが確
認された。
【0038】また、実施例および比較例における造粒物
(以下、コート種子と記す)の機械的強度は、下記方法
によって判定した。先ず、コート種子を水温20℃の水
に1時間浸漬した。その後、コート種子、つまり被覆層
が崩壊・剥落していない場合には、該コート種子を取り
出して、平板上に載置した。次に、コート種子に、直径
5mmのステンレス製の棒で以て、気温20℃で300
g/個の荷重をかけ、該コート種子が潰れる(割れる)
か否かを確認した。
【0039】そして、結果は、荷重をかけても潰れない
場合を「○」、荷重をかけると潰れるかまたは変形する
場合を「△」、被覆層が崩壊・剥落してコート種子が水
中から取り出せない場合を「×」とする3段階で判定し
た。
【0040】〔実施例1〕水硬性物質としての焼石膏、
撥水性物質としてのステアリン酸カルシウム、繊維状物
質としてのワラストナイト、および、粉体としてのパリ
ゴルスカイトを混合することによって、本発明にかかる
被覆材を調製した。該被覆材における、焼石膏の含有量
は50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有量は
10.0重量%、ワラストナイトの含有量は15.0重
量%、パリゴルスカイトの含有量は25.0重量%であ
った。
【0041】次に、上記被覆材を用いてコート種子を調
製した。即ち、直径50cmのパン型造粒機(造粒装
置)に所定量の種子を投入して、回転数約30rpmで
撹拌しながら、該種子に霧状の水を必要に応じて噴霧す
ると共に、上記被覆材をパン型造粒機に徐々に添加し
た。そして、種子と被覆材と水とを所定時間、撹拌する
ことにより、造粒操作を行った。噴霧する水の量は、装
置内の様子を確認することによって、適宜調節した。こ
れにより、コート種子を得た。得られたコート種子に対
しては、乾燥操作を行わなかった。
【0042】上記被覆材を用いた造粒操作(被覆操作)
は容易に行うことができた。つまり、上記被覆材の加工
性は「良好」であった。そして、得られたコート種子の
機械的強度を上記方法で測定したところ、結果は「○」
であった。被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて
表1に示す。
【0043】尚、上記の加工性は、造粒操作を容易に行
うことができた場合を「良好」、種子の団粒化や装置内
壁への付着が若干認められるものの、造粒操作を行うこ
とができた場合を「良」、種子の団粒化や装置内壁への
付着によって造粒操作を行うことができなかった場合を
「不良」とする3段階で判定した。
【0044】次いで、コート種子の発芽率を、発芽試験
を行うことによって測定した。即ち、コート種子を発芽
させるべく、水35mlを入れた直径9cmのシャーレ
に所定数の上記コート種子を播種した後、該シャーレを
気温15℃の明るい場所に載置した。そして、播種後七
日目並びに十四日目の発芽率を測定した。
【0045】その結果、コート種子の七日目の発芽率は
47.1%であり、十四日目の発芽率は58.8%であ
った。これに対し、同様の条件下で播種した裸の種子
(コート種子に加工しなかった種子)の七日目の発芽率
は60.0%であり、十四日目の発芽率は65.0%で
あった。従って、コート種子は、裸の種子と同程度の発
芽率で以て発芽することが確認された。
【0046】〔実施例2〕被覆材における、焼石膏の含
有量を40.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を10.0重量%、ワラストナイトの含有量を15.
0重量%、パリゴルスカイトの含有量を35.0重量%
に変更した以外は、実施例1の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0047】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、該コート種子の機械的強
度は若干低く、結果は「△」であった。被覆材の組成、
並びに、測定結果をまとめて表1に示す。
【0048】〔実施例3〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を10.0重量%、ワラストナイトの含有量を0重量
%、パリゴルスカイトの含有量を40.0重量%に変更
した以外は、実施例1の操作と同様の操作を行い、コー
ト種子を得た。
【0049】上記被覆材の加工性は「良好」であった。
そして、得られたコート種子の機械的強度を上記方法で
測定したところ、該コート種子はやや脆く、結果は
「△」であった。被覆材の組成、並びに、測定結果をま
とめて表1に示す。
【0050】〔実施例4〕被覆材における、焼石膏の含
有量を75.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を5.0重量%、ワラストナイトの含有量を0重量
%、パリゴルスカイトの含有量を20.0重量%に変更
した以外は、実施例1の操作と同様の操作を行い、コー
ト種子を得た。
【0051】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、該コート種子は非常に硬
く、結果は「○」であった。被覆材の組成、並びに、測
定結果をまとめて表1に示す。
【0052】〔実施例5〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を5.0重量%、ワラストナイトの含有量を15.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を30.0重量%に
変更した以外は、実施例1の操作と同様の操作を行い、
コート種子を得た。
【0053】上記被覆材の加工性は「良」であった。被
覆材の組成、並びに、結果をまとめて表1に示す。
【0054】〔実施例6〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を5.0重量%、ワラストナイトの含有量を0重量
%、パリゴルスカイトの含有量を45.0重量%に変更
した以外は、実施例1の操作と同様の操作を行い、コー
ト種子を得た。
【0055】上記被覆材の加工性は「良」であった。被
覆材の組成、並びに、結果をまとめて表1に示す。
【0056】〔比較例1〕被覆材における、焼石膏の含
有量を0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有量を2
0.0重量%、ワラストナイトの含有量を0重量%、パ
リゴルスカイトの含有量を80.0重量%に変更した以
外は、実施例1の操作と同様の操作を行い、比較用コー
ト種子を得た。つまり、比較用被覆材には、水硬性物質
が含まれていない。
【0057】しかしながら、比較用コート種子は、水に
浸漬すると崩壊したので、機械的強度の測定結果は
「×」であった。比較用被覆材の組成、並びに、測定結
果をまとめて表1に示す。
【0058】〔比較例2〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を0重量%、ワラストナイトの含有量を15.0重量
%、パリゴルスカイトの含有量を35.0重量%に変更
した以外は、実施例1の操作と同様の操作を行った。つ
まり、比較用被覆材には、撥水性物質が含まれていな
い。
【0059】しかしながら、上記比較用被覆材の加工性
は「不良」であり、その結果、比較用コート種子を得る
ことができなかった。比較用被覆材の組成、並びに、結
果をまとめて表1に示す。
【0060】〔比較例3〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を0重量%、ワラストナイトの含有量を0重量%、パ
リゴルスカイトの含有量を50.0重量%に変更した以
外は、実施例1の操作と同様の操作を行った。つまり、
比較用被覆材には、撥水性物質が含まれていない。
【0061】しかしながら、上記比較用被覆材の加工性
は「不良」であり、その結果、比較用コート種子を得る
ことができなかった。比較用被覆材の組成、並びに、結
果をまとめて表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】〔実施例7〕焼石膏、ステアリン酸カルシ
ウム、繊維状物質としてのセピオライト、および、パリ
ゴルスカイトを混合することによって、本発明にかかる
被覆材を調製した。該被覆材における、焼石膏の含有量
は50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有量は
10.0重量%、セピオライトの含有量は5.0重量
%、パリゴルスカイトの含有量は35.0重量%であっ
た。次に、上記被覆材を用いて、実施例1の操作と同様
の操作を行い、コート種子を得た。
【0064】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「△」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表2に示
す。
【0065】〔実施例8〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を10.0重量%、セピオライトの含有量を10.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を30.0重量%に
変更した以外は、実施例7の操作と同様の操作を行い、
コート種子を得た。
【0066】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「○」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表2に示
す。
【0067】〔実施例9〕被覆材における、焼石膏の含
有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有
量を10.0重量%、セピオライトの含有量を20.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を20.0重量%に
変更した以外は、実施例7の操作と同様の操作を行い、
コート種子を得た。
【0068】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「○」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表2に示
す。
【0069】〔実施例10〕被覆材における、焼石膏の
含有量を30.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含
有量を10.0重量%、セピオライトの含有量を10.
0重量%、パリゴルスカイトの含有量を50.0重量%
に変更した以外は、実施例7の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0070】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「△」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表2に示
す。
【0071】〔実施例11〕被覆材における、焼石膏の
含有量を30.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含
有量を10.0重量%、セピオライトの含有量を20.
0重量%、パリゴルスカイトの含有量を40.0重量%
に変更した以外は、実施例7の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0072】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「△」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表2に示
す。
【0073】
【表2】
【0074】〔実施例12〕焼石膏、ステアリン酸カル
シウム、繊維状物質としてのセルロース、および、パリ
ゴルスカイトを混合することによって、本発明にかかる
被覆材を調製した。該被覆材における、焼石膏の含有量
は50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含有量は
10.0重量%、セルロースの含有量は5.0重量%、
パリゴルスカイトの含有量は35.0重量%であった。
次に、上記被覆材を用いて、実施例1の操作と同様の操
作を行い、コート種子を得た。
【0075】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「○」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表3に示
す。
【0076】〔実施例13〕被覆材における、焼石膏の
含有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含
有量を10.0重量%、セルロースの含有量を10.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を30.0重量%に
変更した以外は、実施例12の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0077】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「○」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表3に示
す。
【0078】〔実施例14〕被覆材における、焼石膏の
含有量を50.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含
有量を10.0重量%、セルロースの含有量を20.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を20.0重量%に
変更した以外は、実施例12の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0079】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「○」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表3に示
す。
【0080】〔実施例15〕被覆材における、焼石膏の
含有量を30.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含
有量を10.0重量%、セルロースの含有量を10.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を50.0重量%に
変更した以外は、実施例12の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0081】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「△」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表3に示
す。
【0082】〔実施例16〕被覆材における、焼石膏の
含有量を30.0重量%、ステアリン酸カルシウムの含
有量を10.0重量%、セルロースの含有量を20.0
重量%、パリゴルスカイトの含有量を40.0重量%に
変更した以外は、実施例12の操作と同様の操作を行
い、コート種子を得た。
【0083】そして、得られたコート種子の機械的強度
を上記方法で測定したところ、結果は「○」であった。
被覆材の組成、並びに、測定結果をまとめて表3に示
す。
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の種子の被覆材
は、以上のように、水硬性物質と撥水性物質とを含む構
成である。本発明の請求項2記載の種子の被覆材は、以
上のように、繊維状物質をさらに含む構成である。本発
明の請求項3記載の種子の被覆材は、以上のように、無
機粉体をさらに含む構成である。
【0086】上記の構成によれば、被覆材が撥水性物質
を含んでいるので、該被覆材によって被覆された種子に
含まれる水分は、被覆材によって保持される。また、撥
水性物質を含んでいるので、被覆材は、その加工(造
粒)適性が従来の被覆材に比べて向上されている。それ
ゆえ、上記の被覆材は、例えば、乾燥状態に弱い種子の
表面に被覆層を形成するのに好適に用いることができる
という効果を奏する。
【0087】本発明の請求項4記載の種子の被覆方法
は、以上のように、種子を、水硬性物質と撥水性物質と
を含む被覆材で被覆すると共に造粒する方法である。本
発明の請求項5記載の種子の被覆方法は、以上のよう
に、種子が有する水分量を維持した状態で造粒する方法
である。
【0088】上記の方法によれば、撥水性物質を含む被
覆材を用いて種子を被覆すると共に造粒するので、種子
表面に形成される被覆層、つまり、得られる造粒物に
は、撥水性が付与されることとなる。また、水硬性物質
を含む被覆材を用いて種子を被覆すると共に造粒するの
で、造粒物を播種機を用いて水上(海上)から播種する
ことができると共に、水硬性物質によって、水中(海
中)に播種された場合においても、崩壊・剥落し難い被
覆層が形成された造粒物を得ることができる。これによ
り、播種にかかる労力並びに経費を低減することができ
るので、種子を水中に、簡単にかつ安価に播種すること
ができ、しかも、潮の流れによって種子が流されること
がないので、定着率を向上させることができるという種
々の効果を奏する。
【0089】本発明の請求項6記載の種子の保存方法
は、以上のように、種子を、水硬性物質と撥水性物質と
を含む被覆材で覆う方法である。
【0090】上記の方法によれば、撥水性物質を含む被
覆材を用いて種子を覆うので、該被覆材によって覆われ
た種子に含まれる水分は、被覆材によって保持される。
また、撥水性物質を含んでいるので、被覆材は、その加
工(造粒)適性が従来の被覆材に比べて向上されてい
る。それゆえ、上記の保存方法により、例えば、乾燥状
態に弱い種子を、乾燥を防止して輸送、保存することが
できるという効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水硬性物質と撥水性物質とを含むことを特
    徴とする種子の被覆材。
  2. 【請求項2】繊維状物質をさらに含むことを特徴とする
    請求項1記載の種子の被覆材。
  3. 【請求項3】無機粉体をさらに含むことを特徴とする請
    求項1または2記載の種子の被覆材。
  4. 【請求項4】種子を、水硬性物質と撥水性物質とを含む
    被覆材で被覆すると共に造粒することを特徴とする種子
    の被覆方法。
  5. 【請求項5】種子が有する水分量を維持した状態で造粒
    することを特徴とする請求項4記載の種子の被覆方法。
  6. 【請求項6】種子を、水硬性物質と撥水性物質とを含む
    被覆材で覆うことを特徴とする種子の保存方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002082905A1 (fr) * 2001-04-13 2002-10-24 Toyama Chemical Co., Ltd. Promoteurs de croissance vegetale, compositions de revetement pour des semences, semences revetues de cette composition de revetement et procede de pretraitement des semences
KR101221061B1 (ko) 2008-11-14 2013-01-11 한국농수산대학 산학협력단 규산, 철분 및 소석고 코팅 종자
JP2013133285A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Sds Biotech Corp 除草剤の薬害を軽減する組成物
KR101439931B1 (ko) * 2010-08-31 2014-09-12 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 종자 이중 피복용 철분 및 종자
JP2021193907A (ja) * 2020-06-11 2021-12-27 光洋機械産業株式会社 播種材とその製造方法、および植物生育域の造成方法

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